JP2002308810A - アルコールアルコキシレート化合物およびその組成物 - Google Patents

アルコールアルコキシレート化合物およびその組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低臭気性などの従来から要求されている特性
のほかに、洗液のぬめり感、洗濯後の衣料のきしみ感な
どの点においても十分満足し得るアルコールアルコキシ
レート化合物、およびこのアルコールアルコキシレート
化合物を含む組成物を提供する。 【解決手段】 アルコールアルコキシレート化合物中の
未反応アルコール含有量を0.3質量%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコールアルコ
キシレート化合物およびこの化合物を有効成分として含
有する組成物、例えば洗剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】高級アルコールに、エチレンオキシド、
またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを付加
させて得られるアルコールアルコキシレート化合物は、
非イオン界面活性剤としてよく知られたものであり、各
種洗浄剤などの有効成分として広く用いられている。
【0003】このアルコールアルコキシレート化合物に
は、その用途に照らして、低臭気性、低気泡性などの種
々の特性が要求されている。さらに、最近では、液体洗
浄剤の有効成分として使用する場合、洗液の「ぬるつき
(ぬめり)感」(特開平3−185096号公報)や、
洗濯後の衣料の「きしみ感」(特開平7−62387号
公報)に優れた改良アルコールアルコキシレート化合物
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な低臭気性などの従来から要求されている特性のほか
に、洗液のぬめり感、洗濯後の衣料のきしみ感などの点
においても十分満足し得るアルコールアルコキシレート
化合物、およびこのアルコールアルコキシレート化合物
を含む組成物を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、前記課題は以下の発明によって解決されることがわ
かった。 (A) 一般式(1) R−OH ・・・(1) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
基、もしくは置換アリール基である。)で表されるアル
コールと、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド
とを反応させて得られる一般式(2) R−O−(E−O−)x(P−O−)y−H ・・・(2) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
基、もしくは置換アリール基であり、Eはエチレン基で
あり、Pはプロピレン基であり、xおよびyは、同一で
も異なっていてもよく、各々1〜100の数である。)
で表されるアルコールアルコキシレート化合物であっ
て、アルコールの含有量が0.3質量%以下であること
を特徴とするアルコールアルコキシレート化合物。 (B) 一般式(1) R−OH ・・・(1) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
基、もしくは置換アリール基である。)で表されるアル
コールとエチレンオキシドとを反応させて、一般式
(3) R−O−(E−O)x−H ・・・(3) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
基、もしくは置換アリール基であり、Eはエチレン基で
あり、xは1〜100の数である。)で表される化合物
を生成させた後、プロピレンオキシドを反応させて得ら
れる一般式(4) R−O−(E−O−)x(P−O−)y−H ・・・(4) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
基、もしくは置換アリール基であり、Eはエチレン基で
あり、Pはプロピレン基であり、xおよびyは、同一で
も異なっていてもよく、各々1〜100の数である。)
で表されるアルコールアルコキシレート化合物であっ
て、アルコール含有量が0.3質量%以下であることを
特徴とするアルコールアルコキシレート化合物。(C)
上記アルコールアルコキシレート化合物を有効成分とし
て含むことを特徴とする組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のアルコールアルコキシレ
ート化合物(すなわち、一般式(2)で表されるアルコ
ールアルコキシレート化合物)は、一般式(1)で表さ
れるアルコールと、エチレンオキシド(EO)およびプ
ロピレンオキシド(PO)とを反応させて得られるもの
である。ここで、EOおよびPOの添加・反応順序には
特に制限はなく、種々の態様にしたがって添加・反応さ
せることができる。代表的な態様を示すと次のとおりで
ある。 EOを添加、反応させた後、POを添加して反応さ
せる。 POを添加、反応させた後、EOを添加して反応さ
せる。 EOとPOとを同時に添加して反応させる。 EOとPOとを同時に添加、反応させた後、EOを
添加して反応させる。 EOとPOとを同時に添加、反応させた後、POを
添加して反応させる。 EOを添加、反応させた後、EOとPOとを同時に
添加して反応させる。 EOを添加、反応させた後、POを添加して反応さ
せ、さらにEOを添加して反応させる。 POを添加、反応させた後、EOを添加して反応さ
せ、さらにPOを添加して反応させる。
【0007】したがって、一般式(2)における、(E
−O)x(P−O)yとの表示は、(イ) (E−O)x
(P−O)y(最初にEO、次にPOがそれぞれブロッ
クに結合している(方法に対応))、(ロ) (P−
O)y(E−O)x(最初にPO、次にEOがそれぞれ
ブロックに結合している(方法に対応))、(ハ)
([E−O−]x/[P−O−]y)(EOとPOとが
ランダムに結合している(方法に対応))、(ニ)
(E−O−)x1([E−O−]x2/[P−O−]y)
(x+x=x、最初にEOがブロックに結合し、次
にEOとPOとがランダムに結合している(方法に対
応))、(ホ) (E−O−)x1(P−O−)y(E
−O−)x2(x+x=x)(最初にEO、次にP
O、最後にEOがそれぞれブロックに結合している(方
法に対応))、などのブロックおよび/またはランダ
ム結合形式を包含するものである。
【0008】一般式(2)で表されるアルコールアルコ
キシレート化合物のなかでも、上記(イ)、(ハ)およ
び(ニ)に相当するアルコールアルコキシレート化合物
が好適に用いられる。
【0009】一般式(2)において、Rは、一般式
(1)で表される原料アルコールのアルキル残基であ
り、炭素数8〜30、好ましくは10〜18、より好ま
しくは12〜16の直鎖または分岐アルキル基、または
置換アリール基である。ここで、置換アリール基とは、
1つまたは2つ以上のアルキル基を有し、アルキル基の
合計炭素数が6〜12のアリール基を意味する。Rは、
好ましくは直鎖アルキル基であり、その炭素数は、好ま
しくは10〜18、より好ましくは12〜16である。
本発明のアルコールアルコキシレート化合物のなかで
も、原料アルコールとして、炭素数10〜18、好まし
くは12〜16の二級アルコールを用い、これをエチレ
ンオキシドおよびプロピレンオキシドと反応させて得ら
れるアルコールアルコキシレート化合物が好ましい。
【0010】アルコールは、通常、異なる炭素数(例え
ば、炭素数12〜16の範囲の炭素数)を有する複数の
アルコールの混合物として工業的に入手し得るものであ
るから、本発明においては、このようなアルコール混合
物をアルコール原料として用いるのが一般的である。も
ちろん、同一炭素数を有する単一のアルコールであって
もよく、このようなアルコールの代表例としては、カル
コール(商品名、花王(株)製)、ダイヤドール(商品
名、三菱化学(株)製)などの合成アルコール、椰子油
アルコールなどの天然アルコールを挙げることができ
る。
【0011】一般式(2)において、xおよびyは、そ
れぞれ、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの
平均付加モル数を意味し、同一でも、異なっていてもよ
く、各々1〜100、好ましくは1〜50、より好まし
くは3〜30の数である。
【0012】本発明のアルコールアルコキシレート化合
物は、アルコールと、エチレンオキシドおよびプロピレ
ンオキシドとを、例えば、前記方法〜のいずれかの
方法により反応させて容易に製造することができる。
【0013】方法および方法は、一般によく知られ
ており、原料アルコールが二級アルコールの場合、方法
については、特開昭57−108197号公報、特開
昭62−64900号公報などを参照することができ
る。また、方法については、特開昭59−16474
3号公報などを参照することができる。
【0014】これら方法のうち、代表的な方法を例に
挙げて本発明を説明するが、方法は、一般式(1)で
表されるアルコールとエチレンオキシドとを反応させて
エチレンオキシド付加物を生成させる工程(以下、EO
付加工程という。)と、このエチレンオキシド付加物と
プロピレンオキシドとを反応させて一般式(4)で表さ
れるアルコールアルコキシレート化合物を製造する工程
(以下、PO付加工程という。)とからなるものであ
る。
【0015】具体的には、一般式(1)で表されるアル
コールとエチレンオキシドとを反応させて、一般式
(3) R−O−(E−O)x−H ・・・(3) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
基、もしくは置換アリール基であり、Eはエチレン基で
あり、xは1〜100の数である。)で表される化合物
を生成させた後、このエチレンオキシド付加物とプロピ
レンオキシドを反応させて一般式(4) R−O−(E−O−)x(P−O−)y−H ・・・(4) で表されるアルコールアルコキシレート化合物を得ると
いうものである。
【0016】なお、一般式(4)で使用する記号は一般
式(2)におけると同意義であるが、一般式(4)で表
されるアルコールアルコキシレート化合物は、最初にエ
チレンオキシド、次にプロピレンオキシドがそれぞれブ
ロックに結合したアルコールアルコキシレート化合物
(前記の(イ)に対応)である点で、一般式(4)は一
般式(2)と相違する。
【0017】前記のEO付加工程における、一般式
(3)で表されるエチレンオキシド付加物は、原料アル
コールとエチレンオキシドとを常法により反応させるこ
とにより容易に得られる。具体的には、例えば、炭素数
12〜14の二級アルコールを触媒としてのBF・エ
ーテラートとともに反応器に仕込んだ後、窒素圧下、3
0〜50℃程度の温度でエチレンオキシドをフィードし
て反応させればよい。このような、炭素数12〜14の
二級アルコールを用い、これにエチレンオキシドを付加
させたエチレンオキシド付加物は一般に市販されてい
る。代表的なものとしては、例えば、ソフタノール3
0、33、50、70、90、120、70H、90H
および120H(株式会社日本触媒製、「ソフタノー
ル」は商品名である。)を挙げることができる。これら
ソフタノールの特性、すなわちエチレンオキシド平均付
加モル数および残存(未反応)アルコール濃度を表1に
示す。また、ソフタノール30および33のエチレンオ
キシド付加モル分布を図1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】上記ソフタノールシリーズのなかでも、ソ
フタノール50、70、90および120はソフタノー
ル30を、またソフタノール70H、90Hおよび12
0Hは、ソフタノール33を原料として、これにエチレ
ンオキシドを付加させて製造されている。したがって、
一般式(3)で表される化合物は、ソフタノール30ま
たは33を出発原料とし、これに所望量のエチレンオキ
シドを付加させて製造しても、あるいはソフタノール7
0、90などをそのまま使用してもよい。
【0020】なお、原料アルコールとして一級アルコー
ルを用いる場合には、常法により、一級アルコールとそ
の0.01〜0.2%程度の塩基性触媒(例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム)とを反応器に仕込み、
100〜170℃、0.1〜1MPa程度の圧力下にエ
チレンオキシドをフィードして反応させればよい。
【0021】PO付加工程では、EO付加工程で得られ
るエチレンオキシド付加物、例えば、市販のソフタノー
ル70をプロピレンオキシドと常法により反応させて、
本発明のアルコールアルコキシレート化合物を得る。具
体的には、例えば、反応器にソフタノール70と酸性ま
たは塩基性触媒(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム)とを仕込み、これにプロピレンオキシドをフィ
ードして、加圧下に100〜180℃、好ましくは10
0〜130℃の温度で反応させ、その後100〜180
℃、好ましくは100〜130℃の温度で熟成させれば
よい。
【0022】上記各反応は、連続でも、あるいはバッチ
でもよい。アルコール液中へのエチレンオキシドおよび
プロピレンオキシドの吸収がより速いほうが分解生成物
の生成が抑制されて好ましいことから、このような点を
考慮して、反応装置(反応釜、攪拌翼など)を適宜選択
するのがよい。反応液の十分な攪拌が行われるという点
で好適に用いられる攪拌翼の例としては、住友重機
(株)製のマックスブレンド翼、トルネード翼、神鋼バ
ンテック(株)製のフルゾーン翼などを挙げることがで
きる。
【0023】なお、前記方法の場合には、前記PO付
加工程の代わりに、エチレンオキシドとプロピレンオキ
シドとを同時に供給してランダムに共重合させるEO/
POランダム付加工程を実施すればよい。EO/PO付
加工程は、PO付加工程と同様の条件で行うことができ
る。また、前記方法の場合、2度のEO付加およびP
O付加はそれぞれ前記EO付加工程およびPO付加工程
と同様の条件で行うことができる。
【0024】本発明のアルコールアルコキシレート化合
物のアルコール含有量、すなわち原料アルコールが未反
応のままアルコールアルコキシレート化合物に残存して
いる量は、0.3質量%以下、好ましくは0.2質量%
以下、より好ましくは0.1質量%以下である。アルコ
ール含有量が0.3質量%を超えると、臭い、ぬめり
感、きしみ感などに優れたアルコールアルコキシレート
化合物を得ることができない。
【0025】上記アルコール含有量を0.3質量%以下
にするには、得られるアルコールアルコキシレート化合
物を蒸留して未反応アルコールを留去させる方法が効果
的である。そのほか、一般式(3)で表されるエチレン
オキシド付加物を生成させた時点で蒸留して未反応アル
コールをカットし、その後プロピレンオキシドを添加、
反応させてもよい。
【0026】本発明のアルコールアルコキシレート化合
物においては、アリルアルコール含有量を500ppm
以下にするのがよい。このアリルアルコール含有量は、
好ましくは100ppm以下、より好ましくは50pp
m以下、特に好ましくは20ppm以下である。アリル
アルコールは、アルコールアルコキシレート化合物を製
造する過程で生成する副生物であり、本発明によって始
めて確認されたものである。そして、このアリルアルコ
ールの含有量が500ppmを超えると臭いや、手荒れ
の一要因になるものと推定されている。
【0027】上記アリルアルコール含有量は、前記PO
付加工程において、(1)触媒として水酸化カリウム
(KOH)を用いる、(2)反応を130℃以下の温度
で行う、(3)熟成を130℃以下の温度で行う、
(4)窒素バブリングを行う、(5)減圧脱気を行う、
(6)水またはそれ以外の成分を添加して減圧脱気させ
る、(7)蒸留を行う、などの方法を単独あるいは組み
合わせて適用することにより、500ppm以下にする
ことができる。なかでも、窒素バブリングしながら減圧
脱気を行うが好ましい。反応温度や熟成温度が130℃
を超えるとプロピレンオキシドの異性化やポリプロピレ
ンオキシド鎖の分解が起こりやすく、アリルアルコール
含有量が増加する傾向にある。
【0028】本発明のアルコールアルコキシレート化合
物においては、プロピレンオキシド含有量、すなわち未
反応プロピレンオキシドの量を100ppm以下にする
のがよい。プロピレンオキシド含有量は、好ましくは5
0ppm以下、より好ましくは20ppm以下、特に好
ましくは10ppm以下である。また、エチレンオキシ
ド含有量、すなわち未反応エチレンオキシドの量を10
0ppm以下にするのがよい。エチレンオキシド含有量
は、好ましくは50ppm以下、より好ましくは20p
pm以下、特に好ましくは10ppm以下である。
【0029】エチレンオキシドおよびプロピレンオキシ
ドは、皮膚刺激性やアレルギー抑制の観点から、その含
有量を低減させるのが好ましい。上記エチレンオキシド
およびプロピレンオキシドの含有量は、前記PO付加工
程において、(1)熟成時間を長くする、(2)窒素バ
ブリングする、(3)減圧脱気する、(4)水を添加し
て共沸蒸留させる、(5)蒸留する、(6)吸着剤を用
いて吸着する、(7)エチレンオキシドやプロピレンオ
キシドと反応する化合物を添加する、などの方法を単独
あるいは組み合わせて適用することにより、それぞれ、
100ppm以下にすることができる。吸着剤として
は、モレキュラーシーブ、活性炭、多孔質ポリマー、キ
ョーワード(商品名、共和化学工業(株)製)などの無
機吸着剤を用いることができる。
【0030】本発明のアルコールアルコキシレート化合
物においては、一般式(5)および(6) R−O−(E−O−)z−H ・・・(5) R−O−(P−O−)z−H ・・・(6) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
基、もしくは置換アリール基であり、Eはエチレン基で
あり、Pはプロピレン基であり、zおよびzは、同
一でも異なっていてもよく、各々1〜100の数であ
る。)で表される化合物の合計含有量が1質量%以下と
するのがよい。この合計含有量が1質量%を超えると、
ぬめり感が強くなる。
【0031】一般式(5)および(6)で表される化合
物は、反応の過程で生成するものであるが、一般式
(5)で表される化合物のなかには、原料として用いる
ソフタノール30または33が未反応のまま残存するも
のも含まれる。したがって、一般式(5)および(6)
で表される化合物の合計含有量とは、反応の過程で生成
する一般式(5)および(6)で表される化合物と、原
料として用いたソフタノール30または33などのエチ
レンオキシド低モル数付加物のうちの未反応物との合計
量を意味するものである。
【0032】上記合計含有量は、(1)減圧脱気する、
(2)窒素バブリングする、などの方法を単独あるいは
組み合わせて適用することにより、1質量%以下とする
ことができる。なかでも、窒素バブリングしながら減圧
脱気するのが効果的である。
【0033】本発明のアルコールアルコキシレート化合
物は、必要に応じて、イオン交換樹脂、キョーワードな
どの吸着剤を用いて触媒を除去してもよく、また酢酸、
乳酸、リン酸などの有機酸、あるいは硫酸、塩酸、硝酸
などの無機酸で中和してもよい。
【0034】本発明のアルコールアルコキシレート化合
物は、衣料用液体または粉体洗剤、台所用洗剤、家庭用
洗剤、固体洗浄剤などの各種洗浄剤の有効成分として使
用することができる。また、消泡剤、抑泡剤、潤滑剤、
繊維油剤、紙薬剤、凝集剤、分散剤、乳化重合剤、乳化
剤、耐電防止剤、表面処理剤などとして、あるいはそれ
らの有効成分として使用することもできる。
【0035】
【発明の効果】本発明のアルコールアルコキシレート化
合物は、臭いなどの特性のほかに、ぬめり感、きしみ感
などにおいて優れたものであり、例えば、洗剤組成物の
有効成分として好適に用いられる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。 実施例1 前記方法によりアルコールアルコキシレート化合物を
製造した。
【0037】容量1000mlのステンレス鋼製反応器
にソフタノール30(商品名、株式会社日本触媒製)4
27.3gおよび触媒として49%水酸化カリウム2.
78gを仕込み、130℃に昇温し、66.7hPaで
1時間減圧脱水した後、155℃に昇温し、エチレンオ
キシド88.1gをフィードして、最高圧力6.0kg
/cmで反応させ、その後1時間熟成させた。次い
で、温度を130℃にし、最高圧力6.0kg/cm
にてプロピレンオキシド256.0gをフィードして、
反応させ、その後2時間熟成させた。その後、20ml
/minの量で窒素バブリングしながら66.7hPa
に減圧して、130℃で5時間維持して、未反応のプロ
ピレンオキシドとアリルアルコールとを除去した。60
℃へ降温後、酢酸で中和することによりアルコキシレー
ト合成品1を得た。
【0038】アルコキシレート合成品1に関するデー
タ、すなわちソフタノール30のアルコール含有量、エ
チレンオキシドとプロピレンオキシドとの結合形式、エ
チレンオキシドおよびプロピレンオキシドそれぞれの平
均付加モル数(x、y)、エチレンオキシド付加後のア
ルコール含有量、ならびにアルコキシレート合成品1の
アルコール含有量、アリルアルコール含有量、エチレン
オキシド含有量、プロピレンオキシド含有量および合計
含有量(一般式(5)および(6)で表される化合物の
合計含有量)を表2に示した。なお、これらの測定方法
は次のとおりである。 (アルコール含有量)シリル化ビストリメチルトリフル
オロアセトアミド:トリメチルクロロシラン=99:1
(質量比)の液9gに試料1gを加え、70℃で1時間
加温して、水酸基をシリル化する。島津ガスクロマトグ
ラフGC17Aを用い、アルコール標品により検量線を
作成して、アルコール含有量を測定する。測定条件は次
のとおりである。カラム:J&W Scientifi
c社製、DB−5HT(長さ:30m、内径:0.25
mm、膜厚:0.1μm); (一般式(5)および(6)で表される化合物の合計含
有量)試料の約50%CDCl溶液を作成し、13C
−NMRにより測定する。60〜62pmのピークが末
端エチレンオキシド鎖の炭素に帰属されるため、エトキ
シレートの検量線にて定量する。 (エチレンオキシド含有量)島津ガスクロマトグラフG
C14Aを用いて測定した。2m5mmφガラスカラム
にChromosorb101(80/100メッシ
ュ)を充填する。バイアル瓶に試料10gを精秤し、パ
ッキンアルミキャップをかぶせ、シーラーで密閉する。
これを80℃に加熱し、ガス相をガスタイトシリンジで
採取し、1mlをカラムに注入する。 (プロピレンオキシド含有量、アリルアルコール含有
量)島津ガスクロマトグラフGC17Aを用いて測定す
る。測定条件は次のとおりである。 カラム:J&W Scientific社製、DB−W
AX(長さ:30m、内径:0.53mm、膜厚:1μ
m); 定量限界:各々1ppm以上 実施例2 実施例1において、表2に示すようにエチレンオキシド
およびプロピレンオキシドの付加モル数(x、y)を変
更した以外は実施例1と同様にしてアルコキシレート合
成品2を製造した。実施例1と同様にして測定した、ア
ルコキシレート合成品2に関するデータを表2に示し
た。 実施例3 実施例1において、ソフタノール30の代わりにソフタ
ノール33(商品名:株式会社日本触媒製)を用い、表
2に示すようにエチレンオキシドおよびプロピレンオキ
シドの付加モル数(x、y)を変更した以外は実施例1
と同様にしてアルコキシレート合成品3を製造した。実
施例1と同様にして測定した、アルコキシレート合成品
3に関するデータを表2に示した。 実施例4 実施例1において、表2に示すようにエチレンオキシド
およびプロピレンオキシドの付加モル数(x、y)を変
更した以外は実施例1と同様にしてアルコキシレート合
成品4を製造した。実施例1と同様にして測定した、ア
ルコキシレート合成品4に関するデータを表2に示し
た。 実施例5 実施例1において、ソフタノール30の代わりにソフタ
ノール33を用い、表1に示すようにエチレンオキシド
およびプロピレンオキシドの付加モル数(x、y)を変
更した以外は実施例1と同様にしてアルコキシレート合
成品5を製造した。実施例1と同様にして測定した、ア
ルコキシレート合成品5に関するデータを表2に示し
た。 比較例1 実施例1において、ソフタノール30の代わりにダイヤ
ドール13(三菱化学(株)製)を用い、また表2に示
すようにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの
付加モル数(x、y)、ならびに脱気条件を変更した以
外は実施例1と同様にしてアルコキシレート合成品6を
製造した。実施例1と同様にして測定した、アルコキシ
レート合成品6に関するデータを表2に示した。 比較例2 実施例1において、ソフタノール30の代わりにヤシ油
アルコール(コノール100、新日本理化(株)製)を
用いた以外は実施例1と同様にしてアルコキシレート合
成品7を製造した。実施例1と同様にして測定した、ア
ルコキシレート合成品7に関するデータを表2に示し
た。 実施例6 前記方法によりアルコールアルコキシレート化合物を
製造した。
【0039】実施例1において、ソフタノール30の代
わりにソフタノール33を用い、エチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドとを同時にフィードする以外は、実施
例1の方法に準じて、表3に示すようなアルコールアル
コキシレート合成品8(EO/POランダム結合)を製
造した。実施例1と同様にして測定した、アルコキシレ
ート合成品8に関するデータを表3に示した。 実施例7 前記方法によりアルコールアルコキシレート化合物を
製造した。
【0040】実施例1において、ソフタノール30の代
わりにカルコール1298(花王(株)製)を用い、最
初にエチレンオキシド、次にプロピレンオキシド、最後
にエチレンオキシドをフィードする以外は実施例1の方
法に準じて、表4に示すようなアルコキシレート合成品
9(EOx/POy/EOxブロック結合)を製造
した。実施例1と同様にして測定した、アルコキシレー
ト合成品9に関するデータを表4示した。 実施例8 実施例1〜7および比較例1、2で得られたアルコキシ
レート合成品1〜9に関し、ぬめり感、きしみ感および
臭いを測定した。結果を表2〜4に示す。 (ぬめり感)アルコキシレート合成品の10質量%水溶
液を調製し、スポンジで皿を洗浄した後の手に残ったぬ
めり感をテスター5名の平均値として次の数値で評価し
た。 5 ぬめり感なし 4 ほとんどぬめり感なし 3 ややぬめり感あり 2 ぬめり感あり 1 かなりぬめり感あり (きしみ感)アルコキシレート合成品40質量%、カチ
オン性界面活性剤(C16−18−N(CH
Cl;トリメチルアンモニウム塩クロライド)3質量
%、エタノール5質量%、ポリプロピレングリコール
(PPG)1質量%、残り水の洗剤を調製し、これを3
0℃の水道水で0.05質量%まで希釈して、全自動洗
濯機で洗浄テストを行った。洗浄後、20℃、65%R
Hの試験室で48時間乾燥させ、洗浄前と後のセーター
とを比較し、テスター5名の平均値として次の数値でき
しみ感を評価した。 5 洗濯前よりよい 4 選択前よりややよい 3 洗濯前とほぼ同じ 2 洗濯前よりやや悪い 1 洗濯前より悪い (臭い)アルコキシレート合成品の臭いを直接嗅ぐ官能
テストにより、テスター5名の平均値として次の数値に
より臭いを評価した。 5 臭わない 4 ほとんど臭わない 3 やや臭う 2 臭う 1 きつい臭いがする
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】上記表において、soft30および33
は、それぞれ、ソフタノール30および33を意味す
る。また、%およびppmは質量基準である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ソフタノール30、33のエチレンオキシド
付加モル分布である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H003 AC08 AC23 AE05 BA01 BA09 BA12 DA01 DA05 DA17 EB04 EB06 ED02 FA21 FA25 4H006 AA02 AB68 AC43 GN06 GP01 4H039 CA61 CL20 4J005 AA12 BB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) R−OH ・・・(1) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
    基、もしくは置換アリール基である。)で表されるアル
    コールと、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド
    とを反応させて得られる一般式(2) R−O−(E−O−)x(P−O−)y−H ・・・(2) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
    基、もしくは置換アリール基であり、Eはエチレン基で
    あり、Pはプロピレン基であり、xおよびyは、同一で
    も異なっていてもよく、各々1〜100の数である。)
    で表されるアルコールアルコキシレート化合物であっ
    て、アルコール含有量が0.3質量%以下であることを
    特徴とするアルコールアルコキシレート化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(1) R−OH ・・・(1) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
    基、もしくは置換アリール基である。)で表されるアル
    コールとエチレンオキシドとを反応させて、一般式
    (3) R−O−(E−O)x−H ・・・(3) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
    基、もしくは置換アリール基であり、Eはエチレン基で
    あり、xは1〜100の数である。)で表される化合物
    を生成させた後、プロピレンオキシドを反応させて得ら
    れる一般式(4) R−O−(E−O−)x(P−O−)y−H ・・・(4) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
    基、もしくは置換アリール基であり、Eはエチレン基で
    あり、Pはプロピレン基であり、xおよびyは、同一で
    も異なっていてもよく、各々1〜100の数である。)
    で表されるアルコールアルコキシレート化合物であっ
    て、アルコール含有量が0.3質量%以下であることを
    特徴とするアルコールアルコキシレート化合物。
  3. 【請求項3】 アリルアルコール含有量が500ppm
    以下である請求項1または2記載のアルコールアルコキ
    シレート化合物。
  4. 【請求項4】 プロピレンオキシド含有量が100pp
    m以下である請求項1〜3のいずれかに記載のアルコー
    ルアルコキシレート化合物。
  5. 【請求項5】 一般式(5)および(6) R−O−(E−O−)z−H ・・・(5) R−O−(P−O−)z−H ・・・(6) (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖または分岐アルキル
    基、もしくは置換アリール基であり、Eはエチレン基で
    あり、Pはプロピレン基であり、zおよびzは、同
    一でも異なっていてもよく、各々1〜100の数であ
    る。)で表される化合物の合計含有量が1質量%以下で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載のアルコールアルコ
    キシレート化合物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかのアルコールア
    ルコキシレート化合物を有効成分として含むことを特徴
    とする組成物。
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