JP2007021769A - ディスク用スタンパ及びディスク成型金型 - Google Patents

ディスク用スタンパ及びディスク成型金型 Download PDF

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Abstract

【課題】一度に複数枚のディスクが射出成型できるようにする。
【解決手段】固定側コア16及び該固定側コア16に外周部でスタンパ固定ネジ47により固定される0.8mm〜2mmの厚みのスタンパ23を備える固定部が複数設けられた固定金型2と、スタンパ23の対面が鏡面の可動側コア31、該可動側コア31の外周縁を包接する外周リング33及び該外周リング33を固定金型2の方向に進退させる外周リング進退機構34を備える可動部が、複数の固定部に対応して設けられた可動金型1とにより金型を構成する。そして、型締した際に外周リング33をスタンパ23の外周部に当接押圧させ、当該外周リング33、スタンパ23、可動側コア31によりキャビティを形成して、1度の溶融樹脂の射出で同時に複数のディスクが射出成型ができるようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、キャビティに溶融樹脂を射出してディスクを射出成型する際に用いるディスク用スタンパ及びディスク成型金型に関する。
一般に、ディスクの製造は溶融樹脂を金型に射出することにより成型されている(特許文献1参照)。金型は固定金型とこれに対して進退して型締め、型開きする可動金型とを備え、固定金型の鏡面にスタンパが装着されて、このスタンパと可動金型とで形成される空間がキャビティをなし、当該キャビティに溶融樹脂を射出する。
そして、キャビティに射出された樹脂が固化すると、可動金型が固定金型から後退して型開し、スタンパからディスクを剥離・取出してディスクが製造される。
特開平5−285997号公報
しかしながら、従来においては、ディスクを1枚づつ射出成型する構成であるにもかかわらず、ピットズレや二重転写等の発生により歩留りを安定させ、かつ、向上させることが困難であった。
また、ディスクを1枚づつ射出成型する構成であるため、生産性が悪くコストダウンを阻む要因となっていた。
加えて、スタンパや金型の保守点検等に多大の工数が必要となると共に高度な技術が必要になり、また1枚づつ成型するために金型自体も多数使用することになり、その保守部品も多数準備する必要があって管理コストが嵩張る問題があった。
そこで、本発明は、ディスクを1枚づつ射出成型する場合であっても歩留りを安定化させ、かつ、向上させることができるようにし、また複数のディスクを同時に製造できるようにし、さらには保守点検等の負荷が軽減できるようにしたディスク用スタンパ及びディスク成型金型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1にかかるディスク用スタンパは、キャビティの1面をなして、当該キャビティに射出された溶融樹脂に情報ピットを転写するスタンパであって、溶融樹脂の射出後におけるスタンパの裏面温度が、該溶融樹脂の射出直前における温度と略同じ温度になるように、当該スタンパの厚みを設定したことを特徴とする。
また、請求項2にかかるディスク用スタンパは、厚みが0.8mm〜2mmに設定されていることを特徴とする。
また、請求項3にかかるディスク成型金型は、板状の固定側コア、該固定側コアに固定される所定厚のスタンパ及び該スタンパの外周部に形成された貫通孔を挿通して固定側コアに当該スタンパを固定するネジを具備する固定部を備えた固定金型と、スタンパが接する面が鏡面に形成された可動側コア、該可動側コアの外周縁を包接するように設けられた外周リング及び該外周リングを固定金型の方向に進退させる外周リング進退機構を具備した可動部を備える可動金型とを有し、固定金型と可動金型とを型締した際に、外周リング進退機構により外周リングがスタンパの外周部に当接して該スタンパの外周全体を一様に支持すると共に、当該外周リングの内周面、スタンパの情報ピット面、可動側コアの鏡面によりキャビティを形成し、該キャビティに溶融樹脂が充填されてディスクが成型できるようにしたことを特徴とする。
また、請求項4にディスク成型金型は、スタンパの厚みを0.8mm〜2mmにしたことを特徴とする。
さらに、請求項5にかかるディスク成型金型は、固定金型に複数の固定部が形成されると共に、可動金型に複数の固定部に対応して可動部を設けて、一度の射出動作により複数のディスクが成型できるようにしたことを特徴とする。
請求項1にかかる発明によれば、キャビティの1面をなして、当該キャビティに射出された溶融樹脂に情報ピットを転写するスタンパであって、溶融樹脂の射出後における前記スタンパの裏面温度が、該溶融樹脂の射出直前における温度と略同じ温度になるように、当該スタンパの厚みを設定したので、スタンパの自由熱膨張等が抑制されてピットズレや二重転写等が減少し歩留りの安定化及び向上を図ることが可能になると共に、保守点検等の負荷の軽減及び保守部品の少量化が可能になる。
また、請求項2にかかる発明によれば、スタンパの厚みを0.8mm〜2mmに設定したので、従来と同様の方法で当該スタンパを製造することができ、スタンパの自由熱膨張等が抑制されてピットズレや二重転写等が減少し歩留りの安定化及び向上を図ることが可能になると共に、保守点検等の負荷の軽減及び保守部品の少量化が可能になる。
また、請求項3にかかる発明によれば、板状の固定側コア、該固定側コアに固定される所定厚のスタンパ及び該スタンパの外周部に形成された貫通孔を挿通して前記固定側コアに当該スタンパを固定するネジを具備する固定部を備えた固定金型と、前記スタンパが接する面が鏡面に形成された可動側コア、該可動側コアの外周縁を包接するように設けられた外周リング及び該外周リングを前記固定金型の方向に進退させる外周リング進退機構を具備した可動部を備える可動金型とを有するので、前記固定金型と可動金型とを型締した際に、前記外周リング進退機構により前記外周リングが前記スタンパの外周部に当接して該スタンパの外周全体を一様に支持すると共に、当該外周リングの内周面、前記スタンパの情報ピット面、前記可動側コアの鏡面によりキャビティを形成し、該キャビティに溶融樹脂が充填されてディスクが成型できるようになり、歩留りの安定化及び向上を図ることが可能になると共に、保守点検等の負荷の軽減及び保守部品の少量化が可能になる。
また、請求項4にかかる発明によれば、スタンパの厚みを0.8mm〜2mmにしたので、スタンパの熱膨張等による転写精度の低下が抑制できて、スタンパの自由熱膨張等が抑制されてピットズレや二重転写等が減少し歩留りの安定化及び向上を図ることが可能になると共に、保守点検等の負荷の軽減及び保守部品の少量化が可能になる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、固定金型に複数の固定部を形成すると共に、可動金型に当該複数の固定部に対応して可動部を設けたので、1度の射出動作により複数のディスクを成型することが可能になり生産性が向上する。
本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明で言うディスクは、溶融樹脂をスタンパ面に射出することにより情報ピットが転写されてなるMO,CD,DVD等のディスクを言いう。
このようなディスクにおいては、生産性の観点から1度の射出成型で多数枚同時に製造(枚葉式)できることが強く要望されているが、現状では1枚づつの製造(単葉式)のみが行われている。これは単葉式でも、歩留りを安定させ、また向上させることが容易でないためである。
そこで、発明者は、歩留りを低下させている原因や不安定性の原因を検討した結果、主要因がスタンパにあることを突止めた。
以下、この結論に基づきなされた発明を図を参照して説明する。本発明にかかる金型は、固定金型と可動金型とを主要構成として、これらにより同じ構成の4の成型部が構成されている。成型部は、固定金型に設けられた固定部と、可動金型に設けられた可動部とからなり、これらの成型部は金型の中心でもある射出成型機(図示せず)の射出ノズルに対して対称に配置されている。
なお、図1等に示す金型は4枚のディスクが一度に射出成型できるように4の成型部を持つ場合を例示しているが、本発明はかかる成型部の数に制限を受けるものではない。
図1は固定金型2の正面図であり、図2は図1におけるA−B−Oに沿った断面図、図2(a)は固定金型2、図2(b)は可動金型1の断面図である。また、図3は可動金型1と固定金型2とを型締めしてキャビティ3を形成した際の断面図である。
固定金型2は、射出成型機の射出ノズルを受けるロケートリング11、該ロケートリング11に連設し、かつ、当該ロケートリング11を対称軸として放射方向に複数設けられたホットランナマニーホールド12、各ホットランナマニーホールド12の他端に固定プレート13の厚み方向に延設されたホットランナノズル14、可動金型1側の面が鏡面に形成されると共に内部に冷却水路15が形成された固定側コア16、該固定側コア16の外周部に設けられたスペーサ17等を備え、ホットランナノズル14の先端開口18がキャビティ3と連設されるようになっている。
そして、ホットランナマニーホールド12及びホットランナノズル14には、溶融樹脂が流動する樹脂流路19が形成され、ホットランナノズル14の樹脂流路19内にはバルブゲート21が内設されている。このバルブゲート21はホットランナノズル14の先端開口18を開閉するもので、後方に設けられているノズル開閉ピストン20により進退して、前進した際には先端開口18を閉じてキャビティ3への溶融樹脂の射出を停止させ、後退した場合には先端開口18を開いてキャビティ3への溶融樹脂の射出を行うようになっている。
固定側コア16は図示しないネジにより固定プレート13に固定され、その鏡面側にはスタンパ23をボルト固定するための複数のスタンパ固定ネジ挿通孔24が形成されている。このスタンパ固定ネジ挿通孔24は、スタンパ23の中心を対称軸として複数形成されている。
ホットランナノズル14の先端部はブッシュ25に挿入され、該ブッシュ25の外周先端には図4に詳細に示すように真空溝26が形成されると共に、固定側コア16にも真空溝27が形成されている。この作用については後述する。
一方、可動金型1には固定側コア16に対向して設けられると共に内部に冷却水路39が形成された可動側コア31、該可動側コア31の中心位置に設けられたゲートカット機構32、可動側コア31の外周部に設けられた外周リング33、該外周リング33を進退させさせる外周リング進退機構34、射出成型されたディスクを可動側コア31から剥離させる製品突出機構35を備えている。
ゲートカット機構32は、ディスクの内孔を裁断開口するもので、ブッシュ25に対して位置合せされたゲートカットピン36、該ゲートカットピン36の内部に進退可能に設けられたスプルエジェクタピン37、該スプルエジェクタピン37をホットランナノズル14に対して逆方向に付勢するスプルスプリング38、スプルエジェクタピン37を駆動するスプルエジェクタピストン22、ゲートカットピン36をホットランナノズル14の方向に駆動する図示しないピストン等を備えている。
そして、型締状態において射出成型されたディスクに対してゲートカットピン36をホットランナノズル14に向って駆動する。ゲートカットピン36の先端は、ブッシュ25の先端と挿嵌し合う寸法に形成されて、ゲートカットピン36の先端がブッシュ25の先端に挿嵌される際に射出成型されたディスクの内孔が裁断開口される。
型開状態においては、射出成型されたディスクはスタンパ23と剥離されて可動側コア31と一体に後退し、ゲートカットピン36により裁断開口されたスプル部分は、スプルエジェクタピストン22によりスプルエジェクタピン37が突出して除去される。
外周リング33は可動側コア31の外周部に設けられて、その内周面がディスクの外周縁(キャビティ3の外周縁)を区画するもので、可動側コア31との隣接面はキャビティ3の面に対して垂直に形成されている。なお、この外周リング33及び可動側コア31の鏡面及び側面にはダイヤモンド状炭素(Diamond−Like Carbon: DLC)膜がコーティングされて摩耗による減損等が抑制されると共にディスクの剥離性を向上するようにしている。
なお、外周リング33には、スタンパ固定ネジ47の頭部を収納する頭部収納孔48が設けられている。
外周リング進退機構34は、外周リング33を進退させるもので、可動プレート40に形成されたガイドピン孔41に冷嵌めされた金属ボール42及び筒状体43からなるガイドピン44、該ガイドピン44に挿通して外周リング33を固定するロックボルト45、該ロックボルト45が螺合してガイドピン44を進退させるガイドピストン46を備えている。
そして、ガイドピストン46によりガイドピン44が可動金型1側に進んで外周リング33がスタンパ23の外周部に一様に当接して押圧することにより固定側コア16に固定する。このとき、スタンパ固定ネジ47の頭部は、外周リング33の頭部収納孔48に収納されるため当接等を起すことがない。
また、射出成型後は、外周リング33が後退し、その際にディスクの外周縁を包接保持しながら当該ディスクをスタンパ23から剥離する。更に外周リング33が後退すると、ディスクの外周縁が開放される。
製品突出機構35は、可動側コア31から射出成型されたディスクを剥離させるもので、スプルより適宜大きな径を持つ突出ピストン49等を備えて、この突出ピストン49がキャビティ3側に動くことにより可動側コア31からディスクを引離す。引離されたディスクは図示しないロボット等で回収される。
次に、本発明にかかるスタンパ23について説明する。スタンパ23は、従来用いられているスタンパより厚く、0.8〜2mmの厚みとしている。このように厚いスタンパ23にした理由を説明する。
一般に固定側コア16等はステンレス鋼を材料に形成され、スタンパ23はニッケルを材料に形成されて、これらの熱膨張率は略同じである。そこで、スタンパ23を固定コア16の一部として図5に示すような温度分布を考える。
図5は、固定側コア16の厚み方向の温度分布を示し、実線は射出直前の温度分布、点線は射出直後の温度分布、また一点鎖線は、射出後の時間t1〜t5における温度分布を模式化して示している。なお、時間t1〜t5は等間隔の時間であり、射出時の温度分布(点線)から射出前の温度分布へは例えば数秒程度の時間である。
樹脂の射出直前においては、固定側コア16の表面及び内部の温度は、略一様の温度(冷却温度であり、以下ではスタンバイ温度という)となっているが、樹脂を射出すると表面温度は瞬時に溶融樹脂の温度となり固定側コア16の内部に向って急激に低くなる温度分布を示し、そのテールは略0.35mmまで延びている。そして、時間経過に伴い温度分布は緩やかな変化となり、スタンバイ温度に近づく。
ここで、重要なことは射出直後の温度分布のテールが略0.35mmまで延び、従来のスタンパの厚みより長いことである。スタンパと固定側コアとは、射出された樹脂の圧力により密接しているが、金属学的に一体化しているわけでないので、スタンパは固定側コアに対して摺動して熱膨張し、その後冷却されて熱収縮するようになる。
加えて、熱膨張するときは、キャビティに樹脂が充填されているときでもあり、このとき流動する樹脂とスタンパとの間に働く粘性力で、スタンパは外周側に力を受けて広がるように弾性変形する。熱変形量はスタンパの中心側と外周側で同じであるが、粘性による弾性変形はスタンパの中心側が最も大きく、外周側で最も小さい違いがある。
スタンパが熱膨張・熱収縮すると転写精度も低下するが、これに加えて粘性による半径方向に拡張・収縮が加わるため、ピットズレ等が大きくなり歩留りの低下をもたらす。
従来においては、かかる粘性による拡張・縮小を抑えるために充填速度を小さくし、またスタンパの外周部分を半固定状態にして、熱や粘性による変形が外周側に蓄積しないような複雑な構成を採用している。構成が複雑であるため、保守頻度も多くなり、またその際の技術も高度な技術が必要になる。
また、粘性による変形量が半径方向に沿って異なることは、スタンパからディスクを剥離する際に、局部的な剥離が起き易くなる。部分剥離が起きると、剥離された部分と剥離されていない部分とで粘性による変形の復元量に違いが生じると共に、放熱特性の局部的変化による熱変形量の違いが生じて、二重転写等の不都合が発生し易くなり歩留りが低下する。
製品製造においては、かかる熱サイクルは数万回繰返され、上述した要因が複雑に絡み合うため、歩留りを安定化させ、かつ、向上させることが困難となり、また多くのメンテナンスを必要とする。
これに対し溶融樹脂の射出後におけるスタンパの裏面温度が、該溶融樹脂の射出直前における温度と略同じ温度になるように、当該スタンパの厚みを設定すると、溶融樹脂の射出による温度変化はスタンパ内でのみ生じるようになり、固定側コアに対してスタンパが熱膨張して摺動する量が抑制できる。
なお、このときスタンパの表裏の温度が大きく異なるので、固定側コアから浮上がるように変形するように見えるが、スタンパには樹脂により大きな圧力が厚み方向に加わっているのでかかる変形は生じない。
また、スタンパ厚を厚くすると剛性も大きくなるため、樹脂の充填速度を速くしても粘性による変形が抑制できる。
さらに、熱及び粘性による変形が押えられることから、部分剥離も起き難くなる。
これにより粘性による変形を抑えるために充填速度を遅くしたり、またスタンパの外周部分を半固定状態にして、熱や粘性による変形を逃すような複雑な構成が不要になり、上述した諸問題は大幅に改善されて、歩留りを安定化させると共に向上させることが可能になる。
このような要件を満たすスタンパの厚みとしては、上述したように、溶融樹脂の射出後におけるスタンパの裏面温度が、該溶融樹脂の射出直前における温度と略同じ温度になる厚みであるが、具体的には図5に示すように固定側コア16とスタンパ23とを形成する材料の熱伝導率が略同じ場合には0.8mm以上とすることができる。
以上のようにスタンパ23の厚みを厚くすることが単葉式及び枚葉式の製造に関わらず安定した高い歩留りを得るために重要であることが示されたが、際限なく厚くすればよいわけではない。
スタンパ厚を際限なく厚くすると、当該スタンパは電鋳により製造され、その製造時間が厚みに略比例することからスタンパのコストアップを招いてしまう。
加えて、スループットを向上させるためには、樹脂を射出してディスクを成型し、当該ディスクを取出すまでの時間を短くする必要があり、このためにディスクの冷却速度を速くするために固定側コアに冷却水路が形成されて冷却している。
従って、スタンパが接する固定側コアの面から冷却水路までの距離を一定に保つと、スタンパの厚みが厚くなるに従い冷却効率の低下を招いてしまう。
このようにスタンパ厚の上限を設定する際にはスタンパの製造工数や冷却効率等を勘案する必要があり、固定側コアやスタンパの材料を従来と同じステンレス鋼やニッケルとした場合には2mm以下が好ましい。
次に、図4において説明したように、スタンパ23の中心孔及び固定側コア16のスプル縁端部に真空溝26,27をそれぞれ設けている理由を図6を参照して説明する。図6(a)はスタンパ23の中心孔に対して何ら対策を施されていない場合の問題点を説明する図であり、図6(b)は対策を施した従来例、図6(c)は本発明にかかる構成例を示している。
従来のスタンパの厚みは薄く、溶融樹脂の温度により大きく熱膨張することは上述した通である。熱膨張が大きいことは、それだけスプルに対応するスタンパ23の中心孔の内径も大きくなることを意味する(図6(a)に示す幅w)。同時に、溶融樹脂は中心孔で進路を直交して変えるため、大きな力がスタンパ23の中心縁を持上げるように作用して、固定側コア16との間に隙間を発生させて、この隙間51に樹脂が流入するようになる。このような事情により、仕様を満たすディスクを効率的に製造することができない。
そこで、図6(b)のようにスタンパ23の中心孔端部を押込むように押部材50を設けることが行われている。しかし、この構成の場合には、押部材50の端部への溶融樹脂の回り込みが悪く、当該部分に気泡等が発生する不都合がある。特に、溶融樹脂の注入速度を速くするとこの傾向が顕著となるので、従来は注入速度を小さくせざるを得なかった。
しかし、本発明のように、スタンパ23厚を厚くすると、熱膨張によるスタンパ23中心孔の内径拡大も抑制され、かつ、スタンパ23の剛性も大きくなるので、図6(c)に示すように真空吸着することが可能になり、樹脂の注入速度を大きくすることが可能になる。
無論、スタンパ23厚が薄い場合にも真空吸着できるが、この場合には吸引力でスタンパ23が変形してしまう恐れがある。
以上説明したように、単葉式のディスク製造においても一定の歩留りが安定して達成できると共にこの歩留りを向上させることが可能になり、かつ、メンテナンス頻度及び交換頻度が少なくなって、製造コストのコストダウンが可能になる。
また、歩留りが安定し、かつ、向上するため、図1等に示すような枚葉式の場合においても同様の作用効果が達成できて、生産性を向上させることが可能になる。
固定金型の正面図である。 図1におけるA−B−Oに沿った断面図であり、(a)は固定金型、(b)は可動金型1の断面図である。 可動金型と固定金型とを型締めしてキャビティを形成した際の断面図である。 ブッシュ等に真空溝を形成した際の説明図である。 固定側コアの厚みに対する温度分布等を示す模式図である。 真空溝の作用を説明するための図である。
符号の説明
1 可動金型
2 固定金型
3 キャビティ
11 ロケートリング
12 ホットランナマニーホールド
13 固定プレート
14 ホットランナノズル
15 冷却水路
16 固定側コア
17 スペーサ
18 先端開口
19 樹脂流路
20 ノズル開閉ピストン
21 バルブゲート
22 スプルエジェクタピストン
23 スタンパ
24 スタンパ固定ネジ挿通孔
25 ブッシュ
26,27 真空溝
31 可動側コア
32 ゲートカット機構
33 外周リング
34 外周リング進退機構
35 製品突出機構
36 ゲートカットピン
37 スプルエジェクタピン
38 スプルスプリング
39 冷却水路
40 可動プレート
41 ガイドピン孔
42 金属ボール
43 筒状体
44 ガイドピン
45 ロックボルト
46 ガイドピストン
47 スタンパ固定ネジ
48 頭部収納孔
49 突出ピストン
50 押部材
51 隙間

Claims (5)

  1. キャビティの1面をなして、当該キャビティに射出された溶融樹脂に情報ピットを転写するスタンパであって、
    溶融樹脂の射出後における前記スタンパの裏面温度が、該溶融樹脂の射出直前における温度と略同じ温度になるように、当該スタンパの厚みを設定したことを特徴とするディスク用スタンパ。
  2. 前記スタンパの厚みが、0.8mm〜2mmに設定されていることを特徴とする請求項1記載のディスク用スタンパ。
  3. 板状の固定側コア、該固定側コアに固定される所定厚のスタンパ及び該スタンパの外周部に形成された貫通孔を挿通して前記固定側コアに当該スタンパを固定するネジを具備する固定部を備えた固定金型と、
    前記スタンパが接する面が鏡面に形成された可動側コア、該可動側コアの外周縁を包接するように設けられた外周リング及び該外周リングを前記固定金型の方向に進退させる外周リング進退機構を具備した可動部を備える可動金型とを有し、
    前記固定金型と可動金型とを型締した際に、前記外周リング進退機構により前記外周リングが前記スタンパの外周部に当接して該スタンパの外周全体を一様に支持すると共に、当該外周リングの内周面、前記スタンパの情報ピット面、前記可動側コアの鏡面によりキャビティを形成し、該キャビティに溶融樹脂が充填されてディスクが成型できるようにしたことを特徴とするディスク成型金型。
  4. 前記スタンパの厚みが、0.8mm〜2mmであることを特徴とする請求項3記載のディスク成型金型。
  5. 前記固定金型に複数の固定部が形成されると共に、前記可動金型に複数の前記固定部に対応して前記可動部を設けて、一度の射出動作により複数のディスクが成型できるようにしたことを特徴とする請求項3又は4記載のディスク成型金型。
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