JP2007031681A - 接着部材及びそれを用いた接着施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の接着力発現部の取付作業を容易にすると共に、接着に寄与しない接着力発現部を無くしてその利用効率を向上する。
【解決手段】 所定形状の金属箔片5及び該金属箔片5の両面に塗布されて該金属箔片5が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤6からなる複数の接着力発現部3と、柔軟性を有する非金属又は非導電材からなり、前記複数の接着力発現部3を互いに繋ぐ繋ぎ部材2と、を備え、前記繋ぎ部材2と接着力発現部3とを交互に一直線状に並べて配置したものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 所定形状の金属箔片5及び該金属箔片5の両面に塗布されて該金属箔片5が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤6からなる複数の接着力発現部3と、柔軟性を有する非金属又は非導電材からなり、前記複数の接着力発現部3を互いに繋ぐ繋ぎ部材2と、を備え、前記繋ぎ部材2と接着力発現部3とを交互に一直線状に並べて配置したものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金属箔の両面に塗布され金属箔が電磁誘導加熱されて発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤からなる接着力発現部を有する接着部材に関し、詳しくは、複数の接着力発現部の取付作業を容易にすると共に、接着に寄与しない接着力発現部を無くしてその利用効率を向上した接着部材及びそれを用いた接着施工方法に係るものである。
建築物の壁面、床面、天井面の内装仕上げとして、壁下地、床下地、天井面に化粧材等の建材を接着剤により接着施工することがある。これらの化粧材の接着にあたって従来使用されてきた接着剤では、接着剤が接着力を発現するまでに時間がかかり、接着施工作業の作業性が悪かった。
そこで、近年、常温程度では固体状態であり、熱を加えると溶融する熱可塑性の接着剤(以下、「ホットメルト接着剤」と記載する)を下地材及び化粧材間に介在させ、高周波の電磁誘導加熱による熱を利用できるように工夫して、該熱により上記ホットメルト接着剤を極めて短時間(秒単位)で溶融させて接着する接着施工方法が開発された。この場合、溶融した接着剤は、電磁誘導加熱を止めれば直ちに温度が低下して固化し接着力を発現するため、接着施工作業の作業性が優れている。
また、上記電磁誘導加熱による接着施工方法は、上述のように接着施工作業性に優れているばかりでなく、無騒音、無振動で作業することができるので、施工環境上、騒音や振動が少なく短時間での施工が求められる店舗、事業所又は集合住宅などのリフォームやリニューアルに極めて有効な接着施工方法である。
さらに、ホットメルト接着剤は、熱を加えることで何度でも溶融させることができるため、一度接着された化粧材であっても、化粧材の表面側から再度高周波の電磁誘導加熱を行うことにより、ホットメルト接着剤を溶融させて化粧材を剥離し、化粧材を再利用することができる。
なお、上記高周波の電磁誘導加熱とは、電磁誘導加熱装置の加熱コイルに通電することにより高周波数の交番磁界を発生させ、それに基づく磁力線を金属板や金属箔等の加熱材に作用させると該加熱材中に渦電流が発生し、この渦電流に基づくジュール熱により上記加熱材が発熱する現象である。
このような、電磁誘導加熱による接着施工方法に使用される従来の接着部材は、テープ状に形成したアルミニウム等の金属箔の両面全面にホットメルト接着剤が塗布されている(例えば、特許文献1参照)。このような接着部材を用いた接着施工方法は、上記テープ状の接着部材を例えば下地材の上方から下方に向けて一気に貼り付け、その上に例えば化粧材のような内装材を重ねて該内装材の表面側から上記接着部材に対して、その取り付け方向に沿って所定ピッチで電磁誘導加熱装置をずらしながら電磁誘導加熱し、そのとき上記金属箔内に発生する熱で上記ホットメルト接着剤を溶融させ、上記接着部材を介して内装材を下地材表面に接着する。しかし、この場合、電磁誘導加熱装置の加熱コイル面を直線状に横断するテープ状の金属箔の側縁部に焦げ付きが発生することがあった。
このような問題を解決するために、他の接着部材は、両面にホットメルト接着剤を塗布したテープ状の金属箔の側縁部を、凹凸を繰り返した形状に形成し、電磁誘導加熱による発熱が金属箔の側縁部に集中するのを抑制して、被着材の焦げ付きを抑制するようになっている(例えば、特許文献2参照)
さらに他の接着部材は、両面にホットメルト接着剤が塗布され電磁誘導加熱により発熱する金属箔片の大きさを、該金属箔片に磁力線を作用させる電磁誘導加熱装置の加熱コイルのコイル面よりも小さい四角形以外の多角形、円形又は楕円形に形成している(例えば、特許文献3参照)。これにより、所望の接着位置にのみ接着部材を貼り付けて、金属箔及び接着剤の使用量を削減できるようにしている。
さらに他の接着部材は、両面にホットメルト接着剤を塗布した四角形の金属箔片の四隅に切込部を形成し、電磁誘導により金属箔片内部に発生する渦電流の流れを該切込部で阻害して周縁部全体の均一加熱が行なえるようにして焦げ付きを抑制している(特許文献4参照)。
特開20001−362085号公報
特開20002−371253号公報
特開20002−371252号公報
特開20001−362085号公報
しかし、このような従来の接着部材において、上記特許文献1及び2に記載の接着部材は、テープ状金属箔の両面全面にホットメルト接着剤が塗布されて全面が電磁誘導加熱に感応して接着力を発現する接着力発現部となっているため、該接着力発現部を取り付ける位置出しのための墨付け作業は、下地材の幅方向だけでよく、墨付け作業が容易になる利点はあるが、電磁誘導加熱されずに接着力発現に寄与しない接着力発現部が存在するためその利用効率が悪かった。
また、上記特許文献3及び4に記載の接着部材は、ホットメルト接着剤を両面に塗布した金属箔片を電磁誘導加熱装置の加熱コイル面よりも小さく形成して接着力発現部としているので、下地材の所望の接着位置にのみ上記金属箔片を貼り付ければよく、接着力発現に寄与しない接着力発現部を無くしてその利用効率を向上できる利点はあるが、接着力発現部を取り付ける位置出しのための墨付け作業及び接着力発現部の取付作業は、下地材の縦横方向に対して行わなければならず、接着力発現部の取付作業の作業性に難があった。そのため、接着対象物への被着材の接着施工作業性が悪かった。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、複数の接着力発現部の取付作業を容易にすると共に、接着に寄与しない接着力発現部を無くしてその利用効率を向上した接着部材及びそれを用いた接着施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明による接着部材は、所定形状の金属箔片及び該金属箔片の両面に塗布されて該金属箔片が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤からなる複数の接着力発現部と、柔軟性を有する非金属又は非導電材からなり、前記複数の接着力発現部を互いに繋ぐ繋ぎ部材と、を備え、前記繋ぎ部材と接着力発現部とを交互に一直線状に並べて配置したものである。
このような構成により、所定形状の金属箔片及び該金属箔片の両面に塗布され熱により溶融して接着力を発現する接着剤からなる複数の接着力発現部を、柔軟性を有する非金属又は非導電材からなる繋ぎ部材で繋いで接着力発現部と交互に一直線状に並べ、上記金属箔片を電磁誘導加熱に感応させて発熱させ、該金属箔片の発する熱で上記接着剤を溶融させ、上記複数の接着力発現部に接着力を発現させる。
また、前記繋ぎ部材は、前記接着力発現部の幅よりも狭い幅を有するテープ状をなし、その少なくとも一面の長さ方向に前記接着力発現部を所定間隔で一列に並べて配置したものである。これにより、接着力発現部の幅よりも狭い幅を有するテープ状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に所定間隔で一列に並べて配置した上記接着力発現部で繋ぎ部材の両面に接着力を発現させる。
さらに、前記繋ぎ部材は、前記接着力発現部の幅と略同等の幅を有する網目織りのテープ状をなし、その少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部を所定間隔で一列に並べて配置したものである。これにより、接着力発現部の幅と略同等の幅を有する網目織りのテープ状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に所定間隔で一列に並べて配置した複数の接着力発現部で接着力を発現させる。
また、前記繋ぎ部材は、前記接着力発現部の幅よりも広い幅を有する網目織りのシート状をなし、その少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部を所定間隔で一列に並べて配置し、幅方向に所定間隔で複数列配置したものである。これにより、接着力発現部の幅よりも広い幅を有する網目織りのシート状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に所定間隔で一列に並べて配置され、幅方向に所定間隔で複数列配置された複数の接着力発現部で接着力を発現させる。
さらに、前記金属箔片は、その側縁部が凹凸を繰り返した形状に形成されたものである。これにより、金属箔片の側縁部を、凹凸を繰り返した形状に形成して被着材の焦げ付きを抑制する。
そして、少なくとも前記繋ぎ部材には、該繋ぎ部材を接着対象物又は該接着対象物に接着される被着材に対して仮止めする仮止用粘着剤が設けられている。これにより、少なくとも繋ぎ部材に設けられた仮止用粘着剤で繋ぎ部材を接着対象物又は該接着対象物に接着される被着材に対して仮止めする。
また、第2の発明による接着部材は、テープ状又はシート状をなした金属箔と、前記金属箔が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤を塗布して形成した複数の接着力発現部と、を備え、前記複数の接着力発現部を前記金属箔の両面の同位置に形成し、該複数の接着力発現部を所定間隔で一直線状に並べて配置したものである。
このような構成により、テープ状又はシート状をなした金属箔を電磁誘導加熱して発熱させ、その熱により繋ぎ部材の両面の同位置に塗布され所定間隔で一直線状に並べて配置された複数の接着力発現部の接着剤を溶融させて接着力を発現させる。
さらに、前記金属箔は、少なくとも前記接着力発現部の配置された側縁部が凹凸を繰り返した形状に形成されたものである。これにより、金属箔の少なくとも接着力発現部の配置された側縁部を、凹凸を繰り返した形状に形成して被着材の焦げ付きを抑制する。
また、第3の発明による接着施工方法は、所定形状の金属箔片及び該金属箔片の両面に塗布されて該金属箔片が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤からなる複数の接着力発現部と、柔軟性を有する非金属又は非導電材からなり、前記複数の接着力発現部を互いに繋ぐ繋ぎ部材と、を備え、前記繋ぎ部材と接着力発現部とを交互に一直線状に並べて配置した接着部材を接着対象物又は該接着対象物に接着される被着材のいずれか一方の面に貼り付ける工程と、前記接着部材を間にして前記接着対象物上に被着材を重ね合わせる工程と、前記接着対象物及び被着材の合わせ面と反対面側から電磁誘導加熱装置によって前記接着部材の接着力発現部を加熱して接着力を発現させ、前記接着対象物に被着材を接着する工程と、を順次行うものである。
このような構成により、所定形状の金属箔片及び該金属箔片の両面に塗布されて該金属箔片が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤からなる複数の接着力発現部と、柔軟性を有する非金属又は非導電材からなり、上記複数の接着力発現部を互いに繋ぐ繋ぎ部材と、を備え、上記繋ぎ部材と接着力発現部とを交互に一直線状に並べて配置した接着部材を接着対象物又は該接着対象物に接着される被着材のいずれか一方の面に貼り付け、上記接着部材を間にして上記接着対象物上に被着材を重ね合わせ、上記接着対象物及び被着材の合わせ面と反対面側から電磁誘導加熱装置によって上記接着部材の接着力発現部を加熱して上記金属箔片を電磁誘導加熱に感応させて発熱させ、該熱によって上記接着剤を溶融して接着力を発現させ、上記接着対象物に被着材を接着する。
さらに、前記接着部材を接着対象物又は被着材のいずれか一方の面に貼り付ける工程は、前記接着力発現部の幅と略同等の幅を有する網目織りのテープ状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部が所定間隔で一列に並べて配置された接着部材を、所定間隔で貼り付けるものである。これにより、接着力発現部の幅と略同等の幅を有する網目織りのテープ状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部が所定間隔で一列に並べて配置された接着部材を、接着対象物又は被着材のいずれか一方の面に所定間隔で貼り付ける。
そして、前記接着部材を接着対象又は被着材のいずれか一方の面に貼り付ける工程は、前記接着力発現部の幅よりも広い幅を有する網目織りのシート状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部が所定間隔で一列に並べて配置され、幅方向に所定間隔で複数列配置された接着部材を、貼り付けるものである。これにより、接着力発現部の幅よりも広い幅を有する網目織りのシート状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部が所定間隔で一列に並べて配置され、幅方向に所定間隔で複数列配置された接着部材を、接着対象物又は被着材のいずれか一方の面に貼り付ける。
請求項1に係る発明によれば、所定形状の金属箔片及び該金属箔片の両面に塗布されて該金属箔片が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤からなる複数の接着力発現部を、柔軟性を有する非金属又は非導電材からなる繋ぎ部材で繋いで、繋ぎ部材と接着力発現部とを交互に一直線状に並べて配置したことにより、接着対象物又は該接着対象物へ接着される被着材の少なくとも縦又は横の一方向については、接着力発現部を取り付ける位置出しのための墨付け作業をすることなく複数の接着力発現部を一気に貼り付けることができ、接着対象物又は被着材に対する墨付け作業及び接着力発現部の取付作業が容易になる。したがって、被着材の接着対象物への接着施工作業性を改善することができる。さらに、繋ぎ部材と接着力発現部とを交互に一直線状に並べて配置したことにより、接着に寄与しない接着力発現部を無くしてその利用効率を向上することができる。また、テープ状金属箔の両面全面に上記接着剤を塗布した従来技術の接着部材に比べて、金属箔及び接着剤の使用量を減らすことができる。したがって、接着部材を安価に製造することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、繋ぎ部材を接着力発現部の幅よりも狭い幅を有するテープ状とし、その少なくとも一面の長さ方向に複数の接着力発現部を所定間隔で一列に並べて配置したことにより、繋ぎ部材の幅方向にはみ出した接着力発現部の金属箔片の裏面に塗布された接着剤で繋ぎ部材の裏面側にも接着力を発現させることができる。したがって、金属箔及び接着剤の使用量をより減らすことができる。また、上記繋ぎ部材の長さ方向には接着力発現部を取り付ける位置出しのための墨付け作業が不要となるため、接着対象物への被着材の接着施工作業性を改善することができる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、繋ぎ部材を接着力発現部の幅と略同等の幅を有する網目織りのテープ状とし、その少なくとも一面の長さ方向に複数の接着力発現部を所定間隔で一列に並べて配置したことにより、接着力発現部の金属箔片の裏面に塗布された接着剤が上記網目を通して繋ぎ部材の裏面側に滲みだして裏面側にも接着力を発現させることができる。したがって、金属箔及び接着剤の使用量をより減らすことができる。また、上記繋ぎ部材の長さ方向には接着力発現部を取り付ける位置出しのための墨付け作業が不要となるため、接着対象物への被着材の接着施工作業性を改善することができる。
また、請求項4に係る発明によれば、繋ぎ部材を接着力発現部の幅よりも広い幅を有する網目織りのシート状とし、その少なくとも一面の長さ方向に複数の接着力発現部を所定間隔で一列に並べて配置し、幅方向に所定間隔で複数列配置したことにより、接着力発現部の金属箔片の裏面に塗布された接着剤が上記網目を通して繋ぎ部材の裏面側に滲みだして裏面側にも接着力を発現させることができる。したがって、金属箔及び接着剤の使用量をより減らすことができる。また、接着対象物又は被着材の接合面に接着力発現部を取り付ける位置出しのための墨付け作業が全く不要となるため、接着対象物への被着材の接着施工作業性をより改善することができる。
さらに、請求項5に係る発明によれば、金属箔片の側縁部を、凹凸を繰り返した形状に形成したことにより、金属箔片の発熱が側縁部に集中するのを抑制して、被着材の焦げ付きを抑制することができる。
そして、請求項6に係る発明によれば、少なくとも繋ぎ部材に仮止用粘着剤を設けて、該繋ぎ部材を接着対象物又は被着材に対して仮止めするものとしたことにより、接着力発現部を所定位置に取り付けるのを失敗しても繋ぎ部材を剥がしてやり直すことができる。また、被着材の接着施工作業中に繋ぎ部材が動いて接着力発現部の取付位置が狂ってしまう虞がない。したがって、接着力発現部に対して電磁誘導加熱を的確に行うことができる。
また、請求項7に係る発明によれば、テープ状又はシート状をなした金属箔の両面の同位置に、該金属箔が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤を塗布して複数の接着力発現部を形成し、該接着力発現部を所定間隔で一直線状に並べて配置したことにより、接着対象物又は被着材の少なくとも縦又は横の一方向については、接着力発現部を取り付ける位置出しのための墨付け作業をすることなく複数の接着力発現部を一気に取り付けることができ、接着対象物又は被着材に対する墨付け作業及び接着力発現部の取付作業が容易になる。したがって、接着対象物への被着材の接着施工作業性を改善することができる。また、接着に寄与しない接着力発現部を無くしてその利用効率を向上することができる。さらに、金属箔の両面全面に上記接着剤を塗布した従来技術の接着部材に比べて、接着剤の使用量を減らすことができる。
さらに、請求項8に係る発明によれば、金属箔の少なくとも接着力発現部の配置された側縁部を、凹凸を繰り返した形状に形成したことにより、上記金属箔の発熱が接着力発現部の配置された側縁部に集中するのを抑制して、被着材の焦げ付きを抑制することができる。
また、請求項9に係る発明によれば、所定形状の金属箔片及び該金属箔片の両面に塗布されて該金属箔片が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤からなる複数の接着力発現部を、柔軟性を有する非金属又は非導電材からなる繋ぎ部材で繋いで、繋ぎ部材と接着力発現部とを交互に一直線状に並べて配置した接着部材を用いて、接着対象物に被着材を接着するものとしたことにより、接着対象物及び被着材の少なくとも縦又は横の一方向については、接着力発現部を取り付ける位置出しのための墨付け作業をすることなく複数の接着力発現部を一気に取り付けることができ、接着対象物又は被着材に対する墨付け作業及び接着力発現部の貼付作業が容易になる。したがって、接着対象物への被着材の接着施工作業性を改善することができる。また、接着に寄与しない接着力発現部を無くしてその利用効率を向上することができる。さらに、テープ状金属箔の両面全面に上記接着剤を塗布した従来技術の接着部材に比べて、金属箔及び接着剤の使用量を減らすことができる。
さらに、請求項10に係る発明によれば、接着力発現部の幅と略同等の幅を有する網目織りのテープ状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に複数の接着力発現部が所定間隔で一列に並べて配置された接着部材を、所定間隔で貼り付けるものとしたことにより、接着力発現部を取り付ける位置出しのための墨付け作業は、上記接着部材の貼付間隔についてのものだけでよく、墨付け作業が容易になる。したがって、接着対象物への被着材の接着施工作業が容易になる。
そして、請求項11に係る発明によれば、接着力発現部の幅よりも広い幅を有する網目織りのシート状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に複数の接着力発現部が所定間隔で一列に並べて配置され、幅方向に所定間隔で複数列配置された接着部材を、貼り付けるものとしたことにより、接着力発現部を取り付ける位置出しのための墨付け作業が不要となり、被着材の接着施工作業がより容易になる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明による接着部材の第1の実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。この接着部材1は、電磁誘導加熱装置による電磁誘導加熱に感応して接着力を発現させて接着対象物と被着材とを接着するもので、繋ぎ部材2と、接着力発現部3と、仮止用粘着剤4とからなり、上記繋ぎ部材2と接着力発現部3とを交互に一直線状に並べて配置している。
上記繋ぎ部材2は、後述の複数の接着力発現部3を互いに繋ぐものであり、接着力発現部3の有効接着幅よりも狭い幅を有するテープ状をなし、電磁誘導加熱しても接着力を発現しない柔軟性を有する非金属又は非導電材、例えばガラス繊維、ロックウール、カーボン繊維又はナイロン繊維等からなる部材である。特に、上記ガラス繊維は、無機素材からなるため電磁誘導加熱により接着力発現部3が高温に加熱されても焦げ難く、コストも安価であるため繋ぎ部材2として適用するのに好適である。
上記繋ぎ部材2の表面には、その長さ方向に所定間隔で一列に並べて複数の接着力発現部3が設けられている。この接着力発現部3は、電磁誘導加熱に感応して接着力を発現するものであり、矩形状の金属箔片5と、接着剤6とからなる。
上記金属箔片5は、後述する電磁誘導加熱装置9(図5参照)の加熱コイル10に図示省略の高周波電源により電流を流すことによって発生する磁力線がその面を法線方向に通過する際に、その内部に発生する渦電流によって発熱するものであり、例えばアルミニウム、鉄、銅、亜鉛、錫、マグネシウム又はそれらの合金等からなる。特に、電磁誘導加熱による発熱効率がよいことから、アルミニウム、鉄、銅又はそれらの合金が好適である。そして、アルミニウムを使用する場合には、その厚みは6〜200μmとするのが実用性の面で好ましい。
上記金属箔片5の両面には、接着剤6が設けられている。この接着剤6は、金属箔片5が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現するものである。具体的には、エチレン共重合体エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリアミド、ポリエステル、ゴムなどを主成分とし、軟化点が70℃〜200℃の範囲内にある市販のホットメルト接着剤、或は熱可塑性接着剤組成物を使用すればよい。さらに、ポリアミド系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤の使用がより好ましい。
また、上記エチレン共重合体エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリアミド、ポリエステル、ゴムなどのホットメルト接着剤、或は熱可塑性接着剤組成物、ポリアミド系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤には、必要に応じて、例えば、粘稠化剤、着色剤、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤などの添加剤を添加することができる。
さらに、上記ポリアミド系ホットメルト接着剤以外にも、例えばポリエステル系ホットメルト接着剤を使用することができる。これは、ポリエステル系ホットメルト接着剤の接着性が接着強さ、接着対象物の選択の自由度の観点から、ポリアミド系ホットメルト接着剤に準ずる性質を有しているためである。
そして、上記金属箔片5の両面に上記接着剤6を均一に塗布して形成した接着力発現部3を該接着力発現部3の有効接着幅よりも狭い幅を有するテープ状の繋ぎ部材2の表面に設けることにより、上記繋ぎ部材2の幅方向にはみ出した金属箔片5の部分にて、その裏面に塗布された接着剤6で繋ぎ部材2の裏面側にも接着力を発現させることができる。
上記繋ぎ部材2の裏面全面には、仮止用粘着剤4が設けられている。この仮止用粘着剤4は、上記繋ぎ部材2を接着対象物又は被着材に対して仮止めするためのものであり、例えば、アクリル系粘着剤である。なお、上記仮止用粘着剤4は、繋ぎ部材2の裏面に設けたものに限られず、繋ぎ部材2の表面及び上記接着力発現部3の表面に設けてもよい。また、仮止用粘着剤4は、繋ぎ部材2の裏面全面に設けたものに限られず、繋ぎ部材2の長さ方向に沿ってライン状に設けてもよく、散点状又は島状に設けてもよい。
図2は、上記繋ぎ部材2の具体的構成例を示したものである。この繋ぎ部材2は、接着力発現部3の幅と略同等の幅を有する網目織りのテープ状をなしたものであり、両面に上記接着剤6を塗布した複数の金属箔片5(図1(b)参照)を、その表面に所定間隔で一列に並べて配置している。これにより、金属箔片5の裏面に塗布された接着剤6が、電磁誘導加熱されて発熱した金属箔片5の熱により溶融して上記網目2aを通して繋ぎ部材2の裏面側に滲みだし、その裏面側にも接着力を発現するようになっている。
上記繋ぎ部材2の網目2aの大きさは、両面に接着剤6を設けた上記金属箔片5を的確に保持すると共に、溶融した接着剤6を裏面側に十分に滲みださせるのに好適な大きさ、例えば1〜30mm角程度とするのがよい。また、上記繋ぎ部材2の厚みは、接着剤6が短時間に網目2aを通して繋ぎ部材2の裏面側に滲みだして十分な接着力を発現するのに好適な厚み、例えば1mm以下がよく、より好ましくは500μm以下、さらに好ましくは300μmとするのがよい。
図3は、上記金属箔片5の変形例を示した平面図である。この金属箔片5は、その側縁部5aが凹凸を繰り返した形状(以下、「非直線形状」と記載する)、具体的には波型に形成されており、金属箔片5の発熱が側縁部5aに集中するのを抑制し、被着材の焦げ付きを抑制できるようになっている。なお、上記側縁部5aの形状は、波型に限られず、円弧を連続的に連ねた形状であっても、三角形状の凹凸部が連続的に連なった形状であってもよい。また、上記非直線形状の側縁部5aの凸部の最上部と凹部の最下部との差は、少なくとも5mm以上であることが望ましい。
次に、このように構成された接着部材1を用いた接着施工方法について図4を参照して説明する。
先ず、第1の工程においては、壁、床又は天井等の下地材(接着対象物)7の表面に、タイル状の化粧材(被着材)8の横方向の寸法L1に合わせて間隔L1で接着部材1を貼り付ける位置出しのための墨付けを行う。なお、以下の説明では、下地材7が壁の場合について述べる。
先ず、第1の工程においては、壁、床又は天井等の下地材(接着対象物)7の表面に、タイル状の化粧材(被着材)8の横方向の寸法L1に合わせて間隔L1で接着部材1を貼り付ける位置出しのための墨付けを行う。なお、以下の説明では、下地材7が壁の場合について述べる。
第2の工程においては、例えば図2に示すように、網目織りに形成されたテープ状の繋ぎ部材2の表面に上記化粧材8の縦方向の寸法L2に合わせて接着力発現部3を予め備えた接着部材1を、上記墨付け位置を基準にして下地材7の表面に上下方向に一気に貼り付ける。この場合、上記繋ぎ部材2の裏面に設けた仮止用粘着剤4により接着部材1を下地材7に貼り付けて仮止め固定する。
第3の工程においては、上記化粧材8の裏面を下地材7側とし、化粧材8の四隅角部をそれぞれ上記接着部材1の接着力発現部3に合わせて下地材7上に重ね合わせる。
第4の工程においては、上記化粧材8の表面側から図5に示す電磁誘導加熱装置9の加熱コイル10を上記化粧材8の隅角部に当てた状態で該加熱コイル10に、ケーブル11を介して接続された図示省略の高周波電源により直流から所定の周波数、例えば20KHz〜50KHzの高周波電流を例えば1秒〜12秒程度通電する。これにより、上記加熱コイル10から磁力線が発生し、該磁力線が上記接着部材1の接着力発現部3の金属箔片5を、その面の法線方向に通り抜ける。このとき、金属箔片5の内部には渦電流が発生し、この渦電流に基づくジュール熱により金属箔片5が発熱する。この場合、金属箔片5がその両面に塗布された接着剤6の溶融温度以上に加熱されると接着剤6が溶融し、一方は繋ぎ部材2の網目2aを通して下地材7の表面に付着し、他方は化粧材8の裏面に付着する。そして、上記電磁誘導加熱装置9の加熱コイル10への通電が解除されると、上記接着剤6は急速に冷えて硬化し、上記接着力発現部3を介して下地材7と化粧材8が接着される。
なお、図5において、符号12はフェライトであり、加熱コイル10と装置本体13との間に配設されて、加熱コイル10により発生する電磁界が装置本体13内に入り込まないようになっている。
そして、上記第3の工程及び第4の工程を繰り返すことにより、下地材7の全面に化粧材8を接着する。
そして、上記第3の工程及び第4の工程を繰り返すことにより、下地材7の全面に化粧材8を接着する。
図6は、本発明による接着部材の第2の実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。この接着部材1は、テープ状に形成された金属箔14の両面の同位置に該金属箔14が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融する接着剤6を塗布して形成された複数の接着力発現部3を、その長さ方向に一直線状に並べて配置したものである。そして、同図(b)に示すように、上記金属箔14の裏側にて、該金属箔14及び接着力発現部3の接着剤6上には、仮止用粘着剤4が設けられている。
これにより、接着力発現部3に対して磁力線を作用させると、該磁力線によって接着力発現部3に対応する部分の金属箔14に渦電流が発生し、該渦電流により金属箔14の当該部分が発熱する。そして、この熱により接着力発現部3の接着剤6が溶融して下地材7及び化粧材8に付着し、両者が接着される。
図7は、上記第2の実施形態における金属箔14の変形例を示した平面図である。この金属箔14は、その側縁部14aが非直線形状、例えば波型に形成されたものである。これにより、金属箔14の発熱が側縁部14aに集中して発生するのを抑制して、被着材への焦付きを抑制する。なお、金属箔14の側縁部14aの全てが非直線形状に形成されたものに限られず、少なくとも上記接着力発現部3に対応する側縁部14aが非直線形状に形成されていればよい。
図8は、本発明による接着部材の第3の実施形態を示す平面図である。この接着部材1は、接着力発現部3の幅よりも広い幅を有する網目織りの広いシート状をなした繋ぎ部材2の長さ及び幅方向に、金属箔片5とその両面に塗布された接着剤6とからなる複数の接着力発現部3を所定間隔で並べて配置したものである。これにより、上記接着部材1を下地材7の幅に合わせて貼り付けるだけで、接着力発現部3を取り付ける位置出しのための墨付け作業をすることなく下地材7の全面に複数の接着力発現部3を位置決めして取り付けることができる。
なお、上記第3の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に接着力発現部3の金属箔片5の側縁部5aを非直線形状に形成してもよい。また、上記第2の実施形態と同様に、繋ぎ部材2に替えて幅の広いシート状の金属箔14とし、その両面の同位置に該金属箔14が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融する接着剤6を塗布して接着力発現部3を設けてもよい。この場合、図7と同様に、金属箔14の少なくとも上記接着力発現部3に対応する側縁部5aを非直線形状に形成してもよい。
以下に、実施例及び比較例を記載して本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
先ず、本発明の実施例の接着部材1は、幅が40mm、厚みが100μmであり、7メッシュのテープ状ガラス繊維からなる繋ぎ部材2の裏面に仮止用粘着剤4が設けられている。また、その表面には、幅が40mm、長さが100mm、厚みが25μmであり、その側縁部5aが高低差5mmの繰り返し凹凸状(非直線形状)に形成されたワッペン状のアルミニウム製金属箔片5と、その両面に塗布されたポリアミドを主成分とするホットメルト接着剤(接着剤6)とからなる接着力発現部3を200mm間隔で備えたものである。なお、上記7メッシュは、メッシュの一目のサイズ(mm)を示す単位であり、この場合、一目のミリサイズは(25mm÷7メッシュ)で算出することができる。
先ず、本発明の実施例の接着部材1は、幅が40mm、厚みが100μmであり、7メッシュのテープ状ガラス繊維からなる繋ぎ部材2の裏面に仮止用粘着剤4が設けられている。また、その表面には、幅が40mm、長さが100mm、厚みが25μmであり、その側縁部5aが高低差5mmの繰り返し凹凸状(非直線形状)に形成されたワッペン状のアルミニウム製金属箔片5と、その両面に塗布されたポリアミドを主成分とするホットメルト接着剤(接着剤6)とからなる接着力発現部3を200mm間隔で備えたものである。なお、上記7メッシュは、メッシュの一目のサイズ(mm)を示す単位であり、この場合、一目のミリサイズは(25mm÷7メッシュ)で算出することができる。
比較例1の接着部材1は、幅が40mm、長さが100mm、厚みが25μmであり、その側縁部5aが高低差5mmの繰り返し凹凸状(非直線形状)に形成されたワッペン状のアルミニウム製金属箔片5の両面全面にポリアミドを主成分とするホットメルト接着剤(接着剤6)を塗布して接着力発現部3としており、一面の中央部に幅が5mmの線状に仮止用粘着剤4を設けたものである。
比較例2の接着部材1は、幅が40mm、厚みが25μmであり、その側縁部14aが高低差5mmの繰り返し凹凸状(非直線形状)に形成されたテープ状のアルミニウム製金属箔14の両面全面に、ポリアミドを主成分とするホットメルト接着剤(接着剤6)を塗布して金属箔14の全面を接着力発現部3としており、一面の中央部に幅が5mmの線状に仮止用粘着剤4を設けたものである。
これら三種類の接着部材1を用いて、下地材7となる壁面に見立てて垂直に配置した横90cm×縦180cmの石膏ボードに化粧材8を接着し、各接着部材1を構成する金属箔及び接着剤6の使用量並びに接着施工作業性を比較した。具体的には、上記石膏ボードを三枚準備し、各石膏ボードにそれぞれ上記実施例の接着部材1及び比較例1及び2の接着部材1を、図4に示すL1及びL2が300mmとなるように接着力発現部3の取付位置出しをして仮止用粘着剤4により貼り付けた。そして、300mm角のタイル状の化粧材8(大建工業株式会社製、品番:アートスマイル・厚み6mm)の四隅角部をそれぞれ上記各接着部材1の接着力発現部3に合わせて石膏ボード上に重ね合わせ、各接着力発現部3に対して化粧材8の表面側から電磁誘導加熱装置9により高周波数の交番磁界を発生させ、それに基づく磁力線を作用して金属箔片5又は金属箔14を発熱させ、ホットメルト接着剤(接着剤6)を溶融させて18枚の化粧材8を石膏ボードに接着した。
図9の表1に示すように、金属箔及び接着剤6の使用量は、本発明の実施例の接着部材1を基準にして表面積で比較すると、比較例1の接着部材1は実施例の場合と同じであるが、比較例2の接着部材1は実施例の3倍多くなった。特に、比較例2の接着部材1においては、接着部材1の両面全面が接着力発現部3となっているものの、接着力発現に寄与する部分はその一部であって無駄が多く、接着力発現部3の利用効率が実施例及び比較例1に比べて劣っていた。
また、接着力発現部3を取り付ける位置出しのための墨付け作業は、実施例及び比較例2の接着部材1においては、石膏ボードの幅方向に300mm間隔で墨付けをするだけでよいのに対して、比較例1の接着部材1においては、縦横の両方向に300mm間隔で墨付けをする必要があり、作業が煩雑であった。
さらに、石膏ボードに対する接着力発現部3の取付作業は、実施例及び比較例2の接着部材1においては、石膏ボードの縦方向に接着部材1を一気に貼り付けるだけでよいので、作業が容易で簡便であった。一方、比較例1の接着部材1においては、石膏ボードに墨付けされた位置に接着部材1を一枚ずつ貼り付けることによって、接着力発現部3を所定位置に取り付けかなければならず取付作業が煩雑であった。
以上の結果を総合評価すると、図9の表1に示すように、本発明の実施例の接着部材1は、金属箔及び接着剤6の使用量が少ない上に接着力発現部3の利用効率が高く、さらに接着力発現部3の取付位置出しのための墨付け作業及び接着力発現部3の取付作業の作業性が共に優れており、上記三種類の接着部材1の中で最も優れていた(表1において、○印で示す)。これに対して、比較例1の接着部材1は、金属箔及び接着剤6の使用量が少ない上に接着力発現部3の利用効率が高いものの、接着力発現部3の位置出しのための墨付け作業及び接着力発現部3の取付作業の各作業性に難があり、実施例の接着部材1よりも劣っていた(表1において、×印で示す)。さらに、比較例2の接着部材1は、上記作業性に優れるものの、金属箔及び接着剤6の使用量が多い上に接着力発現部3の利用効率が悪く、実施例の接着部材1よりも劣っていた(表1において、×印で示す)。
なお、上記実施例の接着部材1は、繋ぎ部材2が接着力発現部3の幅と略同等の幅を有するテープ状のものであったが、これに限られず、石膏ボードの幅に合わせて幅の広いシート状のものであってもよい。この場合、その少なくとも一面の長さ方向に所定間隔で一列に並べて配置された複数の接着力発現部3を、幅方向に所定間隔で複数列配置すれば、上記接着部材1の一回の貼り付け作業で石膏ボードの全面の所定位置に接着力発現部3を取り付けることができ、接着力発現部3の取付位置出しのための墨付け作業も必要なく、接着施工作業の作業性がより改善される。
以上の説明においては、化粧材8がタイル状である場合について述べたが、これに限られず、縦横に大きいボード状のものであってもよい。この場合、下地材7の縦横方向に所定間隔で取り付けられた接着力発現部3の上記間隔と同じ寸法に形成された用具を用いて、基準位置からの寸法を割り出せば化粧材8の表面側から接着力発現部3の位置を容易に発見することができ、該接着力発現部3に対して電磁誘導加熱装置9の加熱コイル10を的確に当てることができる。
また、以上の説明においては、接着部材1を下地材7側に貼り付ける場合について説明したが、これに限られず、化粧材8側に貼り付けてもよい。
また、以上の説明においては、接着部材1を下地材7側に貼り付ける場合について説明したが、これに限られず、化粧材8側に貼り付けてもよい。
1…接着部材
2…繋ぎ部材
3…接着力発現部
4…仮止用粘着剤
5…金属箔片
5a…側縁部
6…接着剤
7…下地材(接着対象物)
8…化粧材(被着材)
14…金属箔
14a…側縁部
2…繋ぎ部材
3…接着力発現部
4…仮止用粘着剤
5…金属箔片
5a…側縁部
6…接着剤
7…下地材(接着対象物)
8…化粧材(被着材)
14…金属箔
14a…側縁部
Claims (11)
- 所定形状の金属箔片及び該金属箔片の両面に塗布されて該金属箔片が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤からなる複数の接着力発現部と、
柔軟性を有する非金属又は非導電材からなり、前記複数の接着力発現部を互いに繋ぐ繋ぎ部材と、を備え、
前記繋ぎ部材と接着力発現部とを交互に一直線状に並べて配置したことを特徴とする接着部材。 - 前記繋ぎ部材は、前記接着力発現部の幅よりも狭い幅を有するテープ状をなし、その少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部を所定間隔で一列に並べて配置したことを特徴とする請求項1記載の接着部材。
- 前記繋ぎ部材は、前記接着力発現部の幅と略同等の幅を有する網目織りのテープ状をなし、その少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部を所定間隔で一列に並べて配置したことを特徴とする請求項1記載の接着部材。
- 前記繋ぎ部材は、前記接着力発現部の幅よりも広い幅を有する網目織りのシート状をなし、その少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部を所定間隔で一列に並べて配置し、幅方向に所定間隔で複数列配置したことを特徴とする請求項1記載の接着部材。
- 前記金属箔片は、その側縁部が凹凸を繰り返した形状に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着部材。
- 少なくとも前記繋ぎ部材には、該繋ぎ部材を接着対象物又は該接着対象物に接着される被着材に対して仮止めする仮止用粘着剤が塗布されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着部材。
- テープ状又はシート状をなした金属箔と、
前記金属箔が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤を塗布して形成した複数の接着力発現部と、を備え、
前記複数の接着力発現部を前記金属箔の両面の同位置に形成し、該複数の接着力発現部を所定間隔で一直線状に並べて配置したことを特徴とする接着部材。 - 前記金属箔は、少なくとも前記接着力発現部の配置された側縁部が凹凸を繰り返した形状に形成されたことを特徴とする請求項7記載の接着部材。
- 所定形状の金属箔片及び該金属箔片の両面に塗布されて該金属箔片が電磁誘導加熱に感応して発する熱により溶融して接着力を発現する接着剤からなる複数の接着力発現部と、柔軟性を有する非金属又は非導電材からなり、前記複数の接着力発現部を互いに繋ぐ繋ぎ部材と、を備え、前記繋ぎ部材と接着力発現部とを交互に一直線状に並べて配置した接着部材を接着対象物又は該接着対象物に接着される被着材のいずれか一方の面に貼り付ける工程と、
前記接着部材を間にして前記接着対象物上に被着材を重ね合わせる工程と、
前記接着対象物及び被着材の合わせ面と反対面側から電磁誘導加熱装置によって前記接着部材の接着力発現部を加熱して接着力を発現させ、前記接着対象物に被着材を接着する工程と、
を順次行うことを特徴とする接着部材を用いた接着施工方法。 - 前記接着部材を接着対象物又は被着材のいずれか一方の面に貼り付ける工程は、前記接着力発現部の幅と略同等の幅を有する網目織りのテープ状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部が所定間隔で並べて配置された接着部材を、所定間隔で貼り付けることを特徴とする請求項9記載の接着部材を用いた接着施工方法。
- 前記接着部材を接着対象又は被着材のいずれか一方の面に貼り付ける工程は、前記接着力発現部の幅よりも広い幅を有する網目織りのシート状をなした繋ぎ部材の少なくとも一面の長さ方向に前記複数の接着力発現部が所定間隔で一列に並べて配置され、幅方向に所定間隔で複数列配置された接着部材を、貼り付けることを特徴とする請求項9記載の接着部材を用いた接着施工方法。
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JP2005221530A JP2007031681A (ja) | 2005-07-29 | 2005-07-29 | 接着部材及びそれを用いた接着施工方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2005
- 2005-07-29 JP JP2005221530A patent/JP2007031681A/ja active Pending
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