JP2005232377A - アルキレンオキシド開環重合用触媒及びこれを用いたポリエーテル類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発案は、アルキレンオキシド開環重合用触媒及びこれを用いたポリエーテル類の製造方法に関する。
ポリウレタンエラストマー、接着剤、塗料、発泡剤等の原料であるポリエーテルポリオールは、活性水素原子を持つ開始剤を用いてエチレンオキシド、プロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドを重合して製造されている。
この重合反応に用いられる代表的な重合触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、ホスファゼン化合物などのアニオン重合触媒、リン酸、ルイス酸、およびその有機配位子化合物、トリフロロメチルスルホン酸塩、テトラキスペンタフロロフェニルボレート塩などのカチオン重合触媒、複合金属シアン化物錯体などの配位重合触媒が知られている。
この重合反応に用いられる代表的な重合触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、ホスファゼン化合物などのアニオン重合触媒、リン酸、ルイス酸、およびその有機配位子化合物、トリフロロメチルスルホン酸塩、テトラキスペンタフロロフェニルボレート塩などのカチオン重合触媒、複合金属シアン化物錯体などの配位重合触媒が知られている。
一方、トリアミドアミン[(RNCH2CH2)3N]3-を配位子とするリン、鉄、スズ、亜鉛等の化合物が、バーケード、山本らによって合成されており(非特許文献1〜4)、バーケード触媒として知られている。
バーケード触媒が使用可能な反応としては、イソシアネートのイソシアヌレートへの転換反応、アシル化反応、ヒンダードアルコールのシリル化反応、脱ハロゲン化水素反応が知られている(非特許文献2)。
Account Chemical Research、1993年、第26巻、p.483−486 Journal of Organic Chemistry、1998年、第63巻、p.5692−5695 Z.Anorg.Allg.Chem.、1991年、第605巻、p.163 Tetrahedron Letter、1993年、第34巻、p.2903
バーケード触媒が使用可能な反応としては、イソシアネートのイソシアヌレートへの転換反応、アシル化反応、ヒンダードアルコールのシリル化反応、脱ハロゲン化水素反応が知られている(非特許文献2)。
Account Chemical Research、1993年、第26巻、p.483−486 Journal of Organic Chemistry、1998年、第63巻、p.5692−5695 Z.Anorg.Allg.Chem.、1991年、第605巻、p.163 Tetrahedron Letter、1993年、第34巻、p.2903
しかし、上記の各触媒中、カチオン重合触媒によれば、分子量が1000を越え、かつ分子量分布の狭いポリエーテル類を製造することが難しい。また、副反応により環状化合物が生成する問題があった。
これに対して、配位重合触媒やアニオン重合触媒によれば、カチオン重合触媒に比べて、高分子量かつ分子量分布の狭いポリエーテル類を得ることができる。しかし、配位重合触媒では、ポリエーテルの末端への均一なエチレンオキシドの付加重合反応が難しく、エチレンオキシドを反応させると結晶性のポリエチレンオキシドが副生成する問題があった。また、アニオン重合触媒によれば、反応系に開始剤と触媒を添加した後、脱水や脱アルコールの操作が必要であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ポリエーテル類を製造するにあたり、開始剤に触媒を添加した後、脱水や脱アルコールの操作を行うことなく、すぐにアルキレンオキシドを重合させることが可能な触媒を提供することを課題とする。また、この触媒を用いることにより、ポリエーテル類の効率的な製造方法を提供することを課題とする。
これに対して、配位重合触媒やアニオン重合触媒によれば、カチオン重合触媒に比べて、高分子量かつ分子量分布の狭いポリエーテル類を得ることができる。しかし、配位重合触媒では、ポリエーテルの末端への均一なエチレンオキシドの付加重合反応が難しく、エチレンオキシドを反応させると結晶性のポリエチレンオキシドが副生成する問題があった。また、アニオン重合触媒によれば、反応系に開始剤と触媒を添加した後、脱水や脱アルコールの操作が必要であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ポリエーテル類を製造するにあたり、開始剤に触媒を添加した後、脱水や脱アルコールの操作を行うことなく、すぐにアルキレンオキシドを重合させることが可能な触媒を提供することを課題とする。また、この触媒を用いることにより、ポリエーテル類の効率的な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、バーケード触媒であるトリアミドアミン[(RNCH2CH2)3N]3-を配位子とするリン化合物が、優れたアルキレンオキシド開環重合用触媒であることを見出した。
すなわち、本発明のアルキレンオキシド開環重合用触媒は、下記式(1)で示されるリン化合物からなることを特徴とする。
(ただし、R1,R2、R3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数が1〜12の炭化水素基、または炭素数が1〜12のケイ素原子含有炭化水素基である。)
すなわち、本発明のアルキレンオキシド開環重合用触媒は、下記式(1)で示されるリン化合物からなることを特徴とする。
また、本発明のポリエーテル類の製造方法は、上記本発明に係るアルキレンオキシド開環重合用触媒と開始剤との存在下で、アルキレンオキシドを重合させることを特徴とする。
本発明のアルキレンオキシド開環重合用触媒によれば、開始剤に触媒を添加した後、脱水や脱アルコールの操作を行うことなく、すぐにアルキレンオキシドを重合させることが可能となる。
また、本発明のポリエーテル類の製造方法によれば、本発明の触媒を用いることにより、ポリエーテル類を効率的に製造することができる。
また、本発明のポリエーテル類の製造方法によれば、本発明の触媒を用いることにより、ポリエーテル類を効率的に製造することができる。
本発明のアルキレンオキシド開環重合用触媒は、上記式(1)で示されるリン化合物である。
上述のように、R1,R2、R3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数が1〜12の炭化水素基、または炭素数が1〜12のケイ素原子含有炭化水素基である。また、R1,R2、R3が、それぞれ水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、ベンジル基、またはトリメチルシリルメチル基であることが好ましい。
製造の便宜上、R1,R2、R3は、それぞれ同じであることが好ましい。
上述のように、R1,R2、R3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数が1〜12の炭化水素基、または炭素数が1〜12のケイ素原子含有炭化水素基である。また、R1,R2、R3が、それぞれ水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、ベンジル基、またはトリメチルシリルメチル基であることが好ましい。
製造の便宜上、R1,R2、R3は、それぞれ同じであることが好ましい。
本発明のポリエーテル類の製造方法は、上記本発明に係るアルキレンオキシド開環重合用触媒と開始剤との存在下で、アルキレンオキシドを重合させるものである。
本発明の製造方法には、少なくとも一個の活性水素原子を有する開始剤が用いられる。このような開始剤としては、メタノール、エタノールなど炭素数1〜12のモノアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの多価アルコール、ソルビトール、ショ糖等の糖類、ビスフェノールA等の多価フェノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、エチレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミン等のポリアミン、およびこれらに従来公知の他の触媒を用いてアルキレンオキシドを付加して得られるポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールが挙げられる。また、ポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールを開始剤として用いてもよい。
また、上記開始剤を任意に組み合わせて、任意の割合で用いることができる。なお、開始剤の分子量に特に制限はなく、製造すべきポリエーテル類の性状等に合わせて、適宜の分子量の開始剤を選択すればよい。
本発明の製造方法には、少なくとも一個の活性水素原子を有する開始剤が用いられる。このような開始剤としては、メタノール、エタノールなど炭素数1〜12のモノアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの多価アルコール、ソルビトール、ショ糖等の糖類、ビスフェノールA等の多価フェノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、エチレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミン等のポリアミン、およびこれらに従来公知の他の触媒を用いてアルキレンオキシドを付加して得られるポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールが挙げられる。また、ポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールを開始剤として用いてもよい。
また、上記開始剤を任意に組み合わせて、任意の割合で用いることができる。なお、開始剤の分子量に特に制限はなく、製造すべきポリエーテル類の性状等に合わせて、適宜の分子量の開始剤を選択すればよい。
本発明において開始剤に付加するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1、2−ブチレンオキシド、2、3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、オキセタン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらは2種以上を併用できる。
これらの内、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましい。特にプロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの組み合わせが好ましい。
また、開始剤に付加する化合物として、アルキレンオキシドとともにラクトン等の環状エステルを併用してもよい。
これらの内、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましい。特にプロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの組み合わせが好ましい。
また、開始剤に付加する化合物として、アルキレンオキシドとともにラクトン等の環状エステルを併用してもよい。
本発明では、上記開始剤と重合用触媒の存在下、反応器内を所望の温度に保持できる速度でアルキレンオキシドを連続的に、または断続的に供給しながらアルキレンオキシドを開環重合させる。重合温度は、60〜140℃とすることが好ましく、80〜120℃とすることがさらに好ましい。重合時間は通常、1〜72時間とすることが好ましく、6〜24時間とすることがさらに好ましい。
本発明の重合用触媒の使用量は、開始剤に対して、20〜50000ppmとすることが好ましく、100〜10000ppmとすることがさらに好ましく、500〜5000ppmとすることが特に好ましい。
本発明の重合用触媒を用いれば、開始剤に触媒を添加した後、脱水や脱アルコールをする必要がないので、直ちにアルキレンオキシドを供給して重合を開始することができる。
本発明の重合用触媒の使用量は、開始剤に対して、20〜50000ppmとすることが好ましく、100〜10000ppmとすることがさらに好ましく、500〜5000ppmとすることが特に好ましい。
本発明の重合用触媒を用いれば、開始剤に触媒を添加した後、脱水や脱アルコールをする必要がないので、直ちにアルキレンオキシドを供給して重合を開始することができる。
本発明では、アルキレンオキシドを開環重合した後、必要に応じて精製処理を行ってもよい。
精製処理は、例えばポリエーテル類中の触媒を酸分解、熱分解、水分解等により分解した後、吸着、ろ過分離などの工程を行う。必要に応じて固体ろ過助剤、酸、塩基吸着剤を使用する。また、固体ろ過分離の前後に抗酸化剤を添加してもよい。
精製処理は、例えばポリエーテル類中の触媒を酸分解、熱分解、水分解等により分解した後、吸着、ろ過分離などの工程を行う。必要に応じて固体ろ過助剤、酸、塩基吸着剤を使用する。また、固体ろ過分離の前後に抗酸化剤を添加してもよい。
以下、本発明のアルキレンオキシド開環重合用触媒を用いて、ポリエーテルポリオールを製造した実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
なお、以下の実施例においてポリオールPとは、KOH触媒を用いてグリセリンにプロピレンオキシド(以下、POという)を付加重合して製造した水酸基価(OH基価)168のポリオキシプロピレンポリオールである。
なお、以下の実施例においてポリオールPとは、KOH触媒を用いてグリセリンにプロピレンオキシド(以下、POという)を付加重合して製造した水酸基価(OH基価)168のポリオキシプロピレンポリオールである。
以下の実施例で得られたポリエーテルポリオールのMn、Mw/Mnは、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフィー法)により測定した。
また、不飽和度はH−NMRにより測定した。すなわち、アリル基末端モノオールの末端のアリル結合(CH2=CHH2−)における、CH2−(5.13−5.28ppm)のプロトン強度またはCH=(5.84−5.95ppm)のプロトン強度、およびポリオキシプロピレンポリオールの主鎖中のCH3(1.06−1.37ppm)のプロトン強度の強度比から算出した。
また、不飽和度はH−NMRにより測定した。すなわち、アリル基末端モノオールの末端のアリル結合(CH2=CHH2−)における、CH2−(5.13−5.28ppm)のプロトン強度またはCH=(5.84−5.95ppm)のプロトン強度、およびポリオキシプロピレンポリオールの主鎖中のCH3(1.06−1.37ppm)のプロトン強度の強度比から算出した。
(実施例1)
加圧反応器(200ml)中に、開始剤としてのポリオールPの25g、前記式(1)のR1,R2、R3がいずれもイソブチル基のリン化合物(Ardrich社製、2,8,9-トリイソブチル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン)を200mg秤取し、窒素ガスで系内を置換後、POを30g導入し、90℃で24時間重合した。未反応のPOを減圧除去し、ポリエーテルポリオール47gを得た。
得られたポリエーテルポリオールは、Mn=1780、Mw/Mn=1.025であり、不飽和度は0.028(mmol/g)であった。
加圧反応器(200ml)中に、開始剤としてのポリオールPの25g、前記式(1)のR1,R2、R3がいずれもイソブチル基のリン化合物(Ardrich社製、2,8,9-トリイソブチル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン)を200mg秤取し、窒素ガスで系内を置換後、POを30g導入し、90℃で24時間重合した。未反応のPOを減圧除去し、ポリエーテルポリオール47gを得た。
得られたポリエーテルポリオールは、Mn=1780、Mw/Mn=1.025であり、不飽和度は0.028(mmol/g)であった。
(実施例2)
加圧反応器(200ml)中に、開始剤としてのポリオールPの5g、2,8,9-トリイソブチル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカンを170mg秤取し、窒素ガスで系内を置換後、POを10g導入し、90℃で17時間重合した。未反応のPOを減圧除去し、ポリエーテルポリオール9.2gを得た。
得られたポリエーテルポリオールは、Mn=1790、Mw/Mn=1.023であり、不飽和度は0.027(mmol/g)であった。
加圧反応器(200ml)中に、開始剤としてのポリオールPの5g、2,8,9-トリイソブチル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカンを170mg秤取し、窒素ガスで系内を置換後、POを10g導入し、90℃で17時間重合した。未反応のPOを減圧除去し、ポリエーテルポリオール9.2gを得た。
得られたポリエーテルポリオールは、Mn=1790、Mw/Mn=1.023であり、不飽和度は0.027(mmol/g)であった。
(実施例3)
加圧反応器(200ml)中に、開始剤としてのポリオールPの5g、前記式(1)のR1,R2、R3がいずれもイソプロピル基のリン化合物(Ardrich社製、2,8,9-トリイソプロピル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン)を150mg秤取し、窒素ガスで系内を置換後、POを10g導入し、90℃で7時間重合した。未反応のPOを減圧除去し、ポリエーテルポリオール13.7gを得た。
得られたポリエーテルポリオールは、Mn=2800、Mw/Mn=1.029であり、不飽和度は0.070(mmol/g)であった。
加圧反応器(200ml)中に、開始剤としてのポリオールPの5g、前記式(1)のR1,R2、R3がいずれもイソプロピル基のリン化合物(Ardrich社製、2,8,9-トリイソプロピル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン)を150mg秤取し、窒素ガスで系内を置換後、POを10g導入し、90℃で7時間重合した。未反応のPOを減圧除去し、ポリエーテルポリオール13.7gを得た。
得られたポリエーテルポリオールは、Mn=2800、Mw/Mn=1.029であり、不飽和度は0.070(mmol/g)であった。
(実施例4)
前記式(1)のR1,R2、R3がいずれもベンジル基のリン化合物(2,8,9-トリベンジル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン)を、非特許文献3の製法に従って合成した。すなわち、N(CH2CH2NH2)3と3倍モルのベンズアルデヒド(PhC(O)H)を反応させてN(CH2CH2N=CHPh)3を合成し、その後NaBH4で還元してN(CH2CH2NHCH2Ph)3を得た。次に、ビス(ジエチルアミノ)クロロフォスフィン(PCl{N(C2H5)2}2)とアミノ基の交換反応、カリウムt−ブトキシドによる脱塩素反応で最終生成物である2,8,9-トリベンジル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカンを合成した。なお、Phはフェニル基を示す。
加圧反応器(200ml)中に、開始剤としてのポリオールPの5g、合成した上記リン化合物220mgを秤取し、窒素ガスで系内を置換後、POを10g導入し、90℃で19時間重合した。未反応のPOを減圧除去し、ポリエーテルポリオール5.6gを得た。
得られたポリエーテルポリオールは、Mn=1130、Mw/Mn=1.024であり、不飽和度は0.011(mmol/g)であった。
前記式(1)のR1,R2、R3がいずれもベンジル基のリン化合物(2,8,9-トリベンジル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン)を、非特許文献3の製法に従って合成した。すなわち、N(CH2CH2NH2)3と3倍モルのベンズアルデヒド(PhC(O)H)を反応させてN(CH2CH2N=CHPh)3を合成し、その後NaBH4で還元してN(CH2CH2NHCH2Ph)3を得た。次に、ビス(ジエチルアミノ)クロロフォスフィン(PCl{N(C2H5)2}2)とアミノ基の交換反応、カリウムt−ブトキシドによる脱塩素反応で最終生成物である2,8,9-トリベンジル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカンを合成した。なお、Phはフェニル基を示す。
加圧反応器(200ml)中に、開始剤としてのポリオールPの5g、合成した上記リン化合物220mgを秤取し、窒素ガスで系内を置換後、POを10g導入し、90℃で19時間重合した。未反応のPOを減圧除去し、ポリエーテルポリオール5.6gを得た。
得られたポリエーテルポリオールは、Mn=1130、Mw/Mn=1.024であり、不飽和度は0.011(mmol/g)であった。
(実施例5)
前記式(1)のR1,R2、R3がいずれもメチル基のリン化合物(2,8,9-トリメチル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン)を、非特許文献4の製法に従って合成した。すなわち、N(CH2CH2NH2)3と3倍モルのエチルクロロフォルメート(C2H5OC(O)Cl)を反応させてN(CH2CH2NHCOOC2H5)3を合成し、その後LiAlH4で還元してN(CH2CH2NHCH3)3を得た。次に、ビス(ジエチルアミノ)クロロフォスフィン(PCl{N(C2H5)2}2)とアミノ基の交換反応、カリウムt−ブトキシドによる脱塩素反応で最終生成物である2,8,9-トリメチル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカンを合成した。
加圧反応器(200ml)中に、開始剤としてのポリオールPの5g、合成した上記リン化合物107mgを秤取し、窒素ガスで系内を置換後、POを10g導入し、90℃で4時間重合した。未反応のPOを減圧除去し、ポリエーテルポリオール14.5gを得た。
得られたポリエーテルポリオールは、Mn=2900、Mw/Mn=1.028であり、不飽和度は0.075(mmol/g)であった。
前記式(1)のR1,R2、R3がいずれもメチル基のリン化合物(2,8,9-トリメチル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン)を、非特許文献4の製法に従って合成した。すなわち、N(CH2CH2NH2)3と3倍モルのエチルクロロフォルメート(C2H5OC(O)Cl)を反応させてN(CH2CH2NHCOOC2H5)3を合成し、その後LiAlH4で還元してN(CH2CH2NHCH3)3を得た。次に、ビス(ジエチルアミノ)クロロフォスフィン(PCl{N(C2H5)2}2)とアミノ基の交換反応、カリウムt−ブトキシドによる脱塩素反応で最終生成物である2,8,9-トリメチル2,5,8,9-テトラアザ-1-フォスファビシクロ[3.3.3]ウンデカンを合成した。
加圧反応器(200ml)中に、開始剤としてのポリオールPの5g、合成した上記リン化合物107mgを秤取し、窒素ガスで系内を置換後、POを10g導入し、90℃で4時間重合した。未反応のPOを減圧除去し、ポリエーテルポリオール14.5gを得た。
得られたポリエーテルポリオールは、Mn=2900、Mw/Mn=1.028であり、不飽和度は0.075(mmol/g)であった。
上記実施例に示すように、本発明のアルキレンオキシド開環重合用触媒によれば、開始剤に触媒を添加した後、脱水や脱アルコールの操作を行うことなく、すぐにアルキレンオキシドを重合させることができる。
また、本発明のアルキレンオキシド開環重合用触媒は、アニオン触媒として作用するので、分子量分布が狭いポリエーテル類を得ることができる。また、従来のアニオン触媒と同程度に不飽和度が低いポリエーテル類を得ることができる。
また、本発明のアルキレンオキシド開環重合用触媒は、アニオン触媒として作用するので、分子量分布が狭いポリエーテル類を得ることができる。また、従来のアニオン触媒と同程度に不飽和度が低いポリエーテル類を得ることができる。
本発明のアルキレンオキシド開環重合用触媒は、アルキレンオキシドを重合して製造するポリエーテル類の製造に好適である。また、本発明のポリエーテル類の製造方法によって得られるポリエーテル類はポリウレタンフォームの原料等として好適である。
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