JP6243940B2 - 風力発電システムの異常予兆診断システム - Google Patents

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本発明は、風力発電システムの異常予兆診断システムに関する。
風力発電装置に設けられた機器の異常を診断するシステムが各種提案されている。
特許文献1には、風力発電装置に設けられた機器の異常を診断する状態監視システムであって、状態監視システムは、機器に設けられるセンサを含むモニタ装置と、モニタ装置が機器の異常を診断するために使用する閾値を設定し、閾値に基づいて機器の異常を診断する監視側制御装置と、機器の状態を監視する監視用端末とを備えることが記載されている。
特許文献2には、回転体と摺動部材の少なくとも一つを備えた、機械設備の状態監視方法であって、機械設備から発生する信号を基に、該機械設備の所定の物理量を分析し、分析した結果と機械設備の異常の有無の診断基準となる情報とを第一の時間毎に比較照合して機械設備の異常の有無を仮診断し、比較照合を所定の回数行った時、若しくはが、第二の時間毎に、比較照合した結果に基づいて、異常と仮診断した回数が閾値以上である場合に異常と判定する総合評価を行い、機械設備の異常の有無及び異常部位を診断するが記載されている。
また、特許文献3には、風力発電装置の機器の状態を監視する監視システムであって、機器を内部に保持する筐体の内部に配置され、音情報を取得する検出部と、検出部により取得される音情報を収集し、インターネット上のサーバに転送するデータ収集部と、データ収集部より転送される音情報に基づいて基準値との比較および分析を行う比較分析部と、比較分析部による比較および分析の結果を表示し監視する監視端末とを備えることが記載されている。
また、特許文献4には、転がり軸受の状態監視装置において、軸受装置の振動をコンピュータにより解析する振動解析方法による解析結果を用いて、軸受装置に対する振動センサの設置位置を選定する方法について記載されている。
国際公開第2013/133002号 特開2005−17128号公報 特開2015−63916号公報 特開2015−31626号公報
風力発電装置は、運転開始から10年以上が経過した風力発電機の増加に伴い、風力発電機の主要部品である主軸ベアリングの故障によって長期停止となる事象が散見されている。
保守を担当する本発明に係る部門では、風力発電機の定期点検を実施し、主軸ベアリングの異音とベアリングのグリスの目視によって、サービス員が異常判定を行ってきた。しかし、異常判定には、サービス員の経験に大きく左右されてしまうこと、また、損傷程度が末期段階になるまで異常検知が難しいという課題があった。
また、特許文献1、2、4では、軸受ハウジング内にセンサを配置している。また、特許文献3では、ナセル内にセンサを配置している。いずれの配置方法においても、当部門の検証結果では、十分な異常検知ができないという課題があった。
特に、増速機を有していない同期型風力発電機の場合、計測対象が低速回転している主軸軸受のみになるのに加え、低速回転域では風による振動等の外乱の影響が顕著になる。そこで、主軸ベアリングの異常を早期に発見するために、損傷の初期段階(故障の予兆)を定量的、かつ、高精度な検知手段が求められていた。
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、損傷の初期段階を精度よく検知することができる風力発電システムの異常予兆診断システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の風力発電システムの異常予兆診断システムは、固定側主軸と、軸方向に所定の長さを有する主軸ベアリングと、主軸ベアリングにより固定側主軸に支持される回転側主軸とを備え、主軸ベアリングは、固定側主軸及び回転側主軸と嵌合された外輪部(例えば、外輪131)及び内輪部(例えば、内輪134)と、外輪部と内輪部との間に設置される回転体部(例えば、転動体132)を有する風力発電装置を有する風力発電システムの異常予兆診断システムであって、固定側主軸及び回転側主軸のうち、径方向内側の主軸の中空部に設置されるセンサ部(例えば、センサ50)と、センサ部の出力に基づき作られる教師データ(例えば、正常データ31)を保持した記憶部と、教師データの作成時点よりも後に取得されるセンサ部の出力に基づき評価データを作る制御部(例えば、異常度算出部23内の処理)と、教師データと評価データとを比較して主軸ベアリングの異常予兆を診断する診断部(例えば、異常度判定部24内の処理)と、を有し、センサ部は、径方向内側の主軸の内壁に検知面を接触させ、かつ外輪部の外壁の軸方向の長さの中心点で形成される仮想平面上に設置されることを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
本発明によれば、損傷の初期段階を精度よく検知することができる。
第1実施形態に係る風力発電システムの風力発電装置であり、(a)は風車外観図であり、(b)は、診断装置を含むナセル内部の拡大図である。 診断装置の構成を示す図である。 ナセル上下の風速差を示す図である。 主軸にセンサを配置した場合を示す図である。 周波数分析の例を示す図であり、(a)は正常データの場合、(b)は主軸ベアリングに損傷がある場合である。 AE測定データの実例を示す図であり、(a)は正常データの場合、(b)は主軸ベアリングに損傷がある場合である。 診断装置の予兆診断の処理を示すフローチャートである。 予兆診断結果の表示例を示す図である。 第2実施形態に係る風力発電装置であり、(a)は風車外観図であり、(b)は、ナセル内部の拡大図である。 主軸ベアリング内の仮想平面を示す図である。
<<第1実施形態>>
本発明を実施するための実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係る風力発電システムの風力発電装置10(風車)であり、(a)は風車外観図であり、(b)は診断装置100を含むナセル3内部の拡大図である。本実施形態では、ダイレクトドライブ型風力発電装置(直接駆動型風力発電装置)を例に説明する。風力発電装置10は、ハブ1に装着されたブレード2と、ナセル3(筐体)と、ナセル3を支持するタワー4(支柱)を含んで構成されている。ナセル3の内部には、タワー4の支持部19に支持された中空である固定側の主軸11(第1の主軸)、主軸11の外周には、発電機5が配置されている。
発電機5は、ステータ6と発電機ロータ7とを備えている。ステータ6は、ステータケーシング9に固定されている。発電機ロータ7は、界磁磁石と界磁磁石を支持するロータプレート8とを備えており、ロータプレート8は、回転側の主軸12(第2の主軸)に結合されている。
主軸12は、2つの主軸ベアリング13,14(主軸受)によって主軸11に支持され、ハブ1に接続されている。また、ロータプレート8の突出部16は、第3の軸受ベアリング15によってステータケーシング9に支持されている。
風力発電装置10の定期点検を実施するサービス員は、主軸ベアリング13,14の内輪の近傍にセンサ50を設置する。より具体的には、主軸11の中空部で、主軸ベアリング13,14の径方向内側に位置するところに、主軸ベアリング13,14の状態(動作状態信号)を計測・監視するセンサ50を設置する。センサ50は、主軸ベアリング13,14の軸方向中心を通る各仮想平面VP上(図10参照)に位置しているとよい。センサ50は、音響センサ、振動センサ、AEセンサのうち少なくともいずれかのセンサである。なお、AE(Acoustic Emission)とは、材料が変形あるいは破壊する際に、内部に蓄えていた弾性エネルギーを音波(弾性波、AE波)として放出する現象である。AE波は主に超音波領域(数10kHz〜数MHz)の高い周波数成分を有する。
図10は、主軸ベアリング内の仮想平面VPを示す図である。図10は、斜視の説明図である。適宜図4を参照する。センサ50は、主軸ベアリング13の外輪131の外壁の軸方向の複数の中心点C1(第1の中心点)を結ぶ外周部OPと、中心点C1の鉛直方向にある主軸ベアリング13の中心点C2(第2の中心点)を結ぶ仮想平面VP上に配設されているとよい。センサ50の中心点C3(図示せず)を、仮想平面VP上に配設するとさらによい。センサ50は、内輪134(図4参照)の内壁にセンサ50の検知面を接触して主軸ベアリングの外輪131(図4参照)外壁側を向くように設置されるとよい。なお、主軸ベアリング14についても同様である。
さらに、詳細に説明すると、主軸ベアリング13は軸方向に所定の長さを有する。この長さの中心が中心点C1であり、主軸は一般的に筒状であるので、筒内面の周回方向に沿って中心点C1は無限に存在する。中心点C1の集合から成る「輪」が形成できる。この「輪」を構成する全ての点からの距離の総和が最も小さくなる点が「中心点C2」となる。ここで、仮に「輪」が円であれば、中心点C2は、円の中心となる。この「輪」で閉じ、かつ中心点C2を含む領域が仮想平面VPとなる。本実施形態では、この仮想平面上に、センサ50の中心点があることが望ましい。
図1に戻り、診断装置100は、センサ50からのセンサデータを、増幅器51を介して取得し、取得したセンサデータ(評価データ)と予め記憶部30(図2参照)に記憶されている正常データ(教師データ)とを比較して、主軸ベアリング13,14が異常であるか否かを診断する。具体的には、診断装置100は、主軸ベアリング13,14の故障の予兆を検出する。なお、診断装置100は、図1(b)では、タワー4内に配置しているが、これに限定されるわけではなく、地上の管理棟に配置してもよい。
図2は、診断装置100の構成を示す図である。診断装置100は、図2に示すように、処理部20、記憶部30、入力部41、表示部42、通信部43を有している。処理部20は、センサ50から検出信号(センサデータ)を取得するセンサデータ取得部21と、主軸ベアリング13,14の正常な時期(正常に稼働している際)にセンサ50から検出信号を取得し正常データとして記憶部30に記憶する正常データ作成部22と、センサデータと正常データとの乖離率(異常度)を算出する異常度算出部23と、異常度算出部23で算出された異常度が、所定の閾値と比較して異常であるか否かを判定する異常度判定部24とを有する。記憶部30には、正常データ31、異常度32、判定結果33などが記憶されている。
風力発電システムの異常予兆診断システムとして構成する場合は、主軸ベアリングの近傍に設置されるセンサ部(例えば、センサ50)と、センサ部の出力に基づき作られる教師データ(例えば、正常データ31)を保持した記憶部(例えば、記憶部30)と、教師データの作成時点よりも後に取得されるセンサ部の出力に基づき評価データを作る制御部(例えば、異常度算出部23内の処理)と、教師データと評価データとを比較して主軸ベアリングの異常予兆を診断する診断部(例えば、異常度判定部24内の処理)と、を有していてもよい。
通常、異常予兆診断システムでは、診断前に、対象機器が正常に動作している状態のデータを収集し「正常データ」を保持する。次にこの時点より後、つまり診断開始後に、収集されるデータと正常データとを比較し、例えば、風車の回転速度の算出し異常速度であるか否かを算出し診断する。そのとき、診断の結果「異常ではない」とされたデータは、新たに「正常データ」に反映され、「正常データ」は更新されるようにすることも可能である。
図3は、ナセル3の上下の風速差を示す図である。図3に示すように、ナセル3の上下の風速は一定ではなく少なからずの風速差がある。この場合、上下の風速差によって生じるモーメントなどによって主軸ベアリング13,14に損傷の起点が発生する。診断装置100は、主軸ベアリング13,14の近傍、特に主軸11(第1の主軸)の内面に設置したセンサ50からセンサデータを取得することで、この損傷の初期段階を精度よく検出することが可能となる。
図4は、主軸11にセンサを配置した場合を示す図である。主軸ベアリング13は、外輪131、転動体132(例えば、コロ)、転動体132の位置を定める保持器133、内輪134を含んで構成されている。主軸11は、内輪134に嵌合され、主軸12は外輪131に嵌合されている。センサ50は、主軸11の内面に、センサ治具52を介して設置される。センサ50は、外輪131または内輪134の軌道面に欠陥が生じ、その欠陥に転動体132が接触した際に発生する音(衝撃波)を信号として検出する。なお、主軸ベアリング14も、主軸ベアリング13と同様の構成を有する。
図4においては、主軸11と、内輪134とが独立した部材とした場合について説明したが、主軸ベアリング13の内輪134が主軸の役割を果たす場合もある。その場合には、内輪134(内輪部)の内壁にセンサ50の検知面を接触して主軸ベアリング13の外輪外壁側を向くように配設置するとよい。
次に、診断装置100での診断方法について説明する。
図5は、周波数分析の例を示す図であり、(a)は正常データの場合、(b)は主軸ベアリングに損傷がある場合である。図5(a)の正常データの場合、センサ50からの検出信号を周波数分析すると、振幅に特異点を有する周波数成分はない。しかしながら、図5(b)の主軸ベアリング13,14に損傷がある場合、損傷箇所からの発生した検出信号を周波数分析すると、振幅に高調波成分を含んでいることがわかる。
一般的には、主軸ベアリング(転がり軸受)の損傷周波数は次式で示される。
外輪損傷 :fout=Z/2・fr・(1−d/D・cosα) ・・・(1)
内輪損傷 :fin =Z/2・fr・(1+d/D・cosα) ・・・(2)
転動体損傷:fb =D/d・fr・(1−(d/D・cosα)2) ・・・(3)
ここで、fr:回転周波数(Hz)
D :ピッチ円直径(mm)
d :転動体直径(mm)
Z :転動体個数(個)
α :接触角(deg)
図6は、AE測定データの実例を示す図であり、(a)は正常データの場合、(b)は主軸ベアリングに損傷がある場合である。AEセンサの検出素子は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が主として使用される。PZTなどの圧電材料は、力を加えられると電荷を発生するという特性を有している。金属などの表面を伝搬してきたAE波がAEセンサ内部のPZTに伝わり、PZTが歪むことによって電気信号に変換される。
図6(a)の正常データの場合、センサ50からの検出信号を周波数分析すると、強度に特異点を有する周波数成分はない。しかしながら、図6(b)の主軸ベアリング13,14に損傷がある場合、損傷箇所からの発生した検出信号を周波数分析すると、強度に8Hz、16Hzあたりに強度の高い成分を含んでいることがわかる。
図7は、診断装置100の予兆診断の処理を示すフローチャートである。適宜図2を参照して説明する。センサデータ取得部21は、センサ50からの検出信号を受信すると(処理S71)、異常度算出部23は、検出信号の所定期間の検出信号を周波数分析し(図6(b)参照)、記憶部30に記憶されている正常データ31と比較する(処理S72)。具体的には、図6(a)の右側に示した周波数分析結果と、図6(b)の右側の周波数分析結果とを比較し、異常度を算出する。異常度算出部23は、検出信号の周波数分析結果が規定範囲内であるか否かの異常度判定をし(処理S73)、規定範囲内であれば(処理S73,規定範囲内)、主軸ベアリング13,14は正常で有る旨を、判定時刻とともに記憶部30に判定結果33として記憶するとともに、表示部42に表示し(処理S75)、処理S71に戻る。一方、異常度算出部23は、規定範囲外であれば(処理S73,規定範囲外)、主軸ベアリング13,14が異常である旨を、判定時刻とともに記憶部30に判定結果33として記憶するとともに、表示部42に表示し(処理S74)、処理を終了する。
診断装置100は、正常データ(教師データ)をフーリエ変換した周波数特性と評価データをフーリエ変換した周波数特性とを比較して、主軸受が異常であるか否かを診断してもよい。また、診断装置100は、正常データ(教師データ)をフーリエ変換した周波数特性と評価データをフーリエ変換した周波数特性との乖離率が所定値を超えた場合に、主軸受が異常であると診断してもよい。
診断装置100は、正常データ(教師データ)をフーリエ変換した周波数特性と評価データをフーリエ変換した周波数特性とに基づく異常度を、表示部に表示してもよい。また、診断装置100は、正常データをフーリエ変換した周波数特性と評価データをフーリエ変換した周波数特性とに基づく異常度を、時間軸に対する変動値として表示部に表示してもよい。
図8は、予兆診断結果の表示例を示す図である。図8は、診断装置100の表示部42に表示される予兆診断結果の例であり、横軸に運転時間とし、縦軸に異常度を示している。運転時間は、風力発電装置10の制御装置(図示せず)から、通信回線を通じて入手したものである。運転時間には、時系列の累計運転時間データであるので、その時系列に、前記判定時刻を合せていくと、正常データと検出信号(センサデータ)の比較から算出した異常度を、時間軸に対する変動値としてグラフ表示することができる。診断装置100は、異常度が異常判定の所定の閾値を超えた時点で予兆検出81として表示し、その後、異常が継続するようであれば、故障82が発生する推定の運転時間などを示してもよい。
<<第2実施形態>>
第1実施形態では、センサ50を固定側の主軸11の内面に配置したが、これに限定されるわけではない。第2実施形態では、センサ50を回転側の主軸11aの内面に配置した場合について説明する。
図9は、第2実施形態に係る風力発電装置10(風車)であり、(a)は風車外観図であり、(b)はナセル3内部の拡大図である。第2実施形態においても、ダイレクトドライブ型風力発電装置(直接駆動型風力発電装置)を例に説明する。図1に示した第1実施形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
風力発電装置10のナセル3の内部には、タワー4の支持部19aに支持された中空である固定側の主軸12a(第2の主軸)を有している。ハブ1と接続されている回転側の主軸11a(第1の主軸)は、2つの主軸ベアリング13,14(主軸受)によって主軸12aに支持されている。主軸11aの一端部には、発電機5が配置されている。
発電機5は、ステータ6と発電機ロータ7とを備えている。ステータ6は、ステータケーシング9に固定されている。発電機ロータ7は、界磁磁石と界磁磁石を支持するロータプレート8とを備えており、ロータプレート8は、回転側の主軸11a(第1の主軸)に結合されている。また、ロータプレート8の突出部16aは、第3の軸受ベアリング15aによってステータケーシング9に支持されている。
風力発電装置10の定期点検を実施するサービス員は、主軸12aの中央の開口部121、主軸11aの開口部111より、主軸ベアリング13,14の内輪の近傍にセンサ50を設置する。より具体的には、主軸11aの中空部で、主軸ベアリング13,14の径方向内側に位置するところに、主軸ベアリング13,14の状態を計測・監視するセンサ50設置する。センサ50は、主軸ベアリング13,14の軸方向中心を通る各仮想面上に位置しているとよい。また、センサ50からの出力信号を増幅する増幅器51および診断装置100にセンサデータを送信する通信装置55を設置する。センサ50、増幅器51、通信装置55の設置には、着脱可能な強力な磁石などを介して設置するとよい。
診断装置100は、通信装置55から送信されたセンサ50からのセンサデータを、通信装置(図示せず)を介して取得し、取得したセンサデータと予め記憶部30(図2参照)に記憶されている正常データとを比較して、主軸ベアリング13,14が異常であるか否かを診断する。具体的には、診断装置100は、主軸ベアリング13,14の故障の予兆を検出する。なお、診断装置100は、タワー4内または地上の管理棟に、配置するとよい。
第2実施形態の主軸12aは、主軸ベアリングを保持する軸受ハウジングで兼用してもよい。また、主軸12aは、主軸ベアリング13,14を一体として保持する必要はなく、支持部19aに支持された主軸ベアリング13用の軸受ハウジングと、支持部19aに支持された主軸ベアリング14用の軸受ハウジングとを有していてもよい。
本実施形態の風力発電装置10の診断方法によれば、主軸ベアリング13,14の状態を定量的に計測、監視するセンサ50をベアリング近傍に設置し、これまで発見できなかった損傷の初期段階を精度よく検知することができる。センサ50からのセンサ情報によって、風力発電装置10が長期停止となる前に、主軸ベアリング13の交換の必要性などの診断ができる。
1 ハブ
2 ブレード
3 ナセル
4 タワー
5 発電機
6 ステータ
7 発電機ロータ
8 ロータプレート
9 ステータケーシング
10 風力発電装置
11,11a 主軸(第1の主軸)
12,12a 主軸(第2の主軸)
13 主軸ベアリング(主軸受、第1の主軸ベアリング)
14 主軸ベアリング(主軸受、第2の主軸ベアリング)
15,15a 第3の主軸ベアリング
16 突出部
19 ステータケーシング
20 処理部
21 センサデータ取得部
22 正常データ作成部
23 異常度算出部(制御部)
24 異常度判定部(診断部)
30 記憶部
31 正常データ(教師データ)
32 異常度
33 判定結果
41 入力部
42 表示部
43 通信部
50 センサ(センサ部)
51 増幅器
100 診断装置

Claims (11)

  1. 固定側主軸と、軸方向に所定の長さを有する主軸ベアリングと、前記主軸ベアリングにより前記固定側主軸に支持される回転側主軸とを備え、前記主軸ベアリングは、前記固定側主軸及び前記回転側主軸と嵌合された外輪部及び内輪部と、前記外輪部と前記内輪部との間に設置される回転体部を有する風力発電装置を有する風力発電システムの異常予兆診断システムであって、
    前記固定側主軸及び前記回転側主軸のうち、径方向内側の主軸の中空部に設置されるセンサ部と、
    前記センサ部の出力に基づき作られる教師データを保持した記憶部と、
    前記教師データの作成時点よりも後に取得される前記センサ部の出力に基づき評価データを作る制御部と、
    前記教師データと前記評価データとを比較して前記主軸ベアリングの異常予兆を診断する診断部と、を有し、
    前記センサ部は、前記径方向内側の主軸の内壁に検知面を接触させ、かつ前記外輪部の外壁の軸方向の長さの中心点で形成される仮想平面上に設置される
    ことを特徴とする風力発電システムの異常予兆診断システム。
  2. 前記固定側主軸が前記径方向内側の主軸である場合に、
    前記センサ部は、前記固定側主軸の内壁に設置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の風力発電システムの異常予兆診断システム。
  3. 前記センサ部は、
    前記主軸ベアリングの外輪外壁の軸方向の複数の第1の中心点を結ぶ外周部と、該第1の中心点の鉛直方向にある前記主軸ベアリングの第2の中心点を結ぶ仮想平面上に前記センサ部の中心点を配して前記径方向内側の主軸の内壁に前記センサ部の検知面を接触して前記主軸ベアリングの外輪外壁側を向くように設置される
    ことを特徴とする請求項記載の風力発電システムの異常予兆診断システム。
  4. 前記センサ部は、前記主軸ベアリングの動作状態信号を検知する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の風力発電システムの異常予兆診断システム。
  5. 前記主軸ベアリングは、軸方向に複数の主軸ベアリングで構成されており、
    前記センサ部は、前記仮想平面上に、それぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の風力発電システムの異常予兆診断システム。
  6. 前記センサ部は、音響センサ、振動センサ、AEセンサのうち少なくともいずれかのセンサである
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の風力発電システムの異常予兆診断システム。
  7. 前記診断部は、前記風力発電システムが正常に稼働している際に、前記センサ部から取得した前記動作状態信号を、前記教師データとして記憶部に記憶する
    ことを特徴とする請求項4に記載の風力発電システムの異常予兆診断システム。
  8. 前記診断部は、前記教師データと前記評価データとに基づき異常度を算出し、該異常度が所定値を超えた場合、前記主軸ベアリングが異常であると診断する
    ことを特徴とする請求項7に記載の風力発電システムの異常予兆診断システム。
  9. 前記診断部は、前記教師データをフーリエ変換した周波数特性と前記評価データをフーリエ変換した周波数特性とを比較して、前記主軸ベアリングが異常であるか否かを診断する
    ことを特徴とする請求項7に記載の風力発電システムの異常予兆診断システム。
  10. 前記診断部は、前記教師データをフーリエ変換した周波数特性と前記評価データをフーリエ変換した周波数特性とに基づく異常度を、表示部に表示する
    ことを特徴とする請求項7に記載の風力発電システムの異常予兆診断システム。
  11. 前記診断部は、前記教師データをフーリエ変換した周波数特性と前記評価データをフーリエ変換した周波数特性とに基づく異常度を、時間軸に対する変動値として表示部に表示する
    ことを特徴とする請求項7に記載の風力発電システムの異常予兆診断システム。
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