JP2019188488A - ポリゴンカッタユニット及び工作機械 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示すように、工作機械1は、円柱状の被加工物であるワークWの前面及び背面を加工する旋盤である。以下では、加工中のワークWの回転軸に沿った方向を「Z軸方向」といい、そのZ軸方向に直交する鉛直方向を「Y軸方向」といい、Y軸及びZ軸方向に垂直な方向を「X軸方向」という。
第1Z軸モータ15cが駆動することで、ボールねじ15bが回転し、これにより、第1Z軸スライド部15dは主軸ユニット10とともにZ軸方向に移動する。従って、主軸ユニット10及び第1Z軸スライド機構15により、ワークWを軸回転させながら、ワークWをZ軸方向に移動させることができる。
例えば、図2に示すように、工具群55a1は、ワークWの外周面を切削する切削バイト55a3と、ワークWを切断する突切りバイト55a4と、を備える。
第2の工具ユニット20は、工具保持部21と、工具保持部21に固定される工具群22と、を備える。工具群22は、バイト又はドリルから構成され、その刃先が背面主軸71に把持されるワークWの背面に向かうように工具保持部21によって保持される。
第2Z軸スライド機構75及びX軸スライド機構76は、それぞれ上述した第1Z軸スライド機構15と同様に構成される。X軸スライド機構76は、第2Z軸スライド機構75及び背面主軸ユニット70をX軸方向に移動させる。第2Z軸スライド機構75は、背面主軸ユニット70をZ軸方向に移動させる。従って、第2Z軸スライド機構75及びX軸スライド機構76により、背面主軸ユニット70をZ軸方向及びX軸方向に沿う水平方向に移動させることができる。
カッタ保持部74bは、背面主軸71の本体部71dの先端側に装着されるチャックナットである。カッタ保持部74bは、円環状に形成され、複数のポリゴンカッタ74aを保持した状態で主軸部71aに装着される。具体的には、カッタ保持部74bは、側周部74b1と、先端部74b2と、を備える。側周部74b1は、主軸部71aの外周を囲み、Z軸方向に延びる円筒状をなす。側周部74b1の内周面には、主軸部71aのねじ部71a1に螺合するねじ部74b3が形成されている。ポリゴンカッタユニット74のねじ部74b3が主軸部71aのねじ部71a1に螺合することにより、ポリゴンカッタユニット74は背面主軸71の本体部71dに固定される。
先端部74b2は、側周部74b1の先端から側周部74b1の径方向内側に向けて延びる円環状をなす。先端部74b2は、コレット71cの先端側の外周面に当接する。先端部74b2の先端面には、複数のカッタ収容凹部74b4が形成されている。複数のカッタ収容凹部74b4は、ポリゴンカッタユニット74の周方向に沿って等角度間隔で配置されている。本例では、6つのカッタ収容凹部74b4が60°間隔で配置されている。カッタ収容凹部74b4は、ポリゴンカッタ74aの位置決め用の穴であり、Z軸方向から見て、略菱形をなし、ポリゴンカッタユニット74の外周面に到達している。
次に、制御部300は、主軸ユニット10にてワークWを軸回転させた状態で、第1の工具ユニット55の切削バイト55a3にてワークWの外周面を切削する(ステップS102)。
詳しくは、このステップS102においては、制御部300は、ワークWの回転中に、工具移動機構40を介して第1の工具ユニット55の切削バイト55a3をワークWの外周面に接触させつつ第1Z軸スライド機構15を介してワークWをZ軸方向に送る。これにより、ワークWに円柱状部W1が形成される。
詳しくは、このステップS103においては、制御部300は、背面主軸71とともにポリゴンカッタユニット74をワークWと同一方向に回転させつつ、第2Z軸スライド機構75及びX軸スライド機構76を介してポリゴンカッタユニット74のポリゴンカッタ74aの刃先74pをワークWの外周面に接する位置まで背面主軸71を移動させる。この際、制御部300は、第2Z軸スライド機構75を介して、ポリゴンカッタ74aの刃先74pをZ軸方向に送る。これにより、ワークWの円柱状部W1よりも主軸11から遠い位置に角柱状部W2が形成される。例えば、ポリゴンカッタユニット74の回転数と主軸11の回転数の比率は、1:1に設定されている。
なお、本例では、ステップS102,S103の処理は同時に実行される。しかしながら、これに限らず、ステップS102の終了後にステップS103が実行されてもよいし、反対に、ステップS103の終了後にステップS102が実行されてもよい。
詳しくは、このステップS105においては、制御部300は、主軸ユニット10及び背面主軸ユニット70を介してワークWを軸回転させた状態で、工具移動機構40を介して突切りバイト55a4をワークWを横切るように移動させる。これにより、主軸11及び背面主軸71の間に位置するワークWから円柱状部W1及び角柱状部W2からなるワークWa(図6参照)が切り取られる。切り取られたワークWaは背面主軸71により把持された状態となる。
詳しくは、このステップS106においては、制御部300は、背面主軸71を通じてワークWaを回転させた状態で、第2Z軸スライド機構75及びX軸スライド機構76を介して、工具群22の何れかのドリルがワークWaの背面から進入するように背面主軸71を移動させる。これにより、ワークWaの背面には穴Whが形成され、ワークWaの加工が完了となる。
以上で、当該フローチャートに係る処理が終了となる。当該フローチャートが繰り返されることにより、連続的にワークWaを生産することができる。
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
この構成によれば、ポリゴンカッタ74aは背面主軸71と一体で回転する。このため、背面主軸71を回転させるワーク回転用モータ72aによりポリゴンカッタ74aを回転させることができる。よって、ポリゴンカッタ74aを高出力のワーク回転用モータ72aにて回転させることができる。これにより、ポリゴン加工の加工精度を高めることができる。また、ポリゴンカッタ74aを回転させるモータとして既存のワーク回転用モータ72aが利用されるため、新たなモータが不要であり工作機械1の大型化を抑制できる。
この構成によれば、ポリゴンカッタユニット74を背面主軸71における本体部71dに簡単に着脱することができる。ポリゴンカッタユニット74を既存の工作機械におけるポリゴンカッタを有しない通常のチャックナットと交換することにより、簡単に既存の工作機械にポリゴン加工機能を付加することができる。
この構成によれば、複数のポリゴンカッタ74aのうち何れかが摩耗した場合に、その摩耗したポリゴンカッタ74aを新しいポリゴンカッタ74aに簡単に付け替えることができる。
この構成によれば、ポリゴンカッタユニット74が背面主軸71の本体部71dに装着された場合であっても、背面主軸71におけるワークWを把持しつつ回転させる機能が損なわれることがない。よって、加工の自由度を高めることができる。
この構成によれば、ポリゴンカッタ74aがカッタ収容凹部74b4に嵌め込まれることにより、ポリゴンカッタ74aがカッタ保持部74bの先端面から大きく突出することが抑制される。よって、ポリゴンカッタ74aが背面主軸71の移動を妨げることが抑制される。また、カッタ収容凹部74b4によりポリゴンカッタ74aの位置が決まるため、カッタ保持部74bへのポリゴンカッタ74aの正しい装着が容易となる。
この構成によれば、工作機械1において、大型化を抑制しつつ、高出力、かつ高剛性でポリゴン加工を行うことができる。
この構成によれば、工作機械1は、ワークWに対する第1の工具ユニット55による加工と複数のポリゴンカッタ74aによる加工を同時に行うことができる。よって、1つのワークWaを製造するのに要するサイクルタイムの短縮を図ることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
さらに、ポリゴンカッタユニット74は、主軸11及び背面主軸71の両方に装着されてもよい。これにより、加工の自由度を高めることができる。
また、カッタ収容凹部74b4は省略されてもよい。
10 主軸ユニット
11 主軸
12a,72a ワーク回転用モータ
20 第2の工具ユニット
40 工具移動機構
41 固定台
55 第1の工具ユニット
55a3 切削バイト
55a4 突切りバイト
55b 工具保持部
70 背面主軸ユニット
71 背面主軸
71a 主軸部
71b コレットスリーブ
71a1,74b3 ねじ部
71c コレット
71d 本体部
74 ポリゴンカッタユニット
74a ポリゴンカッタ
74b カッタ保持部
74d ねじ
74b4 カッタ収容凹部
74p 刃先
300 制御部
Claims (7)
- ワークを把持しつつ回転させる主軸の外周に刃先が位置し、前記主軸の周方向に沿って配置され、前記主軸と一体で回転する複数のポリゴンカッタを備える、
ことを特徴とするポリゴンカッタユニット。 - 前記複数のポリゴンカッタを保持し、前記主軸における本体部の外周に螺合されるカッタ保持部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のポリゴンカッタユニット。 - 前記複数のポリゴンカッタは、それぞれ刃先が前記カッタ保持部よりも外周側に位置するように、前記カッタ保持部の先端面に着脱可能にねじ止めされている、
ことを特徴とする請求項2に記載のポリゴンカッタユニット。 - 前記主軸は、前記ワークを外周から把持するコレットを備え、
前記カッタ保持部は、前記コレットを外周から囲むように形成される、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のポリゴンカッタユニット。 - 前記カッタ保持部の先端面には、前記ポリゴンカッタが嵌まり、前記カッタ保持部の外周面まで到達するカッタ収容凹部が形成される、
ことを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載のポリゴンカッタユニット。 - ワークを把持しつつ回転させる第1の主軸と、
請求項1から5の何れか一項に記載のポリゴンカッタユニットを含み、前記第1の主軸に向き合うように位置する前記主軸である第2の主軸と、
前記第2の主軸の位置を移動させる移動機構と、
前記第1の主軸を介して前記第1の主軸により把持された前記ワークを回転させつつ、前記第2の主軸を介して前記第2の主軸と一体で前記ポリゴンカッタユニットを前記ワークと同一方向に回転させた状態で、前記複数のポリゴンカッタの前記刃先が前記ワークの外周面に接するように前記移動機構を通じて前記第2の主軸の位置を移動させる制御部と、を備える、
ことを特徴とする工作機械。 - 前記第1の主軸により回転させられる前記ワークに接することで前記ワークを加工する工具ユニットを備え、
前記制御部は、前記第1の主軸により把持された前記ワークを回転させた状態で、前記工具ユニットにて前記ワークを加工しつつ、前記第2の主軸を回転させることにより前記複数のポリゴンカッタにて前記ワークを切削する、
ことを特徴とする請求項6に記載の工作機械。
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