JP2011027249A - インシュレーター - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤで吊る構造を採用するとともに、その吊り構造の持つ、シンプルで自由に振動するという最大の特徴を十二分に発揮する構成を満たすことにより、不要な振動成分が付加されない優れた振動伝達遮断特性を備えたインシュレーターを得ることを目的とする。
【解決手段】下面が例えば床の第1の水平面8Aに当接する第1の支持部材10、所定の長さを有しその上端が弾性部材である支持部12および中継部14を介して第1の支持部材10に結合されたワイヤ13、およびワイヤ13の下端に結合されることでワイヤ13を介して第1の支持部材10から吊り下げられ上面が例えばスピーカの第2の水平面9Aに当接する第2の支持部材15を備えた。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば、スピーカやLPプレーヤ、CDプレーヤ等と床やラックとの間に挿入され、両者のいずれか一方からの振動がいずれか他方へ伝わるのを抑制するインシュレーターに関するものである。
この種のインシュレーターは、いわゆるオーディオショップで種々の製品が市販されてきており、いわゆるオーディオマニア等、再生音に関心の高いユーザーの間で愛用されている。
また、スピーカをワイヤで吊り下げることでスピーカの振動が外部に伝わることを防止し音質を良好とすることが試みられている。例えば、ある種のスピーカメーカでは、箱に収納されたスピーカの音響特性を正確に把握するため、吸音材が内面に貼り付けられた無響室内に天井からスピーカを吊り下げマイクによる測定を行うことがなされている。
現在市販のカタログには見当たらないが、ワイヤと板ばねとを利用した吊り下げ構造により縦方向横方向の振動成分を吸収できる振動吸収装置が紹介されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特にオーディオ分野ではないが、精密機器の据え付けおよび輸送時に用いられる振動絶縁装置で、吊り部材(ワイヤ)とバネとを利用したものが紹介されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭59−19739号公報(第1図、第2図等) 特開昭63−195445号公報(第5図等)
従来から広く市販されているインシュレーターは、単独の形態の物品であるという点では、ユーザーが使用中のスピーカや各種プレーヤと床やラックとの間に挿入するだけで済み、その適用が極めて簡便であるという利点があるが、他方、以下の問題点がある。
即ち、これらのインシュレーターは、そのほとんどが合成ゴム等の弾性材を使用して振動を吸収するタイプのものである。この弾性材を使用するインシュレーターの場合、この弾性材は3次元的な容積を有するもので、振動圧力が加わると3次元的に変形することになる。従って、元の振動成分を吸収するだけではなく、この3次元的変形に起因して元には存在しない振動成分を新たに発生する可能性がある。この結果、スピーカや各種のプレーヤにこの種のインシュレーターを使用して得られる再生音には、歪みや元の音源には存在しなかった音色、個々のインシュレーターに特有の「音の癖」といったものが付加されるという問題がある。
もっとも、オーディオマニアによっては、この「音の癖」を好むという場合もあり得るが、音源を忠実に再生するという観点からは好ましいことではないことは勿論である。
これに対し、特許文献1に記載された振動吸収装置は、従来から一部のスピーカメーカ等で実施されている、スピーカを吊す構造を実質的に小型化したもので、この点個人ユーザーにも適用が容易であるという利点がある。しかし、小型化を実現するため、ごく短いワイヤを使用しており、ワイヤによる吊り構造の持つ、シンプルで自由に振動するという最大の特徴を十二分に発揮するには、スピーカ等の対象物の振動パターンの特徴や当該インシュレーターによる支持構造等を加味した条件を満たす必要があるが、後段の本願発明の実施の形態の部分で詳述するように、これらの条件を確実に満足するものではなく、結果としてインシュレーターとしての特性も一定の限界があると言わざるを得ない。
また、特許文献2に記載された振動絶縁装置は、精密機器の据え付けや輸送時の振動抑制に用いるもので、本願のようなオーディオ用途の繊細な動作特性を課題とする分野に転用できるものではない。たとえ、その吊り構造をオーディオ用途のインシュレーターに応用したとしても、先の特許文献1の場合で説明したと同様、ワイヤによる吊り構造の持つ最大の利点を発揮させるための条件を満たすものではなく、インシュレーターとしての特性も十分なものとはなり得ない。
この発明は、以上のような従来のものの問題点を解消するためになされたもので、ワイヤで吊る構造を採用するとともに、その吊り構造の持つ、シンプルで自由に振動するという最大の特徴を十二分に発揮する構成を満たすことにより、不要な振動成分が付加されない優れた振動伝達遮断特性を備えたインシュレーターを得ることを目的とする。
この発明に係るインシュレーターは、第1の物体の上端の第1の水平面と前記第1の物体より上方に位置する第2の物体の下端の前記第1の水平面より上方に位置する第2の水平面との間に介在し、前記両物体のいずれか一方からの振動が前記両物体のいずれか他方へ伝わるのを抑制するインシュレーターであって、
下面が前記第1の水平面に当接する剛性の大きい第1の支持部材、所定の長さを有しその上端が弾性部材を介して前記第1の支持部材に結合された曲げ剛性の小さい1本のワイヤ、および前記ワイヤの下端に結合されることで前記弾性部材および前記ワイヤを介して前記第1の支持部材から吊り下げられ上面が前記第2の水平面に当接する剛性の大きい第2の支持部材を備えたものである。
この発明に係るインシュレーターは、以上のように構成されているので、例えば、第1の物体を床、第2の物体をスピーカとした例で説明すると、第1の水平面としての、床面上に、その下面が当接するように第1の支持部材を載置し、第2の支持部材上面にスピーカの下端を載置すればインシュレーターの設置が済むので、その適用が極めて簡便となる。
そして、第2の支持部材を介して、実質的にスピーカの1箇所を1本のワイヤの下端で吊り下げるという、シンプルで自由に振動できる構造が実現し、スピーカの横方向の振動が床から確実に分離絶縁した状態が実現する。また、スピーカの縦方向の振動は、同じ1本のワイヤの上端に設けられた弾性部材の弾性変形で吸収され床から確実に分離絶縁した状態が実現する。従って、スピーカがあたかも床から浮き上がった状態となり、不要な振動成分が付加されない優れた振動伝達遮断特性が得られる。
この発明によるインシュレーターをスピーカに適用した場合の一例を示す図である。 この発明によるインシュレーターをLPプレーヤに適用した場合の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるインシュレーターの構成を示す図である。 この発明の実施の形態2におけるインシュレーターの構成を示す図である。 この発明の実施の形態3におけるインシュレーターの構成を示す図である。 この発明の実施の形態6における複合型のインシュレーターをスピーカに適用した場合の一例を示す図である。 この発明の実施の形態6における複合型のインシュレーターの要部を断面で示す図である。 この発明の実施の形態6における複合型のインシュレーターで、図7の更なる変形例の要部を断面で示す図である。
実施の形態1.
図1は、この発明によるインシュレーターをスピーカに適用した場合の一例を示す図である。ここでは、スピーカ本体1を箱2内に収容してなるスピーカ3と床4との間にインシュレーター5を挿入し、スピーカ3の振動が床4から外部に伝わるのを防止している。図1(a)は、スピーカ3の正面から見た図、図1(b)は、平面図で、4個のインシュレーター5を使用している。
勿論、1個のスピーカ3を後段の図2で示すように、3個のインシュレーター5で支持するようにしてもよい。この場合、各インシュレーター5への荷重はその分増大するが、3点支持でかえって支持構造が安定し、インシュレーター5の個数も低減できるという利点がある。
なお、この例では、スピーカ3および床4が、それぞれ本願の特許請求の範囲でいう、第2の物体および第1の物体に相当する。
図2は、この発明によるインシュレーターをLPプレーヤに適用した場合の一例を示す正面図(a)および平面図(b)である。ここでは、LPプレーヤ6とオーディオ製品を載置するいわゆるラック7との間に3個のインシュレーター5を挿入し、ラック7からの振動がLPプレーヤ6に伝わるのを防止している。
なお、この例では、LPプレーヤ6およびラック7が、それぞれ本願特許請求の範囲でいう、第2の物体および第1の物体に相当する。
図3は、この発明の実施の形態1におけるインシュレーターの構成を示す図で、図3(a)は、平面図、図3(b)は、同図(a)のA−A線から見た断面図である。図において、インシュレーター5は、第1の物体8(図1では床4が、図2ではラック7がそれぞれ相当する)とこの第1の物体8より上方に位置する第2の物体9(図1ではスピーカ3が、図2ではLPプレーヤ6がそれぞれ相当する)との間に介在している。
第1の支持部材10を構成する基台部11は、その下面が第1の物体8上端の第1の水平面8Aに当接するよう置かれている。更に、この基台部11の一端には中継部14の一端が連結され更にこの中継部14の他端には基台部11と平行に配置されワイヤ13の上端が結合された支持部12が連結されている。そして、中継部14と支持部12とが弾性部材として機能し、第2の物体9に発生する縦方向の振動を吸収する。
第2の支持部材15は、鋼板を正方形の容器状に成型したものをその底部を上に開放部を下にする姿勢としたもので、その上面が第2の物体9の第2の水平面9Aに当接するよう置かれている。そして、この第2の支持部材15は、容器状の本体部16と、この本体部16の内面にその両端が結合された板状でワイヤ13の下端が結合された固定部17とから形成されている。
ワイヤ13は、金属材からなる単線のワイヤでも良いが、複数本の細線をより合わせて1本のより線としたものの方が、その端部での径方向への変形がより確実になされ、即ち、曲げ剛性が小さくなり望ましいと考えられる。
ワイヤ13の太さは、その材質の機械的特性と第1の物体9の重量とを考慮して必要な機械的強度を有したものとする必要がある。
ワイヤ13の長さは、後段で説明するように、人間の可聴周波数の下限値を加味した固有振動周波数特性の関係から一定の長さ以上に設定することが望ましい。
以上のように、この発明の実施の形態1におけるインシュレーターは、図3から容易に理解できるように、従来から広く市販されている合成ゴム等を使用したインシュレーターと同様、単独の形態の物品であるので、ユーザーが使用中のスピーカや各種プレーヤと床やラックとの間に挿入するだけで済み、その適用が極めて簡便であるという利点がある。
更に、第2の支持部材15を介して、実質的に第2の物体9の1箇所を1本のワイヤ13の下端で吊り下げるという、シンプルで自由に振動できる構造が実現し、第2の物体9の横方向の振動が第1の物体8から確実に分離絶縁した状態が実現する。また、第2の物体9の縦方向の振動は、同じ1本のワイヤ13の上端に連なる弾性部材12、14の弾性変形で吸収され第1の物体8から確実に分離絶縁した状態が実現し、不要な振動成分が付加されない優れた振動伝達遮断特性が得られる。
また、この発明になるインシュレーターを適用すると、第2の物体である、例えばスピーカと、第1の物体である、例えば床とが音響的(振動的)にほぼ絶縁されスピーカがあたかも床から浮き上がった状態と等価となる。従って、スピーカ本体を収容している箱が外部(床)からの拘束を受けることなくその本来の持つ音響特性により自由自然に鳴動(振動)することになり、スピーカ本体は勿論、その箱を含めて魅力のある再生音を実現するよう設計製作された、いわゆる名器といわれる高級スピーカに適用すると、その素晴らしい音質が十二分に発揮されるわけである。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2におけるインシュレーターの構成を示す図で、図4(a)は、平面図、図4(b)は、同図(a)のB−B線から見た断面図である。このインシュレーター5Aを設置する要領は先の実施の形態1の場合と全く同様であるので、その説明は省略する。
第1の支持部材18は、鋼板を成型したもので、その下面が第1の物体8上端の第1の水平面8Aに当接するよう置かれている。そして、この第1の支持部材18は、第1の水平面8Aに当接する基板部19と、円筒状でその軸方向(図4(b)の垂直方向)下端が基板部19に結合された側板部20とから形成されている。円板部21は、円板状でその径方向中心と側板部20の径方向中心とが一致するようにその周縁が側板部20に着脱可能に結合され該径方向中心にワイヤ13の上端が結合されており弾性部材を構成する。
なお、側板部20の周方向4箇所には、後述する固定部24を挿通させるための開口がその下端近傍から上端にまで至る範囲に形成されている。
第2の支持部材22は、鋼板を円筒形の容器状に成型したものをその底部を上に開放部を下にする姿勢としたもので、その上面が第2の物体9の第2の水平面9Aに当接するよう置かれている。そして、この第2の支持部材22は、容器状の本体部23と、十字状で本体部23の内面にその4つの端部が結合されその中心部にワイヤ13の下端が結合された固定部24とから形成されている。
なお、第1の支持部材18の側板部20と弾性部材である円板部21とは、図に示すように、嵌合方式で着脱可能に結合する構造を採用している。これは、このインシュレーター5Aの組み立て作業の容易化を考慮したものである。即ち、ここでは、先ず、固定部24と円板部21とをワイヤ13の両端に結合しておき、しかる後、固定部24が側板部20の周囲に形成された開口を挿通するようにして第2の支持部材22を上方から第1の支持部材18を覆うように下降させ、最終的に円板部21の外周を側板部29の上端に嵌合させ仕上げるわけである。
もっとも、第1の支持部材、弾性部材および第2の支持部材のそれぞれを構成する各部材を互いに結合する方式は、上述した方式に限られるものではなく、使用する材料や加工手段等に応じて、例えば、プレス加工等による一体構造としても、また、溶接やねじ止め等種々の方式を採用してよいことは当然である。
以上のように、この発明の実施の形態2におけるインシュレーターは、先の実施の形態1と同様、図4から容易に理解できるように、その適用が極めて簡便であり、かつ、不要な振動成分が付加されない優れた振動伝達遮断特性が得られる。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3におけるインシュレーターの構成を示す図で、図5(a)は、平面図、図5(b)は、同図(a)のC−C線から見た断面図である。このインシュレーター5Bは、基本的に先の実施の形態1で説明した図3のインシュレーター5と変わるところがないが、量産化を考慮して、製作の効率化、部品の共用化、出来上がり品質の均質化、使用時の便宜性、更には、美観等を加味して創作されたものである。
第1の支持部材25は、その下面が第1の物体8上端の第1の水平面8Aに当接する円板状の底板部26と、所定長の3本の支柱部A27を介して底板部26と結合された三角形の平板状のバネ台部28とからなり、十分な剛性を備えた材料で構成されている。
弾性部材であるバネ29は、所定厚および幅の弾性金属板を略U字状に成形したもので、その長辺の一方(図5(b)ではその下辺部)がバネ台部28に結合されており、その長辺の他方(図5(b)ではその上辺部)にワイヤ13の上端が結合されている。
なお、ワイヤ13の下端は、バネ29の一部に設けられた穴29aおよびバネ台部28の一部に設けられた穴28aを貫通して後述する第2の支持部材30の下蓋部33に結合されている。
第2の支持部材30は、その上面が第2の物体9の第2の水平面9Aに当接する円板状の上蓋部31と、上下方向が先のバネ台部28と底板部26との間に位置するように配置されその3箇所に支柱部A27を挿通させる穴33aを設けた円板状の下蓋部33と、上蓋部31と下蓋部33との周縁に嵌合された円筒状の側辺部32と、その下端が下蓋部33に結合されその上端が図示を省略したネジ構造で上蓋部31に着脱自在に結合される2本の支柱部B34とから構成され、全体として十分な剛性を備えた材料で構成されている。
そして、上述した通り、下蓋部33の中央にワイヤ13の下端が結合されている。
なお、図5では、支柱部B34を介して上蓋部31と下蓋部33とを結合するようにしたが、これは、インシュレーター5Bの組み立ての最終段階で上蓋部31を取り付けるようにすることで作業がし易くなることを意図したものである。従って、上蓋部31と下蓋部33との結合を側辺部32のみで行う構造を採用することで支柱部B34を省略することもできる。
図5のインシュレーター5Bでは、バネ29を独立した部品で構成しているので、以下に示す利点がある。即ち、既述した通り、このバネ29は、第2の物体9である例えばスピーカ3で発生する縦方向の振動を吸収するためのものであるので、スピーカ3の荷重が掛かった状態で、このバネ29はその比例弾性限界内でほぼ一定の変形量を呈するように、そのバネ強度を、使用するスピーカ3の重量に合わせて設定するのが望ましい。この場合、バネ29を独立部品とすることで、他の部品は共通でこのバネ29のみスピーカ3の重量に合わせた複数種類の部品を用意することで、すべてのスピーカ3に対処でき、製品コストの低減を図ることができる。
上記した通り、バネ29に荷重が掛かってその比例弾性限界内で変形したときの状態が例えば、その両長辺が略平行となるものとすると、荷重が掛かっていないインシュレーターとして未使用な状態では、例えば図5(b)に示すように、両長辺が平行より少し広がった状態となり、荷重が掛かっている場合より第2の支持部材30がバネ29の弾性力でワイヤ13を介して上方へ引っ張られ、第1の支持部材25のバネ台部28の下面に第2の支持部材30の下蓋部33の上面が押圧当接する(但し、図5(b)では、各部の構造の理解を容易とするため両面は離して図示している)。この場合、この当接する両面に位置決めのため周縁をテーパ状に加工した凹凸面を一部に形成することで、当接時の両部材25、30の同軸性をより確実なものにできる。
この結果、第1の支持部材25と第2の支持部材30とはその中心が一致して両者が一体に保持されるので、商品としてのインシュレーターの流通工程での取り扱いが簡便となり、また、個々のユーザーでスピーカ等の下に挿入する場合も簡便な要領でかつ正しい適切な状態での使用を保証することが可能となる。
以上のように、この発明の実施の形態3におけるインシュレーターは、先の実施の形態例と同様、図5から容易に理解できるように、その適用が極めて簡便であり、かつ、不要な振動成分が付加されない優れた振動伝達遮断特性が得られる。
実施の形態4.
ここでは、先の各実施の形態例で説明したインシュレーターをオーディオ分野、特にその分野でも最も多用されている、スピーカと床との間に挿入して使用する場合を例に、更に考慮すべき内容について説明する。
以下、先の図5に示す本願発明になるインシュレーターの構成を参照して説明する。今、第1の支持部材25および第2の支持部材30が剛体であると仮定すると、第2の物体9であるスピーカが振動を発生すると、ワイヤ13の下端が結合された第2の支持部材30と一体となっているスピーカは、バネ29を介して第1の支持部材25に結合されたワイヤ13の上端を支点として振り子運動を行うことになる。
この振り子運動は、ここで対象とする振動程度ではその振幅は微少であることから、水平方向の運動となり、機械工学上、単振動という自由振動系が成立するとみなしてよい。そして、この自由振動における固有振動周波数fhは、重力加速度Gとワイヤの長さlとにより下式で表される。
fh=√(G/l)/(2×π) ・・・(1)
ワイヤの長さが10mmの場合、これを(1)式に代入して固有振動周波数fh1を求めると、約5Hzとなる。
従って、この固有振動周波数より低い周波数でスピーカが振動すると、それに応じてワイヤの上端も、スピーカと連なるワイヤの下端に追従して振動することになり、結果として、スピーカの振動が床に伝わることになる。逆に、この固有振動周波数より高い範囲では、ワイヤの上端は下端の振動に追従せず、結果として、スピーカの振動が床に伝わらない、振動の伝達が遮断されることになる。
オーディオ分野に使用する場合、この固有振動周波数が人間の可聴周波数の下限値未満であれば、問題となりうる、スピーカから床への振動の伝達を有効に防止しうると考えられる。
人間の可聴周波数の下限値は、一般に、20Hz程度とされているので、上記計算結果から、ワイヤの長さとして10mm程度に採用しても要求された性能を十分発揮できることが判る。従って、この発明になるインシュレーターは十分小形のもので実現でき、例えば、一般家庭用に利用する場合においても、大きなスペースを必要とすることなく、適用が極めて簡便となる。
ここで、スピーカから発生する振動の形態について更に検討を進める。周知の通り、スピーカは、木製の箱内に振動板を備えたスピーカ本体をその振動方向がほぼ水平となる姿勢で取り付けられたものである。従って、スピーカから次々に発せられる各音の初期動作は以下の如き現象となる。
即ち、上記振動板が水平方向に強く初動し、箱はその反作用で水平方向に追動する。箱に発生する縦方向の振動は、振動板の振動による箱内の背圧によるものと考えられる。従って、インシュレーターとしては、このスピーカからの初動の水平方向振動を確実に吸収することが極めて重要となる。
しかるに、本願発明に係るインシュレーターでは、スピーカと一体となった第2の支持部材30の下蓋部33の1点に1本のワイヤ13の下端が結合されている、即ち、実質的に、スピーカの1点を1本のワイヤで直接吊り下げるという構成が実現されているわけである。この結果、後述する実施の形態5で説明する実証試験結果から判るように、特許文献1に示されたように、スピーカをワイヤで直接吊り下げるのではなく、板ばねを介して吊り下げる構造の場合とで振動遮断特性に大きな優劣が生じる。
この原因は、本願発明では、上記した構成が、シンプルで自由ないわゆる振り子振動を実現してスピーカの水平方向初動振動を確実に吸収するためと推定される。これに対し、特許文献1の場合は、スピーカからの初動振動を板ばねを介して複数(4本)のワイヤで吊る構成であるので、板ばねによる歪み分、更に、4本のワイヤにそれぞれのルートで複雑に振動が伝わり、シンプルで自由な振り子振動が得られず、結果としてスピーカの水平方向初動振動を確実に吸収し得ないためと推定される。
先に挙げた特許文献2は、既述した通り、精細なオーディオ分野に適用されるものではないが、形としては、そのバネが本願で言う第1の支持部材側に位置しており、ワイヤの下端に第2の支持部材が結合される構造になっている。しかし、特許文献1と同じく複数(4本)のワイヤで吊り下げる構造で、水平方向の振動伝達を想定した場合、各ワイヤに伝わる振動成分が互いに異なる複雑な現象になることは容易に想像され、本願発明のような、シンプルで自由な振り子振動は到底望み得ないものと推定される。
なお、図1で説明した通り、1個のスピーカに3個または4個のインシュレーターを使用するので、スピーカ全体としては、複数のワイヤで吊る構成となる。しかし、各インシュレーターが担う振動遮断吸収の動作が及ぶ範囲から見ると各インシュレーターは十分離反した位置にあり、この振動遮断吸収動作に関する限り、各インシュレーターは互いに独立したものと考えてよく、この振動吸収に寄与する振り子動作は1本のワイヤで行われていることに変わりはないと言える。
次に、縦方向の振動遮断吸収の動作について説明する。上述した通り、スピーカが発生する振動では水平方向の振動成分が主なものとなるが、縦方向の振動成分も無視はできず、この縦方向の振動成分はワイヤの振り子現象では吸収できない。
従って、この縦方向の振動成分については、本願発明における弾性部材がその吸収動作を担うわけである。先の実施の形態例に則して説明すると、図3のインシュレーター5では、支持部12と中継部14との結合体、図4のインシュレーター5Aでは、円板部21、図5のインシュレーター5Bでは、弾性部材29がそれぞれ対応する。
この場合、先の水平方向の振動吸収で説明したと同様、ワイヤ13を介した第1の支持部材と第2の支持部材との間に自由振動系が成立するとみなしたときの当該自由振動の縦方向(垂直方向)における固有振動周波数が、人間の可聴周波数の下限値(20Hz程度)未満となるようこれら弾性部材の弾性を設定する必要がある。
従って、各弾性部材の設計は、以上の条件を満たすように、それぞれの形状に応じてその材質・サイズを設定すればよいが、上述したワイヤによる振り子現象の場合と異なり、いずれのタイプの弾性部材にあっても、当該弾性部材に掛かる荷重の大きさが影響してくることになる。
この点を考慮すると、既述した通り、図5のように、弾性部材29を独立部品とすることで、他の部品は共通でこの弾性部材29のみスピーカの重量に合わせた複数種類の部品を用意することで、すべてのスピーカに対処でき、製品コストの低減を図ることができるという利点がある。
実施の形態5.
本願発明に係るインシュレーターの性能を検証した内容について実施の形態5として以下に詳述する。
ところで、既述したように、この種のインシュレーターは、スピーカから再生される音に拘りの強い、いわゆるオーディオマニアを顧客層として製造販売されるものがほとんどで、これらオーディオマニアの趣向を想定して種々様々な製品が市販されている。
そして、これらのインシュレーターを使ったことによる効果は、人間の耳で実際に試聴して判断され、例えば、マイク等で検出した音響波形を比較するといった機械的な方法では到底判定し得ないほど繊細のもので、各製造者は、勢い、性能というより独特の抽象的なキャッチフレーズを考案して販売しているというのが実情と考えられる。
本願発明者は、以上の事情に鑑み、今回開発した本願発明になるインシュレーターを極力客観的に検証する方法を新たに考案した。その背景からかなりマニアックな内容にならざるを得ないが、以下にその検証方法および検証結果について詳細に説明する。
先ず、その特徴点を列挙する。
1)再生された音を検出するセンサとしては、あくまでも人間の耳を使用し、波形分析や周波数分析といった方法では到底得られない高い検出感度を担保している。
2)2つの互いに異なるピッチ(音の高さ=音の周波数)の音が同時に発生すると、両者の高さ(周波数)の関係で、人間の耳では、ビート(うなり)が発生したり発生しなかったりする現象が観察される。開発した方法では、一般的に言われる、例えば、音が柔らかい、固い、明るい、暗い、といった主観的な把握ではなく、上記したビートの有り無しの現象に着目し、検証の客観性を高めている。
3)スピーカを用いた実験との比較を行う標準器として、インシュレーターの影響が無い、高性能のヘッドフォンを使用することで比較結果の信頼性を確保している。
次に、具体的な検証方法について説明する。
周知のように、現在のピアノの調律は、一般的には、1オクターブを均等な比率で12等分した平均律で行われている。これは、どんな調性の曲でも和音の響きに大きな濁りが生じず、無難な演奏を行えるためと言われているが、逆の見方をすると、ほとんどの和音に僅かな濁りが発生するとも言える。この為、ピアニストによっては、必ずしもその調律を平均律で行わず、曲によりまたそのピアニストの好み等により平均律とは異なる調律を施して演奏する場合があるとも言われている。
本願発明者は、このピアノの調律と和音の響きとの関係に創造的に着目してこの検証法を考案したものである。
即ち、本来、完全5度の音程(例えば、「ド」と「ソ」)は、その周波数が2/3の関係にあり、ビートの無い澄んだ音に聞こえるはずである。しかし、ピアノで演奏すると上述した通り、その調律や曲の調性によりビートが発生しうることになる。
そこで、異なる調律を使用していると想定される著名な二人の下記ピアニストによる下記2つの曲が録音されたCDを再生し、5度のキーが叩かれた部分でのビートの有無を各ケースで検証した。
ピアニスト1:グレン・グールド(カナダ)
ピアニスト2:ヴァレリー・アファナシェフ(ロシア)
演奏曲1:J.S.バッハ作曲平均律ピアノ曲集第1巻第1番ハ長調
演奏曲2:同第8番変ホ短調
標準器としてのヘッドフォン:独ゼンハイザー社製HD650型ヘッドフォン(歪みは0.05%以下で、世界で最も歪みの低い製品として定評がある)
使用したスピーカの種別
スピーカ1:デンマークB&O社製BeoLab3型(デジタルアンプ内蔵スピーカ) スピーカ2:英タンノイ社製IIILZ型(古典的なタイプのスピーカ)
スピーカ3:米エレクトロボイス社製マルキス300型(古典的なタイプのスピーカ)
スピーカ4:米クリプッシュ社製ラ・スカラ型(オールホーン型スピーカ)
以下、実験による試聴結果を列挙する。但し、
×は、ビート有りと観察されたもの、◎は、ビート無しと観察されたもの、○は、ビートが確認しにくいとされたものを示す。
また、インシュレーターセットとは、先の図5に示す状態でセットした場合を示し、インシュレーター逆セットとは、図5とは上下逆にセットした場合で、先に特許文献1で紹介したように、スピーカをワイヤの下端で直接吊り下げるのではなく、弾性部材であるバネを介してワイヤで吊り下げる状態と等価となる。
ピアニスト1 ピアニスト2
ケース1:ヘッドフォン使用
演奏曲1 × ◎
演奏曲2 ◎ ×
ケース2:スピーカ1使用
2−1)インシュレーター無し 演奏曲1 ○ ◎
演奏曲2 ◎ ◎
2−2)インシュレーターセット 演奏曲1 × ◎
演奏曲2 ◎ ×
2−3)インシュレーター逆セット演奏曲1 ○ ◎
演奏曲2 ◎ ○
ケース3:スピーカ2使用
3−1)インシュレーター無し 演奏曲1 ◎ ◎
演奏曲2 ◎ ◎
3−2)インシュレーターセット 演奏曲1 × ◎
演奏曲2 ◎ ×
3−3)インシュレーター逆セット演奏曲1 ◎ ◎
演奏曲2 ◎ ◎
ケース4:スピーカ3使用
4−1)インシュレーター無し 演奏曲1 ◎ ◎
演奏曲2 ◎ ◎
4−2)インシュレーターセット 演奏曲1 × ◎
演奏曲2 ◎ ×
4−3)インシュレーター逆セット演奏曲1 ◎ ◎
演奏曲2 ◎ ◎
ケース5:スピーカ4使用
5−1)インシュレーター無し 演奏曲1 ◎ ◎
演奏曲2 ◎ ◎
5−2)インシュレーターセット 演奏曲1 × ◎
演奏曲2 ◎ ×
5−3)インシュレーター逆セット演奏曲1 ◎ ◎
演奏曲2 ◎ ◎
以上の実験結果から以下のことが判る。即ち、
1)標準器としたヘッドフォンを使用した場合、ピアニストおよび演奏曲によってビートの有無に差があることが明確に観察された。これは既述したように、ピアニストによって調律法が異なり、それが演奏曲の調性の違いに反映したものと考えられる。
2)インシュレーターを使用しない場合は、概ねいずれの場合もビートが観察されず、スピーカを直接床に設置したためにこの伝達部分で歪みが発生し、各場合での判別が不可能になったものと推察される。
3)これに対し、インシュレーターをその本来の図5の姿勢で正しくセットすると、ビートの有無に関して、実験をした全てのスピーカにおいて、標準器としてのヘッドフォンを使用した場合と全く同一の結果が観察され、スピーカが歪み無く原音を正確に再生出力していることの証であり、本願発明になるインシュレーターの上述した優れた特性が実証されたことになる。
4)更に、インシュレーターを上下逆にセットした場合は、ほとんどインシュレーターを使用しない場合に近い結果となり、歪みの無いインシュレーターとして機能を果たしていないことが分かる。なお、この逆セットは、一応特許文献1の場合を模擬したものであるが、実際の特許文献1では、既述した通り、各インシュレーターがスピーカの1箇所を4本のワイヤで吊り下げる構造であり、その吊り構造が複雑となり、今回の実験結果より更に低下した可能性が高いと言える。
なお、以上の検証方法には、再生音を聴く人間の主観はほとんど入り得ないが、念のため、数人の観察者で同様の実験を実施したが、全て同一の結果であったことを確認している。
以上で説明した検証結果から以下のことも言える。即ち、本願発明になるインシュレーターは、何ら歪みを付加することなく、スピーカを床から音響的に絶縁することで、スピーカの持つ本来の音を忠実に再現することができるものであり、このインシュレーターをセットすることで必ずしも快適な聴きやすい音を作り出すというものではないということである。
なお、インシュレーターをCDプレーヤやアンプ等とラック等との間に挿入して使用する場合の検証には触れていないが、実際に本願発明になるインシュレーターを使用すると再生音に変化が見られる。第一義的には、既述したように、床からCDプレーヤ等に伝達する振動をインシュレーターが防止するものであるが、床に振動の存在が考えられないような場合にもインシュレーターの挿入で音が変わることが観察されている。
この現象は、スピーカの場合のようには理解が容易ではないが、CDプレーヤやアンプを構成する金属製の筐体はアース電位に設定され、この筐体にはその内部の回路の一部が接続されている。そして、この回路に流れる信号、電流によって筐体が僅かに変形し得るが、この筐体の設置姿勢によってその変形が非線形に変化するとこの筐体に流れる信号、電流に歪みが発生し結果としてその出力信号にその非線形変形の影響が現れると言われている。
従って、本願発明になるインシュレーターの上にこれらCDプレーヤを設置することで、実質的にCDプレーヤが浮いた状態でその筐体に発生する機械的なストレスが開放され、上記の非線形性が抑制されて音質が向上することが考えられる。事実、実際にアンプ付CDプレーヤで本願発明になるインシュレーターを試してみた結果、逆に筐体固有の音があったのが判るぐらいに、癖のないクリアーな音が得られた。
実施の形態6.
先の各実施の形態例で説明した通り、この発明になるインシュレーターを、例えば、スピーカに適用した場合、スピーカがまるで床から浮いた様な状態が再現される。事実、図1で例示したように、この発明になるインシュレーターを4個または3個床に配置し、更にその上にスピーカを設置して、そのスピーカの上端を軽く押すと、簡単に揺動する。特に、背の高いスピーカの場合はこの揺れが大きくなり、地震発生時にスピーカが倒れるのではないかとユーザーに不安を抱かせることが懸念される。
勿論、インシュレーター本来の遮音機能を果たすためには、このような大きな振幅の揺れを担保する必要は全くない。
この実施の形態6は、以上の背景、観点から新たに考案したもので、この発明になるインシュレーターの上述した優れた性能を損なうことなく、ユーザーの使用現場における耐震性を向上させることを目的とするものである。
図6は、この発明の実施の形態6におけるインシュレーターの使用状態を示す斜視図で、ここでは、4個のインシュレーター5Cを共通の板材35に取り付けてこれを床面に設置し、その上にスピーカ3を載せている。なお、図6では、スピーカ3を破線で図示している。
図7は、インシュレーター5Cと板材35との取り付け部分の詳細を示す断面図である。図において、インシュレーター5Cは、一部を除いて、先の図5で説明したインシュレーター5Bと同じものである。即ち、第1の支持部材25は、底板部26と、支柱部A27を介して底板部26と結合されたバネ台部28とからなり、また、弾性部材であるバネ29は、その下辺部がバネ台部28に結合されており、その上辺部にワイヤ13の上端が結合されており、いずれも図5の場合と同じものである。
第2の支持部材30Aは、図5の場合と異なり、上蓋部31とワイヤ13の下端が結合された下蓋部33とは、支柱部B34のみを介して結合される構造で、図5の側辺部32は使用していない。
板材35は、先の図6に示すように、スピーカ3(第2の物体9に相当)の底面より大きい面積を有しており、具体的には、板材35の周縁がスピーカ3の周縁より所定寸法外方に位置するようその面積が設定されている。そして、板材35の厚さは、図7に示すように、その表裏が、それぞれ上蓋部31の上面、下蓋部33の下面と面一となる厚さに設定されている。
そして、板材35の周縁近傍に沿って所定の間隔で複数(図6では4隅に4個)の貫通穴35aを設け、図7に示すように、この貫通穴35aの内面の上端および下端に形成した段部が上蓋部31および下蓋部33の周縁に形成された段部に嵌合することで、インシュレーター5Cが板材35に一体に取り付けられる。正確には、4個のインシュレーター5Cの各第2の支持部材30A(上蓋部31と下蓋部33)と板材35とが一体構造となる。
なお、この場合の取り付け作業は、先ず、インシュレーター5Cから上蓋部31を取り外したものを板材35の貫通穴35aの下方から挿入して下蓋部33の周縁を貫通穴35aの下端に嵌め込み、しかる後、上蓋部31をその周縁が貫通穴35aの上端に嵌め込むようにして上方から取り付け、ネジにより支柱部B34に締め付け一体とする。
図8は、図7のインシュレーター5Cを更に変形したインシュレーター5Dを示す断面図である。図7と異なる点のみを説明する。即ち、図8において、板材36は、その上面が第2の水平面9Aに当接し、図7の貫通穴35aに相当する位置には下面が開放する凹部36aが形成されている。そして、この凹部36aの下端周縁に下蓋部33を図示しないネジで締め付け固定することで、凹部36aの内部にバネ台部28、バネ29およびワイヤ13を収容する構成となっている。
従って、図8のインシュレーター5Dでは、下蓋部33と板材36とで第2の支持部材30Bを構成している。
なお、以下で説明する動作は、図8のインシュレーター5Dも図7のインシュレーター5Cと全く同一であるので、以下では専ら後者を対象に説明することにする。
次に、動作について説明する。もっとも、図6から判るように、スピーカ3は、インシュレーター5Cと一体に構成された板材35の上に載せられるので、主として先の実施の形態4および5で説明した、何ら歪みを付加することなくスピーカを床から音響的に絶縁するという機能は全く同様に発揮されるのは明らかで、その説明の再録は省略する。
そこで以下では、地震等の発生で、図6に示すインシュレーター5C、板材35およびスピーカ3に床から振動が加わった場合の動作について説明する。地震による振動の主成分は、一般に既述してきたオーディオ分野の可聴周波数よりかなり低い周波数のものである。従って、図7において、床8の振動は、第1の支持部材25(底板部26、支柱部A27、バネ台部28)、バネ29、ワイヤ13、第2の支持部材30A(下蓋部33、支柱部B34、上蓋部31)、板材35を経てスピーカ3に伝わることになる。
なお、図8のものでは、床8の振動は、第1の支持部材25(底板部26、支柱部A27、バネ台部28)、バネ29、ワイヤ13、第2の支持部材30B(下蓋部33、板材36)を経てスピーカ3に伝わることになる。
ここで、床振動の水平成分は、主としてワイヤ13の振り子運動で一定量が吸収されてスピーカ3に伝達される。また、床振動の垂直成分は、主としてバネ29の弾性で一定量が吸収されてスピーカ3に伝達されることになる。
そして、この発明では、図7に示すように、1個のインシュレーター5Cにおいては1本のワイヤ13で吊る構造となっているので、それぞれのインシュレーター5Cが床面から瞬間的に自由な角度で傾斜できる構造になっている。
以上の結果、板材35従ってその上に設置されたスピーカ3はスムーズに揺動することになり、その揺動運動は、ほぼスピーカ3の重心を中心としたシーソーの動きとなる。
例えば、図6で、スピーカ3を正面から見て、時計方向に揺動した瞬間を考えると、右側のインシュレーター5Cのバネ29は左側のインシュレーター5Cのバネ29に比較してより大きく圧縮収縮され、その結果反力がより大きくなる。即ち、これら4個のインシュレーター5Cが自動的にスピーカ3の揺動の振幅を抑制するような働きをするわけである。
また、上述したように、1本のワイヤ13による吊り構造を採用することで板材35がスムーズに揺動するということは、スピーカ3と板材35との間に無理な滑りを発生させないので、地震発生時にスピーカ3が板材35から滑り落ちるという可能性も低減される。
当然ながら、地震は自然現象でありその振幅に上限が定められているわけではない。従って、予想を越えた振幅の地震が発生した場合、板材35の揺動の振幅が過大となって転倒する可能性が出てくる。この場合、この発明の実施の形態6では、図6に示すように、板材35は、その周縁がスピーカ3の周縁より所定寸法外方に位置するようその面積が設定されているので、スピーカ3を直にインシュレーター上に設置するときに比較して、揺動振幅がより小さい段階で、板材35の先端が床面に当接し転倒が未然に防止される。
スピーカ3が、その床面積に比較して背が余り高くなく転倒しにくい形状の場合には、板材35は、スピーカ3の面積と同程度またはそれ以下の面積のものとしてもよいことは勿論である。
更に、板材を使用せず、先の実施の形態1〜3で説明したインシュレーターのみを複数個使用した場合も、この実施の形態6で上述したように、1個のインシュレーターにおいては1本のワイヤで吊る構造となっているので、それぞれのインシュレーターが床面から瞬間的に自由な角度で傾斜できる構造になっている、その結果、これらインシュレーターの上に設置されたスピーカはスムーズに揺動し、しかもそのバネの働きで揺動の振幅が自動的に抑制され安全が確保されるという、本願発明特有の効果はそのまま発揮される。
また、この実施の形態6で説明した、地震等の外部からの振動に対する本願発明になるインシュレーター特有の動作特性およびその効果に着目すると、第2の物体9として例えば精密機器等を想定した免震装置としてこの発明は極めて有効であると言える。勿論、インシュレーターとしての全体の体躯、ワイヤの太さ、長さ強度等の特性、バネの張力、強度等の特性については、先の実施の形態1〜3で説明したいわゆるオーディオ用途のインシュレーターの場合とは異なる設定が必要となるが、発明の構成としては全く同一のものとして適用することができる。
この発明は、例えば、スピーカやCDプレーヤ等と床との間に挿入して両者の間を音響的に遮断する、いわゆるオーディオ分野に使用するインシュレーターとしては勿論、例えば、精密機器等を地震等の振動から保護するための、いわゆる免震機能を発揮するインシュレーターとしても適用することができる。
3 スピーカ、4 床、5,5A,5B,5C インシュレーター、
6 LPプレーヤ、7 ラック、8 第1の物体、8A 第1の水平面、
9 第2の物体、9A 第2の水平面、10,18,25 第1の支持部材、
11 基台部、12 支持部、13 ワイヤ、14 中継部、
15,22,30,30A,30B 第2の支持部材、16,23 本体部、
17,24 固定部、19 基板部、20 側板部、21 円板部、26 底板部、
27 支柱部A、28 バネ台部、29 バネ、31 上蓋部、32 側辺部、
33 下蓋部、34 支柱部B、35 板材、35a 貫通穴、36 板材、
36a 凹部。

Claims (12)

  1. 第1の物体の上端の第1の水平面と前記第1の物体より上方に位置する第2の物体の下端の前記第1の水平面より上方に位置する第2の水平面との間に介在し、前記両物体のいずれか一方からの振動が前記両物体のいずれか他方へ伝わるのを抑制するインシュレーターであって、
    下面が前記第1の水平面に当接する剛性の大きい第1の支持部材、所定の長さを有しその上端が弾性部材を介して前記第1の支持部材に結合された曲げ剛性の小さい1本のワイヤ、および前記ワイヤの下端に結合されることで前記弾性部材および前記ワイヤを介して前記第1の支持部材から吊り下げられ上面が前記第2の水平面に当接する剛性の大きい第2の支持部材を備えたインシュレーター。
  2. 前記1本のワイヤは、複数本の細線をより合わせた1本のより線としたことを特徴とする請求項1記載のインシュレーター。
  3. 前記ワイヤを介した前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との間に自由振動系が成立するとみなしたときの当該自由振動の水平方向における固有振動周波数が、人間の可聴周波数の下限値未満となるよう前記ワイヤの長さを設定したことを特徴とする請求項1または2に記載のインシュレーター。
  4. 前記ワイヤを介した前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との間に自由振動系が成立するとみなしたときの当該自由振動の垂直方向における固有振動周波数が、人間の可聴周波数の下限値未満となるよう前記弾性部材の弾性を設定したことを特徴とする請求項3記載のインシュレーター。
  5. 前記第1の支持部材は、前記第1の水平面に当接する基板部と円筒状でその軸方向一端が前記基板部に結合された側板部とを備え、前記弾性部材は、円板状でその径方向中心と前記側板部の径方向中心とが一致するようにその周縁が前記側板部に結合され該径方向中心に前記ワイヤの上端が結合された円板部からなり、前記第2の支持部材は、底部を有する円筒状で前記底部が前記第2の水平面に当接し前記側板部および円板部を覆うように形成された本体部と十字状でその端部が前記本体部の下部内面に結合されその中心部に前記ワイヤの下端が結合された固定部とを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインシュレーター。
  6. 前記第1の支持部材は、前記第1の水平面に当接する底板部と、所定長の支柱部を介して前記底板部と結合されたバネ台部とを備え、前記弾性部材は、所定厚および幅の板を略U字状に形成しその長辺の一方が前記バネ台部に結合されその長辺の他方に前記ワイヤの上端が結合されたバネからなり、前記第2の支持部材は、前記第2の水平面に当接する上蓋部と、前記底板部とバネ台部との間に位置するように所定長の側辺部を介して前記上蓋部と結合され前記ワイヤの下端が結合された下蓋部とを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインシュレーター。
  7. 前記第1の支持部材は、前記第1の水平面に当接する底板部と、所定長の第1の支柱部を介して前記底板部と結合されたバネ台部とを備え、前記弾性部材は、所定厚および幅の板を略U字状に形成しその長辺の一方が前記バネ台部に結合されその長辺の他方に前記ワイヤの上端が結合されたバネからなり、前記第2の支持部材は、前記第2の水平面に当接する上蓋部と、前記底板部とバネ台部との間に位置するように所定長の第2の支柱部を介して前記上蓋部と結合され前記ワイヤの下端が結合された下蓋部とを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインシュレーター。
  8. その周縁近傍に沿って所定の間隔で複数の貫通穴を形成した板材を備え、前記各貫通穴の内面の上端および下端でそれぞれ前記上蓋部および前記下蓋部の周縁を支持することにより、請求項7記載のインシュレーターを前記複数個、その前記上蓋部および前記下蓋部を前記板材に一体に取り付けてなるインシュレーター。
  9. 前記第1の支持部材を複数個備え、前記各第1の支持部材は、前記第1の水平面に当接する底板部と、所定長の第1の支柱部を介して前記底板部と結合されたバネ台部とを備え、前記弾性部材を前記複数個備え、前記各弾性部材は、所定厚および幅の板を略U字状に形成しその長辺の一方が前記バネ台部に結合されその長辺の他方に前記ワイヤの上端が結合されたバネからなり、前記第2の支持部材は、その上面が前記第2の水平面に当接し、下面が開放する凹部がその周縁近傍に沿って所定の間隔で前記複数個形成された板材と、前記底板部とバネ台部との間に位置するように前記板材の各凹部下端周縁に固定され前記ワイヤの下端が結合された前記複数個の下蓋部とを備え、前記各凹部内に前記各バネ台部、前記各バネおよび前記各ワイヤを収容してなる請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインシュレーター。
  10. 前記板材は、該板材の周縁が前記第2の物体の底面周縁より所定寸法外方に位置するように該板材の面積を設定したことを特徴とする請求項8または9に記載のインシュレーター。
  11. 前記バネは、前記インシュレーターを介して前記第2の物体を前記第1の物体の上に載置したときに比例弾性限界内で所定量の変形を呈するように当該インシュレーターに負荷される荷重の大きさに応じてそのバネ強度を設定するようにしたことを特徴とする請求項6ないし10のいずれか1項に記載のインシュレーター。
  12. 前記バネを、前記第2の物体が負荷されない状態では、前記第1の支持部材の前記バネ台部と前記第2の支持部材の前記下蓋部とが前記バネの弾性力に基づき当接するようにしたことを特徴とする請求項11記載のインシュレーター。
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