JP4117872B2 - 有機薄膜とその製造方法、及びそれを利用した光記録媒体 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、電子的性質、導電的性質、光学的性質などの新たな機能を発揮する機能性複合材料としての有機薄膜とその製造方法、及び、該有機薄膜を記録層として用いた光記録媒体に関する。
【0002】
【従来技術】
サブミクロンサイズの規則的に並んだ機能性材料を作製することは、電子的性質、導電的性質、光学的性質、磁気的性質等の新たな機能を発揮する材料を得るのに重要な技術である。
従来から、機能性材料として金属超微粒子(金属ナノクラスター)を用いた金属−有機複合材料の研究開発は進められている。しかしながら無限の材料自由度と機能性が期待できるサブミクロンサイズの機能性有機材料と高分子材料からなる複合材料の研究開発は殆んど進められていないのが現状である。
【0003】
一方、光情報記録の分野では、基板上に反射層を有する、CD規格、DVD規格に対応した記録が可能な光記録媒体(CD−R、DVD−R)が商品化されている。今後、このような光記録媒体において、更なる記録容量向上、小型化及び記録密度の向上が求められている。
現行システムでの記録容量向上の要素技術は、記録ピットの微小化技術とMPEG2に代表される画像圧縮技術がある。記録ピットの微小化技術には、記録再生光の短波長化や光学系の開口数NAの増大が検討されているが、回折限界を超える記録再生は不可能である。
そこで最近、回折限界を超える記録再生が可能な超解像技術や近接場光を利用した光記録媒体・システムが研究・開発されているが、未だ実用化には至っていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、(1)サブミクロンサイズの規則的に並んだ光機能性部位を有する有機薄膜とその製造方法の提供、及び(2)従来の光記録媒体では実現不可能なピックアップレンズの回折限界を超えた記録密度で記録再生可能な光記録媒体の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等が検討した結果、ポリマーで形成される規則的な格子構造を利用し、その孔の部分に機能性色素を含有させることにより、目的とする電子的性質、導電的性質、光学的性質等について新たな機能を発揮する機能性複合材料としての有機薄膜を得た。また、有機薄膜中の機能性色素部位は照射光の回折限界よりも小さな面積で形成できるため、この有機薄膜を記録層に用いることにより、ピックアップレンズの回折限界を超える記録密度で記録再生可能な光記録媒体が得られることを見出し、本発明に至った。
【0006】
即ち、上記課題は、次の1)〜11)の発明(以下、本発明1〜11という)によって解決される。
1)基板上に形成され、規則的な二次元の格子状パターンを持つポリマーネットワークと、該ポリマーネットワークの孔内に入り込んでいる機能性色素とを有し、前記ポリマーネットワークの格子状パターンは、その材料となるポリマーが自己組織的に規則配列することにより形成されていることを特徴とする有機薄膜。
2) 前記ポリマーネットワークの材料となるポリマーが、ポリイオンコンプレックスであることを特徴とする1)記載の有機薄膜。
3) 前記ポリマーネットワークが疎水性有機溶媒に可溶であることを特徴とする1)又は2)記載の有機薄膜。
4) 前記機能性色素が親水性かつ水溶性であることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の有機薄膜。
5) 前記基板が親水性であることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の有機薄膜。
6) ポリマーの疎水性有機溶媒溶液を用いて、キャスト法により、基板上に格子状パターンを持つポリマーネットワークを形成し、更にその上から機能性色素溶液を用いて、キャスト法により膜形成することを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の有機薄膜の製造方法。
7) ポリマーの疎水性有機溶媒溶液を用いて、キャスト法により、基板上に格子状パターンを持つポリマーネットワークを形成した後、その基板ごと機能性色素溶液に浸漬して膜形成することを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の有機薄膜の製造方法。
8) 1)〜5)の何れかに記載の有機薄膜を記録層として用いることを特徴とする光記録媒体。
9) 前記機能性色素の最大吸収波長が、記録再生用のレーザーの波長近傍にあることを特徴とする8)記載の光記録媒体。
10) 前記機能性色素の最大屈折率が、記録再生用のレーザーの波長近傍にあることを特徴とする8)記載の光記録媒体。
11) 前記機能性色素がフォトクロミック色素であることを特徴とする8)〜10)の何れかに記載の光記録媒体。
【0007】
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の有機薄膜は、基板上に規則的な二次元の格子状パターン(構造)を持つポリマーを有し、その格子の孔の部分に機能性色素を含有する構成からなる。
この有機薄膜の特徴は、機能性色素がサブミクロンサイズで規則的に存在することである。その規則的なパターン(構造)は、ポリマーの配列を利用したものであるが、生産性を考慮すると、その配列は、自己組織的に形成されることが好ましい。その際、ポリマーは有機溶媒、特に疎水性有機溶媒に可溶でキャスト法により膜形成可能であることが好ましく、機能性色素はその膜を冒さないよう水溶液で扱えるものが好ましい。
また、色素は格子状パターンを形成した後に孔に導入するので、色素を溶かす溶媒としては、ポリマーの格子状パターンを侵さないものであることが好ましく、特に水溶液で取り扱えるものが好ましい。
更に、基板も、ポリマーと逆の親水性(親水処理済)である方が、自己組織化を助ける意味で好ましいし、色素を吸着させる意味でも色素と同じ親水性であることが好ましい。
このようにサブミクロンサイズの機能性色素を規則的に配列させることにより、電子的性質、導電的性質、光学的性質等の新たな機能を発揮する機能性複合材料としての有機薄膜を得ることができる。
【0008】
次に、本発明の有機薄膜の製造方法について述べる。
格子状の規則的な表面のパターニング技術として、特定の構造を持つポリマー溶液を用いてキャスト法により、基板上に、サブミクロンサイズのパターンを持ったフィルムが得られることが知られている。
本発明は、この現象を元に発明された。
即ち、上記の方法で、ポリマーの疎水性有機溶媒溶液を用いて、キャスト法により、基板上に格子状パターンを持つポリマーネットワークを形成し、更にその上から機能性色素溶液を用いて、キャスト法により、格子の孔の部分に機能性色素を埋め込むことにより、機能性色素がサブミクロンサイズで規則的に配列したフィルムを得ることができる。
同様に、基板上にポリマーネットワークを形成した後、その基板ごと機能性色素の溶液中に浸漬することによっても、格子の孔の部分に機能性色素を埋め込むことができる。
また、必要に応じて機能性色素のパターンを形成した後に、ポリマーのネットワークのみを有機溶媒により除去しても良い。
【0009】
次に、この有機薄膜を記録層として用いた光記録媒体について述べる。
従来の光記録媒体の記録層は連続した層をなし、そこにレーザービームを照射し、記録材料にレーザービームの形状に対応した何らかの変化を形成して記録する。従って、最小記録ピットのサイズは、発振波長とレンズのNAで決定されるレーザービームの径に依存するため、従来の記録再生システムにおける高密度化は、発振波長及びレンズのNAの実用化に関する技術力に左右されてきた。
また、ビーム形状がガウス分布した形状であること、記録材料として熱又は光に対し明瞭な閾値で変化する材料は殆んど存在しないこと等から、形成されるピットの最外周の大きさや変化量が均一にならず、その再生信号品質にもバラツキの要因が存在し、高品質の信号特性を得るにも限界があった。
【0010】
本発明の光記録媒体は、上記従来技術の問題点を克服した新しい構造の光記録媒体である。即ち、本発明の有機薄膜を利用した光記録媒体は、高度に秩序化された非連続な記録層ドット(機能性部位)を有し、かつ、該記録層ドットが均一なサブミクロンサイズで形成されている。
従って、最小記録ピットのサイズはレーザーの発振波長やレンズのNAで決定されることなく、形成する記録層ドットのみで決定され、任意の記録密度の記録媒体が設計可能となる。更にピットの最外周のエッジもこの有機薄膜の構造体で決定されているため、この記録層ドット全体を変化させるように記録することで、ピットのバラツキの無い高品質の信号特性を得ることが可能となる。
【0011】
<記録媒体の構成>
本発明の光記録媒体は、通常の追記型光ディスクの構造(2枚貼合わせたいわゆるエアーサンドイッチ、又は密着貼合わせ構造としてもよい)又はCD−R用媒体の構造としてもよい。また、CD−R構造を貼合わせた構造でも良い。
以下、記録媒体を構成する各層について順に説明する。
【0012】
<基板>
基板の必要特性としては、基板側より記録再生を行う場合のみ使用レーザー光に対して透明でなければならず、記録層側から記録、再生を行う場合には、透明でなくてもよい。
基板材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチック、(石英)ガラス、セラミック、シリコンウェハー、金属等を用いることができる。
なお、基板を1層しか用いない場合、又は基板2枚をサンドイッチ状で用いる場合の第1基板の表面には、トラッキング用の案内溝や案内ピット、更にアドレス信号等のプレフォーマットが形成されていても良い。
【0013】
<記録層>
本発明の光記録媒体の記録層は、レーザー光の照射により何らかの光学的変化を生じ、その変化により情報を記録・再生することができるものであって、基板上に作成された規則的な二次元の格子状パターンを持つポリマーと、その格子の孔の部分に機能性色素を含有する構造の有機薄膜からなる。
機能性色素の光学特性としては、記録再生用レーザー波長に対しその吸収特性変化を利用して再生する場合には、レーザー波長近傍に最大吸収波長を持つことが好ましく、記録再生用レーザー波長に対しその屈折率変化を利用して再生する場合には、レーザー波長近傍に最大屈折率を持つことが好ましい。
格子状パターンを形成可能なポリマーの例としては、ポリスチレンスルホン酸の長鎖ジアルキルアンモニウム塩に代表されるポリイオンコンプレックス、ポリスチレンとポリパラフェニレン等のブロック共重合体、アクリルアミドを主鎖骨格として側鎖に長鎖アルキル(疎水部)とカルボン酸や糖(親水部)を持った両親媒性ポリマー、等が挙げられる。
これらのポリマーは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いても良い。
【0014】
機能性色素としては、例えばレーザー光の照射エネルギーによりヒートモード(熱分解等)でその光学定数を変化させるポリメチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系各染料、及びそれらの金属キレート化合物等が挙げられる。
また、レーザー光の照射エネルギーによりフォトンモードでその光学定数を変化させるフルギド類、ジアリールエテン類、アゾベンゼン類、スピロピラン類、スチルベン類、ジヒドロピレン類、チオインジゴ類、ビピリジン類、アジリジン類、芳香族多環類、アリチリデンアニリン類、キサンテン類等のフォトクロミック材料も挙げることができ、これらのフォトクロミック材料は記録の書換が可能なため特に好ましい。
これらの色素は単独で用いても、2種以上組合せて用いてもよい。
更に、特性改良の目的で、上記色素中に安定剤(遷移金属錯体等)、紫外線吸収剤、分散剤、難燃剤、潤滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などの添加剤を配合しても良い。
機能性色素のドット径は、0.05〜5μmが適当である。
【0015】
<下引き層>
下引き層は(a)接着性の向上、(b)水、又はガス等のバリアー、(c)記録層の保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基板や記録層の保護、(f)案内溝・案内ピット・プレフォーマット等の形成等を目的として設けられる。
(a)の目的に対しては、高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の高分子物質、シランカップリング剤等を用いることができ、(b)及び(c)の目的に対しては、前記高分子材料の他に、SiO2、MgF2、SiO、TiO2、ZnO、TiN、SiN等の無機化合物;Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al等の金属又は半金属を用いることができる。
また(d)の目的に対しては、Al、Ag等の金属や、メチン染料、キサンテン系染料等からなる金属光沢を有する有機薄膜を用いることができ、(e)及び(f)の目的に対しては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
下引き層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0016】
<反射層>
反射層材料としては、単体で高反射率の得られる腐食され難い金属や半金属等が挙げられ、具体例として、Au、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Sn、Cu等が挙げられるが、反射率や生産性の点から、Au、Ag、Al、Cuが最も好ましい。これらの金属、半金属は単独で用いても2種以上の合金として用いても良い。
膜の形成法としては、蒸着、スッパタリング等が挙げられる。
膜厚は50〜5000Å、好ましくは100〜3000Åである。
【0017】
<保護層、基板表面ハードコート層>
保護層又は基板表面ハードコート層は、(a)傷、ホコリ、汚れ等からの記録層(反射吸収層)の保護、(b)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(c)反射率の向上、等を目的として設けられる。
これらの目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いることができる。
また、無機材料としてSiO、SiO2等も用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香属炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。
前記材料のうち保護層又は基板表面ハードコート層に最も好ましいのは、生産性に優れたポリメチルメタクリレート樹脂に代表されるような紫外線硬化樹脂である。
保護層又は基板表面ハードコート層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
本発明において、前記下引き層、保護層又は基板表面ハードコート層には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0019】
実施例1
ポリスチレンスルホン酸塩(重量平均分子量:50000)とビスヘキサデシル−ジメチルアンモニウム塩をクロロホルムに溶解(400mg/l)した後、この溶液を、キャスト法でマイカ基板上に供給し、室温・湿度65%の状態で静置することにより膜を形成した。
更に、その膜上に、スルホン酸基を有するスピロピラン化合物の水溶液を用いて、キャスト法により有機薄膜を形成した。
こうして得られた有機薄膜の構造を、光学顕微鏡、原子間力顕微鏡及び走査型電子顕微鏡等を用いて観察した。
その結果、約1.5μmの秩序だった格子状のポリマーネットワークと、ネットワークの孔内に色素がパッキングされた状態で入り込んでいる様子が観察された。
【0020】
実施例2
実施例1における、ポリマーのクロロホルム溶液の濃度を750mg/lに、湿度を50%に、基板を石英基板に変えた点以外は、実施例1と全く同様な操作を行った。
得られた有機薄膜の構造を実施例1と同様の手段で観察したところ、約0.4μmの秩序だった格子状のポリマーネットワークと、ネットワークの孔内に色素がパッキングされた状態で入り込んでいる様子が観察された。
【0021】
実施例3
ポリマーとして、下記〔化1〕に示す、側鎖に長鎖アルキル置換部分と長鎖アルキルカルボン酸置換部分を有する両親媒性ポリアクリルアミドのクロロホルム溶液(1g/l)を用い、この溶液を、キャスト法でマイカ基板上に供給した後、室温・湿度80%の状態で静置することにより膜を形成した。
更にその膜を、下記〔化2〕に示す、スルホン酸基を有するスピロピラン化合物の水溶液に浸漬した。
得られた有機薄膜の構造を実施例1と同様の手段で観察したところ、約2.5μmの秩序だった格子状のポリマーネットワークと、ネットワークの孔内に色素がパッキングされた状態で入り込んでいる様子が観察された。
【化1】
【化2】
【0022】
以上の結果から、本発明で得られた有機薄膜は、ナノメートルサイズで秩序だった機能性部位を持つことが分った。このような新規な構造を持つ有機薄膜を用いることにより、新たな電子的性質、導電的性質、光学的性質等の発現が期待される。
【0023】
実施例4
実施例2で作製した有機薄膜を記録層として光記録媒体を作製した。
この記録層に対して、発振波長405nm、ビーム径0.6μmの半導体レーザーを照射し、水平方向に5mmスキャンさせ、このときの照射部及び未照射部について、走査型電子顕微鏡・光学顕微鏡による観察、顕微分光法による反射率及び透過率の測定を行った。結果を下記表1に示す。
【0024】
比較例1
実施例2で用いたポリマーを用い、色素水溶液を用いずにポリマーネットワークのみで有機薄膜を形成し、この有機薄膜を記録層として光記録媒体を作製した。
この記録層に対し、実施例4と同様にして、レーザーでスキャンした後、観察・測定を行った。結果を下記表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
上記の測定結果から、実施例4の有機薄膜は、レーザー光により記録が可能であることが明らかとなった。また、比較例1の測定結果から、実施例4において機能性色素部位に記録がなされたことも明らかである。
【0027】
【発明の効果】
本発明1によれば、サブミクロンサイズの規則的に並んだ機能性部位を有し、電子的性質、導電的性質、光学的性質等の新たな機能を発揮する機能性複合材料としての有機薄膜の基本構成を提供できる。
本発明2〜5によれば、より好ましい物性の有機薄膜を提供できる。
本発明6〜7によれば、上記有機薄膜の製造方法を提供できる。
本発明8によれば、上記有機薄膜を用いた、従来の光記録媒体では実現不可能なピックアップレンズの回折限界を超えた記録密度で記録再生可能な光記録媒体を提供できる。
本発明9〜11によれば、より良好な特性を有する光記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の有機薄膜構造のイメージを示す図である。
【図2】本発明の光記録媒体の層構成の1例を示す図である。
(a) 基板と記録層のみを有する例
(b) 基板、記録層、反射層の順に積層した例
(c) 基板、反射層、記録層の順に積層した例
【符号の説明】
1 基板
2 記録層
3 反射層
Claims (11)
- 基板上に形成され、規則的な二次元の格子状パターンを持つポリマーネットワークと、該ポリマーネットワークの孔内に入り込んでいる機能性色素とを有し、前記ポリマーネットワークの格子状パターンは、その材料となるポリマーが自己組織的に規則配列することにより形成されていることを特徴とする有機薄膜。
- 前記ポリマーネットワークの材料となるポリマーが、ポリイオンコンプレックスであることを特徴とする請求項1記載の有機薄膜。
- 前記ポリマーネットワークが疎水性有機溶媒に可溶であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機薄膜。
- 前記機能性色素が親水性かつ水溶性であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の有機薄膜。
- 前記基板が親水性であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の有機薄膜。
- ポリマーの疎水性有機溶媒溶液を用いて、キャスト法により、基板上に格子状パターンを持つポリマーネットワークを形成し、更にその上から機能性色素溶液を用いて、キャスト法により膜形成することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の有機薄膜の製造方法。
- ポリマーの疎水性有機溶媒溶液を用いて、キャスト法により、基板上に格子状パターンを持つポリマーネットワークを形成した後、その基板ごと機能性色素溶液に浸漬して膜形成することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の有機薄膜の製造方法。
- 請求項1〜5の何れかに記載の有機薄膜を記録層として用いることを特徴とする光記録媒体。
- 前記機能性色素の最大吸収波長が、記録再生用のレーザーの波長近傍にあることを特徴とする請求項8記載の光記録媒体。
- 前記機能性色素の最大屈折率が、記録再生用のレーザーの波長近傍にあることを特徴とする請求項8記載の光記録媒体。
- 前記機能性色素がフォトクロミック色素であることを特徴とする請求項8〜10の何れかに記載の光記録媒体。
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