JPH11121418A - 洗浄剤組成物及び洗浄方法 - Google Patents

洗浄剤組成物及び洗浄方法

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JPH11121418A
JPH11121418A JP28031797A JP28031797A JPH11121418A JP H11121418 A JPH11121418 A JP H11121418A JP 28031797 A JP28031797 A JP 28031797A JP 28031797 A JP28031797 A JP 28031797A JP H11121418 A JPH11121418 A JP H11121418A
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JP
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carbon atoms
ethylene oxide
propylene oxide
compound
cleaning
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JP28031797A
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Kozo Kitazawa
宏造 北澤
Yasunori Horio
安則 堀尾
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固体状微粒子や油性汚れの付着した半導体基板
又は半導体素子の洗浄性に優れ、かつ泡立ちの少ない洗
浄剤組成物を提供すること、並びに固体状微粒子や油性
汚れの付着した半導体基板又は半導体素子の洗浄性に優
れ、かつ泡立ちの少ない洗浄方法を提供すること。 【解決手段】特定の分子構造を有する非イオン性化合物
を含有してなる、半導体基板用又は半導体素子用洗浄剤
組成物、及び該洗浄剤組成物を用いて洗浄する半導体基
板又は半導体素子の洗浄方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハ等
の半導体用基板上に半導体素子を形成する際に使用され
る、有機あるいは無機の微細な異物及び油分の除去に有
効な、発泡性の少ない洗浄剤組成物及びそれを用いる洗
浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン半導体に代表される半導体素子
は、その性能の、より高速化、高感度化、あるいは小型
化等の市場ニーズに対応すべく高集積化し、その回路パ
ターンの最小寸法も1KDRAMの10ミクロンメータ
ーから4メガDRAMの0.8ミクロンメーターへと微
細化し、さらには1ギガDRAMの0.15ミクロンメ
ータへの微細化が予測されている。これら半導体素子
は、シリコンウエハ等の基板の平滑化、清浄化の後、レ
ジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト除去、
イオンドーピングによる半導体形成等の工程を複数回く
りかえし行うことによって製造される。
【0003】これら各工程において、半導体用の基板あ
るいは半導体素子表面は、以下に例示するような無機、
有機の固形状微粒子あるいは油性よごれ等の、単独ある
いは複合した各種の異物に曝される。例えばシリコンウ
エハ等の基板のラッピングあるいはポリシング等の平滑
化工程で使用される砥粒、固着剤としてのワックスや樹
脂、半導体素子製造工程のレジストのドライアッシング
時に発生するレジスト分解物、ドライエッチング時に飛
散する無機物及びレジスト除去時に再付着したり残留し
たレジスト等が挙げられる。さらには、これらの工程の
間に、作業する人や装置あるいは大気中から、皮膚粉や
皮脂あるいは機械から発生する摩耗粉、機械油ミスト等
が処理液や素子表面に付着することがある。
【0004】さらには、近年半導体素子製造時、素子表
面の平滑性確保のために、素子表面を微粒子を用いて研
磨するCMP法が取り入れられている。この工程では繊
維状のバフ由来の微粉や研磨粒子や素子由来の無機粉
が、素子上に付着残留することがある。
【0005】この半導体素子製造工程で、以上に述べた
ような異物が基板や素子上に残留したまま作業すると、
基板の格子欠損を生じたり、酸化膜の絶縁不良やエピタ
キシャル膜の異常突起や積層欠陥、あるいは配線の断線
や、微粒子が配線間に入りショートやリークを起こす等
のトラブルが発生し、品質不良や生産歩留まりの低下を
引き起こす。このような傾向は、半導体素子の集積度が
上がり、回路パターンが微細化すればするほど強く現れ
る。したがって、回路パターンの微細化に伴う製品の品
質悪化や歩留まり低下を抑えるべく、前述した微細異物
の新たな除去法の開発が強く望まれていた。
【0006】このような状況に対応すべく各種の異物除
去方法が提案されている。その代表的な方法には197
0年RCA社から提案された洗浄方法がある。その概略
は、まずアンモニア水と過酸化水素の混合液でウエハを
浸漬処理し、ついで塩酸と過酸化水素の混合液でウエハ
を浸漬処理するもので、これらの処理の前後で必要に応
じフッ酸水溶液処理や純水処理を加えるというものであ
る。
【0007】その他、フッ酸と硝酸の混合水溶液、フッ
酸と過酸化水素水溶液、硫酸と過酸化水素水溶液とで処
理する方法等が提案され、その特性を利用しながら実施
されている。これらの処理はウエハ表面を部分エッチン
グして、表面に残留する有機や無機の異物を剥離した
り、付着している金属を酸により溶解したり、あるいは
有機物等の付着物を過酸化水素の酸化分解力で分解した
りして除去し、その表面を清浄化しようとするものであ
る。
【0008】しかし、これらの方法は、エッチング等の
力によりウエハの表面から各種の微粒子を離脱させるこ
とはできるが、離脱した微粒子の再付着を防止する力が
弱いため必ずしも充分な除去性が得られない場合があ
る。そこで、複数の処理槽を用い、洗浄処理や後処理あ
るいはすすぎを行い、目標とする清浄度を得ようとする
試みもあるが、必ずしも充分な洗浄性は得られていなか
った。特に、油性汚れと微粒子との複合汚染物が付着し
た場合、その油膜によりエッチング能が妨げられるた
め、かかる複合汚染物の除去は極めて困難であった。
【0009】このような問題を解決すべく、種々の方法
が提案されている。例えば特開平6−41770号公報
には、洗浄液としての処理液に界面活性剤を添加して、
処理液中の微粒子のゼーター電位を一定の値以下に維持
する方法、特開平6−216098号公報にはEDTA
等のキレート化剤を利用する洗浄方法、特開平7−62
386号公報にはフルオロアルキルスルホン酸の三級ア
ンモニウム塩を配合した洗浄剤組成物が開示されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの洗浄
剤や洗浄方法を実施しても、微粒子除去、特に油性汚れ
が付着あるいは混在した場合の汚れの除去は充分ではな
く、また界面活性剤の利用は、洗浄作業時や排水処理時
に発泡し作業性を低下させるという新たな問題を発生さ
せた。このため、半導体素子の製造に於ける洗浄のため
のコストの増大、生産歩留まりの低下、生産性の低下の
問題が依然として大きな問題となっていた。したがっ
て、本発明の目的は、固体状微粒子や油性汚れの付着し
た半導体基板又は半導体素子の洗浄性に優れ、かつ泡立
ちの少ない洗浄剤組成物を提供することにある。さらに
本発明の目的は、固体状微粒子や油性汚れの付着した半
導体基板又は半導体素子の洗浄性に優れ、かつ泡立ちの
少ない洗浄方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、固
体状微粒子あるいは油性汚れの付着した固体状微粒子の
除去性、洗浄性に優れかつ洗浄あるいは排水工程での泡
立ちのすくない洗浄剤組成物及び洗浄方法を見出すべく
検討の結果、極めて有効な洗浄剤組成物と洗浄方法を発
明した。
【0012】即ち、本発明の要旨は、〔1〕 一般式
(1)
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R1 は水素原子、炭素原子数1〜
5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基を
示す。AOはエチレンオキサイド及び/又はプロピレン
オキサイドを示す。Xは水素原子、炭素原子数1〜4の
アルキル基又は炭素原子数1〜4のアシル基を示す。n
は0〜2の整数を示す。mは1〜8の整数を示す。)で
示される化合物、及び/又は 一般式(2) R2 −O−(AO)m−X (2) (式中、R2 は炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原
子数2〜6のアルケニル基又は炭素原子数1〜6のアシ
ル基を示す。AOはエチレンオキサイド及び/又はプロ
ピレンオキサイドを示す。Xは水素原子、炭素原子数1
〜4のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアシル基を示
す。mは1〜8の整数を示す。)で示される化合物を含
有してなる、半導体基板用又は半導体素子用洗浄剤組成
物、〔2〕 炭素原子数7〜22の炭化水素基を有す
る直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールにエチ
レンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加
された化合物、炭素原子数1〜22の炭化水素基を有す
る直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアミンにエチレン
オキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加され
た化合物、炭素原子数1〜22の炭化水素基を有する直
鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸にエチレンオキ
サイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化
合物、炭素原子数2〜10の多価アルコールにエチレン
オキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加され
た化合物、炭素原子数2〜10のポリアミンにエチレン
オキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加され
た化合物、炭素原子数2〜10の多価脂肪酸にエチレン
オキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加され
た化合物、アルキルフェノール(但し、アルキル基の炭
素原子数は6以上である。)にエチレンオキサイド及び
/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、スチ
レン化フェノールにエチレンオキサイド及び/又はプロ
ピレンオキサイドが付加された化合物、ベンジル化フェ
ノールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキ
サイドが付加された化合物、並びにナフトールにエチレ
ンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加さ
れた化合物から選ばれる1種以上の化合物をさらに含有
してなる前記〔1〕記載の洗浄剤組成物、
【0015】〔3〕 さらに一般式(3) R3 −O−(AO)z−X (3) (式中、R3 は炭素原子数8〜18のアルキル基、炭素
原子数8〜18のアルケニル基、炭素原子数8〜18の
アシル基又は炭素原子数14〜18のアルキルフェノー
ル基を示す。AOはエチレンオキサイド及び/又はプロ
ピレンオキサイドを示す。Xは水素原子、炭素原子数1
〜4のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアシル基を示
す。zは3〜35の整数を示す。)で示される化合物を
含有してなる前記〔1〕記載の洗浄剤組成物、〔4〕
塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、蟻酸及び酢酸から選ばれ
る少なくとも一種をさらに含有してなり、pHが6以下
である前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の洗浄剤組成
物、〔5〕 アンモニア、アミノアルコール、テトラ
メチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン及び水
酸化カリウムから選ばれる少なくとも一種をさらに含有
してなり、pHが8〜14である前記〔1〕〜〔3〕い
ずれか記載の洗浄剤組成物、〔6〕 さらに過酸化水
素を含有してなる前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の洗
浄剤組成物、〔7〕 前記〔1〕〜〔6〕いずれか記
載の洗浄剤組成物を用いて洗浄する半導体基板又は半導
体素子の洗浄方法、
【0016】〔8〕 1)一般式(1)で示される化
合物及び/又は一般式(2)で示される化合物、 2)炭素原子数7〜22の炭化水素基を有する直鎖又は
分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールにエチレンオキサ
イド及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合
物、炭素原子数1〜22の炭化水素基を有する直鎖又は
分岐鎖の飽和又は不飽和のアミンにエチレンオキサイド
及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、
炭素原子数1〜22の炭化水素基を有する直鎖又は分岐
鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸にエチレンオキサイド及び
/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、炭素
原子数2〜10の多価アルコールにエチレンオキサイド
及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、
炭素原子数2〜10のポリアミンにエチレンオキサイド
及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、
炭素原子数2〜10の多価脂肪酸にエチレンオキサイド
及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、
アルキルフェノール(但し、アルキル基の炭素原子数は
6以上である。)にエチレンオキサイド及び/又はプロ
ピレンオキサイドが付加された化合物、スチレン化フェ
ノールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキ
サイドが付加された化合物、ベンジル化フェノールにエ
チレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付
加された化合物、及びナフトールにエチレンオキサイド
及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、
並びに 3)一般式(3)で示される化合物、の総含有量が20
重量%以下である洗浄剤組成物を用いる前記〔7〕記載
の洗浄方法、に関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の洗浄剤組成物及び洗浄方
法は、シリコンウエハ、化学半導体のウエハ、液晶パネ
ルにおけるガラスパネル等の半導体基板に対して、及び
かかる基板上に形成される半導体素子に対して適用され
る。
【0018】1.洗浄剤組成物 本発明の洗浄剤組成物は、半導体基板又は半導体素子の
洗浄に使用されるものであり、一般式(1)で示される
化合物及び/又は一般式(2)で示される化合物を含有
してなる組成物である。
【0019】かかる洗浄剤組成物の具体例としては、例
えば以下の態様のものが挙げられる。 (A)一般式(1)
【0020】
【化3】
【0021】(式中、R1 は水素原子、炭素原子数1〜
5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基を
示す。AOはエチレンオキサイド及び/又はプロピレン
オキサイドを示す。Xは水素原子、炭素原子数1〜4の
アルキル基又は炭素原子数1〜4のアシル基を示す。n
は0〜2の整数を示す。mは1〜8の整数を示す。)で
示される化合物を含有してなる、半導体基板用又は半導
体素子用洗浄剤組成物(「洗浄剤組成物A」とす
る。)。
【0022】(B)一般式(2) R2 −O−(AO)m−X (2) (式中、R2 は炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原
子数2〜6のアルケニル基又は炭素原子数1〜6のアシ
ル基を示す。AOはエチレンオキサイド及び/又はプロ
ピレンオキサイドを示す。Xは水素原子、炭素原子数1
〜4のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアシル基を示
す。mは1〜8の整数を示す。)で示される化合物を含
有してなる、半導体基板用又は半導体素子用洗浄剤組成
物(「洗浄剤組成物B」とする。)。
【0023】(C)一般式(1)で示される化合物及び
一般式(2)で示される化合物を含有してなる、半導体
基板用又は半導体素子用洗浄剤組成物(「洗浄剤組成物
C」とする。)。
【0024】洗浄剤組成物A、洗浄剤組成物B及び洗浄
剤組成物Cは、洗浄剤組成物自体の発泡性が少なく、油
汚れに対し良好な浸透力を有し、微粒子に対しても良好
な洗浄性が得られるため、好ましい。
【0025】洗浄剤組成物Aについて 一般式(1)において、R1 は水素原子、炭素原子数1
〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基
であり、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基又は
炭素原子数2〜3のアルケニル基のものが洗浄性の観点
から好ましい。また、R1 がアルキル基又はアルケニル
基の場合、その炭素原子数が6以上のときは一般式
(1)で示される化合物が発泡しやすくなるため好まし
くない。AOはエチレンオキサイド及び/又はプロピレ
ンオキサイドである。エチレンオキサイド及びプロピレ
ンオキサイドは単独で用いても良く、混合して用いても
良い。混合して用いる場合、(AO)の部分はエチレン
オキサイドとプロピレンオキサイドをランダムで含んで
いても良く、ブロックで含んでいても良い。
【0026】Xは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基又は炭素原子数1〜4のアシル基であり、水に対す
る溶解性、すすぎ性の観点から、Xがアルキル基又はア
シル基の場合、炭素原子数は4以下の数が好ましい。X
は水素原子、炭素原子数1〜2のアルキル基又は炭素原
子数1〜2のアシル基のものが洗浄性の観点からより好
ましい。nは0〜2の整数である。mは1〜8の整数で
あり、油性汚れに対する洗浄性の観点からmは8以下の
整数が好ましく、2〜6の整数がより好ましい。
【0027】一般式(1)で示される化合物としては、
具体的には、フェノール、メチルフェノール、イソプロ
ピルフェノール、イソブチルフェノール、エチルフェノ
ール、ビニルフェノール、ベンジルアルコール、メチル
ベンジルアルコール、エチルベンジルアルコール、イソ
プロピルベンジルアルコール、フェニルエチルアルコー
ル等のフェノール類やアルコール類にエチレンオキサイ
ド及び/又はプロピレンオキサイドが付加されたアルキ
レンオキサイド付加物等が挙げられる。エチレンオキサ
イド及びプロピレンオキサイドは単独で用いても良く、
混合して用いても良い。混合して用いる場合、(AO)
の部分はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを
ランダムで含んでいても良く、ブロックで含んでいても
良い。さらに、かかるアルキレンオキサイド付加物に、
例えばメチレンクロライド等のアルキレンクロライドや
酢酸等を反応させ、Xの部分をアルキル基やアシル基に
した化合物も、一般式(1)で示される化合物に含まれ
る。
【0028】一般式(1)で示される化合物の洗浄剤組
成物中の含有量は特に限定されない。
【0029】また、洗浄剤組成物Aには、後述の(a)
群、(b)群及び(c)群に含まれる化合物の1種以
上、及び/又は一般式(3)で示される化合物(これら
を非イオン界面活性剤と定義する。)が含まれていても
良い。
【0030】洗浄剤組成物Bについて 一般式(2)において、R2 は炭素原子数1〜6のアル
キル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基又は炭素原子
数1〜6のアシル基であり、発泡性を抑制する観点から
2 の炭素原子数は6以下が好ましい。また、R2 は炭
素原子数3〜6のアルキル基又は炭素原子数3〜6のア
ルケニル基が洗浄性の観点からより好ましい。AOはエ
チレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドであ
る。エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドは単
独で用いても良く、混合して用いても良い。混合して用
いる場合、(AO)の部分はエチレンオキサイドとプロ
ピレンオキサイドをランダムで含んでいても良く、ブロ
ックで含んでいても良い。
【0031】Xは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基又は炭素原子数1〜4のアシル基であり、水に対す
る溶解性、すすぎ性の観点から、Xがアルキル基又はア
シル基の場合、炭素原子数は4以下の数が好ましい。X
は水素原子、炭素原子数1〜2のアルキル基又は炭素原
子数1〜2のアシル基のものが洗浄性の観点からより好
ましい。mは1〜8の整数であり、2〜6の整数が好ま
しい。
【0032】一般式(2)で示される化合物としては、
具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ビ
ニルアルコール、1−プロペニルアルコール、1−ブテ
ニルアルコール等のアルコールにエチレンオキサイド及
び/又はプロピレンオキサイドが付加されたアルキレン
オキサイド付加物等が挙げられる。エチレンオキサイド
及びプロピレンオキサイドは単独で用いても良く、混合
して用いても良い。混合して用いる場合、(AO)の部
分はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをラン
ダムで含んでいても良く、ブロックで含んでいても良
い。さらに、かかるアルキレンオキサイド付加物に、例
えばメチレンクロライド等のアルキレンクロライドや酢
酸等を反応させ、Xの部分をアルキル基やアシル基にし
た化合物も、一般式(2)で示される化合物に含まれ
る。
【0033】一般式(2)で示される化合物の洗浄剤組
成物中の含有量は特に限定されない。
【0034】また、洗浄剤組成物Bには、後述の非イオ
ン界面活性剤が含まれていても良い。
【0035】洗浄剤組成物Cについて 一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示され
る化合物のいずれもが含有されてなる態様が洗浄剤組成
物Cであり、かかる洗浄剤組成物は、洗浄液の発泡が少
なく、油性汚れに対する洗浄性、微粒子の除去性が向上
されたものであり、より好ましいものである。
【0036】洗浄剤組成物Cにおいて、一般式(1)で
示される化合物と一般式(2)で示される化合物の比率
は特に限定されないが、重量比で、〔一般式(1)で示
される化合物〕/〔一般式(2)で示される化合物〕が
9/1〜1/9の範囲が好ましく、8/2〜4/6が特
に好ましい。微粒子除去性と油性汚れに対する洗浄性の
観点から、上記比率は9/1〜1/9が好ましい。
【0037】また、洗浄剤組成物Cには、後述の非イオ
ン界面活性剤が含まれていても良い。
【0038】さらに、本発明の洗浄剤組成物は非イオン
界面活性剤を含有していても良い。非イオン界面活性剤
は、一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示
される化合物の総量100重量部に対して1000重量
部以下が好ましく、600重量部以下がより好ましい。
かかる非イオン界面活性剤を含有する洗浄剤組成物は、
油性汚れに対する洗浄性がより良好なものであり、微粒
子汚れの除去性が改善されたものである。
【0039】かかる非イオン界面活性剤としては、例え
ば、下記の(a)群、(b)群、(c)群の各群に含ま
れる化合物、さらには一般式(3)で示される化合物が
挙げられる。非イオン界面活性剤としては一種を単独で
用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。次に
具体例を示す。
【0040】(a)群:炭素原子数7〜22の炭化水素
基を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコー
ルにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイ
ドが付加された化合物、炭素原子数1〜22の炭化水素
基を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアミンに
エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが
付加された化合物、並びに炭素原子数1〜22の炭化水
素基を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸
にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド
が付加された化合物。
【0041】(b)群:炭素原子数2〜10の多価アル
コールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキ
サイドが付加された化合物、炭素原子数2〜10のポリ
アミンにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキ
サイドが付加された化合物、並びに炭素原子数2〜10
の多価脂肪酸にエチレンオキサイド及び/又はプロピレ
ンオキサイドが付加された化合物。
【0042】(c)群:アルキルフェノール(但し、ア
ルキル基の炭素原子数は6以上である。)にエチレンオ
キサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加された
化合物、スチレン化フェノールにエチレンオキサイド及
び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、ベ
ンジル化フェノールにエチレンオキサイド及び/又はプ
ロピレンオキサイドが付加された化合物、並びにナフト
ールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサ
イドが付加された化合物。
【0043】(a)群、(b)群及び(c)群に含まれ
る化合物において、エチレンオキサイド及びプロピレン
オキサイドは単独で用いても良く、混合して用いても良
い。さらに、(a)群、(b)群及び(c)群に含まれ
る化合物に、例えば炭素原子数1〜4のアルキレンクロ
ライドや炭素原子数1〜4の脂肪酸等を反応させ、その
末端部分をアルキル基やアシル基にした化合物も、ここ
でいう非イオン界面活性剤に含まれる。
【0044】一般式(3)で示される非イオン界面活性
剤は油性汚れや微粒子の洗浄性をより向上させることが
できるため、非イオン界面活性剤の中で、より好ましい
ものである。
【0045】ここで、一般式(3)で示される非イオン
界面活性剤とは、 R3 −O−(AO)z−X (3) (式中、R3 は炭素原子数8〜18のアルキル基、炭素
原子数8〜18のアルケニル基、炭素原子数8〜18の
アシル基又は炭素原子数14〜18のアルキルフェノー
ル基を示す。AOはエチレンオキサイド及び/又はプロ
ピレンオキサイドを示す。Xは水素原子、炭素原子数1
〜4のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアシル基を示
す。zは3〜35の整数を示す。)で示される化合物で
ある。
【0046】一般式(3)において、R3 は炭素原子数
8〜18のアルキル基、炭素原子数8〜18のアルケニ
ル基、炭素原子数8〜18のアシル基又は炭素原子数1
4〜18のアルキルフェノール基であり、炭素原子数8
〜14のアルキル基、炭素原子数8〜14のアルケニル
基、炭素原子数8〜14のアシル基又は炭素原子数14
〜16のアルキルフェノール基が洗浄性の観点から好ま
しい。AOはエチレンオキサイド及び/又はプロピレン
オキサイドである。エチレンオキサイド及びプロピレン
オキサイドは単独で用いても良く、混合して用いても良
い。混合して用いる場合、(AO)の部分はエチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドをランダムで含んでい
ても良く、ブロックで含んでいても良い。
【0047】Xは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基又は炭素原子数1〜4のアシル基であり、水素原
子、炭素原子数1〜2のアルキル基又は炭素原子数1〜
2のアシル基が好ましい。zは3〜35の整数であり、
洗浄性の観点から6〜25の整数がより好ましい。ま
た、(AO)の部分はエチレンオキサイドとプロピレン
オキサイドをランダム又はブロックで含有し、エチレン
オキサイドとプロピレンオキサイドの比がモル比で9/
1〜5/5の範囲のものが泡立ちが少なく好ましい。
【0048】一般式(3)で示される非イオン界面活性
剤としては、具体的には、2−エチルヘキサノール、オ
クタノール、デカノール、ラウリルアルコール、イソデ
シルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルア
ルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシル
フェノール等のアルコール類、フェノール類等にエチレ
ンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加し
た化合物等が挙げられる。エチレンオキサイド及びプロ
ピレンオキサイドは単独で用いても良く、混合して用い
ても良い。さらに、かかるアルキレンオキサイド付加物
に、例えばメチレンクロライド等のアルキレンクロライ
ドや酢酸等を反応させ、Xの部分をアルキル基やアシル
基にした化合物も、一般式(3)で示される非イオン界
面活性剤に含まれる。
【0049】本発明の洗浄剤組成物は、その洗浄目的に
対応して、洗浄剤組成物のpHが適宜調整されても良
い。金属不純物をより効果的に除去する観点から、本発
明の洗浄剤組成物は酸性のものが好ましい。具体的に
は、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、蟻酸及び酢酸から選ば
れる少なくとも一種をさらに含有し、そのpHが6以下
の洗浄剤組成物が好ましい。この場合、洗浄剤組成物の
pHは3以下がより好ましい。
【0050】また、微粒子をより効果的に除去する観点
からは、本発明の洗浄剤組成物はアルカリ性のものが好
ましい。具体的には、アンモニア、アミノアルコール、
テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン
及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも一種をさら
に含有し、そのpHが8〜14の範囲の洗浄剤組成物が
好ましい。この場合、洗浄剤組成物のpHは10〜13
がより好ましい。
【0051】アミノアルコールは、モノアルキルアミン
またはポリアルキルアミンのアルキレンオキサイド付加
物である。かかるアミノアルコールとしては、例えば、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタ
ノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノー
ルアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノー
ルアミン、アミノエチルエタノールアミン、アミノエト
キシエタノール、ブチルエタノールアミン等が挙げられ
る。かかるアミノアルコールは単独で用いても良く、二
種以上を混合して用いても良い。
【0052】本発明の洗浄剤組成物は、過酸化水素を含
有していても良い。過酸化水素を含有する洗浄剤組成物
は、有機物分解能が付与されたものであるため、特に被
洗浄物から有機物を除去したい場合、有効である。洗浄
剤組成物中の過酸化水素の含有量は特に限定されない
が、洗浄剤組成物の中の一般式(1)で示される化合物
及び/又は一般式(2)で示される化合物の総量100
重量部に対して100〜1000重量部が好ましい。
【0053】上記のように、本発明の洗浄剤組成物の好
適な態様の例としては、洗浄剤組成物A〜洗浄剤組成物
Cに、さらに過酸化水素が含有してなるものに、上記の
酸、アルカリを添加して所望のpHに調整したものが挙
げられる。かかる洗浄剤組成物は油性汚れに対する洗浄
性及び微粒子の除去性等が強化されたものである。
【0054】本発明の洗浄剤組成物は本発明の特性を損
なわない範囲で、シリコン系の消泡剤やEDTAのよう
なキレート剤、アルコール類、グリコールエーテル類、
防腐剤、酸化防止剤等を配合できる。
【0055】本発明の洗浄剤組成物は半導体素子や半導
体基板の製造工程のいずれの工程で使用しても良い。例
示すれば、シリコンウエハのラッピングやポリシング工
程後の洗浄工程;半導体素子製造前の洗浄工程;半導体
素子製造工程、例えば、レジスト現像後、ドライエッチ
ング後、ウェットエッチング後、ドライアッシング後、
レジスト剥離後、CMP処理前後、CVD処理前後等の
洗浄工程で使用することができる。
【0056】本発明の洗浄剤組成物は、上記の各成分を
混合すること等により、容易に調製される。
【0057】2.洗浄方法 本発明の洗浄方法は、本発明の洗浄剤組成物を用いて、
半導体基板又は半導体素子を洗浄する方法である。本発
明の洗浄剤組成物を用いて洗浄する際の、一般式(1)
で示される化合物及び/又は一般式(2)で示される化
合物、及び非イオン界面活性剤の総含有量、即ち非イオ
ン性化合物の総含有量は微粒子除去性、洗浄性等の観点
から20重量%以下が好ましく、0.01〜20重量%
がより好ましく、0.05〜10重量%がさらに好まし
く、0.1〜5.0重量%が特に好ましい。本明細書に
おいて「非イオン性化合物」とは、一般式(1)で示さ
れる化合物、一般式(2)で示される化合物及び非イオ
ン界面活性剤である。
【0058】本発明に用いることのできる洗浄手段とし
ては特に限定されるものではなく、、浸漬洗浄、揺動洗
浄、スピンナーのような回転を利用した洗浄、パドル洗
浄、気中又は液中スプレー洗浄及び超音波洗浄等の公知
の手段を用いることができる。かかる洗浄手段は単独で
実施しても良く、複数を組み合わせて実施しても良い。
また、半導体基板又は半導体素子は一回の洗浄操作で一
枚ずつ洗浄しても良く、複数枚数を洗浄しても良い。ま
た、洗浄の際に用いる洗浄槽の数は一つでも複数でも良
い。洗浄時の洗浄剤組成物の温度は特に限定されるもの
ではないが、20〜100℃の範囲が安全性、操業性の
点で好ましい。
【0059】本発明の洗浄方法は半導体素子や半導体基
板の製造工程のいかなる工程においても実施することが
できる。例示すれば、シリコンウエハのラッピングやポ
リシング工程後の洗浄工程;半導体素子製造前の洗浄工
程;半導体素子製造工程、例えば、レジスト現像後、ド
ライエッチング後、ウェットエッチング後、ドライアッ
シング後、レジスト剥離後、CMP処理前後、CVD処
理前後等の洗浄工程において実施することができる。
【0060】
【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。
【0061】実施例1 1.汚染液の調製 2リットルのビーカーに研磨粒子及びシリコンウエハの
摩耗粒子を想定したシリカ粒子(粒径0.5〜2μm)
を、1500mLの超純水に1重量%となる量分散さ
せ、その分散液に、機械油ミストを想定したラウリン酸
ブチルエステルを1.0g加えた。このものを汚染液と
した。
【0062】2.洗浄剤組成物・洗浄液の調製 表1、表2に示す組成(数値は重量%)の洗浄剤組成物
を調製した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】次いで、洗浄剤組成物を希釈して洗浄液
(1)、洗浄液(2)、及び洗浄液(3)を調製した。
具体的には次の通りである。
【0066】(1):洗浄剤組成物を純水で希釈後、ア
ンモニア水又は塩酸でpHを7.5に調整して洗浄液を
得た。洗浄液中の非イオン性化合物の総含有量(重量
%)は表3、表4に示される通りである。ここで総含有
量が0重量%は、洗浄剤組成物を用いず、純水とアンモ
ニア水でpHを7.5に調整したものである。このよう
にして調製された洗浄液を洗浄方法で洗浄液(1)と
して使用した。
【0067】(2):pHを11にした、アンモニア水
と過酸化水素水(30重量%)の1:1(v/v)混合
物に、洗浄剤組成物を添加して洗浄液を得た。洗浄液中
の非イオン性化合物の総含有量(重量%)は表3、表4
に示される通りである。このようにして調製された洗浄
液を洗浄方法で洗浄液(2)として使用した。
【0068】(3):pHが1のフッ化水素水溶液に洗
浄剤組成物を添加して洗浄液を得た。洗浄液中の非イオ
ン性化合物の総含有量(重量%)は表3、表4に示され
る通りである。このようにして調製された洗浄液を洗浄
方法で洗浄液(3)として使用した。
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】また、洗浄剤組成物の調製に使用した化合
物を表5、表6に示す。
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】3.すすぎ液の調製 すすぎ液としては超純水を使用した。超純水1500m
Lの入ったビーカーを2つ用意した。
【0075】4.洗浄性評価方法 マグネチックスターラーで、シリカ粒子及びラウリン酸
ブチルエステルを均一分散させながら50℃に保った汚
染液中に、直径10cmのシリコンウエハを5分間浸漬
し、ウエハを汚染した。
【0076】汚染されたウエハを、以下の洗浄方法、
洗浄方法又は洗浄方法のいずれかの方法で洗浄し
た。
【0077】洗浄方法:汚染されたウエハを、60℃
に保った洗浄液(1)中に浸漬し、15秒間超音波(3
8KHz)を照射しながら洗浄した後、1回/2秒の割
合で上下揺動しながら3分間洗浄した。
【0078】洗浄方法:汚染されたウエハを、60℃
に保った洗浄液(2)中に浸漬し、15秒間超音波(3
8KHz)を照射しながら洗浄した後、1回/2秒の割
合で上下揺動しながら3分間洗浄した。
【0079】洗浄方法:汚染されたウエハを、30℃
に保った洗浄液(3)中に浸漬し、15秒間超音波(3
8KHz)を照射しながら洗浄した後、1回/2秒の割
合で上下揺動しながら3分間洗浄した。
【0080】このようにして洗浄されたウエハを60℃
に保ったすすぎ液中に浸漬し、1回/2秒の割合で上下
揺動しながら3分間すすいだ。ビーカーを替えてこの操
作をもう1回行った。
【0081】すすぎを終えたウエハの乾燥後、ウエハ表
面に残留する粒子数を顕微鏡で観察して数え、次式から
相対粒子除去率(洗浄性)を求めた。
【0082】相対粒子除去率(%)=〔(対照洗浄液使
用時の粒子数−洗浄液使用時の粒子数)/(対照洗浄液
使用時の粒子数)〕×100
【0083】また、すすぎを終えたウエハの乾燥後、ウ
エハ表面に残留する有機物を溶剤で抽出し、堀場OCM
A油分分析計でその有機物量を測定し、次式から相対油
分除去率(洗浄性)を求めた。
【0084】相対油分除去率(%)=〔(対照洗浄液使
用時の有機物量−洗浄液使用時の有機物量)/(対照洗
浄液使用時の有機物量)〕×100
【0085】ここで「対照洗浄液」とは、洗浄方法に
おいては、純水とアンモニア水からなるpH7.5の液
体であり、洗浄方法においては、pHが11の、アン
モニア水と過酸化水素水(30重量%)の1:1(v/
v)混合液であり、洗浄方法においては、pHが1の
フッ化水素水溶液である。
【0086】5.起泡性測定方法 50mLの目盛り付きシリンダーに、洗浄方法で洗浄
液として用いる洗浄剤組成物を20mL入れ、30℃に
保温後、10回上下に振とうし、10秒間静置後の泡の
体積を測定した。
【0087】結果を表3、表4に示す。
【0088】本発明の洗浄剤組成物は、油性汚れ及び微
粒子に対し優れた洗浄性を発揮するものであった。中で
も、非イオン界面活性剤が含有されておらず、一般式
(1)で示される化合物及び/又は一般式(2)で示さ
れる化合物を含有してなる洗浄剤組成物は、発泡性が非
常に少ないものであった(本発明品1〜6、15)。ま
た、非イオン界面活性剤の添加によりさらに良好な油性
汚れ除去性及び微粒子洗浄性が発揮された(本発明品7
〜14)。特にエチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドとを付加した化合物の末端部分をアルキル基にした
非イオン界面活性剤は低泡性であった(本発明品1
3)。このことから、本発明の洗浄剤組成物の組成を適
宜調整することにより、洗浄時における洗浄性と発泡性
の兼ね合いに応じた洗浄剤組成物を得ることができる。
【0089】
【発明の効果】特定の分子構造を有する非イオン性化合
物を含有する洗浄剤組成物は、洗浄性が良好で、発泡性
が低いものである。また、かかる洗浄剤組成物を用いる
洗浄方法により、半導体素子の製造工程において素子表
面に付着した油性汚れ及び微粒子等の異物が効率良く除
去され、製造された半導体素子の歩留まり及び品質等が
向上する。また、洗浄剤組成物の発泡性が低いため、洗
浄における操業性や排水処理性を損なわない。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル
    基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基を示す。AOは
    エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを
    示す。Xは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基又
    は炭素原子数1〜4のアシル基を示す。nは0〜2の整
    数を示す。mは1〜8の整数を示す。)で示される化合
    物、及び/又は 一般式(2) R2 −O−(AO)m−X (2) (式中、R2 は炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原
    子数2〜6のアルケニル基又は炭素原子数1〜6のアシ
    ル基を示す。AOはエチレンオキサイド及び/又はプロ
    ピレンオキサイドを示す。Xは水素原子、炭素原子数1
    〜4のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアシル基を示
    す。mは1〜8の整数を示す。)で示される化合物を含
    有してなる、半導体基板用又は半導体素子用洗浄剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 炭素原子数7〜22の炭化水素基を有す
    る直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールにエチ
    レンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加
    された化合物、炭素原子数1〜22の炭化水素基を有す
    る直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアミンにエチレン
    オキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加され
    た化合物、炭素原子数1〜22の炭化水素基を有する直
    鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸にエチレンオキ
    サイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化
    合物、炭素原子数2〜10の多価アルコールにエチレン
    オキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加され
    た化合物、炭素原子数2〜10のポリアミンにエチレン
    オキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加され
    た化合物、炭素原子数2〜10の多価脂肪酸にエチレン
    オキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加され
    た化合物、アルキルフェノール(但し、アルキル基の炭
    素原子数は6以上である。)にエチレンオキサイド及び
    /又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、スチ
    レン化フェノールにエチレンオキサイド及び/又はプロ
    ピレンオキサイドが付加された化合物、ベンジル化フェ
    ノールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキ
    サイドが付加された化合物、並びにナフトールにエチレ
    ンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加さ
    れた化合物から選ばれる1種以上の化合物をさらに含有
    してなる請求項1記載の洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 さらに一般式(3) R3 −O−(AO)z−X (3) (式中、R3 は炭素原子数8〜18のアルキル基、炭素
    原子数8〜18のアルケニル基、炭素原子数8〜18の
    アシル基又は炭素原子数14〜18のアルキルフェノー
    ル基を示す。AOはエチレンオキサイド及び/又はプロ
    ピレンオキサイドを示す。Xは水素原子、炭素原子数1
    〜4のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアシル基を示
    す。zは3〜35の整数を示す。)で示される化合物を
    含有してなる請求項1記載の洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、蟻酸及び酢
    酸から選ばれる少なくとも一種をさらに含有してなり、
    pHが6以下である請求項1〜3いずれか記載の洗浄剤
    組成物。
  5. 【請求項5】 アンモニア、アミノアルコール、テトラ
    メチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン及び水
    酸化カリウムから選ばれる少なくとも一種をさらに含有
    してなり、pHが8〜14である請求項1〜3いずれか
    記載の洗浄剤組成物。
  6. 【請求項6】さらに過酸化水素を含有してなる請求項1
    〜5いずれか記載の洗浄剤組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれか記載の洗浄剤組成
    物を用いて洗浄する半導体基板又は半導体素子の洗浄方
    法。
  8. 【請求項8】 1)一般式(1)で示される化合物及び
    /又は一般式(2)で示される化合物、 2)炭素原子数7〜22の炭化水素基を有する直鎖又は
    分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールにエチレンオキサ
    イド及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合
    物、炭素原子数1〜22の炭化水素基を有する直鎖又は
    分岐鎖の飽和又は不飽和のアミンにエチレンオキサイド
    及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、
    炭素原子数1〜22の炭化水素基を有する直鎖又は分岐
    鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸にエチレンオキサイド及び
    /又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、炭素
    原子数2〜10の多価アルコールにエチレンオキサイド
    及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、
    炭素原子数2〜10のポリアミンにエチレンオキサイド
    及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、
    炭素原子数2〜10の多価脂肪酸にエチレンオキサイド
    及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、
    アルキルフェノール(但し、アルキル基の炭素原子数は
    6以上である。)にエチレンオキサイド及び/又はプロ
    ピレンオキサイドが付加された化合物、スチレン化フェ
    ノールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキ
    サイドが付加された化合物、ベンジル化フェノールにエ
    チレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付
    加された化合物、及びナフトールにエチレンオキサイド
    及び/又はプロピレンオキサイドが付加された化合物、
    並びに 3)一般式(3)で示される化合物、の総含有量が20
    重量%以下である洗浄剤組成物を用いる請求項7記載の
    洗浄方法。
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