JP2007242188A - 構造体とそれを用いた光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノメータサイズの機能性材料分散構造をポリマー中に構築した新規な構造体を提供することであり、また、従来の光ディスクでは実現不可能な、ピックアップレンズの回折限界を超えた記録密度で記録再生可能な光記録媒体を提供すること。
【解決手段】互いに非相溶であるポリマー鎖が結合したブロック共重合体により形成されたミクロ相分離構造を有し、該ミクロ相分離構造の少なくとも二種類の分離相ごとに互いに異なる光吸収極大波長をもつ機能性材料を含むことを特徴とする構造体。
【選択図】図1

Description

本発明は、超高密度光記録媒体に関するものであり、電子材料、光学材料に応用される。
ミクロ相分離(または類似の技術)を光記録媒体に用いているものとしては特許文献1(特開2005−209330号公報)、特許文献2(特許第3229048号公報)が開示されており、ミクロ相分離を磁気記録媒体に用いているものとしては特許文献3(特開2001−151834号公報)が開示されており、ミクロ相分離中に金属微粒子を導入したものとしては特許文献4(特開平10−330528号公報)、特許文献5(特許第2980899号公報)、特許文献6(特許第3000000号公報)、特許文献7(特許第3197500号公報)、特許文献8(特許第3227109号公報)、特許文献9(特許第3244653号公報)が開示されている。
また、我々は、特許文献10(特開2003−089269号公報)、特許文献11(特開2003−094825号公報)、特許文献12(特開2004−306404号公報)、特許文献13(特開2004−347978号公報)、特許文献14(特開2005−112934号公報)がある。
ナノメータサイズの機能性材料を高分子内に導入して複合化することは、電子的性質、導電的性質、光学的性質、磁気的性質等の新たな機能を発揮する機能性複合材料を得るのに重要な技術である。
従来、機能性材料として金属微粒子(金属ナノクラスター)を用いた金属−有機複合材料の研究開発が進められている。また、無限の材料自由度と機能性が期待できるナノメータサイズの色素材料と高分子材料との複合材料の研究開発も進められてきた。
一方、光メモリ分野では、基板上に反射層を有する光記録媒体であるCD規格、DVD規格に対応した記録可能なCD−R、DVD−R、DVD+Rが商品化されている。今後このような光記録媒体において、更なる記録容量と小型化が望まれており、記録密度の更なる向上が求められている。
現行システムでの記録容量の向上のための要素技術は、記録ピットの微小化技術、MPEG2に代表される画像圧縮技術がある。記録ピットの微小化技術には、記録再生光の短波長化や回折限界の向上を図るために光学系の開口数NAの増大化が検討されているが、その回折限界を越える記録再生が不可能である。そこで回折限界を越える記録再生が可能な超解像技術や近接場光を利用した光メモリシステムが、有力な手段として注目されてきたが、技術的なハードルの高さから未だ実用化には至っていない。
本発明は従来の光源サイドからのアプローチとは全く異なり、上記の構造体を光記録媒体に応用し、記録体の面積自体が照射光の回折限界よりも小さなドット列化した記録媒体とすることで、従来では達成できなかった超高密度光記録媒体を可能にする。さらに、例えばドット間もドット部と異なる波長の光で記録可能とすることにより、さらに超高密度での光記録が可能となる。
特開2005−209330号公報 特許第3229048号公報 特開2001−151834号公報 特開平10−330528号公報 特許第2980899号公報 特許第3000000号公報 特許第3197500号公報 特許第3227109号公報 特許第3244653号公報 特開2003−089269号公報 特開2003−094825号公報 特開2004−306404号公報 特開2004−347978号公報 特開2005−112934号公報
本発明の目的は、ナノメータサイズの機能性材料分散構造をポリマー中に構築した新規な構造体を提供することであり、また、従来の光ディスクでは実現不可能な、ピックアップレンズの回折限界を超えた記録密度で記録再生可能な光記録媒体を提供することである。
本発明者等は、種々検討した結果、ブロック共重合体のミクロ相分離現象を利用し、その少なくとも二種類の分離相ごとに異なる光吸収極大波長を持つ機能性材料を導入することにより、本発明の目的とする構造体を得た。さらにその構造体を光記録媒体に利用することで、レーザピックアップの回折限界を超える記録密度で記録再生可能な光記録媒体を得るに至った。
すなわち、上記課題は、以下の本発明によって解決される。
(1)「互いに非相溶であるポリマー鎖が結合したブロック共重合体により形成されたミクロ相分離構造を有し、該ミクロ相分離構造の少なくとも二種類の分離相ごとに互いに異なる光吸収極大波長をもつ機能性材料を含むことを特徴とする構造体」、
(2)「前記ミクロ相分離構造が、球状、柱状もしくは該各形状に類似の構造を有することを特徴とする前記第(1)項に記載の構造体」、
(3)「前記機能性材料が、色素もしくは金属微粒子であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の構造体」、
(4)「前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の構造体を記録層として基板上に設けたことを特徴とする光記録媒体」、
(5)「前記構造体のミクロ相分離構造の少なくとも二種類の分離相ごとに異なる波長の光で記録することを特徴とする前記第(4)項に記載の光記録媒体」、
(6)「前記ミクロ相分離構造の球状、柱状もしくは該各形状に類似の構造の断面積が、記録波長より小さいことを特徴とする前記第(4)項又は第(5)項に記載の光記録媒体」、
(7)「前記基板上に溝を形成したことを特徴とする前記第(4)項乃至第(6)項のいずれかに記載の光記録媒体」
本発明によれば、主に光学材料として応用が期待されるナノメータサイズに複数の機能性材料を分散させた構造体を提供できた。さらにこの構造体を光記録媒体として応用することにより、従来の光ディスクでは実現不可能なピックアップレンズの回折限界を超えた記録密度での記録再生が可能な光記録媒体が提供できた。
本発明の構造体は、少なくとも一種類の互いに非相溶のブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の少なくとも二種類の分離相ごとに異なる光吸収極大波長を有する機能性材料を含有させることを特徴とする。
この構造体の特長は、機能性材料がナノメータサイズで高分子マトリックス内に高度に秩序化されて存在することである。そのドライビングフォースとしてブロック共重合体のミクロ相分離現象を利用する。
図1に本発明の構造体例を示す。ミクロ相分離の各相に異なる機能性材料が含有されている。ミクロ相分離構造としては、球状(a)、柱状(b)もしくはその類似構造が好ましい。ブロック共重合体として成分が2成分であるジブロック共重合体を用いた場合にはラメラ状、球状、柱状、共連続状の4種類の構造しか作らないが、成分が3種類以上のブロック共重合体を用いると、構造の種類はほぼ無限に広がる((c)〜(e)参照)。また、その構造を制御するために、他のポリマー(ブロック共重合体等を含む)および低分子を混合しても良い。
機能性材料としては、ある特定の波長の光によりその光学特性を変化させる機能を有する材料であることが好ましい。さらに、その高度に秩序化された機能性材料にあたるドット間についても別の波長の光により光学特性を変化させる機能を有する機能性材料とすることにより、ドット部のみではなくドット間も記録可能となるため、超高密度で記録可能な光記録媒体の実現が期待できる。
機能性材料の導入方法は、ミクロ相分離させるブロック共重合体に予め化学的に結合していても良く、湿式法または乾式法により、ミクロ相分離構造を形成させた後にある特定の相分離構造中に導入しても良い。後者の方法を利用する場合、ある特定の相分離構造中にのみ機能性材料を偏析させることが必要となる。
本発明におけるブロック共重合体は、互いに非相溶である各ポリマーを組み合わせて合成することができる。2種以上のポリマーの組み合わせであってもよい。本発明に用いるブロック共重合体の合成法としては、例えば、ポリシラン類、スチレン、イソプレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、2−ビニルピリジン、アミノスチレン、4−ビニルピリジン、アクリレート類、メタクリレート類、ε−カプロラクトン、ブタジエン、ビニルメチルエーテル、1,3−シクロヘキサンジエン、エチレンオキシドおよびその誘導体等を用いて得られ、当該互いに非相溶のポリマー鎖の末端から重合するリビング重合法(アニオン重合、リビングラジカル重合)、あるいは鎖の中央から合成するリビング重合(アニオン重合)、または末端官能性ポリマーの末端を結合させる合成法(アニオン重合、リビングラジカル重合等)などの重合方法によって合成することができる。
機能性材料としては、ある特定の波長に反応する材料であればよく、色素材料もしくは金属微粒子等が好適例として挙げられる。
色素としては、例えばレーザの照射エネルギーによりヒートモード(熱分解等)でその光学定数を変化させるポリメチン色素、スクアリリウム系、ピリリウム系、ポルフィリン系、ポルフィラジン系、アゾ系、アゾメチン系染料等、およびその金属錯体化合物や、レーザの照射エネルギーによりフォトンモードでその光学定数を変化させるフルギド類、ジアリールエテン類、アゾベンゼン類、スピロピラン類、スチルベン類、ジヒドロピレン類、チオインジゴ類、ビピリジン類、アジリジン類、芳香族多環類、アリチリデンアニリン類、キサンテン類等のフォトクロミック材料が挙げられ、記録の書き換えが可能なフォトクロミック材料は特に好ましい。上記の染料を単独で用いてもよいし、2種以上の組み合わせにしてもよい。さらに、上記染料中に、特性改良の目的で、安定剤(例えば遷移金属錯体)、紫外線吸収材、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などと一緒に用いることもできる。
金属微粒子としては、プラズモン吸収を示す、金、銀、プラチナ、銅、アルミニウム等の分散安定化剤で保護された金属微粒子を用いることができるが、保存安定性及び光学特性から、金、銀、プラチナ及びその合金の分散安定化剤で保護された金属微粒子が特に好ましい。上記の金属微粒子を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせても良い。また、金属微粒子の光学特性としては、記録再生用レーザ波長近傍にプラズモン吸収を発現するように波長制御することが好ましい。金属微粒子の大きさは、プラズモン吸収を発現し、かつ、導入するミクロ相分離構造に入り込む大きさであれば良く、好ましくは10〜500nm程度である。
次に、前記構造体を、記録材料(記録層)として応用した光記録媒体について説明する。
従来の光記録媒体は、連続した記録材料から構成された記録層(記録材料が存在する層)を備えており、この記録層にレーザビームを照射し、レーザビームの形状に相応した何らかの変化(光学的な変化を伴う物理的、化学的等の変化)を記録材料に対して形成して記録するものである。したがって、最小記録ピットのサイズは、光学系の発振波長とレンズのNAで決定されるレーザビーム径に依存するため、従来の記録再生システムでは、高密度化は基本的にレーザの発振波長やレンズのNAの実用化技術力に左右されてきた。
また、ビーム形状がガウス分布した形状であることと、記録材料として熱または光に対し、明瞭なしきい値で変化する材料はほとんど存在しないこととから、形成されるピットの最外周の大きさや変化量は均一とはならず、その再生信号品質にもバラツク要因が必ず存在し、高品質の信号特性を得るにも限界があった。
本発明の記録媒体は、上記の従来記録媒体の課題を克服した新しい構造の光記録媒体である。即ち、本発明の構造体を応用した光記録媒体は、連続した層中に、高度に秩序化されて存在する記録ドットがマトリックスを介して非連続して存在する。かつその記録ドットのサイズが均一なナノメータサイズ(10〜500nm)で形成されている。従って最小記録ピットのサイズは、レーザ発振波長やレンズのNAで決定されることなく、形成する記録層ドットのみで決定され、任意の記録密度の記録媒体が設計可能となる。さらにピットの最外周のエッジもこのミクロ相分離構造で決定されているため、この記録層ドット全体を変化させるように記録することで、ピットのバラツキの無い高品質の信号特性を得ることが可能となる。また、さらに記録ドット間のマトリックス部にも、記録ドットとは異なる波長の光に反応する機能性材料を含有させることにより、さらに超高密度化された光記録媒体を得ることが可能となる。
本発明の光記録媒体の構成及びその必要物性について以下に説明する。
<記録媒体構成>
本発明の光記録媒体は、基板上に前記構造体からなる記録層を設けるものであるが、その他必要により構成層として、下引き層、金属反射層、保護層、基板面ハードコート層などを設けることができ、目的や要求特性に応じて構成層の形態が選ばれる。本発明の光記録媒体について図面を参考にして説明する。
本発明の光記録媒体は、例えば図2(a)〜(d)や、図3(a)〜(e)の概略断面図に示す例のような構成を有するものである。
すなわち、図2(a)〜(d)の場合には、基板上に金属反射層を設けずに構成した例を示す。また、図3(a)〜(e)の場合には、金属反射層を設けて構成した例を示す。
本発明の光記録媒体の構成としては、追記型光ディスクの構造(基板上に記録層を設けたものを2枚貼り合わせたいわゆるエアーサンドイッチ構造)としてもよく、CD−R構造(基板上に記録層、反射層、保護層を設ける)としてもよく、CD−R構造を貼り合わせたDVD構造でもよい。なお、上記構成は実施の形態を説明するための例であって他の構成でもよい。
以下に光記録媒体の各構成層について説明する。記録層部分が本発明の構造体となっている。
<基板>
本発明の光記録媒体に用いる基板(1)としては、基板側より記録再生を行なう場合のみ使用レーザに対して透明でなければならず、記録層側(基板と反対側)から記録、再生を行なう場合には基板は透明である必要はない。
基板材料としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック、またはガラス、セラミック、あるいは金属などを用いることができる。なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や、案内ピット、更にアドレス信号などのプリフォーマットなどが形成されていてもよい。
トラッキング用の案内溝をミクロ相分離構造の配列用として用いることもでき、その場合のイメージ図は図4のようになる。溝が存在する場合には、ドット間に記録する際も、溝により記録の広がりが抑制されるので、記録ピットのバラつきも抑えられることとなり好ましい。
<記録層>
記録層(2)はレーザ光の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録し再生可能なものであって、その記録層は、前述のようにミクロ相分離構造を有し、その相分離構造ごとに異なる波長の光に反応する機能性材料を含有している構成からなる。その際、ある機能性材料の吸収スペクトルは、図5の様に、他方の機能性材料を記録する波長の光に対し透明であることが好ましい。機能性材料の光学特性としては、記録再生用レーザ波長に対し、その吸収特性変化を利用して再生する場合には、レーザ波長近傍に最大吸収波長を持つように波長制御することが好ましく、記録再生用レーザ波長に対し、その屈折率変化を利用して再生する場合には、レーザ波長近傍に最大屈折率を持つように波長制御することが好ましい。図5においては、記録波長Aでは機能性材料Bはほとんど吸収せず、逆に記録波長Bでは機能性材料Aはほとんど吸収しない。
<下引き層>
下引き層(3)は、(a)接着性の向上、(b)水またはガスなどのバリアー、(c)記録層の保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基板の保護、(f)案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成などを目的として使用される。
(a)の目的に対しては、高分子材料、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子化合物及び、シランカップリング剤などを用いることができる。(b)あるいは(c)の目的に対しては、上記高分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO、MgF、SiO、TiO、ZnO、TiN、SiNなどがあり、更に金属あるいは半金属、例えば、Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al、などを用いることができる。(d)の目的に対しては、金属、例えば、Al、Au、Ag等や、金属光沢を有する色素、例えば、メチン染料、キサンテン系染料などを用いることができる。(e)あるいは(f)の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
上記下引き層の膜厚としては0.01〜30μm、好ましくは、0.05〜10μmが適当である。
<金属反射層>
金属反射層(6)は、要求される反射率に応じて必要な場合用いられる。
反射層としては、単体で高反射率が得られる腐食されにくい金属あるいは半金属等が用いられ、このような材料例としては、Au、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snなどが挙げられる。これら材料の中で、反射率、生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましい。これらの金属、半金属は、単独で使用してもよく、2種の合金としてもよい。
反射層の膜形成法としては、限定するものではないが、蒸着、スッパタリングなどが挙げられる。反射層の膜厚としては、50〜5000Åが好ましく、更には100〜3000Åが好ましい。
<保護層、基板面ハードコート層>
保護層(4)及び基板面ハードコート層(5)は、(a)記録層(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、(b)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(c)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いることができる。
また、無機材料として、SiO、SiOなども用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。
上記材料のうち最も好ましい例としては、生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層または基板面ハードコート層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
本発明において、前記下引き層、保護層及び基板面ハードコート層には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
(実施例1)
4−ビニルピリジン(4VP)由来の部位と下記一般式(I)で示されアゾ化合物(M−Azo)由来の部位とからなり、数平均分子量〜120000、M−Azoの体積比が20%となるブロック共重合体をトルエンに溶解し、さらに石英基板上にキャストし構造体を形成した。さらにこの薄膜を120℃で12時間加熱処理したところ、その相分離構造は、AFM観察、TEM観察、SAXS測定により、径数十nmの球状構造であることが確認された。
Figure 2007242188
作成された構造体に対し、櫛形のブロックコポリマーを分散安定化剤とする金微粒子をエタノール中に分散させたコロイド溶液(日本ペイント(株)製、金微粒子濃度20重量%)の中に浸漬させた。その構造体をTEMにて観察したところ、4VP相に選択的に金微粒子が分散されていることが確認された。
(実施例2)
エチレングリコール(EG)由来の部位とM−Azo由来の部位とからなり、平均分子量〜150000、M−Azoの体積比が27%となるブロック共重合体をクロロホルムに溶解し、石英基板上にキャストし構造体を形成した。さらにこの薄膜を120℃で12時間加熱処理したところ、その相分離構造は、AFM観察、TEM観察、SAXS測定により、径数十nmの柱状構造であることが確認された。
作成された構造体に対し、実施例1と同様に金微粒子のコロイド溶液の中に浸漬させた。その構造体をTEMにて観察したところ、EG相に選択的に金微粒子が分散されていることが確認された。
(実施例3)
実施例2で用いたブロック共重合体から作成した構造体に対し、1,1’−dioctadecyl−3,3,3’,3’−tetramethylindodicarbocyanine perchlorate(DiD),(Molecular Probe社製:リポフィリック色素)のエタノール溶液に浸漬し、EG相にDiDを分散させた。
(実施例4)
スチレン(St)由来の部位と4VP由来の部位とからなり、平均分子量〜200000、4VPの体積比が15%となるブロック共重合体をトルエンに溶解し、さらに石英基板上にスピンコートし薄膜を形成した。さらにこの構造体を120℃で12時間加熱処理したところ、その相分離構造は、AFM観察、TEM観察、SAXS測定により、径数十nmの球状構造であることが確認された。
作成された構造体に対し、櫛形のブロックコポリマーを分散安定化剤とする銀微粒子をエタノール中に分散させたコロイド溶液(日本ペイント(株)製、銀微粒子濃度30重量%)の中に浸漬させた。その膜をTEMにて観察したところ、4VP相に選択的に銀微粒子が分散されていることが確認された。さらに、その構造体をDiDのアセトン溶液に浸漬し、疎水部であるSt相にDiDを分散させた。
(比較例1)
実施例4において、銀微粒子コロイド溶液およびDiD溶液に浸漬せずに構造体作成を行なった。
(比較例2)
実施例1において、金微粒子コロイド溶液に浸漬せずに構造体作成を行なった。
実施例1〜4および比較例1、2で作成した構造体について、表1に示すような波長の光を照射した。光源としてそれぞれ、365nmは高圧水銀ランプ、532nmはYAGレーザ、405nm、650nmは半導体レーザを用いた。この照射部および未照射部を顕微分光法による反射率および透過率の測定を行なった。結果を表1に示す。
Figure 2007242188
(実施例5)
実施例1において、基板をSiウェハ上に幅90nm、深さ30nmの溝を形成したものにした以外は全く同様に構造体を形成した。その膜をAFMにて観察したところ、溝中にミクロ相分離の島状構造がきれいに並んでいることが確認された。
実施例1〜4の構造体は二つの異なる波長により記録可能なことが明らかになった。逆に比較例1では機能性材料を含まないために記録ができず、比較例2では一つの波長でのみ記録可能であることがわかった。
本実験では、機能性材料ドット径(数十nm)に比較し、いずれの光源でも大きなビーム径(1μm以上)の光源で記録したため多数の機能性材料ドット、ドット間を一度に記録したが、機能性材料ドット、ドット間と同程度のビーム径で記録することで、機能性材料ドット、ドット間を個別に記録することが可能なことは明らかである。
記録信号が透過率変化・反射率変化として再生できることから、この現象を利用して再生する方式では、記録再生用レーザの発振波長近傍に、機能性材料の吸収波長を制御することが最も好ましい。
本発明の構造体例を示す図である。 本発明の光記録媒体の層構成例(金属反射層無し)を示す図である。 本発明の光記録媒体の層構成例(金属反射層有り)を示す図である。 ミクロ相分離構造を溝中に配列させた光記録媒体のイメージ図である。 異なる光吸収極大波長をもつ機能性材料の吸収スペクトルイメージ図である。
符号の説明
1 基板
2 記録層
3 下引き層
4 保護層
5 基板面ハードコート層
6 金属反射層

Claims (7)

  1. 互いに非相溶であるポリマー鎖が結合したブロック共重合体により形成されたミクロ相分離構造を有し、該ミクロ相分離構造の少なくとも二種類の分離相ごとに互いに異なる光吸収極大波長をもつ機能性材料を含むことを特徴とする構造体。
  2. 前記ミクロ相分離構造が、球状、柱状もしくは該各形状に類似の構造を有することを特徴とする請求項1に記載の構造体。
  3. 前記機能性材料が、色素もしくは金属微粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の構造体を記録層として基板上に設けたことを特徴とする光記録媒体。
  5. 前記構造体のミクロ相分離構造の少なくとも二種類の分離相ごとに異なる波長の光で記録することを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体。
  6. 前記ミクロ相分離構造の球状、柱状もしくは該各形状に類似の構造の断面積が、記録波長より小さいことを特徴とする請求項4又は5に記載の光記録媒体。
  7. 前記基板上に溝を形成したことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の光記録媒体。
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