JP2007009034A - グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えばグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体をポリウレタン及びポリエステル樹脂の改質材料として使用した場合、ポリウレタン及びポリエステル樹脂の側鎖にポリオキシアルキレン鎖を導入することができ、従来のポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールを代表とする両末端に水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体を用いた場合とは異なる物性を有するポリウレタン及びポリエステル樹脂が得られる。
グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体は、一般的にグリセリンのケタール化反応、アルキレンオキシド付加反応、アルキルまたはアルケニルエーテル化反応、脱ケタール化反応、脱水、濾過の各工程を経て合成することができる。このうち脱ケタール化反応工程以降の製造方法に関して、これまでに文献等により多くの製造方法が開示されている。例えば30重量%のリン酸でpHを4.0に調整して70℃で24時間撹拌した後、50重量%水酸化ナトリウムで反応混合物のpHを6.5にし、生成したケトンを水とともに80℃、100mmHg以下で1時間かけて留出後析出した塩を濾別する方法や、10重量%塩酸を用いて混合物のpHを1.0に調整して60℃で1時間撹拌し、50重量%水酸化ナトリウムでpHを6.5に調整し、100℃、100mmHg以下、1時間脱水し、析出した塩を濾別する方法(例えば特許文献1)が知られている。
このため、脱ケタール化反応を効率良く行い、且つ高純度で濾過性の改善されたグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体を得る製造方法が求められていた。
すなわち、本発明は、式(1)で表される化合物を酸加水分解により式(2)で表されるグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体を得る工程において、下記に示された(A)〜(C)の操作を行うことを特徴とする式(2)で示されるグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法である。
(A)式(1)で表される化合物100重量部に対し燐酸またはp−トルエンスルホン酸を0.2〜3重量部添加し、水分を5〜20重量%に調整する、
(B)密閉系で撹拌しながら加水分解処理を行った後、不活性ガスを吹き込みながら生成ケトン及び水を留出させる、
(C)水分を5〜20重量%、酸価を1.0〜2.5KOHmg/gに調整して脱水し、吸着処理を行った後濾別する、
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基等が挙げられ、好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜150であり、好ましくは6〜150、より好ましくは6〜100である。
アルカリ触媒を用いてアルキルまたはアルケニルエーテル化反応を行った場合の液性はアルカリ性を呈するため、硫酸、塩酸、燐酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸などの酸を用いて公知の方法で中和を行うことができる。本発明の製造方法においては、pH5.0〜7.5の範囲に中和された式(1)で示された化合物を用いることが好ましい。pHが7.5を超えるとその後の脱ケタール化反応が不十分になる恐れがある。pHが5.0より低いとその後の工程に障害をきたす恐れがある。
生成ケトン及び水の留出が終了後、アルカリを添加して酸価を調整し、且つ水分量を調整する。酸価は1〜2.5KOHmg/g、好ましくは1.2〜2.2KOHmg/gの間に調整するのが望ましい、酸価が1より小さい場合には濾液が白濁し濾過性が低下する恐れがあり、2.5を超える場合には最終製品中に酸が残存する恐れがある。添加するアルカリは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、炭酸ナトリウム等のアルカリが挙げられ、そのままアルカリを添加する以外に水溶液として添加することもできる。また、水分は5〜20重量%、好ましくは8〜15重量%の間に調整するのが望ましい。水分が5重量%より少ない場合には塩の結晶が微細化して濾液の白濁や濾過性の低下を招く恐れがあり、20重量%を超える場合には水分の留出に時間を要し効率が低くなるため好ましくない。
酸価及び水分の調整が終了後脱水を行う。脱水は不活性ガスを吹き込みながら常圧で脱水する方法や、減圧条件下で脱水する方法など、公知の方法を用いることができるが、脱水温度60〜130℃、好ましくは70〜120℃の間で不活性ガスを吹き込みながら1〜10時間、好ましくは2〜8時間水を留出させて塩を結晶化し、水の留出後は系内を減圧にして引き続き不活性ガスを吹き込みながら30分〜5時間、好ましくは1〜3時間脱水を行うのがより好ましい。また、脱水中は攪拌羽根を用いて混合しながら行っても良い。
脱水工程終了後は吸着剤を添加して吸着処理を行う。吸着処理は不活性ガスを吹き込みながら常圧で処理する方法や、加圧あるいは減圧条件下で処理する方法など、公知の方法を用いて行うことができるが、処理する際の温度は60〜110℃、好ましくは70〜100℃で不活性ガスを吹き込みながら20分〜3時間、好ましくは30分〜2時間吸着処理を行うのがより好ましい。また、吸着処理中は攪拌羽根を用いて混合しながら行っても良い。吸着剤としては例えば活性白土、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリガゲル、マグネシアなどを含むものが挙げられ、中でもMg、Ca、Baの酸化物あるいは水酸化物を含有するものが好ましい。Mg、Ca、Baの酸化物あるいは水酸化物としては具体的には酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。これらの化合物を含有する市販の吸着剤としては、キョーワード100(MgO)、キョーワード300(2.5MgO・Al2O3・xH2O)、キョーワード500(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)、キョーワード1000(Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O)、キョーワード2000(Mg0.7Al0.3O1.15)(協和化学工業(株)製)、トミックスAD100(MgO)、トミックスAD300(MgO・Al2O3・2SiO2・xH2O)、トミックスAD500(6MgO・Al2O3・CO2・xH2O)、トミックスAD600(MgO・3SiO2・xH2O)、トミックスAD800(CaO・SiO2・xH2O)(冨田製薬(株)製)などを例示することができる。Mg、Ca、Baの酸化物あるいは水酸化物を含有する吸着剤としては、Mg、Ca、Baの酸化物あるいは水酸化物を10〜100%、好ましくは20〜100%含有する吸着剤を使用することがより好ましい。
吸着剤の添加量は好ましくは0.2〜2重量%、さらに好ましくは0.3〜1重量%添加するのが好ましい。添加量が0.2重量%より少ないと酸が残存する恐れがあり、2重量%を超える量を添加しても酸吸着能は向上しない上に濾過効率が低下する恐れがある。吸着処理後は濾過を行い、塩及び吸着剤を濾別して目的であるグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体を得る。
水酸基価 JIS K−1557 6.4
動粘度 JIS K−2283
イソプロピリデングリセロール462.0g(3.5モル)、および水酸化ナトリウム1.6g(0.04モル)を5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら50℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力400mmHg)以下、窒素バブリング中で1時間アルコラート化処理を行った。次いで100℃まで昇温し、エチレンオキシド1750g(39.8モル)を計量槽に計り取り、125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを8時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。反応物の一部を抜き取り、中和、脱水及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は97.6KOHmg/g、動粘度(40℃)は48.4mm2/sであった。
50℃以下まで冷却後、水酸化カリウム471g(8.4モル)を仕込み、系中を窒素で置換した後−0.097MPa(ゲージ圧力)以下とし、85℃まで昇温後メチルクロリド212g(4.2モル)を仕込み、さらに125℃まで昇温し4時間メチルエーテル化反応を行った。終了後85℃まで降温し、未反応のメチルクロリドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。次に水1410gを加えて15分間撹拌後1時間静置させて分層した水層の除去を行い、希塩酸で中和しpHを6.6に調整した。得られた反応物の水分を測定したところ、10.6重量%であった。並行して未中和の反応物の一部をとり、脱水、吸着処理及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は3.3KOHmg/g、動粘度(40℃)は27.3mm2/sであった。
製造例1で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸1.5g(添加量0.5重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.6、水分は10.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後2時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.3KOHmg/g、水分が15.1重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で3時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を1.0g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(3)に示す化合物180gを得た。得られた化合物の水酸基価は185KOHmg/g、動粘度(40℃)は61.5mm2/sであった。また、サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。
製造例1で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物1.3g(添加量0.5重量部)を添加した。酸添加後のpHは3.0、水分は10.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後3時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.2KOHmg/g、水分が15.5重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で4時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード1000(協和化学工業(株)製)を1.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(3)に示す化合物178gを得た。得られた化合物の水酸基価は183KOHmg/g、動粘度(40℃)は61.7mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
製造例1で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85%燐酸0.3g(添加量0.1重量部)を添加した。酸添加後のpHは4.0、水分は10.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後3時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.5KOHmg/g、水分が14.0重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で3時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を1.0g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(3)に示す化合物183gを得た。得られた化合物の水酸基価は131KOHmg/g、動粘度(40℃)は50.3mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
製造例1で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸1.5g(添加量0.5重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.6、水分は10.6重量%であった。窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出しながら80℃まで昇温した。80℃到達後2時間継続して脱ケタール化反応を行った。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.3KOHmg/g、水分が14.7重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で3時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード500(協和化学工業(株)製)を2.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(3)に示す化合物189gを得た。得られた化合物の水酸基価は75.3KOHmg/g、動粘度(40℃)は36.3mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
製造例1で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸0.3g(添加量0.1重量部)を添加した。酸添加後のpHは4.0、水分は10.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後2時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を0.0KOHmg/g、水分を11.6重量%に調整し、80℃、3時間で窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード500(協和化学工業(株)製)を0.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(3)に示す化合物176gを得た。得られた化合物の水酸基価は113KOHmg/g、動粘度(40℃)は45.7mm2/sであった。サンプルの外観は白濁で、目詰まりが発生し濾過性が低下した。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
イソプロピリデングリセロール171.6g(1.3モル)、および水酸化カリウム1.7g(0.03モル)を5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら50℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間アルコラート化処理を行った。次いで100℃まで昇温し、エチレンオキシド2600g(59.1モル)を計量槽に計り取り、125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを12時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に75〜85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。反応物の一部を抜き取り、中和、脱水及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は28.2KOHmg/g、動粘度(100℃)は45.5mm2/sであった。
50℃以下まで冷却後、水酸化カリウム350g(6.2モル)を仕込み、系中を窒素で置換した後−0.097MPa(ゲージ圧力)以下とし、85℃まで昇温後メチルクロリド101g(2.0モル)を仕込み、さらに125℃まで昇温し4時間メチルエーテル化反応を行った。終了後85℃まで降温し、未反応のメチルクロリドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。次に水1400gを加えて15分間撹拌後1時間静置させて分層した水層の除去を行い、希塩酸で中和しpHを6.8に調整した。得られた反応物の水分を測定したところ、10.3重量%であった。並行して未中和の反応物の一部をとり、脱水、吸着処理及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は0.7KOHmg/g、動粘度(100℃)は40.1mm2/sであった。
製造例2で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸3.0g(添加量1.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.3、水分は10.4重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後3時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.7KOHmg/g、水分が13.2重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で4時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を2.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(4)に示す化合物211gを得た。得られた化合物の水酸基価は50.0KOHmg/g、動粘度(100℃)は46.6mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
製造例2で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、90重量%酢酸2.8g(添加量1.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは4.4、水分は10.3重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後1時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.1KOHmg/g、水分が16.1重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で4時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード1000(協和化学工業(株)製)を1.3g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(4)に示す化合物215gを得た。得られた化合物の水酸基価は5.6KOHmg/g、動粘度(100℃)は40.8mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
イソプロピリデングリセロール528g(4.0モル)、およびナトリウムメトキシド2.4g(0.04モル)を5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら50℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間アルコラート化処理を行った。次いで100℃まで昇温し、エチレンオキシド1760g(40.0モル)を計量槽に計り取り、125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを12時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。反応物の一部を抜き取り、中和、脱水及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は103KOHmg/g、動粘度(25℃)は42.9mm2/sであった。
50℃以下まで冷却後、水酸化ナトリウム400g(10.0モル)を仕込み、系中を窒素で置換した後85℃まで昇温後アリルクロリド367.2g(4.8モル)を仕込み、さらに125℃まで昇温し3時間アリルエーテル化反応を行った。終了後85℃まで降温し、未反応のアリルクロリドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。次に水1600gを加えて15分間撹拌後1時間静置させて分層した水層の除去を行い、希塩酸で中和しpHを6.5に調整した。得られた反応物の水分を測定したところ、13.6重量%であった。並行して未中和の反応物の一部をとり、脱水、吸着処理及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は2.2KOHmg/g、動粘度(25℃)は42.8mm2/sであった。
製造例3で得られた反応物250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸0.6g(添加量0.2重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.9、水分は13.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後1時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.4KOHmg/g、水分が14.3重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で3時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を1.3g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(5)に示す化合物182gを得た。得られた化合物の水酸基価は191KOHmg/g、動粘度(25℃)は115.3mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
製造例3で得られた反応物を脱水により水分を4.0重量%に調整されたポリエーテル250gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸1.5g(添加量0.5重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.5、水分は4.1重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後2時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を2.0KOHmg/g、水分が16.1重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で4時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を2.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(5)に示す化合物186gを得た。得られた化合物の水酸基価は153KOHmg/g、動粘度(25℃)は98.4mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
イソプロピリデングリセロール99g(0.75モル)、およびナトリウムメトキシド2.5g(0.046モル)を5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら100℃まで昇温し、エチレンオキシド2389g(54.3モル)を計量槽に計り取り、125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを13時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。反応物の一部を抜き取り、中和、脱水及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は20.0KOHmg/g、動粘度(100℃)は79.0mm2/sであった。
50℃以下まで冷却後、水酸化カリウム247g(4.4モル)を仕込み、系中を窒素で置換した後−0.097MPa(ゲージ圧力)以下とし、85℃まで昇温後メチルクロリド66g(1.3モル)を仕込み、さらに125℃まで昇温し4時間メチルエーテル化反応を行った。終了後85℃まで降温し、未反応のメチルクロリドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。次に水1000gを加えて15分間撹拌後1時間静置させて分層した水層の除去を行い、希塩酸で中和しpHを6.5に調整した。得られた反応物の水分を測定したところ、11.5重量%であった。並行して未中和の反応物の一部をとり、脱水、吸着処理及び濾過により精製サンプルを得、分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は0.7KOHmg/g、動粘度(100℃)は71.5mm2/sであった。
製造例4で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸8.8g(添加量3.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.1、水分は11.6重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後2時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を2.5KOHmg/g、水分が15.8重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で4時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード1000(協和化学工業(株)製)を3.8g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(6)に示す化合物207gを得た。得られた化合物の水酸基価は34.6KOHmg/g、動粘度(100℃)は81.2mm2/sであった。サンプルの外観は透明で、濾過性は目詰まりせず良好であった。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
製造例4で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸3.0g(添加量1.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.3、水分は11.5重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後4時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を0.0KOHmg/g、水分を12.6重量%に調整し、80℃、4時間で窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード500(協和化学工業(株)製)を0.5g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(6)に示す化合物191gを得た。得られた化合物の水酸基価は24.6KOHmg/g、動粘度(100℃)は78.3mm2/sであった。サンプルの外観は白濁で、目詰まりが発生し濾過性が低下した。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルが検出され、ケタール基が残存していた。
製造例2で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸3.0g(添加量1.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.3、水分は10.4重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後3時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を1.5KOHmg/g、水分が4.3重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で2時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード1000(協和化学工業(株)製)を0.8g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(4)に示す化合物192gを得た。得られた化合物の水酸基価は50.2KOHmg/g、動粘度(100℃)は46.7mm2/sであった。サンプルの外観は白濁で、目詰まりが発生し濾過性が低下した。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
製造例2で得られた反応物250gを溶解後撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ml四ツ口フラスコに仕込み、85重量%燐酸3.0g(添加量1.0重量部)を添加した。酸添加後のpHは2.3、水分は10.4重量%であった。密閉状態で80℃まで昇温し、80℃到達後3時間継続して脱ケタール化反応を行った。反応終了後窒素バブリングにより生成したアセトン及び水を系外に留出した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸価を0.7KOHmg/g、水分が10重量%となるように調整後、窒素を吹き込みながら90℃で3時間脱水し、水の留出が止まってから100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間水分の除去を行った。90℃迄冷却後、キョーワード300(協和化学工業(株)製)を1.3g添加し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで吸着処理を1時間実施した。濾過器にJIS P−3801に規定された5種A濾紙をセットし、濾紙上に濾過助剤としてオプライトW−3050(オプライト鉱業(株)製)を添加後、減圧濾過を行い式(4)に示す化合物190gを得た。得られた化合物の水酸基価は50.1KOHmg/g、動粘度(100℃)は46.5mm2/sであった。サンプルの外観は白濁で、目詰まりが発生し濾過性が低下した。また、13C−NMR分析の結果、ケタール基由来の化学シフト値27ppm及び109ppmのシグナルは検出されず、ケタール基がほぼ完全に分解された。
2)脱ケタール化方法
A法:密閉系で脱ケタール化→窒素バブリングによりアセトン及び水を留出→中和
B法:窒素バブリングによりアセトン及び水を留出しながら脱ケタール化→中和
C法:密閉系で脱ケタール化→中和→窒素バブリングによりアセトン及び水を留出
Claims (1)
- 式(1)で表される化合物を酸加水分解により式(2)で表されるグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体を得る工程において、下記に示された(A)〜(C)の操作を行うことを特徴とする式(2)で示されるグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法。
(A)式(1)で表される化合物100重量部に対し燐酸またはp−トルエンスルホン酸を0.2〜3重量部添加し、水分を5〜20重量%に調整する、
(B)密閉系で撹拌しながら加水分解処理を行った後、不活性ガスを吹き込みながら生成ケトン及び水を留出させる、
(C)水分を5〜20重量%、酸価を1.0〜2.5KOHmg/gに調整して脱水し、吸着処理を行った後濾別する、
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