JP2007022714A - エレベータ - Google Patents

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Isao Noda
功 野田
Koji Sato
佐藤廣次
Takeshi Takamura
剛 高村
Tsutomu Inoue
勤 井上
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Abstract

【課題】免震装置付建築物にガイドレールを壁つなぎ部を介して取り付けた場合、地震で横揺れが発生してもガイドレールは地震と共に横揺れしないようにして、地震によりガイドレールに曲げや破損が発生しない、ガイドレールの滑り支承機構を提供する。
【解決手段】ベース4と基礎コンクリート5との間に、滑り支承機構上部17Aと滑り支承機構下部17Bとから成る滑り支承機構17を介在させて据え付ける。地震で横揺れが生ずると、滑り支承機構下部17Bは基礎コンクリート5と共に横揺れするが、滑り支承機構上部17Aはそれに対して滑るので、ガイドレール1は横揺れしない。
【選択図】図5

Description

本発明は、建物等の構築物に取り付けられるエレベータに関するものである。
建物等の構築物に取り付けられるエレベータとしては、例えば工事用のエレベータがある。一方、高層建築等の構築物には、阪神淡路大地震の教訓に学び、免震装置が施されるものが多くなって来ている。なお免震装置とは、積層ゴムとか滑り支承等により下部構築物の地震の横揺れを吸収し、その横揺れが上部構築物へ伝わるのを、出来るだけ少なくなるようにした装置である。
図6は、免震装置付構築物に取付けられた従来のエレベータを示す図である。図6において、1はガイドレール、2は壁つなぎ部、3はラック、4はベース、5は基礎コンクリート、6は地面、7は免震装置付構築物、8は支持柱、9は壁体、10は間隙、11は免震装置、12は2階フロア、13は壁体、14は支持柱、15は基礎部、16は1階フロアである。
支持柱は、重みに耐えて建物を支持する柱であるが、免震装置付構築物7の1階の支持柱14の上には免震装置11が施され、その上に2階の支持柱8が立てられている。地震による横揺れが上部構築物に出来るだけ伝わらないようにするため、免震装置11が設けられた部分を境にして、主たる構造部分は上下が接続されないようにされている。例えば、免震装置11より下の建物の壁体13と、それより上の壁体9との間も、上下接続されないよう間隙10が設けられている。
ガイドレール1は、このような免震装置付構築物7の外側に取り付けられているエレベータのものである。エレベータの種類にはいろいろあるが、ここに示すガイドレール1は、ケージの両側が、それぞれ別の独立したガイドレールに支持されて昇降するようにしたタイプのエレベータのものである。ケージの両側の昇降用の歯車は、各ガイドレールのラック3に噛み合わされている。
このようなガイドレール1を地面に据え付けるには、まず地面6に基礎コンクリート5を打ち、これにガイドレール1のベース4を取り付けることにより据えつけていた。
図3は、従来のエレベータのガイドレール据付部を示す図であり、符号は図6のものに対応している。基礎コンクリート5の上に、ボルト24を用いてベース4が取り付けられており、ガイドレール1はそのベース4に固定されている。
図6に戻るが、上記のように基礎コンクリート5に据えつけられたガイドレール1の上部は、壁つなぎ部2により免震装置付構築物7の壁体9に固定される。壁つなぎ部2の設置間隔は、構築物の高さ等に応じて適宜に決定される(例えば、9m間隔)。図6に示した例では、地面6からみて最初にある壁つなぎ部2は、免震装置11が設置されている箇所より上であるところの、2階の壁体9に取り付けられている。
特開2000−063060号公報
(問題点)
前記した従来のエレベータには、地震で横揺れが発生した時に、ガイドレール1が曲がったり破損したりすることがあるという問題点があった。
(問題点の説明)
図7は、地震で横揺れした時の従来のエレベータの状態を示す図である。符号は図6のものに対応し、1E,4E,5E,13E,14E,15Eは、それぞれ地震で揺れたガイドレール1,ベース4,基礎コンクリート5,壁体13,支持柱14,基礎部15であり、Xはガイドレールの壁つなぎ部2付近の部分を示している。
免震装置付構築物7には1階と2階の支持柱14,8の間に免震装置11が施されているので、地震で1階が横揺れした場合、その横揺れがそのまま2階以上に伝わることはない。
さて、地震で横揺れした場合の免震装置付構築物7およびガイドレール1の揺れ方を調べてみると、それぞれ次の通りである。
(1)免震装置付構築物7の揺れ方
地面6が横揺れすると、基礎部15は点線で示す基礎部15Eのように横揺れするため、それに固定されている支持柱14,壁体13等も点線で示す壁体13E,支持柱14Eのように横揺れする。
しかし、支持柱14の横揺れは、その上に免震装置11が施されているため、そこで吸収され、2階の支持柱8へは殆ど伝わらない。また、壁体13とその上の壁体9との間には間隙10が設けられているので、壁体13の横揺れは壁体9へは伝わらない。
(2)ガイドレール1の揺れ方
地面6が横揺れすると、基礎コンクリート5が点線で示す基礎コンクリート5Eのように横揺れするから、それに固定されているベース4やガイドレール1の根元付近も、点線で示すベース4E,ガイドレール1Eのように横揺れする。しかし、壁つなぎ部2が固定されている壁体9は、免震装置11より上の部分であるから、前記したように殆ど横揺れしない。
そのため、ガイドレール1に対して設けられている壁つなぎ部2の内、免震装置11より上であって且つ最初に設けられている壁つなぎ部2付近の部分(部分X)には、地震と共に横揺れしようとする部分と、殆ど横揺れしない部分とが存在することとなる。その結果、ガイドレール1が曲がってしまったり、破損してしまったりすることがあった。
本発明は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明では、ガイドレールのベースを基礎コンクリートに固定して据え付けるエレベータにおいて、前記ベースと前記基礎コンクリートとの間に滑り支承機構を介在させて据え付けるようにした。
その典型的な例としては、滑り支承機構が、ガイドレールのベースの下面に固着したベースプレートと該ベースプレートの下面に固着した滑り支承体とから成る滑り支承機構上部と、基礎コンクリートの表面に固着された他のベースプレートとから成る滑り支承機構下部とにより構成され、該滑り支承機構下部の上に前記滑り支承機構上部の滑り支承体が接するよう載置されて据え付けられるようにしたものがある。
本発明のエレベータによれば、ガイドレールのベースと基礎コンクリートとの間に滑り支承機構を設け、地震で横揺れが発生してもガイドレールは地震と共に横揺れしないようにしたので、免震装置付構築物に取り付けて使用した場合、地震によりガイドレールに曲げや破損が発生することがなくなった。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図4は、免震装置付構築物に取付けられた本発明エレベータを示す図である。符号は図6のものに対応し、17は滑り支承機構、17Aは滑り支承機構上部、17Bは滑り支承機構下部である。
構造上、図6の従来例と相違する点は、ガイドレール1のベース4と基礎コンクリート5との間に、滑り支承機構17を介在させた点である。なお、本発明における滑り支承機構17は、滑り支承機構上部17Aと滑り支承機構下部17Bとから構成されている。
次に、ガイドレール1の据え付け部付近を詳細に説明する。
図1は、本発明エレベータのガイドレール据付部を示す図である。符号は図4のものに対応し、18はボルト、19は第1ベースプレート、20はねじ、21は滑り支承体、22はボルト、23は第2ベースプレートである。図1(1)はラック3を横から見る方向で見た図であり、図1(2)はラック3の歯を正面から見る方向で見た図である(因みに、図1(1)の図を図中の矢印Aの方向に見た図が図1(2)であり、図1(2)の図を図中の矢印Bの方向に見た図が図1(1)である。)。
本発明エレベータのガイドレール1のベース4は、滑り支承機構17を介在させて基礎コンクリート5の上に設置されているが、その滑り支承機構17は、例えば、次のような構成をしている。
ベース4に対しては、第1ベースプレート19がボルト18により取り付けられ、更にこの第1ベースプレート19に対して、滑り支承体21がねじ20により取り付けられる。滑り支承体21の大きさ(面積)は、第1ベースプレート19程に大きいものでなくともよく、ガイドレール1からの荷重が最もかかる付近の底面を覆う程度の大きさでよい。因みに、最も荷重がかかるのは、ラック3の底面付近である。なぜなら、昇降するケージの片側が係合されるのはラック3であるから、ケージの半分の荷重は先ずラック3に掛かるからである。
なお、滑り支承体21としては、大きな荷重を受けてもそれに耐えることが出来る堅牢性を有し、且つ摩擦係数の少ない板材が用いられるが、そのようなものは既に公知となっている。
一方、基礎コンクリート5に対しては、第2ベースプレート23等がボルト22により取り付けられる(積層するベースプレートの数は、必要に応じて適宜決定することが出来る。)。第2ベースプレート23の大きさ(面積)は、第1ベースプレート19より大きいことが望ましい。その理由は、後述するように、地震で横揺れした場合、この上で滑り支承体21を横滑りさせるためのプレートだからである。
なお、第1,第2ベースプレートはガイドレール1の荷重を受けるから、言うまでもなく堅牢な板材であることが必要であり、例えば、鉄板,ステンレス板等が用いられる。
図2は、ガイドレール据付部の滑り支承機構を上部,下部に分離して示した図である。符号は図1のものに対応し、17Aは滑り支承機構上部、17Bは滑り支承機構下部である。滑り支承機構上部17Aは、滑り支承機構17の内、ガイドレール1のベース4側に固定されている部分であり、滑り支承機構下部17Bは、基礎コンクリート5側に固定されている部分である。
ここでは構造を分かり易くするため、滑り支承機構上部17Aと滑り支承機構下部17Bとを少し上下に離して描いてある。ガイドレール1の基礎コンクリート5への据え付けは、底部に滑り支承機構上部17Aが固定されたガイドレール1を、矢印Cで示すように下ろして行き、基礎コンクリート5に固定された滑り支承機構下部17Bの上に載置することによって行う。なお、ガイドレール1の上部は、幾つかの壁つなぎ部2で構築物の壁面に固定される。
次に、ガイドレールが上記のようにして据え付けられたエレベータの、揺れ方について説明する。
図5は、地震で揺れた時の本発明エレベータの状態を示す図である。符号は図4,図7のものに対応し、17BEは地震で揺れた時の滑り支承機構下部17Bを示している。
地震で横揺れが生じた場合、免震装置付構築物7は従来と同様(図7で説明したのと同様)の揺れ方をする。即ち、免震装置11から下の部分は地面6と共に横揺れするが、それより上の部分は殆ど横揺れしない。
一方、ガイドレール1の揺れ方は、図7で説明した従来のものとは異なる。即ち、点線で示す基礎コンクリート5Eや滑り支承機構下部17BEのように、地面6と共に横揺れするのは、基礎コンクリート5と滑り支承機構下部17Bである。しかし、滑り支承機構上部17Aから上の部分は、その横揺れについて動くことはせず、結局、横揺れはしない。
その理由は、滑り支承機構上部17Aと滑り支承機構下部17Bとは、単に滑り支承体21と第2ベースプレート23とが接触させられているだけであるという点と、滑り支承体21は摩擦係数が小さくよく滑る部材である点にある。第2ベースプレート23は基礎コンクリート5に固定されているから、それと共に横揺れするが、滑り支承体21は第2ベースプレート23に接触しているから、一応その動きに引っ張られて動こうとはするが、摩擦係数が小さくて表面を滑ってしまうので、引っ張られて行くことはない。結局、滑り支承機構上部17Aから上の部分は、地震によっては横揺れしない。
その結果、地震の横揺れが発生した場合、図7で説明したような、ガイドレール1を歪ませる力は、ガイドレール1のどの部分においても発生することがない。従って、ガイドレール1が、地震により曲げられたり破損したりすることはなくなる。
本発明エレベータのガイドレール据付部を示す図 ガイドレール据付部の滑り支承機構を上部,下部に分離して示した図 従来のエレベータのガイドレール据付部を示す図 免震装置付構築物に取付けられた本発明エレベータを示す図 地震で揺れた時の本発明エレベータの状態を示す図 免震装置付構築物に取付けられた従来のエレベータを示す図 地震で揺れた時の従来のエレベータの状態を示す図
符号の説明
1,1E…ガイドレール、2…壁つなぎ部、3…ラック、4,4E…ベース、5,5E…基礎コンクリート、6…地面、7…免震装置付構築物、8…支持柱、9…壁体、10…間隙、11…免震装置、12…2階フロア、13,13E…壁体、14,14E…支持柱、15,15E…基礎部、16…1階フロア、17…滑り支承機構、17A…滑り支承機構上部、17B…滑り支承機構下部、18…ボルト、19…第1ベースプレート、20…ねじ、21…滑り支承体、22…ボルト、23…第2ベースプレート、24…ボルト

Claims (2)

  1. ガイドレールのベースを基礎コンクリートに固定して据え付けるエレベータにおいて、
    前記ベースと前記基礎コンクリートとの間に滑り支承機構を介在させて据え付けるようにしたことを特徴とするエレベータ。
  2. 滑り支承機構が、
    ガイドレールのベースの下面に固着したベースプレートと、該ベースプレートの下面に固着した滑り支承体とから成る滑り支承機構上部と、
    基礎コンクリートの表面に固着された他のベースプレートとから成る滑り支承機構下部とにより構成され、
    該滑り支承機構下部の上に前記滑り支承機構上部の滑り支承体が接するよう載置されて据え付けられることを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
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