JP2007016132A - 硬質表面用洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 食器用や台所廻り用などの洗浄剤として適した硬質表面用洗浄剤の提供。
【解決手段】 (a)分子量が90〜500の多価カルボン酸又はその塩から選ばれる1種以上を2.5〜8質量%、(b)炭素数8〜18の分岐炭化水素基を有する界面活性剤を2〜25質量%、(c)炭素数8〜16の直鎖炭化水素基を有するアルカノールアミド型界面活性剤を3〜15質量%、及び水を含有し、(b)成分/(c)成分の質量比が0.5〜10である硬質表面用洗浄剤。
【選択図】 なし
【解決手段】 (a)分子量が90〜500の多価カルボン酸又はその塩から選ばれる1種以上を2.5〜8質量%、(b)炭素数8〜18の分岐炭化水素基を有する界面活性剤を2〜25質量%、(c)炭素数8〜16の直鎖炭化水素基を有するアルカノールアミド型界面活性剤を3〜15質量%、及び水を含有し、(b)成分/(c)成分の質量比が0.5〜10である硬質表面用洗浄剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、食器用や台所廻り用などの洗浄剤として適した硬質表面用洗浄剤に関する。
特許文献1には、食器洗いとキッチンのシンクの水垢などを洗浄できることが記載されている。特許文献2〜4には、クエン酸を含有する食器洗い洗浄剤組成物が記載されており、これら公報にはアルカノールアミド型界面活性剤を用いることが記載されている。また、特許文献5〜7には分岐構造を有する界面活性剤を含有する洗浄剤の技術が開示されている。
特開2003−27099号公報
特開2001−172697号公報
特開平7−310099号公報
特開平11−80784号公報
特開昭56−122898号公報
特開昭64−40598号公報
特開昭52−152405号公報
付着汚れの違いから、通常、食器洗い洗浄剤はガラスコップなどの食器を洗浄する目的で用いられ、台所のシンク廻りなどに付着した水垢汚れの洗浄には、研磨剤を含有する洗浄剤が用いられている。しかし、研磨剤入りの洗浄剤は、非常に高い水垢汚れ除去性能を有する一方で、ステンレス製や樹脂製のシンク表面を傷つけて、光沢を損なうという課題がある。このため、消費者の間では、研磨剤の入っていない食器洗い洗浄剤を用いてシンクを洗浄することも行われているが、このような食器洗い洗浄剤では、シンク廻りの水垢などの汚れを満足できる程度まで落とすことはできない。また、特許文献1〜6の技術では、食器の油汚れやキッチンシンクの水垢汚れの両方に対する洗浄力が優れているとの効果が明らかにされたものはない。
水垢汚れ洗浄力を向上させるためには、多価カルボン酸などのキレート化剤を多量に含有することが考えられる。しかしながら、このような多価カルボン酸を多量に含有する洗浄剤は泡立ちが著しく損なわれ、油汚れに対する洗浄力も低下する。泡立ち性は食器洗い用の洗浄剤には必要不可欠な物性であり、油汚れ洗浄力の低下は商品価値を著しく損なうものである。また、食器洗い用洗浄剤組成物は、界面活性剤の含有量が高く濃縮された形態が一般に好まれており、このような濃縮型の洗浄剤に多価カルボン酸を多量に配合すると低温において沈殿が生じるなどの不都合が生じる。
分岐構造を有する界面活性剤を用いる技術は特許文献5〜7を参考にすることができるが、これら技術においても無機質汚れ除去に対する技術的課題や解決手段について全く示唆するものではない。
本発明の課題は、起泡力及び低温安定性が良く、水垢汚れ(無機質汚れ)及び油汚れの何れにも高い洗浄効果を有する硬質表面用洗浄剤を提供することにある。
本発明は、課題の解決手段として、
(a)分子量が90〜500の多価カルボン酸(塩)から選ばれる1種以上を2.5〜8質量%、
(b)炭素数8〜18の分岐炭化水素基を有する界面活性剤を2〜25質量%、
(c)炭素数8〜16の直鎖炭化水素基を有するアルカノールアミド型界面活性剤を3〜15質量%、及び水を含有し、
(b)成分/(c)成分の質量比が0.5〜10である硬質表面用洗浄剤を提供する。
(a)分子量が90〜500の多価カルボン酸(塩)から選ばれる1種以上を2.5〜8質量%、
(b)炭素数8〜18の分岐炭化水素基を有する界面活性剤を2〜25質量%、
(c)炭素数8〜16の直鎖炭化水素基を有するアルカノールアミド型界面活性剤を3〜15質量%、及び水を含有し、
(b)成分/(c)成分の質量比が0.5〜10である硬質表面用洗浄剤を提供する。
本発明の硬質表面用洗浄剤は、水垢汚れ(無機質汚れ)洗浄力、油汚れ洗浄力、起泡力及び低温安定性が優れているので、従来技術の課題を解決することができ、食器用や台所廻り用などの洗浄剤として適している。
<(a)成分>
本発明の(a)成分は、分子量90〜500の多価カルボン酸又はその塩であり、具体的には下記(a1)群及び(a2)群から選ばれる1種以上の化合物が好適である。
本発明の(a)成分は、分子量90〜500の多価カルボン酸又はその塩であり、具体的には下記(a1)群及び(a2)群から選ばれる1種以上の化合物が好適である。
(a1)群;ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸、アルキルグリシン−N,N−ジ酢酸、アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸、セリン−N,N−ジ酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンコハク酸などのアミノポリ酢酸又はこれらの塩、好ましくはアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
(a2)群;ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキメチル酒石酸などの有機酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
本発明においては特に(a2)群の化合物を用いた場合に、無機質汚れ除去効果を(b)及び(c)成分と共に相乗的に向上させることができるため好ましく、特にクエン酸が好適である。
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、炭素数8〜18の分岐炭化水素基を有する界面活性剤であり、(a)成分を含有した場合の起泡力と洗浄力の低下を引き起こすことがなく、低温安定性の課題を解決することができる。ここで分岐炭化水素基とは、1つの炭素原子に3個又は4個の炭素原子が結合した部位が1つ以上有する炭化水素基である。
本発明の(b)成分は、炭素数8〜18の分岐炭化水素基を有する界面活性剤であり、(a)成分を含有した場合の起泡力と洗浄力の低下を引き起こすことがなく、低温安定性の課題を解決することができる。ここで分岐炭化水素基とは、1つの炭素原子に3個又は4個の炭素原子が結合した部位が1つ以上有する炭化水素基である。
(b)成分として好ましい界面活性剤としては、
(b1)分岐構造を有する炭素数10〜18の炭化水素基を1つと、分子中にスルホン酸(塩)基及び/又は硫酸エステル塩基を有する陰イオン界面活性剤、
(b2)分岐構造を有する炭素数8〜18のアルキル基を一つと、残りが炭素数1〜3のアルキル基であるアミンオキシド化合物から選ばれる化合物、並びに
(b3)炭素数8〜10の分岐アルキル基を有する非イオン界面活性剤から選ばれる化合物が好適である。
(b1)分岐構造を有する炭素数10〜18の炭化水素基を1つと、分子中にスルホン酸(塩)基及び/又は硫酸エステル塩基を有する陰イオン界面活性剤、
(b2)分岐構造を有する炭素数8〜18のアルキル基を一つと、残りが炭素数1〜3のアルキル基であるアミンオキシド化合物から選ばれる化合物、並びに
(b3)炭素数8〜10の分岐アルキル基を有する非イオン界面活性剤から選ばれる化合物が好適である。
(b1)の好適な例としては、
(b1-1)分岐構造を有する炭素数10〜18のアルキル硫酸エステル塩、
(b1-2)分岐構造を有する炭素数10〜18のアルキル基及び平均付加モル数が1〜6のアルキレン基(アルキレン基の炭素数は2又は3)のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を挙げることができる。
(b1-1)分岐構造を有する炭素数10〜18のアルキル硫酸エステル塩、
(b1-2)分岐構造を有する炭素数10〜18のアルキル基及び平均付加モル数が1〜6のアルキレン基(アルキレン基の炭素数は2又は3)のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を挙げることができる。
(b1-1)としては、炭素数8〜14の1−アルケンをヒドロホルミル化して得られたアルコールを3酸化硫黄もしくはクロロスルホン酸を用いて硫酸エステル化して得ることができる。ヒドロホルミル化反応によると、一酸化炭素がオレフィン炭素のα位に付加して得られる直鎖1級アルコールと、β位に付加して得られる分岐鎖1級アルコールとの混合物が得られる。
このような混合物を硫酸エステル化した場合、
(b1-1-1)硫酸エステル基に対してβ位にメチル基が分岐した炭素数9〜15の分岐鎖アルキル硫酸エステル塩、及び
(d1-1)炭素数9〜15の直鎖アルキル硫酸エステル塩の混合物が得られる。
(b1-1-1)硫酸エステル基に対してβ位にメチル基が分岐した炭素数9〜15の分岐鎖アルキル硫酸エステル塩、及び
(d1-1)炭素数9〜15の直鎖アルキル硫酸エステル塩の混合物が得られる。
本発明では(b1-1-1)/(d1-1)が、モル比で0.2〜0.8が好ましく、より好ましくは0.3〜0.8、特に好ましくは0.3〜0.7の混合物が好適である。
(b1-1)成分として好ましいもう一つの化合物としては、炭素数4〜8のアルデヒドをアルドール縮合させた後、還元して得られるゲルベ型アルコールを3酸化硫黄もしくはクロロスルホン酸を用いて硫酸エステル化して得られる化合物を挙げることができる。この場合、(b1-1-2)硫酸エステル基に対して、β位に炭素数2〜6のアルキル基が分岐した炭素数8〜16の分岐鎖アルキル硫酸エステル塩が得られる。
本発明では、これら以外に例えばイソブテンの2両体をヒドロホルミル化して得られる3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソブテンの3両体をヒドロホルミル化して得られる多分岐トリデカノールを硫酸エステル化して得られる、(b1-1-3)メチル基が2〜6個分岐した炭素数9〜15、好ましくは9又は13の多分岐鎖アルキル硫酸エステル塩も好適に用いることができる。
本発明では、(b1-1)成分の中でも、特に(b1-1-1)成分が、洗浄力、貯蔵安定性の点から好適である。
(b1-2)は、炭素数8〜14の1−アルケンをヒドロホルミル化して得られたアルコールに、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドを付加させて得られるポリオキシアルキレンアルキルエーテルを、3酸化硫黄もしくはクロロスルホン酸を用いて硫酸エステル化して得ることができる。アルキレンオキシドの平均付加モル数は、1〜6、好適には1〜3である。ヒドロホルミル化反応によると、一酸化炭素がオレフィン炭素のα位に付加して得られる直鎖1級アルコールとβ位に付加して得られる分岐鎖1級アルコールとの混合物が得られる。
このような混合物を硫酸エステル化した場合、(b1-2-1)硫酸エステル基に対してβ位にメチル基が分岐した炭素数9〜15の分岐鎖ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、及び(d1-2)炭素数9〜15の直鎖ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩の混合物が得られる。
本発明では(b1-2-1)/(d1-2)が、モル比で0.2〜0.8が好ましく、より好ましくは0.3〜0.8、特に好ましくは0.3〜0.7の混合物である。
(b1-2)成分として好ましいもう一つの化合物としては、炭素数4〜8のアルデヒドをアルドール縮合させた後、還元して得られるゲルベ型アルコールを3酸化硫黄もしくはクロロスルホン酸を用いて硫酸エステル化して得られる化合物も好適である。この場合、(b1-2-2)硫酸エステル基に対してβ位に炭素数2〜6のアルキル基が分岐した炭素数8〜16の分岐鎖アルキル硫酸エステル塩が得られる。
本発明ではこれら以外に例えばイソブテンの2両体をヒドロホルミル化して得られる3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソブテンの3両体をヒドロホルミル化して得られる多分岐トリデカノールを硫酸エステル化して得られる、(b1-2-3)メチル基が2〜6個分岐した炭素数9〜15、好ましくは9又は13の多分岐鎖アルキル硫酸エステル塩も好適に用いることができる。
本発明では、(b1-2)成分の中でも、特に(b1-2-1)成分が洗浄力、貯蔵安定性の点から好適である。
本発明では、(b1-1)成分と(b1-2)成分を併用することが、洗浄力を高めると共に低温における課題を解決する目的から好ましく、(b1-1)成分/(b1-2)成分は、質量比で0.1〜0.5が好ましく、より好ましくは0.1〜0.4、特に好ましくは0.15〜0.3である。
本発明の(b2)成分としては、下記一般式(1)の化合物が好ましい。
〔式中、R11は、分岐構造を有する炭素数8〜16のアルキル基であり、R12は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、R13、R14は、炭素数1〜3のアルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基である。Aは、−COO−、−CONH−から選ばれる基であり、nは、0又は1の数である〕。
一般式(1)においてmが0の化合物(b2-1)は、例えば分岐構造を有する炭素数8〜16のアルデヒド化合物を用いて通常のアミノ化反応を行い、得られた3級アミンを過酸化水素で酸化して得ることができる。アルデヒド化合物としては、2−エチルヘキサナール、2−ブチルオクタナールなどのβ位に、炭素数1〜6のアルキル基が分岐した炭素数8〜16のアルデヒドを用いることができる。
一般式(1)においてmが1の化合物(b2-2)は、分岐構造を有する炭素数8〜16の脂肪酸とB−R12−N(CH3)2〔BはH2N−又はHO−〕と反応させた後、過酸化水素で酸化して得ることができる。分岐構造を有する炭素数8〜16の脂肪酸としては、2−エチルヘキサン酸、2−ブチルオクタン酸、3,5,5−トリメチルノナン酸、イソデカン酸が好適である。
本発明では、(b2)の化合物としては、(b2-2)の化合物が、洗浄力、貯蔵安定性の点から好適である。
本発明の(b3)成分としては、下記一般式(2)の化合物が好適である。
R21−O−D (2)
〔式中、R21は、2−エチルヘキシル、イソノニル、イソデシルから選ばれる基であり、Dは、−CH2CH(OH)CH2OH、−(R22O)nGo、−(R23O)p−OHから選ばれる基である。ここで、R22、R23は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、Gは還元糖に由来する残基である。nは、平均値0〜6の数、oは、平均値1〜5の数、pは、平均値2〜5の数を示す〕。
〔式中、R21は、2−エチルヘキシル、イソノニル、イソデシルから選ばれる基であり、Dは、−CH2CH(OH)CH2OH、−(R22O)nGo、−(R23O)p−OHから選ばれる基である。ここで、R22、R23は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、Gは還元糖に由来する残基である。nは、平均値0〜6の数、oは、平均値1〜5の数、pは、平均値2〜5の数を示す〕。
(b3)成分としては、より具体的には、
(b3-1)下記一般式(2−1)の化合物、
(b3-2)一般式(2−2)の化合物、
(b3-3)一般式(2−3)の化合物が好適である。
(b3-1)下記一般式(2−1)の化合物、
(b3-2)一般式(2−2)の化合物、
(b3-3)一般式(2−3)の化合物が好適である。
R21−O−CH2CH(OH)CH2OH (2−1)
R21−O−(R22O)nGo (2−2)
R21−O−(R23O)p−OH (2−3)
〔式中、R21、R22、R23、n、o、pは、上記と同一の意味である〕。
R21−O−(R22O)nGo (2−2)
R21−O−(R23O)p−OH (2−3)
〔式中、R21、R22、R23、n、o、pは、上記と同一の意味である〕。
(b3-1)成分である一般式(2−1)の化合物は、2−エチルヘキサノール、イソノニルアルコール及び/又はイソデシルアルコールとエピハロヒドリンやグリシドール等のエポキシ化合物を、BF3等の酸触媒、あるいはアルミニウム触媒を用いて反応させて製造する方法が一般的であり、特開2001−49291号公報に記載されているように複数の生成物を含む混合物である。具体的には、アルキルモノグリセリルエーテルとして、エポキシ化合物の1位に2−エチルヘキサノールが付加した化合物〔3−(2−アルキルオキシ)−1,2−プロパンジオール〕や、エポキシ化合物の2位に付加した化合物〔2−(2−アルキルオキシ)−1,3−プロパンジオール)が挙げられる。
また、副生成物として、これら化合物に更にエポキシ化合物が付加した多付加化合物が挙げられる。本発明では、多付加化合物の含有量が2−アルキルモノグリセリルエーテルに対して30質量%以下、好ましくは10質量%以下、特に好ましくは1質量%以下の2−アルキルモノグリセリルエーテルを用いることが好適である。
(b3-2)成分である一般式(2−2)の化合物において、Gは還元糖に由来する残基であり、原料の還元糖としては、アルドースとケトースの何れであっても良く、また、炭素数が3〜6個のトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースを挙げることができる。アルドースとしては、アピオース、アラビノース、ガラクトース、グルコース、リキソース、マンノース、ガロース、アルドース、イドース、タロース、キシロースを挙げることができ、ケトースとしては、フラクトースを挙げることができる。本発明では、これらの中でも特に炭素数5又は6のアルドペントースあるいはアルドヘキソースが好ましく、中でもグルコースが最も好ましい。
Gの還元糖としては上記単糖類が好ましいが、これら単糖が2〜5個、好ましくは2又は3個縮合したオリゴ糖を用いても差し支えない。更には単糖とオリゴ糖が混合したものでもよく、この場合には平均縮合度は1〜5、好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2が好適であり、1〜1.5が最も好ましい。
(b3-2)成分である一般式(2−2)の化合物において、nが0の化合物は、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソデカノールと上記還元糖とを酸触媒を用いてアセタール化反応又はケタール化反応することで容易に合成することができる。また、nが0ではない化合物は、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソデカノールにアルキレンオキシドを付加させることで得られるR21−(OR22)n−OHと還元糖とを酸触媒を用いて、アセタール化反応又はケタール化反応することで容易に合成することができる。これらはアセタール化反応の場合、ヘミアセタール構造であっても良く、通常のアセタール構造であっても良い。
なお、2−エチルヘキサノールは、n−ブチルアルデヒドをアルドール縮合させた後、水素化して得ることができる。イソノナノールは、ジイソブチレンをオキソ法でヒドロホルミル化した後、水素化して得られ、代表的な構造は、3,5,5−トリメチルヘキサノールである。また、イソデカノールは、ノネンをオキソ法でヒドロホルミル化した後、水素化して得られるもので、アルキル鎖の各位置にメチル分岐を有する多くの異性体の混合物であり、代表的な構造は8−メチル−1−ノナノールである。
(b3-3)成分である一般式(2−3)の化合物は、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソデカノールとアルキレンオキシド、好ましくはプロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシド、特にエチレンオキシドを、アルコール/アルキレンオキシドのモル比を1/2〜1/5で反応させて得られ、未反応のアルコールを含むpが0〜10程度の化合物の混合物である。これらは蒸留等の操作を行って未反応アルコール(p=0の化合物)及びp>5以上の化合物を除去したものを用いても差し支えない。
本発明では、未反応アルコールが(b3-3)成分中に5〜50質量%程度含有される、未反応アルコールを含むpの平均値が2〜5である化合物が好適である。なお、平均値はH1−NMRを用い、2−エチルヘキシル基、イソノナノール、イソデカノールのα位のプロトンとオキシエチレン基のプロトンとの積分値で容易に求めることができる。
本発明では、(b3)成分としては(b3-1)成分である一般式(2−1)の化合物が好適であり、特にR21が2−エチルヘキシル基のものが好適である。
本発明の(b)成分としては、(b1-1)成分、(b1-2)成分、及び(b3)成分が好適であり、特に(b1-1)成分、(b1-2)成分及び(b3-1)成分を併用することが好適である。
<(c)成分>
本発明の(c)成分は、炭素数6〜16の直鎖炭化水素基を有するアルカノールアミド型界面活性剤であり、下記一般式(3)の化合物が好適である。
本発明の(c)成分は、炭素数6〜16の直鎖炭化水素基を有するアルカノールアミド型界面活性剤であり、下記一般式(3)の化合物が好適である。
〔式中、R31−COは、炭素数8〜20の直鎖アシル基であり、R32は、メチル基、エチル基又は−(C2H4O)q−Hである。R33は、−(C2H4O)r−Hである。q、rは、それぞれ0〜5の数であり、q+rは、1〜6である〕。
一般式(3)の化合物において、R31CO−は、炭素数8〜18の直鎖アシル基が好ましい。好ましい具体例としては、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸、リノール酸、オレイン酸から誘導されるアシル基を挙げることができ、特に好ましくは、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸から誘導されるアシル基である。
また、本発明では、該アシル基が単独のアルキル基又はアルケニル基であっても差し支えないが、R31CO−に対応する脂肪酸が混合脂肪酸であることが、洗浄効果及び起泡力の点から好適である。好ましい混合脂肪酸組成は、以下の組成である。なお、これら以外の脂肪酸を含有しても差し支えないが、下記に示した脂肪酸の合計質量が100質量%となるように調製されることが貯蔵安定性の点から望ましい。
カプリル酸;1〜10重量%、好ましくは3〜6重量%
カプリン酸;1〜12重量%、好ましくは3〜7重量%
ラウリン酸;44〜60重量%、好ましくは44〜55重量%
ミリスチン酸;10〜22重量%、好ましくは10〜17重量%
パルミチン酸;4〜10重量%、好ましくは6〜10重量%
ステアリン酸;0〜10重量%、好ましくは1〜7重量%
オレイン酸;0〜17重量%、好ましくは1〜17重量%
一般式(3)の化合物において、R32は、メチル基、エチル基又は−(C2H4O)q−Hであり、洗浄効果の持続性の点から好ましくはメチル基又は水素原子(q=0)である。R33は、−(C2H4O)r−Hであり、rは洗浄効果の持続性の点から好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜3の数である。
カプリン酸;1〜12重量%、好ましくは3〜7重量%
ラウリン酸;44〜60重量%、好ましくは44〜55重量%
ミリスチン酸;10〜22重量%、好ましくは10〜17重量%
パルミチン酸;4〜10重量%、好ましくは6〜10重量%
ステアリン酸;0〜10重量%、好ましくは1〜7重量%
オレイン酸;0〜17重量%、好ましくは1〜17重量%
一般式(3)の化合物において、R32は、メチル基、エチル基又は−(C2H4O)q−Hであり、洗浄効果の持続性の点から好ましくはメチル基又は水素原子(q=0)である。R33は、−(C2H4O)r−Hであり、rは洗浄効果の持続性の点から好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜3の数である。
一般式(3)の化合物の好ましい例としては、一般式(3−1)及び一般式(3−2)を挙げることができる。
〔式中、R31、rは、上記と同じ意味である〕。
<その他成分>
本発明では、上記(b)成分及び(c)成分以外に洗浄力を増強する目的から、直鎖炭化水素基を有する界面活性剤〔以下(d)成分という〕を含有することが好適である。
本発明では、上記(b)成分及び(c)成分以外に洗浄力を増強する目的から、直鎖炭化水素基を有する界面活性剤〔以下(d)成分という〕を含有することが好適である。
(d)成分としては、(b)成分以外の陰イオン界面活性剤〔(d1)成分〕を用いることができ、
(d1-1)炭素数9〜15の直鎖アルキル硫酸エステル塩、及び
(d1-2)炭素数9〜15の直鎖ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩が好適であるが、これ以外の陰イオン界面活性剤として、
(d1-3)炭素数10〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数8〜15のα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数12〜18のα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩を好適に使用することができる。
(d1-1)炭素数9〜15の直鎖アルキル硫酸エステル塩、及び
(d1-2)炭素数9〜15の直鎖ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩が好適であるが、これ以外の陰イオン界面活性剤として、
(d1-3)炭素数10〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数8〜15のα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数12〜18のα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩を好適に使用することができる。
本発明では、(c)成分以外の直鎖炭化水素基を有する非イオン界面活性剤(d2)を用いることが好適である。(d2)成分としては、下記一般式(4)の化合物(d2-1)及び下記一般式(5)の化合物(d2-2)から選ばれる1種以上が好ましい。
R41−O−(BO)s−H (4)
〔式中、R41は、炭素数10〜16の直鎖炭化水素基であり、好適には10〜14のアルキル基である。Bは、エチレン基、又はプロピレン基であり、好適にはエチレン基である。sは、平均付加モル数であり、好適には2〜18、より好適には6〜16の数である〕。
R51−O−(R52O)tGu (5)
〔式中、R51は、直鎖の炭素数8〜16、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜14のアルキル基、R52は、炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基、特に好ましくはエチレン基であり、Gは、還元糖に由来する残基、tは、平均値0〜6の数、uは、平均値1〜10、好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜2の数を示す〕。
〔式中、R41は、炭素数10〜16の直鎖炭化水素基であり、好適には10〜14のアルキル基である。Bは、エチレン基、又はプロピレン基であり、好適にはエチレン基である。sは、平均付加モル数であり、好適には2〜18、より好適には6〜16の数である〕。
R51−O−(R52O)tGu (5)
〔式中、R51は、直鎖の炭素数8〜16、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜14のアルキル基、R52は、炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基、特に好ましくはエチレン基であり、Gは、還元糖に由来する残基、tは、平均値0〜6の数、uは、平均値1〜10、好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜2の数を示す〕。
一般式(5)において、Gは還元糖に由来する残基であり、原料の還元糖としては、アルドースとケトースの何れであっても良く、また、炭素数が3〜6個のトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースを挙げることができる。アルドースとしては、アピオース、アラビノース、ガラクトース、グルコース、リキソース、マンノース、ガロース、アルドース、イドース、タロース、キシロースを挙げることができ、ケトースとしては、フラクトースを挙げることができる。本発明では、これらの中でも特に炭素数5又は6のアルドペントースあるいはアルドヘキソースが好ましく中でもグルコースが最も好ましい。
一般式(5)の化合物は、上記還元糖とR51−(OR52)t−OHとを酸触媒を用いて、アセタール化反応又はケタール化反応することで容易に合成することができる。また、アセタール化反応の場合、ヘミアセタール構造であっても良く、通常のアセタール構造であっても良い。
本発明では、直鎖アルキル基を有する両性界面活性剤(d3)を含有することが好適である。(d3)成分としては、下記一般式(6)の化合物が好適である。
〔式中、R61は、炭素数10〜16の直鎖炭化水素基であり、好適には10〜14のアルキル基である。R62は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、R63、R64は、炭素数1〜3のアルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基である。Dは、−COO−、−CONH−から選ばれる基であり、vは、0又は1の数である。Eは、−CH2COO−、−C3H6SO3 −、又は−CH2CH(OH)CH2SO3 −であり、好適には−CH2CH(OH)CH2SO3 −である〕。
本発明では、直鎖アルキル基を有するアミンオキシド型界面活性剤(d4)を含有することが好適である。(d4)成分としては、下記一般式(7)の化合物が好適である。
〔式中、R71は、分岐構造を有する炭素数8〜16のアルキル基であり、R72は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、R73、R74は、炭素数1〜3のアルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基である。Fは、−COO−、−CONH−から選ばれる基であり、wは、0又は1の数である〕。
本発明では、洗浄力及び起泡力を低下させずに低温貯蔵安定性を改善する目的から、炭素数1〜3のアルキル基及びヒドロキシ基で置換していてもよいベンゼンスルホン酸(塩)及びベンゼンカルボン酸(塩)から選ばれる化合物〔(e)成分〕を含有することが好ましく、具体的には、p−トルエンスルホン酸(塩)、メタキシレンスルホン酸(塩)、クメンスルホン酸(塩)、安息香酸(塩)、サリチル酸(塩)、p-ヒドロキシ安息香酸(塩)を挙げることができ、特に安息香酸が好適である。
本発明では、貯蔵安定性の改善目的及び粘度調節剤として、溶剤〔以下、(f)成分という〕を含有することができる。溶剤の具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる水溶性有機溶媒が好ましい。
本発明では、ゲル化防止のための重合体、例えば特表平11−513067号公報に記載されているゲル化防止重合体〔以下、(h)成分という〕、とりわけポリアルキレングリコールを含有することが、粘度調節及び貯蔵安定性の点から好ましい。ゲル化防止としてのポリアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチングリコールを標準としたときのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって求められた重量平均分子量が200〜3000のポリプロピレングリコール、及びポリエチレングリコールを挙げることができる。
一般的に洗浄力増強剤として用いられるMgについては、(a)成分を高配合している本発明の洗浄剤においては、(a)成分と併用すると洗浄力増強効果が減じる恐れがあるため配合量には注意を要する。Mgの配合量は、0.0001〜5質量%が好ましく、0.0001〜1質量%がより好ましく、0.0001〜0.4質量%が更に好ましく、0.0001〜0.1質量%が特に好ましい。尚、この際配合に用いるMg含有化合物としては、水に溶解しやすいものが良く、具体的には、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウムが好ましい。また、溶解に時間はかかるが水酸化マグネシウムやリン酸マグネシウムも使用可能である。
その他にも、粘度特性に影響して使い勝手を損なわない限り、通常液体洗浄剤に配合されている成分を配合することができる。例えば、香料成分、除菌成分、防腐剤、濁り剤、着色剤を挙げることができる。
<硬質表面用洗浄剤>
本発明の洗浄剤中の各成分の含有割合は、下記のとおりである。
本発明の洗浄剤中の各成分の含有割合は、下記のとおりである。
(a)成分の含有割合は、無機質汚れ洗浄性能の観点から、2.5〜8質量%、好ましくは2.5〜7質量%、より好ましくは3〜6質量%である。
(b)成分の含有割合は、無機質汚れ洗浄効果、起泡力、油汚れ洗浄効果、及び貯蔵安定性の観点から、2〜25質量%、好ましくは2〜20質量%、より好ましくは2〜15質量%である。
(c)成分の含有割合は、起泡力、油汚れ洗浄効果、及び貯蔵安定性の観点から、3〜15質量%、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは5〜11質量%である。
(b)成分/(c)成分は、無機質汚れ洗浄力、起泡力、油汚れ洗浄力、及び貯蔵安定性の観点から、質量比で0.5〜10が好ましく、より好ましくは0.5〜8、特に好ましくは0.5〜5である。
本発明の(d)成分は、洗浄力を向上させると共に貯蔵安定性を改善する目的から含有することが好ましく、2.5〜25質量%が好ましく、より好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは4〜15質量%である。
本発明では、(b)成分、(c)成分、(d)成分の合計は、洗浄力及び貯蔵安定性の点から、7.5〜60質量%が好ましく、より好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは11〜31質量%である。
本発明では、陰イオン性界面活性剤(b1)成分、(d1)成分の合計は、洗浄力の観点から、5〜30質量%が好ましく、より好ましくは5〜25質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。
本発明では、陰イオン界面活性剤とイオン的に複合体を形成する(b2)成分、(d3)成分、(d4)成分の合計量は、2〜15質量%が好ましく、より好ましくは2〜10質量%、特に好ましくは2〜7質量%である。
本発明では、陰イオン界面活性剤と、該活性剤とイオン的に複合体を形成する界面活性剤の質量比〔(b1)成分+(d1)成分〕/〔(b2)成分+(d3)成分+(d4)成分〕は、0.3〜15が好ましく、より好ましくは0.5〜12.5、特に好ましくは1.4〜10である。
本発明では、質量比(b)成分/〔(b)成分+(c)成分+(d)成分〕は、0.03〜3.3が好ましく、より好ましくは0.04〜2、特に好ましくは0.06〜1.4であることが、洗浄力、低温貯蔵安定性の点から好適である。
本発明の(e)成分は、洗浄力を低下させることがなく、低温貯蔵安定性を改善する目的から含有することが好ましく、1〜10質量%が好ましく、より好ましくは2〜10質量%、特に好ましくは2.5〜8質量%である。
本発明の(f)成分は、貯蔵安定性の向上の点及び、粘度調節剤として有効であり、0.05〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜5質量%、特に好ましくは0.1〜3質量%である。
本発明の洗浄剤は、上記成分を水に溶解又は分散させた液状の形態であり、水は、(a)〜(c)成分、及び必要に応じて含有する他の成分を含めて、合計で100質量%とする調整量であるが、貯蔵安定性の点から、好ましくは20〜60質量%、更に好ましくは30〜60質量%、より好ましくは40〜60質量%、特に好ましくは45〜55質量%である。
本発明の洗浄剤のpH(25℃)は、油汚れなど(食器洗浄時)と水垢汚れなど(キッチンシンク洗浄時)の両方に対する洗浄性能を高める観点から、3以上7未満、好ましくは3以上6未満であり、より好ましくは4以上6未満であり、特に好ましくは4.5以上6未満である。
pH調整剤としては、塩酸や硫酸など無機酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸などの有機酸などの酸剤や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、アンモニアやその誘導体、モノエタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン塩など、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ剤を、単独もしくは複合して用いることが好ましく、特に塩酸、硫酸、クエン酸から選ばれる酸と水酸化ナトリウムや水酸化カリウムから選ばれるアルカリ剤を用いることが好ましい。いずれの化合物も、粘度特性に対し大きな影響のない範囲で配合される。
本発明の洗浄剤は、使い勝手の点から20℃における粘度を好ましくは10〜1000mPa・s、より好ましくは30〜700mPa・s、特に好ましくは50〜500mPa・sである。このような粘度には、例えば上記(d)成分、(e)成分、(f)成分などを用いて調整する。
本発明でいう粘度は、以下のようにして測定する。まず、TOKIMEC.INC製B型粘度計モデルBMに、ローター番号No.2のローターを備え付けたものを準備する。試料をトールビーカーに充填し20℃の恒温槽内にて20℃に調整する。恒温に調整された試料を粘度計にセットする。ローターの回転数を60r/mに設定し、回転を始めてから60秒後の粘度を本発明の粘度とする。
本発明の洗浄剤を用いて洗浄する場合は、スポンジなどの可撓性材料(好ましくは水を含む)に染み込ませ、直接食器、調理用器具、シンクなどに接触させて洗浄を行う方法を適用できる。
本発明の洗浄剤は、油汚れと水垢汚れなどに対する洗浄性能が優れているため、油汚れと水垢汚れを含む洗浄対象用の洗浄剤として適用できる。具体的には、食器洗い用洗浄剤、台所廻り用洗浄剤として適しており、その他、洗面台用洗浄剤、浴室用洗浄剤、トイレ用洗浄剤などの水廻り用の洗浄剤としても適用できる。
<各使用成分>
実施例において用いた各成分を下記に示す。
・ASI(オキソ法アルキル硫酸エステルナトリウム)
原料アルコールは1−デセン及び1−ドデセン50/50(wt/wt)を原料にヒドロホルミル化して得られたアルコールであり、該アルコールを三酸化イオウにより硫酸化し、水酸化ナトリウムで中和した。ASI中の分岐アルキル硫酸エステルナトリウムの割合は40質量%であった。即ち、ASIには、(b11-1-1)成分及び(d1-1)成分が(b11-1-1)/(d1-1)=0.4の質量比の混合物である。
・ESI
イソトリデカノールにEOを平均2モル付加させた化合物から得たポリオキシアルキレン分岐鎖アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム
・ESII(オキソ法ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム)
原料アルコールは1−デセン及び1−ドデセン50/50(wt/wt)を原料にヒドロホルミル化して得られたアルコールである。このアルコールにエチレンオキシドを平均2モル付加させた後、三酸化イオウにより硫酸化し、水酸化ナトリウムで中和した。全ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム中の全ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテル硫酸ナトリウムの割合は22質量%であった。すなわちESIIは(b1-2-1)成分及び(d1-2)成分が(b1-2-1)/(d1-2)=0.22の質量比の混合物である。)
・ESIII
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(EO平均付加モル数2)
・AOI
アミンオキシドI:N−イソノナノイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミンオキシド
・AOII
2−エチルヘキシルアルデヒドにメチルアミンを付加させて得られたイミンを水素化して得られた2級アミンを更に蟻酸/ホルムアルデヒドによりアルキル化(一般にロイカルト法として知られるアルキル化方法)して得られるN−(2−エチルヘキシル)−N,N−ジメチルアミンを過酸化水素で酸化して得られるアミンオキシド
・AOIII
ラウリルジメチルアミンオキシド
・ノニオンI
イソデカノールにエチレンオキシドを平均2モル付加させた化合物
・ノニオンII
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル
・ノニオンIII
イソノニルグリコシド(グルコースの平均縮合度は1.2)
・ノニオンIV
ラウリルアルコールにエチレンオキシドを平均8モル付加させた化合物
・ノニオンV
アルキル基の組成が炭素数12/炭素数14=60/40の直鎖混合アルキルであり、グルコシド平均縮合度1のアルキルグルコシド
・アルカノールアミドI
ココ脂肪酸メチルエタノールアミド(脂肪酸組成;ラウリン酸54%、ミリスチン酸16%、パルミチン酸8%、カプリル酸8%、カプリン酸8%、ステアリン酸10%)
・アルカノールアミドII
脂肪酸ジエタノールアミド(脂肪酸組成;カプリン酸10%、ラウリン酸60%、パルミチン酸25%、パルミチン酸5%)
・p−TS
p−トルエンスルホン酸ナトリウム
・抗菌剤
プロキセルBDN(アビシア株式会社製)
pH:洗浄剤のpH(25℃)は、1/10規定−硫酸水溶液又は1/10規定−水酸化ナトリウムを用いて調整した。
実施例において用いた各成分を下記に示す。
・ASI(オキソ法アルキル硫酸エステルナトリウム)
原料アルコールは1−デセン及び1−ドデセン50/50(wt/wt)を原料にヒドロホルミル化して得られたアルコールであり、該アルコールを三酸化イオウにより硫酸化し、水酸化ナトリウムで中和した。ASI中の分岐アルキル硫酸エステルナトリウムの割合は40質量%であった。即ち、ASIには、(b11-1-1)成分及び(d1-1)成分が(b11-1-1)/(d1-1)=0.4の質量比の混合物である。
・ESI
イソトリデカノールにEOを平均2モル付加させた化合物から得たポリオキシアルキレン分岐鎖アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム
・ESII(オキソ法ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム)
原料アルコールは1−デセン及び1−ドデセン50/50(wt/wt)を原料にヒドロホルミル化して得られたアルコールである。このアルコールにエチレンオキシドを平均2モル付加させた後、三酸化イオウにより硫酸化し、水酸化ナトリウムで中和した。全ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム中の全ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテル硫酸ナトリウムの割合は22質量%であった。すなわちESIIは(b1-2-1)成分及び(d1-2)成分が(b1-2-1)/(d1-2)=0.22の質量比の混合物である。)
・ESIII
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(EO平均付加モル数2)
・AOI
アミンオキシドI:N−イソノナノイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミンオキシド
・AOII
2−エチルヘキシルアルデヒドにメチルアミンを付加させて得られたイミンを水素化して得られた2級アミンを更に蟻酸/ホルムアルデヒドによりアルキル化(一般にロイカルト法として知られるアルキル化方法)して得られるN−(2−エチルヘキシル)−N,N−ジメチルアミンを過酸化水素で酸化して得られるアミンオキシド
・AOIII
ラウリルジメチルアミンオキシド
・ノニオンI
イソデカノールにエチレンオキシドを平均2モル付加させた化合物
・ノニオンII
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル
・ノニオンIII
イソノニルグリコシド(グルコースの平均縮合度は1.2)
・ノニオンIV
ラウリルアルコールにエチレンオキシドを平均8モル付加させた化合物
・ノニオンV
アルキル基の組成が炭素数12/炭素数14=60/40の直鎖混合アルキルであり、グルコシド平均縮合度1のアルキルグルコシド
・アルカノールアミドI
ココ脂肪酸メチルエタノールアミド(脂肪酸組成;ラウリン酸54%、ミリスチン酸16%、パルミチン酸8%、カプリル酸8%、カプリン酸8%、ステアリン酸10%)
・アルカノールアミドII
脂肪酸ジエタノールアミド(脂肪酸組成;カプリン酸10%、ラウリン酸60%、パルミチン酸25%、パルミチン酸5%)
・p−TS
p−トルエンスルホン酸ナトリウム
・抗菌剤
プロキセルBDN(アビシア株式会社製)
pH:洗浄剤のpH(25℃)は、1/10規定−硫酸水溶液又は1/10規定−水酸化ナトリウムを用いて調整した。
<液体洗浄剤組成物>
各成分を用いて表1の液体洗浄剤組成物を調製した。これら組成物を用いて、下記に示す無機質汚れ洗浄力、油汚れ洗浄力、起泡性、及び低温貯蔵安定性を評価した。結果を表1に示す。
各成分を用いて表1の液体洗浄剤組成物を調製した。これら組成物を用いて、下記に示す無機質汚れ洗浄力、油汚れ洗浄力、起泡性、及び低温貯蔵安定性を評価した。結果を表1に示す。
〔無機質汚れ洗浄力評価〕
研磨仕上げしたステンレステストピース(SUS304製、15cm×7cm)を中性洗剤で洗浄して表面油分を取り除いた後、イオン交換水ですすぎ、風乾させた。各テストピースの重量を測定した後(初期ピース重量)、自動食器洗い乾燥機(松下電器産業(株
)製;NP-720)内のかごにクリップを用いて32枚固定した。洗剤投入口に牛乳23ml、水酸化カルシウム15g、炭酸カルシウム15gを投入し、通常モードで洗浄機を作動させた。この操作を2回繰り返した後、更に牛乳23ml、オルトケイ酸ナトリウム15g、塩化カルシウム15gで洗浄機を通常モードで作動させた。
研磨仕上げしたステンレステストピース(SUS304製、15cm×7cm)を中性洗剤で洗浄して表面油分を取り除いた後、イオン交換水ですすぎ、風乾させた。各テストピースの重量を測定した後(初期ピース重量)、自動食器洗い乾燥機(松下電器産業(株
)製;NP-720)内のかごにクリップを用いて32枚固定した。洗剤投入口に牛乳23ml、水酸化カルシウム15g、炭酸カルシウム15gを投入し、通常モードで洗浄機を作動させた。この操作を2回繰り返した後、更に牛乳23ml、オルトケイ酸ナトリウム15g、塩化カルシウム15gで洗浄機を通常モードで作動させた。
操作終了後、自動食器洗い乾燥機からテストピースを取り出し、テストピースの温度が室温に戻ってから、重量を測定し(評価前ピース重量)ピースに固着した汚れ量を算出した。
次に、イオン交換水で10%の水溶液に希釈した表1の洗浄剤中(120ml)に、モデル汚れ固着ピースを5分間浸漬し、30秒間流水で洗浄後、自然乾燥した。乾燥後に重量を測定することで(評価後ピース重量)、ピースに残留している汚れ量を求めた。無機質汚れ(水垢汚れ除去)性能を示す基準として無機質汚れ除去率を以下に定義し、各洗浄剤の無機質汚れ除去率を算出した。
各試験に10枚のテストピースを用い10枚の平均値を求め、平均値が75%以上の場合を優、50%以上75%未満を良、25%以上50%未満を可、25%未満を付加として評価した。
〔油汚れ洗浄力評価〕
菜種油/牛脂を1/1の質量比で混合し、更に0.1質量%の色素(スタンレッド)を均一に混ぜ込んだモデル油汚れ1gを陶器製の皿に均一に塗り広げたものをモデル汚染食器とした。
菜種油/牛脂を1/1の質量比で混合し、更に0.1質量%の色素(スタンレッド)を均一に混ぜ込んだモデル油汚れ1gを陶器製の皿に均一に塗り広げたものをモデル汚染食器とした。
市販のスポンジ(住友3M社製:スコッチブライト)に表1の洗浄剤1g及び水道水30gを染み込ませ、2〜3回手でもみ泡立たせた。これを用いてモデル汚染食器を擦り洗いし、洗浄(食器に付着した色が消えることにより確認)できた皿の枚数を求めた。この操作を訓練したパネラー5人により実施し、5人の平均を求め、洗浄できた枚数が10枚以上の場合を優、8以上10枚未満を良、5枚以上8枚未満を可、5枚未満を不可として評価した。
〔起泡力評価〕
訓練したパネラー5人により、市販のスポンジ(住友3M社製:スコッチブライト)に表1の洗浄剤1g及び水道水30gを染み込ませ、2〜3回手でもみ泡立たせた時の泡立ち性を官能評価し、満足できる泡立ち性を示す場合を5点、やや泡立ち性が不足している場合を3点、あきらかに泡立ち性が不足している場合を1点として評価し、5人の平均を求めた。平均が4点以上の場合を良、2.5以上4点未満を可、2.5以下を不可として評価した。
訓練したパネラー5人により、市販のスポンジ(住友3M社製:スコッチブライト)に表1の洗浄剤1g及び水道水30gを染み込ませ、2〜3回手でもみ泡立たせた時の泡立ち性を官能評価し、満足できる泡立ち性を示す場合を5点、やや泡立ち性が不足している場合を3点、あきらかに泡立ち性が不足している場合を1点として評価し、5人の平均を求めた。平均が4点以上の場合を良、2.5以上4点未満を可、2.5以下を不可として評価した。
〔低温貯蔵安定性評価〕
表1の組成物を広口規格ビンPS−No6に25g入れ、−5℃の恒温室に20日間貯蔵した。貯蔵後の外観を目視で観察し、外観に変化がない場合を合格、外観に変化が見られた場合を不合格として評価した。
表1の組成物を広口規格ビンPS−No6に25g入れ、−5℃の恒温室に20日間貯蔵した。貯蔵後の外観を目視で観察し、外観に変化がない場合を合格、外観に変化が見られた場合を不合格として評価した。
無機質汚れ洗浄力は、実施例1〜6はすべて優であった。また、比較例1、2、4は良であった。一方、比較例3は(a)成分を含有しないため可であった。
油汚れ洗浄力は、実施例1〜3は良であり、4〜6は優であった。一方、比較例1、2、4は(b)/(c)比が本発明の範囲外であるため(比較例1は(b)成分を含まない)可であり、比較例3は良であった。
起泡力は、実施例1〜6はすべて優であったが、比較例1、2、4は不可であり、特に比較例4は泡立ち性が悪かった。比較例3は良であった。
低温貯蔵安定性は、実施例1〜6はすべて合格であるのに対し、比較例1、2、4は(b)/(c)比が本発明の範囲外であるため不合格であった。比較例3は合格であった。
Claims (6)
- (a)分子量が90〜500の多価カルボン酸又はその塩から選ばれる1種以上を2.5〜8質量%、
(b)炭素数8〜18の分岐炭化水素基を有する界面活性剤を2〜25質量%、
(c)炭素数8〜16の直鎖炭化水素基を有するアルカノールアミド型界面活性剤を3〜15質量%、及び水を含有し、
(b)成分/(c)成分の質量比が0.5〜10である硬質表面用洗浄剤。 - (b)成分が、分岐構造を有する炭素数10〜18の炭化水素基を1つと、分子中にスルホン酸(塩)基及び/又は硫酸エステル塩基を有する陰イオン界面活性剤である請求項1記載の硬質表面用洗浄剤。
- (b)成分が、分岐構造を有する炭素数8〜18のアルキル基を一つと、残りが炭素数1〜3のアルキル基であるアミンオキシド化合物である請求項1又は2記載の硬質表面用洗浄剤。
- (b)成分が炭素数8〜10の分岐アルキル基を有する非イオン界面活性剤である請求項1〜3何れか記載の硬質表面用洗浄剤。
- 20℃におけるpHが3以上7未満である請求項1〜4何れか記載の硬質表面用洗浄剤。
- 更に炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシ基で置換していてもよいベンゼンスルホン酸又はその塩及びベンゼンカルボン酸又はその塩を1〜10質量%含有する請求項1〜5何れか記載の硬質表面用洗浄剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005199184A JP2007016132A (ja) | 2005-07-07 | 2005-07-07 | 硬質表面用洗浄剤 |
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