JP2007025265A - 定着ローラ及びその製造方法、並びに、定着装置及びそれを有する画像形成装置 - Google Patents

定着ローラ及びその製造方法、並びに、定着装置及びそれを有する画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007025265A
JP2007025265A JP2005207301A JP2005207301A JP2007025265A JP 2007025265 A JP2007025265 A JP 2007025265A JP 2005207301 A JP2005207301 A JP 2005207301A JP 2005207301 A JP2005207301 A JP 2005207301A JP 2007025265 A JP2007025265 A JP 2007025265A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing roller
peripheral surface
hollow cylindrical
outer peripheral
cored bar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005207301A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyasu Daigo
広安 醍醐
Hiroshi Katabami
浩 方波見
Yasumasa Mochizuki
康誠 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Chemours Mitsui Fluoroproducts Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Fluorochemicals Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Du Pont Mitsui Fluorochemicals Co Ltd, Ricoh Co Ltd filed Critical Du Pont Mitsui Fluorochemicals Co Ltd
Priority to JP2005207301A priority Critical patent/JP2007025265A/ja
Publication of JP2007025265A publication Critical patent/JP2007025265A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】薄肉芯金の高剛性が確保できると共に立ち上り時間が大幅に短くなり、しかも、薄肉芯金の内周面に形成した黒色被膜にクラック及び剥れのない熱吸収性の良好な定着ローラ低コストで提供する。
【解決手段】中空円筒状の薄肉芯金3を有する定着ローラにおいて、該中空円筒状の薄肉芯金3が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナル2、2を有すると共に、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブ4を有し、しかも、該中空円筒状の薄肉芯金3の内周面に、ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜6を有するものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式により転写紙に転写されたトナー画像を熱定着する定着ローラ及びその製造方法、並びに、定着装置及びそれを有する画像形成装置に関する。
電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置を用いて印刷又は複写をする場合には、その最終段階において、転写材(記録紙)上の可視像(トナー像)を加熱して溶融させることにより記録紙上に定着させている。例えば、電子写真複写機では、像担持体上に像露光を行って静電潜像を形成する工程、像担持体上の静電潜像にトナーを付着させて可視像とする工程、像担持体上のトナー像を記録紙上に転写して像担持体から記録紙を分離する工程、及び、記録紙上に転写された未定着のトナー像を加熱して溶融させることにより記録紙上に定着させる工程を順次経て複写が行われている。
従来、記録紙上に転写された未定着のトナー像は、一般的には、熱定着方式により定着されている。この熱定着方式によれば、円筒状芯金の中空部に回転軸に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置してその輻射熱によって円筒形芯金の内部から加熱するようにした定着ローラが用いられている。
図4は、従来の定着装置210の説明図である。図4に示されているように、定着ローラ201は、バネ203の押圧作用を受けた加圧ローラ202に接している。トナー206で形成されたトナー像を感光体から転写させた記録紙205は、トナー像が定着ローラ201に当接するように、定着ローラ201と加圧ローラ202との間に挿入される。記録紙205が定着ローラ201と加圧ローラ202の間を通過する間に、トナー像を形成するトナー206が、加熱溶融され、そして、記録紙205に圧着され、その結果、トナー像が記録紙205に定着される。
このような定着装置において、定着ローラの内面に黒色塗料を塗布し、250〜300℃で1〜3時間焼付けて、定着ローラにおけるハロゲンランプからの輻射熱の吸収を効率良くさせることが提案されている(特許文献1を参照。)。
このような定着ローラの製造においては、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成される中空円筒状の素管に軸受けや駆動の為のギヤを装着するジャーナルを、スェージング等の絞り加工によって得た後、チャック保持の60°センタ基準面をチャックし、NC旋盤にて切削することにより、転写紙にトナーを密着させて搬送する離型層被覆部分の外径形状を得ている。それ故、芯金を薄肉のものとする場合、素管時点での偏肉が小さいことが重要になるが素管の外径とチャックセンタとの同軸度や真円度が得られていないと、外径切削後の偏肉が大きくなるという問題があった。
そして、薄肉芯金の製造において、ジャーナルの絞り加工での同軸度を得る手段としてスピニング加工を採用すること、及び、薄肉芯金の内面にリブを形成して薄肉芯金に剛性を持たせることが提案されている(特許文献1を参照。)。
このような方法により得た薄肉芯金を回転させながら、その内部に内面塗装用の長尺ノズルを挿入して、黒色塗料(おきつも#8000、三重油脂加工社製)を内面全域に塗布し、250℃〜300℃の雰囲気で1〜3時間乾燥した後、スピニング加工において両端ジャーナルの絞り加工を行うと、絞りの段差部の位置に対応する内面塗膜にクラックが生じ、剥れが発生する、という問題があった。また、スピニング加工において両端ジャーナルの絞り加工を行った後、上記と同様に黒色塗料(おきつも#8000、三重油脂加工社製)の内面塗装を行い、そして、押し当て部材を薄肉芯金の外周面に押し当て、リブを形成すると、リブの位置に対応する内面塗膜にクラックが生じ、剥れが発生する、という問題があった。
したがって、薄肉芯金の場合には、ジャーナルの絞り加工やリブ形成の過程を経て芯金とした後に内面塗装を行うが、薄肉芯金の表面への接触や干渉によって、薄肉芯金の凹みや変形が発生するので、薄肉芯金の内面塗装時においては、肉厚の厚い両端のジャーナルを保持し、回転させながら、ローラ内部に内面塗装用の長尺ノズルを挿入し黒色塗料を塗布している。そして、薄肉芯金の表面をサンドブラストで粗面化して、薄肉芯金に接着可能なフッ素樹脂を主成分とするプライマーを塗布した後、100〜150℃の雰囲気にて乾燥を行い、続いて、プライマー表面にフッ素樹脂塗料を塗装して、該フッ素樹脂の融点以上、好ましくは、360℃以上の雰囲気で20〜40分焼成させて、芯金表面に平滑なフッ素樹脂被膜を形成することとなるが、フッ素樹脂被膜の形成に要する焼成温度は、360℃〜400℃であるので、前記薄肉芯金の内面塗装によって形成された黒色塗料の塗膜が熱による色落するという問題があった。
一方、フッ素樹脂被膜を薄肉芯金表面に形成した後に内面塗装を行う手順も取れるが、フッ素樹脂被膜の形成に要する焼成と、内面塗装に用いる黒色塗料の乾燥との2度の加熱を要するため工数がかかるという問題があった。また、黒色塗料(おきつも#8000、三重油脂加工社製)は、トルエン及びキシレンにて希釈した後、塗装に用いられるので、有機溶剤に伴う排気装置や脱臭装置が必要になるという問題があった。さらに、このようにして製造した定着ローラをレーザプリンタ、複写機、FAX等の画像形成装置に装着した際に発生する環境影響物質であるベンゼン、スチレン等の有害物質の規制も年々厳しくなっているので、使用物質の面においても近年の環境への配慮から有機溶剤を用いない水性塗料が望まれている。
特許第2580130号公報 特開2002−126824号公報
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、薄肉芯金の高剛性が確保できると共に立ち上り時間が大幅に短くなり、しかも、薄肉芯金の内周面に形成した黒色被膜にクラック及び剥れのない熱吸収性の良好な定着ローラ及びその製造方法、並びに、定着装置及びそれを有する画像形成装置を低コストで提供することを目的としている。
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、中空円筒状の薄肉芯金を有する定着ローラにおいて、中空円筒状の薄肉芯金が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナルを有すると共に、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブを有し、しかも、該中空円筒状の薄肉芯金の内周面に、ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜を有することを特徴とする定着ローラである。
請求項2に記載された発明は、中空円筒状の薄肉芯金を有する定着ローラにおいて、該中空円筒状の薄肉芯金が、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブを有すると共に、その内周面に、ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜を有することを特徴とする定着ローラである。
請求項3に記載された発明は、中空円筒状の薄肉芯金を有する定着ローラにおいて、該中空円筒状の薄肉芯金が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナルを有すると共に、その内周面に、ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜を有することを特徴とする定着ローラである。
請求項4に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記中空円筒状の薄肉芯金が、その軸方向中央部分に、その端部分の補強リブよりも配設密度を高くした補強リブを有していることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載された発明において、前記水性塗料におけるポリアミドイミド及び/又はポリイミドの含有量が、30〜50重量%であり、ポリフェニレンサルファイドの含有量が、5〜20重量%であり、そして、カーボンの含有量が、5〜40重量%であることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載された発明において、前記水性塗料が、ウィスカーを含有することを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、請求項6に記載された発明において、前記水性塗料におけるウィスカーの含有量が、25〜60重量%であることを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載された発明において、前記薄肉芯金が、その外周表面にフッ素樹脂被膜を有することを特徴とするものである。
請求項9に記載された発明は、
(イ)ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンからなる水性塗料を中空円筒状の素管内周面にノズルを用いて塗布して黒色被膜を形成する工程、
(ロ)前記中空円筒状の素管の両端部にスピニングローラを押し当てて絞り加工を施すことによりジャーナルを形成する工程、
(ハ)前記中空円筒状の素管外周面に、スピニングローラを押し当てて円周上の溝を軸方向に形成すると同時に、素管内周面に補強リブを軸方向に形成する工程、
(ニ)前記(ハ)工程で素管外周面に形成された円周上の溝を切削用バイトを用いて切削して該素管外周面を平坦に仕上げることにより薄肉芯金を形成する工程、切削することにより該素管外周面を平坦に仕上げる工程、
順次有することを特徴とするものである。
請求項10に記載された発明は、請求項9に記載された発明において、前記(ニ)工程の次に、
(ホ)前記平坦に仕上げられた薄肉芯金の外周面にフッ素樹脂を塗布してフッ素樹脂被膜を形成する工程、
を有することを特徴とするものである。
請求項11に記載された発明は、請求項9又は10に記載された発明において、前記水性塗料が、ウィスカーを含有していることを特徴とするものである。
請求項12に記載された発明は、定着ローラ、及び、該定着ローラに当接するように設けられた加圧ローラを少なくとも有する定着装置において、請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着ローラを有することを特徴とする定着装置である。
請求項13に記載された発明は、請求項12に記載の画像形成装置を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項1、5に記載された発明によれば、中空円筒状の薄肉芯金が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナルを有すると共に、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブを有し、しかも、該中空円筒状の薄肉芯金の内周面に、ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜を有しているので、薄肉芯金の高剛性が確保できると共に立ち上り時間が大幅に短くなり、しかも、薄肉芯金の内周面に形成した黒色被膜にクラック及び剥れのない熱吸収性の良好な定着ローラを低コストで提供することができる。そして、黒色被膜が水性塗料で形成されるので、排気装置や脱臭装置を備える必要がなく、また、薄肉芯金の外周表面に高温でフッ素樹脂被膜を設けても、該黒色被膜の色落ちがない。
請求項2に記載された発明によれば、中空円筒状の薄肉芯金が、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブを有すると共に、その内周面に、ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜を有しているので、薄肉芯金の高剛性が確保できると共に立ち上り時間が大幅に短くなり、しかも、薄肉芯金の内周面に形成した黒色被膜にクラック及び剥れのない熱吸収性の良好な定着ローラを低コストで提供することができる。そして、黒色被膜が水性塗料で形成されるので、排気装置や脱臭装置を備える必要がなく、また、薄肉芯金の外周表面に高温でフッ素樹脂被膜を設けても、該黒色被膜の色落ちがない。
請求項3に記載された発明によれば、中空円筒状の薄肉芯金が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナルを有すると共に、その内周面に、ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜を有しているので、薄肉芯金の高剛性が確保できると共に立ち上り時間が大幅に短くなり、しかも、薄肉芯金の内周面に形成した黒色被膜にクラック及び剥れのない熱吸収性の良好な定着ローラを低コストで提供することができる。そして、黒色被膜が水性塗料で形成されるので、排気装置や脱臭装置を備える必要がなく、また、薄肉芯金の外周表面に高温でフッ素樹脂被膜を設けても、該黒色被膜の色落ちがない。
請求項4に記載された発明によれば、前記中空円筒状の薄肉芯金が、その軸方向中央部分に、その端部分の補強リブよりも配設密度を高くした補強リブを有しているので、少ない数の補強リブで高剛性を得ることができると共に、薄肉芯金の体積を小さくして熱源による昇温を高速化することができる。そして、薄肉芯金の外周表面に高温でフッ素樹脂被膜を設けても、黒色被膜が耐熱性の樹脂で形成されているので、黒色被膜の色落ちがない。
請求項6,7に記載された発明によれば、前記水性塗料はウィスカーを含有しているので、成膜性がよく、そのために成膜された黒色被膜が脱落することがない。
請求項8に記載された発明によれば、前記薄肉芯金は、その外周表面にフッ素樹脂被膜を有しているので、その離型性が良好となる。
請求項9に記載された発明によれば、
(イ)ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンからなる水性塗料を中空円筒状の素管内周面にノズルを用いて塗布して黒色被膜を形成する工程、
(ロ)前記中空円筒状の素管の両端部にスピニングローラを押し当てて絞り加工を施すことによりジャーナルを形成する工程、
(ハ)前記中空円筒状の素管外周面にスピニングローラを押し当てて円周上の溝を軸方向に形成すると同時に、素管内周面に補強リブを軸方向に形成する工程、及び、
(ニ)前記(ハ)工程で素管外周面に形成された円周上の溝を切削用バイトを用いて切削することにより該素管外周面を平坦に仕上げる工程、
を順次有しているので、薄肉芯金の高剛性が確保できると共に立ち上り時間が大幅に短くなり、しかも、薄肉芯金の内面塗膜にクラック及び剥れのない熱吸収性の良好な定着ローラを低コストで製造することができる。そして、黒色被膜が水性塗料で形成されるので、排気装置や脱臭装置を備える必要がなく、また、薄肉芯金の外周表面に高温でフッ素樹脂被膜を設けても、該水性塗料で構成される被膜が色落ちすることがない。
請求項10に記載された発明によれば、前記(ニ)工程の次に、(ホ)前記平坦に仕上げられた素管外周面にフッ素樹脂を塗布してフッ素樹脂被膜を形成する工程、を有しているので、離型性の良好な定着ローラを製造することができる。
請求項11に記載された発明によれば、前記水性塗料がウィスカーを含有しているので、成膜性がよく、そのために成膜された黒色被膜が脱落することがない。
請求項12に記載された発明によれば、定着ローラ、及び、該定着ローラに当接するように設けられた加圧ローラを少なくとも有する定着装置において、請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着ローラを有しているので、立ち上り時間が大幅に短くなり、また、熱吸収性の良好な定着装置を低コストで提供することができる。
請求項13に記載された発明によれば、請求項12に記載の画像形成装置を有しているので、ムラのない均一な画像を形成することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を示す定着ローラの断面図である。図2は、本発明の一実施の形態を示す定着ローラの製造過程を示す説明図であって、(イ)は、中空円筒状の素管内周面に黒色被膜を形成する工程を示し、(ロ)は、ジャーナルを形成する工程を示し、(ハ)は、補強リブを形成する工程を示し、(ニ)は、切削用バイトを用いて素管外周面を平坦に仕上げる工程を示し、そして、(ホ)素管外周面にフッ素樹脂被膜を形成する工程を示す。図3は、本発明の画像形成装置の説明図である。
図1において、10は、定着ローラである。定着ローラ10は、中空円筒状の薄肉芯金3を有している。そして、前記中空円筒状の薄肉芯金3は、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナル2、2を有すると共に、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブ4を有し、しかも、該中空円筒状の薄肉芯金3の内周面に、ポリアミドイミド(以下、「PAI」という。)及び/又はポリイミド(以下、「PI」という。)、ポリフェニレンサルファイド(以下、「PPS」という。)、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜6を有している。
このように、中空円筒状の薄肉芯金3が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナル2、2を有すると共に、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブ4を有し、しかも、該中空円筒状の薄肉芯金3の内周面に、PAI及び/又はPI、PPS、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜6を有していると、薄肉芯金3をアルミニウム又はアルミニウム合金で構成しても、高剛性が確保できると共に立ち上り時間が大幅に短くなり、しかも、薄肉芯金3の内面塗膜にクラック及び剥れのない熱吸収性の良好な定着ローラを低コストで提供することができる。そして、黒色被膜6が水性塗料で形成されるので、排気装置や脱臭装置を備える必要がなく、また、薄肉芯金の外周表面に高温でフッ素樹脂被膜を設けても、該黒色被膜6の色落ちがない。
図1に示されている定着ローラ10は、中空円筒状の薄肉芯金3が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナル2、2を有すると共に、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブ4を有したものであるが、本発明においては、中空円筒状の薄肉芯金3が、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブ4を有しただけのものでもよいし、また、中空円筒状の薄肉芯金3が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナル2、2だけを有
したものであってもかまわない。
このように、中空円筒状の薄肉芯金3が、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブ4を有しただけのものであるか、又は、中空円筒状の薄肉芯金3が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナル2、2だけを有
したものであっても、前述した中空円筒状の薄肉芯金3が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナル2、2を有すると共に、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブ4を有したものと同様に、薄肉芯金3をアルミニウム又はアルミニウム合金で構成しても、高剛性が確保できると共に立ち上り時間が大幅に短くなり、しかも、薄肉芯金3の内面塗膜にクラック及び剥れのない熱吸収性の良好な定着ローラを低コストで提供することができる。そして、黒色被膜6が水性塗料で形成されるので、排気装置や脱臭装置を備える必要がなく、また、薄肉芯金の外周表面に高温でフッ素樹脂被膜を設けても、該黒色被膜6の色落ちがない。
前記薄肉芯金3は、アルミニウム、アルミニウム合金材、鉄、ステンレス系等の素材で構成されるが、アルミニウム、及び、アルミニウム合金材は、熱伝導率が高いので、温度分布の均一性に優れるており、そのために、前記薄肉芯金3を構成する素材として好まし材料である。
前記PPSは、粉末状でも水性分散液であってもよい。前記水性塗料がPPSを含有していると、塗膜の芯金素管との密着性、及び、耐熱性の向上に効果がある。前記PPSは、少なすぎると、密着性及び耐熱性が悪くなり、そして、多すぎると、成膜性が悪くなる。それ故、後述するように、前記水性塗料における前記PPSの含有量は、好ましくは、5〜20重量%である。
前記カーボンは、遠赤外による効果を有し、且つ、熱源、例えば、ハロゲンランプからの熱吸収、熱伝導の向上に効果がある。前記カーボンは、好ましくは、黒顔料ミルベースであり、そして、その平均粒径は、好ましくは、20μm以下である。
本発明においては、前記中空円筒状の薄肉芯金3は、その軸方向中央部分に、その端部分の補強リブ4b,4bよりも配設密度を高くした補強リブ4a,4a,4a,4a,4aを有している。このように、前記中空円筒状の薄肉芯金3が、その軸方向中央部分に、その端部分の補強リブ4b,4bよりも配設密度を高くした補強リブ4a,4a,4a,4a,4aを有していると、少ない数の補強リブ4で高剛性を得ることができると共に、薄肉芯金の体積を小さくして熱源(図示せず)による昇温を高速化することができる。そして、薄肉芯金3の外周表面に高温でフッ素樹脂被膜7を設けても、黒色被膜6が耐熱性の樹脂で形成されているので、黒色被膜6の色落ちがない。
前記水性塗料におけるPAI及び/又はPIの含有量は、好ましくは、30〜50重量%であり、PPSの含有量は、好ましくは、5〜20重量%であり、そして、カーボンの含有量は、好ましくは、5〜40重量%である。
前記水性塗料は、好ましくは、ウィスカーを含有している。このように、前記水性塗料がウィスカーを含有していると、成膜性がよく、そのために成膜された黒色被膜6が脱落することがない。前記水性塗料におけるウィスカーの含有量は、好ましくは、25〜60重量%である。
本発明におけるウィスカーは、好ましくは、平均粒径1〜20μmの耐熱性繊維状フィラーである。本発明におけるウィスカーは、成膜助剤として塗膜の脱落防止、立上り時間の短縮、及び、熱伝導性を向上する効果がある。ウィスカーが少ない場合には、塗膜が脱落し易くなるので好ましくなく、また、ウィスカーが多すぎる場合には、芯金との密着性が悪くなるので好ましくない。本発明におけるウィスカーは、例えば、シリコンカーバイド、グラファイト、 窒化シリコン、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛、黒鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の化合物で構成されるウィスカーであるが、チタン酸カリウムで構成されるウィスカーは、本発明におけるウィスカーとして特に好ましい。
前記PPS、カーボン、及び、ウィスカーの合計重量は、好ましくは、本発明の水性塗料中の固形分重量比率で70〜50重量%である。それらの固形分重量比率が70重量%を超えると、黒色被膜6の耐熱性が悪くなり、そして、それらの固形分重量比率が50重量%未満になると、黒色被膜6の柔軟性が悪くなる。
本発明においては、前記薄肉芯金3は、その外周表面にフッ素樹脂被膜7を有している。このように、前記薄肉芯金3が、その外周表面にフッ素樹脂被膜7を有していると、その離型性が良好となる。
図2に示すように、本発明の定着ローラ10は、
(イ)ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンからなる水性塗料を中空円筒状の素管9の内周面にノズル21を用いて塗布して黒色被膜16を形成する工程、
(ロ)前記中空円筒状の素管9の両端部にスピニングローラ23を押し当てて絞り加工を施してジャーナル12,12を形成する工程、
(ハ)前記中空円筒状の素管9外周面にスピニングローラ23を押し当てて円周上の溝15を軸方向に形成すると同時に、素管9内周面に補強リブ14を軸方向に形成する工程、及び、
(ニ)前記(ハ)工程で素管9外周面に形成された円周上の溝15を切削用バイト27を用いて切削して該素管外周面を平坦に仕上げることにより薄肉芯金13を形成する工程、
を順次経て製造される。なお、図2(イ)において、11は、薄肉芯金13の本体部であり、そして、12は、薄肉芯金13のジャーナルである。図2(ロ)において、22は、コレットチャックであり、24は、面取りバイトであり、25は、面取りくずである。図2(ハ)において、26はチャックである。図2(ニ)において、28は、切削くずである。
このように、(イ)、(ロ)、(ハ)、及び、(ニ)の工程を順次経て定着ローラ10を製造すると、薄肉芯金3をアルミニウム又はアルミニウム合金で構成しても、高剛性が確保できると共に立ち上り時間が大幅に短くなり、しかも、薄肉芯金3の内面塗膜にクラック及び剥れのない熱吸収性の良好な定着ローラ10を低コストで製造することができる。そして、黒色被膜6が水性塗料で形成されるので、排気装置や脱臭装置を備える必要がなく、また、薄肉芯金3の外周表面に高温でフッ素樹脂被膜7を設けても、該黒色被膜6の色落ちがない。
本発明においては、前記(ニ)工程の次に、(ホ)前記平坦に仕上げられた薄肉芯金13の外周面にフッ素樹脂を塗布してフッ素樹脂被膜7を形成する工程、を有している。図2(ホ)において、29は、粉体状のフッ素樹脂塗料31を噴霧塗布するノズル29である。このように、前記(ニ)工程の次に、(ホ)前記平坦に仕上げられた素管9外周面に粉体状のフッ素樹脂塗料31を塗布してフッ素樹脂被膜7を形成する工程、を有していると、離型性の良好な定着ローラを製造することができる。
前記(イ)工程において用いられる水性塗料は、好ましくは、ウィスカーを含有している。このように、前記水性塗料がウィスカーを含有していると、成膜性がよく、そのために成膜された黒色被膜が脱落することがない。
そして、前記(イ)工程において用いられる水性塗料は、好ましくは、1)カーボンミルベースに該カーボンミルベースと同重量の純水を加えて、これらを攪拌機にて混合・攪拌してカーボン組成物とし、2)ウィスカーとPPSと該ウィスカー及び該PPSの合計重量の3倍重量の純水とを加えて、これらを攪拌機を用いて混合・攪拌して樹脂組成物とし、そして、3)前記1)で得たカーボン組成物に前記2)で得た樹脂組成物を加えて、これらを攪拌機を用いて混合・攪拌し、更に、これらの樹脂組成物にPAI及び/またはPIからなる水性分散液を加えて、これらを攪拌機を用いて混合・攪拌した後、これらの樹脂組成物に純水を加えて粘度調整することにより得られる。
前記(ニ)工程においては、平坦化した薄肉芯金3の外表面をサンドブラストで粗面化した後、該薄肉芯金3の外表面にプライマーを塗布して100〜150℃の雰囲気にて乾燥し、続いて、該プライマーの表面に粉体のフッ素樹脂塗料を塗装して、フッ素樹脂の融点以上、好ましくは、360℃以上の雰囲気で20〜40分焼成させることによりフッ素樹脂被膜7を形成する。このようにして得たフッ素樹脂被膜7は、表面が荒れているので、転写紙上に形成されたトナーを良好に定着できず品質の良い画質を得ることができない。それ故、フッ素樹脂被膜7をは、好ましくは、平滑に仕上げされる。
フッ素樹脂塗料としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(以下、「PFA」という。)、テトラフルオロエチレン樹脂(以下、「PTFE」という。)が一般に用いられるが、PFAであれば形態を粉体として塗装が可能であるので、塗装−回収によってフッ素樹脂塗料を再利用することができる。
図3に示されているように、本発明の定着装置110は、定着ローラ10、及び、該定着ローラ10に当接するように設けられた加圧ローラ112を少なくとも有している。そして、本発明の定着装置110は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着ローラ10を有している。このように、本発明の定着装置110が請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着ローラ10を有していると、立ち上り時間が大幅に短くなり、また、熱吸収性の良好な定着装置を低コストで提供することができる。
図3に示されているように、本発明の画像形成装置100は、請求項10に記載の定着装置110を有している。このように、本発明の画像形成装置100が請求項10に記載の定着装置を有していると、ムラのない均一な画像を形成することができる。
図3に示されているように、本発明の画像形成装置100は、静電潜像が形成される感光体ドラム101、感光体ドラム101に接触して帯電処理を行う帯電ローラ102、レーザビーム等の露光手段103、感光体ドラム101の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104、帯電ローラ102にDC電圧を印加するためのパワーパック105、感光体ドラム101上のトナー像を記録紙107に転写処理する転写ローラ106、転写処理後の感光体ドラム101をクリーニングするためのクリーニング装置108、感光体ドラム101の表面電位を測定する表面電位計109、並びに、定着ローラ10及び加圧ローラ112からなるローラ方式の熱定着装置110によって構成されている。
この電子写真方式を用いる画像形成装置100は、回転する感光体ドラム101の感光体層を帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後にレーザビーム等の露光手段103で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって現像することによりトナー像とし、このトナー像を記録紙107上に転写し、そして、この記録紙107を定着ローラ10及び加圧ローラ112からなるローラ方式の熱定着装置110に通過させてトナー像を熱定着するように構成されている。
このような画像形成装置100の熱定着装置においては、アルミニウム等の金属の中空円筒体からなる薄肉芯金の外周面にトナーの粘着を防止するために被覆された四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)等のフッ素樹脂からなる離型層を設けた定着ローラ10が使用されているが、この加熱定着ローラ10は、薄肉芯金の中空部に回転中心線に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置し、その輻射熱によって定着ローラ10を内側から加熱するようになっており、そして、定着ローラ10と加圧ローラ112との間に記録紙107を通過させることにより、記録紙107の上に付着しているトナーを定着ローラ10の熱により軟化させつつ加圧して記録紙上に定着させるようになっている。
(実施例1)
黒顔料ミルベース(顔料固形分34.6重量%、顔料平均粒径20μ以下)12.5重量%に、該黒顔料ミルベースと同重量の純水を加え、これらを攪拌機I(ヤマト科学社製
、LR500B)を用いて、300rpmで30分間混合・攪拌することにより混合物(一)を得た。そして、チタン酸カリウムウィスカー(平均粒径1−20μm)(以下、「TW」という。)7.7重量%、PPS(平均粒径7μm)2.1重量%、及び、TWとPPSの合計重量の3倍重量の純水を、攪拌機II(特殊機化工業社製、TKホモミキサーMARKII)を用いて、6000rpmで10分間混合・攪拌することにより、混合物(2)を得た。この混合物(二)を前記混合物(一)に加え、攪拌機Iを用いて、500rpmで30分間混合・攪拌することにより、混合物(三)を得た。次に、この混合物(三)に、PAI水性分散液(固形分26重量%)29.3重量%を加えて、これらを攪拌機Iを用い500rpmで30分間混合・攪拌することにより、混合物(四)とし、この混合物(4)をイワタカップ(アネスト岩田株式会社製)で粘度10〜30秒となるように純水を加えて粘度調整することにより、水性塗料を得た。この水性塗料は、純水48.4重量%を含有していた。
(イ)このようにして得た水性塗料を容積10リットルの加圧式塗料タンク(明治機械製作所社製、PA−30S)に投入し、この加圧式塗料タンクにパイプを通じてつながれたノズル(ビンクス社製、塗装ノズル95AR)を用いて、A3000系アルミニウム合金材で構成される外径40mm、長さ380mm、厚さ1.2mmの中空円筒状の素管の内周面に塗装し焼き付けして、20μm厚の黒色被膜を形成し[図2(イ)を参照。]、
(ロ)この黒色被膜を形成した中空円筒状の素管を150℃に設定した炉で15分間乾燥し、取り出して冷却した後、両端加工機のコレットチャックに装着し、次に、スピニングローラを両端部から中央に掛け外周部に押し当てて、外径40mmから30.5mmに達するまで数回に分けて絞り加工を施した後、面取りバイトを用いて、該中空円筒状の素管の両開口部の先端に面取り加工を施すことにより、ジャーナルを形成し[図2(ロ)を参照。]、
(ハ)前記中空円筒状の素管の両端に形成されたジャーナルの面取り部を基準にCNC旋盤へチャックした後、該中空円筒状の素管の外周面スピニングローラを外周面より押し当て中央部分に5箇所、両端部分にそれぞれ2箇所の合計9箇所の円周上の溝を軸方向に形成すると同時に、該中空円筒状の素管の内周面に補強リブを軸方向に形成し[図2(ハ)を参照。]、
(ニ)前記中空円筒状の素管の内周面に補強リブを形成した際に形成され前記中空円筒状の素管外周面に形成された円周上の溝を切削用バイトを用いて切削することにより該中空円筒状の素管の外周面を平坦に仕上げて該中空円筒状の素管の外径を38.4mmとした後、同様にして、該中空円筒状の素管のジャーナルの外径を30mmとすることにより、薄肉芯金を形成し[図2(ニ)を参照。]、そして、
(ホ)前記平坦に仕上げられた薄肉芯金の外周面をサンドブラスト装置(不二製作所社製、ニューマブラスターSG−4GTJ)で表面粗さ十点平均粗さでRzjis10μmに荒し、薄肉芯金の外周面をプライマー(三井・デュポンフロロケミカル社製 PR910BK)2gを塗布、乾燥した後、薄肉芯金の外周面にフッ素樹脂粉末(三井・デュポンフロロケミカル社製、MP102) 2gを静電塗装ガンにて膜厚20μmとなるように付着させ、380℃に設定した炉で30分間焼成し冷却することによりフッ素樹脂被膜を形成し、続いて、このフッ素樹脂被膜を形成した薄肉芯金を2000rpmで回転させて、該フッ素樹脂被膜表面をサンドペーパ#600を押し当て粗研磨を行い、そして、サンドペーパ#1000を押し当て表面粗さ十点平均粗さでRzjis2μm以下となるまで仕上げ研磨を行って定着ローラを得た[図2(ホ)を参照。]。
(実施例2)
黒顔料ミルベースを3.7重量%、TW7.2重量%、PPS0.9重量%、PAI水性分散液31.2重量%、及び、純水57.0重量%を含有する水性塗料とした以外は、実施例1と同様にして定着ローラを得た。
(実施例3)
黒顔料ミルベースを3.1重量%、TW6.2重量%、PPS0.8重量%、PAI水性分散液34.0重量%、及び、純水55.9重量%を含有する水性塗料とした以外は、実施例1と同様にして定着ローラを得た。
(比較例1)
市販溶剤系塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして定着ローラを得た。
(比較例2)
中空円筒状の素管内周面に水性塗料を塗装しない以外は、実施例1と同様にして定着ローラを得た。
以上、実施例1〜3及び比較例1〜2で得た定着ローラについて、(1)薄肉芯金の内表面における黒色被膜の状態、(2)薄肉芯金のジャーナル絞り部の内表面における黒色被膜の状態、(3)黒色被膜濃度、(4)耐熱性、(5)立上がり時間(秒)、及び、(6)ハロゲンランプの封止部の表面温度(℃)、をそれぞれ測定した。
前記(1)については、定着ローラを切断して、その内表面の黒色被膜の状態を目視で調べて塗装ムラのないものを良好とし、そして、前記(2)については、定着ローラを切断して、そのジャーナルの絞り部分の剥がれの有無を目視にて観察した。
前記(3)については、上記(1)で用いた定着ローラの切断片の濃度を、Macbeth濃度計RD918にて測定した。
前記(4)については、前記(1)で用いた定着ローラ切断片を400℃に設定した炉に30分間放置し取り出した後、被膜の剥れの有無を目視にて確認した。
前記(5)については、定着ローラをコピー機(リコー社製 Imagio Neo450)に装着し、立上り時間(25℃→185℃)を測定した。
前記(6)については、定着ローラをコピー機(リコー社製 Imagio Neo450)に装着し、連続300枚通紙時のハロゲンランプの封止部の表面温度を測定した。
測定結果は、次の表1に示される。
Figure 2007025265
次に、実施例1及び比較例1で得た定着ローラについて、環境物質の検出を行った。この環境物質の検出に当たっては、定着ローラを200℃にて2時間加熱して、発生したアウトガスを吸着管に捕集濃縮した後、その捕集成分からベンゼンについてガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)にて発生量を分析した。
測定結果は、次の表2に示される。
Figure 2007025265
前記表1により、実施例1〜3で得た定着ローラについては、薄肉芯金内表面の黒色被膜の状態塗が良好であり、ジャーナルの絞り部分の剥がれがなく、黒色被膜がフッ素樹脂被膜の形成に必要な360〜400℃の温度においても充分耐えうる耐熱性を有し、コピー機に装着した際のハロゲンランプの熱吸収も有り、そして、立上り時間も良好であることがわかる。また、表2により、ベンゼンの発生量は、比較例1よりも実施例1の方が少ないことがわかる。(0.2×10-2μg/hは測定限界値)
本発明の一実施の形態を示す定着ローラの断面図である。 本発明の一実施の形態を示す定着ローラの製造過程を示す説明図であって、(イ)は、中空円筒状の素管内周面に黒色被膜を形成する工程を示し、(ロ)は、ジャーナルを形成する工程を示し、(ハ)は、補強リブを形成する工程を示し、(ニ)は、切削用バイトを用いて素管外周面を平坦に仕上げる工程を示し、そして、(ホ)素管外周面にフッ素樹脂被膜を形成する工程を示す。本発明の一実施の形態を示す弾性定着ローラの横断面図である。 本発明の画像形成装置の説明図である。 従来の定着装置の説明図である。
符号の説明
1,11 本体部
2,12 ジャーナル
3,13 薄肉芯金
4,14 補強リブ
4a 中央部分の補強リブ
4b 端部部分の補強リブ
6,16 黒色被膜
7 フッ素樹脂被膜
9 中空円筒状の素管
10 定着ローラ
15 円周上の溝
21 ノズル
23 スピニングローラ
24 面取りバイト
25 面取りくず
26 チャック
27 切削用バイト
28 切削くず
31 フッ素樹脂塗料

Claims (13)

  1. 中空円筒状の薄肉芯金を有する定着ローラにおいて、中空円筒状の薄肉芯金が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナルを有すると共に、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブを有し、しかも、該中空円筒状の薄肉芯金の内周面に、ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜を有することを特徴とする定着ローラ。
  2. 中空円筒状の薄肉芯金を有する定着ローラにおいて、該中空円筒状の薄肉芯金が、その外周面に、スピニングローラの押し当てによって軸方向に形成された補強リブを有すると共に、その内周面に、ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜を有することを特徴とする定着ローラ。
  3. 中空円筒状の薄肉芯金を有する定着ローラにおいて、該中空円筒状の薄肉芯金が、その両端部に、絞り加工によって形成されたジャーナルを有すると共に、その内周面に、ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンを含有する水性塗料で形成された黒色被膜を有することを特徴とする定着ローラ。
  4. 前記中空円筒状の薄肉芯金が、その軸方向中央部分に、その端部分の補強リブよりも配設密度を高くした補強リブを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着ローラ。
  5. 前記水性塗料におけるポリアミドイミド及び/又はポリイミドの含有量が、30〜50重量%であり、ポリフェニレンサルファイドの含有量が、5〜20重量%であり、そして、カーボンの含有量が、5〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着ローラ。
  6. 前記水性塗料が、ウィスカーを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着ローラ。
  7. 前記水性塗料におけるウィスカーの含有量が、25〜60重量%であることを特徴とする請求項6に記載の定着ローラ。
  8. 前記薄肉芯金が、その外周表面にフッ素樹脂被膜を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の定着ローラ。
  9. (イ)ポリアミドイミド及び/又はポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、並びに、カーボンからなる水性塗料をノズルを用いて中空円筒状の素管内周面に塗布して黒色被膜を形成する工程、
    (ロ)前記中空円筒状の素管の両端部にスピニングローラを押し当てて絞り加工を施すことによりジャーナルを形成する工程、
    (ハ)前記中空円筒状の素管外周面に、スピニングローラを押し当てて円周上の溝を軸方向に形成すると同時に、素管内周面に補強リブを軸方向に形成する工程、及び、
    (ニ)前記(ハ)工程で素管外周面に形成された円周上の溝を切削用バイトを用いて切削して該素管外周面を平坦に仕上げることにより薄肉芯金を形成する工程、
    を順次有することを特徴とする定着ローラの製造方法。
  10. 前記(ニ)工程の次に、
    (ホ)前記平坦に仕上げられた薄肉芯金の外周面にフッ素樹脂を塗布してフッ素樹脂被膜を形成する工程、
    を有することを特徴とする請求項9に記載の定着ローラの製造方法。
  11. 前記水性塗料が、ウィスカーを含有していることを特徴とする請求項9又は10に記載の定着ローラの製造方法。
  12. 定着ローラ、及び、該定着ローラに当接するように設けられた加圧ローラを少なくとも有する定着装置において、請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着ローラを有することを特徴とする定着装置。
  13. 請求項12に記載の画像形成装置を有することを特徴とする画像形成装置。
JP2005207301A 2005-07-15 2005-07-15 定着ローラ及びその製造方法、並びに、定着装置及びそれを有する画像形成装置 Withdrawn JP2007025265A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005207301A JP2007025265A (ja) 2005-07-15 2005-07-15 定着ローラ及びその製造方法、並びに、定着装置及びそれを有する画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005207301A JP2007025265A (ja) 2005-07-15 2005-07-15 定着ローラ及びその製造方法、並びに、定着装置及びそれを有する画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007025265A true JP2007025265A (ja) 2007-02-01

Family

ID=37786119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005207301A Withdrawn JP2007025265A (ja) 2005-07-15 2005-07-15 定着ローラ及びその製造方法、並びに、定着装置及びそれを有する画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007025265A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120155930A1 (en) * 2010-12-17 2012-06-21 Samsung Electronics Co., Ltd Fixing unit and image forming apparatus including the fixing unit
US9454116B2 (en) * 2015-01-14 2016-09-27 Kyocera Document Solutions Inc. Fixing device including a fixing member to which heat resistant coating is applied and image forming apparatus

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120155930A1 (en) * 2010-12-17 2012-06-21 Samsung Electronics Co., Ltd Fixing unit and image forming apparatus including the fixing unit
US8630571B2 (en) * 2010-12-17 2014-01-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Reduced thickness fixing unit to reduce deformation or fatigue failure
US9454116B2 (en) * 2015-01-14 2016-09-27 Kyocera Document Solutions Inc. Fixing device including a fixing member to which heat resistant coating is applied and image forming apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4882312B2 (ja) フッ素樹脂被覆部材の製造方法
WO2014103252A1 (ja) 電子写真用定着部材、定着装置及び電子写真画像形成装置
US8801883B2 (en) Method for producing fixing-unit member and fixing-unit member
JP2006205151A (ja) 複合管状物およびその製造方法
JP5171030B2 (ja) 加熱回転体、その加熱回転体の製造方法、及びその加熱回転体を有する像加熱装置
JP2006259248A (ja) 転写定着ベルト
JP2007025265A (ja) 定着ローラ及びその製造方法、並びに、定着装置及びそれを有する画像形成装置
JP2020008747A (ja) 定着装置及び加圧用部材の製造方法
JP2000108223A (ja) ゴム被覆ローラの製造方法
JP2831714B2 (ja) 電子写真用熱定着ロールの製造方法
JP2007114689A (ja) 芯体金型、芯体金型の製造方法および芯体金型を用いたシームレス管状体の製造方法
JP2005257989A (ja) 定着用回転体
JP2007163989A (ja) 加熱ローラ、及び、それを有する定着装置、並びに、画像形成装置
JP6456225B2 (ja) 定着アッセンブリ
JP2004109529A (ja) 定着ローラ
JP6748676B2 (ja) 熱定着用ゴムローラ、および、その製造方法
JP2007047321A (ja) ローラ芯金及びその製造方法、定着ローラ、定着装置、及び、それを有する画像形成装置
JP2957556B2 (ja) 電子写真用熱定着ロール
JP3828724B2 (ja) 加熱定着ロール
JP2006267976A (ja) 定着用回転部材、定着装置及び画像形成装置
JP4230136B2 (ja) 加熱定着ローラ、これを用いた定着装置、画像形成装置
JP2011002658A (ja) 定着ベルト用基体及びその製造方法、定着ベルト及びその製造方法、並びに、定着装置
JP2004170859A (ja) 弾性ローラ、定着部材及びその製造方法
JP2000338810A (ja) 加熱定着ロール
JP2006276303A (ja) 定着ロール、定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081007