JP2007015221A - 有機薄膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナノメータサイズの球状、柱状、ラメラ状等の共連続状の機能性色素分散構造が有機ポリマー中に構築された新規な有機薄膜の製造方法と、これを記録層として利用した光記録媒体であって、従来においては実現不可能であった、ピックアップレンズの回折限界を越えた記録密度で記録再生可能な光記録媒体を提供する。
【解決手段】互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体のミクロ相分離構造からなる有機薄膜の製造方法であって、ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、当該ブロック共重合体の薄膜を、当該ブロック共重合体に対して溶解性を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とを有する有機薄膜の製造方法を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体のミクロ相分離構造からなる有機薄膜の製造方法であって、ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、当該ブロック共重合体の薄膜を、当該ブロック共重合体に対して溶解性を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とを有する有機薄膜の製造方法を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子材料、光学材料等に応用可能な有機薄膜の製造方法、及び当該有機薄膜を利用した高密度光記録媒体に関するものである。
ナノメータサイズの機能性材料を高分子内に導入して複合化することは、電子的性質、導電的性質、光学的性質、磁気的性質等の新たな機能を発揮する機能性複合材料を得るために重要な技術である。
従来から、機能性材料として金属超微粒子(金属ナノクラスター)を用いた金属−有機複合材料についての研究開発が進められていた。
しかしながら、無限の材料自由度と機能性が期待されるナノメータサイズの機能性有機材料と高分子との複合材料の研究開発については、殆ど進められていないのが現状である。
従来から、機能性材料として金属超微粒子(金属ナノクラスター)を用いた金属−有機複合材料についての研究開発が進められていた。
しかしながら、無限の材料自由度と機能性が期待されるナノメータサイズの機能性有機材料と高分子との複合材料の研究開発については、殆ど進められていないのが現状である。
従来、ナノメータサイズの機能性色素を高分子内に導入して複合化することにより、電子的性質、導電的性質、光学的性質等の新たな機能を発揮する機能性複合材料としての有機薄膜とその製造方法の提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、薄膜作製時における種々の不安定な要因に起因する相分離ドメインの再現性、形状や配列がやや不均一になっているという状況であった。
しかしながら、薄膜作製時における種々の不安定な要因に起因する相分離ドメインの再現性、形状や配列がやや不均一になっているという状況であった。
一方、光メモリ分野においては、基板上に反射層を有する光記録媒体であるCD規格、DVD規格に対応した記録可能なCD−R、DVD−Rが商品化されている。
今後このような光記録媒体においては、更なる記録容量と小型化が望まれており、記録密度の向上が求められている。
現行システムでの記録容量の向上の要素技術は、記録ピットの微小化技術、MPEG2に代表される画像圧縮技術がある。記録ピットの微小化技術には、記録再生光の短波長化や回折限界の向上を図るために光学系の開口数N.A.の増大化が検討されているが、その回折限界を越える記録再生が不可能である。
そこで回折限界を越える記録再生が可能な超解像技術や近接場光を利用した光メモリシステムが、有力な手段として注目されてきたが、未だ実用化には至っていない。
今後このような光記録媒体においては、更なる記録容量と小型化が望まれており、記録密度の向上が求められている。
現行システムでの記録容量の向上の要素技術は、記録ピットの微小化技術、MPEG2に代表される画像圧縮技術がある。記録ピットの微小化技術には、記録再生光の短波長化や回折限界の向上を図るために光学系の開口数N.A.の増大化が検討されているが、その回折限界を越える記録再生が不可能である。
そこで回折限界を越える記録再生が可能な超解像技術や近接場光を利用した光メモリシステムが、有力な手段として注目されてきたが、未だ実用化には至っていない。
下記特許文献1においては、従来から行われていた光源サイドからのアプローチとは異なり、有機薄膜を記録層形成材料として応用し、照射光の回折限界よりも小さなドット列を具備する光記録媒体を作製することにより、従来において達成できなかった超高密度光記録媒体が可能となるとの技術提案がなされた。
しかしながら、上述したような相分離ドメインの再現性、形状や配列の不均一さから、良好な信号特性を得るためには、実用上の多くの課題を残している。
しかしながら、上述したような相分離ドメインの再現性、形状や配列の不均一さから、良好な信号特性を得るためには、実用上の多くの課題を残している。
そこで本発明においては、各種電子材料や光学材料への応用が期待される、ナノメータサイズの、球状、柱状、ラメラ状、及び共連続状の構造体を、再現性良く形状及び配列を均一に構築する有機薄膜の製造方法を提供し、これを記録媒体の記録層として応用することにより、ピックアップレンズの回折限界を越えた記録密度で良好な記録再生特性が得られる光記録媒体を提供することとした。
本発明においては、上述したような従来における問題点の解決を図るべく、鋭意検討した結果、下記の提案を行った。
請求項1に係る発明においては、ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、当該ブロック共重合体の薄膜を、当該ブロック共重合体に対して溶解性を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とを有する、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体のミクロ相分離構造からなる有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項2に係る発明においては、前記ブロック共重合体の薄膜に対して溶解性を有する溶剤が、当該ブロック共重合体の良溶媒と貧溶媒との混合溶液であるものとした有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項3に係る発明においては、前記ブロック共重合体のミクロ相分離構造が、球状、柱状、ラメラ状、共連続状、若しくは、それらの類似構造であるものとした有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項4に係る発明においては、ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を形成する工程と、当該ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を、当該ブロック共重合体及び機能性色素に対して溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とにより、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とするミクロ相分離構造からなる当該ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項5に係る発明においては、前記ブロック共重合体及び機能性色素に対して溶解能を有する溶剤が、前記ブロック共重合体と前記機能性色素との良溶媒と貧溶媒との混合溶液であるものとした請求項4に記載の有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項6に係る発明においては、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とするミクロ相分離構造からなり、当該ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜の製造方法であって、ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、当該ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程と、その後、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素を含有する溶液と接触させる工程とを有する有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項7に係る発明においては、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とするミクロ相分離構造からなり、当該ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜の製造方法であって、ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、当該ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程と、その後、前記ブロック共重合体の薄膜上に、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素膜を積層させる工程と、前記機能性色素を拡散させ、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させるものとした有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項8に係る発明においては、前記ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤が、前記ブロック共重合体の良溶媒と貧溶媒との混合溶液であるものとした請求項6又は7に記載の有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項9に係る発明においては、前記一方の相にのみ機能性色素が含有されているブロック共重合体のミクロ相分離構造が、球状、柱状、ラメラ状、共連続状、若しくはそれらの類似構造であるものとした請求項4乃至8のいずれか一項に記載の有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項10に係る発明においては、請求項4乃至9のいずれか一項に記載の有機薄膜の製造方法により得られた有機薄膜を記録層として具備する光記録媒体を提供する。
請求項1に係る発明においては、ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、当該ブロック共重合体の薄膜を、当該ブロック共重合体に対して溶解性を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とを有する、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体のミクロ相分離構造からなる有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項2に係る発明においては、前記ブロック共重合体の薄膜に対して溶解性を有する溶剤が、当該ブロック共重合体の良溶媒と貧溶媒との混合溶液であるものとした有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項3に係る発明においては、前記ブロック共重合体のミクロ相分離構造が、球状、柱状、ラメラ状、共連続状、若しくは、それらの類似構造であるものとした有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項4に係る発明においては、ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を形成する工程と、当該ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を、当該ブロック共重合体及び機能性色素に対して溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とにより、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とするミクロ相分離構造からなる当該ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項5に係る発明においては、前記ブロック共重合体及び機能性色素に対して溶解能を有する溶剤が、前記ブロック共重合体と前記機能性色素との良溶媒と貧溶媒との混合溶液であるものとした請求項4に記載の有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項6に係る発明においては、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とするミクロ相分離構造からなり、当該ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜の製造方法であって、ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、当該ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程と、その後、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素を含有する溶液と接触させる工程とを有する有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項7に係る発明においては、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とするミクロ相分離構造からなり、当該ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜の製造方法であって、ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、当該ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程と、その後、前記ブロック共重合体の薄膜上に、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素膜を積層させる工程と、前記機能性色素を拡散させ、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させるものとした有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項8に係る発明においては、前記ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤が、前記ブロック共重合体の良溶媒と貧溶媒との混合溶液であるものとした請求項6又は7に記載の有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項9に係る発明においては、前記一方の相にのみ機能性色素が含有されているブロック共重合体のミクロ相分離構造が、球状、柱状、ラメラ状、共連続状、若しくはそれらの類似構造であるものとした請求項4乃至8のいずれか一項に記載の有機薄膜の製造方法を提供する。
請求項10に係る発明においては、請求項4乃至9のいずれか一項に記載の有機薄膜の製造方法により得られた有機薄膜を記録層として具備する光記録媒体を提供する。
本発明によれば、電子材料、光学材料として応用が期待される、ナノメータサイズの球状、柱状、ラメラ状及び共連続状の構造体、及び均一なナノメータサイズの球状、柱状、ラメラ状及び共連続状の有機ポリマー中に構築され機能性色素分散構造を、再現性良く、形状及び配列を均一に構築する有機薄膜の製造方法が提供できた。
更に、本発明の製造方法により作製した有機薄膜を光記録媒体として応用することにより、従来の光ディスクでは実現不可能なピックアップレンズの回折限界を越えた記録密度で良好な記録再生特性が得られる光記録媒体が提供できた。
更に、本発明の製造方法により作製した有機薄膜を光記録媒体として応用することにより、従来の光ディスクでは実現不可能なピックアップレンズの回折限界を越えた記録密度で良好な記録再生特性が得られる光記録媒体が提供できた。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
本発明の有機薄膜の製造方法は、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体のミクロ相分離構造からなる有機薄膜を作製するものであり、ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、このブロック共重合体の薄膜を、このブロック共重合体に対して溶解性を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とを有するものである。
また、本発明においては、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させる方法の提案を行うものとし、ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を形成する工程と、ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を、ブロック共重合体及び機能性色素に対して溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とにより、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させるものとする。
また、ブロック共重合体の薄膜を形成し、このブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらした後、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素を含有する溶液と接触させることにより、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させることもできる。
また更に、ブロック共重合体の薄膜を形成し、このブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらした後、ブロック共重合体の薄膜上に、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素膜を積層させ、機能性色素を拡散させ、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させることもできる。
以下、上記方法について詳細に説明する。
本発明の有機薄膜の製造方法は、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体のミクロ相分離構造からなる有機薄膜を作製するものであり、ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、このブロック共重合体の薄膜を、このブロック共重合体に対して溶解性を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とを有するものである。
また、本発明においては、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させる方法の提案を行うものとし、ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を形成する工程と、ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を、ブロック共重合体及び機能性色素に対して溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とにより、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させるものとする。
また、ブロック共重合体の薄膜を形成し、このブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらした後、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素を含有する溶液と接触させることにより、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させることもできる。
また更に、ブロック共重合体の薄膜を形成し、このブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらした後、ブロック共重合体の薄膜上に、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素膜を積層させ、機能性色素を拡散させ、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させることもできる。
以下、上記方法について詳細に説明する。
本発明方法により作製する有機薄膜は、高分子マトリックス、及び高分子マトリックス内に機能性色素がナノメータサイズで高度に秩序化されて存在することに特徴を有しており、そのドライビングフォースとしてブロック共重合体のミクロ相分離現象を利用するもものである。
ミクロ相分離構造としては、図1に示すような球状構造、図2に示すような柱状構造、図3に示すような交互ラメラ状構造、その他共連続状構造、若しくはそれらの類似構造をいずれも適用できる。なお、ミクロ相分離を促進させるために、ブロック共重合体以外に他のポリマーを添加しても良い。
機能性色素としては、光又は熱により、その光学特性を変化させる機能を有するものが好適である。
ミクロ相分離構造としては、図1に示すような球状構造、図2に示すような柱状構造、図3に示すような交互ラメラ状構造、その他共連続状構造、若しくはそれらの類似構造をいずれも適用できる。なお、ミクロ相分離を促進させるために、ブロック共重合体以外に他のポリマーを添加しても良い。
機能性色素としては、光又は熱により、その光学特性を変化させる機能を有するものが好適である。
上記のように、高分子マトリックス、及び高分子マトリックス内に、ナノメータサイズの機能性色素を導入し、三次元的に高度に構造制御化させて複合化させることにより、電子的性質、導電的性質、光学的性質等の各種機能を発揮する有機薄膜が得られる。
互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体は、溶媒キャストもしくは温度変化によりミクロ相分離構造を形成することは従来知られている。
しかしながら、この従来公知の方法では、キャスト時の溶媒の蒸発速度や、その潜熱の影響、温度変化時の不均一性等、薄膜作製時の種々の不安定要因に起因する相分離ドメインの再現性、形状や配列の不均一性等の問題があり、かならずしも良好な状態の有機薄膜の相分離構造が得られなかった。
しかしながら、この従来公知の方法では、キャスト時の溶媒の蒸発速度や、その潜熱の影響、温度変化時の不均一性等、薄膜作製時の種々の不安定要因に起因する相分離ドメインの再現性、形状や配列の不均一性等の問題があり、かならずしも良好な状態の有機薄膜の相分離構造が得られなかった。
そこで本発明者は、従来問題となっていた上記各現象を改善することとし、高分子ミクロ相分離現象の相分離ドメインの形状及び配列が、高分子薄膜を形成した後、該高分子に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気にさらすことで再現性良く、均一化する現象を見出し、本発明方法を提案することとした。
すなわち、本発明に係る第一の製造方法は、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体のミクロ相分離構造からなる有機薄膜の製造方法において、ブロック共重合体の薄膜を形成した後、このブロック共重合体に対して溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気にさらして有機薄膜を製造するものである。
この方法によれば、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体から得られる相分離ドメインの形状及び配列が再現性良く均一な有機薄膜が作製できる。
更に、その相分離ドメインの形状及び配列の再現性、均一性を制御するためには、ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤をブロック共重合体の良溶媒と貧溶媒との混合溶液を用いることが好ましい。この理由は、良溶媒のみでは溶解性が高く構造がくずれる場合が生じ、また貧溶媒のみでは構造の再現性、均一性の制御ができないためである。良溶媒と貧溶媒の混合割合等は、ブロック共重合体の材質や溶剤の種類によって異なり、適宜最適な溶剤組成を選定して製造する。
この方法によれば、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体から得られる相分離ドメインの形状及び配列が再現性良く均一な有機薄膜が作製できる。
更に、その相分離ドメインの形状及び配列の再現性、均一性を制御するためには、ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤をブロック共重合体の良溶媒と貧溶媒との混合溶液を用いることが好ましい。この理由は、良溶媒のみでは溶解性が高く構造がくずれる場合が生じ、また貧溶媒のみでは構造の再現性、均一性の制御ができないためである。良溶媒と貧溶媒の混合割合等は、ブロック共重合体の材質や溶剤の種類によって異なり、適宜最適な溶剤組成を選定して製造する。
本発明に係る第二の製造方法は、ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を形成した後、ブロック共重合体及び機能性色素に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気にさらして、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜を製造するものである。
本発明に係る第三の製造方法は、ブロック共重合体の薄膜を形成した後、ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気にさらして得た有機薄膜を、そのミクロ構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素を含有する溶液に浸漬や塗布等により接触させて得るミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜を製造するものである。
本発明に係る第四の製造方法は、ブロック共重合体の薄膜を形成した後、ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気にさらして得た有機薄膜の上に、ミクロ構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素をスピンコートや真空蒸着法等により積層させた後、機能性色素を拡散させて、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜を製造するものである。
上述した本発明方法によれば、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている相分離ドメインの形状及び配列が再現性良く均一な有機薄膜が作製されたことが確かめられた。
上述した本発明方法により作製される有機薄膜は、従来公知の光記録媒体の記録層として応用できる。以下、光記録媒体について説明する、
従来の光記録媒体の記録層(記録材料が存在する層)は連続した層をなし、そこにレーザビームを照射し、記録材料にレーザビームの形状に対応した信号記録を行う。従って、最小記録ピットのサイズは、発振波長とレンズのN.A.で決定されるレーザビーム径に依存するため、従来の記録再生システムを適用する場合には、高密度化は基本的にレーザの発振波長やレンズのN.A.の実用化技術力に左右されてきた。また、ビーム形状がガウス分布した形状であることと、記録材料として熱又は光に対し、明瞭なしきい値で変化する材料はほとんど存在しないことから、形成されるピットの最外周の大きさや変化量は均一とはならず、その再生信号品質にばらつく要因が必ず存在し、信号特性の高品質化を図る技術に限界が生じていた。
従来の光記録媒体の記録層(記録材料が存在する層)は連続した層をなし、そこにレーザビームを照射し、記録材料にレーザビームの形状に対応した信号記録を行う。従って、最小記録ピットのサイズは、発振波長とレンズのN.A.で決定されるレーザビーム径に依存するため、従来の記録再生システムを適用する場合には、高密度化は基本的にレーザの発振波長やレンズのN.A.の実用化技術力に左右されてきた。また、ビーム形状がガウス分布した形状であることと、記録材料として熱又は光に対し、明瞭なしきい値で変化する材料はほとんど存在しないことから、形成されるピットの最外周の大きさや変化量は均一とはならず、その再生信号品質にばらつく要因が必ず存在し、信号特性の高品質化を図る技術に限界が生じていた。
上記特許文献1(特開2003−89269号公報)においては、上記の従来の光記録媒体の課題について検討を行った光記録媒体に関する提案がなされている。
すなわち、この光記録媒体の記録層においては、連続した層中に、高度に秩序化されて存在する記録層ドットが、マトリックスを介して非連続して存在する。かつその記録層ドットのサイズが、均一なナノメータサイズ(10〜500nm)で形成されている。従って、最小記録ピットのサイズは、レーザ発振波長やレンズのN.A.で決定されることなく、形成する記録層ドットのみで決定され、任意の記録密度の記録媒体が設計可能となる。
更に、ピットの最外周のエッジも、有機薄膜の構造体で決定されているため、この記録層ドット全体を変化させるように記録することで、ピットのバラツキの無い高品質の信号特性を得ることが可能となる。
しかしながら、上記特許文献1に記載されている光記録媒体においても、キャスト時の溶媒の蒸発速度やその潜熱の影響、温度変化時の不均一性等、薄膜作製時の種々の不安定要因に起因する相分離ドメインの再現性、形状や配列の不均一性等に問題があり、ジッタ特性、トラッキング特性等で、充分に良好な信号特性を得るには至っていなかった。
すなわち、この光記録媒体の記録層においては、連続した層中に、高度に秩序化されて存在する記録層ドットが、マトリックスを介して非連続して存在する。かつその記録層ドットのサイズが、均一なナノメータサイズ(10〜500nm)で形成されている。従って、最小記録ピットのサイズは、レーザ発振波長やレンズのN.A.で決定されることなく、形成する記録層ドットのみで決定され、任意の記録密度の記録媒体が設計可能となる。
更に、ピットの最外周のエッジも、有機薄膜の構造体で決定されているため、この記録層ドット全体を変化させるように記録することで、ピットのバラツキの無い高品質の信号特性を得ることが可能となる。
しかしながら、上記特許文献1に記載されている光記録媒体においても、キャスト時の溶媒の蒸発速度やその潜熱の影響、温度変化時の不均一性等、薄膜作製時の種々の不安定要因に起因する相分離ドメインの再現性、形状や配列の不均一性等に問題があり、ジッタ特性、トラッキング特性等で、充分に良好な信号特性を得るには至っていなかった。
一方、本発明の製造方法により得られるミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜は、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている相分離ドメインの形状及び配列が再現性良く均一に得られることから、この有機薄膜を利用した光記録媒体は、ジッタ特性、トラッキング特性等良好な信号特性を得られることが確かめられた。
次に、光記録媒体の構成、及びその必要物性について述べる。
光記録媒体の構成としては、追記型光ディスクの構造(基板上に記録層を設けたものを2枚貼り合わせたいわゆるエアーサンドイッチ構造)が適用でき、CD−R構造(基板上に記録層、反射層、保護層)としても良く、CD−R構造を貼り合わせたDVD構造としてもよい。
光記録媒体の構成としては、追記型光ディスクの構造(基板上に記録層を設けたものを2枚貼り合わせたいわゆるエアーサンドイッチ構造)が適用でき、CD−R構造(基板上に記録層、反射層、保護層)としても良く、CD−R構造を貼り合わせたDVD構造としてもよい。
光記録媒体を構成する基板は、基板側より記録再生用レーザ光を照射する場合には、これらに対して透明なものを適用し、記録層側からレーザ光を照射する場合には、透明な材料でなくてもよい。
具体的には、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等のプラスチック、又は、ガラス、セラミック、あるいは金属等も適用できる。なお、基板の表面には、トラッキング用の案内溝や、案内ピット、アドレス信号等のプリフォーマット等、所望の機能を付加するものを形成してもよい。
具体的には、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等のプラスチック、又は、ガラス、セラミック、あるいは金属等も適用できる。なお、基板の表面には、トラッキング用の案内溝や、案内ピット、アドレス信号等のプリフォーマット等、所望の機能を付加するものを形成してもよい。
光記録媒体を構成する記録層は、レーザ光の照射により、何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録し再生可能なものとする。
本発明の光記録媒体を構成する記録層は、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一方の相にのみ光記録性色素が含有されている構造からなるものとする。
光記録性色素の光学特性としては、記録再生用レーザ波長に対し、その吸収特性変化を利用して再生する場合には、レーザ波長近傍に最大吸収波長を持つように波長制御することが好ましく、記録再生用レーザ波長に対し、その屈折率変化を利用して再生する場合には、レーザ波長近傍に最大屈折率を持つように波長制御することが好ましい。
また、信号再生方法として挙げられる、レーザ照射により蛍光特性に変化を与え、その変化を再生する方法は、僅かな変化でも高コントラストに信号再生が可能な方法であり、記録ピットの大きさがはじめから定められている場合は、特に大幅な低エネルギーにより記録が可能であるという利点を有している。
従来公知の、ピット形状により記録を行うには、明瞭な形状に形成しなければならず、レーザ照射よる記録材の反応率が高くなければ良好な信号を記録することができなかった。
一方、ピットが既に形成されている本記録媒体では、僅かな反応率でも再生が可能で、特に蛍光再生は有効である。
本発明の光記録媒体を構成する記録層は、互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一方の相にのみ光記録性色素が含有されている構造からなるものとする。
光記録性色素の光学特性としては、記録再生用レーザ波長に対し、その吸収特性変化を利用して再生する場合には、レーザ波長近傍に最大吸収波長を持つように波長制御することが好ましく、記録再生用レーザ波長に対し、その屈折率変化を利用して再生する場合には、レーザ波長近傍に最大屈折率を持つように波長制御することが好ましい。
また、信号再生方法として挙げられる、レーザ照射により蛍光特性に変化を与え、その変化を再生する方法は、僅かな変化でも高コントラストに信号再生が可能な方法であり、記録ピットの大きさがはじめから定められている場合は、特に大幅な低エネルギーにより記録が可能であるという利点を有している。
従来公知の、ピット形状により記録を行うには、明瞭な形状に形成しなければならず、レーザ照射よる記録材の反応率が高くなければ良好な信号を記録することができなかった。
一方、ピットが既に形成されている本記録媒体では、僅かな反応率でも再生が可能で、特に蛍光再生は有効である。
記録層の有機薄膜の構成要素であるブロック共重合体は、互いに非相溶の二種以上のポリマーを組み合わせて合成されたものとする。
ブロック共重合体の合成方法としては、スチレン、イソプレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、2−ビニルピリジン、アミノスチレン、4−ビニルピリジン、メタクリレート類、ε−カプロラクトン、ブタジエン、ビニルメチルエーテル、1、3−シクロヘキサンジエン、エチレンオキシド等のモノマーを用い、鎖の末端から重合するリビング重合法(アニオン重合、リビングラジカル重合)や、鎖の中央から合成するリビング重合(アニオン重合)や、末端官能性ポリマーの末端を結合させる合成法(アニオン重合、リビングラジカル重合)が挙げられる。
ブロック共重合体の合成方法としては、スチレン、イソプレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、2−ビニルピリジン、アミノスチレン、4−ビニルピリジン、メタクリレート類、ε−カプロラクトン、ブタジエン、ビニルメチルエーテル、1、3−シクロヘキサンジエン、エチレンオキシド等のモノマーを用い、鎖の末端から重合するリビング重合法(アニオン重合、リビングラジカル重合)や、鎖の中央から合成するリビング重合(アニオン重合)や、末端官能性ポリマーの末端を結合させる合成法(アニオン重合、リビングラジカル重合)が挙げられる。
機能性色素としては、例えばレーザ光の照射エネルギーにより、ヒートモード(熱分解等)で、その光学定数を変化させるポリメチン色素、スクアリリウム系、ピリリウム系、ポルフィリン系、ポルフィラジン系、アゾ系、アゾメチン系染料等、及びその金属錯体化合物や、レーザ光の照射エネルギーによりフォトンモードでその光学定数を変化させるフルギド類、ジアリールエテン類、アゾベンゼン類、スピロピラン類、スチルベン類、ジヒドロピレン類、チオインジゴ類、ビピリジン類、アジリジン類、芳香族多環類、アリチリデンアニリン類、キサンテン類等のフォトクロミック材料が挙げられ、記録信号の書き換えが可能なフォトクロミック材料は特に好ましい。
上記各種色素は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、上記色素中に、安定剤(例えば遷移金属錯体)、紫外線吸収剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を添加してもよい。
なお、機能性色素のドット径は、5〜500nmが好ましく、更には10〜200nmが望ましい。
上記各種色素は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、上記色素中に、安定剤(例えば遷移金属錯体)、紫外線吸収剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を添加してもよい。
なお、機能性色素のドット径は、5〜500nmが好ましく、更には10〜200nmが望ましい。
光記録媒体は、所定の下引き層を有していてもよい。
下引き層は、(1)接着性の向上、(2)水又はガス等に対するバリアー、(3)記録層の保存安定性の向上、(4)反射率の向上、(5)溶剤からの基板の保護、(6)案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成等を目的として形成されるものである。
(1)の目的に対しては、高分子材料、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の高分子化合物、及びシランカップリング剤等が適用できる。(2)、(3)の目的に対しては、上記高分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO、MgF、SiO2、TiO、ZnO、TiN、SiN等が挙げられ、更には、金属又は半金属、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al等を用いることができる。(4)の目的に対しては、金属、例えばAl、Au、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染料等が適用できる。(5)、(6)の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。下引き層の膜厚としては0.01〜30μm好ましくは、0.05〜10μmが適当である。
下引き層は、(1)接着性の向上、(2)水又はガス等に対するバリアー、(3)記録層の保存安定性の向上、(4)反射率の向上、(5)溶剤からの基板の保護、(6)案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成等を目的として形成されるものである。
(1)の目的に対しては、高分子材料、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の高分子化合物、及びシランカップリング剤等が適用できる。(2)、(3)の目的に対しては、上記高分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO、MgF、SiO2、TiO、ZnO、TiN、SiN等が挙げられ、更には、金属又は半金属、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al等を用いることができる。(4)の目的に対しては、金属、例えばAl、Au、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染料等が適用できる。(5)、(6)の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。下引き層の膜厚としては0.01〜30μm好ましくは、0.05〜10μmが適当である。
光記録媒体は、所定の金属反射層を有していてもよい。
金属反射層は、所望の反射率に応じて所定の材料を用いて形成するものとし、単体で高反射率の得られ、腐食されにくい金属、半金属等が適用でき、例えば、Au、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snが挙げられるが、反射率、生産性の点から、Au、Ag、Alが最も好ましい。これらの金属、半金属は、単独で使用しても良く、二種以上の合金としても良い。
金属反射膜の形成方法としては、蒸着、スッパタリング等が適用でき、膜厚は5〜500nm、更に好ましくは10〜300nm程度とする。
金属反射層は、所望の反射率に応じて所定の材料を用いて形成するものとし、単体で高反射率の得られ、腐食されにくい金属、半金属等が適用でき、例えば、Au、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snが挙げられるが、反射率、生産性の点から、Au、Ag、Alが最も好ましい。これらの金属、半金属は、単独で使用しても良く、二種以上の合金としても良い。
金属反射膜の形成方法としては、蒸着、スッパタリング等が適用でき、膜厚は5〜500nm、更に好ましくは10〜300nm程度とする。
光記録媒体は、所定の保護層、基板面ハードコート層を有していてもよい。
保護層、及び基板面ハードコート層は、(1)記録層(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、(2)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(3)反射率の向上等を目的として形成される。これらの目的に対しては、前記下引き層に適用した材料をいずれも用いることができる。又、無機材料も適用でき、例えばSiO、SiO2等が挙げられる。有機材料としては、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂等が挙げられる。上記材料のうち、特に好適な材料は、生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
保護層、及び基板面ハードコート層は、(1)記録層(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、(2)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(3)反射率の向上等を目的として形成される。これらの目的に対しては、前記下引き層に適用した材料をいずれも用いることができる。又、無機材料も適用でき、例えばSiO、SiO2等が挙げられる。有機材料としては、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂等が挙げられる。上記材料のうち、特に好適な材料は、生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
前記下引き層、保護層、及び基板面ハードコート層には、記録層と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等の各種添加剤を含有させることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
数平均分子量が、〜151000のポリ(アミノスチレン)(P4AS)と、イソプレン(PI)とから、イソプレンの体積分率が23vol%のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。このブロック共重合体を、ピリジン/クロロホルム(1/9重量比)の混合溶媒に溶解し、この溶液でマイカ上にキャスト膜を形成した。キャスト膜の相分離構造は、AFM測定、SAXS測定、TEM観察により、球状構造であることを確認した。AFM測定画像を図4に示す。
上記のようにして成膜した有機薄膜を、35℃の温度環境下でトルエンを封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。そのAFM測定結果を、図5に示す。
このように、本発明方法に従い、トルエン蒸気雰囲気下で処理を行うことにより、相分離構造が均一化したものとすることができた。
〔実施例1〕
数平均分子量が、〜151000のポリ(アミノスチレン)(P4AS)と、イソプレン(PI)とから、イソプレンの体積分率が23vol%のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。このブロック共重合体を、ピリジン/クロロホルム(1/9重量比)の混合溶媒に溶解し、この溶液でマイカ上にキャスト膜を形成した。キャスト膜の相分離構造は、AFM測定、SAXS測定、TEM観察により、球状構造であることを確認した。AFM測定画像を図4に示す。
上記のようにして成膜した有機薄膜を、35℃の温度環境下でトルエンを封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。そのAFM測定結果を、図5に示す。
このように、本発明方法に従い、トルエン蒸気雰囲気下で処理を行うことにより、相分離構造が均一化したものとすることができた。
〔実施例2〕
上記実施例1と同様の工程により成膜した有機薄膜を、35℃の温度環境下でトルエン/メタノール(80/20重量比)を封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。AFM測定を行うと、図5と同様になり、本発明方法に従い、トルエン/メタノール蒸気雰囲気下で処理を行うことにより、相分離構造が均一化したものとすることができた。
上記実施例1と同様の工程により成膜した有機薄膜を、35℃の温度環境下でトルエン/メタノール(80/20重量比)を封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。AFM測定を行うと、図5と同様になり、本発明方法に従い、トルエン/メタノール蒸気雰囲気下で処理を行うことにより、相分離構造が均一化したものとすることができた。
〔実施例3〕
数平均分子量が、〜150000以下のポリ(アミノスチレン)(P4AS)とイソプレン(PI)とから、イソプレンの体積分率が31vol%のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。このブロック共重合体を、ピリジン/クロロホルム(1/9重量比)の混合溶媒に溶解し、この溶液でマイカ上にキャスト膜を形成した。キャスト膜の相分離構造は、AFM測定、SAXS測定、TEM観察により、柱状構造であることを確認した。
この有機薄膜を、35℃の温度環境下でクロロホルム/メタノール(70/30重量比)を封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。その結果、上記実施例1と同様に相分離構造が均一化したものとすることができた。
数平均分子量が、〜150000以下のポリ(アミノスチレン)(P4AS)とイソプレン(PI)とから、イソプレンの体積分率が31vol%のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。このブロック共重合体を、ピリジン/クロロホルム(1/9重量比)の混合溶媒に溶解し、この溶液でマイカ上にキャスト膜を形成した。キャスト膜の相分離構造は、AFM測定、SAXS測定、TEM観察により、柱状構造であることを確認した。
この有機薄膜を、35℃の温度環境下でクロロホルム/メタノール(70/30重量比)を封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。その結果、上記実施例1と同様に相分離構造が均一化したものとすることができた。
〔実施例4〕
数平均分子量が、〜144000のポリ(4−ビニルピリジン)(P4VP)とイソプレン(PI)とから、イソプレンの体積分率が21vol%なるブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。このブロック共重合体と、Tris(p-dimethylaminophenyl)methylium iodideを、共重合体/色素(0.2/9.8重量比)で、イソプロピルアルコール/ピリジン/クロロホルム(0.5/1/8.5重量比)の混合溶媒に溶解し、この溶液を用いて石英上にスピンコートし有機薄膜を形成した。
この有機薄膜を、110℃の温度環境下で5時間加熱処理した。
この有機薄膜のAFM測定、SAXS測定、TEM観察を行うことにより、色素がポリ(4−ビニルピリジン)の球状構造内に存在している状態が確認できた。そのAFM測定結果を、図6に示す。
この有機薄膜を、35℃の温度環境下でトルエン/メタノール(80/20重量比)を封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。そのAFM測定結果を、図7に示す。
このように、本発明方法に従った結果、相分離構造が良好な状態に均一化したものとすることができた。
数平均分子量が、〜144000のポリ(4−ビニルピリジン)(P4VP)とイソプレン(PI)とから、イソプレンの体積分率が21vol%なるブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。このブロック共重合体と、Tris(p-dimethylaminophenyl)methylium iodideを、共重合体/色素(0.2/9.8重量比)で、イソプロピルアルコール/ピリジン/クロロホルム(0.5/1/8.5重量比)の混合溶媒に溶解し、この溶液を用いて石英上にスピンコートし有機薄膜を形成した。
この有機薄膜を、110℃の温度環境下で5時間加熱処理した。
この有機薄膜のAFM測定、SAXS測定、TEM観察を行うことにより、色素がポリ(4−ビニルピリジン)の球状構造内に存在している状態が確認できた。そのAFM測定結果を、図6に示す。
この有機薄膜を、35℃の温度環境下でトルエン/メタノール(80/20重量比)を封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。そのAFM測定結果を、図7に示す。
このように、本発明方法に従った結果、相分離構造が良好な状態に均一化したものとすることができた。
〔実施例5〕
上記実施例1で成膜した有機薄膜を、Tris(p-dimethylaminophenyl)methylium SbF6の、0.5wt%メタノール/ピリジン(20/1重量比)溶液の中に浸漬させた。
この有機薄膜のAFM測定、SAXS測定、TEM観察を行うことにより、色素がポリ(アミノスチレン)の球状構造内に存在している状態が確認できた。また、その相分離構造は、上記各実施例の場合と同様に、均一化されていることが解った。
上記実施例1で成膜した有機薄膜を、Tris(p-dimethylaminophenyl)methylium SbF6の、0.5wt%メタノール/ピリジン(20/1重量比)溶液の中に浸漬させた。
この有機薄膜のAFM測定、SAXS測定、TEM観察を行うことにより、色素がポリ(アミノスチレン)の球状構造内に存在している状態が確認できた。また、その相分離構造は、上記各実施例の場合と同様に、均一化されていることが解った。
〔実施例6〕
数平均分子量が、〜135000のポリ(4−ビニルピリジン)(P4VP)とイソプレン(PI)とから、イソプレンの体積分率が51vol%のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。この共重合体をトルエン/クロロホルム(8/2重量比)の混合溶媒に溶解し、この溶液を用いてマイカ上にキャスト膜を形成した。
この有機薄膜を、35℃の温度環境下でトルエンを封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。
この膜上に、3,3,3’,3’-tetramethyl-1,1’-bis(3-sulfoethyl)-2,2’-indodicarbocyanine hydroxide triethylamine salt の1w%水溶液を滴下し、乾燥処理を施した。
その後、この膜を、120℃の温度環境下で5時間加熱処理した後、水洗処理をし、表面の色素層を取り除いた。
この有機薄膜に対しAFM測定、SAXS測定、TEM観察を行ったところ、色素がポリ(4−ビニルピリジン)のラメラ構造内に存在することが確認できた。また、その相分離構造は上記各実施例の場合と同様に、均一化されていることが解った。
数平均分子量が、〜135000のポリ(4−ビニルピリジン)(P4VP)とイソプレン(PI)とから、イソプレンの体積分率が51vol%のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。この共重合体をトルエン/クロロホルム(8/2重量比)の混合溶媒に溶解し、この溶液を用いてマイカ上にキャスト膜を形成した。
この有機薄膜を、35℃の温度環境下でトルエンを封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。
この膜上に、3,3,3’,3’-tetramethyl-1,1’-bis(3-sulfoethyl)-2,2’-indodicarbocyanine hydroxide triethylamine salt の1w%水溶液を滴下し、乾燥処理を施した。
その後、この膜を、120℃の温度環境下で5時間加熱処理した後、水洗処理をし、表面の色素層を取り除いた。
この有機薄膜に対しAFM測定、SAXS測定、TEM観察を行ったところ、色素がポリ(4−ビニルピリジン)のラメラ構造内に存在することが確認できた。また、その相分離構造は上記各実施例の場合と同様に、均一化されていることが解った。
上述した結果から、本発明方法によれば、ナノメータサイズの球状、柱状、ラメラ状、及び共連続状の相分離構造体、及び均一なナノメータサイズの球状、柱状、ラメラ状、及び共連続状の有機ポリマー中に構築される機能性色素分散構造は、ブロック共重合体又はブロック共重合体、及び機能性色素に溶解能を有する蒸気処理により、再現性良く、形状及び配列を均一化できることが明らかとなった。
〔実施例7〕
上記実施例4で用いた共重合体/色素の混合溶液を、厚さ1mm、5cm四方の石英基板上にスピンコートして有機薄膜を形成し、これに対し、110℃で5時間の加熱処理を施した。
この有機薄膜のAFM測定、SAXS測定、TEM観察を行ったところ、上記実施例4と同様に、色素がポリ(4−ビニルピリジン)の球状構造内に存在することが確認できた。
この有機薄膜を、上記実施例4同様に、35℃の温度環境下でトルエン/メタノール(80/20重量比)を封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。
上記有機薄膜を記録層とした光記録媒体を作製し、この光記録媒体に、発振波長635nm、ビーム径1.0μmの半導体レーザを、水平方向に1.5μm間隔で1.0cm2スキャンさせた。
このレーザ光の照射部と未照射部に対し、AFM測定、TEM観察、光学顕微鏡による観察を行った。
上記実施例4で用いた共重合体/色素の混合溶液を、厚さ1mm、5cm四方の石英基板上にスピンコートして有機薄膜を形成し、これに対し、110℃で5時間の加熱処理を施した。
この有機薄膜のAFM測定、SAXS測定、TEM観察を行ったところ、上記実施例4と同様に、色素がポリ(4−ビニルピリジン)の球状構造内に存在することが確認できた。
この有機薄膜を、上記実施例4同様に、35℃の温度環境下でトルエン/メタノール(80/20重量比)を封入した容器内に入れ、その蒸気雰囲気下で2.0時間処理した。
上記有機薄膜を記録層とした光記録媒体を作製し、この光記録媒体に、発振波長635nm、ビーム径1.0μmの半導体レーザを、水平方向に1.5μm間隔で1.0cm2スキャンさせた。
このレーザ光の照射部と未照射部に対し、AFM測定、TEM観察、光学顕微鏡による観察を行った。
〔比較例〕
上記実施例4において作製した共重合体のみを用いて薄膜を形成し、これを記録層とした光記録媒体を作製した。
この光記録媒体に、発振波長635nm、ビーム径1.0μmの半導体レーザを、水平方向に1.5μm間隔で1.0cm2スキャンさせた。
このレーザ光の照射部と未照射部に対し、AFM測定、TEM観察、光学顕微鏡による観察を行った。
上記実施例4において作製した共重合体のみを用いて薄膜を形成し、これを記録層とした光記録媒体を作製した。
この光記録媒体に、発振波長635nm、ビーム径1.0μmの半導体レーザを、水平方向に1.5μm間隔で1.0cm2スキャンさせた。
このレーザ光の照射部と未照射部に対し、AFM測定、TEM観察、光学顕微鏡による観察を行った。
上記実施例7と比較例において作製した各光記録媒体の、レーザ光照射部と未照射部における、AFM測定、TEM観察、及び光学顕微鏡による目視観察の評価結果を下記表1に示す。
上記表1に示す評価結果から、本発明方法による実施例7のキャスト膜は、レーザ光を照射することにより、記録信号を形成できたことが確認された。
一方、比較例においては、構造変化がみられなかったことから、ポリ(4−ビニルピリジン)の球状構造内に存在する色素に記録がなされたことが確認された。
また、本実験においては、色素ドット径(数十nm)に比較し、大きなビーム径(1.0μm)のレーザ光により記録を行ったため、多数の色素ドットを一度に記録したが、色素ドットと同程度のビーム径のレーザ光により記録を行うことにより、色素ドットを個別に記録することが可能となることは明らかである。
一方、比較例においては、構造変化がみられなかったことから、ポリ(4−ビニルピリジン)の球状構造内に存在する色素に記録がなされたことが確認された。
また、本実験においては、色素ドット径(数十nm)に比較し、大きなビーム径(1.0μm)のレーザ光により記録を行ったため、多数の色素ドットを一度に記録したが、色素ドットと同程度のビーム径のレーザ光により記録を行うことにより、色素ドットを個別に記録することが可能となることは明らかである。
Claims (10)
- 互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体のミクロ相分離構造からなる有機薄膜の製造方法であって、
ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、
当該ブロック共重合体の薄膜を、当該ブロック共重合体に対して溶解性を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とを有することを特徴とする有機薄膜の製造方法。 - 前記ブロック共重合体の薄膜に対して溶解性を有する溶剤が、当該ブロック共重合体の良溶媒と貧溶媒との混合溶液であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜の製造方法。
- 前記ブロック共重合体のミクロ相分離構造が、球状、柱状、ラメラ状、共連続状、若しくは、それらの類似構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機薄膜の製造方法。
- 互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とするミクロ相分離構造からなり、当該ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜の製造方法であって、
ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を形成する工程と、
当該ブロック共重合体と機能性色素とからなる薄膜を、当該ブロック共重合体及び機能性色素に対して溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程とにより、ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜の製造方法。 - 前記ブロック共重合体及び機能性色素に対して溶解能を有する溶剤が、前記ブロック共重合体と前記機能性色素との良溶媒と貧溶媒との混合溶液であることを特徴とする請求項4に記載の有機薄膜の製造方法。
- 互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とするミクロ相分離構造からなり、当該ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜の製造方法であって、
ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、
当該ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程と、
その後、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素を含有する溶液と接触させる工程とを有することを特徴とする有機薄膜の製造方法。 - 互いに非相溶の二種以上のブロック共重合体を主成分とするミクロ相分離構造からなり、当該ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素が含有されている有機薄膜の製造方法であって、
ブロック共重合体の薄膜を形成する工程と、
当該ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤の蒸気雰囲気中にさらす工程と、
その後、前記ブロック共重合体の薄膜上に、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ相溶性のある機能性色素膜を積層させる工程と、
前記機能性色素を拡散させ、前記ミクロ相分離構造の一方の相にのみ機能性色素を含有させることを特徴とする有機薄膜の製造方法。 - 前記ブロック共重合体に溶解能を有する溶剤が、前記ブロック共重合体の良溶媒と貧溶媒との混合溶液であることを特徴とする請求項6又は7に記載の有機薄膜の製造方法。
- 前記一方の相にのみ機能性色素が含有されているブロック共重合体のミクロ相分離構造が、球状、柱状、ラメラ状、共連続状、若しくはそれらの類似構造であることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか一項に記載の有機薄膜の製造方法。
- 請求項4乃至9のいずれか一項に記載の有機薄膜の製造方法により得られた有機薄膜を、記録層として具備していることを特徴とする光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005199009A JP2007015221A (ja) | 2005-07-07 | 2005-07-07 | 有機薄膜の製造方法 |
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---|---|---|---|
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2005
- 2005-07-07 JP JP2005199009A patent/JP2007015221A/ja active Pending
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