JP5445544B2 - 複合旋盤及び複合加工方法 - Google Patents

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本発明は、互いに向き合う回転主軸と、工具を保持する複数のタレットとを備えた複合旋盤及び複合加工方法に関する。
従来より、加工効率の向上などを目的として、2つのワークに対して同時に異なる旋削加工をする二軸旋盤が知られている。
例えば、特許文献1の対向二軸旋盤においては、旋盤のベッド上に、スピンドルを設けた主軸台と、工具を装着したタレットをスライドさせるタレットスライドとを設けることが開示されている。この対向二軸旋盤においては、左主軸台に設けた左スピンドルと、右主軸台に設けた右スピンドルとが同一軸心となるように互いに対向しており、左主軸台に対応して左タレット及び左タレットスライドが設置され、右主軸台に対応して右タレット及び右タレットスライドが設置されている。そして、左スピンドルにチャックしたワークに対しては、左タレットに装着した工具によって加工を行い、これと同時に、右スピンドルにチャックしたワークに対しては、右タレットに装着した工具によって加工を行っている。
二軸旋盤においては、左スピンドル(回転主軸)と右スピンドル(回転主軸)とにそれぞれワークを把持させるため、これらにはワークを把持するチャック部を設ける必要がある。比較的長い軸形状を有するワーク(以下、適宜、長軸ワークという)を加工する際には、左タレット及び右タレット以外にも別の下タレットを用い、この下タレットに装着した芯押し治具によって、ワークの軸心が振動しないようにその先端部を支える必要がある。例えば、左スピンドルに一端をチャックした、長軸ワークは、その他端を下タレットに装着した芯押し治具で支えて安定支持した状態で、左タレットに装着した工具によって加工を行う。また、これと同時に、右スピンドルにチャックした比較的短い軸形状を有するワーク(以下、適宜、短軸ワークという)は、右タレットに装着した工具によって加工を行う。これにより、2つのワークに対して同時に加工を行い、加工のサイクルタイムを短縮することができる。
特開平7−40102号公報
ところで、上記の加工例において、左スピンドルにチャックした長軸ワークを左タレットに装着した工具によって行う加工のサイクルタイムと、右スピンドルにチャックした短軸ワークを右タレットに装着した工具によって行う加工のサイクルタイムとには、差が生じる場合がある。このような場合には、サイクルタイムの長い長軸ワークの加工を、右タレット又は左タレットのいずれか一方と下タレットとを用いた上下同時加工により行うことで、サイクルタイムを短縮させることが非常に有効である。しかし、上記の二軸旋盤において、下タレットを芯押し治具として使用している場合には、上下同時加工を行うことができない。
上下同時加工を行うには、右スピンドルにチャックした短軸ワークを芯押し冶具に付け換え、右スピンドルと芯押し冶具とによって、長軸ワークの先端部を芯押しすることも考えられる。しかし、短軸ワークと芯押し冶具の付け換えにかかる時間を考慮すると、トータルのサイクルタイムを効果的に短縮することができない。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、2つのワークに対して同時に加工を行うと共に、一方のワークに対して上下同時加工を行うことにより加工のサイクルタイムを短縮することができる複合旋盤及び複合加工方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、第1ワークの後端部を把持して固定又は回転可能な第1回転主軸と、
該第1回転主軸と向き合って同一軸線上に配置され、第2ワークの先端部を把持して固定又は回転可能な第2回転主軸と、
上記第1回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第1タレットと、
上記第2回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第2タレットと、
上記第2回転主軸を挟んで上記第2タレットが配置された側とは反対側に配置され、上記第2回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第3タレットと、
上記第1ワークの先端部に装着可能で、上記第2ワークの後端部を支持するためのアダプターとを備えており、
上記第1回転主軸によって後端部が把持された上記第1ワークに対して、上記第1タレットに取り付けられた第1工具が加工を行うとともに、上記第2回転主軸によって先端部が把持されると共に上記第3タレットに取り付けられた支持治具によって後端部が支持された上記第2ワークに対して、上記第2タレットに取り付けられた第2工具が加工を行う第1加工段階と、
上記第2回転主軸に先端部が把持された上記第2ワークの後端部が、上記第1回転主軸に後端部が把持された上記第1ワークの先端部に装着した上記アダプターによって支持された状態で、上記第2タレットに取り付けられた上記第2工具と上記第3タレットに取り付けられた第3工具との両方が、上記第2ワークに対して加工を行う第2加工段階とを行うことができるよう構成されていることを特徴とする複合旋盤にある(請求項1)。
本発明の他の態様は、第1ワークの後端部を把持して固定又は回転可能な第1回転主軸と、
該第1回転主軸と向き合って同一軸線上に配置され、第2ワークの先端部を把持して固定又は回転可能な第2回転主軸と、
上記第1回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第1タレットと、
上記第2回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第2タレットと、
上記第2回転主軸を挟んで上記第2タレットが配置された側とは反対側に配置され、上記第2回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第3タレットと、
上記第1ワークの先端部に装着可能で、上記第2ワークの後端部を支持するためのアダプターとを備えた複合旋盤を用い、
上記第1回転主軸によって後端部を把持させる上記第1ワークに対して、上記第1タレットに取り付けられた第1工具が加工を行うとともに、上記第2回転主軸によって先端部を把持し上記第3タレットに取り付けられた支持治具によって後端部を支持させる上記第2ワークに対して、上記第2タレットに取り付けられた第2工具が加工を行う第1加工段階と、
上記第2回転主軸に先端部が把持された上記第2ワークの後端部を、上記第1回転主軸に後端部が把持された上記第1ワークの先端部に装着した上記アダプターによって支持して、上記第2タレットに取り付けられた上記第2工具と上記第3タレットに取り付けられた第3工具との両方によって上記第2ワークに対して加工を行う第2加工段階とを行うことを特徴とする複合加工方法にある(請求項3)。
上記複合旋盤は、2つの回転主軸と3つのタレットを用い、2つのワークに対して同時に旋削加工を行うことができ、かつ、一方の回転主軸に把持された一方のワークの芯押しを他方の回転主軸に把持された他方のワーク及び上記アダプタを介して行った状態で、上記一方のワークに対して2つのタレットによる同時加工を行うことができる。
すなわち、上記複合旋盤においては、第1加工段階として、2つのワークに対して同時に加工を行うことができる。具体的には、上記第1加工段階においては、上記第1回転主軸によって後端部が把持される上記第1ワークに対して、上記第1タレットに取り付けられた上記第1工具による加工を行う。この加工と共に、上記第2回転主軸によって先端部が把持され、上記第3タレットに取り付けられた上記支持治具によって後端部が支持される上記第2ワークに対して、上記第2タレットに取り付けられた上記第2工具が加工を行う。これにより、2つのワークの加工に要するトータルのサイクルタイムを短縮することができる。
また、上記複合旋盤においては、第2加工段階として、上記第2タレットに取り付けられた上記第2工具と、上記第3タレットに取り付けられた上記第3工具との両方によって上記第2ワークに対して加工を行うことができる。
具体的には、上記複合旋盤は、上記第1ワークの先端部に装着可能で、上記第2ワークの後端部を支持するための上記アダプターを備えている。そして、上記第2加工段階においては、上記第1回転主軸によって後端部が把持された上記第1ワークの先端部に、上記アダプターを装着する。次いで、上記第1回転主軸を上記第2回転主軸に相対的に接近させて、上記第1ワークの先端部に装着した上記アダプターによって、上記第2回転主軸によって先端部が把持された上記第2ワークの後端部の芯押しを行う。尚、上記第2加工段階は、上記第1加工段階が終了した後に行われ、上記第1加工段階において加工を行った後の上記第1ワークに対して上記アダプターを装着することができる。
このように、上記複合旋盤においては、上記第1回転主軸に後端部が把持された上記第1ワークの先端部に上記アダプターを装着することによって、これらを芯押しとして使用する。これにより、上記第2ワークが比較的長い長尺形状を有するワークであって両端支持が必要である場合に、上記第1回転軸に上記第1ワークを把持させたままであっても、上記第2ワークの芯押しが可能となり、その振動を抑制することができる。これにより、上記第2タレットに取り付けられた上記第2工具と上記第3タレットに取り付けられた上記第3工具との両方を用いて上記第2ワークの加工を行い、上記第2ワークにおける加工のサイクルタイムを短縮することができる。したがって、上記複合旋盤において、上記第1ワークにおける加工のサイクルタイムに対して、上記第2ワークにおける加工のサイクルタイムが長い場合に、上記複合旋盤全体の加工のサイクルタイムを短縮するのに特に有効である。
また、上記複合切削方法を行うことにより、上述の優れた上記複合旋盤の作用効果を容易に得ることができる。
それゆえ、上記複合旋盤及び複合加工方法によれば、2つのワークに対して同時に加工を行うと共に、一方のワークに対して上下同時加工を行うことにより加工のサイクルタイムを短縮することができる。
実施例1における、第1加工段階として、第1ワーク及び第2ワークに旋削加工を行う状態の複合旋盤を示す説明図。 実施例1における、第1加工段階として、第1ワーク及び第2ワークに旋削加工を行う状態の複合旋盤を示す説明図。 実施例1における、第1加工段階として、第1ワーク及び第2ワークに孔開け加工及び旋削加工を行う状態の複合旋盤を示す説明図。 実施例1における、第1加工段階として、第1ワークに溝加工を行う状態の複合旋盤を示す説明図。 実施例1における、第2加工段階の前に、第1ワークにアダプターを脱着する状態の複合旋盤を示す説明図。 実施例1における、第2加工段階の前に、第1ワークにアダプターを装着した状態の複合旋盤を示す説明図。 実施例1における、第2加工段階の前に、第1ワーク及びアダプターによって第2ワークの芯押しを行うと共に溝入れ加工を行う状態の複合旋盤を示す説明図。 実施例1における、第2加工段階として、第2ワークに孔開け加工を行う状態の複合旋盤を示す説明図。 実施例1における、第2加工段階の後に、第1回転主軸を第2回転主軸へ接近させ、第1ワークを第2回転主軸へ接近させる状態の複合旋盤を示す説明図。 実施例1における、第2加工段階の後に、第1ワークを、第2回転主軸に把持させた状態の複合旋盤を示す説明図。 旧図11削除 実施例1における、第2加工段階の前に、アダプター保持具におけるアダプターを第1ワークに装着した状態の複合旋盤を示す断面説明図。 実施例1における、第2加工段階の前に、アダプターからアダプター保持具を取り外し、アダプターを第2ワークに係合させる状態の複合旋盤を示す断面説明図。 実施例1における、アダプターを保持するアダプター保持具を、アダプターの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、第1ワークに装着したアダプターを拡大して示す断面説明図。 実施例1における、第2ワークに係合したアダプターを拡大して示す断面説明図。 実施例1における、複合旋盤において加工する製品を示す斜視図。 図16におけるA−A線矢視断面図。 図16におけるB−B線矢視断面図。 第2ワークの外周に上下同時で旋削加工を施す行う状態の複合旋盤を示す断面説明図。 比較例1における、従来の2軸旋盤を用いた場合のタイムチャート図。 比較例1における、実施例1の複合旋盤を用いた場合のタイムチャート図。
上記複合旋盤及び複合加工方法においては、上記第1回転主軸の軸線方向に上記第1タレットを移動させることができる。これ以外にも、上記第1タレットに対して、上記第1回転主軸をその軸線方向に移動させることもできる。また、上記第1回転主軸と上記第1タレットとの両方を、上記第1回転主軸の軸線方向に移動させることもできる。
また、上記第2回転主軸の軸線方向に上記第2タレットを移動させることができる。これ以外にも、上記第2タレットに対して、上記第2回転主軸をその軸線方向に移動させることもできる。また、上記第2回転主軸と上記第2タレットとの両方を、上記第2回転主軸の軸線方向に移動させることもできる。
また、上記第1加工段階において、上記アダプターは、上記第1タレットに取り付けられた上記アダプター保持具に保持されており、上記第2加工段階を行う前には、上記第1回転主軸の軸線方向に上記第1タレットを相対的に移動させることによって、上記第1回転主軸によって後端部が把持された上記第1ワークの先端部へ、上記アダプター保持具に保持された上記アダプターを装着するよう構成されていてもよい(請求項2)。
この場合には、上記第1加工段階を行う際には、上記アダプターを、上記第1タレットの上記アダプター保持具に保持して保管しておくことができる。そして、上記第2加工段階を行う前には、上記第1タレットと上記第1回転主軸との相対的な移動によって、上記第1ワークの先端部へ上記アダプターを容易に装着することができる。
また、上記第1ワークと上記第2ワークとは、同形状の軸状部品であり、
上記第1回転主軸に上記第1ワークとしての軸状部品を把持するときには、該軸状部品の軸方向一端側を把持するとともに、該軸状部品の軸方向他端側を突出させ、
上記第2回転主軸に上記第2ワークとしての他の軸状部品を把持するときには、該他の軸状部品の軸方向他端側を把持するとともに、該軸状部品の軸方向一端側を突出させ、
上記第1加工段階においては、上記第1ワークとしての軸状部品の軸方向他端側に対して加工を行うとともに、上記第2ワークとしての他の軸状部品の軸方向一端側に対して加工を行い、
上記第2加工段階においては、上記第2ワークとしての他の軸状部品における上記軸方向一端側に対して加工を行うことができる(請求項4)。
この場合には、上記複合旋盤を用いた複合加工方法により、上記軸状部品の加工におけるトータルのサイクルタイムを短縮することができる。
以下に、複合旋盤1及び複合加工方法にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の複合旋盤1は、図1〜図4に示すごとく、第1ワーク6Aの後端部を把持して固定又は回転状態可能な第1回転主軸2Aと、第1回転主軸2Aと向き合って同一軸線O上に配置され、第2ワーク6Bの先端部を把持して固定又は回転可能な第2回転主軸2Bとを備えている。また、複合旋盤1は、第1回転主軸2Aの軸線方向Lに相対的に移動可能な第1タレット3Aと、第2回転主軸2Bの軸線方向Lに相対的に移動可能な第2タレット3Bとを備えている。また、複合旋盤1は、第2回転主軸2Bを挟んで第2タレット3Bが配置された側とは反対側に配置され、第2回転主軸2Bの軸線方向Lに相対的に移動可能な第3タレット3Cと、第1ワーク6Aの先端部に装着可能で、第2ワーク6Bの後端部を支持するためのアダプター5(図5及び図6)とを備えている。
複合旋盤1は、次の第1加工段階110と第2加工段階120とを行うよう構成されている。
複合旋盤1の第1加工段階110は、図1〜図4に示すごとく、第1回転主軸2Aによって後端部が把持された第1ワーク6Aに対して、第1タレット3Aに取り付けられた第1工具32Aが加工を行うとともに、第3タレット3Cに取り付けられた芯押し治具35(支持治具)によって後端部が支持され、第2回転主軸2Bによって先端部が把持された第2ワーク6Bに対して、第2タレット3Bに取り付けられた第2工具32Bが加工を行うよう構成されている。
複合旋盤1の第2加工段階120は、図7及び図8に示すごとく、第2回転主軸2Bによって先端部が把持された第2ワーク6Bが、その後端部を、第1回転主軸2Aによって後端部が把持された第1ワーク6Aの先端部に装着したアダプター5によって支持された(芯押し)状態で、第2タレット3Bに取り付けられた第2工具32Bと第3タレット3Cに取り付けられた第3工具32Cとの両方によって加工を行うよう構成されている。
本例においては、芯押し治具35による支持、及びアダプター5による支持は、いずれも芯押しという。支持とは、芯押しを含めて、中心位置出しを行って支えることをいう。
以下に、本例の複合旋盤1及び複合加工方法につき、図1〜図19を参照してさらに詳細に説明する。
本例の複合旋盤1及び複合加工方法において用いる第1ワーク6Aと第2ワーク6Bとは、同一の製品6を形成するための軸状部品である。この軸状部品は、内部に中心穴60を有する円筒形状の部品である。
図16に示すごとく、本例の複合旋盤1によって形成する製品6は、軸方向一端側601に、比較的長さの長い平行軸部62を有し、軸方向他端側602に、平行軸部62よりも長さが短い他端側部63を有するものである。また、平行軸部62の端部には、アダプター5と係合する一端側部61が形成されている。軸線方向Lにおける平行軸部62と他端側部63との間には、平行軸部62よりも拡径したフランジ部64(鍔部)が形成されている。尚、本例においては、第1ワーク6A及び第2ワーク6Bにおける一端側部61が形成される側を後端部とし、他端側部63が形成される側を先端部とした。
製品6は、その軸線方向Lにおける全長に形成された一対の溝部65を有している。一対の溝部65は、製品6の外周面において、互いに周方向の位相が180°ずれた位置に形成されている。
また、平行軸部62には、4つの孔部66が形成してある。このうち3つの孔部66は、一方の溝部65と周方向の位相が90°ずれた位置に、軸線方向Lに並んで形成されている。また、図17に示すごとく、残る1つの孔部66は、3つの孔部66のうち中央に位置する孔部66と周方向の位相が180°ずれた位置に形成されており、平行軸部62を貫通している。対して、図18に示すごとく、3つの孔部66のうち両端に位置する2つの孔部66と周方向に位相が180°ずれた位置には、孔部66が形成されていない。。
また、平行軸部62は、上述のごとく他端側部63よりも長い。図2に示すごとく、第1加工段階110において加工を行う際には、第2回転主軸2Bのチャック部21から突出する第2ワーク6Bの軸方向一端側601の部分は、第1回転主軸2Aのチャック部21から突出する第1ワーク6Aの軸方向他端側602の部分に比べて長くなる。したがって、第2ワーク6Bにその軸方向と交差する方向に力がかかるような加工を行う際には、第2ワーク6Bに振動が生じやすく、第2ワーク6Bの両端部を支持する必要がある。
図1〜図4に示すごとく、本例の複合旋盤1は、同一軸線O上に配置されて互いに向き合う第1回転主軸2Aと第2回転主軸2Bとを有する二軸旋盤において、第1回転主軸2Aよりも上側の位置に第1タレット3Aを有し、第2回転主軸2Bよりも上側の位置に第2タレット3Bを有し、第1回転主軸2A及び第2回転主軸2Bよりも下側の位置に第3タレット3Cを有するものである。各回転主軸及び各タレットはいずれも、複合旋盤1のベッド上に設置されている。
第1回転主軸2Aは、その軸線方向Lに沿って第2回転主軸2Bに向けて接近するよう構成されている。なお、第2回転主軸2Bを第1回転主軸2Aの側へ接近させることもできる。
第1回転主軸2A及び第2回転主軸2Bは、スピンドルとも呼ばれ、それらの軸線方向Lを水平方向に向けて配設されている。第1回転主軸2Aの先端部及び第2回転主軸2Bの先端部には、径方向に放射状に拡径・縮径をすることができるチャック部21が設けられている。第1ワーク6Aは、第1回転主軸2Aにおけるチャック部21に後端部(平行軸部62)が把持され、第2ワーク6Bは、第2回転主軸2Bにおけるチャック部21に先端部(他端側部63)が把持される。
第1タレット3A〜第3タレット3Cはいずれも、所定角度ずつ回転可能なタレット盤31に複数の工具等を外周に取り付けて構成されている。そして、第1タレット3A〜第3タレット3Cはいずれも、タレット盤31を所定角度回転させ、加工に用いる工具等を、ワークの側に向けるよう構成されている。また、第1タレット3A〜第3タレット3Cはいずれも、タレット盤31を、第1回転主軸2A及び第2回転主軸2Bの軸線方向L、及びこの軸線方向Lに直交する平面方向に移動させるよう構成されている。
第1タレット3Aのタレット盤31には、図1〜図4に示すごとく、複数種類の第1工具32Aと、アダプター5を保持するアダプター保持具4(図5及び図6)とが取り付けられている。
第1工具32Aは、第1ワーク6Aにおける内周及び外周の旋削加工を行うバイト(図1〜図3)と、溝加工を行うミル工具(図4)とを有している。
第2タレット3Bのタレット盤31には、図1〜図3及び図7に示すごとく、複数種類の第2工具32Bが取り付けられている。
第2工具32Bは、第2ワーク6Bにおける端面及び外周の旋削加工を行うバイト(図1及び図2)と、孔開け加工を行うドリル(図3、図8)と、バリ取りを行うバリ取りツール(図示略)と、溝加工を行うエンドミル(図7)とを有している。
第3タレット3Cのタレット盤31には、図1〜図4、図7及び図8に示すごとく、複数種類の第3工具32Cと、芯押し治具35とが取り付けられている。
第3工具32Cは、溝加工を行うエンドミル(図7)と、孔開け加工を行うドリル(図8)と、第2ワーク6Bにおける端面及び内周の旋削加工を行うバイト(図示略)とを有している。
上述の第1タレット3Aに取り付けられたアダプター保持具4には、図5に示すごとく、第1ワーク6Aの先端部(他端側部63)に配され、第2ワーク6Bの後端部(一端側部61)を支持するためのアダプター5が保持されている。
図12及び図13に示すごとく、アダプター保持具4は、第1タレット3Aのタレット盤31に固定される本体部41と、本体部41に対して回動してアダプター5の外周を挟み込む一対の挟持部42と、一対の挟持部42を、アダプター5を挟み込む方向にそれぞれ付勢する付勢バネ43とを備えている。一対の挟持部42と付勢バネ43とは、アダプター保持具4において保持するアダプター5の軸線方向Lの2箇所を挟み込むよう、2組設けられている。
図14に示すごとく、アダプター5は、中心穴60を有する軸形状に形成されている。アダプター5は、軸線方向Lの一端側部61に、第1ワーク6Aとしての円筒形状の軸状部品に形成した他端側部63の内周に挿入するための内周嵌合部51と、他端側部63の外周に外装するための外周嵌合部52とを有している。
径方向において内周嵌合部51と外周嵌合部52との間には、他端側部63を挿入するための円環状の嵌入凹部54が形成されている。嵌入凹部54の底部には、第1ワーク6A(軸状部品)の他端側部63の内周角部631に形成されたテーパ面と対面させるテーパ状底部541が形成されている。第1ワーク6Aの他端側部63の内周角部631の全周が、テーパ状底部541の全周に当接することによって、アダプター5は、第1ワーク6Aの中心位置決めを行う。なお、第1ワーク6Aの他端側部63の内周角部631の一部が、テーパ状底部541の一部に当接することによって、アダプター5による第1ワーク6Aの中心位置決めを行うこともできる。
図15に示すごとく、アダプター5は、第2ワーク6Bとしての円筒形状の軸状部品の内周に嵌め込むためのテーパ部53を有している。
アダプター5は、第1ワーク6A及び第2ワーク6Bの形状に応じて、任意に形状を変更することができる。これにより、複合旋盤1において、種々の製品6を加工する場合においても、アダプター5を取り替えることにより柔軟に対応することができる。
図5及び図6に示すごとく、複合旋盤1は、第2加工段階120を行う前には、第1回転主軸2Aの軸線方向Lに第1タレット3Aを相対的に移動させることによって、第1回転主軸2Aに把持された第1ワーク6Aの先端部(他端側部63)へ、アダプター保持具4に装着されたアダプター5を装着するよう構成されている。
具体的には、次のようにして、第1ワーク6A及びアダプター5による、第2ワーク6Bの芯押しが行われる。
まず、図11に示すごとく、第1タレット3Aを移動させて、アダプター5の中心軸線を、第1回転主軸2Aの中心軸線に一致させ、次いで、第1回転主軸2Aを第2回転主軸2Bの側へ移動させる。そして、第1タレット3Aのアダプター保持具4におけるアダプター5を、第1回転主軸2Aによって平行軸部62を把持された第1ワーク6Aの他端側部63に装着する。次いで、図12に示すごとく、アダプター保持具4からアダプター5を取り外し、第1回転主軸2Aを第2回転主軸2Bの側へさらに移動させる。このとき、図13に示すごとく、2組の一対の挟持部42が、付勢バネ43を弾性変形させながら回動し、アダプター5の外周から外れる。
次いで、図15に示すごとく、第1回転主軸2Aを第2回転主軸2Bの方向へ接近させ、第2回転主軸2Bに他端側部63を把持された第2ワーク6Bの一端側部61における内周角部611に形成されたテーパ面に、アダプター5のテーパ部53の外周を当接させる。この内周角部611のテーパ面と、アダプター5のテーパ部53の外周との当接は、全周で行ってもよく、一部で行ってもよい。こうして、第1回転主軸2Aに把持された第1ワーク6Aとその先端部(他端側部63)に装着されたアダプター5とによって、第2回転主軸2Bに先端部(他端側部63)が把持された第2ワーク6Bの後端部(一端側部61)の芯押しを行うことができる。この芯押しは、第1回転主軸2Aから第2回転主軸2Bへ適切な負荷を与えて行う。芯押しとは、第2ワーク6Bの後端部が径方向に振動しないように、この後端部の中心を支えることをいう。これにより、第2ワーク6Bの芯押しにタレットを用いる必要がなく、第2ワーク6Bに対して上下同時加工を行うことが可能となる。
以下に、本例の複合旋盤1を用いた複合加工方法及びその作用効果につき説明する。
図1〜図4に示すごとく、第1加工段階110において、第1工具32Aによって旋削加工及び溝加工を行う第1ワーク6Aは、旋削加工前の素材としての軸状部品である。第1回転主軸2Aのチャック部21に第1ワーク6Aとしての軸状部品を把持するときには、軸状部品の平行軸部62をこのチャック部21によって把持するとともに、軸状部品の軸方向他端側602をこのチャック部21から突出させる。そして、第1加工段階110においては、第1工具32Aによって、第1ワーク6Aとしての軸状部品の軸方向他端側602に対して旋削加工及び溝加工を行う。
第1ワーク6Aの旋削加工においては、第1回転主軸2Aを回転させ、円筒形状の軸状部品における外周(外径)及び内周(内径)の旋削加工を行う。本例においては、まず、図1に示すごとく、軸状部品の内周粗加工を行い、次いで、図2に示すごとく、軸状部品の外周粗加工を行う。その後、軸状部品の内周仕上げ加工を行い、次いで、軸状部品の外周仕上げ加工を行う。軸状部品の内周の加工を行うときと、軸状部品の外周の加工を行うときとにおいては、第1タレット3Aにおけるタレット盤31を所定角度回転させて、加工に使用する第1工具32Aであるバイトを切り替える。
第1ワーク6Aの溝加工においては、第1回転主軸2Aを固定し、円筒形状の軸状部品における外周(外径)に一対の溝部65を形成する。本例においては、図4に示すごとく、第1タレット3Aにおけるタレット盤31を所定角度回転させて、加工に使用する第1工具32Aの一つであるミル工具を第1ワーク6Aに向けて配し、まず一方の溝部65を形成する。次いで、第1回転主軸2Aを180°回転させた後、他方の溝部65を形成する。
第1加工段階110において、第2工具32Bによって加工を行う第2ワーク6Bは、前回以前の第1加工段階110において、第1工具32Aによって旋削加工を行って形成した他端側部63を有する第1ワーク6Aである。
複合加工方法における軸状部品の運搬の流れは次のようになる。まず、素材としての軸状部品を第1回転主軸2Aへ供給する。次いで、第1回転主軸2Aから他端側部63を形成した軸状部品を第2回転主軸2Bへ受け渡す。その後、第2回転主軸2Bから、軸状部品に加工してなる製品6を、第3タレット3Cのタレット盤31における製品6受具へ受け渡す。
図1〜図4に示すごとく、第2回転主軸2Bのチャック部21に、第2ワーク6Bとして、軸状部品を把持するときには、他端側部63をこのチャック部21によって把持するとともに、軸状部品の軸方向一端側601をこのチャック部21から突出させる。
図1に示すごとく、第2工具32Bによって第2ワーク6Bの後端部(一端側部61)側の端面の旋削加工は、第2ワーク6Bの後端部を芯押しせず、第2回転主軸2Bによって把持された状態で行われる。
図1に示すごとく、第2ワーク6Bにおける第1加工段階においては、第2回転主軸2Bを回転させ、第2工具32Bの一つであるバイトによって、端面仕上げ加工及び内径の切削加工を行う。このとき、第2ワーク6Bの一端側部61における内周角部611にはテーパ面が形成される。
そして、図2に示すごとく、第3タレット3Cのタレット盤31における芯押し治具35(支持治具)によって、第2ワーク6Bの後端部の芯押しを行う。このとき、芯押し治具35の外周テーパ面を、第2ワーク6Bの一端側部61における内周角部611に形成されたテーパ面に当接させる。
上記のごとく、第2ワーク6Bの内周角部611に滑らかなテーパ面を形成すると共に、このテーパ面と芯押し冶具35の外周テーパ面とを当接させることにより、芯押し時における振れ精度を確保することができる。
次いで、図2〜図4に示すごとく、第2タレット3Bに取り付けられた第2工具32Bによって、第2ワーク6Bの軸方向一端側601に対して旋削加工、孔開け加工及びバリ取りを行う。
第2ワーク6Bの旋削加工においては、図2に示すごとく、第2回転主軸2Bを回転させ、第2工具32Bの一つであるバイトによって、円筒形状の軸状部品における外周仕上げ加工を行う。
第2ワーク6Bの孔開け加工においては、図3に示すごとく、第2回転主軸2Bを固定し、第2工具32Bの一つであるドリルによって、平行軸部62に孔開け加工を行う。本例においては、平行軸部62において、軸線方向Lに並んだ3つの孔部66のうち、両端に配された2つの孔部66(図16及び図18)を順次形成する。
第2ワーク6Bのバリ取りにおいては、第2回転主軸2Bを固定し、第2工具32Bの一つであるバリ取りツールによって、上述の旋削加工及び孔開け加工により、加工箇所に形成されたバリ取りを行う。
第1加工段階110においては、上述した第1工具32Aによる第1ワーク6Aへの加工と、第2工具32Bによる第2ワーク6Bへの加工とが同時に行われる。
また、第1加工段階110における第1ワーク6A及び第2ワーク6Bの加工においては、旋削加工以外にも、孔開け加工、ミーリング加工、溝入れ加工等の種々の加工を行うことができる。
次いで、図7及び図8に示すごとく、複合旋盤1においては、第2加工段階120として、第2タレット3Bに取り付けられた第2工具32Bと、第3タレット3Cに取り付けられた第3工具32Cとの両方によって第2ワーク6Bに対して溝加工及び孔開け加工を行う。
第2加工段階120を行う前には、図5及び図6に示すごとく、第1タレット3Aのタレット盤31を所定角度回転させて、アダプター保持具4に装着したアダプター5を第1ワーク6Aの側に向ける。そして、図5に示すごとく、第1タレット3Aを移動させて、アダプター保持具4に保持したアダプター5を、第1回転主軸2Aのチャック部21から突出する他端側部63に装着する。図6に示すごとく、アダプター5の装着を行った後には、第1タレット3Aを退避させる。
次いで、図7、図15に示すごとく、第1回転主軸2Aを第2回転主軸2Bの方向へ接近させ、第1回転主軸2Aに把持する第1ワーク6A及びアダプター5によって、第2回転主軸2Bに把持する第2ワーク6Bの後端部(一端側部61)の芯押しを行う。
第2加工段階120において、第2ワーク6Bに溝加工を行う際には、図7に示すごとく、第2タレット3Bのタレット盤31が所定角度回転して、第2工具32Bの一つであるエンドミルが第2ワーク6Bの側へ向けて配される。また、第3タレット3Cのタレット盤31が所定角度回転して、第3工具32Cの一つであるエンドミルが第2ワーク6Bの側へ向けて配される。
図7に示すごとく、第2タレット3Bに配されたエンドミルにより、平行軸部62における外周の上方に溝部65を形成し、第3タレット3Cに配されたエンドミルにより、平行軸部62における外周の下方に溝部65を形成する。この溝加工は、他端側端部に形成された溝部65と連続するように、平行軸部62の全長にわたって、その軸線方向L(第2回転主軸2Bの軸線方向L)に沿って行う。こうして、周方向に位相が180°ずれた一対の溝部65を同時に形成する。
次いで、第2ワーク6Bに孔開け加工を行うために、図8に示すごとく、第2タレット3Bのタレット盤31が所定角度回転して、第2工具32Bの一つであるドリルを第2ワーク6Bの側へ向ける。また、第3タレット3Cのタレット盤31が所定角度回転して、第3工具32Cの一つであるドリルを第2ワーク6Bの側へ向ける。また、これと同時に第2回転主軸2Bを回転させ、第2ワーク2Bを90度回転させる。
次いで、第2タレット3Bに配されたドリルにより、平行軸部62における上方に孔部66を形成し、第3タレット3Cに配されたドリルにより、平行軸部62における下方に孔部66を形成する。この孔開け加工は、外周における上方及び下方に孔部66を同時に形成する。
また、第2加工段階120における第2ワーク6Bの加工においては、上記以外にも、図19に示す旋削加工等の同時加工を行うことができる。
次いで、図6に示すごとく、第1回転主軸2Aを第2回転主軸2Bから隔離させる。また、第1タレット3Aを、第1回転主軸2Aにおける第1ワーク6Aに装着したアダプター5に接近させ、第1タレット3Aにおけるアダプター保持具4にアダプター5を保持させる。
次いで、図5に示すごとく、第1回転主軸2Aに把持する第1ワーク6Aからアダプター5を取り外す。また、図9に示すごとく、第2回転主軸2Bに把持した加工終了後の製品6である第2ワーク6Bを、第3タレット3Cにおける製品受具36に保持させ、第3タレット3Cを第2回転主軸2Bよりも下方へ退避させる。次いで、同図に示すごとく、第1回転主軸2Aを第2回転主軸2Bへ接近させ、他端側部63が形成された第1ワーク6Aを第2回転主軸2Bへ接近させる。このとき、第1回転主軸2Aのチャック部21からは、第1ワーク6Aにおける先端部(他端側部63)が突出している。
そして、図10に示すごとく、第1ワーク6Aにおける先端部(他端側部63)が、第2回転主軸2Bにおけるチャック部21に挿入され、このチャック部21に把持される。次いで、第1回転主軸2Aを第2回転主軸2Bから隔離させ、図1に示すごとく、第1回転主軸2Aにおけるチャック部21に、次の第1ワーク6Aとしての素材である軸状部品の軸方向一端側601を把持させる。
以降は、上記と同様に、第1加工段階110及び第2加工段階120を行うことができる。
複合旋盤1及び複合加工方法においては、上述のごとく、第1加工段階110において、2つの回転主軸と3つのタレットを用い、2つのワークに対して同時に旋削加工を行うことができる。
さらに、第2加工段階120においては、第2ワーク6Bの先端部(他端側部63)を第2回転主軸2Bによって把持すると共に後端部(一端側部61)を第1回転主軸2Aに把持された第1ワーク6Aの先端部(他端側部63)に装着したアダプター5により支持することができる。これにより、第2タレット3Bに取り付けられた第2工具32Bと、第3タレット3Cに取り付けられた第3工具32Cとの両方によって第2ワーク6Bに対して加工を行うことができる。それゆえ、複合旋盤1及び複合加工方法によれば、2つのワークに対して同時に加工を行うと共に、一方のワークに対して上下同時加工を行うことにより製品6を製造するトータルのサイクルタイムを短縮することができる。
また、第1加工段階110において、アダプター5は、第1タレット3Aに取り付けられたアダプター保持具4に保持されており、第2加工段階120を行う前には、第1回転主軸2Aの軸線方向Lに第1タレット3Aを相対的に移動させることによって、第1回転主軸2Aによって把持された第1ワーク6Aの先端部へ、アダプター保持具4に保持されたアダプター5を装着するよう構成されている。
そのため、第1加工段階110を行う際には、アダプター5を、第1タレット3Aのアダプター保持具4に保持して保管しておくことができる。そして、第2加工段階120を行う前には、第1タレット3Aと第1回転主軸2Aとの相対的な移動によって、第1ワーク6Aの先端部へアダプター5を容易に装着することができる。
(比較例1)
本例においては、実施例1に示した複合旋盤1及び複合加工方法の効果を定量的に判断するために、従来から用いられている2軸旋盤による2つのワークへの同時加工とのサイクルタイムの比較を行った。尚、複合旋盤1、第1ワーク6A、第2ワーク6B及び製品6の構成は実施例1と同様である。
図20及び図21は、それぞれ2軸旋盤及び複合旋盤1を用いて製品6を成形した際の、各タレットにおける加工状態及びタイムチャートを示すものである。図20及び図21において、横軸は加工時間を示している。
複合旋盤1においては、図21に示すごとく、第1タレット3Aに取り付けられた第1加工工具32Aによって、内径粗加工111、外径粗加工112、内径仕上げ加工113、外径仕上げ加工114及び一対の溝加工115を行う。また、第2ワーク6Aに、端面仕上げ加工116、外径仕上げ加工117、第1孔開け加工118及びバリ取り119を順次行う。尚、外径仕上げ加工117、第1孔開け加工118及びバリ取り119において、第3タレット3Cは、第3タレット3Cが有する芯押し冶具35によって、第2ワーク6Bの後端部を支持する支持状態130にある。
次いで、第2ワーク6Bの支持を、第3タレット3Cの芯押し冶具35から、第1回転主軸2Aによって把持された第1ワーク6Aの先端部に装着したアダプター5に切り換え(支持切換131)、第2加工段階120へと移行する。第2加工段階120においては、第2タレット3Bに取り付けられた第2工具32Bと第3タレット3Cに取り付けられた第3工具32Cとの両方によって、一対の溝加工121、122、第2孔開け加工123及び第3孔開け加工124を行う。
2軸旋盤においては、第1タレット3Aに取り付けられた第1工具によって、第1ワーク6Aの内径粗加工111、外径粗加工112、内径仕上げ加工113、外径仕上げ加工114及び一対の溝加工115を順次行う。2軸旋盤において、第1ワーク6Aの加工を終えた後、第2ワーク6Bの加工を終えるまでの間、第1工具32Aによる加工は行われず、第1タレット3Aは退避状態135にある。
これと同時に、第2タレット3Bに取り付けられた第2工具によって、第2ワーク6Bの端面仕上げ加工116、外径仕上げ加工117、第1孔開け加工118、バリ取り119、一対の溝加工121、122、第2孔開け加工126及び第3孔開け加工127を順次行う。尚、第2ワーク6Bの加工を行う間、第3タレット3Cは、第3タレット3Cが有する芯押し冶具35によって、第2ワーク6Bの後端部を支持する支持状態130にある。
尚、複合旋盤1及び2軸旋盤のいずれにおいても、加工開始前のワーク取付132と加工開始後のワーク払い出し133及びワーク受け渡し134を行う。
図20及び図21に示すごとく、実施例1の複合旋盤1においては、第2加工段階120における一対の溝加工121、122を同時に行うことができる。また、第2孔開け加工126及び第3孔開け加工127を同時に行うことができる。これにより、本例において、複合旋盤1におけるサイクルタイムt2は、2軸旋盤におけるサイクルタイムt1と比べて2割程度の短縮が可能となる。このように、第2ワーク6Bにおける加工のサイクルタイムを短縮すると共に、製品6を形成するためのサイクルタイムを短縮することができる。
1 複合旋盤
101 第1加工段階
102 第2加工段階
2A 第1回転主軸
2B 第2回転主軸
21 チャック部
3A 第1タレット
3B 第2タレット
3C 第3タレット
32A 第1工具
32B 第2工具
32C 第3工具
4 アダプター保持具
5 アダプター
6 製品
6A 第1ワーク
6B 第2ワーク
601 軸方向一端側
602 軸方向他端側
61 一端側部
62 平行軸部
63 他端側部
65 溝部

Claims (4)

  1. 第1ワークの後端部を把持して固定又は回転可能な第1回転主軸と、
    該第1回転主軸と向き合って同一軸線上に配置され、第2ワークの先端部を把持して固定又は回転可能な第2回転主軸と、
    上記第1回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第1タレットと、
    上記第2回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第2タレットと、
    上記第2回転主軸を挟んで上記第2タレットが配置された側とは反対側に配置され、上記第2回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第3タレットと、
    上記第1ワークの先端部に装着可能で、上記第2ワークの後端部を支持するためのアダプターとを備えており、
    上記第1回転主軸によって後端部が把持された上記第1ワークに対して、上記第1タレットに取り付けられた第1工具が加工を行うとともに、上記第2回転主軸によって先端部が把持されると共に上記第3タレットに取り付けられた支持治具によって後端部が支持された上記第2ワークに対して、上記第2タレットに取り付けられた第2工具が加工を行う第1加工段階と、
    上記第2回転主軸に先端部が把持された上記第2ワークの後端部が、上記第1回転主軸に後端部が把持された上記第1ワークの先端部に装着した上記アダプターによって支持された状態で、上記第2タレットに取り付けられた上記第2工具と上記第3タレットに取り付けられた第3工具との両方が、上記第2ワークに対して加工を行う第2加工段階とを行うことができるよう構成されていることを特徴とする複合旋盤。
  2. 請求項1に記載の複合旋盤において、上記第1加工段階において、上記アダプターは、上記第1タレットに取り付けられたアダプター保持具に保持されており、
    上記第2加工段階を行う前には、上記第1回転主軸の軸線方向に上記第1タレットを相対的に移動させることによって、上記第1回転主軸によって後端部が把持された上記第1ワークの先端部へ、上記アダプター保持具に保持された上記アダプターを装着するよう構成されていることを特徴とする複合旋盤。
  3. 第1ワークの後端部を把持して固定又は回転可能な第1回転主軸と、
    該第1回転主軸と向き合って同一軸線上に配置され、第2ワークの先端部を把持して固定又は回転可能な第2回転主軸と、
    上記第1回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第1タレットと、
    上記第2回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第2タレットと、
    上記第2回転主軸を挟んで上記第2タレットが配置された側とは反対側に配置され、上記第2回転主軸の軸線方向に相対的に移動可能な第3タレットと、
    上記第1ワークの先端部に装着可能で、上記第2ワークの後端部を支持するためのアダプターとを備えた複合旋盤を用い、
    上記第1回転主軸によって後端部を把持させる上記第1ワークに対して、上記第1タレットに取り付けられた第1工具が加工を行うとともに、上記第2回転主軸によって先端部を把持し上記第3タレットに取り付けられた支持治具によって後端部を支持させる上記第2ワークに対して、上記第2タレットに取り付けられた第2工具が加工を行う第1加工段階と、
    上記第2回転主軸に先端部が把持された上記第2ワークの後端部を、上記第1回転主軸に後端部が把持された上記第1ワークの先端部に装着した上記アダプターによって支持して、上記第2タレットに取り付けられた上記第2工具と上記第3タレットに取り付けられた第3工具との両方によって上記第2ワークに対して加工を行う第2加工段階とを行うことを特徴とする複合加工方法。
  4. 請求項3に記載の複合加工方法において、上記第1ワークと上記第2ワークとは、同形状の軸状部品であり、
    上記第1回転主軸に上記第1ワークとしての軸状部品を把持するときには、該軸状部品の軸方向一端側を把持するとともに、該軸状部品の軸方向他端側を突出させ、
    上記第2回転主軸に上記第2ワークとしての他の軸状部品を把持するときには、該他の軸状部品の軸方向他端側を把持するとともに、該軸状部品の軸方向一端側を突出させ、
    上記第1加工段階においては、上記第1ワークとしての軸状部品の軸方向他端側に対して加工を行うとともに、上記第2ワークとしての他の軸状部品の軸方向一端側に対して加工を行い、
    上記第2加工段階においては、上記第2ワークとしての他の軸状部品における上記軸方向一端側に対して加工を行うことを特徴とする複合加工方法。
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