JP2006002053A - シリコーン変性剤用ポリエーテル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反応性が良好で反応時の着色、経日変化による着色が少ないシリコーン変性剤用ポリエーテル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で表され、下記(i)〜(iii)の要件を満たす酸化防止剤を含有しないシリコーン変性剤用ポリエーテル(A);及びその製造法。
一般式
CH2=CR1−(CH2)m−O−(XO)nR2 (1)
[式中、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数3〜12のアルケニル基を表す。mは1又は2〜10の整数、nは2〜100の整数を表す。]
(i) (A)中のアルデヒド含有量が0.1重量%以下
(ii) (A)の過酸化物価が5以下
(iii)(A)中のアルカリ金属含有量が2ppm以下
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリコーン変性剤用ポリエーテル及びその製造方法に関し、さらに詳しくは反応性が良好で反応時の着色、経日変化による着色が少ないシリコーン変性剤用ポリエーテル及びその製造方法に関する。
片末端がアルケニル基、もう一方の末端がアルキル基若しくはアルケニル基で封鎖されたポリエーテルはヒドロシリル化反応によりポリエーテルを導入されウレタン用の整泡剤や化粧品原料、電子材料等として実用化されている。このものの製造方法としてはアルケニルアルコールにアルキレンオキサイドを付加した後、アルキルハライド又はアルケニルハライドでエーテル化する方法、脂肪族アルコールにアルキレンオキサイドを付加した後、アルケニルハライドでエーテル化する方法が知られている。
片末端がアルケニル基、もう一方の末端がアルキル基またはアルケニル基で封鎖された上記のシリコーン変性剤用ポリエーテルは、最低二つの反応工程と一つの精製工程を経て得られるが、不純物としてアルカリ金属、アミン類、硫黄化合物、リン化合物、過酸化物、アルデヒド等が混入する可能性がある。一方、ハイドロジェンポリシロキサンと末端不飽和ポリエーテルのヒドロシリル化反応には微量の白金触媒を用いるが、上記不純物が触媒機能を阻害するので、多量の白金触媒を用いなければヒドロシリル化反応がスムーズに進行しないか、途中で反応が止まってしまうか等の問題、多量の白金触媒を用いるとシリコーンが著しく着色してしまう等の問題があった。また、アミン類、硫黄化合物、リン化合物は上記阻害物質の一つであるポリエーテルの過酸化物の生成を抑制する酸化防止剤として知られているが、これらの化合物を添加したポリエーテルはヒドロシリル化反応の際に触媒毒になる等の問題がある。例えば、精製ろ過工程で酸化防止剤を使用することにより過酸化物発生を制御する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2003−292607号公報 また、過酸化物を経由して生成するアセトアルデヒドやホルムアルデヒドなどのアルデヒド類はポリエーテルだけでなく、ヒドロシリル化反応後の製品中に残存し、化粧品などの用途には適さない。
しかしながら、上記の過酸化物が発生する工程は精製ろ過工程だけではなく、反応工程や脱水工程でも過酸化物やアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類が発生する可能性があり酸化防止剤の効果も十分ではない。さらに酸化防止剤の添加はSiHとの反応性や反応時の着色、経日変化によるポリエーテルの着色という点で問題があった。
本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表され、下記(i)〜(iii)の要件を満たす酸化防止剤を含有しないシリコーン変性剤用ポリエーテル(A);
一般式
CH2=CR1−(CH2)m−O−(XO)nR2 (1)
[式中、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数3〜22のアルキル基又は炭素数1〜12のアルケニル基を表す。mは1又は2〜10の整数、nは2〜100の整数を表す。]
(i) (A)中のアルデヒド含有量が0.1重量%以下
(ii) (A)の過酸化物価が5以下
(iii)(A)中のアルカリ金属含有量が2ppm以下
並びにその製造法;保管方法である。
本発明のシリコーン変性剤用ポリエーテルは下記の効果を奏する。
(i)シリコーン変性剤用の中間体として反応性が良く、反応効率が高い。また、副生物が少なく反応物の物性が良好である。
(ii)反応物の外観が良好となる。
(iii)反応物の臭気が少ない。
一般式(1)において、Xは炭素数2〜4のアルキレン基であり、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基等が挙げられる。好ましくはエチレン基、1,2−プロピレン基である。R1は水素原子又はメチル基を表す。好ましくは水素原子である。
2は炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数3〜12のアルケニル基を表す。アルキル基としては、例えば、直鎖状、分岐状又は脂環式のアルキル基が挙げられる。また、直鎖状と分岐状等2種以上の基の混合物であってもよい。
直鎖状飽和アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、カプリル、オクチル、デシル、ラウリル、トリデシル、ミリスチル、セチル、ステアリル、ノナデシル基等;分岐状飽和アルキル基としては、イソプロピル、イソブチル、sec−及びt−ブチル、ネオペンチル、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。脂環式飽和アルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル基等が挙げられる。これらの内好ましくは炭素数1〜22の直鎖状アルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖状アルキル基である。炭素数が22を超えるものは原料として使用できる品質のものとするためには特殊な装置、例えば精留装置、精密ろ過機等を必要とするので経済的でない。
アルケニル基の場合、直鎖状アルケニル基としては、アリル、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、1−オクテニル、1−デセニル、1−ウンデセニル、1−ドデセニル等が挙げられる。これらの内好ましくは炭素数3〜12のものである。分岐状アルケニル基としては、メタリル、イソプロペニル、イソペンチル基などが挙げられる。炭素数が12を超えるものは原料として使用できる品質のものとするためには特殊な装置、例えば精留装置、精密ろ過機等を必要とするので経済的でない。
mは1又は2〜10の整数である。好ましくは1である。10を超えると原料として使用できる品質のものとするためには特殊な装置、例えば精留装置、精密ろ過機等を必要とするので経済的でない。
nは2〜100の整数であり、より好ましくは6〜40の整数である。2モル未満であるとシリコーン変性剤として好適に使用できず、100を超えると粘度が高くなり精製がしにくくなる。nが2未満であるとシリコーンの変性剤としては不十分となる。
本発明のポリエーテル(A)の要件(i)は、(A)の総アルデヒド含有量が0.1重量%以下であることである。好ましくは0.05%重量以下である。アルデヒド含有量が0.1重量%を超えると臭気が強くなり使用し辛く、また中間体として使用した時の反応触媒毒になるため好ましくない。
アルデヒド含有量の測定は、試料をメタノールに溶解し、塩酸ヒドロキシルアミンと反応させ、アルデヒドと反応して生成する塩酸を規定度既知の水酸化カリウム水溶液で電位差滴定装置を用いて滴定する方法で分析され、水酸化カリウム滴定量をアルデヒド基の重量%に換算して算出される。
要件(ii)は、(A)の過酸化物価が5以下であることである。好ましくは3以下であり、より好ましくは1以下である。過酸化物価が5を超えるとアリルアルコールアルキレンオキサイド付加物のアリル基やエーテル部分が分解したり、アリル基が反応したりするので好ましくない。
過酸化物価の測定は、試料にヨウ化カリウムを作用させたときに遊離するヨウ素を試料1g当たりのミリ当量で表したものである。過酸化物価は、試料をクロロホルムと氷酢酸の混合液に溶解し、ヨウ化カリウムと反応させ、でんぷん指示薬を用い、過酸化物と反応して生成するヨウ素を規定度既知のチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定する方法で分析され、チオ硫酸ナトリウムの滴定量からヨウ素のミリ当量に換算して算出される。
要件(iii)は、(A)中のアルカリ金属の含有量が2ppm以下であることである。好ましくは1ppmである。2ppmを超えると、ヒドロシリル化反応で白金触媒の触媒毒となり、過剰に触媒を必要とする結果、反応物が着色したりするので好ましくなく、反応中間体として使用したときに不都合が生じる。アルカリ金属の含有量は、原子吸光法により測定できる。測定機器は原子吸光分光光度計AA−6700F(島津製作所製)を用いることができる。
さらに本発明のポリエーテル(A)は、水分量が0.15重量%以下であると好ましい。より好ましくは0.1重量%以下である。0.15重量%以下であると、ヒドロシリル化反応後の反応物の外観が濁ったりかすんだりするので好ましくなく、反応中間体として使用したときに不都合が生じたり、最終製品の外観にも悪影響を与える。
さらに本発明のポリエーテル(A)は、不飽和基が反応した副生物含有量が500ppm以下であるのが好ましい。
不飽和結合含有化合物は、熱、酸素、酸、アルカリによって変化しやすく、特に製造中の精製・脱水工程における熱、酸素の影響を受け、不飽和基が酸素を介して二量体や三量体が生成する。この物質の生成量はゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法によって確認することが出来る。GPC法において、通常の解析では認められない量であっても、高分子領域を拡大することによりこれらの微量の副生物を確認することが出来る。例えば、該(A)で、ポリエチレングリコール(PEG)換算分子量600のものは、リテンションタイム12.5min.(PEG換算分子量1,600)〜15.4min.(PEG換算分子量200)に一つのピークがあり、他のピークは認められないが、副生物を含有しているものは、10.0min.(PEG換算分子量30,000)〜12.5min.(PEG換算分子量1,600)にもう一つのピークが認められる。本発明の組成物のこのような副生物含有量が500ppm以下が好ましい。このような副生物が500ppm以下であるとヒドロシリル化反応等に供した場合、シリコーン化後の生成物に濁りやカスミが生ぜず、製品の外観が良好である。
本発明のポリエーテル(A)は酸化防止剤を含まないものである。酸化防止剤を含むと経日でポリエーテルの着色があり、ヒドロシリル化反応にも好適でない。
本発明のポリエーテル(A)は、下記(iv)〜(vi)の要件を満たす中で、下記一般式(2)で示されるポリエーテル(B)とアルキルハロゲン化物R2Z(D)(R2は炭素数1〜22のアルキル基若しくは炭素数3〜12のアルケニル基、Zはハロゲンを表す)との反応、又は(3)で表されるポリエーテル(C)とCH2=CR1−(CH2)mZ(R1は水素原子又はメチル基との反応、Zはハロゲンを表す)(E)との反応を行うことによって製造できる。
(iv)(B)中又は(C)中のアルデヒド含有量が0.01重量%以下
(v) (B)又は(C)の過酸化物価が1以下
(vi)(B)中又は(C)中の水分量が0.10〜0.20重量%
一般式
CH2=CR1−(CH2)m−O−(XO)nH (2)
[式中、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、R1は水素原子またはメチル基を表す。mは1〜10の整数、nは2〜100の整数を表す。]
一般式
2O−(XO)nH (3)
[式中、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、R2は炭素数1〜22のアルキル基または炭素数3〜12のアルケニル基を表す。nは2〜100の整数を表す。]
上記一般式(2)におけるX、R1、m、nは一般式(1)におけるものと同じである。上記一般式(3)におけるX、R2、nも一般式(1)におけるものと同じである。
ポリエーテル(B)としては、具体的にはアリルアルコールのエチレンオキサイド付加物、アリルアルコールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(好ましくはモル比40/60 〜90/10)共重合付加物、イソプレノールのエチレンオキサイド付加物、10−ウンデセニルアルコールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。好ましいものはアリルアルコールのエチレンオキサイド付加物、アリルアルコールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(好ましくはモル比40/60〜90/10)共重合付加物である。
ポリエーテル(B)はアルケニルアルコールにアルキレンオキサイドを付加して得られる。アルケニルアルコールは炭素数3〜13の末端に不飽和を有するアルコールであり、具体的にはアリルアルコール、メタリルアルコール、イソプレノール、4−ペンテノール、10−ウンデセノール等が挙げられる。好ましいのはアリルアルコールである。
アルキレンオキサイドは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドであり、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。好ましいのはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドである。
ポリエーテル(C)としては、具体的にはメタノールのエチレンオキサイド付加物、メタノールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(好ましくはモル比40/60〜90/10)共重合付加物、n−ブタノールのエチレンオキサイド付加物、n−ブタノールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(好ましくはモル比40/60〜90/10)共重合付加物、2−エチルヘキシルアルコールのエチレンオキサイド付加物、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。好ましいものはメタノールのエチレンオキサイオド付加物、メタノールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(好ましくはモル比40/60〜90/10)共重合付加物である。ポリエーテル(C)は脂肪族アルコール、セロソルブ、カルビトールにアルキレンオキサイドを付加して得られる。
脂肪族アルコールとしては炭素数1〜22の脂肪族アルコールであり、具体的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール等が挙げられる。好ましいのはメタノールである。また、セロソルブとしてはメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等が挙げられる。好ましいのはメチルセロソルブである。カルビトールとしてはメチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等が挙げられる。好ましいのはメチルカルビトールである。
ポリエーテル(B)又は(C)の製造法は、アルキレンオキサイド付加できる耐圧反応槽中でアルケニルアルコール又は脂肪族アルコール、セロソルブ、カルビトールにアルカリ触媒の存在下、70〜160℃、酸素濃度100ppm以下で上記アルキレンオキサイドを付加させた後、0.1重量%の水を添加し、ポリエーテル(B)又は(C)が製造できる。
上記製造条件において、アルキレンオキサイド付加前のアルケニルアルコール又は脂肪族アルコール、セロソルブ、カルビトールの純度は好ましくは99.8%以上であり、より好ましくは99.9%以上である。且つアルデヒド含有量は好ましくは50ppm以下、より好ましくは10ppmである。純度が99.8%以上又はアルデヒド含有量が50ppm以下であると、後の反応工程で副生成物を生じにくく、着色しにくい。
また、アルケニルアルコール又は脂肪族アルコール、セロソルブ、カルビトールの水分は0.02重量%以下であるのが好ましい。水分が0.02重量%以下であるとアルキレンオキサイド付加工程でポリアルキレングリコールを副生しにくく好ましい。
アルカリ触媒としては水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの固体が好ましい。アルカリ触媒が固体であるとアルキレンオキサイド付加工程でポリアルキレングリコールを副生しにくく好ましい。脱水は付加工程後に行うと経済的であり、また出発物質が低沸点物である場合は、出発物質自体を揮発させることがないので目的の分子量のアルキレンオキサイド付加物が得られる。アルカリ触媒の量はポリエーテル(A)に対して、好ましくは0.01〜0.3重量%であり、より好ましくは0.05〜0.2重量%である。0.3重量%以下であるとポリアルキレングリコールが副生しにくく好ましく、0.01重量%以上であると反応時間も短くすむので好ましい。
アルキレンオキサイド付加工程前は、好ましくは不活性ガスで置換し、気相酸素濃度を100ppm以下、より好ましくは50ppm以下としてから反応槽の圧力を減圧(−0.1MPa〜−0.08MPa)としてから反応を始める。アルキレンオキサイド付加工程における反応温度は70〜160℃が好ましく、アルケニルアルコールの場合は85〜120℃、脂肪族アルコールの場合は105〜160℃がより好ましい。70℃以上であると反応が速く、アルケニルアルコール等の不飽和アルコールの場合は120℃以下であると不飽和基が反応しないので好ましい。脂肪族アルコールの内メタノール等は沸点が低いため70℃から反応を始め徐々に温度を上げていくのが好ましい。反応後は0.1%の水を添加するのがよい。水を添加すると、ポリエーテル(B)又は(C)の着色を防止することが出来るため好ましい。また、必要に応じ、ポリエーテル(B)又は(C)の酸価が0.1以下の範囲で酸を添加することによりpHを6.0〜7.0になるよう中和しておいても良い。pHが6.0以上であると過酸化物価、アルデヒド含有量が増加しないので好ましい。
上記の方法によりポリエーテル(B)又は(C)が下記要件(iv)〜(vi)を満たすことができる。
要件(iv)は(B)又は(C)中のアルデヒド含有量が0.01重量%以下であることである。好ましくは0.005%重量以下である。アルデヒド含有量が0.01重量%を超えると組成物(A)の要件(i)を満足できず、またエーテル化反応時に著しい着色を起こすため好ましくない。アルデヒド含有量の測定法は、前記と同様である。(B)又は(C)のアルデヒド含量は使用する原料中のアルデヒド濃度管理と生産工程を通じて酸素との接触頻度を下げることによって達成できる。
要件(v)は(B)又は(C)の過酸化物価が1以下であることである。好ましくは0.3以下であり、より好ましくは0.1以下である。過酸化物価の定義と測定方法は前記の通りである。過酸化物価が1を超えるとポリエーテル(A)の(ii)を満たすことができず好ましくない。(B)又は(C)の過酸化物価は生産工程を通じて酸素との接触頻度を下げること、特に使用する迄の保管時の酸素濃度値を規定することによって達成できる。
要件(vi)は(B)中又は(C)中の水分量が0.1〜0.2重量%であることである。0.1重量%未満では保管時に着色しやすく、0.2重量%を超えると組成物(A)製造段階でのエーテル化反応時にハライド化合物の加水分解を起こす等の問題があり好ましくない。水分量は、カールフィッシャー水分測定装置を用いて測定した。(B)又は(C)の水分量は添加調整することによって達成できる。
さらにポリエーテル(B)は、不飽和基が反応した副生物含有量が500ppm以下であるのが好ましい。副生物が500ppm以下であると組成物(A)中にSiHとの反応に関与しないポリエーテルが増加せず、シリコーン製品の外観を悪くしないので好ましい。副生物の確認方法は前記の通りである。(B)の不飽和基が反応した副生物含有量は生産工程を通じて酸素との接触頻度を下げることによって達成できる。
また、得られたポリエーテル(B)又は(C)は、本発明のシリコーン変性剤用ポリエーテル(A)を得るため、一般式(5)を満たすように窒素等の不活性ガスで空気を置換して40℃以下の温度で密閉保管することが好ましい。
112×(B)又は(C)の容量
酸素濃度(vol%)≦ −−−−−−−−−−−−−−−−−−− (5) 3200×[容器容量−(B)又は(C)の容量]
次ぎに、上記(iv)〜(vi)の要件を満たす中で、ポリエーテル(B)とアルキルハロゲン化物R2Z(D)との反応、又は(3)で表されるポリエーテル(C)とCH2=CR1−(CH2)mZ(E)との反応を行う。いわゆるエーテル化工程である。
上記式R2ZとCH2=CR1−(CH2)mZにおけるR2、R1、mも一般式(1)におけるものと同じである。好ましいものも同じである。また、Zは塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子であり、好ましくは塩素である。
2Z(D)としては、具体的にはメチルクロライド、エチルクロライド、t−ブチルクロライド等が挙げられる。好ましいものはメチルクロライドである。
CH2=CR1−(CH2)mZ(E)としては、具体的にはアリルクロライド、メタリルクロライド等が挙げられる。好ましいものはアリルクロライドである。
エーテル化工程ではポリエーテル(B)又は(C)を40℃以下でエーテル化反応槽へ移し、ポリエーテル(B)又は(C)に対して1.0〜1.5モル量のアルカリ金属水酸化物(NaOH、KOH等)と20〜200ppmのナトリウムボロハイドライド(NaBH4)を混合した後、反応槽を密閉として不活性ガスを通じ気相酸素濃度を0.01vol%以下とするのが好ましい。NaBH4を添加することにより、着色の原因となるアルデヒドの発生を抑制し、酸化防止剤を添加しなくても着色しない。また、NaBH4は後の水洗工程で除かれる。
次ぎに(D)又は(E)を反応槽へ滴下し、30〜80℃の範囲で6〜12時間
エーテル化反応を行った後、未反応のアルカリ金属水酸化物及び生成したアルカリ金属塩の合計の濃度が21〜24重量%となるイオン交換水を投入して溶解させ、60〜80℃で静置して分離した下層の水を不活性ガス加圧下で除く。次に上層のポリエーテル中に残存するアルカリと生成塩を除くためポリエーテルに対して0.1〜2.0重量%の吸着剤を仕切りを入れた密閉容器内に入れ、窒素等の不活性ガスで置換した後、仕切りを外して酸素を持ち込まないようにして添加し、減圧下、70〜90℃で脱水する。
水分が0.1%以下となった時点で40〜50℃に冷却してろ過を行い、ろ液をそ
のまま容器に充填した後、容器空間容量の酸素濃度が下記一般式(4)を満たすようにして窒素等の不活性ガスで置換して40℃以下の温度で密閉保管する。
224×(A)の容量
酸素濃度(vol%)< −−−−−−−−−−−−−−−−−−− (4)
3200×[容器容量−(A)の容量]
前記吸着剤としては、合成珪酸塩、ハイドロタルサイト類、酸化マグネシウムアルミニウム、活性白土、活性アルミナ、合成ゼオライト及びイオン交換樹脂から選ばれる1種以上が用いられる。
合成珪酸塩の具体例としては、キョーワード600(協和化学工業社製)、トミタAD600(富田製薬社製)等の合成珪酸マグネシウム;シリカアルミナ(触媒化成工業社製)、キョーワード700(協和化学工業社製)、トミタAD700(富田製薬社製)等の合成珪酸アルミニウムが挙げられる。ハイドロタルサイト類の具体例としては、天然ハイドロタルサイト;キョーワード500、キョーワード1000(いずれも協和化学工業社製)等の合成ハイドロタルサイト等が挙げられる。酸化マグネシウムアルミニウムとしては例えば、キョーワード2000(協和化学工業社製)、活性白土としては例えばガレオンアース(水澤化学工業社製)、活性アルミナとしては例えば、ネオビード(水澤化学工業社製)、合成ゼオライトとしては例えば、ミズカシーブス(水澤化学工業社製)等が挙げられる。
これらの吸着剤を単独で使用しても良いが、2種以上の吸着剤を併用してもよい。これらのうちで好ましくは合成珪酸マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、ハイドロタルサイトであり、特に好ましくはキョーワード600、キョーワード700、キョーワード1000である。
この製造方法により前記要件(i)〜(iii)を満たす本発明のシリコーン変性剤用ポリエーテル(A)が得られる。
本発明のシリコーン変性剤用ポリエーテル(A)は、従来のものに比べ中間体として使用したときの反応性が改善され、ウレタン用の整泡剤、化粧品原料となるシリコーン化合物の製造に関しての中間体として特に有益である。
以下、実施例により、本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されない。以下において、部は重量部を示す。
実施例1
十分に乾燥した耐圧製反応装置に水分0.012重量%、アルデヒド含有量10ppmのアリルアルコール80部、水酸化カリウム1.2部を仕込み、密封した後、撹拌下、室温にて減圧窒素置換(−0.08MPaとした後、窒素にて0MPa以上に圧を戻す。これを2回繰り返した後、反応槽を窒素で加圧し、微量酸素濃度計にて酸素濃度100ppmであることを確認)を行った。95℃まで昇温し、エチレンオキサイド700部、を90〜100℃の範囲で滴下した。反応後、30℃に冷却し、0.1%の水を加え、ポリエーテル(B−1)を得た。これを容量0.6Lのフラスコに0.5L入れ気相酸素濃度を0.1vol%[式(4)から計算される酸素濃度は0.175vol%]として30℃にて10日間密栓保存した。エーテル化反応前のポリエーテル(B−1)のアルデヒド含有量は0.002%、過酸化物価は0.4、水分は0.14%、着色は無かった。
続いてポリエーテル(B−1)500部とナトリウムボロハイドライド(NaBH4)を0.01部、粒状の水酸化ナトリウム(NaOH)42.5部を耐圧製反応装置に仕込み、撹拌下窒素置換して酸素濃度を50ppmとした。次いで反応系内を−0.09MPaとし、60℃にてメチルクロライド54部を0.1MPa以下で滴下した。60℃にて反応を10時間続け、得られた反応物にイオン交換水193部を加え、過剰のアルカリと生成塩を溶解させた。撹拌を停止し1時間静置後、窒素にて0.02MPaに加圧し下層の水を抜き取った。次いで上層のポリエーテルに対して3部のキヨワードKW−600(協和化学社製)と2部のキヨワードKW−700(協和化学社製)を加え混合した。混合後、液中に窒素を通気しながら70〜80℃で4時間減圧脱水し、40℃まで冷却してから窒素加圧濾過して本発明のシリコーン変性剤用ポリエーテル(A−1)を得た。A−1のアルデヒド含有量は0.02重量%、過酸化物価は1.5、アルカリ金属としてナトリウムは0.6ppm、水分量が0.08重量%であった。得られたシリコーン変性剤用ポリエーテル(A−1)は、0.6Lのフラスコに0.5L入れ、気相酸素濃度を0.1vol%[式(5)から計算される酸素濃度は0.35vol%]として密閉下、30℃で30日間保管した。30日後のアルデヒド含有量は0.03%、過酸化物価は1.9であった。また、アルケニル基の不飽和結合が反応して生成する二量体等の副生物は検出されなかった。
アリル基が反応し形成する二量体等の副生物はGPC法によって確認できる。測定条件は次の通り。
《GPCの測定条件》
機種 :HLC−8120(東ソー株式会社製)
カラム TSK gel SuperH4000
TSK gel SuperH3000
TSK gel SuperH2000
(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度 :40℃
検出器 :RI
溶媒 :テトラヒドロフラン
流速 :0.6ml/分
試料濃度 :0.25〜0.50%
注入量 :10μl
標準 :ポリオキシエチレングリコール
(東ソー株式会社製;TSK STANDARD
POLYETHYLENE OXIDE)
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
実施例2
十分に乾燥した耐圧製反応装置に水分0.012重量%、アルデヒド含有量10ppmのアリルアルコール80部、水酸化カリウム1.2部を仕込み、密封した後、撹拌下、室温にて実施例1と同様にして減圧窒素置換を行った。95℃まで昇温し、エチレンオキサイド550部、プロピレンオキサイド130部を混合したものを90〜100℃の範囲で滴下した。反応後、30℃に冷却し、0.1%の水を加え、ポリエーテル(B−2)を得た。これを容量0.6Lのフラスコに0.5L入れ気相酸素濃度を0.1vol%[式(4)から計算される酸素濃度は0.175vol%]として30℃にて10日間密栓保存した。エーテル化反応前のポリエーテル(B−2)のアルデヒド含有量は0.002%、過酸化物価は0.4、水分は0.15%、着色は無かった。
続いてポリエーテル(B−2)500部とNaBH4を0.01部、粒状のNaOH47.2部を耐圧製反応装置に仕込み、撹拌下窒素置換して酸素濃度を50ppmとした。次いで反応系内を−0.09MPaとし、60℃にてメチルクロライド59.6部を0.1MPa以下で滴下した。60℃にて反応を10時間続け、得られた反応物にイオン交換水211部を加え、過剰のアルカリと生成塩を溶解させた。撹拌を停止し1時間静置後、窒素にて0.02MPaに加圧し下層の水を抜き取った。次いで上層のポリエーテルに対して3部のキヨワードKW−600(協和化学社製)と2部のキヨワードKW−700(協和化学社製)を加え混合した。混合後、液中に窒素を通気しながら70〜80℃で4時間減圧脱水し、40℃まで冷却してから窒素加圧濾過して本発明のシリコーン変性剤用ポリエーテル(A−2)を得た。(A−2)のアルデヒド含有量は0.03重量%、過酸化物価は1.8、アルカリ金属としてナトリウムは0.4ppm、水分量が0.07重量%であった。得られたシリコーン変性剤用ポリエーテル組成物(A−2)は、0.6Lのフラスコに0.5L入れ、気相酸素濃度を0.2vol%[式(5)から計算される酸素濃度は0.35vol%]として密閉下、30℃で30日間保管した。30日後のアルデヒド含有量は0.05%、過酸化物価は2.5であった。また、アルケニル基の不飽和結合が反応して生成する二量体等の副生物は検出されなかった。
実施例3
実施例1で得られたシリコーン変性剤用ポリエーテル(A−1)を0.6Lのフラスコに0.55L入れ、気相酸素濃度0.5vol%[式(5)から計算される酸素濃度は0.77vol%]として、空気の出入りがないように密閉した。これを30℃で90日間保管しシリコーン変性剤用ポリエーテル(A−3)を得た。90日後のアルデヒド含有量は0.06%、過酸化物価は3.4であった。また、アルケニル基の不飽和結合が反応して生成する二量体等の副生物は検出されなかった。
実施例4
十分に乾燥した耐圧製反応装置に水分0.009重量%、アルデヒド含有量9ppmのメタノール80部、水酸化カリウム0.7部を仕込み、密封した後、撹拌下、室温にて加圧窒素置換(窒素にて0.3MPa以上に圧をかけ、0MPaまで圧抜きをする。これを5回繰り返した後、反応槽を窒素で加圧し、微量酸素濃度計にて酸素濃度100ppmであることを確認)を行った。95℃まで昇温し、エチレンオキサイド660部を90〜100℃の範囲で滴下した。反応後、30℃に冷却し、0.1%の水を加え、ポリエーテル(C−1)を得た。これを容量0.6Lのフラスコに0.5L入れ気相酸素濃度を0.1vol%[式(4)から計算される酸素濃度は0.175vol%]として30℃にて10日間密栓保存した。エーテル化反応前のポリエーテル(C−1)のアルデヒド含有量は0.003%、過酸化物価は0.1、水分は0.13%、着色は無かった。
続いてポリエーテル(C−1)500部とNaBH4を0.01部、粒状の水酸化ナトリウム74.5部を耐圧製反応装置に仕込み、撹拌下窒素置換して酸素濃度を50ppmとした。次いで反応系内を−0.09MPaとし、60℃にてアリルクロライド121部を0.1MPa以下で滴下した。60℃にて反応を10時間続け、得られた反応物にイオン交換水338部を加え、過剰のアルカリと生成塩を溶解させた。撹拌を停止し1時間静置後、窒素にて0.02MPaに加圧し下層の水を抜き取った。次いで上層のポリエーテルに対して3部のキヨワードKW−600(協和化学社製)と2部のキヨワードKW−700(協和化学社製)を加え混合した。混合後、液中に窒素を通気しながら70〜80℃で4時間減圧脱水し、40℃まで冷却してから窒素加圧濾過して本発明のシリコーン変性剤用ポリエーテル(A−4)を得た。A−4のアルデヒド含有量は0.01重量%、過酸化物価は1.8、アルカリ金属としてナトリウムは0.5ppm、水分量が0.06重量%であった。得られたシリコーン変性剤用ポリエーテル(A−4)は、0.6Lのフラスコに0.5L入れ、気相酸素濃度を0.1vol%[式(5)から計算される酸素濃度は0.35vol%]として密閉下、30℃で30日間保管した。30日後のアルデヒド含有量は0.02%、過酸化物価は2.4であった。また、アルケニル基の不飽和結合が反応して生成する二量体等の副生物は検出されなかった。
比較例1
十分に乾燥した耐圧製反応装置に水分0.012重量%、アルデヒド含有量10ppmのアリルアルコール80部、水酸化カリウム1.2部を仕込み、密封した後、撹拌下、室温にて減圧窒素置換(−0.08MPaとした後、窒素にて0MPa以上に圧を戻す。これを2回繰り返した後、反応槽を窒素で加圧し、微量酸素濃度計にて酸素濃度100ppmであることを確認)を行った。95℃まで昇温し、エチレンオキサイド700部、を90〜100℃の範囲で滴下した。反応後、30℃に冷却し、水を加えずに容量0.6Lのフラスコに0.5L入れ気相酸素濃度を0.1vol%として30℃にて10日間密栓保存した。エーテル化反応前のポリエーテルのアルデヒド含有量は0.03%、過酸化物価は1.2であったが黄色に着色していた。水分は0.04%であった。
次いでこの保管したものを500部と粒状の水酸化ナトリウム42.5部を耐圧製反応装置に仕込み、0.01部のNaBH4ナトリウムボロハイドライドを添加し、撹拌下窒素置換して酸素濃度を50ppmとした。以下、実施例1と同様にして比較例1のポリエーテルを得た。比較例1のポリエーテルのアルデヒド含有量は0.04重量%、過酸化物価は12、アルカリ金属としてナトリウムは0.4ppm、水分量が0.07重量%であったが、色はハーゼン単位色数で160であった。
比較例2
実施例1と同様にして得られたポリエーテル(B−1)を容量0.6Lのフラスコに0.5L入れ、不活性ガスで置換せず、気相は空気(酸素濃度約21%)のまま密閉下、30℃で10日間保管した。
次いでこの保管したものを500部と粒状の水酸化ナトリウム42.5部を耐圧製反応装置に仕込み、NaBH4は添加せず、撹拌下窒素置換して酸素濃度を50ppmとした。以下、実施例1と同様にして比較例2のポリエーテルを得た。アルデヒド含有量は0.04重量%、過酸化物価は64、アルカリ金属としてナトリウムは0.6ppm、水分量が0.07重量%であったが、色はハーゼン単位色数で300であった。
比較例3
実施例1と同様にして得られたポリエーテル(B−1)を容量0.6Lのフラスコに0.5L入れ、不活性ガスで置換し、気相酸素濃度0.1%として密閉下、30℃で10日間保管した。
次いでこの保管したものを500部と粒状の水酸化ナトリウム42.5部を耐圧製反応装置に仕込み、NaBH4は添加せず、撹拌下窒素置換して酸素濃度を50ppmとした。以下、実施例1と同様にして比較例1のポリエーテルを得た。アルデヒド含有量は0.2重量%、過酸化物価は1.8、アルカリ金属としてナトリウムは0.4ppm、水分量が0.06重量%であったが、色はハーゼン単位色数で120であった。
比較例4
容量0.6Lのフラスコに0.5L入れ気相酸素濃度を0.1vol%として30℃にて10日間密栓保存したポリエーテル(B−1)500部とNaBH4を0.01部、粒状の水酸化ナトリウム42.5部を耐圧製反応装置に仕込み、撹拌下窒素置換して酸素濃度を50ppmとした。次いで反応系内を−0.09MPaとし、60℃にてメチルクロライド54部を0.1MPa以下で滴下した。60℃にて反応を10時間続け、得られた反応物にイオン交換水193部を加え、過剰のアルカリと生成塩を溶解させた。撹拌を停止し1時間静置後、窒素にて0.02MPaに加圧し下層の水を抜き取った。次いで上層のポリエーテルに対して3部のキヨワードKW−600(協和化学社製)と2部のキヨワードKW−700(協和化学社製)を加え混合した。混合後、液中に窒素を通気しながら70〜80℃で4時間減圧脱水し、40℃まで冷却してから窒素加圧濾過して比較例4のシリコーン変性剤用ポリエーテルを得た。これに酸化防止剤として一般的なt−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を0.5%加え、0.6Lのフラスコに0.5L入れ、気相は空気のまま30℃で30日間保管した。30日後のアルデヒド含有量は0.03%、過酸化物価は1.5であったが、アルケニル基の不飽和結合が反応して生成する二量体等の副生物が0.3%検出され、薄紫色に着色していた。
試験例1〜4及び比較試験例1〜4
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られたシリコーン変性剤用ポリエーテル組成物(A−1)〜(A−4)及び(A’−1)〜(A’−4)にトリエチルシラン(アルドリッチ社製)を、公知の方法でヒドロシリル化反応させ、SiH基を完全に反応させるに要するシリコーン変性剤用ポリエーテルの必要量、脱溶剤後の外観及び臭気(アルデヒド由来)を比較した。溶媒としてエタノールを用い、触媒として塩化白金酸を用いた。その結果を表1,表2に示した。
本発明のシリコーン変性剤用ポリエーテル(A)はウレタン用の整泡剤、化粧品原料、電子材料としてのシリコーン化合物製造における中間体として特に有用である。


Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表され、下記(i)〜(iii)の要件を満たす酸化防止剤を含有しないシリコーン変性剤用ポリエーテル(A)。
    一般式
    CH2=CR1−(CH2)m−O−(XO)nR2 (1)
    [式中、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数3〜12のアルケニル基を表す。mは1又は2〜10の整数、nは2〜100の整数を表す。]
    (i) (A)中のアルデヒド含有量が0.1重量%以下
    (ii) (A)の過酸化物価が5以下
    (iii)(A)中のアルカリ金属含有量が2ppm以下
  2. 下記(iv)〜(vi)の要件を満たす中で、下記一般式(2)で示されるポリエーテル(B)とアルキルハロゲン化物R2Z(R2は炭素数1〜22のアルキル基若しくは炭素数3〜12のアルケニル基、Zはハロゲンを表す)との反応、又は(3)で表されるポリエーテル(C)とCH2=CR1−(CH2)mZ(R1は水素原子またはメチル基との反応、Zはハロゲンを表す)との反応を行う請求項1記載のシリコーン変性剤用ポリエーテル(A)の製造法。
    (iv)(B)中又は(C)中のアルデヒド含有量が0.01重量%以下
    (v) (B)又は(C)の過酸化物価が1以下
    (vi)(B)中又は(C)中の水分量が0.1〜0.2重量%
    一般式
    CH2=CR1−(CH2)m−O−(XO)nH (2)
    [式中、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、R1は水素原子またはメチル基を表す。mは1〜10の整数、nは2〜100の整数を表す。]
    一般式
    2O−(XO)nH (3)
    [式中、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、R2は炭素数1〜22のアルキル基または炭素数3〜12のアルケニル基を表す。nは2〜100の整数を表す。]
  3. 系内の酸素濃度が下記式(4)を満たして密閉下で保管する請求項1記載のシリコーン変性剤用ポリエーテル(A)の保管方法。
    224×(A)の容量
    酸素濃度(vol%)< −−−−−−−−−−−−−−−−−−− (4)
    3200×[容器容量−(A)の容量]






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