JP2013006224A - 工作機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】芯押台、サブスピンドルのチャック、および、刃物台を利用せずに、メインスピンドルのチャックに保持されたワークにおける加工時の異常振動の発生を抑制できる工作機械を提供すること。
【解決手段】工作機械1は、第1チャック10を備えるメインスピンドル4と、第2チャック12を備えるサブスピンドル5と、工具30を備える刃物台6と、メインスピンドル4に対してサブスピンドル5を相対移動させるスピンドル送り機構20を有する。サブスピンドル5はメインスピンドル4に対向配置されており、その回転中心線L2から外れた位置にメインスピンドル4に向かって突出する回転センター16を備える。工具30によりワークWを加工する際には、サブスピンドル5の回転センター16により第1チャック10に保持されたワークWを芯押しする。
【選択図】図4
【解決手段】工作機械1は、第1チャック10を備えるメインスピンドル4と、第2チャック12を備えるサブスピンドル5と、工具30を備える刃物台6と、メインスピンドル4に対してサブスピンドル5を相対移動させるスピンドル送り機構20を有する。サブスピンドル5はメインスピンドル4に対向配置されており、その回転中心線L2から外れた位置にメインスピンドル4に向かって突出する回転センター16を備える。工具30によりワークWを加工する際には、サブスピンドル5の回転センター16により第1チャック10に保持されたワークWを芯押しする。
【選択図】図4
Description
本発明は、対向配置された2つのスピンドルを備える工作機械に関する。
棒状のワークを工作機械で加工する際にワークがスピンドルのチャックの端面から長く突き出ている場合には、「ビレ」と呼ばれる異常振動が発生して、工作機械の加工精度が安定しないことがある。このような場合には、スピンドルと対向する位置に配置された芯押台に保持された回転センターによってワークを芯押しした状態として異常振動の発生を抑制し、ワークを加工する。
特許文献1には、メインスピンドル、サブスピンドル、および、第1、第2刃物台を備える工作機械が記載されている。このような工作機械ではワークの授受を行うために2つのスピンドルが対向配置されているので、各スピンドルに対して芯押台を対向配置することが構造上困難となっており、芯押台を利用した芯押しを行うことができない。従って、メインスピンドルの第1チャックに保持したワークに異常振動が発生する場合には、このワークの先端部をサブスピンドルの第2チャックによって保持して、異常振動の発生を抑制することが行なわれる。しかし、サブスピンドルの第2チャックでワークの先端部を保持すると、第2チャックにより保持されたワークの先端部に対する加工ができなくなる。このため、ワークの先端部に加工を施す必要がある場合には、メインスピンドルの第1チャックの端面からのワークの突き出し長さを短くして、異常振動の発生を抑制しなければならない。
ここで、特許文献1の工作機械は第1、第2刃物台を備えているので、第1刃物台に回転センターを取り付け、メインスピンドルがワークを保持している間は第1刃物台に取り付けた回転センターでワークを芯押しした状態として、第2刃物台に取り付けた工具でワークに加工を施すことが考えられる。しかし、この場合には、第1刃物台に回転センターを取り付けた分だけ第1刃物台への工具の取り付け可能数が減少するので、ワークに対する加工方法が制限されてしまうという問題がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、芯押台、サブスピンドルのチャック、および、刃物台を利用せずに、メインスピンドルのチャックに保持されたワークにおける加工時の異常振動の発生を抑制できる工作機械を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の工作機械は、
ワークを保持する第1チャックを備えたメインスピンドルと、
前記メインスピンドルに対向配置されているとともに、ワークを保持する第2チャックを備えたサブスピンドルと、
工具を保持する刃物台と、
前記メインスピンドルに対して前記サブスピンドルを相対移動させるスピンドル送り機構とを有し、
前記サブスピンドルは、当該サブスピンドルの回転中心線から外れた位置に、前記第1チャックに保持されたワークの先端面を芯押しするために前記メインスピンドルに向かって突出する回転センターを備えていることを特徴とする。
ワークを保持する第1チャックを備えたメインスピンドルと、
前記メインスピンドルに対向配置されているとともに、ワークを保持する第2チャックを備えたサブスピンドルと、
工具を保持する刃物台と、
前記メインスピンドルに対して前記サブスピンドルを相対移動させるスピンドル送り機構とを有し、
前記サブスピンドルは、当該サブスピンドルの回転中心線から外れた位置に、前記第1チャックに保持されたワークの先端面を芯押しするために前記メインスピンドルに向かって突出する回転センターを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、メインスピンドルに対向配置されたサブスピンドルに回転センターが設けられている。また、この回転センターは、サブスピンドルの回転制御およびメインスピンドルに対するサブスピンドルの相対位置制御によってメインスピンドルの回転中心線上に配置されるので、メインスピンドルの第1チャックに保持されたワークの先端面を芯押しできる。従って、ワークを芯押しするために、芯押台を別途配置する必要がなく、刃物台に回転センターを取り付ける必要もない。また、サブスピンドルの第2チャックによってワークの先端部を保持しなくてもワークにおける異常振動の発生を抑制できる。
本発明において、前記サブスピンドルは、当該サブスピンドルの回転中心線から外れた位置に、前記回転センターが芯押しするセンター穴を前記第1チャックに保持されたワークの先端面に形成するためのセンタードリルを備えていることが望ましい。このようにすれば、サブスピンドルの回転制御およびメインスピンドルに対するサブスピンドルの相対位置制御によってセンタードリルをメインスピンドルの回転中心線上に配置して、第1チャックに保持されたワークの先端面にセンター穴を形成できる。また、センタードリルがサブスピンドルに設けられているので、センタードリルを刃物台に取り付ける必要がなく、この分だけ刃物台への工具の取り付け可能数が増加する。従って、ワークに対する加工方法の制限が緩和される。
この場合において、前記回転センターと前記センタードリルとは、前記サブスピンドルの前記回転中心線を中心とする同一円上における異なる位置に配置されていることが望ましい。このようにすれば、サブスピンドルをその回転中心線回りに回転させるだけで、センタードリルと回転センターをメインスピンドルの回転中心線上に選択的に配置することができる。
本発明において、前記メインスピンドルと前記サブスピンドルとを予め設定された速度比で回転させる回転制御部を有し、前記サブスピンドルは、該サブスピンドルの外周面から径方向外側に突出するポリゴン加工用刃物を備え、前記回転制御部が前記メインスピンドルと前記サブスピンドルとを前記速度比で回転させて、前記ポリゴン加工用刃物に前記第1チャックに保持されたワークの周面に対するポリゴン加工を行なわせることが望ましい。このようにすれば、対向配置されたメインスピンドルとサブスピンドルを有する汎用の工作機械によって、メインスピンドルの第1チャックに保持されたワークの周面に対するポリゴン加工を行なうことができる。また、ポリゴン加工用刃物を刃物台に取り付ける必要がないので、刃物台に取り付け可能な工具の取り付け可能数を減らすことがない。なお、「ポリゴン加工」には、多角形への加工の他、相対向する2面を平行に加工する加工も含む。
本発明では、サブスピンドルに設けられた回転センターによってメインスピンドルの第1チャックに保持されたワークを芯押しできる。この結果、刃物台、サブスピンドルの第2チャック、および、芯押台を利用することなく、メインスピンドルの第1チャックに保持されたワークにおける加工時の異常振動の発生を抑制できる。
以下に図面を参照しながら、本発明の実施の形態である工作機械を説明する。参照する図面では、互いに直交する3方向をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向としている。また、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の一方側には+X、+Y、+Zを付し、他方側には−X、−Y、−Zを付してある。
(全体構成)
図1(a)は本発明を適用した工作機械の全体構成を示す説明図であり、図1(b)は工作機械の機台の上方から見た加工エリアを示す説明図である。本発明の工作機械1は、機台2の上の加工エリア3に、Z軸方向で対向配置されたメインスピンドル4およびサブスピンドル5と、メインスピンドル4およびサブスピンドル5のX軸方向の−X側に配置された刃物台6を備えている。メインスピンドル4はZ軸方向の−Z側を向いており、サブスピンドル5はZ軸方向の+Z側を向いている。
図1(a)は本発明を適用した工作機械の全体構成を示す説明図であり、図1(b)は工作機械の機台の上方から見た加工エリアを示す説明図である。本発明の工作機械1は、機台2の上の加工エリア3に、Z軸方向で対向配置されたメインスピンドル4およびサブスピンドル5と、メインスピンドル4およびサブスピンドル5のX軸方向の−X側に配置された刃物台6を備えている。メインスピンドル4はZ軸方向の−Z側を向いており、サブスピンドル5はZ軸方向の+Z側を向いている。
メインスピンドル4の回転中心線L1はZ軸方向に延びている。メインスピンドル4の先端には、当該メインスピンドル4と同軸状態にコレット等の第1チャック10が取り付けられている。メインスピンドル4は第1モータ11によって回転中心線L1回りに回転駆動される。
サブスピンドル5の回転中心線L2はZ軸方向に延びている。サブスピンドル5の先端には、当該サブスピンドル5と同軸状態にコレット等の第2チャック12が取り付けられている。サブスピンドル5は第2モータ13によって回転中心線L2回りに回転駆動される。メインスピンドル4の第1チャック10と、サブスピンドル5の第2チャック12の間では、ワークWの授受が可能となっている。
サブスピンドル5の前端部分には、第2チャック12の外周側を被う円環状のスピンドルキャップ14が取り付けられている。スピンドルキャップ14には、その円環状前端面14aからメインスピンドル4に向かって突出するセンタードリル15および回転センター16が取り付けられている。また、スピンドルキャップ14には、その円環状外周面14bから径方向外側に突出するポリゴン加工用刃物17が取り付けられている。
サブスピンドル5には、その回転中心線L2をメインスピンドル4の回転中心線L1と同一軸線上または平行に維持した状態で、メインスピンドル4に対してサブスピンドル5を相対移動させるスピンドル送り機構20が設けられている。スピンドル送り機構20は、サブスピンドル5をX軸方向に送り駆動するサブスピンドルX送り機構21と、サブスピンドル5をZ軸方向に送り駆動するサブスピンドルZ送り機構22を備えている。サブスピンドルX送り機構21およびサブスピンドルZ送り機構22のそれぞれは、送りモータ、この送りモータによって駆動される送りねじ機構、およびガイド機構等によって構成されている。
刃物台6は多角形の各面に工具30、31、32を保持するタレット33と、モータ駆動によりタレット33を第3軸線L3回りに回転させる割り出し機構34を備えている。刃物台6には、メインスピンドル4およびサブスピンドル5に対して刃物台6を相対移動させる刃物台送り機構35が設けられている。刃物台送り機構35は、刃物台6をX軸方向に送り駆動する刃物台X送り機構36と、刃物台6をZ軸方向に送り駆動する刃物台Z送り機構37を備えている。刃物台X送り機構36および刃物台Z送り機構37のそれぞれは、送りモータ、この送りモータによって駆動される送りねじ機構、およびガイド機構等によって構成されている。
ここで、工作機械1は数値制御部40を備えるNC工作機械であり、数値制御部40は、プログラムなどによって予め設定された条件で、スピンドル送り機構20(サブスピンドルX送り機構21およびサブスピンドルZ送り機構22)、割り出し機構34、および、刃物台送り機構35(刃物台X送り機構36および刃物台Z送り機構37)を駆動する。また、数値制御部40は、プログラムなどによって予め設定された条件で、第1モータ駆動回路41および第2モータ駆動回路42を制御して、第1モータ11および第2モータ13を駆動する。
(サブスピンドル)
図2は回転中心線L2方向から見たサブスピンドル5の正面図である。図2に示すように、サブスピンドル5の回転中心線L2上には第2チャック12が位置している。回転中心線L2から外れているスピンドルキャップ14の円環状前端面14aには、センタードリル15、回転センター16、および、ポリゴン加工用刃物17が、回転中心線L2回りの120°の角度間隔で、第2チャック12を取り囲むように取り付けられている。
図2は回転中心線L2方向から見たサブスピンドル5の正面図である。図2に示すように、サブスピンドル5の回転中心線L2上には第2チャック12が位置している。回転中心線L2から外れているスピンドルキャップ14の円環状前端面14aには、センタードリル15、回転センター16、および、ポリゴン加工用刃物17が、回転中心線L2回りの120°の角度間隔で、第2チャック12を取り囲むように取り付けられている。
センタードリル15および回転センター16のそれぞれは、円環状前端面14aに形成されたセンタードリル取り付け穴50と回転センター取り付け穴51に各シャンクが挿入された状態で、サブスピンドル5に固定されている。センタードリル15の中心軸線L4および回転センター16の中心軸線L5は回転中心線L2と平行である(図1(b)参照)。また、回転中心線L2からセンタードリル15の中心軸線L4までの距離D1と、回転中心線L2から回転センター16の中心軸線L5までの距離D2は等しく、センタードリル15と回転センター16は、サブスピンドル5の前端面において、回転中心線L2を中心とする同一円上に配置されている。
ポリゴン加工用刃物17はZ軸方向から見た平面形状が3角形をしている。ポリゴン加工用刃物17は、円環状前端面14aに形成された凹部52に嵌め込まれた状態でサブスピンドル5に固定され、平面形状の三角形の一つの頂点を構成している刃部17aが円環状外周面14bから外側に突出した状態となっている。
(ワークの加工動作)
図3〜図5を参照して、ワークWの加工動作を説明する。図3は工作機械1により加工されるワークWの例を示す説明図である。図4はメインスピンドル4に保持されたワークWの芯押しを行う芯押し動作の説明図である。図5は工作機械1によるワークWの加工動作の説明図である。図4、図5では、加工エリア3を上方から見ている。
図3〜図5を参照して、ワークWの加工動作を説明する。図3は工作機械1により加工されるワークWの例を示す説明図である。図4はメインスピンドル4に保持されたワークWの芯押しを行う芯押し動作の説明図である。図5は工作機械1によるワークWの加工動作の説明図である。図4、図5では、加工エリア3を上方から見ている。
本例では、図3に一点鎖線で示す丸棒状のワークWに加工を行ない、図3に実線で示すワークWを得る。加工後のワークWは、フランジ部W1と、フランジ部W1の中心から突出する丸棒部W2を備えており、フランジ部W1において、丸棒部W2が形成されている側とは反対側に丸い凹部W3が形成されている。フランジ部W1の外周面では、相対向する2つの面W4が平行な面となっており、他の相対向する2つの面W5が円弧面になっている。
また、本例では、工作機械1は、丸棒部W2の形成、フランジ部W1の形成、および、凹部W3の形成をこの順番で行うが、丸棒部W2の形成に先立って、サブスピンドル5のセンタードリル15によってワークWの先端面にセンター穴W6を形成するとともに、このセンター穴W6を利用して、サブスピンドル5の回転センター16によってワークWを芯押しした状態とする。
すなわち、ローディング・アンローディング装置(図示せず)によって、丸棒状のワークWがメインスピンドル4の第1チャック10に保持されると、図4(a)に示すように、数値制御部40は、サブスピンドル5を回転させて、センタードリル15を回転中心線L2回りの所定の角度位置に位置決めするとともに、これと並行して、スピンドル送り機構20を駆動して、センタードリル15をその中心軸線L4がメインスピンドル4の回転中心線L1と一致する位置に配置する。しかる後に、数値制御部40は、メインスピンドル4を回転させることによりワークWを回転中心線L1回りに回転させた状態として、サブスピンドル5をZ軸方向の+Z側に移動させる。この結果、図4(b)に示すように、センタードリル15によってワークWの先端面にセンター穴W6が形成される。
次に、数値制御部40は、メインスピンドル4の回転を停止させるとともに、スピンドル送り機構20を駆動して、サブスピンドル5をワークWから離れるZ軸方向の−Z側に移動させる。その後、数値制御部40は、図4(c)に示すように、サブスピンドル5を回転させて回転センター16を回転中心線L2回りの所定の角度位置に位置決めする。すなわち、サブスピンドル5を回転させることにより、回転センター16を、それまでセンタードリル15が配置されていた角度位置に位置決めして、回転センター16の中心軸線L5がメインスピンドル4の回転中心線L1と一致する位置に配置する。しかる後に、数値制御部40は、スピンドル送り機構20を駆動して、サブスピンドル5をワークWに接近するZ軸方向の+Z側に移動させ、図4(d)に示すように、センター穴W6に回転センター16の先端部を押し当てて、ワークWを芯押しした状態とする。ここで、回転センター16によるワークWの押し付け力は、回転センター16に内蔵されているバネ部材のバネ力、或いは、スピンドル送り機構20のトルクリミットスキップ機能を利用することにより、一定の力とすることができる。
回転センター16によってワークWが芯押しされた状態となると、数値制御部40は、丸棒部W2の加工を開始する。すなわち、数値制御部40は、メインスピンドル4を回転させて芯押しされた状態のワークWを回転中心線L1回りに回転させる。また、図5(a)に示すように、刃物台6をZ軸方向の−Z側およびX軸方向の+X側に移動させて、刃物台6に取り付けられている工具30にワークWの先端部の外周面を切削させる。さらに、サブスピンドル5をZ軸方向の+Z側にずらして切削を行うことにより、ワークWには、図2に示す丸棒部W2が形成される。ここで、丸棒部W2の形成に際してワークWが芯押しされているので、ワークWに異常振動が発生することがない。従って、ワークWの外周面を切削する際の工作機械1の加工精度が安定する。
次に、数値制御部40は、図5(b)に示すように、サブスピンドル5を回転させて、ポリゴン加工用刃物17を回転中心線L2回りの所定の角度位置に位置決めするとともに、刃物台6をX軸方向の−X側に退避させる。その一方で、サブスピンドル5を一旦Z軸方向の−Z側に移動させた後にX軸方向の+X側に移動させ、しかる後にZ軸方向の+Z側に移動させて、ポリゴン加工用刃物17をワークWの外周面近傍に位置させる。また、この移動の間に、数値制御部40は、サブスピンドル5の回転速度を、メインスピンドル4の回転速度の2倍に設定する。ここで、メインスピンドル4の回転中心線L1回りの回転方向とサブスピンドル5の回転中心線L2回りの回転方向は同一方向である。
その後、数値制御部40は、サブスピンドル5をZ軸方向の+Z側に移動させて、ポリゴン加工用刃物17にワークWの外周面を切削させる。この結果、図3に示すように、ワークWの外周面には、平行に相対向する2つの面W4が形成され、かかる2つの面W4で挟まれた他の2つの面W5は、切削されずに円弧面のままとなる。さらに、サブスピンドル5をZ軸方向の+Z側にずらして同様なポリゴン加工を行うことにより、ワークWには、図2を参照して説明したフランジ部W1が形成される。なお、厳密にいえば、ポリゴン加工用刃物17による切削面は楕円曲線であるため、切削面は凸曲面である。従って、フランジ部W1において相対向する面W4は、正確にいえば略平行であるが、切削面は、楕円曲線のうち、曲率が大な部分であるため、フランジ部W1において相対向する面W4は平行とみなすことができる。
しかる後に、数値制御部40は、図5(c)に示すように、メインスピンドル4からサブスピンドル5へのワークWの授受と、刃物台6の工具30による突っ切りを行なう。
より詳細には、数値制御部40は、図5(b)に示す状態から、サブスピンドル5をX軸方向の+X側に移動させた後、Z軸方向の−Z側に移動させ、次に、X軸方向の−X側に移動させて、サブスピンドル5の回転中心線L2をメインスピンドル4の回転中心線L1に一致させる。これにより、メインスピンドル4の第1チャック10とサブスピンドル5の第2チャック12がZ軸方向で対峙する。また、数値制御部40は、サブスピンドル5の移動の間に、メインスピンドル4およびサブスピンドル5の回転を停止し、しかる後に、サブスピンドル5をZ軸方向の+Z側に移動させ、第2チャック12にワークWの丸棒部W2を保持させる。さらに、この状態で、数値制御部40は、メインスピンドル4を回転させるとともに、刃物台6をX軸方向の+X側に移動させ、工具30によってワークWにおいてフランジ部W1に対して丸棒部W2が位置する側とは反対側を突っ切り、ワークWを切断する。これにより、メインスピンドル4からサブスピンドル5へのワークWの授受が完了する。
次に、数値制御部40は、刃物台6の工具31による凹部W3(図2参照)の形成を開始する。すなわち、数値制御部40は、図5(c)に示す状態から、サブスピンドル5をZ軸方向の−Z側に移動させた後に、刃物台6を、工具30、31、32がメインスピンドル4やサブスピンドル5と干渉しない位置まで移動させ、しかる後に、割り出し機構34によってタレット33の割り出しを行ない、工具31を第3軸線L3回りの所定の位置に配置する。その後、数値制御部40は、工具31がサブスピンドル5の第2チャック12に保持されたワークWの端部に対向する位置まで刃物台6を移動させる。また、この状態で、サブスピンドル5を回転させることによってワークWを回転させる一方、刃物台6をZ軸方向の−Z側に移動させ、図5(d)に示すように、工具31によってワークWの端部を切削する。この結果、ワークWのフランジ部W1において、丸棒部W2が形成されている側とは反対側に丸い凹部W3が形成される。
このようにして1つのワークWへの加工が終了した後、ローディング・アンローディング装置は、メインスピンドル4に残されたワークWの残部W0に代えて、未加工のワークWをメインスピンドル4に保持させる。また、ローディング・アンローディング装置は、サブスピンドル5から加工済みのワークWを受け取り、排出する。そして、図4および図5を参照して説明したワークの加工動作を繰り返す。
(作用効果)
本例によれば、メインスピンドル4に対向配置されたサブスピンドル5に回転センター16が設けられている。また、回転センター16は、サブスピンドル5の回転制御およびメインスピンドル4に対するサブスピンドル5の相対位置制御によってメインスピンドル4の回転中心線L1上に配置可能なので、回転センター16によってメインスピンドル4の第1チャック10に保持されたワークWの先端面を芯押しできる。従って、ワークWを芯押しした状態とするために、芯押台を別途配置する必要がなく、刃物台に回転センターを取り付ける必要もない。また、サブスピンドル5の第2チャック12によってワークWの先端部を保持しなくてもワークWにおける異常振動の発生を抑制できるので、工具によってワークの先端部を精度よく加工できる。
本例によれば、メインスピンドル4に対向配置されたサブスピンドル5に回転センター16が設けられている。また、回転センター16は、サブスピンドル5の回転制御およびメインスピンドル4に対するサブスピンドル5の相対位置制御によってメインスピンドル4の回転中心線L1上に配置可能なので、回転センター16によってメインスピンドル4の第1チャック10に保持されたワークWの先端面を芯押しできる。従って、ワークWを芯押しした状態とするために、芯押台を別途配置する必要がなく、刃物台に回転センターを取り付ける必要もない。また、サブスピンドル5の第2チャック12によってワークWの先端部を保持しなくてもワークWにおける異常振動の発生を抑制できるので、工具によってワークの先端部を精度よく加工できる。
また、本例によれば、サブスピンドル5に設けられたセンタードリル15によって、芯押しの際に回転センター16が利用するセンター穴W6を第1チャック10に保持されたワークWの先端面に形成できる。ここで、刃物台6に取り付けたセンタードリル15によって第1チャック10に保持されたワークWの先端面にセンター穴W6を形成することも可能であるが、サブスピンドル5にセンタードリル15が設けられているので、センタードリル15を刃物台6に取り付ける必要がなく、この分だけ刃物台6への工具の取り付け可能数が増加する。従って、ワークWに対する加工方法の制限が緩和される。また、回転中心線L2回りのサブスピンドル5の回転制御、および、メインスピンドル4に対するサブスピンドル5の相対位置制御によってセンタードリル15をメインスピンドル4の回転中心線L1上に正確に配置できるので、第1チャック10に保持されたワークWの先端面にセンター穴W6を正確に形成できる。
さらに、本例では、回転センター16とセンタードリル15がサブスピンドル5の前端面において回転中心線L2を中心とする同一円上に取り付けられているので、サブスピンドル5を回転中心線L2回りに回転させるだけで、センタードリル15と回転センター16をメインスピンドル4の回転中心線L1上に選択的に配置することができる。
また、本例では、サブスピンドル5にポリゴン加工用刃物17を設けているので、対向配置されたメインスピンドルとサブスピンドル5を有する汎用の工作機械1によって、ワークWの周面に対するポリゴン加工を行なうことが可能となっている。また、本例によれば、刃物台6にポリゴン加工用刃物17を取り付ける必要がないので、刃物台6に取り付け可能な工具の取り付け可能数を減らすことがない。
(その他の実施の形態)
上記の例では、センター穴W6を形成するためのセンタードリル15をサブスピンドル5に備えているが、刃物台6に保持された工具32をセンタードリルとして、サブスピンドル5のセンタードリル15を省略してもよい。すなわち、刃物台6にセンタードリルを取り付けておき、刃物台6に取り付けたセンタードリルによって、メインスピンドル4の第1チャック10に保持されたワークWの先端面にセンター穴W6を形成してもよい。
上記の例では、センター穴W6を形成するためのセンタードリル15をサブスピンドル5に備えているが、刃物台6に保持された工具32をセンタードリルとして、サブスピンドル5のセンタードリル15を省略してもよい。すなわち、刃物台6にセンタードリルを取り付けておき、刃物台6に取り付けたセンタードリルによって、メインスピンドル4の第1チャック10に保持されたワークWの先端面にセンター穴W6を形成してもよい。
また、上記の例では、サブスピンドル5にスピンドル送り機構20が設けられているが、メインスピンドル4にスピンドル送り機構を設けてもよく、メインスピンドル4およびサブスピンドル5の双方にスピンドル送り機構を設けてもよい。
さらに、上記の例では、タレット33を備えた刃物台6を用いたが、ブロック状のワークW保持体のZ軸方向の両端部に複数の工具をY軸方向に保持した櫛型の刃物台を用いてもよい。
また、上記の例では、サブスピンドル5のスピンドルキャップ14にポリゴン加工用刃物17を1つ設けたが、ポリゴン加工用刃物17の数を増やしてもよい。図6はポリゴン加工用刃物17を複数搭載したサブスピンドルの別の例およびポリゴン加工方法の説明図である。
図6(a)に示すサブスピンドル5Aでは、2つのポリゴン加工用刃物17を180°の角度間隔で設けている。また、回転センター16とセンタードリル15を180°の角度間隔で設けるとともに、回転センター16、センタードリル15および2つのポリゴン加工用刃物17のそれぞれが90°の角度間隔になるように配置している。ここで、2つのポリゴン加工用刃物17を180°の角度間隔で設けるとともに、サブスピンドル5Aの回転速度をメインスピンドル4の回転速度の2倍に設定してポリゴン加工を行う場合には、2つのポリゴン加工用刃物17によって、一点鎖線で示すワークWは、実線で示すように、互いに対向する面W4同士が平行な4角形状に加工される。
図6(b)に示すサブスピンドル5Bでは、3つのポリゴン加工用刃物17を120°の角度間隔で設けている。また、回転センター16とセンタードリル15を120°の角度間隔で設けるとともに、回転センター16とセンタードリル15のそれぞれが、両側の2つのポリゴン加工用刃物17の中央に位置するように配置している。ここで、3つのポリゴン加工用刃物17を120°の角度間隔で設けるとともに、サブスピンドル5Bの回転速度をメインスピンドル4の回転速度の2倍に設定してポリゴン加工を行う場合には、3つのポリゴン加工用刃物17によって、一点鎖線で示すワークWは、実線で示すように、互いに対向する面W4同士が平行な6角形状に加工される。
なお、図1〜図5を参照して説明した工作機械1によってワークWにポリゴン加工を施す際に、メインスピンドル4とサブスピンドル5との回転比を調整すれば、ポリゴン加工用刃物17の数が1つであっても、図6(a)、(b)に示すように、図2に示すワークWとは面の数(角の数)が相違する形状にワークWを加工することができる。
1・・工作機械、4・・メインスピンドル、5・・サブスピンドル、6・・刃物台、10・・第1チャック、12・・第2チャック、14・・スピンドルキャップ、14a・・円環状前端面、14b・・円環状外周面、15・・センタードリル、16・・回転センター、17・・ポリゴン加工用刃物、20・・スピンドル送り機構、30〜32・・工具、40・・数値制御部(回転制御部)、D1・・サブスピンドルの回転中心線からセンタードリルの中心軸線までの距離、D2・・サブスピンドルの回転中心線から回転センターの中心軸線までの距離、L1、L2・・回転中心線、L3・・第3軸線、L4・・センタードリルの中心軸線、L5・・回転センターの中心軸線、W・・ワーク、W6・・センター穴
Claims (4)
- ワークを保持する第1チャックを備えたメインスピンドルと、
前記メインスピンドルに対向配置されているとともに、ワークを保持する第2チャックを備えたサブスピンドルと、
工具を保持する刃物台と、
前記メインスピンドルに対して前記サブスピンドルを相対移動させるスピンドル送り機構とを有し、
前記サブスピンドルは、当該サブスピンドルの回転中心線から外れた位置に、前記第1チャックに保持されたワークの先端面を芯押しするために前記メインスピンドルに向かって突出する回転センターを備えていることを特徴とする工作機械。 - 請求項1において、
前記サブスピンドルは、当該サブスピンドルの回転中心線から外れた位置に、前記回転センターが芯押しするセンター穴を前記第1チャックに保持されたワークの先端面に形成するためのセンタードリルを備えていることを特徴とする工作機械。 - 請求項2において、
前記回転センターと前記センタードリルとは、前記サブスピンドルの前記回転中心線を中心とする同一円上における異なる位置に配置されていることを特徴とする工作機械。 - 請求項1、2または3において、
前記メインスピンドルと前記サブスピンドルとを予め設定された速度比で回転させる回転制御部を有し、
前記サブスピンドルは、該サブスピンドルの外周面から径方向外側に突出するポリゴン加工用刃物を備え、
前記回転制御部が前記メインスピンドルと前記サブスピンドルとを前記速度比で回転させて、前記ポリゴン加工用刃物に前記第1チャックに保持されたワークの周面に対するポリゴン加工を行なわせることを特徴とする工作機械。
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JP2011138919A JP2013006224A (ja) | 2011-06-22 | 2011-06-22 | 工作機械 |
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JP2019188488A (ja) * | 2018-04-19 | 2019-10-31 | 株式会社ツガミ | ポリゴンカッタユニット及び工作機械 |
CN116727771A (zh) * | 2023-08-11 | 2023-09-12 | 凌远科技股份有限公司 | 一种圆锥滚子轴承用滚子的加工装置和方法 |
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- 2011-06-22 JP JP2011138919A patent/JP2013006224A/ja not_active Withdrawn
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