JP2007010415A - 軸受異常診断システム、軸受異常診断装置及び軸受異常診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 軸受異常診断システム20を構成する設備保全コンピュータ17は、加速度ピックアップ15によって測定された軸受13の振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、軸受13の型式データ及びPLC3より取得した回転速度情報に基づいて、データベース19より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と診断しきい値とを比較することで軸受13の異常診断を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、診断を行う場合に回転機の回転数が変動する場合でも、適切な診断しきい値を迅速に設定することができる軸受異常診断システム、軸受異常診断装置及び軸受異常診断方法を提供することにある。
前記軸受に発生する振動を測定する振動測定手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式と、前記回転機の回転速度とに応じて設定される診断しきい値が記憶されている診断しきい値記憶手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式データを入力する型式入力手段と、
前記回転機の回転速度情報を取得する速度情報取得手段と、
前記振動測定手段によって測定された振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、前記型式データ及び前記回転速度情報に基づいて前記診断しきい値記憶手段より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と前記診断しきい値とを比較することで前記軸受の異常診断を行う診断手段とを備えたことを特徴とする。
前記回転機又は前記軸受の型式と、前記回転機の回転速度とに応じて設定される診断しきい値が記憶されている診断しきい値記憶手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式データを入力する型式入力手段と、
前記回転機の回転速度情報を取得する速度情報取得手段と、
前記軸受に発生する振動を測定する前記振動測定手段によって測定された振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、前記型式データ及び前記回転速度情報に基づいて前記診断しきい値記憶手段より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と前記診断しきい値とを比較することで前記軸受の異常診断を行う診断手段とを備えたことを特徴とする。
電動機5の回転軸6の先端部と、例えばファンやポンプなどである負荷装置7の回転軸8の先端部とには、夫々円柱状の接合板9,10が固定装着されており、両者がボルトにより固定されることで双方の回転軸6及び8が連結されている。また、電動機フレーム11の両端には、回転軸6を支えるためのころがり軸受(以下、単に軸受と称す)13が装着されており、この軸受13は電動機フレーム12のハウジング14内に収容されている。
また、システム制御コンピュータ2,PLC3,設備保全コンピュータ17は、例えばLANなどの通信ネットワーク18を介して相互に接続されている。そして、システム制御コンピュータ2がPLC3を介してインバータ4に出力する回転周波数指令は、設備保全コンピュータ17にも送信されるようになっている。
尚、以上の構成において、加速度ピックアップ15、データベース19を含む設備保全コンピュータ17は、軸受異常診断システム20を構成している。
<診断しきい値の設定登録>
図2は、後に診断対象となる電動機5及び軸受13について、予め診断しきい値を設定し、データベース19に登録するための手順を示すフローチャートである。尚、このフローに従う測定は、電動機5及び軸受13を最初に設置した時点、若しくは、それらの保守点検を行なった後や軸受13を交換した後に行なうようにする。
次に、システム制御コンピュータ2−PLC3による電動機5の駆動回転数を変更する(ステップS4)。そして、所定の測定ポイント(例えば、7ポイント)を得るまで(ステップS5,「NO」)、ステップS1〜S4を繰り返し実行する。尚、図3は、測定ポイントA1〜A7の一例を示すもので、横軸は電動機5の回転数、縦は加速度G(の代表値)である。
診断時における測定結果が、診断しきい値の曲線C1以下の領域にあれば「良好」と判定され、曲線C2と曲線C1との間の領域にあれば「注意」と判定される。そして、診断時における測定結果が曲線C2を超える領域にあれば「危険」と判定されるようになっている。
ここで、曲線C1のデータに乗じて曲線C2を算出するための係数「n」は、電動機5や軸受13の使用経年数に応じて設定する。例えば、設置直後又は交換直後の場合は、測定される振動、即ち加速度の代表値は小さいので「3」などに設定する。そして、経年数が増えると加速度の代表値も大きくなるので、例えば、設置又は交換の時点から数年(設定されている交換周期の1/2程度)が経過していれば「2」などに設定する。
また、例えば軸受の型式に応じてロータ径Dが異なる場合は、図4に示すように夫々の、ロータ径D1〜D3に応じて異なるしきい値曲線が得られる。通常、ロータ径Dが大きくなるにつれて、診断しきい値も大きくなる傾向を示す。
次に、図5は、以上のようにして図2の手順に従い、診断対象として想定される電動機5及び軸受13について診断しきい値データを得た後、実際に診断測定を行う場合の手順を示すフローチャートである、この場合も、システム制御コンピュータ2−PLC3によって電動機5が駆動制御されている状態を前提とする。作業者は、先ず、設備保全コンピュータ17に、軸受13の型式を入力する(ステップS11)。すると、設備保全コンピュータ17は、その時点でPLC3がインバータ4に出力している回転数指令値を取得し(ステップS12)、データベース19より、上記型式及び回転数に対応する診断しきい値を読み出す(ステップS13)。尚、ステップS12で取得する回転数を実測しても良いことは、図2に示すステップS2と同様である。
続いて、設備保全コンピュータ17は、加速度ピックアップ15によって測定される軸受13の振動加速度を取得し(ステップS14)、その加速度の代表値を算出する(ステップS15)。尚、ここでは、データベース19に登録されている診断しきい値の種類に応じて、上記加速度に基づく速度或いは加速度の変位について代表値を算出しても良い。
尚、上記の診断に関するより詳細な説明については、特許文献1に開示されている。
従って、電動機5の回転速度が頻繁に変動する場合でも、その変動に応じた適切な診断しきい値が自動的に読み出されて設定されるので、作業者が、診断しきい値を一々選択して設定する必要がなくなり、診断作業の効率を大幅に向上させることができる。また、診断精度も向上させることができる。更に、電動機5はファン若しくはポンプを負荷装置7として回転駆動するので、負荷変動、即ち回転数の変動が比較的大きくなるものに本発明を有効に適用して異常診断を正確に行うことができる。
最初にデータベース19より読み出す診断しきい値については、作業者が回転数を設定入力しても良い。若しくは、デフォルト値を設定しておき、最初は常にそのデフォルト地に対応する診断しきい値を読み出すようにしても良い。そして、実際に電動機5が運転された場合の回転数が、上記設定値と異なっている場合は、実際の回転数に応じた診断しきい値を読み出して更新するようにしても良い。
軸受は、ころがり軸受13に限ることなく、どのようなタイプの軸受を診断対象としても良い。
軸受13の型式を指定することに替えて、電動機5の型式を指定しても良い。
設備保全コンピュータ17が有している機能を、パーソナルコンピュータや、特許文献1に開示されているような携帯可能なPDA(Personal Digital Assistants)等の情報端末に搭載することで、診断装置を構成しても良い。
例えば、電動機5が設置されている環境、例えば床の剛性等が異なると、測定される診断加速度も異なることが考えられる。従って、そのように剛性が異なる床との組み合わせについても予め診断しきい値を測定しておき、診断測定を行う場合に床の剛性を示すパラメータも指定して、対応する診断しきい値を読み出すようにしても良い。
負荷装置7は、ファンやポンプに限ることなく、その他例えばコンプレッサなどであっても良い。
振動測定手段は、加速度ピックアップ15に限らず、マイクロフォンにより振動を音声信号として測定するものであっても良い。
通信ネットワーク18は、無線LANであっても良い。
電動機5に限ることなく、発電機に適用しても良い。
Claims (5)
- 回転機の軸受部分に発生する振動を測定し、測定した振動データから算出した代表値と事前に登録してある診断しきい値とを比較することで、前記軸受の異常診断を行う回転機の軸受異常診断システムにおいて、
前記軸受に発生する振動を測定する振動測定手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式と、前記回転機の回転速度とに応じて設定される診断しきい値が記憶されている診断しきい値記憶手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式データを入力する型式入力手段と、
前記回転機の回転速度情報を取得する速度情報取得手段と、
前記振動測定手段によって測定された振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、前記型式データ及び前記回転速度情報に基づいて前記診断しきい値記憶手段より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と前記診断しきい値とを比較することで前記軸受の異常診断を行う診断手段とを備えたことを特徴とする軸受異常診断システム。 - 前記回転機は、ファン若しくはポンプを回転駆動するものであることを特徴とする請求項1記載の軸受異常診断システム。
- 診断対象となる回転機について、その回転速度を変化させた場合に前記軸受に発生する振動を前記振動測定手段により順次測定し、測定された振動データについて代表値を算出することで、前記回転機又は前記軸受の回転速度に応じた診断しきい値データを生成し、前記診断しきい値記憶手段に記憶させる診断しきい値生成手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の軸受異常診断システム。
- 回転機の軸受部分に発生する振動を測定し、測定した振動データから算出した代表値と事前に登録してある診断しきい値とを比較することで、前記軸受の異常診断を行う回転機の軸受異常診断装置において、
前記回転機又は前記軸受の型式と、前記回転機の回転速度とに応じて設定される診断しきい値が記憶されている診断しきい値記憶手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式データを入力する型式入力手段と、
前記回転機の回転速度情報を取得する速度情報取得手段と、
前記軸受に発生する振動を測定する前記振動測定手段によって測定された振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、前記型式データ及び前記回転速度情報に基づいて前記診断しきい値記憶手段より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と前記診断しきい値とを比較することで前記軸受の異常診断を行う診断手段とを備えたことを特徴とする軸受異常診断装置。 - 回転機の軸受部分に発生する振動を測定し、測定した振動データから算出した代表値と事前に登録してある診断しきい値とを比較することで、前記軸受の異常診断を行う回転機の軸受異常診断方法において、
前記回転機又は前記軸受の型式データが与えられると、
前記回転機の回転速度情報を取得し
前記軸受に発生する振動を測定して得られた振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、
前記型式データ及び前記回転速度情報に基づいて、それらのパラメータに対応する診断しきい値を記憶手段より読み出し
前記代表値と前記診断しきい値とを比較することで前記軸受の異常診断を行うことを特徴とする軸受異常診断方法。
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