JP2006169773A - 木造住宅用免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 木造住宅の基礎と土台の間に設置する低コストの免震装置を提供する。
【解決手段】 基礎に埋設されるアンカーボルト(11b)とその上端から上方に延在する両円錐型スプリング(11a)とを具備するスプリング部材(11)と、土台の下面を支持するべく設置される板状部材であって両円錐型スプリングの上端を固定した土台敷設板(13)と、基礎上に載置される自在キャスター(12a)とその上端から土台敷設板を貫通して上方に延在して土台に対して固定可能な上部固定ボルト(12b)とを具備するキャスター部材(12)とを有し、自在キャスター(12a)が基礎上を転動し両円錐型スプリング(11a)が伸長することにより基礎と土台とが相対的に水平移動可能である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、木造住宅においてコンクリート基礎と土台との間に設ける免震装置に関する。
従来のこの種の技術は、下記のようになっている。すなわち、従来の木造住宅の免震装置は、大手住宅メーカー等が独自の工法により施工するものであり、一般的に普通の工務店では困難であるのが現状である。特殊な環境の中にあると共に、工法単価も高額な費用がかかるものばかりである。
例えば、コンクリート基礎(以下、単に「基礎」と称する)と土台との間に挿入される構造物として、凹面の上をボール又はローラーが転がり加速度を低減する転がり支承、または凹面の皿の上を滑り部が滑り、加速度を低減する滑り支承の形態のものがある(特許文献1〜3等)。さらに、ゴム変形により加速度を低減する積層ゴム支承の形態のものがある(特許文献4)。
特開平9−317236号公報 特開2003−56201号公報 特開2004−162410号公報 特開2002−70358号公報
従来の技術には、一応下記のような問題点を指摘することができる。
積層ゴム支承のものは、大重量建造物には有効であるが、木造住宅のような比較的軽い建物では効果が少なかった。
木造住宅を対象としたものでは、転がり支承や滑り支承が従来よく用いられるが、特殊な凹面を形成するための加工コストが高い。またその多くは、高減衰ゴムを併用しているため材料コストも高くなる。また、設置工程が複雑となるため、作業負担も大きい。
以上の現状に鑑み、本発明は、免震木造住宅がより多く普及することを目的とし、従来の工法より施工が簡単であり一般工務店でも施工し易く、かつ入手の容易な一般的な材料で安価に施工できると共に免震性能の高い木造住宅用の免震装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決すべく本発明は、以下の構成を提供する。尚、括弧付き半角数字は、後述する図中の対応する構成要素の符号である。
(1)請求項1に係る発明は、木造住宅の基礎と土台の間に設置する免震装置において、前記基礎に埋設されるアンカーボルトと該アンカーボルトの上端から上方に延在する両円錐型スプリングとを具備するスプリング部材と、
前記土台の下面を支持するべく設置される板状部材であって前記両円錐型スプリングの上端を固定した土台敷設板と、
前記基礎上に載置される自在キャスター(12a)と該自在キャスターの上端から前記土台敷設板を貫通して上方に延在して前記土台に対して固定可能な上部固定ボルト(12b)とを具備するキャスター部材(12)とを有し、
前記自在キャスターが前記基礎上を転動し前記両円錐型スプリングが伸長することにより前記基礎と前記土台とが相対的に水平移動可能であることを特徴とする。
(2)請求項2に係る発明は、請求項1に記載の木造住宅用免震装置において、前記両円錐型スプリング(11a)が予め張力を付与された状態で固定されることを特徴とする。
(3)請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の木造住宅用免震装置において、前記土台敷設板(13)がI型、十字型、L型、T型のいずれかの平面形状を有することを特徴とする。
(4)請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の木造住宅用免震装置において、前記自在キャスター(12a)の転動する範囲内において前記基礎上に敷き板(23)を設置したことを特徴とする。
(5)請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の木造住宅用免震装置において、前記基礎(21)と該土台敷設板(13)の間の距離より長い長さを有し、前記基礎に対して一端が固定されかつ前記土台敷設板に対し他端が固定されることにより、該基礎と該土台との相対的な水平移動の距離を制限する移動制限ワイヤ(14)をさらに有することを特徴とする。
(6)請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の木造住宅用免震装置(10)と共に用いるべく木造住宅の外周に設けられる床下防護板(40)であって、前記木造住宅の外周に位置する基礎(21)の外側縁部から垂直上方に起立させて設けた外周防護壁(22)と、該基礎の上方に前記免震装置を介して設置される土台(30)との間の間隙(S)に架け渡され、かつ該床下防護板の内側の縁部のみが第1の蝶番(42a)により該土台へ固定され、外側の縁部は固定されないことを特徴とする。
(7)請求項7に係る発明は、請求項6において、前記床下防護板(40)は、第2の蝶番(42b)で互いに連結された2枚の板材(41a、41b)を具備し、平常時の状態において第1の板材(41a)が前記第1の蝶番(42a)から斜め下方へ前記外周防護壁(22)の上端まで延在し、さらに該第2の蝶番により連結された第2の板材(41b)が該外周防護壁の外面に沿って垂下することを特徴とする。
請求項1に係る木造住宅用免震装置を、木造住宅の基礎と土台の間に施工した場合、平常時(地震の発生していないとき)には、静止しているキャスター部材と、アンカーボルト付きのスプリング部材により建物を支持する。自在キャスターは、木造住宅の土台より上部の構造体を支持するために十分な耐荷重をもつものとする。地震時には、平滑な基礎のコンクリート天端面の上を自在キャスターが転がり、両円錐型スプリングが伸長することにより、基礎と土台が相対的に水平移動して地震の激しい揺れを受け流し、建物内の揺れを軽減することができる。
両円錐型スプリングは、中央部の径が大きく両端に向かってテーパー状に径が小さくなっていく形状のスプリングである。斯かる2つのテーパー状部分をもつスプリングは、同等のバネ定数及び自由長をもつストレート形状のスプリングよりも長い伸長ストロークが得られる。従って、基礎と土台の間の限られた空間に挿入可能であってかつできるだけ大きな伸長ストロークを得ようとする本用途に適している。
斯かる両円錐型スプリング及び自在キャスターにより地震の揺れの加速度を低減させ、建物の安全性を向上させると共に、建物内の人々や家具、設備機能を安全に保つことができる。建物の倒壊の心配がないだけでなく、建物内部の家具転倒等による被害を防ぐことができる。
また、施工においても、従来の汎用的アンカーボルトの埋設と同様の手順で本発明のスプリング部材のアンカーボルトを埋設すればよい。また、従来の汎用的アンカーボルトの上部を土台に固定する手順と同様に、本発明のキャスター部の上部固定ボルトを土台に固定すればよい。従って、本発明は、従来の基礎と土台の施工工程の一部を変更するのみで、ほぼ同じ手順で施工することができる。
さらに、例えば、現在建っている木造住宅に対し従来の土台上げ工事を行った後に、本発明を適用して基礎の改良工事することもできる。このように、本発明は、新築のみでなく既存の木造住宅を免震構造住宅に変更するために適用することも可能である。
請求項2では、両円錐型スプリングを予め張力を付与した状態で固定するので、平常時にも土台と基礎とを互いに引き寄せる効果を奏する。この結果、基礎と土台の間のより強固な結合構造を実現する。
請求項3では、土台敷設板の平面形状として種々の形状が可能であるので、基礎天端面の種々の平面形状に対応できる。すなわち基礎の直線部分、十字部分、直角部分、T字状部分に沿うことができる平面形状をもつ土台敷設板を選択してそれぞれ配置することができる。
請求項4では、基礎の天端面に自在キャスターの敷き板を設置したことにより、自在キャスターが円滑に転動できると同時に、基礎の天端面を強化することで耐荷重性を高めることができる。
請求項5では、基礎と土台敷設板の間をさらに移動制限ワイヤにより連結したことにより、自在キャスターの転動及び両円錐型スプリングの伸長による基礎と土台の相対的水平移動の範囲を、移動制限ワイヤの長さにより制限することができる。これにより、極めて激しい揺れが発生した場合にも、両円錐型スプリングの弾性限界を超えてスプリングが破損することを防ぎ、また、自在キャスターが基礎の天端面から脱落することを防ぐことができる。
請求項6は、請求項1〜5のいずれかの免震装置と共に適用される木造住宅の外周に設けられる床下防護板に係る。通常、住宅外周を形成する基礎の外側縁部には、垂直上方に起立する外周防護壁が設けられる。上記の免震装置を設置すると、この外周防護壁と土台の間の間隙が、土台と基礎の間の相対的水平移動により変動する。従って、この間隙を覆うために架け渡される床下防護板においては、その内側の縁部のみが第1の蝶番で土台の外側面に固定され、外側の縁部を固定しないようにする。これにより、間隙の幅が変動した場合にも、固定されていない外側の縁部が移動することにより対応できる。
請求項7は、請求項6の床下防護板を2枚の板材を第2の蝶番で連結した2分割構成とする。これにより、第2の蝶番の外側に連結された板材は、支持されない状態では下方に垂下することができるので、住宅の外側へ突き出て余分な空間をとったり邪魔になったりすることが避けられる。
その他、本発明の免震装置の各構成部品は、一般の工務店でも安価に入手または加工がし易く、一般の工務店レベルの技術でも施工がし易い。これにより、全国的に免震構造木造住宅を普及させることに寄与できる。
以下、図面を参照して実施の形態の詳細を説明する。
図1は、基礎21の上に本発明の木造住宅用免震装置10(以下、「免震装置」と略称する場合がある)を複数配置した状態を例示する模式的な平面図である。説明のために布基礎を例示するが、本発明は、コンクリート打設により施工される木造住宅用の基礎に適用することができ、布基礎のみでなくべた基礎にも適用できる。図2は、平面形状の異なる種々の免震装置10の実施例を模式的に示す図である。図3は、図1に示した免震装置10の一実施例の概略的な側面図である。
図1には、基礎21の天端面の平面形状が示されている。基礎21の天端面の幅の中央位置に複数の免震装置10が適宜の間隔で配置されている。本発明の免震装置10は、基礎21と土台(図示されていない)の間に設置されるものである。隣り合う免震装置10同士は、直接的には連結されておらず独立している。図2に示すように、免震装置10は、種々の平面形状とすることが可能であり、図1の基礎の天端面におけるそれぞれ該当する部分に配置することが好適である。すなわち、I型は直線状部分に、十型は十字部分に、L型は直角部分に、T型はT字状部分に配置することができる。
図3は、図2に示したI型の免震装置10の側面図である。免震装置10の主たる構成要素は、スプリング部材11、キャスター部材12及び土台敷設板13である。I型の免震装置10では、長方形平板である土台敷設板13の中央に1つのスプリング部材11が設けられ、2つのキャスター部材12が土台敷設板13の両端にそれぞれ設けられる。図2に示すように、十型では中央に1つのスプリング部材11と4隅に4つのキャスター部材12が設けられ、L型では角部に1つのスプリング部材11と各端部の2つのキャスター部材12が設けられ、T型では分岐部に1つのスプリング部材11と各端部の3つのキャスター部材12が設けられる。
図3に示すように、スプリング部材11は、アンカーボルト11bを具備し、この部分は基礎21に埋設される。図示のアンカーボルト11bは、下方に延びてその下端で直角に折れている。アンカーボルト11bの深さは例えば150〜250mmである。このようなアンカーボルト11bの形状は、従来の基礎と土台を連結する汎用的アンカーボルトにおいても一般的である。アンカーボルト11bの上端からコイルスプリングが上方に延在する。このコイルスプリングは、両円錐型スプリング11aである。両円錐型スプリング11aは、長さ方向中央部の径が最も大きく、両端に向かってテーパー状に径が小さくなっていく形状である。
両円錐型スプリング11aの上端には、土台敷設板13への取り付け用のボルト11cが螺設されており、この部分が土台敷設板13に穿設した取り付け孔を貫通してナット11dで締結される。このように、両円錐型スプリング11aの下端は基礎21に固定され、上端は土台敷設板13(すなわち最終的には土台)に固定される。スプリング部材11は、例えば、ステンレス製または鍍金製であり、両円錐型スプリング11aの最大直径は13〜16mmとする。尚、各構成部材の寸法については例示であり、これに限定されない(以下同様)。
土台敷設板13は、土台の下面を支持するための板状部材である。例えば、ステンレス製または鍍金製である。I型の場合は、長さ1200mm、幅100mm、厚さ9〜12mmである。その他の十型、L型、T型についても幅及び厚さについては共通する。
キャスター部12は、自在キャスター12aと、この自在キャスター12a上端から上方に延在する上部固定ボルト12bとを具備する。上部固定ボルト12bは、土台敷設板13に穿設された取付孔を貫通してナット12cにより土台敷設板13に固定され、さらに上方に延びている。この上部固定ボルト12bは、土台を貫通して固定されるため、土台の寸法に応じて適宜の長さに設定される。
自在キャスター12aは、超重量級の耐荷重をもつキャスターであり、例えば、耐荷重1〜1.5tであるが、支持しようとする住宅構造の重量に応じて適宜設定される。自在キャスターであるのでいずれの方向にも円滑に転動することができる。尚、図示の例では車輪型であるが、ボール型であってもよい。
図4は、図3に示した免震装置10を基礎21上に設置し、さらに土台30を取り付けた状態を示す概略的な斜視図である。図示の例では、自在キャスター12aが転動する範囲内において、基礎21上に敷き板23を設置している。敷き板23は、基礎21の補強と自在キャスター12aの円滑な転動を実現するために設ける。敷き板23は、例えばステンレス製であり、好適には図示の通り連続面となるように基礎21に埋設し、適宜ボルト等(図示せず)で固定する。寸法は、例えば、縦横300mm×300mmであり、厚さ9mmである。尚、敷き板23の設置は任意である。
土台30は、土台敷設板13の上に載置される。従って、土台敷設板13の上面と土台30の下面とは当接する。このため、両円錐型スプリング11a固定用のナット11c及び自在キャスター12a固定用のナット12cが障害とならないように、土台30の下面に適宜のざくり穴(図示せず)が穿設されている。
自在キャスター12aの上部固定ボルト12bは、土台30に穿設したボルト通し孔を貫通して延び、その上端が土台30の上面から突出する。突出した上端をナット12dで締結することにより、免震装置10と土台30を互いに固定する。これにより、キャスター部材12、土台敷設板13及び土台30が一体化される。尚、スプリング材11については、両円錐型スプリング11aの上端が土台30に固定され、下端は基礎21に固定されている。
土台30の断面寸法は、一般的に、幅L1が105mm、高さL2が105〜300mm程度であり、長さは柱間の長さにより決定される。基礎の幅L3は、例えば900mmである。
図5は、木造住宅の外壁近傍における模式的かつ概略的な断面図であり、図1のX−Xの位置の断面に相当する。図5は、平常時すなわち地震による揺れのないときの状態である。本発明の免震装置10は、基礎21と土台30の間に設置されている。平常時には、土台30は基礎21の幅の中央に位置している。土台30の上には、床材47が、さらにその上に住宅構造(図示せず)が設置される。一般的に、住宅構造の屋外に面した壁には外装45が設置され、外装45の下端には水切り46が取り付けられる。
一方、木造住宅の外周に位置する基礎21の外側縁部には、垂直上方に起立する外周防護壁22が設けられている。外周防護壁22の高さは、例えば、基礎21の天端面からほぼ300mmである。図5に示すように、外周防護壁22と土台30の間には間隙Sが設けられている。この間隙Sに水や異物が侵入しないように、間隙Sを覆う床下防護板40が設けられる。床下防護板40は、木造住宅の外周において間隙Sが存在する部分には全て設けられる。床下防護板40は、その内側の縁部が第1の蝶番42aにより土台30の外側面に固定される一方、外側の縁部は、外周防護壁22の上端へ向かって斜め下方へ延びている。床下防護板40の外側の縁部は固定されていない。こうして、床下防護板40は、土台30と外周防護壁22の間に架け渡される。外周防護壁22の上端面の形状は、床下防護板40の下面に沿うように傾斜している。
図5の例では、床下防護板40は、第2の蝶番42bで互いに連結された2枚の板材41a、41bを具備し、平常時の状態では、第1の板材41aが第1の蝶番42aから斜め下方へ外周防護壁22の上端まで延び、さらに第2の蝶番42bにより連結された第2の板材41bが外周防護壁22の外面に沿って垂下している。
図6は、図5と同様の木造住宅の外壁近傍における模式的かつ概略的な断面図であり、図1のY−Yの位置の断面に相当する。
図7は、図3に示した本発明の免震装置10の取り付け方法を示す図である。先ず、図7(A)に示すように、基礎21のコンクリート打設の際にスプリング部材11のアンカーボルト11bを埋設する。コンクリートが固化した後、図7(B)に示すように、土台敷設板13にキャスター部材12を固定したものを基礎21上に載置する。この時点では、両円錐型スプリング11aは自然長L4の状態であり、負荷は掛かっていない。両円錐型スプリング11aの自然長L4は、基礎21と土台敷設板13との間の距離L5よりも短い。次に、図7(C)に示すように、両円錐型スプリング11aを引っ張り、伸長させた状態で上端を土台敷設板13に固定する。このように、両円錐型スプリング11aは、予め張力を付与された状態で固定されることが好適である。これにより、両円錐型スプリング11aは、基礎と土台とを互いに引き寄せる効果を奏する。
図8は、地震時の免震装置10の状態を模式的に示す図である。図8では、基礎21の長手方向に揺れが発生した場合を示す。図8(A)は、平常時の状態である。図8(B)は、矢印で示す揺れ方向に基礎21が揺れた場合の状態を示す。基礎21が矢印の方向に動くと両円錐型スプリング11aの下端は基礎と一体的に移動する。一方、両円錐型スプリング11aの上端は土台に固定されており、慣性により静止状態を維持しようとする。この結果、両円錐型スプリング11aは図示のように伸長し、同時に自在キャスター12aは矢印のように基礎21上を転動する。図8(C)は、図8(B)とは逆の方向に揺れた場合の状態を示す。
図9もまた、地震時の免震装置10の状態を模式的に示す図である。図9では、基礎21の幅方向に揺れが発生した場合を示す。図9(A)は、矢印で示す揺れ方向に基礎21が揺れた場合の状態を示す、図6に相当する断面図である。揺れの方向は異なるが図8(B)に示した場合と同様に、両円錐型スプリング11aの下端は基礎21と一体的に移動する一方、土台に固定された上端は静止状態を維持しようとするため、両円錐型スプリング11aが伸長し、自在キャスター12aが基礎21上を転動する。この場合、土台30が外周防護壁22から離れるため、その間隙Sが広くなる。その結果、間隙Sを覆う床下防護板40の第1の板材41aが土台30により引っ張られるため、第2の蝶番42bが広がり第2の板材41bが間隙Sを覆うように引き出される。
図9(B)は、図9(A)とは逆の方向に揺れた場合の状態を示す、図6に相当する断面図である。この場合、土台30が外周防護壁22に近づくため、その間隙Sが狭くなる。その結果、床下防護板40の第1の板材41aは土台30により押し出されるため、第2の蝶番42bが折れて第2の板材41bが外周防護壁22から突出して垂れ下がる。
図8及び図9に示したように、地震発生時には、本発明の免震装置10の自在キャスター12aが揺れの方向に応じて前記基礎上を転動し、両円錐型スプリング11aが伸長することにより、基礎21と土台30とが相対的に水平移動可能である。こうして、土台30の上に設置されている住宅構造物の揺れが大幅に軽減される。
図10は、本発明の免震装置10の別の実施例を示す図である。本実施例では、基礎21と土台敷設板13の間を連結する移動制限ワイヤ14がさらに設けられる。図10(A)は、平常時の状態である。移動制限ワイヤ14は、基礎21と土台敷設板13の間の距離より長い長さをもち、基礎21に対して一端が固定されかつ土台敷設板13に対し他端が固定される。移動制限ワイヤ14の両端の固定位置は、平常時においては垂直方向に一致している。従って、平常時には移動制限ワイヤ14は弛緩した状態である。図10(B)及び図10(C)は、地震時の移動制限ワイヤ14の状態を示す図である。揺れの方向はそれぞれ矢印で示されている。基礎21と土台とが相対的に水平移動すると、移動制限ワイヤ14の両端の固定位置が互いにずれる結果、移動制限ワイヤ14は弛んだ状態から直線状態まで伸ばされる。移動制限ワイヤ14が直線状態まで伸ばされると、それ以上の基礎21と土台との相対的な水平移動が制限される。もちろん、移動制限ワイヤ14の耐久力の範囲内においてである。移動制限ワイヤ14は、例えばステンレス製である。
基礎21の上に本発明の木造住宅用免震装置10(以下、「免震装置」と略称する場合がある)を複数配置した状態を例示する模式的な平面図である。 平面形状の異なる種々の免震装置10の実施例を模式的に示す図である。 図1に示した免震装置10の一実施例の概略的な側面図である。 図3に示した免震装置10を基礎21上に設置し、さらに土台を取り付けた状態を示す概略的な斜視図である。 木造住宅の外壁近傍における模式的かつ概略的な断面図であり、図1のX−Xの位置の断面に相当する図である。 図5と同様の木造住宅の外壁近傍における模式的かつ概略的な断面図であり、図1のY−Yの位置の断面に相当する図である。 (A)〜(C)は図3に示した本発明の免震装置10の取り付け方法を示す図である。 地震時の免震装置10の状態を模式的に示す図である。(A)は、平常時の状態である。(B)は、矢印で示す揺れ方向に基礎21が揺れた場合の状態を示す。(C)は、(B)とは逆の方向に揺れた場合の状態を示す。 地震時の免震装置10の状態を模式的に示す図である。(A)は、矢印で示す揺れ方向に基礎21が揺れた場合の状態を示す、図6に相当する断面図である。(B)は、(A)とは逆の方向に揺れた場合の状態を示す、図6に相当する断面図である。 本発明の免震装置10の別の実施例を示す図である。(A)は、平常時の状態である。(B)及び(C)は、地震時の移動制限ワイヤ14の状態を示す図である。
符号の説明
10 免震装置
11 スプリング部材
11a 両円錐型スプリング
11b アンカーボルト
11c ボルト
11d ナット
12 キャスター部材
12a 自在キャスター
12b 上部固定ボルト
12c ナット
13 土台敷設板
14 移動制限ワイヤ
21 基礎
22 外周防護壁部
23 キャスター用敷き板
30 土台
41a 床下防護板(第1の板材)
41b 床下防護板(第2の板材)
42a 第1の蝶番
42b 第2の蝶番
45 外装
46 水切り
47 床材

Claims (7)

  1. 木造住宅の基礎(21)と土台(30)の間に設置する免震装置(10)において、
    前記基礎に埋設されるアンカーボルト(11b)と該アンカーボルトの上端から上方に延在する両円錐型スプリング(11a)とを具備するスプリング部材(11)と、
    前記土台の下面を支持するべく設置される板状部材であって前記両円錐型スプリングの上端を固定した土台敷設板(13)と、
    前記基礎上に載置される自在キャスター(12a)と該自在キャスターの上端から前記土台敷設板を貫通して上方に延在して前記土台に対して固定可能な上部固定ボルト(12b)とを具備するキャスター部材(12)とを有し、
    前記自在キャスター(12a)が前記基礎上を転動し前記両円錐型スプリング(11a)が伸長することにより前記基礎と前記土台とが相対的に水平移動可能であることを特徴とする
    木造住宅用免震装置。
  2. 前記両円錐型スプリング(11a)が予め張力を付与された状態で固定されることを特徴とする請求項1に記載の木造住宅用免震装置。
  3. 前記土台敷設板(13)がI型、十字型、L型、T型のいずれかの平面形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の木造住宅用免震装置。
  4. 前記自在キャスター(12a)の転動する範囲内において前記基礎上に敷き板(23)を設置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の木造住宅用免震装置。
  5. 前記基礎(21)と前記土台敷設板(13)の間の距離より長い長さを有し、前記基礎に対して一端が固定されかつ前記土台敷設板に対し他端が固定されることにより、該基礎と該土台との相対的な水平移動の距離を制限する移動制限ワイヤ(14)をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の木造住宅用免震装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の木造住宅用免震装置(10)と共に用いるべく木造住宅の外周に設けられる床下防護板(40)であって、前記木造住宅の外周に位置する基礎(21)の外側縁部から垂直上方に起立させて設けた外周防護壁(22)と、該基礎の上方に前記免震装置を介して設置される土台(30)との間の間隙(S)に架け渡され、かつ該床下防護板の内側の縁部のみが第1の蝶番(42a)により該土台へ固定され、外側の縁部は固定されないことを特徴とする、木造住宅用免震装置と共に用いる床下防護板。
  7. 前記床下防護板(40)は、第2の蝶番(42b)で互いに連結された2枚の板材(41a、41b)を具備し、平常時の状態において第1の板材(41a)が前記第1の蝶番(42a)から斜め下方へ前記外周防護壁(22)の上端まで延在し、さらに該第2の蝶番により連結された第2の板材(41b)が該外周防護壁の外面に沿って垂下することを特徴とする請求項6に記載の、木造住宅用免震装置と共に用いる床下防護板。
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