JP2002129772A - 家屋の免震一段、二段及び三段構造 - Google Patents

家屋の免震一段、二段及び三段構造

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JP2002129772A
JP2002129772A JP2000245082A JP2000245082A JP2002129772A JP 2002129772 A JP2002129772 A JP 2002129772A JP 2000245082 A JP2000245082 A JP 2000245082A JP 2000245082 A JP2000245082 A JP 2000245082A JP 2002129772 A JP2002129772 A JP 2002129772A
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Nobuyoshi Kaneko
信義 金子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で施工も容易であり、しかもメン
テナンスが不要な家屋の免震一段、二段及び三段構造を
提供することにある。 【解決手段】 地盤Bと建物Eを支える基礎台Dとの間
に免震空間部Aを設け、免震空間部Aの少なくとも三カ
所に免震機能部1を分散配置しており、免震機能部1が
下支持体2と、下支持体2に相対向する上支持体3と、
上下支持体3,2間に介在する球体4とから成り、下支
持体2に上向き皿状面2aを、上支持体3に下向き皿状
面3aを備え、球体4が上向き皿状面2aと下向き皿状
面3aとに当接していて、地震時に定位置から任意方向
に転がり、地震の減少に伴い定位置に自然に戻る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地震、特に横揺
れに対する家屋の免震一段、二段及び三段構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】震災における建物の倒壊原因として、地
震と建物との振動が共振し、振幅が拡大することで発生
することが多い。地震対策として、地盤と建物とを切り
離し、その間に耐震装置を備えることが試みられてお
り、耐震装置として、ゴム板、叉はゴム板と金属板とを
交互に積層した積層ゴム式、平行する地盤と基礎との間
に回転体を介在した転がり支承式等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】積層ゴム式や転がり支
承式では、地震発生時に変化した変形を、地震の終了に
伴い現状に戻す装置、例えばダンパー等が必要とするの
で、その分、構造が複雑になり、価格も高くなる問題が
あった。しかも長期間に亘りメンテナンスを必要とする
問題点もあった。そこでこの発明は、従来技術の有する
このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目
的とするところは、構造が簡単で施工も容易であり、し
かもメンテナンスが不要な家屋の免震一段、二段及び三
段構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の家屋の免震一段構造は、請求項1として、
地盤と建物を支える基礎台との間に免震空間部を設け、
免震空間部の少なくとも三カ所に免震機能部を分散配置
しており、免震機能部が下支持体と、下支持体に相対向
する上支持体と、上下支持体間に介在する球体とから成
り、下支持体に上向き皿状面を、上支持体に下向き皿状
面を備え、球体が上向き皿状面と下向き皿状面とに当接
していて、地震時に定位置から任意方向に転がり、地震
の減少に伴い定位置に自然に戻る。
【0005】ここで基礎台とは、少なくとも建物(家
屋、車庫、物置等)を構築し得る程度の広さと、建物を
支え得る強度とを備えているものを言い、建物の床平面
に合わせて自由な形状が可能である。ここで免震機能部
の下支持体に設けた上向き皿状面とは、すり鉢状や濾斗
状を成すものも含まれるが、地震時に球体が定位置から
任意方向に移動し、地震の減少に伴い自然に現状に誘導
し得るものであれば、その形状は自由であり、上支持体
の下向き皿状面とは、上向き皿状面と対称形状を成すも
のが望ましいが、地震時に球体が定位置から任意方向に
移動し、地震の減少に伴い自然に現状に誘導し得るもの
であれば、その形状は自由であり、免震機能部とは、地
震エネルギーを緩衝し得るもので、特に横揺れに対して
緩衝力を有するものを言う。
【0006】本発明の家屋の免震二段構造は、請求項2
として、地盤と建物を支える基礎台との間に横部材を備
え、地盤と横部材の間に下位免震空間部を、基礎台と横
部材の間に上位免震空間部を設け、下位免震空間部の少
なくとも三カ所、及び上位免震空間部の少なくとも三カ
所に、請求項1記載の免震機能部を各々分散配置してお
り、横部材の強制移動により免震試験が可能となる。こ
こで横部材とは、基礎台と略平行し、独自に任意の横方
向に移動可能となるものを言い、免震試験とは、横部材
を外力により強制的に動かすことで、地震時の免震状態
を確認し得ることを言い、模型は勿論、実物においても
試験し得ることを言う。
【0007】本発明の家屋の免震三段構造は、請求項3
として、地盤と建物を支える基礎台との間に第一横部材
と第二横部材とを備え、地盤と第一横部材の間に下位免
震空間部を、基礎台と第二横部材の間に上位免震空間部
を、第一横部材と第二横部材の間に中位免震空間部を設
け、各免震空間部の少なくとも三カ所に請求項1記載の
免震機能部を各々分散配置しており、少なくとも第一横
部材の強制移動により免震試験が可能となる。
【0008】請求項4として、請求項1,2,3の家屋
の免震一段及び二段構造おいて、上向き皿状面の中心部
に下係止部を、下向き皿状面の中心部に上係止部を備え
ており、上下係止部の係止幅が球体径より小さく、平時
に球体が係止している。ここで上係止部とは、球体を係
止し得るものであれば形状は自由であるが、主に窪みや
面取り部、或いは貫通孔等を言い、下係止部とは、上係
止部と同様に球体を係止し得るものであれば形状は自由
であるが、上係止部と対称形状を成すものが望ましい。
上下係止部に対する球体の係止抵抗を大きくする程、球
体の初動作が遅くなり、地震の震度に対する感度が鈍く
なり、反対に、球体の係止抵抗を少なくする程、球体の
初動作が早くなり、地震の震度に対する感度が敏感にな
る。
【0009】請求項5として、請求項1,2,3,4に
おいて、基礎台に垂下部を備え、垂下部が免震機能部の
配置部を避けて設けてある。ここで垂下部とは、地震時
における基礎台の移動を安定にし、且つ基礎台に構築し
た建物に強風が吹き付けても、基礎台が起こされないよ
うにするものを言い、例えば基礎台の下側に設ける重
り、収納庫、格納室、或いは建物の地下室であり、また
基礎台を重量物で構成するものも含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明による家屋の免震構
造を説明すると、図1と図2は免震一段構造を示す第一
実施形で、地盤Bと建物Eを支える基礎台Dとの間に免
震空間部Aを設け、免震空間部Aの少なくとも三カ所に
免震機能部1を分散配置しており、免震機能部1は下支
持体2と、下支持体2に相対向する上支持体3と、上下
支持体3,2間に介在する球体4とから成り、下支持体
2に上向き皿状面2aを、上支持体3に上向き皿状面2
aに対向する下向き皿状面3aを備え、球体4が上向き
皿状面2aと下向き皿状面3aとに当接していて、地震
時に任意方向に転がり、地震の減少に伴い定位置に戻
り、主に横揺れを軽減しようとするものである。
【0011】下支持体2の上向き皿状面2aは、外周部
から中心部に向けて下降傾斜し、すり鉢状、濾斗状、半
球面状を成し、取付部2bを免震空間部Aの上側の基礎
台Dに固定している。上支持体3の下向き皿状面3aは
下支持体2の上向き皿状面2aに対向し、取付部3bを
免震空間部Aの下側の地盤Bに固定している。球体4
は、平時、下支持体2と上支持体3の中心部、即ち、上
向き皿状面2aの最下部と下向き皿状面3aの最上部と
に接し、地震時に、何れの方向にも転がり自在となる。
【0012】第一実施形態の免震一段構造は上記構造の
とおりであるから、予め、建物Eの構築に必要な広さの
基礎台Dを形成し、該基礎台Dの下側に複数の上支持体
3を均等にバランスよく分散して取付けておく一方、上
支持体3の取付け位置に合わせて地盤Bに下支持体2を
固定しておく。先ず、下支持体2の上向き皿状面2aに
球体4を入れると、球体4は重力により上向き皿状面2
aの中心部に安定するので、該球体4に基礎台Dの上支
持体3を載置すれば、上支持体3は重力により下向き皿
状面3aの中心部に球体4が位置するように安定し、下
支持体2と上支持体3とが相対する。
【0013】地震が発生し、地盤Bに横揺れが生じた
時、基礎台Dが元の位置に止まろうとする慣性を有して
いる関係上、下支持体2と上支持体3とが球体4を介し
て相対的に移動し、即ち、球体4は上向き皿状面2aの
中心部から外周側に転がり、重力に逆らって乗り上げる
と同時に、下向き皿状面3aの中心部から外周側に転が
り、重力に逆らって上支持体3を押し上げるため、ブレ
ーキ効果が作用し、地震のエネルギーを瞬時に逃す。そ
のことにより、地震により基礎台D、及び基礎台Dに構
築した建物Eの揺れを緩衝し、建物Eと地震の共振を防
止し、建物Eの安定性を確保することができる。
【0014】本発明による免震構造の第二実施形態を図
3と図4に基づき説明すると、第二実施形態は家屋の免
震二段構造を示すもので、免震一段構造と相違する点
は、地盤Bと基礎台Dとの間に横部材7を備え、地盤B
と横部材7の間に下位免震空間部A1を、基礎台Dと横
部材7の間に上位免震空間部A2を設け、下位免震空間
部A1の少なくとも三カ所に請求項1記載の免震機能部
1(以下、下位免震機能部10とする)を、上位免震空
間部A2の少なくとも三カ所に請求項1記載の免震機能
部1(以下、上位免震機能部20とする)を備えてい
る。
【0015】第二実施形の免震二段構造は上記構造であ
るから、予め、建物Eの構築に必要な広さの基礎台Dと
横部材7とを形成し、基礎台Dと横部材7の下側に上支
持体23,13を、横部材7の上側に下支持体22を均
等にバランスよく分散して取付けておく一方、横部材7
の上支持体13の取付け位置に合わせて地盤Bに下支持
体12を固定しておく。先ず、下支持体12の上向き皿
状面12aに下位球体14を入れ、上向き皿状面12a
の中心部に安定した下位球体14の上に横部材7の上支
持体13を載置すれば、重力により下向き皿状面13a
の中心部が下位球体14の真上に位置する。次いで横部
材7の下支持体22の上向き皿状面22aに上位球体2
4を入れ、上向き皿状面22aの中心部に安定した上位
球体24の上に基礎台Dの上支持体23を載置すれば、
重力により下向き皿状面23aの中心部が上位球体24
の真上に位置する。
【0016】家屋の免震二段構造において、下位免震機
能部10は相対する上支持体13と下支持体12との間
に下位球体14を介在し、上位免震機能部20は相対す
る上支持体23と下支持体22との間に上位球体24を
介在し、横部材7と基礎台Dとが平行している。地震に
より地盤Bが横揺れすると、基礎台Dと横部材7は、元
の位置に止まろうとする慣性を有している関係上、下位
免震機能部10と上位免震機能部20とが図4の如く作
動する。その結果、地震エネルギーの緩衝力が一段構造
より更に向上する。尚、下位免震機能部10と上位免震
機能部20との配置は自由であるが、略垂直線上に配置
すると、横部材7の強度を軽減し得る。しかも横部材7
を強制的に動することにより、実物の地震試験を簡単に
行うことができる。
【0017】本発明による免震構造の第三実施形態を図
5に基づき説明すると、第三実施形態は家屋の免震三段
構造を示すもので、免震二段構造と相違する点は、地盤
Bと基礎台Dとの間に第一横部材17と第二横部材27
とを備え、地盤Bと第一横部材17の間に下位免震空間
部A1を、基礎台Dと第二横部材27の間に上位免震空
間部A2を、第一横部材17と第二横部材27の間に中
位免震空間部A3を設け、下位免震空間部A1の少なく
とも三カ所に下位免震機能部10を、上位免震空間部A
2の少なくとも三カ所に上位免震機能部20を、中位免
震空間部A3の少なくとも三カ所に請求項1記載の免震
機能部1(以下、中位免震機能部30とする)を備えて
いる。
【0018】第三実施形態は家屋の免震三段構造にあっ
ては、免震二段構造より横部材7と免震空間部Aとが一
段多く、各免震空間部A1,A2,A3に免震機能部1
0,20,30を各々配置しており、免震二段構造より
一段多い分、地震の緩衝力が向上し、地震に対して敏感
に作動する。尚、下位免震機能部10と上位免震機能部
20と中位免震機能部30との配置は自由であるが、略
垂直線上に配置すると、第一横部材17と第二横部材2
7の強度を軽減し得る。しかも第一横部材17を強制的
に動することにより、免震二段構造と同様の免震試験が
可能となる。
【0019】本発明による家屋の免震構造の第四実施形
態を、第一実施形態と相違する点について説明すると、
図6の如く下支持体2の上向き皿状面2aの中心部に下
係止部5を、上支持体3の下向き皿状面3aの中心部に
上係止部6を備え、下係止部5と上係止部6との係止幅
hが球体径rより小さく、球体4は平時に上下係止部
6,5に係止しており、上下係止部6,5との係止抵抗
より地震が強くなった時、上下係止部6,5から任意方
向に転がり、地震の減退に伴い自然に上下係止部6,5
に戻る。
【0020】第四実施形態の免震一段構造は上記の通り
であるから、上下係止部6,5の係止幅hと球体径rと
の調整によって、球体4の初動作を定め、一定の震度以
上から作動する免震機能部1を提供し得る。即ち、球体
径rが一定の場合、係止幅hが大きくなるに従い係止抵
抗が増大し、球体4の初動作が遅くなり、係止幅hが一
定の場合、球体径rが大きくなるに従い係止抵抗が減少
し、球体4の初動作が早くなる。上向き皿状面2aと下
向き皿状面3aとの傾斜角度θが少ない場合、軽度の地
震でも作動するし、基礎台Dに構築した建物Eに強風が
吹き付けた時にも作動することがあるが、球体4を上下
係止部6,5に係止することにより、免震機能部1の初
動作を設定し得る。
【0021】本発明による家屋の免震構造の第五実施形
態を、第四実施形態と相違する点について説明すると、
図7の如く上位免震機能部20の下支持体22と上支持
体23との上位係止幅h2が、下位免震機能部10の下
支持体12と上支持体13との下位係止幅h1より大径
で、上位免震機能部20の上位球体径r2と下位免震機
能部10の下位球体径r1とが同一であり、それにより
上位係止幅h2に対する上位球体24の係止抵抗が、下
位係止幅h1に対する下位球体14の係止抵抗より大き
くなるので、地震時に、係止抵抗の少ない下位免震機能
部10から作動し、次いで上位免震機能部20が作動す
る。
【0022】本発明による家屋の免震構造の第六実施形
態を、第四実施形態と相違する点について説明すると、
図8の如く下位免震機能部10の下支持体12と上支持
体13との下位係止幅h1が、上位免震機能部20の下
支持体22と上支持体23との上位係止幅h2と同一
で、下位球体径r1が上位球体径r2より大径であり、
それにより下位係止幅h1に対する下位球体14の係止
抵抗が、上位係止幅h2に対する上位球体24の係止抵
抗より大きくなるので、地震時に、先ず下位免震機能部
10から順に作動し、第五実施形態と同様の目的効果を
発揮する。
【0023】本発明による家屋の免震構造の第七実施形
態を、第四実施形態と相違する点について説明すると、
図9の如く下位免震機能部10の下位係止幅h1と上位
免震機能部20の上位係止幅h2が同一で、且つ下位球
体径r1と上位球体径r2が同一であり、上位免震機能
部20の下支持体22と上支持体23との傾斜角度θ2
が、下位免震機能部10の下支持体12と上支持体13
との傾斜角度θ1より大きく、即ち、傾斜角度θ2の勾
配が強いので、地震時に、先ず勾配の弱い傾斜角度θ1
の下位免震機能部10から順に作動し、第五実施形態と
同様の目的効果を発揮する。
【0024】本発明による家屋の免震構造の第八実施形
態を、第一実施形態と相違する点について説明すると、
図10(イ)の如く基礎台Dに免震機能部1の配置部を
避けて垂下部8を備えており、第二実施形態と相違する
点について説明すると、図10(ロ)の如く基礎台D
に、上位免震空間部A2の上位免震機能部20と、下位
免震空間部A1の下位免震機能部10を避けて垂下部8
を備えるもものであり、この垂下部8は重り、収納部や
格納部、或いは図10(ハ)の如く建物Eの一部であっ
てもよい。
【0025】
【実施例】本発明による家屋の免震第一及び第二構造
は、図11の如く地面GLを地盤Bとして施工し、基礎
台Dを地面GLより上側に設ける場合、基礎台Dの外縁
部に地面GLまで達するスカート9を備え、柔軟性を有
するゴム片や布片等のスカート9により露出部を目隠
し、或いは小動物の浸入防止等を図ることが望ましい。
また地面GLに図12の如く根切り部Fを設け、地面G
Lより下側に地盤Bを形成し、該地盤Bに施工する場
合、根切り部Fを基礎台Dより一回り小さく設け、基礎
台Dの外側部の下方まで設ければ、根切り部Fへの転落
を防ぐことができる。
【0026】基礎台Dの材料として、加重が局部的に加
わっても損傷しない素材、例えば高い剛性を持った鉄骨
等を用いるが、鉄骨以外にコンクリートや木材等を用い
ることも可能である。免震機能部1を構成する下支持体
2と上支持体3と球体4の材料として、少なくとも基礎
台Dと、基礎台Dに構築する建物Eの荷重に絶え得るに
十分な強度を有する素材、例えば高い剛性を持った金属
を主に用いるが、硬質のゴムや合成樹脂を用いると、地
震の縦揺れに対し緩衝力を発揮し得る利点がある。
【0027】横部材7は免震空間部Aにバランスよく分
散配置した免震機能部1を固定し得るものであればよ
く,図5(ロ)と図10(ロ)の如く第一横部材17や
横部材7に外力の連結部37を備えておけば、連結部3
7に油圧装置や自動車等を連結し、第一横部材17や横
部材7を横方向に移動して、地震時の疑似試験を簡単に
行える。横部材7の上側に設ける下支持体22と、下側
に設ける上支持体13は、図13の如く上下支持体1
3,22間にナットNを介在し、下支持体22からナッ
トNにネジを螺入し、上支持体13からナットNにネジ
を螺入して固定することも可能である。
【0028】第二実施形態の免震二段構造において、下
支持体12,22の上向き皿状面12a,22aに下係
止部15,25を、上支持体13,23の下向き皿状面
13a,23aに上係止部16,26を設け、第三実施
形態の免震三段構造において、下支持体12,22,3
2の上向き皿状面12a,22a,32aに下係止部1
5,25,35を、上支持体13,23,33の下向き
皿状面13a,23a,33aに上係止部16,26,
36を設けることも可能である。
【0029】下支持体2と上支持体3は、円形に限定す
るものではないが、少なくとも地震の横揺時に球体4が
適宜転がり得る程度必要である。また上向き皿状面2a
と下向き皿状面3aは、球体4が外周側に転がるに従っ
て抵抗が増大し、且つ外縁から離脱しないように傾斜湾
曲していることが望ましいが、外縁に球体4の離脱防止
部2d,3dを備えることも可能である。下係止部5と
上係止部6は、図6(イ)の如く上向き皿状面2aと下
向き皿状面3aより窪むように設け、叉は図7乃至図9
の如く貫通状態に設け、或いは図6(ハ)の如く面取り
や曲面に設けるものである。
【0030】地盤Bに対する下支持体2の取付け、基礎
台Dに対する上支持体3の取付け、横部材7に対する下
支持体22と上支持体13の取付けは、上向き皿状面2
aと下向き皿状面3aを避けることが好ましいが、上係
止部6に取付部2c,3cを形成することも可能であ
り、何れにしても確実にしっかり取付け得るものであれ
ば自由である。免震機能部1は錆びても作動するが、外
周部に沿って配置しておけば、油を時々注ぐ等の維持管
理が容易であるし、下支持体2と上支持体3とを同一構
造とし、更に下位免震機能部10と上位免震機能部20
を同一構造とすれば、安価に提供し得る。
【0031】第四実施形態において、上位免震機能部2
0の上位係止幅h2を下位免震機能部10の下位係止幅
h1より大径にし、第五実施形態において、下位免震機
能部10の下位球体径r1を上位免震機能部20の上位
球体径r2より大径にし、第六実施形態において、下位
免震機能部10の傾斜角度θ1を上位免震機能部20の
傾斜角度θ2より強くすれば、地震発生時に、上位免震
空間部A2の上位免震機能部20から作動し得る。
【0032】第五実施形態において下位免震機能部10
の下位係止幅h1と上位免震機能部20の上位係止幅h
2とを相違し、第六実施形態において下位免震機能部1
0の下位球体径r1と上位免震機能部20の上位球体径
r2とを相違し、第七実施形態において下位免震機能部
10の下位傾斜角度θ1と上位免震機能部20の上位傾
斜角度θ2とを相違しているが、下位免震機能部10と
上位免震機能部20とに同じ免震機能部1を用いること
も可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明による家屋の免震一段構造は上記
構造のとおりであるから、次に記載する効果を奏する。
請求項1の家屋の免震一段構造は、地盤と基礎台との間
に免震機能部を備え、その免震機能部が、相対する上支
持体の下向き皿状面と下支持体の上向き皿状面との間に
球体を介在しているので、地震の強さに応じて球体が定
位置から任意方向に移動して地震エネルギーを緩衝した
後、地震の終了に伴い重力等により定位置に自然に戻
る。即ち、バネやダンパー等が不要であるから、構造が
簡単で安価に提供し得るし、施工も容易になると共に、
メンテナンスも不要になる等の特徴を備えている。
【0034】請求項2の家屋の免震二段構造は、地盤と
基礎台との間に横部材を備え、地盤と横部材との間の下
位免震空間部、及び基礎台と横部材との間の上位免震空
間部に免震機能部を各々備えているので、請求項1の免
震一段構造より更に免震効果が向上する。特に免震機能
部が上下二段に配置される結果、縦揺れに対しても効果
があるし、施工後、横部材を強制的に移動し、免震試験
をすることもできる。また下位免震機能部と上位免震機
能部とは、少なくとも三カ所にバランスよく分散配置さ
れているので、基礎台と横部材とは、平時は勿論、地震
時においてもを略水平に保つ。
【0035】請求項3の家屋の免震三段構造は、地盤と
基礎台との間に第一横部材と第二横部材とを備え、三段
に設けた各免震空間部に免震機能部を各々備えているの
で、請求項2の免震二段構造より更に免震効果が向上す
る。特に免震機能部が三段に配置されている結果、免震
二段構造より更に縦揺れに対しても効果がある。施工
後、第一横部材を強制的に移動し、免震試験をすること
もできる。
【0036】請求項4の家屋の免震構造は、請求項1,
2,3の効果に加えて、球体径と係止幅の何れかを調整
し、球体の係止抵抗を加減すれば、免震機能部の初動作
を、例えば震度1に設定したり、震度2に設定できる。
即ち、任意震動に対応する免震機能部を提供し得る。特
に、横部材を備えた家屋の免震構造では、上位免震機能
部における球体の係止抵抗と、下位免震機能部における
球体の係止抵抗とを相違することにより、地震時に係止
抵抗の少ない免震機能部から順に作動することができ
る。その結果、広範囲の震度に対応する家屋の免震構造
を提供し得る。
【0037】請求項5の家屋の免震一段構造は、請求項
1,2,3,4の効果に加えて、基礎台に垂下部を設け
ているので、地震の縦揺れに対しても安定するし、基礎
台に構築した建物に台風や強風が吹き付けても安定す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)(ロ)(ハ)本発明による家屋の免震一
段構造(第一実施形態)を示す概略縦断面図と、免震機
能部の作用図である。
【図2】(イ)(ロ)免震機能部の配置例を示す平面図
である。
【図3】家屋の免震二段構造(第二実施形態)を示す概
略縦断面図である。
【図4】(イ)(ロ)(ハ)(ニ)第二実施形態の免震
機能部の作用図である。
【図5】(イ)(ロ)家屋の免震三段構造(第三実施形
態)を示す概略縦断面図と免震機能部の断面図である。
【図6】(イ)(ロ)(ハ)第四実施形態の免震機能部
と下支持体の断面図である。
【図7】(イ)(ロ)第五実施形態の免震機能部と下支
持体の断面図である。
【図8】(イ)(ロ)第六実施形態の免震機能部の縦断
面図と球体の正面図である。
【図9】(イ)(ロ)第七実施形態の免震機能部と下係
止体の断面図である。
【図10】(イ)(ロ)(ハ)第八実施形態の免震構造
を示す概略断面図である。
【図11】スカートを備えた免震構造の概略縦断面図で
ある。
【図12】本発明による免震構造の使用例を示す概略縦
断面図である。
【図13】上下支持体の連結固定例を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1,10,20,30 免震機能部 2,12,22,32 下支持体 2a,12a,22a,32a 上向き皿状面 3,13,23,33 上支持体 3a,13a,23a,33a 下向き皿状面 4,14,24,34 球体 5,15,25,35 下係止部 6,16,26,36 上係止部 7,17,27 横部材 8 垂下部 9 スカート 37 外力の連結部 A,A1,A2,A3 免震空間部 B 地盤、D 基礎台、E 建物 F 根切り部、N ナット GL 地面 h,h1,h2 係止幅 r,r1,r2 球体径 θ 上向き皿状面及び下向き皿状面の傾斜角度

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤(B)と建物(E)を支える基礎台
    (D)との間に免震空間部(A)を設け、免震空間部
    (A)の少なくとも三カ所に免震機能部(1)を分散配
    置しており、免震機能部(1)が下支持体(2)と、下
    支持体(2)に相対向する上支持体(3)と、上下支持
    体(3,2)間に介在する球体(4)とから成り、下支
    持体(2)に上向き皿状面(2a)を、上支持体(3)
    に下向き皿状面(3a)を備え、球体(4)が上向き皿
    状面(2a)と下向き皿状面(3a)とに当接してい
    て、地震時に定位置から任意方向に転がり、地震の減少
    に伴い定位置に自然に戻ることを特徴とする家屋の免震
    一段構造。
  2. 【請求項2】 地盤(B)と建物(E)を支える基礎台
    (D)との間に横部材(7)を備え、地盤(B)と横部
    材(7)の間に下位免震空間部(A1)を、基礎台
    (D)と横部材(7)の間に上位免震空間部(A2)を
    設け、下位免震空間部(A1)の少なくとも三カ所、及
    び上位免震空間部(A2)の少なくとも三カ所に、請求
    項1記載の免震機能部(1)を各々分散配置しており、
    横部材(7)の強制移動により免震試験が可能となるこ
    とを特徴とする家屋の免震二段構造。
  3. 【請求項3】 地盤(B)と建物(E)を支える基礎台
    (D)との間に第一横部材(17)と第二横部材(2
    7)とを備え、地盤(B)と第一横部材(17)の間に
    下位免震空間部(A1)を、基礎台(D)と第二横部材
    (27)の間に上位免震空間部(A2)を、第一横部材
    (17)と第二横部材(27)の間に中位免震空間部
    (A3)を設け、各免震空間部(A1,A2,A3)の
    少なくとも三カ所に請求項1記載の免震機能部(1)を
    各々分散配置しており、少なくとも第一横部材(17)
    の強制移動により免震試験が可能となることを特徴とす
    る家屋の免震三段構造。
  4. 【請求項4】 上向き皿状面(2a)の中心部に下係止
    部(5)を、下向き皿状面(3a)の中心部に上係止部
    (6)を備えており、上下係止部(6,5)の係止幅
    (h)が球体径(r)より小さく、平時に球体(4)が
    係止していることを特徴とする請求項1,2叉は3記載
    の家屋の免震一段乃至三段構造。
  5. 【請求項5】 基礎台(D)に垂下部(8)を備え、垂
    下部(8)が免震機能部(1)の配置部を避けて設けて
    あることを特徴とする請求項1,2,3叉は4記載の家
    屋の免震一段乃至三段構造。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006300160A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Takada Kikaku:Kk 免振装置
JP2006328655A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Fukushima Pulse Kk 免震装置
ITPN20110013A1 (it) * 2011-03-02 2012-09-03 Babuin Vasco S R L Dispositivo di riduzione delle vibrazioni, in particolare per apparecchiature per la riproduzione del suono
JP5621101B1 (ja) * 2014-03-07 2014-11-05 明義 西野 建造物の防震基礎構造
CN105276055A (zh) * 2014-07-15 2016-01-27 冠研(上海)企业管理咨询有限公司 具有防震脚座的机台
CN105299115A (zh) * 2014-07-15 2016-02-03 冠研(上海)企业管理咨询有限公司 具有特殊曲率的防震脚座
CN105318150A (zh) * 2014-07-15 2016-02-10 冠研(上海)企业管理咨询有限公司 具有对准结构的防震脚座

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