JP2007009034A - グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法 - Google Patents

グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007009034A
JP2007009034A JP2005190707A JP2005190707A JP2007009034A JP 2007009034 A JP2007009034 A JP 2007009034A JP 2005190707 A JP2005190707 A JP 2005190707A JP 2005190707 A JP2005190707 A JP 2005190707A JP 2007009034 A JP2007009034 A JP 2007009034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
water
group
reaction
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005190707A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4810899B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Hayashi
由浩 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP2005190707A priority Critical patent/JP4810899B2/ja
Publication of JP2007009034A publication Critical patent/JP2007009034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4810899B2 publication Critical patent/JP4810899B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Abstract

【課題】脱ケタール化反応を効率良く行え、且つ濾過性の改善されたグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体(2)の製造方法を提供する。
【解決手段】式(1)の酸加水分解で式(2)を製造。酸添加し水分調整、不活性ガスを吹き込みながら生成ケトンと水を留出、水分、酸価調整して脱水、吸着処理後濾別する。
Figure 2007009034

【選択図】なし

Description

本発明はグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法に関し、さらに詳しくは、脱ケタール化反応を効率良く行え、且つ濾過性の改善されたグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法に関する。
ポリアルキレングリコール誘導体はその特性から潤滑油、発酵工業、医薬品原料、化粧品原料、合成樹脂原料など多くの分野で広く使用されている。その中でもグリセリンを原料に用い、1個の末端がアルキルまたはアルケニルエーテル基で置換されたポリオキシアルキレン鎖と、2個の水酸基を有するグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体は特に合成樹脂改質材料として有用である。
例えばグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体をポリウレタン及びポリエステル樹脂の改質材料として使用した場合、ポリウレタン及びポリエステル樹脂の側鎖にポリオキシアルキレン鎖を導入することができ、従来のポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールを代表とする両末端に水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体を用いた場合とは異なる物性を有するポリウレタン及びポリエステル樹脂が得られる。
グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体は、一般的にグリセリンのケタール化反応、アルキレンオキシド付加反応、アルキルまたはアルケニルエーテル化反応、脱ケタール化反応、脱水、濾過の各工程を経て合成することができる。このうち脱ケタール化反応工程以降の製造方法に関して、これまでに文献等により多くの製造方法が開示されている。例えば30重量%のリン酸でpHを4.0に調整して70℃で24時間撹拌した後、50重量%水酸化ナトリウムで反応混合物のpHを6.5にし、生成したケトンを水とともに80℃、100mmHg以下で1時間かけて留出後析出した塩を濾別する方法や、10重量%塩酸を用いて混合物のpHを1.0に調整して60℃で1時間撹拌し、50重量%水酸化ナトリウムでpHを6.5に調整し、100℃、100mmHg以下、1時間脱水し、析出した塩を濾別する方法(例えば特許文献1)が知られている。
しかし、脱ケタール化反応において、上述のような加水分解処理終了後にアルカリ中和剤でpHを中性に調整した後、生成したケトン及び水を留出する方法ではケタール基が完全に分解せず、その結果グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体としての純度が低下してしまう。さらに濾液の白濁や、濾紙の目詰まりにより著しく濾過性を低下させる問題があった。
このため、脱ケタール化反応を効率良く行い、且つ高純度で濾過性の改善されたグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体を得る製造方法が求められていた。
特開昭64−13046号公報
本発明は、脱ケタール化反応を効率良く行え、且つ高純度で濾過性の改善されたグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の条件で脱ケタール化反応を行うことにより、ケタール化反応が効率良く行え、ケタール基がほぼ完全に分解され、且つ濾過性の改善されたグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体を得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、式(1)で表される化合物を酸加水分解により式(2)で表されるグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体を得る工程において、下記に示された(A)〜(C)の操作を行うことを特徴とする式(2)で示されるグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法である。
(A)式(1)で表される化合物100重量部に対し燐酸またはp−トルエンスルホン酸を0.2〜3重量部添加し、水分を5〜20重量%に調整する、
(B)密閉系で撹拌しながら加水分解処理を行った後、不活性ガスを吹き込みながら生成ケトン及び水を留出させる、
(C)水分を5〜20重量%、酸価を1.0〜2.5KOHmg/gに調整して脱水し、吸着処理を行った後濾別する、
Figure 2007009034
(式中、R1、R2はそれぞれ炭素数1〜2のアルキル基、R3は炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは1〜150である。)
本発明の製造方法は、特定の条件を用いることにより、脱ケタール化反応を効率良く行うことができ、且つ濾過性の良好なグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体を得ることができる。本発明の製造方法により得られたグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体はケタールの残存が少ないので合成樹脂原料等各種用途に好適に使用することができる。
式(1)において、R1、R2はそれぞれ炭素数1〜2のアルキル基であり、メチル基もしくはエチル基である。R1、R2は同一でも異なっていても良い。式(1)及び式(2)において、R3は炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、イソステアリル基、ドコシル基などのアルキル基、アリル基、3−ブテニル基、メタリル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1,−ジメチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基、オレイル基などアルケニル基が挙げられ、好ましくはメチル基、アリル基であり、より好ましくはメチル基である。
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基等が挙げられ、好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜150であり、好ましくは6〜150、より好ましくは6〜100である。
式(1)で表される化合物は、公知の方法によって得ることができる。通常はグリセリンのケタール化、アルキレンオキシド付加反応、アルキルまたはアルケニルエーテル化反応の一連の工程を経て得られる中和された反応中間生成物である。
アルカリ触媒を用いてアルキルまたはアルケニルエーテル化反応を行った場合の液性はアルカリ性を呈するため、硫酸、塩酸、燐酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸などの酸を用いて公知の方法で中和を行うことができる。本発明の製造方法においては、pH5.0〜7.5の範囲に中和された式(1)で示された化合物を用いることが好ましい。pHが7.5を超えるとその後の脱ケタール化反応が不十分になる恐れがある。pHが5.0より低いとその後の工程に障害をきたす恐れがある。
脱ケタール化反応に用いる酸触媒は、燐酸またはp−トルエンスルホン酸を用いることができ、好ましくは燐酸である。その他の酸、例えば硫酸はpHが2.0以下となる強酸であり不安定なため好ましくなく、塩酸は生成ケトン及び水を留出する際に塩酸ガスが一緒に排出され反応効率が低下し、さらに配管の腐食を招く恐れがあり好ましくなく、酢酸ではケタール基を完全に分解する能力が劣るため好ましくない。燐酸は工業的に使用されている85%燐酸をそのまま添加してもよく、あるいは水で希釈した上で添加してもよい。p−トルエンスルホン酸は工業的に使用されている一水和物を用いることができ、そのまま添加してもよく、あるいは水で希釈して添加してもよい。酸触媒の添加量は式(1)で表される化合物100重量部に対して0.2〜3重量部、好ましくは0.3〜2重量部、さらに好ましくは0.4〜1.5重量部添加することが望ましい。0.2重量部に満たないとケタール基が完全に加水分解されない恐れがあり、3重量部を超えるとその後の逆中和により生成する中和塩の量が増え、濾過性が低下する恐れがある。酸触媒を0.2〜3重量部の範囲で添加された系のpHは原料物質の種類により若干異なるが、おおむね2.0〜3.7となる。
脱ケタール化に用いる酸触媒を添加後、反応系中の水分を5〜20重量%、好ましくは7〜18重量%、さらに好ましくは8〜15重量%となるように調整を行う。水分が5重量%に満たないとケタール基が完全に加水分解されない恐れがあり、20重量%を超えると水分の留出に時間を要し効率が低くなるため好ましくない。なお、式(1)で表される反応中間生成物はアルカリ触媒を用いてアルキルまたはアルケニルエーテル化反応を行い、水を添加し塩析により分層させてアルカリ触媒の除去を行っている場合には水分が含まれるので、水分が5重量%に満たない場合は5〜20重量%となるように水を添加して調整し、5〜20重量%の範囲内であれば新たに水を添加する必要性は無く、20重量%を超える場合は脱水により調整を行う。
脱ケタール化反応は、密閉系で撹拌しながら加水分解処理を行う。反応温度は60〜150℃、好ましくは70〜100℃の温度で行うことが望ましい。反応温度が60℃に満たないとケタール基が完全に加水分解しない恐れがあり、150℃を超えるとグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体が熱分解する恐れがあるため好ましくない。また、昇温中の段階で不活性ガスを吹き込み、生成ケトン及び水を留出させてしまうと反応温度に到達するまでに時間がかかり、さらに水が大量に留出してしまいケタール基が完全に分解できなくなる恐れがある。所定の反応温度に到達後処理時間は4時間以内で行うことが望ましい。処理時間が所定の反応温度に到達後4時間を超えると効率が低くなる。反応終了後、不活性ガスを吹き込みながら生成ケトン及び水を留出させる。不活性ガスはチッソ、ヘリウム、ネオン、アルゴン等を用いることができ、生成ケトン及び水の留出が終了するまで行う。生成ケトン及び水を留出させずに中和を行うと平衡反応のためケタール基が完全に加水分解されない恐れがあり好ましくない。
生成ケトン及び水の留出が終了後、アルカリを添加して酸価を調整し、且つ水分量を調整する。酸価は1〜2.5KOHmg/g、好ましくは1.2〜2.2KOHmg/gの間に調整するのが望ましい、酸価が1より小さい場合には濾液が白濁し濾過性が低下する恐れがあり、2.5を超える場合には最終製品中に酸が残存する恐れがある。添加するアルカリは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、炭酸ナトリウム等のアルカリが挙げられ、そのままアルカリを添加する以外に水溶液として添加することもできる。また、水分は5〜20重量%、好ましくは8〜15重量%の間に調整するのが望ましい。水分が5重量%より少ない場合には塩の結晶が微細化して濾液の白濁や濾過性の低下を招く恐れがあり、20重量%を超える場合には水分の留出に時間を要し効率が低くなるため好ましくない。
酸価及び水分の調整が終了後脱水を行う。脱水は不活性ガスを吹き込みながら常圧で脱水する方法や、減圧条件下で脱水する方法など、公知の方法を用いることができるが、脱水温度60〜130℃、好ましくは70〜120℃の間で不活性ガスを吹き込みながら1〜10時間、好ましくは2〜8時間水を留出させて塩を結晶化し、水の留出後は系内を減圧にして引き続き不活性ガスを吹き込みながら30分〜5時間、好ましくは1〜3時間脱水を行うのがより好ましい。また、脱水中は攪拌羽根を用いて混合しながら行っても良い。
脱水工程終了後は吸着剤を添加して吸着処理を行う。吸着処理は不活性ガスを吹き込みながら常圧で処理する方法や、加圧あるいは減圧条件下で処理する方法など、公知の方法を用いて行うことができるが、処理する際の温度は60〜110℃、好ましくは70〜100℃で不活性ガスを吹き込みながら20分〜3時間、好ましくは30分〜2時間吸着処理を行うのがより好ましい。また、吸着処理中は攪拌羽根を用いて混合しながら行っても良い。吸着剤としては例えば活性白土、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリガゲル、マグネシアなどを含むものが挙げられ、中でもMg、Ca、Baの酸化物あるいは水酸化物を含有するものが好ましい。Mg、Ca、Baの酸化物あるいは水酸化物としては具体的には酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。これらの化合物を含有する市販の吸着剤としては、キョーワード100(MgO)、キョーワード300(2.5MgO・Al・xHO)、キョーワード500(MgAl(OH)16CO・4HO)、キョーワード1000(Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO)、キョーワード2000(Mg0.7Al0.31.15)(協和化学工業(株)製)、トミックスAD100(MgO)、トミックスAD300(MgO・Al・2SiO・xHO)、トミックスAD500(6MgO・Al・CO・xHO)、トミックスAD600(MgO・3SiO・xHO)、トミックスAD800(CaO・SiO・xHO)(冨田製薬(株)製)などを例示することができる。Mg、Ca、Baの酸化物あるいは水酸化物を含有する吸着剤としては、Mg、Ca、Baの酸化物あるいは水酸化物を10〜100%、好ましくは20〜100%含有する吸着剤を使用することがより好ましい。
吸着剤の添加量は好ましくは0.2〜2重量%、さらに好ましくは0.3〜1重量%添加するのが好ましい。添加量が0.2重量%より少ないと酸が残存する恐れがあり、2重量%を超える量を添加しても酸吸着能は向上しない上に濾過効率が低下する恐れがある。吸着処理後は濾過を行い、塩及び吸着剤を濾別して目的であるグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体を得る。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、得られた化合物の分析は下記に示す方法で行った。
水酸基価 JIS K−1557 6.4
動粘度 JIS K−2283
製造例1(分子量600のケタール基含有グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の合成)
イソプロピリデングリセロール462.0g(3.5モル)、および水酸化ナトリウム1.6g(0.04モル)を5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら50℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力400mmHg)以下、窒素バブリング中で1時間アルコラート化処理を行った。次いで100℃まで昇温し、エチレンオキシド1750g(39.8モル)を計量槽に計り取り、125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを8時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。反応物の一部を抜き取り、中和、脱水及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は97.6KOHmg/g、動粘度(40℃)は48.4mm2/sであった。
50℃以下まで冷却後、水酸化カリウム471g(8.4モル)を仕込み、系中を窒素で置換した後−0.097MPa(ゲージ圧力)以下とし、85℃まで昇温後メチルクロリド212g(4.2モル)を仕込み、さらに125℃まで昇温し4時間メチルエーテル化反応を行った。終了後85℃まで降温し、未反応のメチルクロリドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。次に水1410gを加えて15分間撹拌後1時間静置させて分層した水層の除去を行い、希塩酸で中和しpHを6.6に調整した。得られた反応物の水分を測定したところ、10.6重量%であった。並行して未中和の反応物の一部をとり、脱水、吸着処理及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は3.3KOHmg/g、動粘度(40℃)は27.3mm2/sであった。
本発明例1
製造例1で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸1.5g(添加量0.5重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.6、水分は10.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後2時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.3KOHmg/g、水分が15.1重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で3時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を1.0g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(3)に示す化合物180gを得た。得られた化合物の水酸基価は185KOHmg/g、動粘度(40℃)は61.5mm2/sであった。また、サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。
ケタール基が切断されているかどうかの判断は、水酸基価または13C−NMR分析を行い化学シフト値がケタール基由来の27ppm及び109ppmのシグナルの有無により判断を行った。13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
Figure 2007009034
本発明例2
製造例1で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物1.3g(添加量0.5重量部)を添加した。酸添加後のpHは3.0、水分は10.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後3時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.2KOHmg/g、水分が15.5重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で4時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード1000(協和化学工業(株)製)を1.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(3)に示す化合物178gを得た。得られた化合物の水酸基価は183KOHmg/g、動粘度(40℃)は61.7mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
比較例1
製造例1で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85%燐酸0.3g(添加量0.1重量部)を添加した。酸添加後のpHは4.0、水分は10.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後3時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.5KOHmg/g、水分が14.0重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で3時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を1.0g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(3)に示す化合物183gを得た。得られた化合物の水酸基価は131KOHmg/g、動粘度(40℃)は50.3mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
比較例2
製造例1で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸1.5g(添加量0.5重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.6、水分は10.6重量%であった。窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出しながら80℃まで昇温した。80℃到達後2時間継続して脱ケタール化反応を行った。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.3KOHmg/g、水分が14.7重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で3時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード500(協和化学工業(株)製)を2.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(3)に示す化合物189gを得た。得られた化合物の水酸基価は75.3KOHmg/g、動粘度(40℃)は36.3mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
比較例3
製造例1で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸0.3g(添加量0.1重量部)を添加した。酸添加後のpHは4.0、水分は10.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後2時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を0.0KOHmg/g、水分を11.6重量%に調整し、80℃、3時間で窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード500(協和化学工業(株)製)を0.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(3)に示す化合物176gを得た。得られた化合物の水酸基価は113KOHmg/g、動粘度(40℃)は45.7mm2/sであった。サンプルの外観は白濁で、目詰まりが発生し濾過性が低下した。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
製造例2(分子量約2000のケタール基含有グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の合成)
イソプロピリデングリセロール171.6g(1.3モル)、および水酸化カリウム1.7g(0.03モル)を5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら50℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間アルコラート化処理を行った。次いで100℃まで昇温し、エチレンオキシド2600g(59.1モル)を計量槽に計り取り、125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを12時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に75〜85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。反応物の一部を抜き取り、中和、脱水及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は28.2KOHmg/g、動粘度(100℃)は45.5mm2/sであった。
50℃以下まで冷却後、水酸化カリウム350g(6.2モル)を仕込み、系中を窒素で置換した後−0.097MPa(ゲージ圧力)以下とし、85℃まで昇温後メチルクロリド101g(2.0モル)を仕込み、さらに125℃まで昇温し4時間メチルエーテル化反応を行った。終了後85℃まで降温し、未反応のメチルクロリドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。次に水1400gを加えて15分間撹拌後1時間静置させて分層した水層の除去を行い、希塩酸で中和しpHを6.8に調整した。得られた反応物の水分を測定したところ、10.3重量%であった。並行して未中和の反応物の一部をとり、脱水、吸着処理及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は0.7KOHmg/g、動粘度(100℃)は40.1mm2/sであった。
本発明例3
製造例2で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸3.0g(添加量1.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.3、水分は10.4重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後3時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.7KOHmg/g、水分が13.2重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で4時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を2.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(4)に示す化合物211gを得た。得られた化合物の水酸基価は50.0KOHmg/g、動粘度(100℃)は46.6mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
Figure 2007009034
比較例4
製造例2で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、90重量%酢酸2.8g(添加量1.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは4.4、水分は10.3重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後1時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.1KOHmg/g、水分が16.1重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で4時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード1000(協和化学工業(株)製)を1.3g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(4)に示す化合物215gを得た。得られた化合物の水酸基価は5.6KOHmg/g、動粘度(100℃)は40.8mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
製造例3(分子量約580のケタール基含有グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の合成)
イソプロピリデングリセロール528g(4.0モル)、およびナトリウムメトキシド2.4g(0.04モル)を5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら50℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間アルコラート化処理を行った。次いで100℃まで昇温し、エチレンオキシド1760g(40.0モル)を計量槽に計り取り、125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを12時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。反応物の一部を抜き取り、中和、脱水及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は103KOHmg/g、動粘度(25℃)は42.9mm/sであった。
50℃以下まで冷却後、水酸化ナトリウム400g(10.0モル)を仕込み、系中を窒素で置換した後85℃まで昇温後アリルクロリド367.2g(4.8モル)を仕込み、さらに125℃まで昇温し3時間アリルエーテル化反応を行った。終了後85℃まで降温し、未反応のアリルクロリドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。次に水1600gを加えて15分間撹拌後1時間静置させて分層した水層の除去を行い、希塩酸で中和しpHを6.5に調整した。得られた反応物の水分を測定したところ、13.6重量%であった。並行して未中和の反応物の一部をとり、脱水、吸着処理及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は2.2KOHmg/g、動粘度(25℃)は42.8mm2/sであった。
本発明例4
製造例3で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸0.6g(添加量0.2重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.9、水分は13.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後1時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.4KOHmg/g、水分が14.3重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で3時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を1.3g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(5)に示す化合物182gを得た。得られた化合物の水酸基価は191KOHmg/g、動粘度(25℃)は115.3mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
Figure 2007009034
比較例5
製造例3で得られた反応物を脱水により水分を4.0重量%に調整されたポリエーテル250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸1.5g(添加量0.5重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.5、水分は4.1重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後2時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を2.0KOHmg/g、水分が16.1重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で4時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を2.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(5)に示す化合物186gを得た。得られた化合物の水酸基価は153KOHmg/g、動粘度(25℃)は98.4mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
製造例4(分子量約3000のケタール基含有グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の合成)
イソプロピリデングリセロール99g(0.75モル)、およびナトリウムメトキシド2.5g(0.046モル)を5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら100℃まで昇温し、エチレンオキシド2389g(54.3モル)を計量槽に計り取り、125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを13時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。反応物の一部を抜き取り、中和、脱水及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は20.0KOHmg/g、動粘度(100℃)は79.0mm2/sであった。
50℃以下まで冷却後、水酸化カリウム247g(4.4モル)を仕込み、系中を窒素で置換した後−0.097MPa(ゲージ圧力)以下とし、85℃まで昇温後メチルクロリド66g(1.3モル)を仕込み、さらに125℃まで昇温し4時間メチルエーテル化反応を行った。終了後85℃まで降温し、未反応のメチルクロリドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。次に水1000gを加えて15分間撹拌後1時間静置させて分層した水層の除去を行い、希塩酸で中和しpHを6.5に調整した。得られた反応物の水分を測定したところ、11.5重量%であった。並行して未中和の反応物の一部をとり、脱水、吸着処理及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は0.7KOHmg/g、動粘度(100℃)は71.5mm2/sであった。
本発明例5
製造例4で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸8.8g(添加量3.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.1、水分は11.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後2時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を2.5KOHmg/g、水分が15.8重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で4時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード1000(協和化学工業(株)製)を3.8g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(6)に示す化合物207gを得た。得られた化合物の水酸基価は34.6KOHmg/g、動粘度(100℃)は81.2mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
Figure 2007009034
比較例6
製造例4で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸3.0g(添加量1.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.3、水分は11.5重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後4時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を0.0KOHmg/g、水分を12.6重量%に調整し、80℃、4時間で窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード500(協和化学工業(株)製)を0.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(6)に示す化合物191gを得た。得られた化合物の水酸基価は24.6KOHmg/g、動粘度(100℃)は78.3mm2/sであった。サンプルの外観は白濁で、目詰まりが発生し濾過性が低下した。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
比較例7
製造例2で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸3.0g(添加量1.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.3、水分は10.4重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後3時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.5KOHmg/g、水分が4.3重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で2時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード1000(協和化学工業(株)製)を0.8g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(4)に示す化合物192gを得た。得られた化合物の水酸基価は50.2KOHmg/g、動粘度(100℃)は46.7mm2/sであった。サンプルの外観は白濁で、目詰まりが発生し濾過性が低下した。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
比較例8
製造例2で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸3.0g(添加量1.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.3、水分は10.4重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後3時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を0.7KOHmg/g、水分が10重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で3時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を1.3g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(4)に示す化合物190gを得た。得られた化合物の水酸基価は50.1KOHmg/g、動粘度(100℃)は46.5mm2/sであった。サンプルの外観は白濁で、目詰まりが発生し濾過性が低下した。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
結果を表1に示す。表の結果より、本発明の製造方法は簡便な方法で高純度のグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体が得られることが分かる。このことから、本発明の製造方法により得られたグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体は、合成樹脂原料等の各種用途に好適に使用することができることが判明した。これに対し、酸添加量が少ない場合(比較例1、比較例3)、燐酸及びp−トルエンスルホン酸以外の酸を使用した場合(比較例4)、水分の少ない場合(比較例5)、アセトン及び水の留出方法と中和の順番が本発明例と異なる場合(比較例2、比較例3、比較例6)はいずれもケタール基が残存しており、純度が低下しているのが分かる。また、脱水前の酸価及び水分の一方が低い数値の場合には外観が白濁するのが分かる(比較例7〜8)。
Figure 2007009034
1)PTS酸:p−トルエンスルホン酸一水和物
2)脱ケタール化方法
A法:密閉系で脱ケタール化→窒素バブリングによりアセトン及び水を留出→中和
B法:窒素バブリングによりアセトン及び水を留出しながら脱ケタール化→中和
C法:密閉系で脱ケタール化→中和→窒素バブリングによりアセトン及び水を留出

Claims (1)

  1. 式(1)で表される化合物を酸加水分解により式(2)で表されるグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体を得る工程において、下記に示された(A)〜(C)の操作を行うことを特徴とする式(2)で示されるグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法。
    (A)式(1)で表される化合物100重量部に対し燐酸またはp−トルエンスルホン酸を0.2〜3重量部添加し、水分を5〜20重量%に調整する、
    (B)密閉系で撹拌しながら加水分解処理を行った後、不活性ガスを吹き込みながら生成ケトン及び水を留出させる、
    (C)水分を5〜20重量%、酸価を1.0〜2.5KOHmg/gに調整して脱水し、吸着処理を行った後濾別する、

    Figure 2007009034
    (式中、R1、R2はそれぞれ炭素数1〜2のアルキル基、R3は炭素数1〜24のアルキル基またはアルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは1〜150である。)
JP2005190707A 2005-06-29 2005-06-29 グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法 Active JP4810899B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005190707A JP4810899B2 (ja) 2005-06-29 2005-06-29 グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005190707A JP4810899B2 (ja) 2005-06-29 2005-06-29 グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007009034A true JP2007009034A (ja) 2007-01-18
JP4810899B2 JP4810899B2 (ja) 2011-11-09

Family

ID=37747944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005190707A Active JP4810899B2 (ja) 2005-06-29 2005-06-29 グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4810899B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009143816A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JP2009280652A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Nof Corp ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物
JP2010155917A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Nof Corp ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテル誘導体の製造方法
CN111574703A (zh) * 2020-04-21 2020-08-25 杭州三隆新材料有限公司 一种高生产效率的聚四亚甲基醚二醇制备方法
WO2023201805A1 (zh) * 2022-04-22 2023-10-26 天津凯莱英制药有限公司 聚乙二醇-甘油衍生物及其中间体各自的制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6413046A (en) * 1987-07-06 1989-01-17 Nippon Oils & Fats Co Ltd Polyoxyalkylene derivative and modifying agent composed thereof
JPH09124532A (ja) * 1995-11-06 1997-05-13 Lion Corp グリセリルエーテルの製造方法
JP2005187419A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Nof Corp グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6413046A (en) * 1987-07-06 1989-01-17 Nippon Oils & Fats Co Ltd Polyoxyalkylene derivative and modifying agent composed thereof
JPH09124532A (ja) * 1995-11-06 1997-05-13 Lion Corp グリセリルエーテルの製造方法
JP2005187419A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Nof Corp グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009143816A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JP2009280652A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Nof Corp ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物
JP2010155917A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Nof Corp ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテル誘導体の製造方法
CN111574703A (zh) * 2020-04-21 2020-08-25 杭州三隆新材料有限公司 一种高生产效率的聚四亚甲基醚二醇制备方法
CN111574703B (zh) * 2020-04-21 2022-04-12 杭州三隆新材料有限公司 一种高生产效率的聚四亚甲基醚二醇制备方法
WO2023201805A1 (zh) * 2022-04-22 2023-10-26 天津凯莱英制药有限公司 聚乙二醇-甘油衍生物及其中间体各自的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4810899B2 (ja) 2011-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW506963B (en) Process for the purification of 1,3-propanediol
JP4810899B2 (ja) グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法
US8524937B2 (en) Process for preparing polyol esters
WO2006025226A1 (ja) ポリグリセリンモノエーテル及びその製造方法
JP2011080062A (ja) ポリオールエステルの製造方法
JP2001114729A (ja) エステル可塑剤の製造方法
JP5136849B2 (ja) ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物
JP2011032398A (ja) ノニオン界面活性剤の製造方法
JP4474919B2 (ja) グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法
JP2007204701A (ja) アルケニル基含有ポリオキシアルキレン誘導体及びその製造方法
CN102267903B (zh) (甲基)丙烯酸羟烷基酯的制造方法
JP5172627B2 (ja) ポリオキシアルキレン付加物の製造方法
JP5105668B2 (ja) アルコールアルコキシレート化合物およびその組成物
CN110713439A (zh) 一种环己烷-1,2-二甲酸酯类环保增塑剂的制备方法
JPH0525865B2 (ja)
JP4853601B2 (ja) グリセリン誘導体の製造方法
EP2281796A1 (en) Method for producing polyoxyalkylene alkyl ether
JP3845180B2 (ja) 脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの製造方法、及び該製造方法に用いる複合金属酸化物触媒
JP5288153B2 (ja) 糖アルコール誘導体およびアルケニル基含有糖アルコール誘導体の製造方法
JP5089899B2 (ja) ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル組成物
US20040220353A1 (en) Process for preparation of polyether polyols
KR20090009437A (ko) 고분자 수지용 글리세린계 에스테르 조성물 및 그의 제조방법
JP2006188611A (ja) アルキレンオキシド付加組成物
JP4957001B2 (ja) 末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体の製造方法
JP2003292607A (ja) ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110726

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4810899

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250