JP2023137877A - エレベーターの免震構造 - Google Patents

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銘崇 劉
ming cong Liu
和彦 磯田
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Abstract

【課題】建物と独立してエレベーターシャフトをまるごと免震化することができるエレベーターの免震構造を提供する。【解決手段】エレベーターの免震構造1は、エレベーターピット10と、エレベーターピット10に設けられた免震支承30と、免震支承30に支持された梁構造体20と、梁構造体20に立設された上部フレーム50と、上部フレーム50に支持されたエレベーター本体70と、を備え、梁構造体20は、免震支承30に支持され、平面視ロの字状に形成された基礎繋梁21と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、エレベーターの免震構造に関するものである。
従来から、エレベーターには自動復旧運転機能が備えられているため、概ね震度4レベルの揺れを感知すると、最寄り階に自動停止して人がエレベーターのかごから退出できるように設定されている。しかし、中大地震時に、適切に停止できず、エレベーターのかご内に人が閉じ込められた報告が多数ある。
エレベーターが一旦停止すると、保守担当者による安全確認をしてからでないと運転再開できない。この場合、地震後は直ぐにエレベーターが使えず、中高層建物では避難や水、食料、薬等の生活物資の配送が遅れることが懸念される。このため、地震時にも停止せず機能し続けられるように、エレベーターの免震化が求められている。
下記の特許文献1~3では、免震構造建物内に用いるエレベーター装置が提案されている。
下記の特許文献4では、エレベーターを格納するコンクリートで形成されたエレベーターシャフト(昇降路)の内側にエレベーター架構が設けられ、エレベーター架構の下部とエレベーターシャフトの底部との間に免震装置が設置され、エレベーター架構の下部とエレベーターシャフトの壁との間に制震装置が設置されたエレベーターの免震構造が提案されている。
特許第4764656号公報 特許第4481071号公報 特開平1-002987号公報 特開2013-18636号公報
しかしながら、特許文献1~3のエレベーター装置は、エレベーター自体(単体)を免震化したものではないため、建物が免震構造でないと適用することができない。
引用文献4のエレベーターの免震構造は、震度4以下の場合に従来システムでも対応でき、震度6以上の場合に従来通りの保守担当者が安全確認した後に運転再開するため、効果が得られるのは震度5の場合だけであり、メリットが小さい。
また、エレベーターシャフトの下部に設置した免震装置の上にエレベーター架構を構築するため、エレベーターシャフトとエレベーター架構との間に免震クリアランスが必要になる。このため、通常のエレベーターシャフト内に納まるエレベーターのかごの寸法よりも小さな寸法のエレベーターのかごしか設置できず、各階の出入り口でエレベーターのかごとエレベーターホール床との間にクリアランス対応(床エキスパンションジョイント等)が必要となり、非効率なシステムとなる。
また、震度6以上のような大地震の場合、エレベーター架構が曲げ変形して、エレベーターシャフトの壁(コンクリート壁)と衝突してしまいう懸念がある。エレベーター架構の上部が曲げ変形しやすいため、上層階での水平変位が増加し、エレベーターシャフトの壁と衝突するおそれが大きくなる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、建物と独立してエレベーターシャフトをまるごと免震化することができるエレベーターの免震構造を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るエレベーターの免震構造は、エレベーターピットと、前記エレベーターピット上に設けられた免震支承と、前記免震支承に支持された梁構造体と、前記梁構造体に固定して立設された上部フレームと、前記上部フレームに支持されたエレベーター本体と、を備える。
このように構成されたエレベーターの免震構造では、免震支承で支持する梁構造体、上部フレーム及びエレベーター本体を、他の構造物とは独立して免震化することができる。
また、本発明に係るエレベーターの免震構造では、前記梁構造体は、前記免震支承に支持され、平面視ロの字状に形成された基礎繋梁と、前記基礎繋梁に支持され、平面視井桁状に形成されたアウトリガー梁と、を有し、前記上部フレームは、前記アウトリガー梁に固定されていてもよい。
このように構成されたエレベーターの免震構造では、アウトリガー梁の支点間隔(支承間隔=支承間隔)が上部フレームの柱間隔より大きい。このため、上部フレームの下端にある梁構造体の浮き上がりが生じにくく、上部フレームの下端における回転も生じにくくなる。よって、上層階でクリアランスが不足して上部フレームと構造体とがエレベーター乗降口で衝突するおそれを抑制することができる。
また、本発明に係るエレベーターの免震構造では、前記梁構造体は、前記免震支承に支持され、平面視ロの字状に形成された基礎繋梁を有し、前記上部フレームは、前記基礎繋梁に固定されていてもよい。
このように構成されたエレベーターの免震構造では、アウトリガー梁を設置せずに、梁構造体、上部フレーム及びエレベーター本体を、独立して免震化することができるため、アウトリガー梁を設置する施工手間を省略することができるが、上部フレームの柱間隔は大きくなる。
また、本発明に係るエレベーターの免震構造は、前記エレベーターピット内に梁構造体から吊り下げられた下部フレームを備えている。
このように構成されたエレベーターの免震構造では、梁構造体から吊り下げられた下部フレームが設けられるため、地下部においてもエレベーター本体を安定して支持することができる。
また、本発明に係るエレベーターの免震構造では、前記免震支承は、滑り支承であってもよい。
このように構成されたエレベーターの免震構造では、滑り支承によって、免震効果を発揮し、エレベーターに伝わる地震力を低減することができる。
本発明に係るエレベーターの免震構造によれば、建物と独立してエレベーターシャフトをまるごと免震化することができる。
本発明の第一実施形態に係るエレベーターの免震構造を示す模式的な図であり、図2のI-I線の立面図である。 本発明の第一実施形態に係るエレベーターの免震構造を示す模式的な平面図である。 本発明の第一実施形態の(a)免震支承の摺動子の分解斜視図であり、(b)免震支承の分解斜視図である。 本発明の第一実施形態の免震支承の(a)平面図であり、(b)(a)のb-b線断面図であり、(b)(a)のc-c線断面図である。 本発明の第一実施形態の免震支承の常時の状態を示す図である。 本発明の第一実施形態の免震支承の地震時時の状態を示す図である。 本発明の第二実施形態に係るエレベーターの免震構造を示す模式的な図であり、図8のVII-VII線の立面図である。 本発明の第二実施形態に係るエレベーターの免震構造を示す模式的な図であり、上部フレームの位置での平面図である。 本発明の第二実施形態に係るエレベーターの免震構造を示す模式的な図であり、基礎繋梁位置での平面図である。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に係るエレベーターの免震構造について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るエレベーターの免震構造を示す模式的な図であり、図2のI-I線の立面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエレベーターの免震構造1は、エレベーターピット10と、エレベーター構造体2と、免震支承30と、を備えている。
エレベーターピット10は、地下に設置されている。エレベーターピット10は、底盤11と、底盤11の外縁部から立設された周壁(ピット壁)12と、を有している。周壁12の上端部には、外側に張り出した張出し部12aが設けられている。エレベーターピット10の内部には、後述するエレベーター構造体2の下部が収容可能な収容空間部10sが形成されている。
エレベーター構造体2は、梁構造体20と、上部フレーム50と、下部フレーム60と、エレベーター本体70と、を有している。
梁構造体20は、基礎繋梁21と、アウトリガー梁40と、を有している。
図2は、エレベーターの免震構造1を示す模式的な平面図である。
基礎繋梁21は、張出し部12aの上方に配置されている。基礎繋梁21は、後述する免震支承30に支持されている。基礎繋梁21は、張出し部12aの延在方向に沿って配置されている。図2に示すように、平面視で、基礎繋梁21は、平面視ロの字状に形成されている。基礎繋梁21は、水平面に沿う第1方向(図2に矢印aで示す方向)に延びる一対の梁と、水平面に沿い第1方向に直交する第2方向(図2に矢印bで示す方向)に延びる一対の梁とが、端部で接合されて一体化され、全体として平面視ロの字状になるように構成されていてもよい。
図1に示すように、アウトリガー梁40は、基礎繋梁21上または側面固定されている。
図2に示すように、アウトリガー梁40は、一対の第1梁41と、一対の第2梁42と、一対の第3梁43と、一対の第4梁44と、を有している。
第1梁41は、第1方向(図2に矢印aで示す方向)に延びている。一対の第1梁41は、第2方向(図2に矢印bで示す方向)に離間して配置されている。第2梁42は、第2方向に延びている。一対の第2梁42は、第1方向に離間して配置されている。第2梁42は、長さ方向の中間部で第1梁41と接合されている。一対の第1梁41及び一対の第2梁42によって、平面視井桁状をしている。
一対の第3梁43は、基礎繋梁21上に位置し、第1方向に延びている。一対の第4梁44は、基礎繋梁21上に位置し、第2方向に延びている。平面視で一対の第3梁43及び一対の第4梁44は、一対の第1梁41及び一対の第2梁42の外側を囲むように、ロの字状をしている。なお、アウトリガー梁40が基礎繋梁21の側面に接合される場合は、基礎繋梁21の成をアウトリガー梁40と同じにして第3梁43および第4梁44を省略してよい。
図1に示すように、上部フレーム50は、4本の柱51と、複数の接合部材52と、上部支持部55と、を有している。
図2に示すように、柱51の下端部は、アウトリガー梁40の第1梁41と第2梁42との交差部に固定され立設されている。
図1に示すように、接合部材52は、隣り合う柱51どうしを接合している鉄骨梁部材である。接合部材52は、上下方向に離間して複数配置されている。接合部材52は、第1方向に隣り合う柱51どうしを接合する一対の第1接合部材53と、第2方向に隣り合う柱51どうしを接合する一対の第2接合部材(不図示)と、を有している。平面視で、接合部材52は、一対の第1接合部材53と一対の第2接合部材とによって四方枠状に配置されている。上部支持部55は、4本の柱51の上端部どうしを接合している。
下部フレーム60は、エレベーターピット10の内部に収容されている。下部フレーム60は、4本の縦材(吊り柱)61と、複数の横材(梁)62と、を有している。
縦材61の上端部は、アウトリガー梁40の第1梁41と第2梁42との交差部に固定され吊り下げられている。
横材62は、隣り合う縦材61の下端部どうしを接合している。横材62は、第1方向に隣り合う縦材61どうしを接合する一対の第1接合部材63と、第2方向に隣り合う縦材61どうしを接合する一対の第2接合部材(不図示)と、を有している。平面視で、横材62は、一対の第1接合部材63と一対の第2接合部材とによって四方枠状に配置されている。
下部フレーム60の縦材61は、エレベーターピット10の周壁12との間に、免震クリアランスs1を空けて配置されている。
エレベーター本体(エレベーターのかご)70は、上部フレーム50の上部支持部55に設置された機械室72に設けられたシーブ(不図示)に掛け回された吊りロープ71を介して、上部フレーム50に支持されている。図1に、エレベーター本体70の移動範囲を二点鎖線70aで示す。
本実施形態では、免震支承30は、傾斜滑り支承である。免震支承30は、エレベーター構造体2をその支持構造物であるエレベーターピット10に対して水平各方向に滑動自在に支持するためのものである。図2に示すように、免震支承30は、エレベーターピット10の張出し部12aの四隅に設置されている。なお、免震支承の一実施形態が滑り支承であり、滑り支承の一例として傾斜滑り支承が採用されている。
図3は、(a)免震支承30の摺動子35の分解斜視図であり、(b)免震支承30の分解斜視図である。
図3に示すように、免震支承30は、上部案内部材33と、下部案内部材34と、摺動子35と、を有している。上部案内部材33は、基礎繋梁21の下部(図1参照)に固定されている。下部案内部材34は、エレベーターピット10の張出し部12aの上部(図1参照)に固定されている。摺動子35は、上部案内部材33と下部案内部材34との間に介装されている。摺動子35は、上部案内部材33に対して水平一方向(図3ではX-X方向として示す)にのみ摺動可能に保持されている。摺動子35は、下部案内部材34に対しては水平一方向と直交する水平他方向(図3ではY-Y方向として示す)にのみ摺動可能に保持されている。
図4は、免震支承30の(a)平面図であり、(b)(a)のb-b線断面図であり、(b)(a)のc-c線断面図である。
上部案内部材33及び下部案内部材34は、いずれも断面矩形の横長のブロック状をなす同一形状及び同一寸法の部材である。上部案内部材33及び下部案内部材34は、長さ方向が互いに直交する向きとされている。上部案内部材33及び下部案内部材34は、上下方向に間隔をおいた状態で対向配置されている。図4(b),(c)に示すように、この状態で、上部案内部材33が基礎繋梁21に固定され、下部案内部材34がエレベーターピット10の張出し部12aに固定されている。
図3(b)に示すように、上部案内部材33及び下部案内部材34の対向面側(すなわち上部案内部材33の下面側及び下部案内部材34の上面側)には、それぞれの長さ方向に沿う溝が形成されている。溝の深さは中央部から両側に向かって漸次浅くなるようにされている。溝の底面は緩慢なV形に傾斜する傾斜面とされている。
上部案内部材33の溝が下向きとなり、溝の延在方向がX-X方向に沿う向きで、上部案内部材33は上部構造体17に固定されている。これによって、上部案内部材33に形成されている溝の底面は、X-X方向に沿って逆V形に緩慢に傾斜する下向きの上部傾斜面36となっている。
下部案内部材34の溝が上向きとなり、溝の延在方向がY-Y方向に沿う向きで、下部案内部材34はエレベーターピット10に固定されている。これによって、下部案内部材34に形成されている溝の底面は、Y-Y方向に沿ってV形に緩慢に傾斜する上向きの下部傾斜面37となっている。
図5は、免震支承30の常時の状態を示す図である。
図5に示すように、免震支承30の支持する軸力(自重)をWとすると、傾斜による復元力(水平力)Fは、水平面に対する傾斜角をθとして、式(1)で表される。摺動子35の接触面は、上面全体である。なお、μは傾斜面の摩擦係数であり、μWは摩擦力を意味する。
Figure 2023137877000002
図6は、免震支承30の地震時時の状態を示す図である。
地震時の免震層に生じる水平変位に対し、図6に示すように免震支承30は可動する。摺動子35の接触面は、上面の半分である。なお、実際の勾配は1/100~1/20だが、図を分かりやすくするために、傾斜角θを大きく図示している。
傾斜角θと傾斜面の摩擦係数μは、式(2)で表される関係にある。
Figure 2023137877000003
tanθは摩擦係数μの0.1~0.4に相当する値とする。また、免震変位によって摩擦係数を調整する必要があるが、低摩擦材を使用してμ≦0.06とする。
上記のエレベーターの免震構造1では、エレベーター構造体2を免震化することができるから、エレベーター本体70と上部フレーム50との間に免震クリアランスは必要なくなり、各階のかご出入り口におけるクリアランス対応(エキスパンションジョイント)も不要となる。
図1に示すように、アウトリガー梁40の支点間隔(=支承間隔)は、上部フレーム50の柱51間隔Bより大きい。エレベーターの転倒モーメントMは、地震力Q及び免震支承30までの高さHを用いて、式(3)で表される。
Figure 2023137877000004
アウトリガー梁40がある場合(本実施形態)の支点反力(軸力)PA、アウトリガー梁40が無い場合の上部フレーム50の柱51の柱脚反力PBは、それぞれ式(4)、(5)で表される。
Figure 2023137877000005
Figure 2023137877000006
A>Bであるため、PA<PBとなる。よって、転倒モーメントによる浮き上がりが生じ難くなり、アウトリガー梁40の回転(柱51の柱脚部回転)も抑制される。
このように構成されたエレベーターの免震構造1では、免震支承30で支持するエレベーター構造体2を、他の構造物とは独立して免震化することができる。エレベーターの免震構造1は他の構造物と一体化せずに独立した免震構造であるため、既存のRC等の耐震構造物に隣接して増設し、廊下で接続するエレベーターのみを免震化することができる。
また、アウトリガー梁40の支点間隔Aは、上部フレーム50の柱51間隔Bより大きい。このため、上部フレーム50の下端にある梁構造体20の浮き上がりが生じにくく、上部フレーム50の下端における回転も生じにくくなる。よって、上層階でクリアランスが不足して上部フレーム50と構造体とがエレベーター乗降口で衝突するおそれを抑制することができる。
また、梁構造体20から吊吊り下げられた下部フレーム60が設けられるため、地下部においてもエレベーター本体70を安定して支持することができる。
また、免震支承30として傾斜滑り支承を採用することによって、免震効果を発揮し、エレベーター構造体2に伝わる地震力を低減することができる。傾斜滑り支承を適用した構造物が固有周期をもっていないため、共振する可能性はない。荷重の変動による(荷重偏心による)ねじれが生じ難く、免震効果への影響も少ない。
また、上部フレーム50はエレベーター本体70と同時に免震化されているため、エレベーター本体70と上部フレーム50との間に免震クリアランスを設ける必要がない。このため、従来のように、コンクリート壁とエレベーターのかごとの間に大きな隙間(クリアランス)が不要となり、大きなエレベーター本体(エレベーターのかご)70を設置することができる。
また、地下のエレベーターピット10では、下部フレーム60とエレベーターピット10の周壁12との間に免震クリアランスs1が必要となるが、地上部ではエレベーター本体70と上部フレーム50との間に免震クリアランスが不要となる。よって、上部フレーム50をエレベーター本体70と比較して過大な寸法にすることなくコンパクトで合理的に設計することができる。
また、上部フレーム50の荷重をアウトリガー梁40及び基礎繋梁21によって、地下部で所定の免震クリアランスs1を確保したまま円滑に免震支承30に伝達できる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係るエレベーターの免震構造について、主に図7~図9を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態では、上述の第一実施形態と同一又は同様な部材及び部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施形態と異なる構成について説明する。
図7は、本発明の第二実施形態に係るエレベーターの免震構造を示す模式的な図であり、図8のVII-VII線の立面図である。図8は、本発明の第二実施形態に係るエレベーターの免震構造を示す模式的な図であり、上部フレームの位置での平面図である。図9は、本発明の第二実施形態に係るエレベーターの免震構造を示す模式的な図であり、基礎繋梁位置での平面図である。
図7に示すように、本実施形態に係るエレベーターの免震構造1Aは、エレベーターピット10と、エレベーター構造体2Aと、免震支承30と、を備えている。
エレベーター構造体2Aは、梁構造体20Aと、上部フレーム50Aと、エレベーター本体70Aと、を有している。
梁構造体20Aは、基礎繋梁21を有している。梁構造体20Aはアウトリガー梁を備えていない。
上部フレーム50Aは、4本の柱51Aと、複数の接合部材52A(図8参照)と、上部支持部55Aと、を有している。
柱51Aの下端部は、基礎繋梁21の四隅に固定されている。図8に示すように、接合部材52Aは、隣り合う柱51Aどうしを接合している。接合部材52Aは、上下方向に離間して複数配置されている。接合部材52Aは、第1方向に隣り合う柱51Aどうしを接合する一対の第1接合部材53Aと、第2方向に隣り合う柱51Aどうしを接合する一対の第2接合部材54Aと、を有している。平面視で、接合部材52Aは、一対の第1接合部材53Aと一対の第2接合部材54Aとによって四方枠状に配置されている。図7に示すように、上部支持部55Aは、4本の柱51Aの上端部どうしを接合している。
図8に示すように、一対の第1接合部材53Aどうしは、一対の小梁56で接合されている。小梁56は、第2方向に延びている。小梁56は、上下方向に離間して複数配置されている。
小梁56に、ガイドレール57が支持されている。ガイドレール57は、上下方向に延びる4本の縦レール57aと、縦レール57aどうしを連結する横レール57bと、を有している。横レール57bは、上下方向に離間して複数配置されている。小梁56に、縦レール57aが接合されている。
本実施形態では、下部フレームは設けられていないが、最下部に位置する小梁56に下部レールを吊り下げるように固定してもよい。
図7に示すように、エレベーター本体(エレベーターのかご)70Aは、上部フレーム50Aの上部支持部55Aに設置された機械室72に設けられたシーブ(不図示)に掛け回された吊りロープ71を介して、上部フレーム50Aに支持されている。ガイドレール57によって、エレベーター本体70Aは昇降移動が案内される。図7に、エレベーター本体70Aの移動範囲を二点鎖線70bで示す。
免震支承30の上部案内部材33(図4参照)は、基礎繋梁21の下部に固定されている。下部案内部材34(図4参照)は、エレベーターピット10の張出し部12aの上部に固定されている。免震支承30は、エレベーター構造体2Aをその支持構造物であるエレベーターピット10に対して水平各方向に滑動自在に支持する。
このように構成されたエレベーターの免震構造1Aでは、免震支承30で支持するエレベーター構造体2Aを、他の構造物とは独立して免震化することができる。エレベーターの免震構造1Aは他の構造物と一体化せずに独立した免震構造であるため、既存のRC等の耐震構造物に増設して廊下に接続するエレベーターのみを免震化することができる。
また、アウトリガー梁を設置せずに、エレベーター構造体2Aを、独立して免震化することができるため、アウトリガー梁を設置する施工手間を省略することができる。ただし、上部フレーム50Aの柱51A間隔が第一実施形態より広くなることから、エレベーターのかご寸法に対する上部フレーム50Aの平面積は増大することになる。
なお、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記に示す実施形態では、免震支承30として傾斜滑り支承を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。免震支承30として、特開2019-138376で開示されているような傾斜弾性すべり支承や球面滑り支承を採用することもできる。また、滑り支承に代えて積層ゴム支承を採用することもできる。
1,1A エレベーターの免震構造
2,2A エレベーター構造体
10 エレベーターピット
20,20A 梁構造体
21 基礎繋梁
30 免震支承
40 アウトリガー梁
50,50A 上部フレーム
60 下部フレーム
70,70A エレベーター本体

Claims (5)

  1. エレベーターピットと、
    前記エレベーターピット上に設けられた免震支承と、
    前記免震支承に支持された梁構造体と、
    前記梁構造体に固定して立設された上部フレームと、
    前記上部フレームに支持されたエレベーター本体と、を備えるエレベーターの免震構造。
  2. 前記梁構造体は、
    前記免震支承に支持され、平面視ロの字状に形成された基礎繋梁と、
    前記基礎繋梁に支持され、平面視井桁状に形成されたアウトリガー梁と、を有し、
    前記上部フレームは、前記アウトリガー梁に固定されている請求項1に記載のエレベーターの免震構造。
  3. 前記梁構造体は、
    前記免震支承に支持され、平面視ロの字状に形成された基礎繋梁を有し、
    前記上部フレームは、前記基礎繋梁に固定されている請求項1に記載のエレベーターの免震構造。
  4. 前記エレベーターピット内に前記梁構造体から吊り下げられた下部フレームを備える請求項1から3のいずれか一項に記載のエレベーターの免震構造。
  5. 前記免震支承は、滑り支承である請求項1から4のいずれか一項に記載のエレベーターの免震構造。
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