JP2007027110A - 有機電解液及びそれを採用したリチウム電池 - Google Patents

有機電解液及びそれを採用したリチウム電池 Download PDF

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Abstract

【課題】有機電解液及びそれを採用したリチウム電池を提供する。
【解決手段】リチウム塩、高誘電率の溶媒と低沸点の溶媒とを含有する有機溶媒、及び親水部の両末端に疎水部がそれぞれ連結された界面活性剤を含むことを特徴とする有機電解液である。これにより、電解液とアノードと接触を効果的に遮断してアノードの表面での副反応を抑制することによって、放電容量を向上させ、電池の充放電効率及び長期寿命を向上させて電池の信頼性を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム電池に係り、より詳細には、アノードの表面での副反応を抑制して充放電反応の信頼性が維持される有機電解液及びそれを採用したリチウム電池に関する。
ビデオカメラ、携帯電話、ノート型パソコンなど携帯用の電子機器の軽量化及び高機能化が進められるにつれて、その駆動用電源として使われる電池について多くの研究が行われている。特に、充電可能なリチウム2次電池は、既存の鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などと比較して、単位重量当たりのエネルギー密度が3倍ほど高く、急速充電が可能であるので、研究開発が活発に進められている。
リチウムイオン電池において、カソード活物質としては、LiNiO、LiCoO、LiMn、LiFePO、LiNiCo1−x(x=1,2)、Ni1−x−yCoMn(0≦x≦0.5、0≦y≦0.5)などの遷移金属化合物またはそれらとリチウムとの酸化物が使われており、アノード活物質としては、リチウム金属、その合金または炭素材料、黒鉛材料などが使われている。
また、電解質としては、液体電解質と固体電解質とで分類されるが、液体電解質を使用する場合には、漏液による火災の危険性及び気化による電池の破損のような安定性と関連した多くの問題点が発生する。このような問題点を解決するために、液体電解質の代わりに固体電解質を使用する方法が提案された。固体電解質は、一般的に電解液が漏れず、加工しやすいため、多くの研究が進められており、そのうち、特に高分子固体電解質についての研究が活発に進められている。現在公知の高分子固体電解質は、有機電解液が全く含まれていない完全固体型と、有機電解液を含有しているゲル型とに分けられる。
通常、リチウム電池は、高い作動電圧で駆動されるので、既存の水系電解液は使用できないが、これは、アノードであるリチウムと水溶液とが激しく反応するためである。したがって、リチウム塩を有機溶媒に溶解させた有機電解液がリチウム電池に使われ、この時、有機溶媒としては、イオン伝導度及び誘電率が高く、かつ粘度の低い有機溶媒を使用することが望ましい。このような条件を何れも満足する単一有機溶媒は得難いため、高誘電率の有機溶媒と低誘電率の有機溶媒との混合溶媒系または高誘電率の有機溶媒と低粘度の有機溶媒との混合溶媒系などを使用している。
リチウム二次電池は、初期充電時、アノードの炭素と電解液とが反応してアノードの表面に固体電解質(Solid Electrolyte Interface:SEI)膜のようなパッシベーション層を形成し、このようなSEI膜は、電解液がそれ以上分解されずに安定した充放電を維持することを可能にし(非特許文献1)、イオントンネルの役割を行ってリチウムイオンのみを通過させ、リチウムイオンを溶媒和して共に移動する有機溶媒が炭素アノードにコインターカレーションされることを防止するので、アノード構造の崩壊を防止する役割を行う。
しかし、初期充電時には、SEI膜の形成反応中に炭酸系有機溶媒の分解によって電池内部にガスが発生して電池の厚さを膨脹させるという問題点があり(非特許文献2)、充電後にも高温保存時には、経時的に増加した電気化学的エネルギー及び熱エネルギーによって、前記パッシベーション層が徐々に崩壊してアノードの表面が露出されれば、ガス発生量がさらに増加する。これにより、ガスが発生し続けて電池内部の圧力を上昇させ、このような内圧の上昇は、角形電池及びリチウムポリマー電池が特定方向に膨らむなど、電池の特定面の中心部が変形される現象を誘発するだけでなく、電池の電極群内の極板間の密着性に局部的な差が発生して、電池の性能及び安定性が低下し、リチウム二次電池のセット装着自体を難しくするという問題点を引き起こす。
このような前記問題点を解決するための従来技術として、特許文献1は、界面活性剤を電解液に添加しアノードに吸着させて、電解液とアノードとの直接的な接触を遮断して副反応を抑制する方法を開示しており、ここに使われる界面活性剤は、従来に一般的に使われる陽イオン、陰イオン及び非イオン性の界面活性剤である。
特許文献2は、アノード製造時に従来の非イオン性の界面活性剤を含めて、充放電時に発生するアノードの体積変化により電解質が押出される場合、再び電解質がアノードを含浸することを助けて、アノードで電解質が枯渇されることを防止する方法を開示している。
しかし、前記従来技術で使われる一般的な界面活性剤は、一つの疎水部に一つの親水部が連結された構造であって、ベンゼン環が連結された構造の炭素系材料を主に使用するアノード及び炭酸系溶媒を主に使用する電解質の間の界面に使用する場合、その媒質それぞれと構造上の差があって優れた界面活性を表すのに限界があった。
したがって、前記従来の一般的な界面活性剤ではアノードと電解質の遮断または押出された電解液の再含浸を助ける機能を行うのに限界があるので、このような限界を克服し、非水系環境でさらに向上した界面活性を示す新たな界面活性剤を含む電解液が要求される。
特開2002−33118号公報 特開2004−186035号公報 J.Power Sources,51(1994),79−104 J.Power Sources,72(1998),66−70
したがって、本発明が達成しようとする第1の技術的課題は、電池の信頼性が確保され、充放電サイクルが続いても副反応が抑制される有機電解液を提供することである。
本発明が達成しようとする第2の技術的課題は、前記電解液を採用したリチウム電池を提供することである。
前記技術的課題を達成するために、本発明は、リチウム塩と、高誘電率の溶媒と低沸点溶媒とを含有する有機溶媒と、親水部の両末端に疎水部がそれぞれ連結された界面活性剤とを含むことを特徴とする有機電解液を提供する。
本発明の一具現例によれば、前記有機電解液において、前記疎水部に存在する水素原子のうち一つ以上が、それぞれ独立してハロゲンまたはハロゲンに置換または非置換された炭素数1ないし20の線形または分枝型のアルキル基に置換されたことが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記疎水部が芳香族性を有する官能基を含むことが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記芳香族性を有する官能基が炭素数6ないし30のアリール基または炭素数2ないし30のヘテロアリール基であることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記炭素数6ないし30のアリール基がフェニル、インデニル、ナフタレニル、フェナントレニル、アントラセニル、及びピレニルからなる群から選択された一つであることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記炭素数2ないし30のヘテロアリール基がピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラニル、イソチアゾリル、ピラニル、イソオキサゾリル、ピリジニル、プリニル、ピラジ二ル、キノリジニル、ピリミジニル、キノリニル、ピリダジニル、インドリル、カルバゾリル、及びフェナジニルからなる群から選択された一つであることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記界面活性剤の親水部がアルキルオキソカルボニル基(RO−(C=O)−)、カルボキシ基(HO−(C=O)−)、カルボニル基(−(C=O)−)、ジチオカルボキシ基(HS−(C=S)−)、チオカルボキシ基(HO−(C=S)−)、ヒドロキシ基(HO−)、及びオキシアルキレン基(−R−O−)からなる群から選択された一つ以上を含むことが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記アルキル基(R−)が炭素数1ないし20の直線型または分枝型のアルキルであり、前記アルキレン基(−R−)が炭素数2ないし20の直線型または分枝型のアルキレンであることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記界面活性剤が下記化学式[1]ないし[3]で表示されることが望ましい:
化学式[1]
Y−[A]−X
化学式[2]
Y−[A]−[B]−X
化学式[3]
Y−[A]−[B]−[C]−X
前記式で、X及びYはそれぞれ独立してフェニル及びイミダゾリルからなる群から選択された一つの(ヘテロ)アリール基であり、Aは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、及び下記化学式1からなる群から選択された一つの繰り返し単位であり、
Figure 2007027110
A及びBは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、及び下記化学式2からなる群から選択された二つの繰り返し単位であり、
Figure 2007027110
A、B及びCは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、及び下記化学式3からなる群から選択された三つの繰り返し単位であり、
Figure 2007027110
a、b及びcは、それぞれ1ないし100であり、Rは、前記に定義された通りである。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記X及びYの水素原子のうち一つ以上がそれぞれ独立してハロゲンまたは炭素数1ないし20のハロゲンに置換または非置換された線形または分枝型のアルキル基に置換されたことが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記界面活性剤が下記化学式4ないし5からなる群から選択された一つ以上であることが望ましい:
Figure 2007027110
Figure 2007027110
前記式で、nは1ないし100である。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記界面活性剤の含量が前記有機溶媒の重量を基準として0.1ないし15重量%であることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記リチウム塩の濃度が0.5ないし2.0Mであることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記高誘電率の溶媒が炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン及びγ−ブチロラクトンから構成された群から選択された一つ以上であることが望ましい。
本発明の他の具現例によれば、前記有機電解液において、前記低沸点溶媒が炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン及び脂肪酸エステル誘導体から構成された群から選択された一つ以上であることが望ましい。
前記他の技術的な課題を達成するために、本発明は、カソードと、アノードと、前述した有機電解液と、を含むリチウム電池を提供する。
本発明の有機電解液及びそれを採用したリチウム電池は、電解液とアノードの接触を効果的に遮断してアノードの表面での副反応を抑制することによって、放電容量を向上させ、電池の充放電効率及び長期寿命を向上させて電池の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明による明細書において、親水部及び疎水部という用語は、水との親和性でなく溶媒との親和性を基準としたものである。したがって、親水部及び疎水部という用語の代りに親溶媒部及び疎溶媒部ということが望ましいが、従来の用語との混同を避けるために、従来のように親水部及び疎水部と表記し、前記用語の定義と関連した技術的内容は、界面活性剤分野で公知された内容と同一である。
一つの疎水部と一つの親水部とが互いに連結されて電池内の界面での電極に対する親和力に限界がある従来の界面活性剤とは違って、本発明の有機電解液は親水部の両末端に疎水部がそれぞれ連結されており、非水系電解質及び炭素系アノードを有する電池システムで炭素系アノードに対する親和力が相対的に優れているので、前記媒質の界面でさらに優れた界面活性を示して、充放電時にアノードの表面での副反応を効果的に抑制し、電池の信頼性を高めうる。
本発明は、リチウム塩、高誘電率の溶媒と低沸点溶媒とを含有する有機溶媒、及び親水部の両末端に疎水部がそれぞれ連結された界面活性剤を含むことを特徴とする有機電解液を提供する。
前記親水部の両末端に疎水部がそれぞれ連結された界面活性剤は、一つの分子内に二つの疎水部が存在するので、ベンゼン構造が反復された形態を有する黒鉛のような疎水性の炭素系アノードに使われる場合に、前記疎水部が黒鉛などと優れた親和力を有して、界面に効果的に吸着できる。
これをさらに具体的に説明するが、本発明の範囲が以下の説明に制限されるものではない。界面活性剤は、一つの分子内に親水部と疎水部とが共存して、互いに極性の異なる相の間の界面に吸着する傾向を有する。このような界面活性剤は、一般的に一つの親水部と一つの疎水部とからなるが、特殊な用途に使われる場合には、親水部及び疎水部の相対的なサイズを変化させるか、または親水部及び疎水部の極性を変化させることもある。また、複数の親水部及び疎水部を分子内に含むことも可能である。例えば、一つの分子内に複数の疎水部を有する場合には、分子全体の疎水性が相対的に増加するだけでなく、疎水部の体積が大きくなって一つの界面活性剤分子が界面で占める単位面積が増加し、界面に配向される疎水部が多数であるので、界面の構造が不規則的な場合にも効果的な吸着が可能である。例えば、湿潤性に優れると知られたエアロゾルOTの場合も、二つの疎水部を有するが、界面張力を減少させる効果は大きくないが、不規則的で複雑な微細構造の界面に対する湿潤性に優れている。したがって、前記本発明の界面活性剤の場合にも、有機電解液が複雑な炭素系アノードの界面に存在する孔隙の間にすっかり侵入できるようにする。すなわち、有機電解液の含浸性が改善される。その結果、界面の有効面積を拡大して界面抵抗を低くすることができる。また、本発明の界面活性剤の疎水部は、ベンゼン環を有する炭素系アノードとの親和力に優れるので、有機電解液とアノード電極との直接的な接触は遮断できる。したがって、リチウムイオンの酸化/還元による電極と溶媒の副反応を抑制して、可逆的な充放電を可能にする。
本発明の有機電解液において、前記界面活性剤の疎水部に存在する水素原子のうち一つ以上がそれぞれ独立してハロゲンまたはハロゲンに置換または非置換された炭素数1ないし20の線形または分枝型のアルキル基に置換されることが望ましい。
ハロゲンとしては、F、Cl、Br、Iなどが望ましく、最も望ましくはFである。Fに置換される場合、フッ素系の界面活性剤になり、フッ素系の界面活性剤は界面張力が低いと知られている。また、ハロゲンに置換または非置換された線形または分枝型のアルキル基も望ましく、このようなアルキル基は、その長さによって疎水性及び分子構造を調節できる。
そして、本発明の有機電解液において、前記界面活性剤の疎水部が芳香族性を有する官能基を含むことが望ましい。
これについてさらに具体的に説明すれば、前記疎水部の芳香族性を有する官能基は、πオービタルに存在する電子、すなわちπ電子が[4n+2]個(ここで、nは1以上の整数)であるので、芳香族性を有して単純な環状化合物に比べて電子的に安定化される。したがって、相対的に化学反応性が低く、一般的な環状化合物とは異なるいろいろな物性を表す。特に、このような芳香族性官能基に存在するπオービタルは、非局在化されていて、黒鉛の表面に存在する非局在化されたπオービタルと重なる場合、一種の共鳴が可能であってπオービタルに存在するπ電子がさらに広いオービタル、すなわち空間上の色々な位置に存在することが可能になり、これにより、さらに多数の電子配置構造を有することが可能であるので、電子的にさらに安定した構造を有する。すなわち、このような疎水部を有する界面活性剤が炭素系電極と互いに重なる場合、疎水部にアルキル基を主に有する界面活性剤に比べて相対的にさらに安定化される。
その他には、静電気的な力の側面でも類似した構造を有する芳香族ベンゼン環などが近く位置する場合、ファンデルワールス力が作用して吸着が容易になる。このような理由によって、前記界面活性剤が炭素系アノードの表面に稠密かつ堅く吸着される場合、前記界面活性剤は、アノードの表面で電気化学的還元により溶媒分子と反応して、アノードの表面のSEI膜を改質する役割を行い、また、アノードの表面に吸着される緻密度も高いため、アノードの表面と電解質との副反応を効果的に抑制して電解質の分解など電池の寿命劣化を防止し、信頼性を向上させる役割を行う。
本発明において、前記芳香族性を有する官能基は、具体的には、炭素数6ないし30のアリール基または炭素数2ないし30のヘテロアリール基であることが望ましく、前記置換基であるアリール基は、単独または組み合わせて使われて、一つ以上の環を含む炭素原子数6ないし30個の炭素環芳香族システムを意味し、前記環は、ペンダント方法で共に付着されるか、または融合されうる。ホモアリールという用語は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダン及びビフェニルのような芳香族ラジカルを含むが、これに限定されず、前記アリール基のうち、フェニル、インデニル、ナフタレニル、フェナントレニル、アントラセニル、及びピレニルなどがさらに望ましい。
前記他の置換基であるヘテロアリール基は、N、OまたはSのうち選択された1、2または3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである環原子数2ないし30の1価一環式またはニ環式の芳香族ラジカルを意味する。また、前記用語は、環内のヘテロ原子が酸化されるか、または四級化されて、例えば、N−オキシドまたは4級塩を形成する1価一環式またはニ環式の芳香族ラジカルを意味する。代表的な例としては、チエニル、ベンゾチエニル、ピリジル、ピラジ二ル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、キノキサリニル、イミダゾリル、フラニル、ベンゾフラニル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、インドリル−2−ピリドニル、4−ピリドニル、N−アルキル−2−ピリドニル、ピラジノニル、ピリダジノニル、ピリミジノニル、オキサゾロニル、及びそれらの相応するN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリニルN−オキシド)、それらの4級塩などが望ましいが、これに限定されず、さらに望ましくは、前記炭素数2ないし30のヘテロアリール基は、ピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラニル、イソチアゾリル、ピラニル、イソオキサゾリル、ピリジニル、プリニル、ピラジ二ル、キノリジニル、ピリミジニル、キノリニル、ピリダジニル、インドリル、カルバゾリル、及びフェナジニルなどである。
また、本発明において、前記アリール基またはヘテロアリール基の水素原子のうち一つ以上がそれぞれ独立してハロゲンまたは炭素数1ないし20のアルキル基からなる群から選択された一つの官能基に置換されたことが望ましい。ハロゲンとしては、F、Cl、Br、Iが特に望ましく、最も望ましくはFである。
特に、前記アリール基またはヘテロアリール基の水素原子がFに置換される場合、フッ素系の界面活性剤を形成する。フッ素系化合物は、特に表面張力が低く(例えば、テフロン(登録商標))、フッ素系の界面活性剤も表面張力を下げる効果が優れていると知られているので、炭素系アノード電極と極性溶媒間の界面吸着がさらに容易である。そして、ハロゲン原子の場合、最外郭電子の数が増加してオービタルの体積が大きくなって先端面との相互作用も増加するので、炭素系アノードに効果的に吸着されて電解液の遮断がさらに完璧に行われ、充放電の最初のサイクルで非可逆的な溶媒分解反応を、水素のみが(ヘテロ)アリール基に存在する場合より効果的に抑制できる。
本発明において、前記界面活性剤の親水部は、アルキルオキソカルボニル基(RO−(C=O)−)、カルボキシ基(HO−(C=O)−)、カルボニル基(−(C=O)−)、ジチオカルボキシ基(HS−(C=S)−)、チオカルボキシ基(HO−(C=S)−)、ヒドロキシ基(HO−)、及びオキシアルキレン基(−R−O−)などを含むことが望ましい。
前記親水部において、アルキル基(R−)は、炭素数1ないし20の直鎖型または分枝型ラジカルを含み、望ましくは、1ないし約12の炭素原子を有する直鎖型または分枝型ラジカルを含む。さらに望ましいアルキルラジカルは、1ないし8個の炭素原子を有する低級アルキルである。このようなラジカルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシルなどが挙げられる。1ないし5個の炭素原子を有する低級アルキルラジカルがさらに望ましい。
また、前記親水部において、アルキレン(−R−)は、炭素数2ないし20の直線型または分枝型ラジカルを含み、望ましくは、炭素数2ないし10の直線型または分枝型ラジカルを含む。さらに望ましいアルキレンラジカルは、炭素数2ないし8の低級アルキレンである。このようなラジカルの例としては、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、t−ブチレン、ペンチレン、iso−アミレン、ヘキシレンなどが挙げられる。1ないし5個の炭素原子を有する低級アルキレンラジカルがさらに望ましい。
望ましくは、本発明において、前記界面活性剤は、下記化学式[1]ないし[3]で表示されることが望ましい。
化学式[1]
Y−[A]−X
化学式[2]
Y−[A]−[B]−X
化学式[3]
Y−[A]−[B]−[C]−X
前記式で、X及びYはそれぞれ独立してフェニル及びイミダゾリルからなる群から選択された一つの(ヘテロ)アリール基であり、Aは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、及び下記化学式6からなる群から選択された一つの繰り返し単位であり、
Figure 2007027110
A及びBは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、及び下記化学式7からなる群から選択された二つの繰り返し単位であり、
Figure 2007027110
A、B及びCは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、及び下記化学式8からなる群から選択された三つの繰り返し単位であり、
Figure 2007027110
a、b及びcは、それぞれ1ないし100であり、Rは、前記に定義された通りである。
また、本発明において、前記X及びYの水素原子のうち一つ以上がそれぞれ独立してハロゲンまたは炭素数1ないし20のハロゲンに置換または非置換された線形または分枝型のアルキル基に置換されたことが望ましい。ハロゲンとしては、F、Cl、Br、Iが特に望ましく、最も望ましくはFである。
さらに望ましくは、本発明において、前記界面活性剤は、下記化学式9ないし10からなる群から選択された一つ以上である。
Figure 2007027110
Figure 2007027110
前記式で、nは1ないし100である。
本発明において、前記界面活性剤の含量は、前記有機溶媒の重量を基準として0.1ないし15重量%、望ましくは、8ないし12重量%であるが、前記含量が15重量%を超えれば、電池の性能を左右する有効物質の含量が不足して充放電特性が低下するという問題があり、0.1重量%未満である場合、本発明が目的とする効果を十分に得られないという問題がある。
本発明に使われる高誘電率の溶媒としては、当業界で通常に使われるものであれば特別に制限されず、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレンのような環状型炭酸またはγ−ブチロラクトンなどを使用できる。
また、低沸点の溶媒もやはり当業界で通常に使われるものであって、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピルのような鎖型炭酸、ジメトキシエタン、ジエトキシエタンまたは脂肪酸エステル誘導体などを使用でき、特別に制限されない。
前記高誘電率の溶媒と低沸点の溶媒の混合体積比は、1:1ないし1:9であることが望ましく、前記範囲を逸脱する場合には、放電容量及び充放電寿命の側面で望ましくない。
また、前記リチウム塩は、リチウム電池で通常に使われるものであれば、いずれも使用可能であり、LiClO、LiCFSO、LiPF、LiN(CFSO)、LiBF、LiC(CFSO、及びLiN(CSOからなる群から選択された一つ以上の化合物が望ましい。
有機電解液中の前記リチウム塩の濃度は、0.5ないし2Mほどであることが望ましいが、リチウム塩の濃度が0.5M未満であれば、電解液の伝導度が低くなって電解液性能が低下し、2.0Mを超える時には、電解液の粘度が増加してリチウムイオンの移動性が低下するという問題があって望ましくない。
以下では、本発明の有機電解液を採用したリチウム電池及びその製造方法について説明する。
本発明のリチウム電池は、カソードと、アノードと、前記本発明による有機電解液とを含むことを特徴とする。
本発明のリチウム電池は、その形態が特別に制限されず、また、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウム硫黄電池のようなリチウム2次電池はいうまでもなく、リチウム1次電池も可能である。
本発明のリチウム電池は、次のように製造できる。
まず、カソード活物質、導電剤、結合剤及び溶媒を混合して、カソード活物質組成物を準備する。前記カソード活物質組成物をアルミニウム集電体上に直接コーティング及び乾燥してカソード極板を準備するか、または、前記カソード活物質組成物を別途の支持体上にキャスティングした後、この支持体から剥離して得たフィルムを前記アルミニウム集電体上にラミネーションして、カソード極板を製造することも可能である。
前記カソード活物質としては、リチウム含有金属酸化物として、当業界で通常に使われるものであれば、制限なく何れも使用可能であり、例えば、LiCoO、LiMn2X、LiNi1−xMn2x(x=1,2)、Ni1−x−yCoMn(0≦x≦0.5、0≦y≦0.5)などが挙げられる。
導電剤としては、カーボンブラックを使用し、結合剤としては、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン及びその混合物、スチレンブタジエンゴム系ポリマーを使用し、溶媒としては、N−メチルピロリドン、アセトン、水などを使用する。この時、カソード活物質、導電剤、結合剤及び溶媒の含量は、リチウム電池で通常に使用するレベルである。
前述したカソード極板製造時と同様に、アノード活物質、導電剤、結合剤及び溶媒を混合してアノード活物質組成物を製造し、これを銅集電体に直接コーティングするか、または別途の支持体上にキャスティングし、この支持体から剥離させたアノード活物質フィルムを銅集電体にラミネーションしてアノード極板を得る。この時、アノード活物質、導電剤、結合剤及び溶媒の含量は、リチウム電池で通常に使用するレベルである。
前記アノード活物質としては、リチウム金属、リチウム合金、炭素材または黒鉛を使用する。アノード活物質組成物において、導電剤、結合剤及び溶媒は、カソードの場合と同じものを使用する。場合によっては、前記カソード電極活物質組成物及びアノード電極活物質組成物に可塑剤をさらに付加して電極板の内部に気孔を形成することもある。
セパレータとしては、リチウム電池で通常に使われるものであれば、いずれも使用可能である。特に、電解質のイオン移動に対して低抵抗であり、かつ電解液の含湿能力に優れたものが望ましい。例えば、ガラスファイバ、ポリエステル、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、その組み合わせ物のうち選択された材質であって、不織布または織布形態であってもよい。これをさらに詳細に説明すれば、リチウムイオン電池の場合には、ポリエチレン、ポリプロピレンのような材料からなる巻き取り可能なセパレータを使用し、リチウムイオンポリマー電池の場合には、有機電解液の含浸能力に優れたセパレータを使用するが、このようなセパレータは、下記の方法によって製造可能である。
すなわち、高分子樹脂、充填剤及び溶媒を混合してセパレータ組成物を準備した後、前記セパレータ組成物を電極の上部に直接コーティング及び乾燥して、セパレータフィルムを形成するか、または前記セパレータ組成物を支持体上にキャスティング及び乾燥した後、前記支持体から剥離させたセパレータフィルムを電極の上部にラミネーションして形成できる。
前記高分子樹脂は、特別に限定されず、電極板の結合剤に使われる物質がいずれも使用可能である。例えば、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート及びその混合物を使用できる。特に、ヘキサフルオロプロピレンの含量が8ないし25重量%であるフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマーを使用することが望ましい。
前述したようなカソード極板とアノード極板との間にセパレータを配置して、電池構造体を形成する。このような電池構造体をワインディングするか、または折り畳んで円筒形の電池ケースや角形の電池ケースに入れた後、本発明の有機電解液を注入すれば、リチウムイオン電池が完成する。
また、前記電池構造体をバイセル構造に積層した後、これを有機電解液に含浸させ、得られた結果物をポーチに入れて密封すれば、リチウムイオンポリマー電池が完成する。
以下、望ましい実施例を挙げて発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例は、同じ条件で2回ずつ繰り返した。
実施例1:電解液の製造
炭酸プロピレン30体積%及び炭酸ジメチル70体積%からなる混合有機溶媒に添加剤として下記化学式11の化合物を10重量%添加し、リチウム塩として1M LiPFを使用して有機電解液を製造した。
Figure 2007027110
前記式で、nは10である。
実施例2:電解液の製造
添加剤として前記化学式11の化合物を0.5重量%添加したことを除いては、実施例1と同じ方法で有機電解液を製造した。
実施例3:電解液の製造
添加剤として前記化学式11の化合物を1重量%添加したことを除いては、実施例1と同じ方法で有機電解液を製造した。
実施例4:電解液の製造
添加剤として前記化学式11の化合物を5重量%添加したことを除いては、実施例1と同じ方法で有機電解液を製造した。
比較例1:電解液の製造
炭酸プロピレン30体積%及び炭酸ジメチル70体積%からなる混合有機溶媒に添加剤として下記化学式12の化合物を1重量%添加し、リチウム塩としては1M LiPFを使用して有機電解液を製造した。
Figure 2007027110
比較例2:電解液の製造
添加剤として前記化学式12の化合物を5重量%添加したことを除いては、比較例1と同じ方法で有機電解液を製造した。
比較例3:電解液の製造
添加剤として前記化学式12の化合物を10重量%添加したことを除いては、比較例1と同じ方法で有機電解液を製造した。
比較例4:電解液の製造
添加剤として下記化学式13の化合物を1重量%添加したことを除いては、比較例1と同じ方法で有機電解液を製造した。
Figure 2007027110
比較例5:電解液の製造
添加剤として前記化学式13の化合物を5重量%添加したことを除いては、比較例1と同じ方法で有機電解液を製造した。
比較例6:電解液の製造
添加剤として前記化学式13の化合物を10重量%添加したことを除いては、比較例1と同じ方法で有機電解液を製造した。
実施例5ないし8:半電池の製造
活物質として黒鉛系粉末(NICABEAD、日本カーボン株式会社製、平均粒径25μm)96wt%、結合剤としてPVdF4wt%、及びNMP100mlを添加してよく混合した後、セラミックボールを入れて約10時間よく混練させた。前記混合物を厚さ19μmの銅箔上に300μm間隔のドクターブレードでキャスティングして炭素系電極を得た後、それを90℃オーブンに入れて約10時間乾燥させてNMPを完全に蒸発させた。その後、前記電極をロールプレスして厚さ120μmの炭素系電極を得た。
対極としてリチウム金属を使用した。
セパレータとしては、厚さ20μmのポリエチレン/ポリプロピレン微細多孔性膜(米国、Hoest Cellanese社製)を使用した。
前記のような方法で製造された電極の間に前記セパレータを介在させ、圧縮して缶に入れた後、前記実施例1ないし4により製造された電解液を注入して半電池を製造した。
比較例7ないし12:半電池の製造
前記比較例1ないし6により製造された有機電解液を使用したことを除いては、前記実施例5と同じ方法で半電池を製造した。
実験例1:半電池の充放電特性テスト
前記実施例5ないし8、及び比較例7ないし12で製造された半電池に対して、活物質1g当たり50mAの電流でLi電極に対して0.001Vに達するまで定電流充電し、次いで0.001Vの電圧を維持しつつ、電流が活物質1g当たり5mAに低くなるまで定電圧充電を実施した。その結果を下記表1に表した。実施例5の場合には、図1に充放電グラフが示されている(2回反復実験)。
Figure 2007027110
表1に示したように、一つの親水部と一つの疎水部とを有する界面活性剤を使用した比較例7ないし12の場合、最高85%レベルの放電効率を表した。これに対して、実施例5ないし8の場合には、90%レベルの放電効率を表した。このような初期放電効率の差は、詳細な説明に記載したように複数の疎水部が界面に効果的に吸着して、充放電時の電極と極性溶媒との接触による副反応を実質的に遮断したためであると判断される。実施例と比較例との放電効率の差が5%程度で大きい差ではないと考えられうるが、実際に放電効率が80%を超える場合、追加的な効率向上が難しくなるという点を考慮すれば、90%を超える放電効率の達成は、電池の工業的な量産に非常に重要であると判断される。
本発明は、リチウム電池関連の技術分野に好適に用いられる。
本発明の実施例1による有機電解液を採用した実施例5のリチウム電池の充放電特性を表すグラフである。

Claims (16)

  1. リチウム塩と、
    高誘電率の溶媒と低沸点溶媒とを含有する有機溶媒と、
    親水部の両末端に疎水部がそれぞれ連結された界面活性剤とを含むことを特徴とする有機電解液。
  2. 前記疎水部に存在する水素原子のうち一つ以上が、それぞれ独立してハロゲンまたはハロゲンに置換または非置換された炭素数1ないし20の線形または分枝型のアルキル基に置換されたことを特徴とする請求項1に記載の有機電解液。
  3. 前記疎水部が芳香族性を有する官能基を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機電解液。
  4. 前記芳香族性を有する官能基が炭素数6ないし30のアリール基または炭素数2ないし30のヘテロアリール基であることを特徴とする請求項3に記載の有機電解液。
  5. 前記炭素数6ないし30のアリール基がフェニル、インデニル、ナフタレニル、フェナントレニル、アントラセニル、及びピレニルからなる群から選択された一つであることを特徴とする請求項4に記載の有機電解液。
  6. 前記炭素数2ないし30のヘテロアリール基がピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラニル、イソチアゾリル、ピラニル、イソオキサゾリル、ピリジニル、プリニル、ピラジ二ル、キノリジニル、ピリミジニル、キノリニル、ピリダジニル、インドリル、カルバゾリル、及びフェナジニルからなる群から選択された一つであることを特徴とする請求項4に記載の有機電解液。
  7. 前記界面活性剤の親水部がアルキルオキソカルボニル基(RO−(C=O)−)、カルボキシ基(HO−(C=O)−)、カルボニル基(−(C=O)−)、ジチオカルボキシ基(HS−(C=S)−)、チオカルボキシ基(HO−(C=S)−)、ヒドロキシ基(HO−)、及びオキシアルキレン基(−R−O−)からなる群から選択された一つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機電解液。
  8. 前記アルキル基(R−)が炭素数1ないし20の直線型または分枝型のアルキルであり、前記アルキレン基(−R−)が炭素数2ないし20の直線型または分枝型のアルキレンであることを特徴とする請求項7に記載の有機電解液。
  9. 前記界面活性剤が下記化学式[1]ないし[3]で表示されることを特徴とする請求項1に記載の有機電解液:
    化学式[1]
    Y−[A]−X
    化学式[2]
    Y−[A]−[B]−X
    化学式[3]
    Y−[A]−[B]−[C]−X
    前記式で、X及びYは、それぞれ独立してフェニル及びイミダゾリルからなる群から選択された一つの(ヘテロ)アリール基であり、
    Aは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、及び下記化学式1からなる群から選択された一つの繰り返し単位であり、
    Figure 2007027110
    A及びBは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、及び下記化学式2からなる群から選択された二つの繰り返し単位であり、
    Figure 2007027110
    A、B及びCは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、及び下記化学式3からなる群から選択された三つの繰り返し単位であり、
    Figure 2007027110
    a、b及びcは、それぞれ1ないし100であり、
    Rは、前記に定義された通りである。
  10. 前記X及びYの水素原子のうち一つ以上がそれぞれ独立してハロゲンまたは炭素数1ないし20のハロゲンに置換または非置換された線形または分枝型のアルキル基に置換されたことを特徴とする請求項9に記載の有機電解液。
  11. 前記界面活性剤が下記化学式4ないし5からなる群から選択された一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機電解液:
    Figure 2007027110
    Figure 2007027110
    前記式で、nは1ないし100である。
  12. 前記界面活性剤の含量が前記有機溶媒の重量を基準として0.1ないし15重量%であることを特徴とする請求項1に記載の有機電解液。
  13. 前記リチウム塩の濃度が0.5ないし2.0Mであることを特徴とする請求項1に記載の有機電解液。
  14. 前記高誘電率の溶媒が炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン及びγ−ブチロラクトンから構成された群から選択された一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機電解液。
  15. 前記低沸点溶媒が炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン及び脂肪酸エステル誘導体から構成された群から選択された一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機電解液。
  16. カソードと、
    アノードと、
    請求項1ないし請求項15のうちいずれか一項に記載の有機電解液と、を含むことを特徴とするリチウム電池。
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