JP4957001B2 - 末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体の製造方法 - Google Patents

末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は末端に二重結合を有するアルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体の製造方法に関する。
末端アルケニル基含有ポリエーテル化合物は数多く提案されており、これらは反応性の高い末端アルケニル基を有しているため、様々な官能基を導入できることから、工業的に有用な材料である。その中でもステロール化合物を有するアリル基含有ポリエーテル化合物は、ジメチルシロキサンなどのシリコーンと反応させてポリエーテル変性シリコーンとし、皮膚や毛髪への保湿性の付与をする目的で化粧品等に利用されている。
末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレン誘導体の製造方法として、末端水酸基を有するポリオキシアルキレン化合物にアルカリ金属化合物と末端アリル基含有ハロゲン化物を反応させてポリオキシアルキレン誘導体のアリルエーテル化合物を得る製造方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
しかし、この方法を用いてアリル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を製造しようとしても、アリルエーテル化率が90%以上の末端アリル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を得ることができない。
また、エーテル化工程における反応温度を上昇させることにより、アリルエーテル化反応率を上げることができると考えられるが、特に140℃以上で反応を行うとアリル基のプロペニル転位が起こることにより、アリルエーテル化率が90%以上の末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を得ることができない。
プロペニル基は酸性下で加水分解し、アルコールと強い臭気を有するプロピオンアルデヒドを生成することから、酸での中和を避けシリケート系吸着剤を用いて精製し、プロペニル基含有ポリオキシアルキレン誘導体を得る方法が開示されている(例えば、特許文献2)。
しかし、この方法を用いて90%以上のエーテル化率で末端水酸基がエーテル化されたアルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体が得られたとしても、プロペニル基に転位したものが生成物中に残存しており、目的とするアリル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体の純度が低いものしか得られない。
さらに、末端アルケニル基含有ステロール誘導体前駆体である末端水酸基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体の製造を行う際に、ステロール化合物の乾燥減量が十分に満足できるものでないと、目的の分子量のベースポリエーテルが得られないことに加え、目的とする末端アルケニル基含有ステロール誘導体の物性と著しく異なる化合物が生成してしまうことがあった。
特開平5−97996号公報 特開平5−176063号公報
従って本発明は、末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を、末端二重結合の内部転位を抑え、エーテル化率が90%以上の末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を得ることを目的とするものである。
すなわち本発明は、以下に示す製造方法である。
下記のA〜C工程により製造することを特徴とする式(1)で表される末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体の製造方法。
A.乾燥減量が0.5重量%未満のステロール化合物を活性水素を有しない溶媒に溶解させた後、アルキレンオキシドを付加させポリオキシアルキレンステロール誘導体を得る工程。
B.得られたポリオキシアルキレンステロール誘導体と末端アルケニル基含有ハロゲン化物をアルカリ金属化合物の存在下、ポリオキシアルキレンステロール誘導体100重量部に対して30〜200重量部の活性水素を有しない溶媒中でエーテル化反応を行い、エーテル化物を得る工程。
C.得られたエーテル化物を酸により中和した後、精製を行う工程。
O −(AO) − R (1)
(但し、ROはステロールの活性水素を除いた残基、Rは炭素数3〜5の末端アルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは3〜150でありオキシアルキレン基の平均付加モル数である。)
本発明の方法により、末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を、末端二重結合の内部転位を抑え、かつ、エーテル化率が90%以上の末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を得ることができる。
本発明の末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体の製造方法について、以下に詳細に説明する。
Oはステロール化合物の活性水素を除いた残基である。ステロール化合物としては、例えば、コレステロール、フィトステロール、エルゴステロール、ラノステロール等が挙げられる。フィトステロールは大豆、菜種、綿実、トウモロコシ、ヒマワリ等の植物性油中に含まれており、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール等の混合物である。これらの中でも、利用性及び生産性を考慮すると、フィトステロールおよびコレステロールが特に好ましい。ステロール化合物は天然物または合成体でもよく、1種または2種以上が任意の割合で混合されたものでもよい。
ステロール化合物の乾燥減量は、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.3重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下である。0.5重量%より大きいとポリオキシアルキレンステロール誘導体の製造時に副生成物の含有率が多くなり、得られた反応物の粘度低下あるいはエーテル化率低下の原因となる。
ステロール化合物の乾燥減量の0.5重量%以下のものを用いるためには、規定量以下の乾燥減量の市販品を用いても、減圧・加熱乾燥などを行い、規定量以下とした原料を用いても良い。
まず、アルキレンオキシドの付加工程前にステロール化合物を溶媒に溶解させる。
用いる溶媒としては、活性水素を有しないものであり、常圧での沸点が70℃以上、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下での沸点が100℃以下であればよい。常圧での沸点が70℃よりも低いと反応時の圧力が増大してしまい、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下での沸点が100℃よりも高いと製品中の溶媒残存量が高くなる。活性水素を有する溶媒を使用すると溶媒と反応が起こってしまうため好ましくない。活性水素を有しない溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、エチルベンゼンがより好ましい。溶媒は1種または2種以上の混合物でもよい。
活性水素を有しない溶媒の使用量は、ステロール化合物100重量部に対して好ましくは80〜200重量部、より好ましくは100〜180重量部、さらに好ましくは120〜160重量部である。80重量部よりも少ないとステロール化合物が溶媒に溶解せず、系中が不均一になって未反応ステロール化合物の量が増加したり、合成した化合物の分子量分布にばらつきを生じたりする原因となる。また、200重量部よりも多いと濃度が低下し、製造の効率が低下する原因となる。
続いてステロール化合物の活性水素にアルカリ金属化合物を用いてアルキレンオキシドの付加工程を行い、式(2)で表されるポリオキシアルキレンステロール誘導体を合成する。
O −(AO) − H (2)
(但し、ROはステロールの活性水素を除いた残基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは3〜150でありオキシアルキレン基の平均付加モル数である。)
付加工程において用いるアルカリ金属化合物は、1種または2種以上を用いるとよい。例えば、金属ナトリウム、金属カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等が挙げられる。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。好ましくは水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドである。アルカリ金属化合物は、溶媒にステロール化合物を溶解させる時に予め仕込んでも、溶媒へステロール化合物を溶解させた後に仕込んでもよい。
付加工程においてステロール化合物に付加させる炭素数2〜4のアルキレンオキシドとしては、具体的にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、3,4−ブチレンオキシド等が挙げられる。これらは、1種または2種以上をランダム状またはブロック状に付加させたものでもよい。
また、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、3〜150であり、好ましくは5〜30である。3より小さいと未反応ステロールの含有量が多くなり、反応物の溶解性が低下してしまい、150より大きいとポリオキシアルキレンステロール誘導体が高粘度になる上に溶媒への溶解性が低下し、好ましくない。
付加工程における温度は、80〜140℃が好ましく、90〜130℃がより好ましい。80℃より低いとアルキレンオキシドの付加により時間がかかってしまい、140℃より高いと、水素引き抜き反応により転位反応が起こり、ポリオキシアルキレンステロール誘導体の純度が低下してしまい、好ましくない。
続いてポリオキシアルキレンステロール誘導体と末端アルケニル基含有ハロゲン化物をアルカリ金属化合物の存在下、活性水素を有しない溶媒中でエーテル化工程を行い、式(1)で表される末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を合成する。
は炭素数3〜5の末端アルケニル基であり、例えば、アリル基、メタリル基、3−ブテニル基等が挙げられ、好ましくはアリル基、プロペニル基である。
エーテル化工程において用いる溶媒としては、活性水素を有しないものであり、常圧での沸点が70℃以上、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下での沸点が100℃以下であればよい。活性水素を有する溶媒では溶媒自体と反応が起こってしまう。常圧での沸点が70℃よりも低いと反応時の圧力が増大してしまい、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下での沸点が100℃よりも高いと製品中の溶媒残存量が高くなる。具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシアルキレンステロール誘導体に対して溶解性のあるトルエン、キシレン、エチルベンゼンが好ましい。溶媒は1種または2種以上の混合物でもよい。用いる溶媒は、付加工程に用いた溶媒をそのまま脱溶媒を行わずに使用してもよく、エーテル化工程の前に一度脱溶剤工程を行い、再度添加してもよい。用いる溶媒の量は、ポリオキシアルキレンステロール誘導体100重量部に対して好ましくは30〜200重量部、より好ましくは40〜100重量部、さらに好ましくは50〜80重量部がよい。30重量部より少ないとポリオキシアルキレンステロール誘導体が溶解せず、エーテル化反応が進行しないことに加えて末端二重結合の内部転位が起こる原因となる。また、200重量部よりも多いと濃度が低下し、製造の効率が低下する原因となる。
エーテル化工程において用いるアルカリ金属化合物は、1種または2種以上を用いることができる。例えば、金属ナトリウム、金属カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等が挙げられる。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。エーテル化工程において用いる末端アルケニル基含有ハロゲン化合物としては、直鎖または分岐の炭素数3〜5の末端アルケニル基を有するハロゲン化物を用いる。具体例としては、アリルクロライド、アリルブロマイド、アリルアイオダイド、メタリルクロライド、メタリルブロマイド、メタリルアイオダイド、3−ブテニルクロライド、3−ブテニルブロマイド、3−ブテニルアイオダイド、3−メチル−3−ブテニルクロライド、3−メチル−3−ブテニルブロマイド、3−メチル−3−ブテニルアイオダイド等が挙げられ、好ましくはアリルクロライド、メタリルクロライドである。
エーテル化工程における反応温度は、80〜140℃が好ましく、90〜130℃がより好ましい。80℃よりも低いと反応速度が遅くなり反応時間が長くなったり未反応ポリオキシアルキレンステロール誘導体の残存量が増加したりする原因となり、140℃よりも高いと二重結合の転位反応が起こり末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体の生成率が低下する原因となる。
エーテル化工程後に、付加工程およびエーテル化工程において用いたアルカリ金属化合物や、エーテル化工程で精製した金属ハロゲン化物を除去するため、水を用いて塩析工程を行う。塩析工程に用いる水の量は、エーテル化工程において用いたアルカリ金属化合物100重量部に対して、200〜500重量部が好ましい。条件としては、温度が60〜100℃、時間が20分〜4時間静置させるのが好ましく、水層と有機層が分層した後、水層の抜き操作を行う。
塩析工程後に酸により中和工程を行い、pHを好ましくは3.0〜7.5、より好ましくは3.5〜7.0、さらに好ましくは4.0〜6.5に調整する。中和剤として、付加工程およびエーテル化工程において用いたアルカリ金属化合物の中和および二重結合の内部転位物を分解することを目的で強酸を用いることが好ましい。強酸としては、例えば、硫酸、塩酸、燐酸などが挙げられる。pHが7.5を超えると、付加工程およびエーテル化工程において用いたアルカリ金属化合物が残存し、シリコーン変性する場合に副反応を引き起こしたり、末端二重結合の内部転位を引き起こしたりする原因となる。
さらに中和工程では、内部転位物の分解を促進させることを目的として水を添加するのが好ましい。水の添加量は、原料ステロール化合物、アルキレンオキシド、アルケニル基含有ハロゲン化合物の仕込み総量100重量部に対し2〜10重量部が好ましい。条件としては、温度が60〜100℃、時間が20分〜4時間で撹拌しながら行うのが好ましい。
中和工程後、引き続き精製工程を行い、温度70〜120℃、不活性ガスバブリングを行いながら、常圧以下の条件下で、好ましくは2〜15時間溶媒、水及び未反応アルケニル基含有ハロゲン化物の除去を行う。不活性ガスは、アルケニル基の二重結合及びエーテル結合が酸素との接触により酸化されるのを防止するために使用し、具体的には窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が好ましい。精製工程は、必ず中和工程後に行わなければならない。中和工程前に精製工程を行うと、残存アルカリ金属化合物の影響で、末端二重結合の内部転位を引き起こす原因となる。
上記の精製終了後は、濾過により析出した塩を除去することができるが、必要に応じて活性白土や合成ゼオライト系吸着剤、イオン交換樹脂等を用いてさらに高度に精製することも可能である。
さらに、必要に応じて二重結合およびエーテル結合の酸化を防止するため、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、4,4’−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤や、トコフェロール等の酸化防止剤を添加することも可能である。
また、製造後の保管方法については酸化による製品の劣化や臭気の発生を避けるため、気密容器に密充填もしくは不活性ガスで置換の上保管することが好ましい。
上記の方法によって得られた末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体はシリコーンと反応させることで化粧品用途などに使用でき、工業的利用価値の非常に高いものである。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、合成品の分析は下記に記す方法で行った。
(実験方法)
水酸基価:JIS K−1557 6.4
動粘度:JIS K−2283
乾燥減量:JIS K−0067
(内部転位物の測定方法)
JASCO FT−IR 410
サンプル膜厚:0.1mm
積算回数:16回
分解:2cm−1
スキャンスピード:2mm/sec
末端二重結合:1668cm−1
内部二重結合:1646cm−1
実施例1
乾燥減量0重量%のフィトステロール785g、ナトリウムメトキシド5g、トルエン1200gを5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し、プロピレンオキシド355gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに4時間反応を続けた。次に、エチレンオキシド629gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続け、末端水酸基含有ポリオキシアルキレンフィトステロール誘導体(水酸基価69.4KOHmg/g)のトルエン溶液2974gを得た。これに、水酸化カリウム393g、アリルクロライド199gを仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し2時間反応させた。反応終了後、70℃に降温し、水1200gを添加し、1時間静置後、1510gの水層を反応釜底部より抜き出した。残った有機層に水98gを添加し、塩酸でpHを5.2に調整し、30分撹拌し、続いて110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間精製し、最後に析出した塩を濾別して下記の式(3)で表される末端アリル基含有フィトステロール誘導体を得た。水酸基価は0.9KOHmg/gで、これより算出した末端水酸基のアリルエーテル化率は98.7%であった。また、動粘度(25℃)は487.6mm/sであり、FT−IRにおいて内部二重結合(プロペニル転位物)は観測されなかった。
O−(PO)3−(EO)7−CH−CH=CH (3)
(ROはフィトステロールの活性水素を除いた残基)
実施例2
乾燥減量0.1重量%のフィトステロール785g、ナトリウムメトキシド5g、トルエン1200gを5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し、プロピレンオキシド355gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに4時間反応を続けた。次に、エチレンオキシド629gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続け、末端水酸基含有ポリオキシアルキレンフィトステロール誘導体(水酸基価70.1KOHmg/g)のトルエン溶液2974gを得た。これに、水酸化カリウム393g、アリルクロライド199gを仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し2時間反応させた。反応終了後、70℃に降温し、水1200gを添加し、1時間静置後、1492gの水層を反応釜底部より抜き出した。残った有機層に水98gを添加し、塩酸でpHを6.1の弱酸性に調整し、30分撹拌し、続いて110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間精製し、最後に析出した塩を濾別して末端アリル基含有フィトステロール誘導体(3)を得た。水酸基価は0.8KOHmg/gで、これより算出した末端水酸基のアリルエーテル化率は98.9%であった。また、動粘度(25℃)は485.5mm/sであり、FT−IRにおいて内部二重結合は観測されなかった。
実施例3
乾燥減量1.0重量%のフィトステロール785gを圧力−0.05MPa(ゲージ圧力)以下において、100℃、3時間の条件で減圧・加熱乾燥して乾燥減量を0%に低下させたものに、ナトリウムメトキシド5g、トルエン1200gを5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し、プロピレンオキシド355gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに4時間反応を続けた。次に、エチレンオキシド629gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続け、末端水酸基含有ポリオキシアルキレンフィトステロール誘導体(水酸基価69.1KOHmg/g)のトルエン溶液2974gを得た。これに、水酸化カリウム393g、アリルクロライド199gを仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し2時間反応させた。反応終了後、70℃に降温し、水1200gを添加し、1時間静置後、1503gの水層を反応釜底部より抜き出した。残った有機層に水98gを添加し、塩酸でpHを4.4の弱酸性に調整し、30分撹拌し、続いて110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間精製し、最後に析出した塩を濾別して末端アリル基含有フィトステロール誘導体(3)を得た。水酸基価は1.6KOHmg/gで、これより算出した末端水酸基のアリルエーテル化率は97.7%であった。また、動粘度(25℃)は477.1mm/sであり、FT−IRにおいて内部二重結合は観測されなかった。
比較例1
乾燥減量0重量%のフィトステロール785g、ナトリウムメトキシド5g、トルエン1200gを5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し、プロピレンオキシド355gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに4時間反応を続けた。次に、エチレンオキシド629gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続け、末端水酸基含有ポリオキシアルキレンフィトステロール誘導体(水酸基価71.5KOHmg/g)のトルエン溶液2974gを得た。続いて撹拌しながら昇温し、110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間、トルエンの除去を行った。続いて50℃以下まで降温し、水酸化カリウム393g、アリルクロライド199gを仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し2時間反応させた。反応終了後、80℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で30分間、未反応アリルクロライドの除去を行った。これを70℃に降温し、水1200gを添加し、1時間静置後、1472gの水層を反応釜底部より抜き出した。残った有機層に水98gを添加し、塩酸でpHを6.3の弱酸性に調整して、110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下で精製し、最後に析出した塩を濾別してアリル基含有ステロール誘導体(4)を得た。水酸基価は37.5KOHmg/gで、これより算出した末端水酸基のアリルエーテル化率は47.6%であった。また、動粘度(25℃)は931.0mm/sであり、FT−IRにおいて内部二重結合は観測されなかった。
比較例2
乾燥減量1.0重量%のフィトステロール785g、ナトリウムメトキシド5g、トルエン1200gを5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し、プロピレンオキシド355gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに4時間反応を続けた。次に、エチレンオキシド629gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続け、末端水酸基含有ポリオキシアルキレンフィトステロール誘導体(4)(水酸基価84.4KOHmg/g)のトルエン溶液2974gを得た。
比較例3
乾燥減量0.1重量%のフィトステロール785g、ナトリウムメトキシド5g、トルエン1200gを5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し、プロピレンオキシド355gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに4時間反応を続けた。次に、エチレンオキシド629gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続け、末端水酸基含有ポリオキシアルキレンフィトステロール誘導体(水酸基価71.4KOHmg/g)のトルエン溶液2974gを得た。続いて撹拌しながら昇温し、110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間、トルエン及び未反応プロピレンオキシド及び未反応エチレンオキシドの除去を行った。続いて50℃以下まで降温し、水酸化カリウム393g、アリルクロライド199gを仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し2時間反応させた。反応終了後、80℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で30分間、未反応アリルクロライドの除去を行った後、このうちの100gを取り出し、合成ケイ酸マグネシウム(キョーワード700:協和化学工業社製)30gを仕込み、80℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間精製し、最後に濾別して化合物(6)を得た。水酸基価は13.7KOHmg/gで、これより算出した末端水酸基のアリルエーテル化率は80.8%であった。った。また、動粘度(25℃)は1141.0mm/sであり、FT−IRにおいて内部二重結合が観測された。
比較例4
乾燥減量0.1重量%のフィトステロール785g、ナトリウムメトキシド5g、トルエン1200gを5リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し、プロピレンオキシド355gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに4時間反応を続けた。次に、エチレンオキシド629gを0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件で7時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続け、末端水酸基含有ポリオキシアルキレンフィトステロール誘導体(水酸基価69.8KOHmg/g)のトルエン溶液2974gを得た。これに、水酸化カリウム393g、アリルクロライド199gを仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃まで昇温し2時間反応させた。このうちの160gを取り出し、110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間、精製した。これに合成ケイ酸マグネシウム(キョーワード700:協和化学工業社製)30gを加え、80℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間精製し、最後に析出した塩を濾別して化合物(7)を得た。水酸基価は2.2KOHmg/gで、これより算出した末端水酸基のアリルエーテル化率は96.8%であった。また、動粘度(25℃)は1262.2mm/sであり、FT−IRにおいて内部二重結合が観測された。
Figure 0004957001
実施例からは、末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を、末端二重結合の内部転位を抑え、かつ、アリルエーテル化率が90%以上の末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を得ることができた。
比較例1では溶媒を用いずにエーテル化を行ったため、アリルエーテル化率が90%以上の末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を得ることができなかった。比較例2では乾燥減量が1.0%のステロール化合物を減圧乾燥操作を行わずに用いたため、目的の分子量のベースポリエーテルが得られなかった。比較例3では溶媒を用いずにエーテル化を行い、かつ、酸による中和を行わなかったため、アリルエーテル化率が90%以上の末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体を得ることができず、かつ、末端二重結合の内部転位を抑えることができなかった。比較例4では酸による中和を行わずに精製したため、エーテル化率は90%を越えても末端二重結合の内部転位を抑えることができなかった。

Claims (1)

  1. 下記のA〜C工程により製造することを特徴とする式(1)で表される末端アルケニル基含有ポリオキシアルキレンステロール誘導体の製造方法。
    A.乾燥減量が0.5重量%未満のステロール化合物を活性水素を有しない溶媒に溶解させた後、アルキレンオキシドを付加させポリオキシアルキレンステロール誘導体を得る工程。
    B.得られたポリオキシアルキレンステロール誘導体と末端アルケニル基含有ハロゲン化物をアルカリ金属化合物の存在下、ポリオキシアルキレンステロール誘導体100重量部に対して30〜200重量部の活性水素を有しない溶媒中でエーテル化反応を行い、エーテル化物を得る工程。
    C.得られたエーテル化物を酸により中和した後、精製を行う工程。
    O −(AO) − R (1)
    (但し、ROはステロールの活性水素を除いた残基、Rは炭素数3〜5の末端アルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは3〜150でありオキシアルキレン基の平均付加モル数である。)
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