JP2007009844A - 排気ガスセンサの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 個別の排気ガスセンサの特性に応じて、活性判定を迅速に行う。
【解決手段】 内燃機関の排気通路に搭載される排気ガスセンサの制御装置において、センサ素子の活性判定を、センサ素子の素子インピーダンスが活性判定インピーダンスにまで低下したか否か、および、センサ素子の受容熱量が活性判定値に達したか否かの2通りの判定により判定する。このとき、受容熱量の活性判定値が未設定であると判断された場合には、センサ素子の活性が要求された後、センサ素子のインピーダンスが活性判定インピーダンスにまで低下するまでに要する活性受容熱量に基づいて、活性判定値を設定する。
【選択図】 図10

Description

この発明は、内燃機関の排気通路に搭載される排気ガスセンサの制御装置に関する。更に具体的には、活性温度に達することで活性状態となるセンサ素子を備える排気ガスセンサを制御する装置として好適な排気ガスセンサの制御装置に関する。
従来、例えば国際公開第2005/022141号パンフレットに開示されるように、内燃機関の排気通路に空燃比センサを配置し、そのセンサの検出値に基づいて燃料噴射量をフィードバック制御するシステムが知られている。空燃比センサは、活性温度に加熱させることにより活性状態となるセンサ素子と、そのセンサ素子を加熱するヒータとを備えている。従って、上記従来の装置において、空燃比センサの出力を利用したフィードバック制御を開始するにあたっては、センサ素子温が活性温度に達したことを判定する活性判定を行う必要がある。また、センサ素子の温度とセンサ素子の素子インピーダンスとの間には相関が認められる。従って、活性判定は、例えば、内燃機関の始動後素子インピーダンスを監視し、その値が所定の活性判定値まで低下したか否かを見ることで行うことができる。
しかし、上記センサ素子は、その温度が上がるに連れて素子インピーダンスを低下させ、一方、その劣化が進むに連れて素子インピーダンスを上昇させる特性を有している。このため、センサ素子の劣化が進むとセンサ素子の温度が活性温度に達した時点でも、素子インピーダンスが活性判定値まで低下しない事態が生ずる。この場合、活性判定インピーダンスによる活性判定が継続されれば、結果的にセンサ素子温が活性温度を越える温度に加熱されることになる。
そこで、上記従来技術のシステムは、このような事態の発生を防ぐべく、センサが活性温度に達するまでに要する受容熱量を第2の活性判定値として記憶している。センサ素子の活性判定においては、上記のセンサ素子の素子インピーダンスが活性判定値にまで低下しているか否かを判定すると共に、受容熱量が第2の活性判定値以上であるか否かを判定する。このような処理によれば、センサ素子の劣化を速やかに判断し、迅速に活性判定を完了することができる。
国際公開第2005/022141号パンフレット 特開2002−48761号公報 特開2000−171435号公報 特開2004−245662号公報 特開2004−61184号公報 特開2003−3643号公報
上記従来技術によれば、上記のセンサ素子の素子インピーダンスが活性判定値にまで低下しているか否かを判定すると共に、受容熱量が第2の活性判定値以上であるか否かを判定する。つまり、センサ素子の劣化前においては、センサ素子の素子インピーダンスが活性判定値にまで低下したか否かにより活性が判定される。一方、センサ素子の劣化が進み活性温度に達していても素子インピーダンスが活性判定値まで低下しない状態となると、受容熱量が第2の活性判定値にまで達したか否かにより活性判定が行われることとなる。
しかし、上記従来技術において、活性に判定を行う受容熱量の第2の活性判定値は、いかなるセンサ素子についても活性していると判定することができる固定値として設定される。したがって、第2の活性判定値には、センサ素子の個体ごとに含まれるすべての誤差が含まれている。このため、受容熱量≧第2の活性判定値の成否で活性を判定する状態となると、多くの場合に、現実に活性温度に達した後、活性が判定されるまでの間に差が生じ、活性判定にその差分の遅れが生じることとなる。
活性判定の遅れは、燃料噴射量のフィードバック制御の開始遅れに直結する。内燃機関において良好なエミッション特性を得るためには、燃料噴射量のフィードバック制御は、可能な限り早期に開始させることが望ましい。この点、上記従来の活性判定の手法は、センサ素子が劣化した場合に、個別のセンサ素子のそれぞれに対応した速やかな活性判定を行うことができず、内燃機関のエミッション特性を悪化させやすいものであった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、排気ガスセンサの暖機時にセンサ素子の劣化状態をリアルタイムに判断して、常に個別のセンサ素子に対応した迅速な活性判定を可能とする排気ガスセンサの制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気通路に搭載される排気ガスセンサの制御装置であって、
前記排気ガスセンサは活性温度に達することで活性状態となるセンサ素子を備え、
前記センサ素子の素子インピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
前記センサ素子の活性が要求された後、前記センサ素子が少なくとも活性温度にまで加熱されたことを判定できる活性判定インピーダンスにまで、前記素子インピーダンスが低下したか否かを判定するインピーダンス判定手段と、
前記センサ素子に供給された受容熱量を推定する受容熱量推定手段と、
前記センサ素子の活性が要求された後、前記センサ素子が少なくとも活性温度にまで加熱されたことを判定できる活性判定値に、前記受容熱量が達したか否かを判定する熱量判定手段と、
前記インピーダンス判定手段による判定および前記熱量判定手段による判定のいずれかが成立した時点で、前記排気ガスセンサの活性判定を行う活性判定手段と、
前記活性判定値が未設定であるか否かを判定する設定判定手段と、
前記活性判定値が未設定である場合に、前記センサ素子の活性が要求された後、前記センサ素子のインピーダンスが前記活性判定インピーダンスにまで低下するまでに要する活性受容熱量を推定する活性熱量推定手段と、
前記活性受容熱量に基づいて、前記活性判定値を設定する活性判定値設定手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記排気ガスセンサは、センサ素子を加熱するヒータを備え、
前記センサ素子の活性が要求される環境下で、前記ヒータを駆動するヒータ駆動手段を備え、
前記活性熱量推定手段は、前記活性受容熱量を、前記ヒータに通電された活性積算電力量に基づいて推定し、
前記活性判定値設定手段は、前記活性積算電力量に基づいて活性判定値を設定し、
前記受容熱量推定手段は、前記ヒータに通電したヒータ通電積算電力量に基づいて前記受容熱量を推定し、
前記熱量判定手段は、前記ヒータ通電積算電力量が、前記活性積算電力量に達したか否かに基づいて、前記受容熱量が前記活性判定値に達したか否かを判定することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、前記排気ガスセンサは、センサ素子を加熱するヒータを備え、
前記センサ素子の活性が要求される環境下で、前記ヒータを駆動するヒータ駆動手段を備え、
前記活性熱量推定手段は、前記活性受容熱量を、前記ヒータに通電された活性通電時間に基づいて推定し、
前記活性判定値設定手段は、前記活性通電時間に基づいて活性判定値を設定し、
前記受容熱量推定手段は、前記ヒータに通電したヒータ通電時間に基づいて前記受容熱量を推定し、
前記熱量判定手段は、前記ヒータ通電時間が、前記活性通電時間に達したか否かに基づいて、前記受容熱量が前記活性判定値に達したか否かを判定することを特徴とする。
第4の発明は、第1から3のいずれかの発明において、公差内に収まる全ての排気ガスセンサにつき、前記センサ素子を少なくとも前記活性温度にまで加熱できる受容熱量を判定する最大判定値を記憶する最大判定値記憶手段を備え、
前記活性判定値設定手段は、前記活性判定値を、前記最大判定値に応じて修正する判定値修正手段と、
を備えることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、
前記活性判定値設定手段は、前記活性判定値が前記最大判定値より小さいか否かを判定する判定値判定手段を備え、
前記判定値修正手段は、前記活性判定値が前記最大判定値以上であると判定された場合に、前記活性判定値を、前記最大判定値に修正することを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において、前記内燃機関の始動時における前記センサ素子の温度を推定するパラメータを検出するパラメータ検出手段を備え、
前記最大判定値記憶手段は、前記最大判定値を、前記パラメータに応じた関数として記憶し、
前記活性判定値設定手段は、
前記活性判定値が前記最大判定値よりも小さいと判定された場合に、前記活性判定値を設定した際の前記パラメータにおける前記最大判定値に対する、前記活性判定値の割合を求める割合算出手段と、
前記最大判定値の関数に、前記割合をかけた値を、前記パラメータに応じた活性判定値の関数として設定する活性判定値関数設定手段と、を備え、
前記熱量判定手段は、前記活性判定値の関数から、判定時におけるパラメータに応じた値を、判定における活性判定値として決定することを特徴とする。
第7の発明は、第5の発明において、前記内燃機関の始動時における前記センサ素子の温度を推定するパラメータを検出するパラメータ検出手段を備え、
前記最大判定値記憶手段は、前記最大判定値を、前記パラメータに応じた関数として記憶し、
前記活性判定値設定手段は、
前記活性判定値が前記裁断判定値よりも小さいと判定された場合に、前記活性判定値を測定した際の前記パラメータにおける前記最大判定値と、前記活性判定値との差を求める判定値差算出手段と、
前記最大判定値の関数から、前記差を引いた値を、前記パラメータに応じた活性判定値の関数として設定する活性判定値関数設定手段と、を備え、
前記熱量判定手段は、前記活性判定値の関数から、判定時におけるパラメータに応じた値を、判定における活性判定値として決定することを特徴とする。
第8の発明は、第5の発明において、前記内燃機関の始動時における前記センサ素子の温度を推定するパラメータを検出するパラメータ検出手段を備え、
前記最大判定値記憶手段は、前記最大判定値を、前記パラメータに応じた関数として記憶し、
前記活性判定値設定手段は、
前記最大判定値の関数の値が、前記活性判定値より小さくなるパラメータの第1範囲と、前記最大判定値の関数の値が、前記活性判定値以上となるパラメータの第2範囲とを算出する水温範囲算出手段と、
前記第1範囲においては、活性判定値の関数を前記活性判定値に設定し、前記第2範囲においては、活性判定値の関数を、前記最大判定値の関数に設定する活性判定値関数設定手段と、を備え、
前記熱量判定手段は、前記活性判定値の関数から、判定時におけるパラメータに応じた値を、判定における活性判定値として決定することを特徴とする。
第9の発明は、第1から第8のいずれかの発明において、前記活性判定値設定手段により前記活性判定値が設定された際に、前記活性判定値が設定されたことを示すフラグをONとする設定完了フラグ設定手段と、
前記内燃機関のバッテリクリアが行われた際に、前記フラグをOFFにする設定フラグOFF手段と、を備え、
前記活性判定値設定手段は、前記活性判定フラグがOFFである場合に、前記活性判定値の設定を行うことを特徴とする。
第1の発明によれば、活性判定値が未設定である場合に、受容熱量がセンサ素子に供給されたか否かを判定する際の基準となる活性判定値を、受容熱量に基づいて個別に設定する。したがって、排気ガスセンサごとに活性判定値を設定することができ、センサ素子ごとに活性温度に達するまでの受容熱量が異なる場合にも、正確に活性判定を行うことができる。
第2の発明によれば、活性積算電力量に基づいて活性判定値を設定し、これを基準として活性判定を行う。このようにヒータに供給された電力をパラメータとすることにより、正確にヒータの受容熱量を把握することができ、より確実に活性判定を行うことができる。
第3の発明によれば、活性通電時間に基づいて活性判定値を設定し、これを基準として活性判定を行う。このようにヒータに直接通電する時間をパラメータとすることにより、正確にヒータの受容熱量を把握することができ、より確実に活性判定を行うことができる。
また、第4の発明によれば、活性判定値が最大判定値に応じて修正される。したがって、活性判定値を設定する際に、センサ素子の劣化等により活性判定値の設定の基礎となる受容熱量が大きく推定された場合にも、活性判定値を適切に修正して設定することができる。
また、第5の発明によれば、活性判定値が予め記憶された最大判定値より大きい場合には、活性判定値が最大判定値に修正される。したがって活性判定値を再設定する際に、センサ素子の劣化により設定の基礎となる受容熱量が大きく推定された場合にも、活性判定値が必要以上に大きくなるのを抑えることができる。
また、第6乃至第8の発明によれば、実際の測定に基づく活性判定値と、活性判定値設定の際のパラメータに応じた最大判定値との関係を考慮して、最大判定値の関数からパラメータに対応する活性判定値の関数を設定することができる。したがって、個別のセンサ素子ごとに、パラメータに応じた活性判定値を設定することができ、より確実かつ迅速な活性判定を行うことができる。
第9の発明によれば、活性判定値の設定をバッテリクリア後に行うように制御することができる。したがって、一度設定された活性判定値を以後の活性判定に用いることができると共に、バッテリクリアが行われた後には、新たに活性判定値の設定を行うことができる。したがって、必要な時期に、確実に、活性判定値の設定を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
[実施の形態のハードウェア構成]
図1は、この発明の実施の形態において用いられる空燃比センサの構成を説明するための図である。図1に示す空燃比センサ10は、内燃機関の排気通路に配置され、排気ガスの空燃比を検出するために用いられるセンサである。空燃比センサ10は、カバー12を備えており、カバー12が排ガスに晒されるように排気通路に組みつけられる。
カバー12には、その内部に排気ガスを導くための孔(図示せず)が設けられている。カバー12の内部には、センサ素子14が配置されている。センサ素子14は、一端(図1における下端)が閉じられた環状の構造を有している。環状構造の外側表面は、拡散抵抗層16で覆われている。拡散抵抗層16は、アルミナ等の耐熱性の多孔質物質であり、センサ素子14の表面における排気ガスの拡散速度を律する働きを有している。
拡散抵抗層16の内側には排気側電極18が設けられている。排気側電極18は、拡散抵抗層16を介して、排気ガスに晒された状態となっている。排気側電極18の内側には、固体電解質層20が設けられている。固体電解質層20の内側には、大気側電極22が形成されている。排気側電極18および大気側電極22は、Ptのように触媒作用の高い金属で構成された電極である。また、排気側電極18および大気側電極22は、それぞれ後述するバイアス制御回路と電気的に接続されている。固体電解質層20は、ZrOなどを含む焼結体であり、酸素イオンを伝導させる特性を有する。
センサ素子14の内側には、大気室24が形成されている。大気室24は、大気に開放され、大気側電極22表面が大気に晒される構造となっている。大気室24内には、ヒータ26が配置されている。ヒータ26は、後述するヒータ制御回路と電気的に接続されており、その制御回路に制御されることにより、センサ素子14を適切な温度に加熱して維持する。なお、センサ素子14は、活性温度(例えば、700℃程度)に加熱されることにより、安定した出力特性を示す。
図2は、空燃比センサ10の制御装置のブロック図である。図2に示すように、センサ素子14は、抵抗成分と起電力成分とを用いて、等価的に表すことができる。また、ヒータ26は抵抗成分を用いて等価的に表すことができる。センサ素子14には、センサ素子駆動回路28が接続されている。センサ素子駆動回路28には、センサ素子14に対して、所望のバイアス電圧を印加するためのバイアス制御回路と、センサ素子14を流れる電流を検出するためのセンサ電流検出回路とが含まれている。
センサ素子駆動回路28が備えるバイアス制御回路には、ローパスフィルタ(LPF)30及びD/Aコンバータ32を介して、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と称する)34が接続されている。マイコン34は、これらの要素を介してバイアス制御回路にセンサ素子14に印加すべき電圧を指令することができる。センサ電流検出回路には、D/Aコンバータ36を介して、マイコン34が接続されている。マイコン34は、D/Aコンバータ36を介して、センサ電流検出回路によって検出されたセンサ電流を読み込むことができる。
バイアス制御回路は、マイコン34の指令に従い、センサ素子14に対して、空燃比検出用のバイアス電圧とインピーダンス検出用電圧とを印加することができる。センサ素子14は、空燃比検出用バイアス電圧が印加されている場合には、排気ガスの空燃比に応じたセンサ電流を流通させる。マイコン34は、これを利用して、センサ素子14に空燃比検出用電圧が印加されている状況下で生ずるセンサ電流に基づいて、排気ガスの空燃比を算出することができる。
センサ素子14に対するバイアス電圧が、空燃比検出用のバイアス電圧からインピーダンス検出用電圧に変更されると、印加電圧の変化に対応してセンサ電流に変化が生じる。この際、印加電圧の変化量とセンサ電流の変化量との比は、センサ素子14の素子インピーダンスに相当する値となる。マイコン34は、これを利用して、インピーダンス検出用電圧が印加されている状況下で生ずるセンサ電流に基づいて、センサ素子14の素子インピーダンスを算出することができる。
ヒータ26には、ヒータ制御回路38が接続されている。ヒータ制御回路38には、マイコン34が接続されている。ヒータ制御回路38は、マイコン34から供給される指令を受けて、その指令に応じた駆動信号をヒータ26に供給し、ヒータ26に所望の熱量を発生させることができる。また、マイコン34は、ヒータ26に供給した電力量Pを測定し、ヒータ26へのヒータ通電積算電力量Pを測定することができる。
[実施の形態におけるヒータ制御]
図3は、この実施の形態の装置において実行されるヒータ制御の概要を説明する図である。ここで、図3中に示す曲線は、素子インピーダンスと素子温との関係を示す。この曲線に示す通り、素子インピーダンスは温度特性を有しており、素子温が高いほど小さな値となる。図3中に示すZactは活性判定インピーダンスであり、Ztgは、目標インピーダンスである。活性判定インピーダンスZactは、素子温が活性判定温度(例えば650℃)である場合の素子インピーダンスに設定されている。また、目標インピーダンスZtgは素子温が活性目標温度(例えば700℃)である場合の素子インピーダンスに設定されている。
センサ素子14は、活性判定温度以上の温度で安定したセンサ特性を示す。このため、この実施の形態の装置は、内燃機関の始動後、素子温が活性判定温度(例えば、650℃)に達した時点で空燃比センサの活性を判定し、その出力に基づく空燃比フィードバック制御を開始する。その後、素子温の変動に対して余裕を確保しておくため、センサ素子14は活性判定温度より高温の活性目標温度(例えば、700℃)にまで加熱され、その温度に維持される。その結果、安定状態では素子温が活性目標温度(例えば700℃程度)に加熱維持された状態で空燃比フィードバック制御が行われる。
マイコン34はセンサ素子14の素子温と素子インピーダンスZとの相関関係を利用して、素子温が活性判定温度に達したか否かを判断する。即ち、マイコン34は、素子インピーダンスZが活性判定インピーダンスZactまで低下したか否かに基づいて、センサ素子14の活性判定を行う。また、マイコン34は、素子温を活性目標温度に維持するため、素子インピーダンスZが目標インピーダンスZtgと一致するようにヒータ26の通電量をフィードバック制御する。
内燃機関において良好なエミッションを得るためには、空燃比センサの暖機が開始された後、その活性判定がなされるまでの期間はできるだけ短いことが望ましい。このため、この実施の形態の装置は、素子インピーダンスZが活性判定インピーダンスZactよりも大きい領域では、ヒータ26を100%デューティで駆動する(図3に示す100%通電領域)。その後素子インピーダンスZが活性判定インピーダンスZactまで低下したら、センサ素子14の過熱を避けるべく、駆動デューティを70%に下げてヒータ26の駆動を継続する(図3に示す70%通電領域)。そして、素子インピーダンスZが目標インピーダンスZtgの近傍値となった時に、素子インピーダンスZに基づくフィードバック制御によりヒータ26の駆動を継続する。
図4は、上述した制御を行うためのマイコン34が実行する制御のルーチンのフローチャートを示す。図4に示すルーチンでは、まず、素子インピーダンスZが算出される(ステップS100)。マイコン34はセンサ素子14にインピーダンス検出用電圧を印加した状態で検出されるセンサ電流に基づいて、素子インピーダンスZを算出する。
次に検出した素子インピーダンスZと目標インピーダンスZtgとの差、ΔZ=Z−Ztgが算出される(ステップS102)。次いで、ヒータ26制御の許可条件が成立しているか否かが判断され(ステップS104)、その条件が不成立である場合には、ヒータ26の駆動デューティRdutyが0%に設定される(ステップS106)。
一方、上記ステップS104の処理により、許可条件の成立が認められた場合は、100%通電の条件が成立しているか否かが判別される(ステップS108)。ここでは、具体的には、内燃機関の始動後の経過時間が10sec以下であり、かつ、ΔZが判定値K1(図3参照)以上であるかが判断される。即ち、経過時間10sec以下であり、かつ、素子インピーダンスZが活性判定インピーダンスZact以上であるかが判断される。その結果、この条件が成立すると認められた場合には、ヒータ26の駆動デューティRdutyが100%に設定される(ステップS110)。
上記ステップS108の処理により、100%の通電条件が成立していないと判別された場合は、次に、ヒータ26を70%通電すべき条件が成立しているか否かが判別される(ステップS112)。ここでは、ΔZが判定値K2(図3参照)より大きいかが判断される。その結果この条件の成立が認められた場合は、ヒータ26の駆動デューティRdutyが70%に設定される(ステップS114)。
これに対して、上記ステップS112において、70%の通電条件が成立していないと判別された場合は、素子インピーダンスのフィードバック制御ルーチンが実行される(ステップS116)。このルーチンによれば、ΔZが小さくなるように、つまり、素子インピーダンスZが目標インピーダンスZtgに近づくように、PID制御の手法でヒータ26の駆動デューティRdutyが設定される。
上述したステップS106、S110、S114、およびS116のいずれかにより、ヒータ26の駆動デューティRdutyが設定されると、最後に駆動デューティRdutyのなまし処理が実行される(ステップS118)。このようななまし処理によれば、ステップS106、S110、S114、およびS116の処理により設定される駆動デューティRdutyが段階的な変化を示した場合に、ヒータ26に対する供給電力が急変するのを抑えることができる。
[素子インピーダンスの劣化上昇の影響とその影響に対する対策]
図5は、センサ素子14の劣化と素子インピーダンスZとの関係を説明するための図である。この図に示すように、素子インピーダンスZはセンサ素子14の劣化が進むに連れて増加方向にシフトする。したがって、活性判定インピーダンスZactが一定値であるとすると、素子インピーダンスZが活性インピーダンスZactに低下したときの素子温は、図5に示すようにその劣化の進行と共に高温化することとなる。このため、素子インピーダンスZが活性判定インピーダンスZactに達したか否かのみを基準としてセンサ素子14の活性判定が行われると、センサ素子14の劣化に伴って、素子温が活性判定温度に達した後、現実に活性判定がなされるまでの間に、無視できない大きな遅延が生ずる事となる。
ところで、空燃比センサ10の暖機状態は、内燃機関の始動後にセンサ素子14が受容した熱量の積算値と相関を有している。このためセンサ素子14が活性温度に達したか否かは、素子インピーダンスZに頼るほか、センサ素子14の受容熱量を基礎としても判断することができる。また、センサ素子14の受容熱量は、ヒータ26への積算電力量Pから予測することができる。したがって、センサ素子14が活性温度に達したか否かの判断は、ヒータ26への積算電力量Pに基づいて行うことができる。
図6は、始動時水温TWと、センサ素子14が活性温度に達するまでに要する積算電力量との関係を表すグラフである。図6において、最大積算電力量Pmaxは、全てのセンサ素子14の新品時におけるばらつきを前提にした、センサ素子14が活性温度に達するまでに要する最大の積算電力量である。したがって、最もばらつきが大きく、活性温度に達するまでに最も大きな電力量を要するセンサ素子14であっても、積算電力量Pが最大積算電力量Pmax以上となれば、活性温度に達していると判定できる。
また、始動時水温TWが低い場合には活性に要する電力量は大きくなり、始動時水温TWが高い場合には活性に要する電力量は小さくなる。即ち、最大積算電力量Pmaxは、図6に示すように、始動時水温TWに依存する。
上述したように、積算電力量Pが最大積算電力量Pmax以上である場合には、いかなるセンサ素子14についても活性していると判定することができる。しかし、最大積算電力量Pmaxは、センサ素子14の個体ごとに含まれるすべての誤差を含んだ最大値である。したがって、積算電力量P≧最大積算値Pmaxの成否で活性を判定すると、多くの場合に、現実に活性温度に達した後、活性が判定されるまでの間に差が生じ、活性判定にその差分の遅れが生じることとなる。
つまり、活性判定を、素子インピーダンスZが活性判定インピーダンスZact以下か(Z≦Zact)、あるいは、積算電力量Pが活性判定積算電力量Pmax以上か(P≧Pmax)の2つの判定基準により判定を行うと、以下のような事態が生することとなる。即ち、センサ素子14の劣化前においては、Z≦Zactの成立により活性判定が行われ、P≧Pmaxの成立による活性判定は行われない。この状態は、Z≦ZactとP≧Pmaxが同時に成立する程度に、センサ素子14が大きく劣化するまで続く。その後、センサ素子14の劣化が更に大きくなった場合、P≧Pmaxの成立により活性判定が行われる。これ以後は、センサ素子14が更に劣化しても、常にP≧Pmaxの成立により活性判定が行われる。
したがって、単に、P≧Pmaxの成立による活性判定を導入するだけでは、Z≦ZactとP≧Pmaxが同時に成立する程度にセンサ素子14が大きく劣化するまで、その活性判定の遅れが進むこととなる。また、センサ素子14の劣化が進んだ後は、P≧Pmaxが成立するまで活性が判定されず、常に活性判定に遅れが生じている状態となる。
ところで、個別のセンサ素子14については、新品時に、Z≦Zactとなるのに要した積算電力量が、活性に要する最小限の積算電力量である。したがって、新品時に、Z≦Zactの成立に要した積算電力量を求めることにより、最大積算電力量Pmaxと、そのセンサ素子14特有の活性判定積算電力量Pactとの関係を予測することができる。更に、予測される関係を利用して、最大積算電力量PmaxのマップPmax(TW)から、図6に示すように、個別のセンサ素子14ごとに活性判定積算電力量PactのマップPact(TW)を求めることができる。
図6の積算電力量Paveは、始動時水温TWaveの環境下で得た値である。ここで、始動時水温TWaveは、通常の冷間始動を想定した10℃〜30℃程度の温度である。始動時水温TWaveにおいては、最大積算電力量Pmaxは一定の値Pmaxaveとなる。通常の冷間始動において、センサ素子14が最大積算電力量Pmaxaveよりも小さな積算電力量Paveにおいて活性状態となる場合、このセンサ素子14は、他の始動時水温TWの領域においても、最大積算電力量Pmaxより小さな積算電力量Pactにおいて活性状態となるものと予測される。また、始動時水温TWの各領域における、積算電力量Pmaxに対する活性判定積算電力量Pactの比率は、最大積算電力量Pmaxaveに対する積算電力量Prevの比率と同程度であると推定することができる。
したがって、始動時水温TWの各領域における活性判定積算電力量Pactの値は、その領域の最大積算電力量Pmaxの値に、Prev/Pmaxaveをかけた値となるものと推定することができる。したがって、図6に示すような、活性判定積算電力量マップPact(TW)を作成することができる。このようにして設定されたマップPact(TW)の活性判定積算電力量Pactを活性判定値として用いることにより、個別のセンサ素子14の特性に対応することができる。したがって、最大積算電力量Pmaxを判定値としてP≧Pmaxにより活性判定を行う場合よりも、活性判定時における無駄を少なくして迅速な活性判定を行うことができる。
そこで、実施の形態1においては、インピーダンスZ<Zactの判定と共に、以下の判定を行うこととする。
(1)新品時に、積算電力量Prevを算出する。
(2)積算電力量Prevと最大積算電力量Pmaxとを用いて、図6の太線のPactマップを作成する。
(3)積算電力量P≧活性判定積算電力量Pactの判定を、インピーダンスZ≦活性判定インピーダンスZactの判定とあわせて行う。
ところで、バッテリ交換や空燃比センサ10の交換等に伴うバッテリクリアにより、当初求めた積算電力量Paveやこれに基づいて設定された活性判定積算電力量マップPact(TW)は、クリアされる場合がある。この時点であっても、劣化が小さい場合には、インピーダンスZ≦活性判定インピーダンスZactとなるのに要する積算電力量Pは、最大積算電力量Pmaxよりも小さな値となることがある。この場合には、新たに積算電力量Paveを算出して、新たに活性判定積算電力量マップPact(TW)を作成する実益がある。そこで、実施の形態1においては、バッテリクリア時に、マップPact(TW)を作成することとしている。この場合でも、センサ素子14の劣化が大きく積算電力量Pact≧Pmaxとなった場合には、マップPact(TW)は最大積算電力量Pmaxマップのまま変更しないようにする。このため、センサ素子14の劣化に影響して、活性判定積算電力量Pactの値が、最大積算電力量Pmaxを越えて大きくなるのを防ぐことができる。
[実施の形態における特徴的処理]
以下図7から図9を参照して、上記機能を実現するために実施の形態1の装置が実行する具体的処理の内容について説明する。図7は、センサ活性判定のルーチンを説明するフローチャートである。このルーチンでは、まず、始動時水温TW記憶ルーチンが実行される(ステップS120)。
図8は、上記ステップS120の処理として実行される始動時水温記憶ルーチンのフローチャートを示す。このルーチンでは、まず、内燃機関のイグニッションスイッチIGがONとされた後、50msecが経過する以前であるか否かが判断される(ステップS122)。その結果、上記条件の成立が認められる場合は、内燃機関の始動時判定がなされ、現在の内燃機関の水温が始動時水温TWとして記憶される(ステップS124)。一方、上記条件の成立が認められない場合には、何ら処理が行われることなく今回の処理サイクルが終了される。
図8に示すルーチンにおいて、始動時水温記憶ルーチンが終了すると、後に説明する活性判定積算電力量マップPact(TW)の設定ルーチンが実行される(ステップS130)。このルーチンでは、センサ素子14の活性判定値となる活性判定積算電力量マップPact(TW)が設定される。
次に、素子インピーダンスZが検出される(ステップS140)。素子インピーダンスZは、センサ素子14にインピーダンス検出用電圧を供給し、これに対するセンサ電流を検出し、これに基づいて算出される。次に、積算電力量Pが検出される(ステップS142)。積算電力量Pは、内燃機関の始動後ヒータ26に供給された電力量を測定することにより測定される。
次に、内燃機関の始動後、最初の活性判定が既に実行済みであるか否かが判定される(ステップS144)。より具体的には、内燃機関の始動後に、センサ素子14の活性判定が始めてなされた場合にONとされる活性判定終了フラグが既にONとされているか否かが判別される。
活性判定終了フラグ=ONの成立が認められない場合には、活性判定積算電力量Pactの読み出しが行われる(ステップS146)。より具体的には、ステップS130において設定される活性判定積算電力量マップPact(TW)から、ステップS120において記憶した始動時水温TWに応じた活性判定積算電力量Pactの値が、活性判定値として読み出される。
次に、以下に示す条件Aおよび条件Bのいずれかが成立しているか否かが判別される(ステップS148)。
(条件A)素子インピーダンスZが活性判定インピーダンスZact以下か。
(条件B)積算電力量Pが、ステップS146において読み出された活性判定積算電力量Pact以上か。
その結果、条件Aおよび条件Bのいずれかが成立すると判断された場合には、センサ素子14の活性判定がなされ、活性判定フラグおよび活性判定終了フラグが共にONとされる(ステップS150)。
ステップS148のルーチンによれば、センサ素子14が初期の特性を示す間は、主として条件Aの判定により、素子温が確実に活性判定温度に到達した時点の直後において、活性判定を行うことができる。また、センサ素子14の劣化が進んだ後においては、遅くともヒータ26に活性判定積算電力量Pactが供給されるまでに、活性判定を行うことができる。このため、実施の形態1の装置によれば、素子インピーダンスZにどのような誤差が重畳しているにしても、少なくとも、センサ素子14が活性温度に達するまでに必要と予想される積算電力量が供給されるまでには、活性判定を完了させることができる。したがって、空燃比センサ10の暖機時にセンサ素子14の劣化状態をリアルタイムに判断して常に迅速に活性判定を完了させることができる。
図7に示すルーチン中は、上記ステップS144の処理により、活性判定終了フラグ=ONの成立が認められた場合は、内燃機関の始動後、一旦はセンサ素子14が活性判定温度に達したと判断できる。この場合は、次に素子インピーダンスZが活性判定インピーダンスZact以下の値を維持しているかが判別される(ステップS152)。その結果Zact以下が維持されていると判別された場合は、センサ素子14の活性が維持されていることを表すべく、活性フラグがONとされる(ステップS154)。一方、Zact以下が成立しない場合には、何らかの原因でセンサ素子14が非活性状態になったものと判断され、活性フラグがOFFとされる(ステップS156)。
[活性判定積算電力量マップの設定について]
図9および図10は、上記ステップS130の処理として実行される活性判定積算電力量マップ設定ルーチンのフローチャートを示す。図9のルーチンでは、まず、活性判定積算電力量Pactの設定完了フラグがOFFとなっているか否かが判定される(ステップS162)。設定完了フラグは、バッテリクリアが行われた後、活性判定積算電力量マップPact(TW)設定が完了した場合にONとされるフラグである。つまり、設定完了フラグがOFFである場合には、空燃比センサ10固有のマップPact(TW)の設定が完了していないと判定されるため、活性判定積算電力量Pactの設定が必要となる。一方、設定完了フラグ=OFFの成立が認められない場合には、バッテリクリア後、既に活性判定積算電力量Pact設定が完了していると判断され、活性判定積算電力量マップPact(TW)を更新せずに(ステップS164)、この処理サイクルを終了する。
一方、設定完了フラグ=OFFの成立が認められる場合には、内燃機関の始動後、最初の活性判定であるか否かが判定される(ステップS166)。より具体的には、内燃機関の始動後に、センサ素子14の活性判定が始めてなされた場合にONとされる活性判定終了フラグOFFであるか否かが判別される。活性判定終了フラグ=OFFの成立が認められない場合には、始動直後の積算電力量Pの測定が終了したものと判定され、活性判定積算電力量マップPact(TW)を更新せずに(ステップS164)、この処理サイクルを終了する。
一方、活性判定終了フラグ=OFFの成立が認められる場合には、学習条件が成立しているか否かが判定される(ステップS166)。このルーチンにおいて、測定する積算電力量は、活性判定の基準となる値を設定するために用いられる値となる。このため、一般的な始動の条件を満たした環境下での測定が要求される。したがって、具体的には以下の条件を全て満たすか否かが判定される。
(条件A)ステップS120において記憶したTWが、10≦TW≦30を満たすか
(条件B)吸気温が所定の範囲内であるか
(条件C)始動後からの積算吸入空気量Gaが所定の範囲内であるか
上記条件Aにおいて始動時水温TWの条件を限定することにより、始動時であっても既に暖機状態にある場合の測定が排除される。一般には始動時のセンサ素子14の素子温と水温とは相関を示すことから、上記条件Aの判定により、センサ素子温が一般的な冷間始動時の温度範囲内であるか否かが判定される。また、極冷間等での始動でヒータ等を用いている場合などは、始動時水温と素子温とに相関がない場合がある。この場合、始動時水温TWが条件Aを満たしていても、センサ素子14の素子温が一般的な始動時の温度範囲にないことが考えられる。条件Bにおいて吸気温の条件を限定することにより、このような環境下での測定が排除される。更に、上記条件A、条件Bの条件を満たす場合であっても、高速で急激に始動する場合等、極端な環境での測定は排除すべきである。したがって条件Cにおいて積算吸入空気量Gaを限定することにより、このような極端な環境下での測定が排除される。
上記学習条件の成立が認められない場合には、活性判定積算電力量マップPact(TW)は、現在設定されたままの状態で更新されず(ステップS164)、この処理サイクルが終了する。一方、上記学習条件を満たしている場合、積算電力量Pnの測定が開始される(ステップS170)。ここで、Pnは、このルーチンにおいて第n回目に測定される積算電力量であることを表す。nは、測定回数を表すカウンターであり、バッテリクリアの際にn=1に設定される。ここでは、第1回目の測定であるから、積算電力量Pの測定が開始される。
次に、センサ素子14の素子インピーダンスZが活性判定インピーダンスZact以下であるか否かが判定される(ステップS172)。これにより、センサ素子14が少なくとも活性温度を越えているかが判定される。ステップS172において、Z≦Zactの成立が認められない場合には、積算電力量Pの測定を継続する。一方、Z≦Zactの成立が認められた場合には、積算電力量の測定が終了される(ステップS174)。これにより積算電力量Pの測定開始から、ステップS170によりZ≦Zact成立の判定がされるまでの間ヒータ26に供給された積算電力量Pが測定される。
次に、図10のルーチンのステップS176において、補正積算電力量Prevが算出される。補正積算電力量Prevは、積算電力量Pに所定の係数(ここでは、1.1)をかけることにより算出される。この係数は、ヒータ26の抵抗のばらつきにより生じると予想されるばらつき+10%分を考慮した係数である。即ち、ヒータ26の劣化によりヒータ26の温度上昇に必要な電力量が増加する。したがって、ヒータ26が劣化した場合、ヒータ26に積算電力量Pを通電しても、センサ素子14には活性温度に達するために必要な受容熱量が供給されないことが考えられる。したがって、センサ素子14の受容熱量低下を抑えるため、予めヒータ26劣化による電力量の増加分を+10%加味した値として、補正積算電力量Prevを算出する。
次に、ステップS120で測定された始動時水温TWにおける最大積算電力量Pmaxが、最大積算電力量PmaxのマップPmax(TW)から読み出される(ステップS178)。ステップS168の始動時水温TWの条件Aにより、始動時水温TWは、10≦TW≦30を満たすことから、ここでは、この始動時水温の領域における最大積算電力量であるPmaxaveが読み出される。その後、補正積算電力量Prevが最大積算電力量Pmaxaveより小さいか否かが判定される(ステップS180)。補正積算電力量Prev<最大積算電力量Pmaxaveの成立が認められない場合には、活性判定積算電力量マップPact(TW)を更新せず(ステップS164)、この処理サイクルを終了する。
一方、Prev<Pmaxaveの成立が認められた場合には、次に、前回のルーチンで算出された積算電力量のなまし値Pave(n-1)が読み出される(ステップS182)。なまし値Pave(n-1)のバッテリクリア後の初期値Paveは、Pave=Pmaxaveとして設定されている。ここでは、第1回目の測定であるから、この初期値が利用され、PaveとしてPmaxaveの値が読み出される。
次に、積算電力量のなまし値Paveを算出する(ステップS184)。積算電力量のなまし値Paveは、前回測定した積算電力量のなまし値Pave(n-1)と、今回測定された補正積算電力量Prevとの平均値を求めることにより算出される。つまり、算出される積算電力量のなまし値Paveは以下の式(1)により表される。
Pave=(Pave(n-1)+Prev)×1/2 ・・・・(1)
ここでは第1回目の測定であるから、なまし値Paveとして、PmaxaveとPrevとの平均値が求められる。算出されたPaveは、第1回目の測定における積算電力量のなまし値としてRAMに記憶される(ステップS186)。
次に、活性判定積算電力量マップPact(TW)が更新される(ステップS188)。マップの更新は、図6に示すように、始動時水温TWの各領域における最大積算電力量Pmax(TW)を、Pave/Pmaxave割合で修正することにより更新される。具体的に、始動時水温TWの各領域における活性判定積算電力量Pact(TW)は、以下の式(2)により求められる。
Pact(TW)=Pmax(TW)×(Pave/Pmaxave) ・・・・(2)
ここでは、第1回目の測定であるから、先ず、ステップS186において算出されたPaveに基づいて、Pave/Pmaxaveを求める。次に各始動時水温TWにおけるPmax(TW)にそれぞれこの比率Pave/Pmaxaveをかけることにより、各始動時水温TWに対応するPactが算出される。算出された積算電力量Pactを活性判定積算電力量マップPact(TW)として記憶することによりマップの更新が行われる。
次に、積算電力量Pnの測定回数nに1が加算されn+1とされる(ステップS190)。これにより、n回目の測定が終了し、測定回数のカウンターが次回の測定回数n+1回目を示すことになる。この段階では第1回目の測定が終了したため、n=2とされる。その後、積算電力量の測定回数nが3より大きいか否かが判定される(ステップS192)。すなわち、バッテリクリア後の積算電力量Pactの更新が3回目まで行われた否かが判定される。この段階では、測定回数n=2であるためn>3の成立は認められず、この処理サイクルを終了する。
以降、n=2、3回目の測定、即ち、バッテリクリア後、第2、3回目の内燃機関の始動時においても、上記のルーチンにしたがって、第2、3回目の積算電力量P、Pが測定され(ステップS170〜S174)、測定結果P、Pから、補正積算電力量Prev、Prevが算出される(ステップS176)。更に、ステップS178の条件(Prev<Pmaxave)を満たす場合には、ステップS186において式(1)に従ってなまし値Pave、Paveが算出され、更に、ステップS188において、活性判定積算電力量マップPact(TW)が更新される。
その後、ステップS192において、n>3の成立が認められた場合、設定完了フラグがONとされる(ステップS194)。設定完了フラグは一度ONにされた場合、バッテリクリアが行われ、記憶された活性判定積算電力量マップPact(TW)がクリアされるまでの間、ONのまま維持される。したがって、活性判定積算電力量Pactのマップは、Pact(TW)=Pmax(TW)×(Pave/Pmaxave)に設定された状態で、次回の始動時からは、この活性判定積算電力量マップPact(TW)は変更されずに、活性判定値として用いられることになる。
上記のルーチンによれば、設定された活性判定積算電力量マップPact(TW)は、センサ素子14が新品時あるいはバッテリクリア後の段階で、個々の空燃比センサ10に固有の値として設定される。したがって、個々の空燃比センサ10の特性に応じて、より迅速に活性判定を行うことができる。
また、この活性判定積算電力量マップPact(TW)は、新品のセンサに対して設定される最大積算電力量Pmaxよりも大きな値となる場合には、最大積算電力量Pmaxの値が上限値として設定される。したがってセンサ素子14の劣化に伴い、ステップS172におけるインピーダンスZに基づく活性判定の時期が遅れ、積算電力量Pnの測定値が大きくなった場合であっても、活性判定積算電力量マップPact(TW)で設定される判定値は最大積算電力量Pmaxを越えて設定されることはない。このように最大積算電力量Pmaxを上限のガード値として用いることにより、少なくとも新品時のセンサ素子14に対して設定される最大積算電力量Pmaxの供給までには活性判定を行うことができ、活性判定時期に生じる遅れを抑えることができる。
なお、実施の形態1においては、センサ素子14の受容熱量が活性判定熱量に達したか否かを、積算電力量Pをパラメータとして判断することとしている。しかし、活性判定の判定値はこれに限定されるものではない。例えば、積算電力量Pに代えて、ヒータ26への通電時間を判断基準とするものであってもよい。このような変形例は、例えば、ステップS130において、ヒータ26の通電時間を測定して、これに基づいて、活性判定通電時間のマップを設定し、また、ステップS148の条件Bに代えて、ヒータ通電時間≧活性判定通電時間を判定することにより実現することができる。また、同様にして、内燃機関の吸入空気量、燃料噴射量の積算値を判断基準としたものであってもよい。
また、実施の形態においては、センサ素子14の受容熱量が活性判定熱量に達したか否かを、積算電力量Pのみに基づいて判断していることとしているが、この発明はこれに限るものではない。センサ素子14の受容熱量が活性判定熱量に達したか否かは、例えば、(1)積算電力量が活性判定積算電力量に達したか、(2)ヒータ通電時間が活性判定通電時間に達したか、(3)吸入空気量積算値が活性判定吸入空気量積算値に達したか、(4)燃料噴射量積算値が活性判定燃料噴射量積算値に達したか、のうち2以上の条件を組み合わせて判断することとしてもよい。
また、実施の形態1においては、活性判定インピーダンスZactおよび目標インピーダンスZtgを一定として説明したが、この発明はこれに限るものではない。例えば、ステップS40において、条件Bにより活性判定が行われた時点で、即ち条件Bが条件Aよりも先に成立することになれば、センサ素子14に劣化が生じていると判断することができる。センサ素子14に劣化が生じ、素子インピーダンスZが増加方向にシフトすると、素子が活性温度に達した時点で、素子インピーダンスZが、目標インピーダンスZtgにまで低下しない事態が生じる。この場合、目標インピーダンスZtgを一定とすると、ヒータ26のフィードバック制御においてセンサ素子14が過熱する事態が生じることとなる。従って、例えば、条件Bが条件Aよりも先に成立した場合には、目標インピーダンスZtgあるいは活性判定インピーダンスZactを上昇方向にシフトして再設定するようにしてもよい。
また、実施の形態1の学習条件成立の判定(ステップS168)における、始動時水温の条件は、この発明を拘束するものではない。また学習条件は、条件A〜条件Cに限るものではなく、活性判定値を設定するにあたり適切な学習環境であると判定できるものであれば他の条件であってもよい。学習条件は空燃比センサ10の使用環境に応じて必要なデータが得られるように適宜設定することができる。
また、実施の形態1において、活性判定積算電力量Pactの設定中におけるセンサ素子14の活性判定は(ステップS172)、素子インピーダンスZが活性判定インピーダンスZactにまで低下したか否かを判断の基準として行う場合について説明した。しかしながら、この発明はこれに限るものではなく、例えば、活性判定インピーダンスZactに認められる公差を含ませた値を活性判定値として用いてもよい。また、ここではインピーダンスZによる判定に限らず、他の判定手法により活性判定を行うものであってもよい。
また、実施の形態1においては、バッテリクリア後3回まで積算電力量のなまし値Paveを算出する場合について説明した。しかし、この発明において、積算電力量のなまし値Paveの算出は3回に限るものではなく、必要な回数繰り返し行うものであればよい。また、複数回行うものではなく、1度算出された積算電力量なまし値Paveのみに基づいて活性判定積算電力量マップPact(TW)設定を行うものであってもよい。
また、実施の形態1の補正積算電力量Prevを算出する際に、ヒータ26の劣化による誤差+10%を加味して補正係数1.1をかける場合について説明した。しかしこの発明において、補正積算電力量Prevの算出の際考慮する誤差はヒータ26の劣化に限るものではない。補正積算電力量Prevはインピーダンスの誤差を除く、考えられる他の誤差を考慮して算出すればよく、補正係数もこれに応じて決定すればよい。また、この発明はこのような補正を行わず、平均積算電力量Paveをそのまま活性判定積算電力量マップPact(TW)の設定に用いてもよい。
また、実施の形態1においては、3回の補正積算電力量Prevから、測定のたびに、積算電力量のなまし値Paveを求めて、これを活性判定積算電力量マップPact(TW)の設定に用いる場合について説明した。しかし、この発明において、活性判定積算電力量Pactの算出基準とする値は、Paveに限るものではない。例えば、始めに補正積算電力量Prevを複数回求めて、所定回数n回のPrev算出が終了した後、全Prevの平均値を求めて、この平均値を、なまし値Paveに代えて用いてもよい。また、この平均値算出において、例えば、補正積算電力量の測定回数に応じて、補正積算電力量Prevの重みに変化をつけて算出した値を算出して用いてもよい。
また、実施の形態1においては、式(2)に示すように、なまし値Paveの最大積算電力量Pmaxaveに対する割合を求めて、この割合を、始動時水温の各領域に対する最大積算電力量マップPmax(TW)の各値にかけることにより、活性判定積算電力量マップPact(TW)を設定する場合について説明した。しかし、この発明において、最大積算電力量マップPmax(TW)からの、活性判定積算電力量マップPact(TW)の算出方法は、これに限るものではない。マップPact(TW)の算出方法の他の例を、以下、図11、図12を用いて説明する。
図11、図12は、始動時水温TWと積算電力量との関係を説明するためのグラフである。図11、図12において、縦軸は積算電力量を表し、横軸は始動時水温TWを表す。図11に示す例では、活性判定積算電力量マップPact(TW)は、図9のステップS184において算出された積算電力量のなまし値Paveから次のように算出する。
(1)始動時水温TWにおける最大積算電力量PmaxaveとPaveとの差ΔPを求める。
(2)最大積算電力量マップPmax(TW)の始動時水温TWの各領域における値から、一律にΔPを減算する。
即ち、ここで求められる活性判定積算電力量マップPact(TW)は、次式(3)により表すことができる。
Pact(TW)=Pmax(TW)−ΔP ・・・・(3)
図12に示す例では、活性判定積算電力量マップPact(TW)は、図9のステップS184において算出された積算電力量のなまし値Paveから次のように設定される。
(1)最大積算電力量マップPmax(TW)の各始動時水温TWにおける値が、なまし値Paveより小さくなる範囲においては、活性判定積算電力量マップPact(TW)の値を一律に、なまし値Paveとする。
(2)最大積算電力量マップPmax(TW)の各始動時水温TWにおける値が、なまし値Pave以上となる範囲においては、活性判定積算電力量マップPact(TW)の値は、最大積算電力量マップPmax(TW)の値と同じものとする。
更に、活性判定積算電力量マップPact(TW)の算出方法は、図11、図12に示すものに限らず、他の方法により算出されるものであってもよい。また、最大活性判定積算電力量Pmaxは図6,10,11に示すようなマップとして記憶されているものに限らず、TWの関数として設定されているものであってもよい。この場合にも、上述した方法で、関数Pmax(TW)を補正することにより、センサごとの特性を反映させた活性判定積算電力量の関数Pact(TW)を設定することができる。
また、実施の形態1においては、最大積算電力量Pmax(TW)を、始動時水温に関する関数とし、活性判定値積算電力量のマップPact(TW)を始動時水温に関するマップとして設定した。しかし、この発明においては、最大積算電力量や活性判定値のパラメータは、始動時水温に限るものではない。このようなパラメータは、始動時におけるセンサ素子の温度を推定できるものであればよく、例えば、吸気温などをパラメータとして用いてもよい。
また、実施の形態1においては、活性判定積算電力量Pactを、始動時水温TWに依存するマップとして設定している。しかしこの発明はこれに限定されるものではない。即ち、活性判定積算電力量Pactは、始動時水温TWによらず、常に一定の値、例えば積算電力量のなまし値Paveで代用することもできる。
以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に限定されるものではない。また、実施の形態において説明する構造や、方法におけるステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
なお、実施の形態1において、活性判定積算電力量Pactは、この発明における「活性判定値」に該当し、積算電力量Pは、「ヒータ通電積算電力量」に該当し、最大積算電力量Pmaxは、「最大判定値」に該当し、始動時水温TWは、「パラメータ」に該当する。また、ステップS140を実行することにより、この発明の「インピーダンス検出手段」が実現し、ステップS142を実行することにより、この発明の「受容熱量推定手段」が実現し、ステップS148を実行することにより「インピーダンス判定手段」ならびに「熱量判定手段」が実現し、ステップS150を実行することにより「活性判定手段」が実現する。
また、ステップS162を実行することにより、この発明の「設定判定手段」が実現し、ステップS170〜S174を実行することにより、この発明の「活性熱量推定手段」が実現し、ステップS176〜S192を実行することにより、この発明の「活性判定値設定手段」が実現する。また、ステップS180を実行することにより、この発明の「判定値判定手段」が実現し、ステップS164を実行することにより、この発明の「判定値修正手段」が実現する。また、ステップS188を実行することにより、この発明の「割合算出手段」、「判定値差算出手段」、「水温範囲算出手段」および「活性判定値関数設定手段」が実現する。また、ステップS194を実行することにより、この発明の「設定完了フラグ設定手段」が実現する。
この発明の実施の形態1における空燃比センサを説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1における空燃比センサの制御装置について説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1の装置において実行されるヒータ制御の概要を説明する図である。 この発明の実施の形態1の制御を行うため装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 センサ素子の劣化と素子インピーダンスZとの関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態1において設定される活性判定積算電力量について説明するためのグラフである。 この発明の実施の形態1において活性判定を行うために装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1の装置が実行する始動時水温記憶ルーチンを説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1の装置が実行する活性判定積算電力量マップ設定ルーチンを説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1の装置が実行する活性判定積算電力量マップ設定ルーチンを説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1における活性判定積算電力量マップ設定方法の他の例について説明するためのグラフである。 この発明の実施の形態1における活性判定積算電力量マップ設定方法の他の例について説明するためのグラフである。
符号の説明
10 空燃比センサ
12 カバー
14 センサ素子
16 拡散抵抗層
18 排気側電極
20 固体電解質層
22 大気側電極
24 大気室
26 ヒータ
28 センサ素子駆動回路
30 ローパスフィルタ
32 D/Aコンバータ
34 マイコン
36 D/Aコンバータ
38 ヒータ制御回路
Z 素子インピーダンス
Zact 活性判定インピーダンス
Ztg 目標インピーダンス
P ヒータ通電積算電力量
Pn 積算電力量
Prev 補正積算電力量
Pave 積算電力量のなまし値
Pact 活性判定積算電力量
Pmax 最大積算電力量
Pact(TW) 活性判定積算電力量マップ
Pmax(TW) 最大積算電力量マップ
TW 始動時水温

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に搭載される排気ガスセンサの制御装置であって、
    前記排気ガスセンサは活性温度に達することで活性状態となるセンサ素子を備え、
    前記センサ素子の素子インピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
    前記センサ素子の活性が要求された後、前記センサ素子が少なくとも活性温度にまで加熱されたことを判定できる活性判定インピーダンスにまで、前記素子インピーダンスが低下したか否かを判定するインピーダンス判定手段と、
    前記センサ素子に供給された受容熱量を推定する受容熱量推定手段と、
    前記センサ素子の活性が要求された後、前記センサ素子が少なくとも活性温度にまで加熱されたことを判定できる活性判定値に、前記受容熱量が達したか否かを判定する熱量判定手段と、
    前記インピーダンス判定手段による判定および前記熱量判定手段による判定のいずれかが成立した時点で、前記排気ガスセンサの活性判定を行う活性判定手段と、
    前記活性判定値が未設定であるか否かを判定する設定判定手段と、
    前記活性判定値が未設定である場合に、前記センサ素子の活性が要求された後、前記センサ素子のインピーダンスが前記活性判定インピーダンスにまで低下するまでに要する活性受容熱量を推定する活性熱量推定手段と、
    前記活性受容熱量に基づいて、前記活性判定値を設定する活性判定値設定手段と、
    を備えることを特徴とする排気ガスセンサの制御装置。
  2. 前記排気ガスセンサは、センサ素子を加熱するヒータを備え、
    前記センサ素子の活性が要求される環境下で、前記ヒータを駆動するヒータ駆動手段を備え、
    前記活性熱量推定手段は、前記活性受容熱量を、前記ヒータに通電された活性積算電力量に基づいて推定し、
    前記活性判定値設定手段は、前記活性積算電力量に基づいて活性判定値を設定し、
    前記受容熱量推定手段は、前記ヒータに通電したヒータ通電積算電力量に基づいて前記受容熱量を推定し、
    前記熱量判定手段は、前記ヒータ通電積算電力量が、前記活性積算電力量に達したか否かに基づいて、前記受容熱量が前記活性判定値に達したか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の排気ガスセンサの制御装置。
  3. 前記排気ガスセンサは、センサ素子を加熱するヒータを備え、
    前記センサ素子の活性が要求される環境下で、前記ヒータを駆動するヒータ駆動手段を備え、
    前記活性熱量推定手段は、前記活性受容熱量を、前記ヒータに通電された活性通電時間に基づいて推定し、
    前記活性判定値設定手段は、前記活性通電時間に基づいて活性判定値を設定し、
    前記受容熱量推定手段は、前記ヒータに通電したヒータ通電時間に基づいて前記受容熱量を推定し、
    前記熱量判定手段は、前記ヒータ通電時間が、前記活性通電時間に達したか否かに基づいて、前記受容熱量が前記活性判定値に達したか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の排気ガスセンサの制御装置。
  4. 公差内に収まる全ての排気ガスセンサにつき、前記センサ素子を少なくとも前記活性温度にまで加熱できる受容熱量を判定する最大判定値を記憶する最大判定値記憶手段を備え、
    前記活性判定値設定手段は、前記活性判定値を、前記最大判定値に応じて修正する判定値修正手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の排気ガスセンサの制御装置。
  5. 前記活性判定値設定手段は、
    前記活性判定値が前記最大判定値より小さいか否かを判定する判定値判定手段を備え、
    前記判定値修正手段は、前記活性判定値が前記最大判定値以上であると判定された場合に、前記活性判定値を、前記最大判定値に修正することを特徴とする請求項4に記載の排気ガスセンサの制御装置。
  6. 前記内燃機関の始動時における前記センサ素子の温度を推定するパラメータを検出するパラメータ検出手段を備え、
    前記最大判定値記憶手段は、前記最大判定値を、前記パラメータに応じた関数として記憶し、
    前記活性判定値設定手段は、
    前記活性判定値が前記最大判定値より小さいと判定された場合に、前記活性判定値を設定した際の前記パラメータにおける前記最大判定値に対する、前記活性判定値の割合を求める割合算出手段と、
    前記最大判定値の関数に、前記割合をかけた値を、前記パラメータに応じた活性判定値の関数として設定する活性判定値関数設定手段と、を備え、
    前記熱量判定手段は、前記活性判定値の関数から、判定時におけるパラメータに応じた値を、判定における活性判定値として決定することを特徴とする請求項5に記載の排気ガスセンサの制御装置。
  7. 前記内燃機関の始動時における前記センサ素子の温度を推定するパラメータを検出するパラメータ検出手段を備え、
    前記最大判定値記憶手段は、前記最大判定値を、前記パラメータに応じた関数として記憶し、
    前記活性判定値設定手段は、
    前記活性判定値が前記最大判定値より小さいと判定された場合に、前記活性判定値を測定した際の前記パラメータにおける前記最大判定値と、前記活性判定値との差を求める判定値差算出手段と、
    前記最大判定値の関数から、前記差を引いた値を、前記パラ−メータに応じた活性判定値の関数として設定する活性判定値関数設定手段と、を備え、
    前記熱量判定手段は、前記活性判定値の関数から、判定時におけるパラメータに応じた値を、判定における活性判定値として決定することを特徴とする請求項5に記載の排気ガスセンサの制御装置。
  8. 前記内燃機関の始動時における前記センサ素子の温度を推定するパラメータを検出するパラメータ検出手段を備え、
    前記最大判定値記憶手段は、前記最大判定値を、前記パラメータに応じた関数として記憶し、
    前記活性判定値設定手段は、
    前記最大判定値の関数の値が、前記活性判定値より小さくなるパラメータの第1範囲と、前記最大判定値の関数の値が、前記活性判定値以上となるパラメータの第2範囲とを算出する範囲算出手段と、
    前記第1範囲においては、活性判定値の関数を前記活性判定値に設定し、前記第2範囲においては、活性判定値の関数を、前記最大判定値の関数に設定する活性判定値関数設定手段と、を備え、
    前記熱量判定手段は、前記活性判定値の関数から、判定時におけるパラメータに応じた値を、判定における活性判定値として決定することを特徴とする請求項5に記載の排気ガスセンサの制御装置。
  9. 前記活性判定値設定手段により前記活性判定値が設定された際に、前記活性判定値が設定されたことを示すフラグをONとする設定完了フラグ設定手段と、
    前記内燃機関のバッテリクリアが行われた際に、前記フラグをOFFにする設定フラグOFF手段と、
    を備え、
    前記活性判定値設定手段は、前記活性判定フラグがOFFである場合に、前記活性判定値の設定を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の排気ガスセンサの制御装置。
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