JP4426510B2 - アルコキシル化用触媒及びアルコキシレートの製造方法 - Google Patents

アルコキシル化用触媒及びアルコキシレートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルコキシル化用触媒及びその触媒を用いるアルコキシレートの製造方法に関する。
従来、アルコール類やアルキルフェノール類などの活性水素を有する化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させてアルコキシレートを商業生産する場合、汎用性、ハンドリング性、反応速度、副生成物量、コストなどの点で有利であることからアルコキシル化用触媒として水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒が使用されている。
アルコキシル化用触媒としては、種々の酸触媒、塩基性触媒が開発されているが、触媒の汎用性、ハンドリング性、反応速度、触媒除去性、副生成物量、コストなどの点で何らかの課題を残している。
近年、狭いアルキレンオキサイド付加モル分布をもつアルコキシレートは広い分布をもつ従来型のアルコキシレートに比較して多くの利点を持つことが報告され、この狭いアルキレンオキサイド付加モル分布をもつアルコキシレートを与えるアルコキシル化用触媒に関する技術、例えば、マグネシウムと亜族方式による周期律表の第2B族、4A族、4B族等から選ばれた金属とを含有する金属酸化物、水酸化アルミニウム・マグネシウムを焼成活性化して得られるAl・Mg複合酸化物触媒など、が多数開示されている。(例えば、特許文献1〜3)
特開平7−227540号公報 特開平8−268919号公報 特開平10−158384号公報
しかし、これら狭いアルキレンオキサイド付加モル分布をもつアルコキシレートを与えるアルコキシル化用触媒も、本来所望される特性を示すにはその分布が十分狭いものになっていない場合や、加えて、触媒の不安定性からその取り扱いが簡便でない場合や調製が困難且つ触媒コストが高いといった問題がある。さらに、触媒に起因する金属、例えば反応器や配管への腐食性の問題や人体への毒性問題を解消し得ていない場合がある。また、製品中に未反応原料が残留することによる製品の臭気問題、ジオキサンやジオキソラン、ポリアルキレングリコールなどの副生成物の生成問題、製品への着色問題といった種々の問題を解決し得ていない状況にある。
本発明は、上記実情に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、アルコキシル化用触媒の調製が汎用原料から行われ、その操作は極めて容易で、その調製操作及び取り扱いの安定性が高く、安価であり、しかも狭いアルキレンオキサイド付加モル分布を示し、かつ毒性のある副生成物の大幅低減、製品の外観やハンドリング性を悪化させることなく、製品の色相が良好となるアルコキシル化用触媒、及びアルコキシレートの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のアルコキシル化用触媒は、下記一般式(1)で示される有機スルホン酸からなる成分(A)と酸化亜鉛(成分(B))とを、成分(A)/成分(B)=5/1〜1/10(モル比)の範囲内の比率で、水或いは低級アルコール類、高級アルコール類、グリコールエーテル類、芳香族系溶剤類から選ばれる1種或いは2種以上の液中で混合して得られる触媒組成物からなることを特徴とする。
Figure 0004426510
(式中、置換基Rは炭素数が1〜20の直鎖及び/又は分岐のアルキル基又はアルケニル基である。また、x=0〜5である。)
また、本発明は、活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加させアルコキシレートを製造する方法において、請求項1に記載の成分(A)と成分(B)とを、前記活性水素原子含有化合物の一部又は全量の液中に加えて混合し得られた触媒組成物を、そのままの反応系で使用し前記活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させることを特徴とするアルコキシレートの製造方法に関する。
さらに、本発明は、活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加させアルコキシレートを製造する方法において、下記一般式(2)で示される化合物を含む触媒組成物を使用し、活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させることを特徴とするアルコキシレートの製造方法に関する。
Figure 0004426510
(式中、置換基R、Rは炭素数が1〜20の直鎖及び/又は分岐のアルキル基又はアルケニル基であり、R、Rは同一であっても異なってもよい。また、n=0〜5、m=0〜5である。)
本発明のアルコキシル化用触媒は以下の点で従来の触媒、とりわけ、狭分布アルコキシレートを与えるアルコキシル化用触媒に対して、商業生産上で次のような利点があり、狭分布のアルコキシレートを製造することができる。
(1)触媒調製は汎用原料から行われ、その調製操作は極めて容易で溶剤中で所定量の成分(A)(有機スルホン酸)と成分(B)(酸化亜鉛)とを攪拌混合するのみであり、且つその調製操作は安全に完結する。また、その触媒調製のコストは非常に安価である。
(2)その取り扱いは触媒の安定性から極めて簡便である。また、本発明の限定範囲内の組成、使用方法において反応器及びその付帯設備等の金属の腐食問題が低く、その取り扱い作業者の皮膚に対する刺激性、腐食性が低く安全である。
(3)アルコキシレート製造時の反応速度は従来使用のアルカリ触媒と比較して遜色なく、商業生産に充分適用できる。
(4)従来技術と同等もしくはそれ以上の狭いアルキレンオキサイド付加モル分布を示すアルコキシレートが得られる。
(5)従来の狭分布アルコキシレートを与えるアルコキシル化用触媒で問題となっていた副生成物、例えば、発癌性を有するジオキサン量の大幅低減や製品の外観やハンドリング性を悪化させるポリアルキレングリコール量を大幅に低減することができる。
(6)製品の色相が良好である。
(7)本発明の触媒は、広範囲の活性水素原子含有化合物に対するアルコキシル化触媒として有効であり、特に炭素数4から22の直鎖或いは分岐の飽和或いは不飽和のアルコールやアルキルフェノール類、ポリオール類などのアルコキシル化用触媒として好適に使用できる。また、重合性の官能基を有する活性水素原子含有化合物に対しても有効なアルコキシル化用触媒として好適に使用することができる。
(8)また、本発明のアルコキシル化用触媒は公知のアルキレンオキサイドの反応操作、反応条件、反応器が適用可能である。
本発明のアルコキシル化用触媒及びその調製方法、アルキレンオキサイドの製造方法の詳細について以下に詳述する。
本発明のアルコキシル化用触媒は、汎用性で且つ安価で、取り扱い上で特殊な操作を必要としない有機スルホン酸と金属酸化物を特定比率範囲内で攪拌混合して得られる極めて調製が簡便で且つ安定性が良好で、触媒活性に富む触媒組成物である。
すなわち、本発明のアルコキシル化用触媒は、成分(A)として下記一般式(1)で示される有機スルホン酸と成分(B)として酸化亜鉛との2成分を、水或いは低級アルコール類、高級アルコール類、グリコールエーテル類、芳香族溶剤類から選ばれる1種或いは2種以上の液中で攪拌混合して得られるものである。
Figure 0004426510
(式中、置換基Rは炭素数が1〜20の直鎖及び/又は分岐のアルキル基又はアルケニル基である。また、x=0〜5である。)
上記式(1)において、置換基Rは芳香環の水素原子と置換されて芳香環に導入された基であり、置換基Rの個数(x)と水素原子の個数の総数は5である。
成分(A)と成分(B)との混合の際に、成分(A)を予め均一溶解させる溶媒が、撹拌混合の溶媒の1種として、すなわち前記の水或いは低級アルコール類、高級アルコール類、グリコールエーテル類、芳香族溶剤類から選択されることが望ましい。より好ましくは、成分(A)を予め均一溶解させる溶媒として、水が選択されることが望ましい。
上記低級アルコール類としてはメタノール、エタノール等、高級アルコール類としては炭素原子数が6以上、好ましくは8以上のラウリルアルコール、トリデシルアルコール、炭素数が12から15の範囲にあるオキソアルコール、炭素数が10から24の範囲にあるゲルベアルコール等、公知の天然系、合成系のアルコール、グリコールエーテル類としてはエチレングリコールジメチルエーテル等、芳香族溶剤類としてはベンゼン、キシレン、トルエン等が挙げられる。
また、加熱条件下及び/又は減圧条件下でアルコキシル化反応に直接関与しない、或いは悪影響を及ぼす水や溶媒種の一部又は全量を除去して触媒組成物の有効成分濃度を高めた後、使用することもできる。
上記一般式(1)で示される成分(A)は、アルコキシレート化反応終了後の触媒除去性を良好にせしめる目的から、置換基Rは炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、xは0〜3が好ましい。具体的には、成分(A)としてはトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、キュメン(cumen)スルホン酸、フェノールスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が好適に使用でき、これらの混合物を用いてもよい。
本発明においては、前記成分(A)と成分(B)との混合比率は、成分(A)/成分(B)=5/1〜1/10(モル比)であり、好ましくは(A)/成分(B)= 3/1〜1/1(モル比)、より好ましくは2/1(モル比)である。
アルコキシレートの製造においては、前記成分(A)と成分(B)とを、アルコキシレートの出発原料である活性水素原子含有化合物の一部又は全量の液中に加えて撹拌混合し、成分(A)と成分(B)との混合物として得られる触媒組成物を、そのままの反応系で使用し活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させアルコキシレートを得ることができる。
上記活性水素原子含有化合物としては、アルコール類、多価アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミン類、及びそれらの混合物等が挙げられる。
アルコール類としては、炭素数2〜30の飽和または不飽和の直鎖もしくは分枝構造のアルキル基を有する1級アルコールや2級アルコール、アリールアルキルアルコール等が挙げられる。具体的には、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノール、オレイルアルコール、2−エチルヘキサノール、2−デカノール、2−ドデカノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、炭素数が12から15の範囲にあるオキソアルコール、炭素数が10から24の範囲にあるゲルベアルコール等、公知の天然系、合成系のアルコールが挙げられる。
多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
フェノール類としては、フェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等が挙げられる。
カルボン酸類としては、炭素数1〜30の飽和または不飽和の直鎖もしくは分枝構造のアルキル基を有する脂肪酸等が挙げられる。具体的には酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
アミン類としては、炭素数1〜30の飽和または不飽和のアルキル基を有する1級または2級アミン等が挙げられる。具体的にはオクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる。
これらの活性水素原子含有化合物の中では炭素数8〜22の飽和または不飽和の直鎖もしくは分枝構造のアルキル基を有する1級アルコールおよび2級アルコール類が好ましく、さらに好ましくは炭素数の10〜18の直鎖もしくは分枝構造の飽和または不飽和の1級または2級アルコール等が挙げられる。
また、前記活性水素原子含有化合物に付加するアルキレンオキサイドとしては、アルコキシレートを生成し得るものであればどのようなものでも良いが、好ましくはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のオキシラン環を持つもの他に、αオレフィンエポキサイド等のエポキサイド種が挙げられ、中でも好ましいものとしてはエチレンオキサイドである。
さらに、本発明では、事前に別途調製した下記一般式(2)で示される化合物を必須且つ主成分として含む触媒組成物をアルコキシル化用触媒として反応系に添加し、活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させアルコキシレートを得ることもできる。
一般式(2)の化合物は、本発明で限定した上記一般式(1)で示される有機スルホン酸と適宜選択できる公知の亜鉛化合物(酸化亜鉛、水酸化亜鉛等)とを、エチレングリコールジメチルエーテルなどの分散剤中で撹拌混合し、その攪拌混合物を適宜精製して得ることができる。
Figure 0004426510
(式中、置換基R、Rは炭素数が1〜20の直鎖及び又は分岐のアルキル基又はアルケニル基であり、R、Rは同一であっても異なるものであってもよい。また、n=0〜5、m=0〜5である。)
また、一般式(2)において、好ましくは、置換基R、Rは炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、n、mは0〜3が好ましい。さらに好ましくは、一般式(2)で示される化合物は、フェノールスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、キュメンスルホン酸と酸化亜鉛の中和反応生成物である。
本発明のアルコキシル化用触媒を用いて、上記操作にて活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加して得られたアルコキシレート粗製物に公知のアルカリ触媒、例えば、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムの適当量を追加添加して、さらに所望量のアルキレンオキサイドを活性水素原子含有化合物に付加させることもできる。
次に、本発明のアルコキシル化用触媒を用いてアルコキシレートを得るための製造方法について説明するが、本発明のアルコキシレートを得るための製造条件はこれに限定されるものではない。
本発明のアルキレンオキサイド類の付加反応におけるアルコシキル化用触媒量は、活性水素原子含有化合物の仕込み量当たり0.01〜20重量%(固形分換算)、より好ましくは0.1〜10重量%(固形分換算)の範囲である。
触媒の添加方法としては、粉体状、ペレット状、ペースト状のアルコキシル化用触媒を適宜選択された溶媒に分散させた後、本発明の触媒を反応器中の活性水素原子含有化合物に仕込むことによる。より好ましくは、本発明のアルコシキル化用触媒を反応原料である活性水素原子含有化合物の一部に投入し、事前混合して触媒の分散体を調製した後、その分散体を反応系に添加することが望ましい。
本発明で適用できる反応温度は40〜240℃であり、商業生産においては反応速度、反応熱除去、副反応抑制、製品劣化の観点から80〜180℃が好適である。
使用できる反応器としては、加熱、冷却操作、減圧、加圧操作が可能で、原料仕込口、製品取り出し口、アルキレンオキサイドおよび窒素の導入管、攪拌装置、温度計、圧力計を備えた反応器が好適に使用できる。
反応原料の仕込みについては、通常、活性水素原子含有化合物の所定量又はその一部を先に反応器に仕込み、次いで本発明のアルコシキル化用触媒の所定量を仕込んだ後、窒素置換し、常温から110℃の温度範囲で減圧脱水する。次いで、前記の反応温度条件下で所定量のアルキレンオキサイドを導入し、付加反応を進行させる。
必要に応じ、アルカリ触媒の1種又は2種以上の混合物を反応系に投入し、公知のアルキレンオキサイド付加反応条件で所定量のアルキレンオキサイドを逐次導入して付加させることができる。
また、アルキレンオキサイドの付加反応工程において、所定量のアルキレンオキサイド導入後、圧力が低下して一定になるまで反応を継続する操作(熟成操作)を行うことがより好ましい。
反応終了後の触媒除去は公知の方法を適用することができるが、好ましくは、反応粗製物を水洗処理や濾過処理してアルコキシル化触媒を除去することができる。さらに好ましくは加水、加温条件下で反応粗製物を処理した後、酸吸着剤、アルカリ吸着剤を用いて処理して本発明のアルコキシル化触媒を精製することである。アルコキシル化触媒を除去する際に、濾過処理を適用する場合は、濾過助剤を使用して処理することはより好ましい操作である。
また、触媒の除去方法としてより好ましくは、本発明のアルコキシル化用触媒は、必要に応じ加水、加温条件下で攪拌処理後、触媒組成物中の有機スルホン酸成分の中和当量相当の乳酸カルシウムやクエン酸カルシウムなどの可溶性カルシウム塩をアルコキシレート粗製物中に投入した後、減圧トッピングした後、生成する析出物を濾別することにより、アルコキシレート粗製物中から本発明の触媒の残渣を除去することである。
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
本発明のアルコキシル化用触媒の調製方法を以下に示す。なお、該触媒粗製物を構成する成分(A)、成分(B)及びその配合比率(モル比)、また、使用した溶媒或いは分散媒については、表1に示した通りである。
使用できる反応器としては、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコであり、必要に応じて、原料仕込口、製品取り出し口、加熱、冷却操作、減圧、加圧操作、及び、窒素導入管、温度計、圧力計を備えた反応器が使用できる。また、簡易的な触媒調製方法として、適当な容量のビーカーと回転子によっても本発明のアルコキシル化用触媒は調製可能である。
[触媒調製方法]
触媒調製例(1):成分(A)としてp−トルエンスルホン酸(1水和物)、成分(B)として酸化亜鉛をモル比で2:1となるよう成分(A)の93g、成分(B)の20gを秤量した。まず、500mlの容量のビーカーにラウリルアルコールを150g秤取し、次いで、秤取したp−トルエンスルホン酸(1水和物)の93gを水50gに溶解した後、回転子で攪拌しながらビーカーに加え、 5分間攪拌した。次に、秤取した酸化亜鉛の20gを徐々にビーカーに加えた後、20分間攪拌を継続して、分散状態の本発明のアルコキシル化用触媒[1]を得た。
触媒調製例(1)と同様の操作にて、本発明のアルコキシル化用触媒[3]〜[6]、比較例のアルコキシル化用触媒[ウ]〜[カ]を得た。
触媒調製例(2):成分(A)としてp−トルエンスルホン酸(1水和物)、成分(B)として酸化亜鉛をモル比で1:5となるよう成分(A)の20g、成分(B)の43gを秤量した。まず、攪拌装置を備えた300mlの容量のセパラブルフラスコにメタノールを100ml秤取し、次いで、秤取したp−トルエンスルホン酸(1水和物)の20gを水10gに溶解した後、攪拌しながらセパラブルフラスコに加え、 5分間攪拌した。次に、秤取した酸化亜鉛の43gを徐々にセパラブルフラスコに加えた後、30分間攪拌を継続して、メタノールに分散した触媒組成物を得た。次に、得られた触媒組成物をエバポレーターに移し、メタノールと水を除去して粉末状の本発明のアルコキシル化用触媒[2]を得た。
触媒調製例(2)と同様の操作にて、分散剤としてエチレングリコールジメチルエーテルを用い、その中でp−トルエンスルホン酸(1水和物)と酸化亜鉛をモル比2:1で攪拌混合して反応粗製物を得、その反応粗製物を3回水洗して表1中の一般式に示す本発明のアルコキシル化用触媒[7]を得た。
Figure 0004426510
[合成実験]
合成実験(1):加熱、冷却操作、減圧、加圧操作が可能で、原料仕込口、製品取り出し口、アルキレンオキサイドおよび窒素の導入管、攪拌装置、温度計、圧力計を備えた反応器に、ラウリルアルコールの1955gを仕込み、次いで、分散状態の本発明のアルコキシル化用触媒[1]の85.2g(触媒有効成分40g)を仕込んだ後、窒素置換し、110℃の温度で減圧脱水する。次いで、140℃まで徐々に加熱し140℃に達した後、エチレンオキサイドの571g(原料アルコール1モルに対して1.2モル相当)の内、エチレンオキサイド仕込み所定量の10%相当のエチレンオキサイドの57gを仕込み、反応を開始させた後、反応液の温度を160℃とし、残りのエチレンオキサイドを導入し、反応させた。その後、反応圧力が低下して一定になるまで反応を継続する操作(熟成操作)を行った。反応粗製物を90℃まで冷却した後、蒸留水の50gを添し、90℃で30分間攪拌した後、濾過助剤の30gと触媒組成物中の有機スルホン酸成分の中和当量相当の乳酸カルシウムを反応粗製物中に投入した後、減圧トッピングし、生成した析出物を濾別することにより目的のラウリルアルコールの1.2エチレンオキサイド(EO)付加物を得た。
同様の操作にて、本発明のアルコキシル化用触媒[2]、[3]、[7]、比較例のアルコキシル化用触媒[ア]〜[キ]を用いて、合成実験を行った。その結果を表2にまとめて示す。なお、本発明のアルコキシル化用触媒[4]〜[6]は原料アルコール(活性水素原子含有化合物)としてトリデシルアルコールを使用した。
Figure 0004426510
*1:初期触媒活性指数(落圧速度定数K)=(−In(Pt/Pi)/min)×10−4
反応温度=160℃、触媒量=対アルコール2重量%、Pt=t分後の反応圧、Pi=初期反応圧
*2:触媒量は安全確保の為、実用濃度に低減して合成実験を実施、触媒量=対アルコール0.05重量%
合成実験(2):本発明のアルコキシル化用触媒[1]を用いて上記合成実験(1)で得たラウリルアルコールのEO1.2モル付加物の2000gを反応器に移し、水酸化カリウムの0.8g(固形分換算)を投入した後、窒素置換し、110℃の温度で減圧脱水する。次いで、反応温度140℃でエチレンオキサイドの825g(原料アルコール1モルに対して3.8モル相当)を徐々に導入し、反応させた。その後、反応圧力が低下して一定になるまで反応を継続する操作(熟成操作)を行った。反応粗製物を90℃まで冷却した後、中和当量相当の氷酢酸を反応粗製物中に投入して目的のラウリルアルコールの5EO付加物を得た。
本発明のアルコキシル化用触媒[3]、[7]、比較例のアルコキシル化用触媒[ア]、[キ]、[ク]を用いて、同様の操作にて、合成実験を行い、EO付加物の臭気と色相を下記方法により評価した。その結果を表3にまとめて示した。
臭気:比較例の触媒[キ](水酸化カリウム)を基準として、官能試験で比較して、臭気を次ぎのように評価した。
○…比較例[キ]と同等もしくは、刺激臭、不快臭がない。
△…比較例[キ]に比較して僅かに刺激臭、不快臭がある。
×…比較例[キ]に比較して強い刺激臭、不快臭がある。
色相:比較例の触媒[キ](水酸化カリウム)と外観目視で比較して、色相を次ぎのように評価した。
○…比較例[キ]と同等もしくは、良好な色相を持つ。
△…比較例[キ]に比較して僅かに着色している。
×…比較例[キ]に比較して著しく着色が見られる。
Figure 0004426510
*3:EO鎖狭分布度:最も含有量(重量%)の多い付加モル体をnmaxとするとき、その前後2モル範囲の含有量(Y)を示す。
*4:触媒量対アルコール0.05重量%にて、1段階反応で合成実験を実施した。
合成実験(3):本発明のアルコキシル化用触媒[1]を用いて、反応温度を180℃とした以外は上記合成実験(1)と同様の操作にて、ラウリルアルコールに3モル相当のエチレンオキサイドを導入して目的のラウリルアルコールの3EO付加物を得た。また比較例としてKOH(比較例[キ])を用いて、反応温度180℃、触媒量0.03重量%(対粗製物)にて合成実験を行った。合成実験(3)で得られたラウリルアルコールの3EO付加物のエチレンオキサイドの付加モル数分布を図1に示した。
本発明のアルコキシル化用触媒によるアルコキシレートは、図1に示すようにエチレンオキサイド(EO)の付加モル数分布が狭く、しかも未反応の原料アルコールや副生成物(ジオキサン)の生成が少なく、さらに臭気がなく色相が良好である。
本発明により製造されたアルコキシレートは、洗浄剤や乳化剤、分散剤、安定剤としての界面活性剤の成分として有用であり、化粧料、洗剤、食品、塗料、各種油剤や可塑剤などの種々の化学品原料に使用することができる。
合成実験(3)で得られたエチレンオキサイド付加物のEO付加モル数分布を示す図である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で示される有機スルホン酸からなる成分(A)と酸化亜鉛(成分(B))とを、成分(A)/成分(B)=5/1〜1/10(モル比)の範囲内の比率で、水或いは低級アルコール類、高級アルコール類、グリコールエーテル類、芳香族系溶剤類から選ばれる1種或いは2種以上の液中で混合して得られる触媒組成物からなることを特徴とするアルコキシル化用触媒。
    Figure 0004426510
    (式中、置換基Rは炭素数が1〜20の直鎖及び/又は分岐のアルキル基又はアルケニル基である。また、x=0〜5である。)
  2. 活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加させアルコキシレートを製造する方法において、請求項1に記載の成分(A)と成分(B)とを、前記活性水素原子含有化合物の一部又は全量の液中に加えて混合し得られた触媒組成物を、そのままの反応系で使用し前記活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させることを特徴とするアルコキシレートの製造方法。
  3. 活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加させアルコキシレートを製造する方法において、下記一般式(2)で示される化合物を含む触媒組成物を使用し、活性水素原子含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させることを特徴とするアルコキシレートの製造方法。
    Figure 0004426510
    (式中、置換基R、Rは炭素数が1〜20の直鎖及び/又は分岐のアルキル基又はアルケニル基であり、R、Rは同一であっても異なってもよい。また、n=0〜5、m=0〜5である。)
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