JP2007030590A - 自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロントフォークにこれの全周に渡って跳ね上げ水が付着するのを防止できる自動二輪車を提供する。
【解決手段】フロントフェンダ43は、前側フェンダ44と後側フェンダ45とに分割され、該前側フェンダ44の左,右側壁(後端部)44cと後側フェンダ45の左,右側壁(前端部)45cとで左,右のフォーク本体42a,42bの外周部が囲まれており、上記左,右側壁44cは左,右のフォーク本体42a,42bに沿って下方に延びる延長部44iを有し、該延長部44iの前下端44jから後上端44kに至る後下端面44mは斜め上向きの略直線をなすよう形成されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、フロントフォークにより軸支された前輪の上方を覆うフロントフェンダを備えた自動二輪車に関する。
自動二輪車に採用されるフロントフェンダにおいては、部品の交換性及び取付け性の向上を図るとともに、製造を容易に行なう観点から、前,後フェンダに分割する場合がある。例えば、特許文献1では、前フェンダの後端部と後フェンダの前端部とを重ね合わせ、この重ね合わせた重合部をフロントフォークの左,右のフォーク本体の外側壁に共締め固定した構造が提案されている。
特許公報第2517216号
ところで、上記従来のフロントフェンダは、前,後フェンダの重合部をフォーク本体の外側壁に共締めする構造を採用しており、このため前輪により跳ね上げられた水等がフォーク本体の内側壁に付着し易いという問題がある。
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、フロントフォークに跳ね上げ水が付着するのをフォーク本体の全周に渡って防止できる自動二輪車を提供することを目的としている。
本発明は、車体フレームと、該車体フレームのヘッドパイプにより枢支されたフロントフォークと、該フロントフォークの左,右のフォーク本体の下端に軸支された前輪と、該前輪の上方を覆うように配置されたフロントフェンダとを備えた自動二輪車において、上記フロントフェンダは前側フェンダと後側フェンダとに分割され、該前側フェンダの後端部と後側フェンダの前端部とで上記左,右のフォーク本体の外周部が囲まれており、上記後端部は上記左,右のフォーク本体に沿って下方に延びる延長部を有し、該延長部の前下端から後上端に至る後下端面は斜め上向きの略直線をなすよう形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、左,右のフォーク本体の外周部は前側フェンダの後端部と後側フェンダの前端部とで全周に渡って囲まれているので、前輪により跳ね上げられた水が付着するのをフォーク本体の内側面を含む全周面に渡って防止できる。
本発明では、前側フェンダの後端部は下方に延びる延長部を有し、該延長部の前下端から後上端に至る後下端面を斜め上向きの直線状をなすよう形成したので、延長部によりフォーク本体に跳ね上げ水が付着するのをより一層確実に防止でき、かつ前側フェンダの後端部下面が斜め上方に切れ上がるという従来にない新規なデザインを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図8は、本発明の一実施形態による自動二輪車を説明するための図である。なお、本実施形態でいう前後,左右とは、シートに着座した状態で見た場合の前後,左右を意味する。
図において、1は自動二輪車を示している。この自動二輪車1は、アンダボーン型の車体フレーム2と、該車体フレーム2の前端に固着されたヘッドパイプ3により左右揺動可能に枢支されたフロントフォーク4と、上記車体フレーム2の中央部により懸架支持されたエンジンユニット5及び上下揺動可能に枢支されたリヤアーム6と、上記車体フレーム2の後上部に搭載された2人乗り用のシート7とを備えている。
上記フロントフォーク4の下端には前輪8が軸支され、上端には操向ハンドル9が固定されている。また上記リヤアーム6の後端には後輪10が軸支されている。
上記車体フレーム2は、上記ヘッドパイプ3から車両後斜め下方に略直線状に延びる1本のメインフレーム14と、該メインフレーム14の中途部に接続され、車両後斜め上方に直線状に延びる左,右一対のシートレール15,15と、該左,右のシートレール15,15の長手方向略中央部と上記メインフレーム14の後端部とに架け渡して接続された左,右一対のバックステー16,16とを備えている。
上記エンジンユニット5は、気筒軸線を略水平に向けて搭載され、クランクケース5aの上部が上記メインフレーム14の前後方向略中央部に接続されたエンジンブラケット14aにより、またクランクケース5aの後端部がリヤアームブラケット14bによりそれぞれ懸架支持されている。
上記エンジンユニット5は、車幅方向に向けて配置されたクランク軸(不図示)が収納された上記クランクケース5aの前壁にシリンダブロック5b,シリンダヘッド5cを結合するとともに、該シリンダヘッド5cにヘッドカバー5dを装着した構造となっている。
上記シリンダヘッド5cの上面には吸気ポート5eに連通する吸気管35が接続されており、この吸気管35には気化器36を介在させてエアクリーナ37が接続されている。このエアクリーナ37はエンジンユニット5の上方に配置され、メインフレーム14により支持されている。
上記車体フレーム2のヘッドパイプ3の前側はフロントカバー11で覆われており、後側はレッグシールド12で覆われている。また車体フレーム2のシート7の周囲下方はサイドカバー13で覆われている。さらに上記操向ハンドル9はその周囲がハンドルカバー21で覆われており、該ハンドルカバー21から左,右のグリップ9a,9a等の操作部が露出している。
上記フロントカバー11は、上記ヘッドパイプ3の前側を覆う前カバー部11aと、該前カバー部11aから後斜め下方に延びて上記シリンダヘッド5c及びヘッドカバー5dの左,右側方を覆う左,右カバー部11b,11bとを有している。
上記レッグシールド12は、ヘッドパイプ3の後側を覆う後カバー部12aと、該後カバー部12aから上記メインフレーム14の上方を覆うよう後斜め下方に延びるトンネル状のシールド部12bとを有している。このシールド部12aと上記左,右カバー部11bとでエアクリーナ37,エンジンユニット5に走行風を導入する開口38が形成されている(図4参照)。
上記フロントフォーク4は、左,右のフォーク本体42a,42bの上端部をステアリングブラケット41の左,右端部に固定し、該ステアリングブラケット41の車幅方向中央に操向軸40を固定した構造のものである。そして上記ヘッドパイプ3により上記操向軸40が軸受40aを介して回動自在に支持されている。該操向軸40の上端に上記操向ハンドル9が固着されている。
上記左,右のフォーク本体42a,42bは、後側に傾斜させて配置され、インナチューブ4aをこれの下側に配置されたアウタチューブ4b内に摺動自在に挿入した正立タイプのものである。この左,右のインナチューブ4a,4aの上端が上記ステアリングブラケット41に固着されており、左,右のアウタチューブ4b,4bの下端間に上記前輪8の車軸8aが挿通され固定されている。
上記フロントフォーク4には前輪8の上方を覆うフロントフェンダ43が配設されている。このフロントフェンダ43は、樹脂製のものであり、前輪8の上側を覆う前側フェンダ44と、後側を覆う後側フェンダ45とに前後に分割されている。
上記前側フェンダ44は、前輪8の上方を覆う側面視で概ねくちばし状の前フェンダ部44aと、該前フェンダ部44aの後端に形成された上壁44b及び左,右側壁(後端部)44c,44cを有する後取付け部44dとを備えている。
上記後側フェンダ45は、前輪8の後上方部分を覆う後フェンダ部45aと、該後フェンダ部45aの前端に形成された上壁45b及び左,右側壁(前端部)45c,45cを有する前取付け部45dとを備えている。この前,後の上壁45b,44b周辺は上記フロントカバー11により覆われ、外方から見えないよう内側に隠れている。
上記前側フェンダ44の上壁44bはステアリングブラケット41の上側に位置して操向軸40の前側を囲むよう配置され、後側フェンダ45の上壁45bはステアリングブラケット41の下側に位置して操向軸40の後側を囲むよう配置されている。
上記各上壁44b,45bの前側部分同士は上下方向に重ね合わされている。また前側フェンダ44の左,右側壁44cは後側フェンダ45の左,右側壁45cの外側にて車幅方向に重ね合わされている。
上記前側フェンダ44の上壁44bの車幅方向中央部には位置決め突起44eが突出形成されている。また前側フェンダ44の左,右側壁44cの下端には前後一対の係合片44g,44gが内側に屈曲し、下方に突出するよう形成されている。
一方、上記後側フェンダ45の上壁45bの上記位置決め突起44eに対応する部位には孔45eが形成されている。また後側フェンダ45の左,右側壁45cの上記係合片44gに対応する部分には係合孔45gを有する段部45fが形成されている。そして前側フェンダ44の位置決め突起44eを、後側フェンダ45の孔45eに差し込むとともに、左,右の各係合片44gを、後側フェンダ45の係合孔45gに差し込むことにより、前側フェンダ44は後側フェンダ45に前後方向,左右方向及び下方向に移動不能に位置決めされている(図5,図8参照)。
上記前側フェンダ44の上壁44bには、後側フェンダ45の上壁45bに当接する左,右一対の凹部44f,44fが形成されており、該左,右の凹部44f内に挿着されたねじ46により上壁44b,45b同士は固定されている(図7参照)。
また上記後側フェンダ45の左,右側壁45cには、前側フェンダ44の左,右側壁44cの後端縁44c´´と連続面をなすよう凹み45hが形成されている(図4,図8参照)。これにより前,後側フェンダ44,45は単体の如き外観を呈している。
上記ステアリングブラケット41の前壁の中央部及び後壁の左,右側部にはそれぞれボス部41aが突出形成されている。この各ボス部41aには、後側フェンダ45の上壁45bが下方から螺挿されたボルト47により固定されている(図5,図6参照)。
上記ステアリングブラケット41の後壁の左,右側端部にはそれぞれボス部41bが形成されている。この左,右のボス部41bには、前側フェンダ44の左,右側壁44cに形成された固定部44hが後方から螺挿されたボルト48により固定されている。
上記前側フェンダ44の左,右側壁44cには、左,右のフォーク本体42a,42bの外側を囲む外側膨出部44c′が車幅方向外側に膨出形成されている。また後側フェンダ45の左,右側壁45cには、左,右のフォーク本体42a,42bの内側を囲む内側膨出部45c′が車幅方向内側に膨出形成されている。この外側,内側膨出部44c′,45c′によりフォーク本体42a,42bのインナチューブ4aの外周部が囲まれている。
上記前側,後側フェンダ44,45の各左,右側壁44c,45cは、フォーク本体42a,42bに沿って下方に延びる延長部44i,45iを有している。この各延長部44i,45iは、アウタチューブ4bの上端部を覆う位置まで延びている。これによりインナチューブ4aの摺動部4cは全ストロークに渡ってその周囲が覆われている。
そして上記前側フェンダ44の左,右の延長部44iの前下端44jから左,右側壁44cの後上端44kに至る後下端面44mは、斜め上向きに略直線をなすよう形成されている。換言すれば、上記後下端面44mは、後上端44kから前下端44jにかけて斜め前下がりに略直線をなすよう形成されている。ここで後側フェンダ45の左,右側壁45cの後下端面45mについても上記前側フェンダ44の後下端面44mと同様の構造となっている。
上記左,右の後下端面44m,45mの延長線上には上記エアクリーナ37の空気導入口部分(不図示)が位置している。また上記延長部44iの前下端44jはフロントフォーク4の前側に位置している。
本実施形態によれば、前側フェンダ44の左,右側壁44cと、後側フェンダ45の左,右側壁45cとでフロントフォーク4のインナチューブ4aの外周部が囲まれているので、前輪8の跳ね上げ水等がインナチューブ4aに付着する、あるいは衝突するのを防止できる。
本実施形態では、前側フェンダ44の左,右側壁44cにフロントフォーク4のアウタチューブ4bの上端部に達する長さの延長部44iを形成し、該延長部44iの前下端44jから後上端44kに至る後下端面44mを斜め上向きに直線状をなすよう形成し、後側フェンダ45においても同様の延長部45iを形成したので、該延長部44i,45iによりインナチューブ4aをこれの全ストロークに渡って覆うことができ、跳ね上げ水等が付着したり衝突するのをより一層確実に防止できる。また上記前側フェンダ44の後下端面44mが斜め上方にシャープに切れ上がるという新規なデザインが得られる。
一方、上記前側フェンダ44の後下端面44mは、換言すると、後上端44kから前下りに傾斜しているので、前側フェンダ44に付着した雨水は左,右側壁44cから後下端面44mを伝ってフロントフォーク4の前側に落下することとなり、雨水がエンジンユニット5等にかかるのを抑制できる。
本実施形態では、上記前側フェンダ44の左,右側壁44cにインナチューブ4aの外側を囲む外側膨出部44c′を形成し、上記後側フェンダ45の左,右側壁45cに上記インナチューブ4aの内側を囲む内側膨出部45c′を形成したので、インナチューブ4aの外周部を全ストロークに渡って覆うことができ、前輪8による跳ね上げ水等が付着したりするのをより一層確実に防止できる。
本実施形態では、アンダボーン型車体フレーム2のメインフレーム14によりエンジンユニット5を懸架支持し、該エンジンユニット5上方のエアクリーナ37を、上記前側フェンダ44の左,右の後下端面44mの延長線上に位置するよう配置したので、後下端面44mがエアクリーナ37に走行風を案内するガイドとして機能することとなる。
本発明の一実施形態による自動二輪車の側面図である。 上記自動二輪車の前部フロントフェンダ回りの側面図である。 上記フロントフェンダの一部断面正面図である。 上記フロントフェンダの断面図(図2のIV-IV 線断面図) である。 上記フロントフェンダの断面側面図である。 上記前側フェンダの取付け部の断面平面図(図2のVI-VI 線断面図) である。 上記前側,後フェンダの取付け部の断面図(図2のVII-VII 線断面図) である。 上記上記前側,後フェンダの取付け部の断面図(図5のVIII-VIII 線断面図) である。
符号の説明
1 自動二輪車
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
4 フロントフォーク
4c 摺動部
5 エンジンユニット
8 前輪
11 フロントカバー
12 レッグシールド
14 メインフレーム
37 エアクリーナ
42a,42b フォーク本体
43 フロントフェンダ
44 前側フェンダ
44c 左,右側壁(後端部)
44i 延長部
44j 前下端
44k 後上端
44m 後下端面
45 後側フェンダ
45c 左,右側壁(前端部)
45i 延長部

Claims (5)

  1. 車体フレームと、該車体フレームのヘッドパイプにより枢支されたフロントフォークと、該フロントフォークの左,右のフォーク本体の下端に軸支された前輪と、該前輪の上方を覆うように配置されたフロントフェンダとを備えた自動二輪車において、上記フロントフェンダは前側フェンダと後側フェンダとに分割され、該前側フェンダの後端部と後側フェンダの前端部とで上記左,右のフォーク本体の外周部が囲まれており、上記後端部は上記左,右のフォーク本体に沿って下方に延びる延長部を有し、該延長部の前下端から後上端に至る後下端面は斜め上向きの略直線をなすよう形成されていることを特徴とする自動二輪車。
  2. 請求項1において、上記前側フェンダの後端部は、上記フォーク本体の少なくとも摺動部の外側を囲むよう車幅方向外側に膨出形成され、上記後側フェンダの前端部は、上記フォーク本体の少なくとも摺動部の内側を囲むように車幅方向内側に膨出形成されていることを特徴とする自動二輪車。
  3. 請求項1又は2において、上記車体フレームは、上記ヘッドパイプから後斜め下方に延びるメインフレームを備えており、該メインフレームによりエンジンユニットが懸架支持されており、該エンジンユニットの上方には、上記前側フェンダの後下端面の延長線上に位置するようエアクリーナが配置されていることを特徴とする自動二輪車。
  4. 請求項3において、上記ヘッドパイプの前側にはフロントカバーが、後側には上記後側フェンダの後方を覆うレッグシールドがそれぞれ配置されており、該レッグシールドには上記エアクリーナに走行風を導入する開口が形成されていることを特徴とする自動二輪車。
  5. 車体フレームと、該車体フレームのヘッドパイプにより枢支されたフロントフォークと、該フロントフォークの左,右のフォーク本体の下端に軸支された前輪と、該前輪の上方を覆うように配置されたフロントフェンダとを備えた自動二輪車において、上記フロントフェンダは前側フェンダと後側フェンダとに分割され、該前側フェンダの後端部と後側フェンダの前端部とで上記左,右のフォーク本体の外周部が囲まれており、上記後端部は上記フォーク本体に沿って下方に延びる延長部を有し、該延長部の後上端から前下端に至る後下端面は斜め下向きの略直線をなすよう形成されていることを特徴とする自動二輪車。
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