JP2007024319A - 空調ユニットの外装パネル構造 - Google Patents

Abstract

【課題】外装パネルの内外パネル板間に介装したスペーサに関して、仮組立時の位置決め保持と併せて発泡樹脂の漏出を確実に阻止できるようにし、加えて本体フレームへの組み付ける際のボルト締結が簡便に行えるようにした、空調ユニットの外装パネル構造を提供する。
【解決手段】外装パネルの組立工程で発泡成形の際に発泡樹脂がボルト嵌挿穴に漏れ出すのを確実に阻止できるようにし、加えて外装パネルを本体フレームへ組み付ける際に、多少のボルト穴の誤差を許容してボルト締結が行えるように改良した空調ユニットの外装パネル構造を提供する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、例えばクリーンルームの室内に据付けて使用する空調装置を対象とした空調ユニットの外装パネル構造に関する。

まず、本発明の実施対象となる頭記空調ユニットの構成概要を図３，図４に示す。各図において、１は空調ユニット本体、２は基台、３は外装パネル、４は空気の吸込グリル、５は空調空気の吐出側の天板である。ここで、外装パネル３は、個々のパネルがユニット本体１に構築したフレーム（支柱）６を包囲してその周面にボルト７を介して締結固定されており、ユニット本体１には冷却器（例えば水冷式熱交換器）８，送風機９，フィルタ（例えばＨＥＰＡフィルタ）１０などを組合わせた空調機器が搭載されており、吸込グリッド４から吸い込んだ室内空気は、冷却器８で冷却された後にフィルタ１０で除塵し、適温に空調された清浄空気として室内に放流される。
次に、前記した外装パネル３の従来構造を図２（ａ），（ｂ）に示す。すなわち、外装パネル３は周縁を裏面側に向けてコ字形に板金加工した薄鋼板の外パネル板１１と、外パネル板１１の背面に組み合せた薄鋼板の内パネル板１２と、外パネル板１１と内パネル板１２との間の空間に発泡成形して内外パネル板と一体化した発泡樹脂（硬質ウレタンフォーム）１３からなり、外パネル板１１と内パネル板１２にはあらかじめ所定箇所にボルト嵌挿穴を穿孔しておき、該嵌挿穴にボルト７を通して外装パネル３を図４のように本体フレーム６に締結固定する。このように外パネル板１１と内パネル板１２を発泡樹脂（硬質ウレタンフォーム）１３で一体化した三層構造になる外装パネル３は、断熱壁としての機能のほかに機械的にも剛性が増す。

一方、前記構造の外装パネル３を組立てるには、発泡成形用の治具に外パネル板１１，内パネル板１２を仮組立し、この状態で外パネル板１１と内パネル板１２との間の空間に発泡樹脂の原液を注入して注型発泡させる成形法を採用している。ここで、注型発泡の工程で外パネル板１１と内パネル板１２との間の突き合わせ継ぎ目，および内外の各パネル板に穿孔したボルト嵌挿穴から発泡樹脂が漏れ出るのを防止するために、従来構造では内パネル板１２の周縁とこれに突き合わせる外パネル板１１の折り返し周縁との継ぎ目（隙間）をシール１４で封止し、さらにボルト挿通穴に対しては外パネル板１１と内パネル板１２との間に樹脂成形品になる円筒形のスペーサ１５を介装して仮組立し、このスペーサ１５を中子として発泡成形後にボルト挿通穴を確保するとともに、発泡成形工程で発泡樹脂がボルト挿通穴から漏れ出るのを防ぐようにしている。

なお、前記の外装パネル３と同様な構造を採用している冷蔵ショーケースの側壁について、発泡樹脂の注型発泡工程でパネルのボルト挿通穴から発泡樹脂が漏れ出るのを防ぐために、ショーケース側壁の外パネル板と内パネル板の間にスペーサを介装した構成が知られている（例えば、特許文献１参照）。
特公昭５９−１９２６９号公報

ところで、前記の外装パネル３について、図２で述べた従来構造では次記のような問題点がある。すなわち、発泡樹脂１３の成形工程に先立ち、外装パネル３を仮組立てした状態で外パネル板１１，内パネル板１２に穿孔したボルト挿通穴に位置を合わせて内外パネル板の間に円筒形のスペーサ１５をセットしたままでは、樹脂の発泡圧力に負けてスペーサ１５が当初のセット位置からずれたりするほか、スペーサ１５の端面とパネル板との間に生じた隙間から発泡樹脂がボルト挿通穴に漏れ出して穴を埋める不具合が発生する。
さらに、この外装パネル３を図４の空調ユニット本体フレーム６に組み付ける際に、フレーム６の寸法，組立誤差からフレーム６に穿孔したボルト下穴の位置と外装パネル３に穿孔したボルト挿通穴の位置とが多少ずれることがあるが、この場合に従来構造ではパネル３に挿通したボルト７の向きが円筒形のスペーサ１５の穴径で拘束されるため、このままでは外装パネル３のボルト締結が行えず、現場でボルト下穴を調整する必要がある。

本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は外装パネルの内外パネル板間に介装したスペーサに関して、仮組立時の位置決め保持と併せて発泡樹脂の漏出を確実に阻止できるようにし、加えて本体フレームへの組み付ける際のボルト締結が簡便に行えるように改良した空調ユニットの外装パネル構造を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明によれば、空調機器を搭載した本体フレームを包囲してその周面に布設した空調ユニットの外装パネル構造であって、その外装パネルが外パネル板と内パネル板との間の空間に発泡樹脂を注型発泡させた構造になり、該パネルに穿孔したボルト挿通穴にボルトを通して本体フレームに締結したものにおいて、
前記ボルト挿通穴に位置を合わせて外パネル板と内パネル板との間にボルトを挿通する筒状のスペーサを介装し、かつ該スペーサはその一端に嵌合部を形成した上で、該嵌合部を相手側パネル板のボルト挿通穴に嵌入して位置決め保持するとともに、他端面にはシール兼用のクッション座を重ね、該クッション座を相手側パネル板の内面に押し当ててスペーサとの間を封止するようにする（請求項１）。
また、前記の外装パネル構造において、スペーサのボルト挿通穴を内パネル板に向けて穴径が拡大するテーパー穴として、外装パネルに挿通したボルトの傾き自由度を高めるようにする（請求項２）。

上記構成によれば、外装パネルの仮組立状態で、外パネル板と内パネル板の間に介装したスペーサの嵌合部をパネル板のボルト挿通穴に嵌入して所定位置に位置決め保持するとともに、スペーサの他端側に重ねたクッション座を介してスペーサとパネル板との間を確実に封止することができる。これにより、続く発泡樹脂の注型発泡工程でスペーサに発泡圧が作用してもスペーサが定位置からずれることがなく、また発泡樹脂がボルト挿通穴に漏れ出るのを確実に防止できる。
さらに、スペーサのボルト挿通穴を内パネル板に向け拡大するテーパー穴としてここに挿通するボルトの傾き自由度を高めるようにすることで、外装パネルをユニット本体のフレームに組み付ける際にフレーム側のボルト下穴と外装パネルのボルト挿通穴とが多少ずれていても、ボルト穴の調整を要することなく容易にボルト締結を行うことができる。

以下、本発明の実施の形態を図１（ａ），（ｂ）に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図２に対応する部材には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。すなわち、図示実施の外装パネル３において、外パネル板１１と内パネル板１２との間に介装した樹脂成形品になる円筒状のスペーサ１５は、その一端側（外パネル板１１との対向端）の端面に凸状の嵌合部１５ａを形成しておき、他端側（内パネル板１２との対向端）の端面にはフランジ部１５ｂを形成した上で、該フランジ部１５ｂの端面にシールを兼ねた穴開きのクッション座（例えば、厚さ４mm程度の軟質なポリエチレンシート）１６が接着剤で被着されている。さらに、図１（ｂ）で示すようにスペーサ１５はその外形がコーン状で、軸方向に貫通したボルト嵌挿穴は外パネル板側から内パネル板側に向けて穴径が拡大するテーパー穴とし、外装パネル３に挿通したボルト７の自由度を高めてボルト先端が図示矢印Ｐ方向に変位できるようにしている。

そして、発泡樹脂１３を発泡成形する工程で外パネル板１１，内パネル板１２を発泡成形治具に仮組立する際に、スペーサ１５の嵌合部１５ａを外パネル板１１に開けたボルト嵌挿穴に嵌入して位置決め保持し、仮組立状態でクッション座１６を内パネル板１２に押し当ててスペーサ１５との間の隙間を封止する。この状態で発泡樹脂１３を注型発泡することにより、発泡圧によってスペーサ１５が当初のセット位置からずれることがなく、また発泡樹脂がボルト嵌挿穴に漏れ出ることなしに発泡成形が行える。なお、図示例では内パネル板１２の外周縁と外パネル板１１の折り返し部とを重ね合わせて両者間をシール（両面接着テープ）１４で封止するようにしている。
また、外装パネル３を図４のユニット本体のフレーム６に組み付ける際に、フレーム側のボルト下穴と外装フレーム３のボルト嵌挿穴とが組立誤差などにより多少ずれていても、前記のようにフレーム１５の穴をテーパー穴としておくことで、ボルト穴を調整し直すことなくボルト７の向きを多少傾けてフレーム６のボルト穴に螺合することができる。

本発明の実施例による外装パネルの要部構造図で、（ａ）は断面図、（ｂ）は（ａ）におけるスペーサの拡大斜視図 従来における外装パネルの構造図で、（ａ）は一部切欠の裏面図、（ｂ）は（ａ）の矢視Ｘ−Ｘ断面図 本発明の実施対象となる空調ユニットの外観図 図３の組立構造図

符号の説明

１ 空調ユニット本体
３ 外装パネル
６ ユニット本体のフレーム
７ ボルト
１１ 外パネル板
１２ 内パネル板
１３ 発泡樹脂
１５ スペーサ
１５ａ 嵌合部
１６ クッション座

Claims (2)

1. 空調機器を搭載した本体フレームを包囲してその周面に布設した空調ユニットの外装パネル構造であって、その外装パネルが外パネル板と内パネル板との間の空間に発泡樹脂を注型発泡させた構造になり、該パネルに穿孔したボルト挿通穴にボルトを通して本体フレームに締結したものにおいて、
   前記ボルト挿通穴に位置を合わせて外パネル板と内パネル板との間にボルトを挿通する筒状のスペーサを介装し、かつ該スペーサはその一端に嵌合部を形成した上で、該嵌合部を相手側パネル板のボルト挿通穴に嵌入して位置決め保持するとともに、他端面にはシール兼用のクッション座を重ね、該クッション座を相手側パネル板の内面に押し当ててスペーサとの間を封止したことを特徴とする空調ユニットの外装パネル構造。
2. 請求項１記載の外装パネル構造において、スペーサのボルト挿通穴が内パネル板に向けて穴径を拡大したテーパー穴になることを特徴とする空調ユニットの外装パネル構造。

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