JP7438760B2 - 免制震エレベータ - Google Patents

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本発明は、免制震エレベータに関する。
災害時において、人の移動や物資の搬送など 通常時に比べてよりエレベータの必要性は高くなることが予想されている。ところが、大規模地震の際にはエレベータが停止することが想定され、停止した場合には階段のみが使用されるが、高層化に伴い移動が困難なうえ、とくに高齢者等の生活を維持できない。そのため、エレベータの停止により、停止したマンションからの住民の避難が発生した場合、大都市の避難所では避難収容人数を超える避難者が発生することになる。そのため、耐震構造及び耐震改修が行われている建物の場合には、災害(地震)に耐性があるエレベータの必要性が高まっている。
そこで、建物自体が免震機構を有していない場合におけるエレベータの地震対策として、例えば特許文献1に示されるような、エレベータのみを免震化したものが提案されている。
特許文献1には、エレベータの昇降路の下部にエレベータピットを設け、そのエレベータピットの底部内に免震装置を設置し、昇降路内に配置されるエレベータ架構を免震装置上に載置してエレベータ架構の底部側に地震検知器を設けて検知した地震動の数値が免震装置によって減衰される構成の免震エレベータを採用し、エレベータ架構の変形や破壊を防止する構成が提案されている。この場合、昇降路の底部に設けられた免震装置上にエレベータ架構が載置され、このエレベータ架構は昇降路の壁との間にクリアランスを確保した状態で配置されており、地震時に建物が大きく揺れても、その建物の揺れが免震装置で緩和されてエレベータ架構に伝達され、これによりエレベータ架構が構造体に衝突しない構成となっている。
特許第5450521号公報
しかしながら、従来の特許文献1に記載される免震エレベータでは、以下のような問題があった。
すなわち、エレベータに設置される免震装置は例えば年1回程度の点検や、必要に応じて免震装置を更新する必要がある。そのため、エレベータ架構の底部を支持する免震装置が配置されるエレベータピットの大きさは免震装置の点検や更新を行うために、エレベータシャフト周りのクリアランスを大きくして十分な作業スペースが確保する必要があることから、エレベータピットが大きくなってしまうという問題があった。
また、従来の免震エレベータでは、エレベータ架構の底部に免震装置を介して建物の基壇部に支持され、地震時におけるエレベータ架構の変位は建物の基壇部から免震装置を介して伝達される。そのため、下部に免震装置を設置することとなり、エレベータピットが深くなるという問題があり、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、免震構造をもたない建物に附属するエレベータにおいて、免震構造のエレベータを設計、設置する場合に、エレベータピットを小さく設置することができ、免制震装置の点検作業や更新作業を容易に行うことができる免制震エレベータを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、免制震装置を基壇部に設けない配置とすることで、エレベータシャフトの振れ幅を小さくできるとともに、エレベータピットの深さを浅くすることができる免制震エレベータを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る免制震エレベータは、免震構造をもたない建物の建物構造体と分離されているエレベータシャフトに免制震装置を備えた免制震エレベータであって、前記免制震装置は、前記建物構造体に設けられたエレベータピットと前記エレベータシャフトの側壁との間であって、かつ、前記エレベータピットの外側から点検作業が可能な位置に配置され、前記エレベータシャフトは、前記免制震装置に支持される被支持部によって吊り下げられた状態で設けられていることを特徴としている。
本発明では、エレベータシャフトの側壁が構造体との間に配置される免制震装置(免震装置及び制震装置のうち少なくとも一方)を介して支持され、免制震装置をエレベータシャフトより外側に配置することで、構造上変形に有利な構造となる。すなわち、地震時には免制震装置によってエレベータシャフトの揺れを抑制して小さな加速度幅に抑えることができる。そのため、エレベータが地震発生時のP波で一時停止した後、S波の加速度を小さく抑えることで、地震後、エレベータを通常運転に戻すことができる。
また、本発明に係る免制震エレベータでは、エレベータシャフトにおける免制震装置によって支持される被支持部がエレベータシャフトの側壁となるため、免制震装置をエレベータシャフトが配置される領域よりも外側に配置することができるうえ、必要であれば複数の設置も可能になる。そのため、本実施形態では、例えば従来のようにエレベータシャフトの底部で免制震支持する場合のようにエレベータシャフトが転倒し易い構造に比べて、エレベータシャフトの変位量を抑えることができる。
また、本発明に係る免制震エレベータでは、免制震装置の可動部を地上部に設けることが可能となるので、メンテナンスの際に地上から免制震装置の可動部へ容易にアクセスすることができ、点検作業や更新作業を容易に行うことができる。つまり、本発明では、従来のように狭小なスペースであるエレベータピット内で点検作業や更新作業を行う必要がなくなり、作業性を向上させることができる。このように本発明では、エレベータピット内での点検等の作業が不要となるので、エレベータピット内に作業スペースを確保する必要がなくなり、エレベータピットを浅く小さく構成することが可能となるのでより簡単な構造にすることができる。
さらに、本発明では、免制震装置の可動部を地上部に設けることが可能となるので、メンテナンスの際に地上からアクセスが可能なうえ、可動領域が2階床下レベルよりも上になるため地上レベルにおける可動範囲への立ち入り対策等も例えば前述したエレベータピット内に免制震装置が配置される場合に比べて軽減することができる。
また、本発明に係る免制震エレベータは、前記エレベータシャフトの側壁の前記被支持部には、前記免制震装置を備えたシャフト支持架台が設けられていることを特徴としてもよい。
この場合には、エレベータシャフトの側壁に設けられたシャフト支持架台に免制震装置を組み込むことができるので、免制震装置を好適な位置、数量に設定して効率よく配置することができる。
また、本発明に係る免制震エレベータは、前記免制震装置は、前記建物の地上階より上の任意の階との間に配置されていることを特徴としてもよい。
この場合には、地上部から免制震装置にアクセスすることができるので、免制震装置の点検作業や更新作業をより効果的に行うことができる。
また、本発明に係る免制震エレベータは、前記エレベータシャフトは、前記免制震装置を備えた第1免制震支持部と、該第1免制震支持部とは別の免制震装置を有する第2免制震支持部と、によって支持され、第2免制震支持部は、前記建物における少なくとも1つの階の前記構造体と前記エレベータシャフトの側壁との間に設けられていることを特徴としてもよい。
この場合には、例えば、第1免制震支持部を建物の下層階に配置し、第2免制震支持部を建物の上層階に配置することで、地震時における上層階の揺れを制御することができる。このように第2免制震支持部を所定の階に複数設けることも可能となるので、建物の高さに合わせてエレベータシャフトに対する好適な位置に1又は複数の第2免制震装置を配置することができる。
また、本発明に係る免制震エレベータは、前記エレベータシャフトは、前記免制震装置と、該免制震装置の上層階に設けられた転倒防止装置と、によって支持されていることを特徴としてもよい。
この場合には、エレベータシャフトの転倒をより確実に防止することができ、エレベータシャフトの変位量を抑えることができる。
本発明の免制震エレベータによれば、免震構造をもたない建物に附属するエレベータにおいて、免震構造のエレベータを設計、設置する場合に、エレベータピットを小さく設置することができ、免制震装置の点検作業や更新作業を容易に行うことができる。
また、本発明の免制震エレベータによれば、免制震装置を基壇部に設けない配置とすることで、エレベータシャフトの振れ幅を小さくできるとともに、エレベータピットの深さを浅くすることができる。
本発明の第1実施形態による建物に免震ゴムを備えた免制震エレベータを組み込んだ建物の縦断面図である。 図1に示す免制震エレベータの構成を示す要部拡大図である。 図2に示すA-A線矢視図である。 第2実施形態による免制震エレベータの構成を示す平面図であって、図3に対応する図である。 第3実施形態による免制震エレベータの構成を示す要部拡大図であって、図2に対応する図である。 第4実施形態による免制震エレベータの構成を示す要部拡大図であって、図2に対応する図である。 第5実施形態による建物に免震ゴムを備えた免制震エレベータを組み込んだ建物の縦断面図である。
以下、本発明の実施形態による免制震エレベータについて、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示す本実施形態による免制震エレベータ1は、建物2の構造体と分離されているエレベータシャフト3に免震ゴム4(免制震装置)を備えて免震機能をもたせたエレベータである。
なお、本実施形態では、免震ゴム4を適用した免震装置を対象としているが、制震装置のみ、あるいは免震装置と制震装置との組み合わせによる装置を対象とした免制震装置が対象となる。
建物2は、本実施形態では10階以上の中層階のマンション等を対象としているが、2階以上の建物であればよい。建物2の建物構造体としては、柱梁及びスラブ等であるが、本実施形態では各フロアを構成する鉄筋コンクリート造の床スラブ2Aを対象としている。なお、床スラブ2Aの材料は鉄筋コンクリートであることに限定されることはなく、木造等で構築された床であってもよい。
建物2における各フロアの床スラブ2Aには、上下に貫通する上面視矩形状のシャフト用開口21が形成されている。各床スラブ2Aに形成されるシャフト用開口21の内側には、エレベータシャフト3が配置される。
免制震エレベータ1は、図2に示すように、エレベータ本体5と、エレベータ本体5が昇降する昇降路3Aを有するエレベータシャフト3と、2階の床スラブ2Aのシャフト用開口21とエレベータシャフト3の側壁31との間に配置される免震ゴム4(免制震装置)と、を備えている。
ここで、免震ゴム4は、建物2の地上階と2階との間に配置されている。そして、免震ゴム4が設けられる層を第1免震支持部M1として以下説明する。
建物2には、エレベータシャフト3の下部3Bを収容する上面視で矩形状のエレベータピット23が設けられている。エレベータピット23は、地上階22より地下に掘り下げた位置に設けられている。エレベータピット23は、底盤231と4面を有する周壁232とから形成され、ピット内側にエレベータシャフト3の下部が配置される。エレベータシャフト3は、エレベータピット23の周壁232の内面から横方向に所定間隔(以下、ピット周囲間隔Sという)をあけて配置されている。ピット周囲間隔Sとしては、許容される可動寸法に設定されていればよく、例えば600mm程度に設定されている。
エレベータピット23は、上端部23aが地上階22と2階の床スラブ2Aとの間の層に位置している。
エレベータシャフト3は、断面矩形に形成され、支持部3aによって免震ゴム4にエレベータシャフト3の自重を伝達している。
エレベータシャフト3は、図1に示すように、側壁31と、頂壁32と、底壁33と、を有している。エレベータシャフト3は、第1免震支持部M1より上側、及び下側は床スラブ2Aと切り離された自由端をなしている。
エレベータシャフト3は、例えばRC造で製作され、又は鋼材を縦横に組み合わせるとともに適宜ブレースを配し、全体を外壁又はガラスやサッシ等で覆った平面視で矩形状の構造をなし、内空側にエレベータ本体5を通過させるための昇降路3Aを有している。
また、エレベータシャフト3の内側には、エレベータ本体5の昇降移動を案内するガイドレール(図示省略)が上下方向に延在した状態で設けられている。
エレベータシャフト3の側壁31における支持部3aには、図2に示すように、2階の床スラブ2Aと同じレベル等において、免震ゴム4に支持されるシャフト支持架台6が設けられている。
また、エレベータシャフト3には、他の各階と同じレベルにおいて側壁31から外方に突出する張出し床3bが固定されている。張出し床3bは、同レベルの床スラブ2Aのシャフト用開口21との間に所定間隔をあけて配置されている。そして、建物2の構造体(床スラブ2A)とエレベータシャフト3とは構造的には別の挙動を示すため、各階における床スラブ2Aと、シャフト支持架台6又は張出し床3bと、の間はエクスパンションジョイント24で接続されている。
エクスパンションジョイント24は、エレベータ側端部24aがエレベータシャフト3の張出し床3bに固定され、両端部間で伸縮可能な機能を備えている。これにより、エクスパンションジョイント24は、エレベータシャフト3がシャフト用開口21内で振れて、エレベータシャフト3周りのクリアランスCが変化した場合であっても、エレベータシャフト3と床スラブ2Aとの間に隙間を生じさせない構成となっている。このクリアランスCは、上階になるに従い順次大きくなるように設定されている。つまり、図1に示す上階のクリアランスC1は、それより下層階に位置するクリアランスC2よりも大きく(C1>C2)設定される。
なお、具体的にクリアランスCは、(ピット周囲間隔S+α)以上となるように設定される。ここで、αは、クリアランスCが設置される階高(m)をHnとしたときに、H×(1/50)の式で求められる値である。例えば、図2に示すように、2階の床スラブ2Aに形成されるクリアランスC(S+α)は、H×(1/50)により求めることができる。
床以外の壁や天井における必要部位に設けられるエクスパンションジョイント24としては、エレベータシャフト3との間のクリアランスCを塞ぐ移動式のスライド床を採用することができる。
エレベータ本体5は、図1に示すように、吊りロープ51を介して釣合錘52に連結されている。エレベータ本体5と釣合錘52は、エレベータシャフト3の頂壁32に設置されている駆動装置(図示せず)に設けられているシーブ53と、シーブ53に掛け回された吊りロープ51の両端にそれぞれ連結されている。
シャフト支持架台6は、図2及び図3に示すように、一対の横枠フレーム61と一対の縦枠フレーム62とにより上面視で矩形状に枠組みされている。シャフト支持架台6は、横枠フレーム61の内側面61aがエレベータシャフト3の側壁31に固定され、内側にエレベータシャフト3が通過可能に設けられている。縦枠フレーム62の下面62aにおける長さ方向の中央部には、免震ゴム4の上端(後述する上フランジ42)が固定される。
免震ゴム4は、図2に示すように、鋼板とゴム材とを交互に積層させた平面視円形のゴム層41と、ゴム層41の上下両端を上フランジ42と下フランジ43によって挟持させたもの採用されてシャフト支持架台6とエレベータピット23との間に介在させた状態で設けられている。免震ゴム4は、シャフト支持架台6の一対の縦枠フレーム62のそれぞれ1つずつ設けられている。つまり、地震時において、第1免震支持部M1の免震ゴム4によって、シャフト支持架台6を介してエレベータシャフト3における水平方向の振動を減衰させる構造となっている。
次に、上述した免制震エレベータの作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、図2に示すように、エレベータシャフト3の側壁31が2階の床スラブ2Aとの間に配置される免震ゴム4を介して支持され、免震ゴム4をエレベータシャフト3より水平方向の外側に配置することで、構造上変形に有利な構造となる。すなわち、地震時には免震ゴム4によってエレベータシャフト3の揺れを抑制して小さな加速度幅に抑えることができる。そのため、エレベータが地震発生時のP波で一時停止した後、S波の加速度を小さく抑えることで、地震後、エレベータを通常運転に戻すことができる。
また、本実施形態では、エレベータシャフト3における免震ゴム4によって支持される支持部3aがエレベータシャフト3の側壁31となるため、免震ゴム4をエレベータシャフト3が配置される領域よりも外側に配置することができるうえ、必要であれば複数の設置も可能になる。そのため、本実施形態では、例えば従来のようにエレベータシャフト3の底部で免制震支持する場合のようにエレベータシャフトが転倒し易い構造に比べて、エレベータシャフト3の変位量を抑えることができる。
また、本実施形態では、免震ゴム4の可動部を地上部に設けることが可能となるので、メンテナンスの際に地上から免震ゴム4の可動部へ容易にアクセスすることができ、点検作業や更新作業を容易に行うことができる。つまり、本実施形態では、従来のように狭小なスペースであるエレベータピット23内で点検作業や更新作業を行う必要がなくなり、作業性を向上させることができる。このように本実施形態では、エレベータピット23内での点検等の作業が不要となるので、エレベータピット23内に作業スペースを確保する必要がなくなり、エレベータピット23を浅く小さく構成することが可能となるのでより簡単な構造にすることができる。
さらに、本実施形態では、免震ゴム4の可動部を地上部に設けることが可能となるので、メンテナンスの際に地上からアクセスが可能なうえ、可動領域が2階床下レベルよりも上になるため地上レベルにおける可動範囲への立ち入り対策等も例えば前述したエレベータピット23内に免震ゴム4が配置される場合に比べて軽減することができる。
また、本実施形態では、エレベータシャフト3の側壁31に設けられたシャフト支持架台6に免震ゴム4を組み込むことができるので、免震ゴム4を好適な位置、数量に設定して効率よく配置することができる。例えば、シャフト支持架台6に対して複数の免震ゴム4をバランスよく好適な位置に設置することができる。
また、本実施形態では、免震ゴム4が建物の地上階と2階との間の第1免震支持部M1に配置されている。そのため、地上部から免震ゴム4にアクセスすることができ、免震ゴム4の点検作業や更新作業をより効果的に行うことができる。
上述のように本実施形態による免制震エレベータ1では、免震構造をもたない建物に附属するエレベータにおいて、免震構造のエレベータを設計、設置する場合に、エレベータピット23を小さく設置することができ、免震ゴム4の点検作業や更新作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態による免制震エレベータ1では、免震ゴム4を基壇部に設けない配置とすることで、エレベータシャフト3の振れ幅を小さくできるとともに、エレベータピット23の深さを浅くすることができる。
次に、他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
(第2実施形態)
図4に示すように、第2実施形態の免制震エレベータ1Aは、シャフト支持架台6Aに対して4つの免震ゴム4を配置した構成である。すなわち、上述した第1実施形態では、シャフト支持架台6に対して2つの免震ゴム4を備えた構成(図3参照)としているが、第2実施形態のシャフト支持架台6Aでは横枠フレーム61と縦枠フレーム62とによって形成される4つの角部6aの下面のそれぞれに免震ゴム4(免制震装置)を支持させた構成となっている。
このように構成される第2実施形態では、エレベータシャフト3に対して周囲を囲むように固定されるシャフト支持架台6Aの角部6aにバランスよく免震ゴム4が配置されているので、地震時におけるエレベータシャフト3の揺れを効率よく低減することができる。
(第3実施形態)
図5に示す第3実施形態の免制震エレベータ1Bは、建物2に免震装置及び制震装置、又はすべり支承を設けた構成である。第3実施形態では、地上階と2階との間で上述した第1実施形態と同様の免震ゴム4(第1免制震装置)を備えた第1免震支持部M1(第1免制震支持部)が配置され、その上層階にすべり支承7を備えた第2免震支持部M2(第2免制震支持部)を配置した構成となっている。なお、図5において、第2免震支持部M2は、第1免震支持部M1を支持するフロア(2F)の1階上のフロア(3F)の床スラブ2Aに配置されているが、第1免震支持部M1に対して階をあけた上層部に配置されていてもよい。
なお、図5では、第2免制震支持部としてすべり支承7を採用しているが、すべり支承7に限定されることはなく、このすべり支承7に代えて制震ダンパー(制震装置)を用いてもよい。これら制震装置やすべり支承は、建物2の高さや免制震エレベータ1Bの平面形状、寸法等により適宜使い分けることができる。
第2免震支持部M2において、エレベータシャフト3の側壁31には、枠フレーム64を有する第2シャフト支持架台6Bが固定されている。枠フレーム64は、エレベータシャフト3の周囲を囲むように矩形状に設けられている。すべり支承7は、枠フレーム64の下面64aと同レベルにある床スラブ2Aとの間に配置されている。
ここでは、免制震エレベータ1Bの地震応答低減や転倒防止を効率よく実現できる組み合わせとする。
すべり支承7は、上板71、下板72、及び上板71と下板72との間に配置される球状のすべり材73と、を備えている。上板71は枠フレーム64の下面64aに固定され、下板72は床スラブ2A上に固定されている。この場合には、地震時において、エレベータシャフト3は、第1免震支持部M1の免震ゴム4によって揺れが抑えられた状態となる。さらに、第2免震支持部M2において、エレベータシャフト3と床スラブ2Aとが近接離反した際に、すべり支承7が作動することによりエレベータシャフト3が床スラブ2Aに支持された状態となり、エレベータシャフト3が転倒する方向に作用する力を抑制することができ、エレベータシャフト3の地震応答低減や転倒防止を実現できる。
このように、本第3実施形態の免制震エレベータ1Bでは、第1免震支持部M1を建物の下層階に配置し、第2免震支持部M2を建物2の上層階に配置することで、地震時における上層階の揺れをさらに抑えることができる。このように第2免震支持部M2を所定の階に複数設けることも可能となるので、建物2の高さに合わせてエレベータシャフト3に対する好適な位置にすべり支承7等の免制震装置を配置することができる。
(第4実施形態)
図6に示す第4実施形態の免制震エレベータ1Cは、第3実施形態のすべり支承7を複数階に設けるものであり、全層あるいは限定層に制震ダンパー又はすべり支承を設けることで、免制震エレベータ1Cの地震応答低減や転倒防止を更に効率よく実現する組み合わせとする。すなわち、第1免震支持部M1において、シャフト支持架台6とエレベータピット23との間にすべり支承7が組み込まれている。さらに、第1免震支持部M1よりも上層には、複数(図6では2層が記載)の第2免震支持部M2が配置され、それぞれエレベータシャフト3の側壁31にシャフト支持架台6Bが設けられ、シャフト支持架台6Bと同レベルにある床スラブ2Aとの間にすべり支承7が設けられている。
なお、本第4実施形態では、第2免制震装置としてすべり支承7を採用しているが、第3実施形態と同様にすべり支承7に代えて制震ダンパーを用いたてもよい。
また、第2免制震装置は、建物2の高さや免制震エレベータ1Cの平面形状、寸法等により、どの層にどの装置を設けるか適宜使い分けることも可能である。
(第5実施形態)
図7に示す第5実施形態による免制震エレベータ1Dは、エレベータシャフト3が建物2の外側に露出した状態で設けた構成となっている。第5実施形態では、エレベータシャフト3の側壁31のうち片面のみが建物2の床スラブ2Aに対向して配置されている。
この場合も、エレベータシャフト3の側壁31にシャフト支持架台6が設けられ、シャフト支持架台6とエレベータピット23との間に免震ゴム4(免制震装置)を介在させた構成となっている。
なお、本第5実施形態では、免制震エレベータ1Dが建物2から離れないように復元力の生じる制震ダンパー74や転倒防止機能を有するダッシュポット75(転倒防止装置)を有する第2免制震装置70が設けられている。
以上、本発明による免制震エレベータの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、エレベータシャフト3の側壁31の支持部3aに免震ゴム4(免制震装置)を備えたシャフト支持架台6が設けられた構成としているが、シャフト支持架台6を設けることに限定されることはない。すなわち、シャフト支持架台6を省略して、免震ゴム4をエレベータシャフト3の側壁31に直接設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、建物2の地上階と2階との間を免制震支持部としているが、この位置であることに制限されることはなく、この階層よりも上層であってもよい。
さらに、免制震支持部に設けられる免制震装置として免震ゴム4であることに限定されることはなく、制振ダンパーやすべり支承等の制震装置を適用してもよいし、上述した第3実施形態のように、異なる種類の免制震装置を適宜組み合わせることも可能である。
なお、免震ゴム4の周囲には、免震ゴム4を覆って隠すカバーが設けられていてもよい。この場合のカバーは、例えばエレベータピット23と床スラブ2Aのシャフト用開口21とを接続するように配置することができる。
また、柱頭免震や中間階免震の場合には、耐火被覆が必要とされる。
また、エレベータシャフト3は、上述した実施形態のように鉄骨造等の鋼材により形成された構成でもよいし、コンクリート造のものでもよい。
さらに、本実施形態の免制震エレベータ1、1A~1Cを備えた建物としては、既設建物でも新設建物であってもよい。
また、上記実施形態では、建物構造体として床スラブ2Aを対象としているが、床スラブ2Aであることに制限されることはなく、他の建物構造体であってもよい。例えば新設の建物の場合には、エレベータピットを建物構造体として、エレベータピットとエレベータシャフトとが免制震装置を介して連結されていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1、1A、1B、1C、1D 免制震エレベータ
2 建物
2A 床スラブ(建物構造体)
3 エレベータシャフト
3a 支持部
4 免震ゴム(免制震装置)
5 エレベータ本体
6、6A、6B シャフト支持架台
7 すべり支承(第2免免制震装置)
21 シャフト用開口
23 エレベータピット
24 エクスパンションジョイント
31 側壁
61 横枠フレーム
62 縦枠フレーム
64 枠フレーム
70 第2免制震装置
75 ダッシュポット(転倒防止装置)
C クリアランス
M1 第1免震支持部(第1免制震支持部)
M2 第2免震支持部(第2免制震支持部)
S ピット周囲間隔

Claims (5)

  1. 免震構造をもたない建物の建物構造体と分離されているエレベータシャフトに免制震装置を備えた免制震エレベータであって、
    前記免制震装置は、前記建物構造体に設けられたエレベータピットと前記エレベータシャフトの側壁との間であって、かつ、前記エレベータピットの外側から点検作業が可能な位置に配置され、
    前記エレベータシャフトは、前記免制震装置に支持される被支持部によって吊り下げられた状態で設けられていることを特徴とする免制震エレベータ。
  2. 前記エレベータシャフトの側壁の前記被支持部には、前記免制震装置を備えたシャフト支持架台が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の免制震エレベータ。
  3. 前記免制震装置は、前記建物の地上階より上方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の免制震エレベータ。
  4. 前記エレベータシャフトは、前記免制震装置を備えた第1免制震支持部と、該第1免制震支持部とは別の免制震装置を有する少なくとも1つの第2免制震支持部と、によって支持され、
    第2免制震支持部は、前記建物構造体と前記エレベータシャフトの側壁との間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の免制震エレベータ。
  5. 前記エレベータシャフトは、前記免制震装置と、該免制震装置の上層階に設けられた転倒防止装置と、によって支持されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の免制震エレベータ。
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