JP2007030101A - 差動ケースの内面加工方法及び内面加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】差動ケース10の中心線Cを回転軸線として一体回転可能なチャック機構30を用いて、差動ケース10を把持する。チャック機構30及び差動ケース10の回転時に、チャック機構30側のセンターシャフト42及びサドル100側のシャフト101によってギア収納室11内にて挟着支持された平面カッター202で一対のギア用平面座15を形成する平面座加工、並びに、右側円筒部13から挿入したロングバイトで各円筒部12,13の内周面を切削加工する内周面加工を行う。その後、チャック機構30から差動ケース10を取り外し、別の装置で差動ケース10の他の内外面に加工を施す。
【選択図】 図4
Description
図3〜図6に示すように、差動ケースの内面加工装置は、ワーク把持回転及びシャフト駆動機構20、工具送り機構としての第1のサドル100、並びに、平面カッター搬送機構としての第2のサドル200から構成されている。
図2に示すように、ワーク把持回転及びシャフト駆動機構20は、その中心に設けられたスピンドルケース21、スピンドルケース21の前方(図2の右方)に設けられたチャック機構としての三つ爪チャック30、並びに、スピンドルケース21の後方(図2の左方)に設けられた第1駆動シリンダ22及び第2駆動シリンダ23を少なくとも具備している。
図1に示すように、差動ケース10は、その内部に複数のピニオンギア及びサイドギアを組み込むためのギア収納室11を区画するケース体として構成されている。差動ケース10は、ギア収納室11の両側に位置する左側円筒部12及び右側円筒部13を有している。これら二つの円筒部12,13は、車輌のアクスル軸を通すためのトンネル部分を提供するものであり、差動ケース10の中心線Cに沿って延びている。また、差動ケース10の外周部には、中心線Cを取り囲むようにフランジ部14が設けられている。このフランジ部14は、エンジンの駆動力を当該差動ケース10に伝達するための傘歯状リングギアをボルト等の締結具を用いて固定するための取り付け部であり、当該フランジ部14には取付穴(図示略)が設定されている。更に、ギア収納室11の左右内壁部にはそれぞれ、各サイドギアの平らな背面を着座させるための平面座(平面状座面)15が設定されると共に、ギア収納室11の上下内壁部にはそれぞれ、各ピニオンギアの球面状背面を着座させるための球面座(球面状座面)16が設定されている。ギア収納室11の上下内壁部にはまた、二つのピニオンギアを同軸装着するピニオンギアシャフトを挿通するための上下一対のピニオン穴17が設定されている。なお、差動ケース10には、図1の紙面に対し直交する方向に沿った両側(つまり紙面の表側及び裏側)において比較的大きな側面開口が設けられており、二つの側面開口のいずれかを介して、平面カッター202をギア収納室11内に搬入し又はギア収納室11内から搬出することが可能となっている。
上記第2の加工段階における、本実施形態の内面加工装置を用いた一連の内面加工手順について、図3〜図6を参照しつつ更に詳細に説明する。
本実施形態によれば、三つ爪チャック機構30による1回の把持状態(ワンチャック状態)で、差動ケースギア収納室11内の一対の平面座15の座ぐり加工と、左右両円筒部12,13の内周面加工とを施すことができるので、差動ケース10の内面加工の作業効率を従来よりも高めることができる。また、差動ケース10の内面加工のためのチャッキング回数を従来よりも減らすことができるので、被加工面間の相対位置精度の低下を抑制することができる。
Claims (5)
- ギア収納室と、その両側に位置すると共にケースの中心線(C)に沿って延びる二つの円筒部とを有する差動ケースに対して内面加工を施す方法であって、
差動ケースの中心線(C)を回転軸線として差動ケースと共に一体回転可能なチャック機構を用いて、差動ケースを把持した後、
前記チャック機構及び差動ケースの回転時に、差動ケースの一方の円筒部に挿入した第1のシャフト及び差動ケースの他方の円筒部に挿入した第2のシャフトによってギア収納室内にて挟着支持された平面カッターで差動ケースのギア収納室の内壁部にギア用平面座を切削加工する平面座加工、並びに、差動ケースのいずれか一方の円筒部から挿入したロングバイトで差動ケースの円筒部の内周面を切削加工する内周面加工を行い、
前記平面座加工及び内周面加工の完了後にチャック機構から差動ケースを取り外すことを特徴とする差動ケースの内面加工方法。 - ギア収納室と、その両側に位置すると共にケースの中心線(C)に沿って延びる二つの円筒部とを有する差動ケースに対して内面加工を施す方法であって、
差動ケースの中心線(C)を回転軸線として差動ケースと共に一体回転可能なチャック機構を用いて、差動ケースの一方の円筒部又はその近傍を把持するチャック工程と、
前記チャック機構による差動ケースの把持状態の下、差動ケースのギア収納室内に平面カッターを搬入し、チャック機構の中心域に設けられた第1のシャフトを差動ケースの一方の円筒部に挿入すると共に当該第1のシャフトと対向する第2のシャフトを差動ケースの他方の円筒部に挿入し、これら第1及び第2のシャフトで平面カッターを挟着支持し、前記中心線(C)を回転軸線としたチャック機構及び差動ケースの回転時に、第1のシャフト、平面カッター及び第2のシャフトの三者を差動ケースの中心線(C)に沿って同期的に往復移動させることにより、差動ケースのギア収納室の内壁部に相対向する一対のギア用平面座を座ぐり加工する平面座加工工程と、
前記チャック機構による差動ケースの把持状態の下、チャック機構の中心域に設けられた第1のシャフトを差動ケースの一方の円筒部から挿入すると共に、当該第1のシャフトの先端部をそれと対向するシャフト状工具としてのロングバイトの先端部に当接させ、前記中心線(C)を回転軸線としたチャック機構及び差動ケースの回転時に、第1のシャフト及びロングバイトを両者の当接状態を維持しながら差動ケースの中心線(C)に沿って同期移動させることにより、差動ケースの各円筒部の内周面を切削加工する内周面加工工程と、
前記平面座加工工程及び内周面加工工程の完了後にチャック機構から差動ケースを取り外す工程とを備えることを特徴とする差動ケースの内面加工方法。 - ワーク把持回転及びシャフト駆動機構と、それに対向配置される工具送り機構とを少なくとも備えてなる差動ケースの内面加工装置であって、
前記ワーク把持回転及びシャフト駆動機構は、ワークとしての差動ケースを把持可能で且つ差動ケースの中心線(C)を回転軸線(L)として差動ケースと共に一体回転可能なチャック機構と、前記チャック機構及びそれに把持された差動ケースを強制回転させるためのワーク駆動手段と、前記チャック機構の中心においてその回転軸線(L)に沿って移動可能に設けられたセンターシャフトと、前記センターシャフトを移動させるためのシャフト駆動手段とを具備し、
前記工具送り機構は、ワーク把持回転及びシャフト駆動機構のセンターシャフトに対向配置可能なシャフト状工具としての平面カッター保持シャフト及び/又はロングバイトを具備すると共に、そのシャフト状工具を差動ケースに対して接近離間させるべく前記チャック機構の回転軸線(L)に沿って進退可能に構成されている
ことを特徴とする差動ケースの内面加工装置。 - ワークとしての差動ケースのギア収納室の内壁部にギア用平面座を座ぐり加工するための平面カッターを保持可能であると共に、前記チャック機構に把持された差動ケースのギア収納室内に平面カッターを搬入し及びギア収納室内から平面カッターを搬出するための平面カッター搬送機構を更に備えてなることを特徴とする請求項3に記載の差動ケースの内面加工装置。
- 前記センターシャフトは、工具送り機構の平面カッター保持シャフトと協働して差動ケースのギア収納室内で平面カッターを保持する働きをすると共に、工具送り機構のロングバイトの先端部に当接して切削時にロングバイトの姿勢を安定させる働きをすることを特徴とする請求項3又は4に記載の差動ケースの内面加工装置。
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