JP2004211530A - 建物の免震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、横揺れ型の地震は勿論、縦揺れ型の地震に対しても建物と地面との共振を防ぎ、確実に地震による被害を防ぐことができる建物の免震構造を提供することにある。
【解決手段】地盤Gから基礎台2の空間Q内に起立する脚部20と、該脚部20の上部位置から横方向に張り出す天部5と、該天部5から垂下し且つ基礎台2を地盤Gから浮かせた状態で支える棒状部4,17と、から構成し、前記棒状部4,17は、少なくとも一部に緩衝部材8,17,27を備えており、前記棒状部4,17の上部9は天部5に貫通し、また該棒状部4,17の下部12は基礎台2に貫通し、さらに、該棒状部4,17における天部5と基礎台2のそれぞれから突出した各先端には張出部10,13を備え、当該各張出部10,13の引掛かりによって、天部5を基点に、基礎台2を棒状部4,17を介して揺動可能に支え、前記各張出部10,13は、基礎台2を平時において静止位置Pでの位置決めが可能な張出幅を有していることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震に対する建物の免震構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
震災における建物の倒壊原因の大きな要因の一つとして、地盤と建物との震動が共振し、振幅が飛躍的に拡大するものがあった。そこで前記のような地震対策として、従来は例えば、建物と地盤とを切り離し、それぞれに対向する彎曲面を基礎台の複数箇所に備えるとともに、当該各彎曲面の間に球体を介在した構成をなすもの等があった(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−315885号(第3頁、図1)
【特許文献2】
特開平9−228684号(第2頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようする課題】
しかしながら前述のように、基礎台の間に球体を介在して免震させる構造のものの場合、横揺れ型の地震に対しては、球体が転がって免震作用を発揮するために効果的ではあるものの、縦揺れ型の地震に対しては、球体と各彎曲面との間に特別な免震作用を発揮する手段が施されていないために免震不能となり、このことから、従来の基礎台の間に球体を介在する構成のものは、建物の免震構造として完全に機能しないのが現状であった。
【0005】
本発明は、横揺れ型の地震は勿論、縦揺れ型の地震に対しても建物と地面との共振を防ぎ、確実に地震による被害を防ぐことができる建物の免震構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、地盤から基礎台の空間内に起立する脚部と、該脚部の上部位置から横方向に張り出す天部と、該天部から垂下し且つ基礎台を地盤から浮かせた状態で支える棒状部と、から構成し、前記棒状部は、少なくとも一部に緩衝部材を備えており、前記棒状部の上部は天部に貫通し、また該棒状部の下部は基礎台に貫通し、さらに、該棒状部における天部と基礎台のそれぞれから突出した各先端には張出部を備え、当該各張出部の引掛かりによって、天部を基点に、基礎台を棒状部を介して揺動可能に支え、前記各張出部は、基礎台を平時において静止位置での位置決めが可能な張出幅を有していることを特徴とする。
【0007】
また本発明のうち請求項2記載の発明では、地盤を掘り下げて基礎台の格納が可能な大きさに形成した穴と、前記地盤上に配置した固定部材と、該固定部材から穴側に張り出した天部と、該天部から垂下し且つ基礎台を穴内に浮かせた状態で支える棒状部と、から構成し、前記棒状部は、少なくとも一部に緩衝部材を備えており、前記棒状部の上部は天部に貫通し、また該棒状部の下部は基礎台に貫通し、さらに、該棒状部における天部と基礎台のそれぞれから突出した各先端には張出部を備え、当該各張出部の引掛かりによって、天部を基点に、棒状部を介して基礎台を揺動可能に支え、前記各張出部は、基礎台を平時において静止位置での位置決めが可能な張出幅を有していることを特徴とする。
【0008】
建物とは、例えば家屋や車庫、塀などの基礎台を形成して地盤上に築かれるものの全てを意味する概念である。また基礎台とは、その上部側において建物を構築できる広さと、該建物を支持できる強度を確保できるものを示し、建物の床平面に合わせて自在なレイアウトができるものを言う。さらに基礎台の空間とは、建物の床下などに特別に設けてもよいし、或いは床下の隙間や通気孔等を利用したものであってもよい。
【0009】
また棒状部・緩衝部材としては、地盤から伝わる震動を和らげて基礎台に伝えない手段であればよく、特にその手段を限定はしないが、例えばコイルスプリングやエアシリンダ、或いは板バネ等のように、天部から基礎台を支える手段としても兼用できるものが望ましい。さらに、本免震構造の配置数については、建物の設置が不安定な状態にならなければ、特に限定するものではない。また、地震の揺れに追従可能に取り付けるとは、基礎台を地震の揺れの方向に逆らうことなく、天部から棒状部を介して基礎台を支持できる状態を言う。また方向は、地盤を基準としてその方向を定めるものである。さらに張出部は、天部及び基礎台との引掛かり部分が面で接するようなものであればよく、具体的には中心から全周に張り出した傘状の部材、つまりはナットなどが挙げられる。また静止位置とは、基礎台が平時の状態にある位置、具体的には、基礎台が天部から垂下した位置にある状態を言う。さらに固定部材は、基礎台を支える耐性を有すると共に、地盤の上に安定設置できるものであればよく、例えば、掘り下げた穴を囲むように厚みのある鋼板を枠状に配置したものなどが挙げられる。
【0010】
このように形成すると、例えば地震により地盤が横揺れした際には、基礎台が地盤の動きに追従して逆らうことなく、棒状部に支持された基礎台が天部を基点に振り子のように自在に揺動することとなり、しかも地盤が縦揺れした場合でも、基礎台と天部との間に介在する棒状部に備えた緩衝部材によって、地盤から伝達する震動を吸収するので、建物と基礎台への衝撃を大幅に和らげることができる。しかも、天部及び基礎台と張出部との引掛かり部分が幅をもって接しているので、建物に受ける風や、或いは人の出入りに伴う振動程度では、該基礎台が揺動することなく静止状態を保つ。また地震が発生した場合には、張出部による基礎台の位置決めが可能な支持力を上回る揺れが該基礎台に伝わり、該基礎台が地震の揺れに追従して逆らうことなく、振り子のように揺動する。
【0011】
天部及び基礎台における棒状部の貫通孔の径は、該棒状部の揺動を妨げない程度の大きさを確保していれば充分ではあるが、本発明のうち請求項3記載の発明のように、天部及び基礎台における棒状部の各貫通孔は、張出部との当接面側の径が狭く且つ他方側の径が広がるテーパ状をなすので、各貫通孔の張出部との当接面側の径においては、棒状部の径に近い孔径に絞られていることで、棒状部のがたつきが抑えられ、さらに貫通孔の径はテーパ状に広がりをもつことで、張出部との当接面側を基点として棒状部の可動範囲が確保され、該棒状部の揺動を妨げることがない。
【0012】
基礎台側の棒状部の貫通孔は、基礎台のコンクリートの下地となる底板などに設けられる。また貫通孔の開口形状は、特に限定するものではないが、揺動時における棒状部の可動範囲を鑑みて円形とすることが望ましい。
【0013】
本発明のうち請求項4記載の発明は、前記各張出部における天部及び基礎台との当接面、又は/及び、天部及び基礎台における張出部との当接面は、球面状に形成してあり、さらに、前記各当接面のうちの少なくとも一方側には磁石を、また他方側には該磁石の被吸着部材を備えているので、地震時の地盤からの振動により、張出部を基点に棒状部が揺れた場合、当接面が球面を介して摺り合うことで滑らかに揺動し、基礎台ひいては建物への衝撃の緩和、さらには揺動時の基礎台や建物のきしみ音が解消され、しかも、磁力によって張出部と天部・基礎台との各当接面が位置決めされているので、平時における不意な揺れを防止できる。
【0014】
ここで張出部、天部、基礎台の各当接面を球面とする形態は例えば、張出部の天部・基礎台との当接面側を半球状とし、一方の天部や基礎台においては、それぞれの前記張出部との当接面に球面状の窪みを設けるものなどが挙げられる。また、被吸着部材とは具体的に、前記当接面を磁石が吸着する素材で形成すればよい。さらに、張出部と天部及び基礎台の双方に磁石を用いる場合には、それぞれの磁極を違わせる必要があり、望ましくは、いずれかのみに磁石を使用する。
【0015】
例えば、単体の緩衝部材を地盤と基礎台との間に介在するものであっても充分に免震効果が発揮されるが、本発明のうち請求項5記載の発明のように、前記棒状部は、天部と基礎台との間の少なくとも3箇所以上に介在しているので、仮に縦揺れ型の地震が起こった際には、より衝撃吸収効果が向上するのは勿論であるが、特に横揺れ型の地震が起こった場合に、任意の棒状部の緩衝部材が縮んで地盤からの衝撃を吸収した際に、反対に他の棒状部に備わる緩衝部材が伸びることで、基礎台を平時の状態に復帰しようとする方向に付勢力を働かせることとなり、これにより、地震による基礎台の揺動状態を短時間で元の位置に復帰できる。
【0016】
ここで、棒状部の数を3箇所以上としたのは、基礎台の揺動方向の全方向に対応できるからであり、例えば2箇所であれば、棒状部が一列に配置されるから、揺れの方向によっては、基礎台が平時の位置に復帰する方向へは付勢力が働かない場合がある。また、棒状部の数は3箇所以上あれば特に限定するものではないが、あまり数が多いと、かえって基礎台の揺動を妨げることになるので、望ましくは3箇所に介在してあればよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明による建物の免震構造について、以下にその具体例を説明する。
まず、本発明の第1実施形態の建物の免震構造を図1に基づいて簡単に説明すると、この実施形態における免震手段1は、地盤Gと基礎台2との間に形成した免震空間Sと該基礎台2に備わる通気窓による空間Qとにおいて、地盤Gから起立する脚部20と、該脚部20の上端から水平方向に張り出した天部5と、該天部5から基礎台2を支えるスプリングダンパー4と、から構成するものであり、前記スプリングダンパー4の上部9側と下部12側は、まず上部9は天部5と、そして下部12は基礎台2の下端に固着する底板11とに、それぞれ地震の揺れに対して追従可能な状態に取り付けたものである。
【0018】
そして、前記免震手段1の更に具体的な構成を説明すると、まず、脚部20の形状については、天部5が扁平で且つ間隔をあけて2本の脚部分が垂下する門状をなしており、さらに前記脚部20は、地盤Gに起立するように固定してある。また、前記スプリングダンパー4については、ボルト7にコイルスプリング8を巻き付けて形成してあるもので、該スプリングダンパー4の上部9側を、脚部20の天部5に設けてあるテーパ孔6に下方から挿通し、さらに、前記脚部20の上端面から突出したスプリングダンパー4の上部9には、径の大きな丸ナット10を羅合して、この丸ナット10の張り出し部分による天部5への引掛かりによって、前記スプリングダンパー4を脚部20の天部5において、地盤Gを基準とする横方向への自在揺動が可能な状態で取り付けてある。
尚、前記テーパ孔6,6は、天部5側のものが下方にいくに従って径が拡がるものであり、一方、底板11側のものは、上方にいくに従って径が拡がるものであり、スプリングダンパー4の揺動を妨げない形状をなしている。
【0019】
一方、前記スプリングダンパー4の下部12側は、基礎台2の底板11に設けてあるテーパ孔6に上方から挿通しており、さらに、前記底板11の裏面側から突出した前記スプリングダンパー4の下部12を、前述した脚部20の天部5側と同様に丸ナット13で羅合しており、これにより、スプリングダンパー4を天部5と基礎台2に対して、地震の揺れに追従可能に保定するものである。また本実施形態の免震構造には、前記各丸ナット10,13と上下に重なるように、それぞれに補助ナット18,18が羅合してあるが、これは、本免震構造の長期間の使用により各丸ナット10,13のスプリングダンパー4からの離脱を防止する手段となっている。また上部側の丸ナット10には、比較的径の大きなものを使用しているが、これは基礎台2が建物に受ける風圧程度では静止位置Pから揺れることがなく、地震発生時にのみ前記基礎台2を揺らすように設定しているためである。さらにスプリングダンパー4には、コイルスプリング8の付勢力を調整するための調整ナット19が羅合してある。
【0020】
本実施形態による建物の免震構造が上記のような構成をなすことで、例えば、横揺れ型の地震に対しては図2のように、スプリングダンパー4が天部5のテーパ孔6の上部開口縁を軸として、地盤Gを基準に振り子のように揺動することで、前記スプリングダンパー4の下部12側に支えられた基礎台2が、地盤Gの動きに追従して逆らうことなく自在に揺動し、地盤Gと基礎台2との共振を防ぐことが可能となり、この結果、建物の揺れを最小限に抑えることができる。また、縦揺れ型の地震に対しては図3のように、スプリングダンパー4が、脚部20の天部5と基礎台2との間に常に介在することで、地盤Gから伝わる衝撃を確実に吸収し、このことから、横揺れ型の地震は勿論のこと、縦揺れ型の地震時においても建物への震動の伝達を確実に防ぐことが可能となり、あらゆる揺れの方向に対応できる。
【0021】
また、図4に示すものは、上述した第1実施形態の免震構造を用いて、該免震構造を横部材15を会して上下2段とした応用例であり、このように形成すると、より震度の高い地震に対しても、効果的な免震が行なえる構成となる。そして、この2段とした免震構造を第1実施形態と相違する部分について説明すると、地盤Gにおいて基礎台2の格納ができる程度の大きさの穴Hを堀り、この穴Hを囲むように枠状をなす固定部材14を配置し、該固定部材14には、丸ナット10を上端部に羅合したスプリングダンパー4を、該丸ナット10が引掛かるように垂れ下げ、地盤Gを基準として振り子のように自在に揺動させる。(これを上部側スプリングダンパーとする)。また、上部側スプリングダンパー4の下端部は横部材15に突入し、さらに、該横部材15の下端面から突出したスプリングダンパー4の下端側先端部を、前記横部材15の下側から丸ナット13で羅合し、横部材15を丸ナット13の扁平な部分に載せるような状態で支持している。
【0022】
そして、前記横部材15における上部側スプリングダンパー4を取り付けた箇所から僅かに移動した箇所においても、その上端部に羅合した丸ナット10が横部材15の上端面に引掛かるように、スプリングダンパー4が垂下している(これを下部側スプリングダンパーとする)。そして、この下部側スプリングダンパー4の下端側は、基礎台2の底板16に突入しており、さらに、該底板16の下端面から突出した先端部には丸ナット13を羅合し、該丸ナット13に引掛かる状態で底板16が、穴Hの底面から浮き上がった位置に支持される。
【0023】
次に、本発明の建物の免震構造の第2実施形態のものについて、以下に説明する。
この実施形態のものは図5(a)のように、脚部20の天部5において3本のスプリングダンパー4を用いて、前記基礎台2を地盤Gから支えたものである。詳しくは、前述の第1実施形態の免震構造のものと同様に、地盤Gに脚部20を固定し、この脚部20の天部5においては、それぞれが120°の間隔をあけて、3本のスプリングダンパー4,4,4の上端側を上下に摺動可能な状態で挿通し、さらに、天部5の上面側から突出する各スプリングダンパー4,4,4上端側のネジ切り部分に羅合した各ナット10,10,10によって、前記各スプリングダンパー4,4,4を脚部20の天部5の横方向への自在な揺動が可能な状態で支持するものである。一方、当該各3本のスプリングダンパー4,4,4の下端側を、基礎台2底部に備わる底板11において上下に摺動可能な状態で挿通し、さらに、前記各スプリングダンパー4,4,4の下端側のネジ切り部にナット13,13,13をそれぞれ羅合し、当該各ナット13,13,13によって前記底板11を引掛けることで、基礎台2を地盤Gにおいて、地震の揺れに追従可能に支えられる構成となっている。
【0024】
上記のように、脚部20の天部5に3本のスプリングダンパー4,4,4によって地盤Gから基礎台2を支えた場合には、仮に縦揺れ型の地震が起こった際には、より衝撃吸収効果が高いのは勿論であるが、横揺れ型の地震が起こった場合には、任意の1本のスプリングダンパー4に衝撃を受けると、他の2本のスプリングダンパー4,4は、基礎台2が地震前の元の状態に戻ろうとする方向に付勢が働くので、結果として、地震後に揺れた状態にある基礎台2が元に戻るまでの時間を一層短縮することになる。
【0025】
さらに、本発明の建物の免震構造の第3実施形態として図6のように、基礎台2と脚部20の天部5との緩衝部材として、エアシリンダ17を用いたものである。このように、脚部20の天部5と基礎台2との間にエアシリンダ17が介在した形態のものの場合には、まず、横揺れ型の地震が起きた際には、図7(a)のように、上述した第1実施形態のスプリングダンパー4による免震作用と同様に、エアシリンダ17が脚部20の天部5を基準として、地盤Gの動きに追従しながら、該地盤Gを基準に振り子のように揺動する。一方、縦揺れ型の地震が起きた際には、図7(b)のように、地盤Gとともに突き上げる脚部20及び天部5からの衝撃を、エアシリンダ17の摺動によって吸収することで、基礎台2への衝撃の伝達を大幅に和らげることが可能となる。
【0026】
次に、本発明の建物の免震構造の第4実施形態として図8のように、脚部20の天部5上面側に半球状に陥没した窪み21を設け、一方、底部側に前記窪み21の球面に対応した球状金具10を備え、この球状金具10において揺動可能な状態で天部5からスプリングダンパー4を垂れ下げる構造となっている。また、前記スプリングダンパー4下端側の底板11を支持する球状金具10においても上向きの半球状をなす球状金具10を備えており、さらに、前記底板11の底面側においても球状金具10と一致した球面状をなす窪み21が設けてあり、この窪み21に前記球状金具10が雌雄状に入り込むことで、天部5、スプリングダンパー4、基礎台2底板11のそれぞれの当接部分が球面同士で接することとなる。また、前記天部5の窪み21の周部には磁石26が埋め込まれており、この磁石26の働きによって、球状金具10の動きを磁力で規制してスプリングダンパー4を垂直な状態に位置決めし、基礎台2の平時における不意な揺動を防いでいる。このようにすると図9のように、仮に地震が発生した場合、地震の揺れに対応して天部5からスプリングダンパー4によって支持された底板11が、振り子のようにスムーズに揺動し、スプリングダンパー4の天部5・底板11間の衝撃吸収効果と相俟って、建物に加わる衝撃を飛躍的に和らげることが可能となる。尚、図8と図9中の符号22は、コイルスプリング8の動きを規制するプレートである。
【0027】
次に、本発明の建物の免震構造の第5実施形態を図10に基づいて以下に説明する。
尚、他の実施形態と同一の構成をなす箇所の説明については省く。また、この形態では、第4実施形態で使用した球状金具10を使用している。
本実施形態では、底板11を板バネ27を介して天部5から吊り下げるものであり、この板バネ27の構成は、上向きに彎曲した上板バネ23と、下向きに彎曲した下板バネ24の2部材からなっており、さらに当該各板バネ23,24の左右両端をそれぞれピン28,28止めし、各板バネ23,24をパンタグラフのように上下に開閉可能に連結して、天部5と底板11間を緩衝するものである。
【0028】
そして、実際に地震が起きた場合に本実施形態のものは図11のように、地盤側から突き上げるような振動に対しては、前記板バネ27が前記振動による衝撃を受け止め、スプリングダンパー4やエアシリンダ17と同様の作用を発揮する。また、底板11の上端面に板バネ27を囲むようなアーチ状のストッパー25,25をそれぞれ取り付ければ、地震時に板バネ27の開閉する範囲が規制されるので、該板バネ27が衝撃を吸収した際の反作用で底板11を大きく浮き上がらせないように規制できる。
尚、横揺れ型の地震においては、本免震構造は第4実施形態のものと同様の作用をするので、ここでの説明は割愛する。
【0029】
【発明の効果】
本発明のうち請求項1及び2記載の発明によれば、横揺れ型、或いは縦揺れ型の双方の地震に際しても、該地震の揺れに追従して自在に揺動するので、建物を地震の脅威から確実に守ることができ、しかも、平時における建物の不意な揺れを確実に防ぐことができる。
【0030】
本発明のうち請求項3記載の発明によれば、請求項1及び2記載の発明の効果に加えて、棒状部の不意ながたつきを抑えることで、建物の平時の安定性が増し、しかも地震時には、より一層スムーズに地震の揺れに対応できる。
【0031】
本発明のうち請求項4記載の発明によれば、請求項1、2及び3記載の発明の効果に加えて、各張出部と天部及び基礎台との当接面が球面で接触していることで、基礎台がより一層スムーズに揺動し、しかも、平時には基礎台が不意に揺れることがない。
【0032】
本発明のうち請求項5記載の発明によれば、請求項1、2及び3記載の発明の効果に加えて、地震時において、基礎台に受ける衝撃を和らげるとともに、基礎台を地震前の元の状態に戻そうとする方向に付勢力が働くので、地震による建物の揺れを短時間でおさめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建物の免震構造の第1実施形態の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図2】上述の第1実施形態の建物の免震構造による、横揺れ型の地震に対する作用を示す説明図である。
【図3】同じく、上述の第1実施形態の建物の免震構造による、縦揺れ型の地震に対する作用を示す説明図である。
【図4】上述の第1実施形態の建物の免震構造の応用例を示す説明図である。
【図5】(a)(b)図5(a)は、本発明の建物の免震構造の第2実施形態の要部を示す平面図、そして図5(b)は、要部を拡大した縦断面図である。
【図6】本発明の建物の免震構造の第3実施形態を示す要部を拡大した縦断面図である。
【図7】(a)(b)図7(a)は、図6の免震構造による横揺れ型の地震に対する作用を示す説明図であり、また図7(b)は、横揺れ型の地震に対する作用を示す説明である。
【図8】本発明の建物の免震構造の第4実施形態を示す要部を拡大した縦断面図である。
【図9】図8の実際の作動状態を示す説明図である。
【図10】本発明の建物の免震構造の第5実施形態を示す要部を拡大した縦断面図である。
【図11】図10の実際の作動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2 基礎台
4 スプリングダンパー(棒状部、緩衝部材)
5 天部
6 テーパ孔(貫通孔)
8 コイルスプリング(緩衝部材)
9 上部
10,13 ナット、丸ナット、球状金具(張出部)
12 下部
14 固定部材
17 エアシリンダ(棒状部、緩衝部材)
20 脚部
21 窪み(球面)
26 磁石
27 板バネ(緩衝部材)
G 地盤
H 穴
P 静止位置
Q 空間

Claims (5)

  1. 地盤(G)から基礎台(2)の空間(Q)内に起立する脚部(20)と、該脚部(20)の上部位置から横方向に張り出す天部(5)と、該天部(5)から垂下し且つ基礎台(2)を地盤(G)から浮かせた状態で支える棒状部(4,17)と、から構成し、
    前記棒状部(4,17)は、少なくとも一部に緩衝部材(8,17,27)を備えており、
    前記棒状部(4,17)の上部(9)は天部(5)に貫通し、また該棒状部(4,17)の下部(12)は基礎台(2)に貫通し、さらに、該棒状部(4,17)における天部(5)と基礎台(2)のそれぞれから突出した各先端には張出部(10,13)を備え、当該各張出部(10,13)の引掛かりによって、天部(5)を基点に、基礎台(2)を棒状部(4,17)を介して揺動可能に支え、
    前記各張出部(10,13)は、基礎台(2)を平時において静止位置(P)での位置決めが可能な張出幅を有していることを特徴とする建物の免震構造。
  2. 地盤(G)を掘り下げて基礎台(2)の格納が可能な大きさに形成した穴(H)と、前記地盤(G)上に配置した固定部材(14)と、該固定部材(14)から穴(H)側に張り出した天部(5)と、該天部(5)から垂下し且つ基礎台(2)を穴(H)内に浮かせた状態で支える棒状部(4,17)と、から構成し、
    前記棒状部(4,17)は、少なくとも一部に緩衝部材(8,17,27)を備えており、
    前記棒状部(4,17)の上部(9)は天部(5)に貫通し、また該棒状部(4,17)の下部(12)は基礎台(2)に貫通し、さらに、該棒状部(4,17)における天部(5)と基礎台(2)のそれぞれから突出した各先端には張出部(10,13)を備え、当該各張出部(10,13)の引掛かりによって、天部(5)を基点に、棒状部(4,17)を介して基礎台(2)を揺動可能に支え、
    前記各張出部(10,13)は、基礎台(2)を平時において静止位置(P)での位置決めが可能な張出幅を有していることを特徴とする建物の免震構造。
  3. 天部(5)及び基礎台(2)における棒状部(4,17)の各貫通孔(6,6)は、張出部(10,13)との当接面側の径が狭く且つ他方側の径が広がるテーパ状をなすことを特徴とする請求項1又は2記載の建物の免震構造。
  4. 前記各張出部(10,13)における天部(5)及び基礎台(2)との当接面(10,13)、又は/及び、天部(5)及び基礎台(2)における張出部(10,13)との当接面(21)は球面状に形成してあり、さらに、前記各当接面(10,13,21)のうちの少なくとも一方側には磁石(26)を、また他方側には該磁石(26)の被吸着部材を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の建物の免震構造。
  5. 前記棒状部(4,17)は、天部(5)と基礎台(2)との間の少なくとも3箇所以上に介在していることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の建物の免震構造。
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