JPH09124532A - グリセリルエーテルの製造方法 - Google Patents

グリセリルエーテルの製造方法

Info

Publication number
JPH09124532A
JPH09124532A JP7311535A JP31153595A JPH09124532A JP H09124532 A JPH09124532 A JP H09124532A JP 7311535 A JP7311535 A JP 7311535A JP 31153595 A JP31153595 A JP 31153595A JP H09124532 A JPH09124532 A JP H09124532A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
glycidyl ether
compound
formula
ether
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7311535A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Miyake
博 三宅
Kazuhiko Matsuda
一彦 松田
Masahiro Sato
昌裕 佐藤
Haruhiko Toda
晴彦 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP7311535A priority Critical patent/JPH09124532A/ja
Publication of JPH09124532A publication Critical patent/JPH09124532A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 グリシジルエーテルからグリセリルエーテル
を容易に、かつ収率よく製造する。 【解決手段】 グリシジルエーテルとカルボニル化合物
を特定量の水の存在下に酸触媒を用いて反応させ、グリ
セリルエーテルとジオキソラン化合物の混合物を生成さ
せ、次にジオキソラン化合物を加水分解し、グリセリル
エーテルを生成させることからなる一般式IVのグリセル
エーテルの製造方法。 (Rは脂肪族基又は芳香族基、Aは低級アルキレン基、
nは0〜20の数を表わす)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグリシジルエーテル
からグリセリルエーテルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グリセリルエーテルを得るため
に、アルキルグリシジルエーテルとカルボニル化合物と
してのアルデヒドやケトンとをルイス酸触媒の存在下で
反応させて4−アルコキシメチル−1,3−ジオキソラ
ンを生成させる第1工程と、これをプロトン酸触媒の存
在下で加水分解させる第2工程からなる方法は知られて
いる(特公昭61−26997号)。この方法における
第1工程は、実質的に無水の条件で実施され、ジオキソ
ラン化合物のみが生成し、グリセリルエーテルは生成し
ない。またこの方法の第1工程は無水の条件で実施する
必要があることから、その反応操作が非常に困難であ
る。一方、ジオキソラン化合物を得るために、グリシジ
ルエーテルをプロトン酸触媒の存在下でカルボニル化合
物と反応させる方法も知られている(特開昭52−95
669号、特開昭56−133281号)。これらの方
法は、高濃度のリン酸や硫酸を用いる方法であり、その
反応系における水の量はグリシジルエーテル1モル当り
等モル以下という少量である。そして、この方法で得ら
れる生成物はジオキソラン化合物のみであり、グリセリ
ルエーテルは生成しない。しかもそのジオキソラン化合
物の収率は低い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、グリ
シジルエーテルからグリセリルエーテルを容易にかつ収
率よく製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々研究を重ねた結果、グリシジルエ
ーテルとカルボニル化合物を特定量の水の存在下に酸触
媒を用いて反応させると、グリセリルエーテルとジオキ
ソランとの混合物が収率よく生成することを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0005】すなわち、本発明によれば、一般式
【化1】 (式中、Rは脂肪族基又は芳香族基、Aは低級アルキレ
ン基、nは0〜20の数を表わす)で表されるグリシジ
ルエーテルと一般式
【化2】 (式中、R1及びR2は水素原子、脂肪族基又は芳香族基
であるが、R1とR2は結合して脂肪族環を形成していて
もよい)で表されるカルボニル化合物を、酸触媒の存在
下及びグリシジルエーテル1モル当り5〜20モルの水
の存在下に反応させることを特徴とする下記一般式
【化3】 (式中、R、R1及びnは前記と同じ意味を有する)で
表されるジオキソラン及び一般式
【化4】 (式中、R、A及びnは前記と同じ意味を有する)で表
されるグリセリルエーテルを製造する方法が提供され
る。また、本発明によれば、一般式
【化1】 (式中、Rは脂肪族基又は芳香族基、Aは低級アルキレ
ン基、nは0〜20の数を表わす)で表されるグリシジ
ルエーテルと一般式
【化2】 (式中、R1及びR2は水素原子、脂肪族基又は芳香族基
であるが、R1とR2は結合して環を形成していてもよ
い)で表されるカルボニル化合物を、酸触媒の存在下及
びグリシジルエーテル1モル当り5〜20モルの水の存
在下に反応させ、下記一般式
【化3】 (式中、R、R1、R2、A及びnは前記と同じ意味を有
する)で表されるジオキソラン及び一般式
【化4】 (式中R、A及びnは前記と同じ意味を有する)で表さ
れるグリセリルエーテルを生成させ、次に前記ジオキソ
ランを加水分解することを特徴とするグリセリルエーテ
ルを製造するする方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の方法で用いる原料は、一
般式
【化1】 (式中、Rは脂肪族基又は芳香族基、Aは低級アルキレ
ン基、nは0〜20の整数を表わす)で表されるグリシ
ジルエーテル及び一般式
【化2】 (式中、R1及びR2は水素、脂肪族基又は芳香族基であ
るが、R1とR2は結合して脂肪族環を形成していてもよ
い)で表されるカルボニル化合物である。
【0007】前記一般式(I)におけるRは、脂肪族基
又は芳香族基であるが、この場合の脂肪族基には、直鎖
状のアルキル基又はアルケニル基、分岐鎖状のアルキル
基又はアルケニル基の他、シクロアルキル基及びシクロ
アルケニル基が包含される。また、芳香族基には、アリ
ール基及びアラルキル基が包含される。これらの脂肪族
基及び芳香族基は、場合によって、水酸基やハロゲン原
子、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。前記
アルキル基又はアルケニル基において、その炭素数は特
に制約されないが、通常、1〜30、好ましくは6〜2
4、より好ましくは8〜22である。このようなアルキ
ル基又はアルケニル基としては、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、
2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、sec−ヘ
キシル、t−ヘキシル、n−オクチル、i−オクチル、
2エチルオクチル、3−エチルオクチル、sec−オク
チル、n−デシル、i−デシル、sec−デシル、2−
エチルデシル、3−プロピルデシル、n−ドデシル、i
−ドデシル、sec−ドデシル、n−ヘキセニル、i−
ヘキセニル、3−メチル−trans−2−ヘキセニ
ル、3エチル−1,4−ヘキサジエニル、ファルネシル
などが挙げられる。前記シクロアルキル基又はシクロア
ルケニル基としては、シクロヘキシル、メンチル、シク
ロヘキセニル、メンチニルなどが挙げられる。前記アリ
ール基又はアラルキル基としては、フェニル、トリル、
キシリル、ベンジル、フェネチルなどが挙げられる。前
記一般式(I)におけるAは、低級アルキレン基である
が、この場合の低級アルキレン基には、炭素数1〜4の
アルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基及びブチレン基が包含される。また、一般式
(I)におけるnは(AO)の重合数を示すが、その重
合数は0〜20、好ましくは0〜10である。
【0008】一般式(I)で示されるグリシジルエーテ
ルの具体例を示すと、次の通りである。n−オクチルグ
リシジルエーテル、n−デシルグリシジルエーテル、n
−ドデシルグリシジルエーテル、n−テトラデシルグリ
シジルエーテル、n−ヘキサデシルグリシジルエーテ
ル、n−オクタデシルグリシジルエーテル、n−オクタ
デセニルグリシジルエーテル(オレイルグリシジルエー
テル)、ドコシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキ
シルグリシジルエーテル、2−プロピルヘキシルグリシ
ジルエーテル、2−オクチルドデシルグリシジルエーテ
ル、2−ヘプチルウンデシルグリシジルエーテル、2−
(1,3,3−トリメチルブチル)オクチルグリシジル
エーテル、2−デシルテトラデシルグリシジルエーテ
ル、2−ドデシルヘキサデシルグリシジルエーテル、2
−テトラデシルオクタデシルグリシジルエーテル、se
c−デシルグリシジルエーテル、sec−オクチルグリ
シジルエーテル、sec−ドデシルグリシジルエーテ
ル、t−オクチルグリシジルエーテル、t−ドデシルグ
リシジルエーテル、メンチルグリシジルエーテル、ファ
ルネシルグリシジルエーテル、フィティルグリシジルエ
ーテル、リナリルグリシジルエーテル、トリオキシプロ
ピレン−n−オクチルグリシジルエーテル、トリオキシ
エチレン−n−デシルグリシジルエーテル、ペンタオキ
シエチレン−n−ドデシルグリシジルエーテル、ペンタ
オキシエチレン−n−ヘキサデシルグリシジルエーテ
ル、ペンタオキシエチレン−n−オクタデシルグリシジ
ルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、フェニルグ
リシジルエーテル、フェネチルグリシジルエーテル、ト
リオキシエチレンベンジルグリシジルエーテル、トリオ
キシエチレンフェネチルグリシジルエーテル等。
【0009】前記一般式(II)で表されるカルボニル化
合物のR1及びR2は水素原子、脂肪族基又は芳香族基で
あるが、R1とR2は結合して脂肪族環を形成していても
よい。この場合の脂肪族基には、アルキル基及びアルケ
ニル基が包含され、その炭素数は通常1〜16、好まし
くは1〜10である。このような脂肪族基としては、メ
チル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、
i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどが挙げら
れる。R1とR2が結合して脂肪族環を形成している場合
のその環の炭素数は通常3〜10、好ましくは4〜8で
あり、その脂肪族環としては、シクロブタニル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルなどが挙げ
られる。R1又はR2が水素原子を表わすときには、一般
式(II)で示されるカルボニル化合物はアルデヒド類で
ある。アルデヒド類の具体的な化合物を例示すると次の
通りである。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、シクロペン
チルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、ベンズア
ルデヒド、ナフチルアルデヒド等。R1及びR2が水素原
子以外の前記の基を表わすときには一般式(II)で示さ
れるカルボニル化合物はケトン類である。ケトン類の具
体的な化合物を例示すると次の通りである。アセトン、
メチルエチルケトンジエチルケトン、メチルプロピルケ
トン、ジプロピルケトン、エチルプロピルケトン、メチ
ルヘキシルケトン、シクロブタノン、シクロペンタノ
ン、シクロヘキサノン、シクロオクタノン、アセトフェ
ノン、ベンゾフェノンなど。
【0010】本発明の方法は、酸触媒の存在下、グリシ
ジルエーテル、カルボニル化合物及び水を反応させてジ
オキソランとグリセリルエーテルの混合物を生成する工
程(以下第1工程という)及び第1工程で得られたジオ
キソランを加水分解してグリセリルエーテルを生成する
工程(以下第2工程という)からなる。第1工程の反応
を反応式で示すと次の通りである。
【化5】 第2工程の反応を反応式で示すと次の通りである。
【化6】
【0011】第1工程及び第2工程では酸触媒を用い
る。酸触媒には液状酸触媒及び固体酸触媒が包含され
る。このような酸触媒としては、塩酸、弗化水素酸、臭
化水素酸、硝酸、硫酸、ホウ酸、過塩素酸、酢酸、リン
酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸など
の水素酸やオキソ酸の他、イオン交換樹脂、シリカゲ
ル、アルミナ、シリカ・アルミナ等の無機固体酸、モン
モリロナイト、ベントナイト、カオリン、バーミキュラ
イト、ゼオライト等の粘土層間化合物、ヘテロポリ酸−
シリカ複合体等の混合型固体酸等の固体酸が挙げられ
る。これらの中では使用後の再生が容易である酸型カチ
オン交換樹脂が最も好ましい。酸型カチオン交換樹脂と
しては、スルホン酸型、リン酸型、カルボン酸型等が包
含される。本発明では、特にスルホン酸型カチオン交換
樹脂の使用が好ましい。このようなカチオン交換樹脂と
しては、例えば、ダウエックス(Dowex)(Dow
Chemical社)、パームチット(Permut
it)(Permutit社)、デュオライト(Duo
lite)(Chemical Process社)、
ナリサイト(Nalcite)(National A
luminate社)、イオナック(Ionac)(A
merican Cyanamide社)、リクオネッ
クス(Liquonex)(Liquid Condi
tioning社)、ボファティト(Wofatit)
(I.G.Farbenindustrie社)、ダイ
ヤイオン(三菱化成)、オルガチット(山田化学研究
所)、レバタイト(Lewatite)(Bayer
社)、アクオライト(Acuolite)(Louis
Kelly社)、アンバーライト(Amberlit
e)、アンバーリスト(Amberlyst)(Roh
m and Haas社)、アネックス(Anex)
(Institute of Synthetic R
esins and Lacquers)、バイオ−レ
ックス(Bio−Rex)(Bio−Rex Labo
ratories社)、モンテカチーニ(Montec
atini Chemical社)、ゼロリット(Ze
rolit)(Zerolit社)、ゼオ−カルブ(Z
eo−Karb)(Permutit社)、ナフィオン
(Nafion)(Aldrich社)等がある。
【0012】第1工程の反応条件は次の通りである。一
般式(I)で示されるグリシジルエーテルと一般式(I
I)で示されるカルボニル化合物の使用割合は、グリシ
ジルエーテル1モル当りカルボニル化合物1〜30モ
ル、好ましくは5〜15モル、より好ましくは8〜10
モルの割合である。反応系中に存在させる水の量は、反
応原料である一般式(I)で示されるグリシジルエーテ
ル1モル当り、5〜20モル、好ましくは8〜15モ
ル、より好ましくは8〜12モルの割合である。反応系
中に特定量の水を存在させることは、反応速度を高めた
状態で前記ジオキソランと前記グリセリルエーテルを収
率よく生成させるために重要である。グリシジルエーテ
ル1モル当りの水の量が20モルを越えると反応速度は
低下し、反応に長時間を要することとなる。一方、グリ
シジルエーテル1モル当りの水の量が5モル未満となる
と未反応のグリシジルエーテルが反応系中に残存し、反
応が完結しない結果となる。反応に使用する触媒の使用
量は特に限定されるものではないが、通常反応原料のグ
リシジルエーテルに対し、水素イオン換算量で、0.1
〜30モル%、好ましくは1〜7モル%、より好ましく
は2〜5モル%の割合である。反応に際しては、反応原
料を直接混合することにより行うこともできるし、溶媒
を用いて行うこともできる。溶媒を使用する場合には、
非極性溶媒であるペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の炭化水素や、極性溶媒であるジオ
キサン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N−メチルピ
ロリドン、低級アルコール等が用いられる。反応温度は
0〜120℃、好ましくは20〜100℃、より好まし
くは40〜80℃である。反応圧力は加圧又は常圧下に
行うことができる。具体的には、0.1〜5気圧、好ま
しくは0.2〜3気圧、より好ましくは0.5〜2気圧
である。反応時間は1〜10時間、好ましくは2〜4時
間、より好ましくは3〜4時間である。
【0013】一般式(III)で示されるジオキソランと
一般式(IV)で示されるグリセリルエーテルの生成する
割合(モル比(III)/(IV))は、触媒の使用量、反
応温度、反応時間等の反応条件により異なるが、通常1
/15〜5/1である。この工程により得られるグリセ
リルエーテルは本発明の目的物であり、第1工程終了後
分離して取出すこともできるし、グリセリルエーテルを
分離することなく、第2工程に供給することもできる。
第1工程終了後に、グリセリルエーテルを分離する場
合、第1工程で液状酸触媒を使用した場合には得られる
生成物にはその液状酸触媒が含まれるので、塩基(Na
OH、KOH、NaHCO3、塩基性イオン交換樹脂
等)を加えて反応液を中和後、溶媒抽出、蒸留等の方法
でグリセリルエーテルを分離することができる。一方、
酸触媒として固体酸を使用した場合には、固体酸触媒含
む反応液を濾過して固体酸触媒を分離した後に、反応液
より水を留去して、グリセリルエーテルを得ることがで
きる。この様にして分離されたグリセリルエーテルは更
に、蒸留、再結晶等の方法により精製することが出来
る。
【0014】第2工程の反応条件は次の通りである。第
2工程では前記一般式(III)で示されるジオキソラン
を水及び触媒の存在下に加水分解反応させるものであ
る。反応系中に反応初期に存在させる水の量は、ジオキ
ソラン1モル当り、5〜20モル、好ましくは8〜15
モル、より好ましくは8〜12モルの割合である。ジオ
キソラン1モル当りの水の量が20モルを越えると反応
速度が低下し、反応は長時間を要することとなる。一
方、ジオキソラン1モル当りの水の量が5モル未満にな
ると、反応収率の低下の原因となり、好ましくない。第
1工程終了後、目的物のグリセリルエーテルを分離する
ことなく第2工程を行うときには反応系中にはジオキソ
ランの外にグリセリルエーテル、カルボニル化合物、触
媒及び水が存在する。この場合、ジオキソラン(III)
とグリセリルエーテル(IV)の割合(モル比III/IV)
は1/15〜5/1、好ましくは1/10〜5/1であ
る。反応に使用する触媒の使用量は特に限定されない
が、通常ジオキソラン1に対し、水素イオン換算量で、
0.1〜30モル%、好ましくは1〜7モル%、より好
ましくは2〜5モル%の割合である。第2工程では反応
の進行とともにカルボニル化合物が副生する。このカル
ボニル化合物を積極的に系外に除去しつつ反応を進める
ことは反応を促進するうえで必要なことである。回収し
たカルボニル化合物は、第1工程原料として循環使用で
きる。
【0015】反応は40〜110℃の範囲の温度下に行
われる。また、副生するカルボニル化合物を除去して反
応を促進させるためには、減圧下で反応を行うことが好
ましく、その反応圧は通常5〜100mmHg程度であ
る。また、副生するカルボニル化合物は、反応系に不活
性ガスを流通させて、この不活性ガスとともに反応系外
に除去することができるし、蒸留塔を有する反応器を用
い、カルボニル化合物を留去することによって系外へ除
去することもできる。反応時間は、カルボニル化合物の
除去される程度に応じて様々であるが、通常は1〜5時
間程度である。第2工程では副生成物の生成を伴うこと
なく、ジオキソランのほぼ100%を加水分解して目的
のグリセリルエーテルを得ることができる。第1工程に
引続き第2工程を行うときには、第1工程反応終了後同
じ反応器を用いて第2工程の反応を行うことができる
し、第1工程で得られた生成物を他の反応器に導いて第
2工程の反応を進めることもできる。
【0016】液状酸触媒を用いた場合には第2工程で得
られるグリセリルエーテル中にはその液状酸触媒が含ま
れるので、塩基(NaOH、KOH、NaHCO3、塩
基性イオン交換樹脂等)を加えて反応液を中和後、溶媒
抽出又は蒸留等の方法でグリセリルエーテルを分離する
ことができる。固体酸触媒を使用した場合には、固体酸
触媒を含む反応液を濾過して固体酸触媒を分離した後
に、反応液より水を留去して、グリセリルエーテルを得
ることができる。この様にして分離されたグリセリルエ
ーテルは更に、蒸留、再結晶等の方法により精製するこ
とが出来る。
【0017】本発明の方法で得られる一般式(IV)で示
されるグリセリルエーテルは、それ自体生理活性を有す
るものであり、また、乳化性能の優れた界面活性能を有
するものである。このグリセリルエーテルは、界面活性
剤を合成する際の中間体として使用できる。具体的に
は、このグリセリルエーテルを原料とし、特願平6−3
40246、340247、340250に示す方法に
より、また、特願平6−277067、284247、
284249に示されている方法により、界面活性能を
有する配糖体型界面活性剤を製造することができる。
【0018】
【実施例】
実施例1 (第1工程)300mlの4口フラスコにアセトン5
8.0g(1.0モル)及びn−デシルグリシジルエー
テル21.4g(0.1モル)を加え、濃硫酸0.52
g(5.0mモル)を水18.0g(1.0モル)で希
釈した溶液を、20分間で撹拌下に滴下した。2時間に
わたり還流下に加熱を行い、反応液をガスクロマトグラ
フィー分析した結果、原料のグリシジルエーテルは全量
反応して消失しており、2,2−ジメチル−4−n−デ
シルオキシメチル−1,3−ジオキソラン及びα−モノ
−n−デシルグリセリルエーテルが36:64の割合の
混合物24.6gが生成していることを確認した。 (第2工程)更に上記反応混合物より過剰のアセトンを
40℃、30mmHgで減圧留去した。更に60〜70
℃、30mmHgで水分を留去しつつ、ジオキソランの
加水分解を行った。 (分離精製工程)上記反応混合物をNaOH水溶液で中
和後、ジエチルエーテルで抽出を行い、エーテル層を無
水芒硝で乾燥し、エーエルを留去後、白色固体22.4
gが得られた。本白色固体中には、α−モノ−n−デシ
ルグリセリルエーテルが98%(収率94.6%)、重
合副生物2%が含まれていた。この白色固体はそのまま
でも反応中間体等として使用可能であったが、更にヘキ
サン等を用いて再結晶し、100%純度のα−モノ−n
−デシルグリセリルエーテルを得ることが出来た。
【0019】実施例2 (第1工程)300mlの4口フラスコにメチルエチル
ケトン57.5g(0.8モル)及びDowex50W
(Dow Chemical社製)5.0g、水18.
0g(1.0モル)を加え、n−ドデシルグリシジルエ
ーテル24.2(0.1モル)を滴下した。ついで2時
間にわたり還流下に加熱を行い、反応液をガスクロマト
グラフィー分析したところ、原料のグリシジルエーテル
は全量反応して消失しており、2,2−ジメチル−4−
n−ドデシルオキシメチル−1,3−ジオキソラン及
び、α−モノ−n−ドデシルグリセリルエーテルの割合
が28:72の混合物27.1gが生成していることを
確認した。 (第2工程)更に上記反応混合物より、減圧蒸留により
メチルエチルケトンの回収を行った。次に、更に水を留
去しつつ、ジオキソランを温度60〜70℃、圧力30
mmHgの条件下に加水分解させた。 (分離精製方法)上記反応生成物を濾過してDowex
50Wを除去した後、ジエチルエーテルを加えて抽出を
行い、エーテル層を無水芒硝で乾燥し、溶媒留去を行う
と、白色固体25.2gが得られた。この白色固体をガ
スクロマトグラフィー分析したところ、α−モノ−n−
ドデシルグリセリルエーテルが97%(収率94.0
%)、及び重合副生物3%が含まれていることがわかっ
た。この白色固体は高純度でありそのままでも反応中間
体としての使用が可能であったが、更に、ヘキサン等の
溶媒を用いて再結晶を行って、100%の純度の製品と
することができた。
【0020】実施例3 (第1工程)実施例1の方法において、酸触媒として、
パラトルエンスルホン酸1.56g(10.0mモル)
を使用する以外はすべて実施例1と同様の操作を行っ
た。その結果、第1工程では2,2−ジメチル−4−n
−デシルオキシメチル−1,3−ジオキソランとα−モ
ノ−n−デシルグリセリルエーテルの混合物(ジオキソ
ランのモル比/グリセリルエーテルのモル比=43/5
7)24.9gを得た。 (第2工程)上記反応混合物からアセトン及び水を留去
して、実施例1と同じ条件下に前記ジオキソランの加水
分解を行い、ついで中和、抽出を行って、白色固体2
2.8gを得た。このものをガスクロマトグラフィー分
析した結果、α−モノ−n−デシルグリセリルエーテル
97.5%(収率95.8%)及び重合副生物2.5%
が含まれていることを確認した。
【0021】実施例4 (第1工程)3lの4口フラスコに、アセトン116
0.4g(20.0モル)及びベンジルグリシジルエー
テル328.0g(2.0モル)を注いだ。次に、室
温、撹拌下に濃硫酸19.6g(0.2モル)を水36
0g(20.0モル)で希釈した溶液を20分間にわた
り滴下した。次いで、75℃で2時間還流下に加熱を行
い、反応原料をガスクロマトグラフィー分析したところ
原料のベンジルグリシジルエーテルは全量反応して消失
していることを確認した。又、この時、2,2−ジメチ
ル−4−ベンジルオキシメチル−1,3−ジオキソラン
及びα−モノベンジルグリセリルエーテルの割合22:
78の混合物382gが生成していることを確認した。 (第2工程)更に上記反応混合物を浴温80℃中で、3
0mmHg減圧下に減圧蒸留し、約2時間にわたってア
セトン及び水を留去した。 (分離生成工程)上記反応混合物をNaOH水溶液で中
和後、酢酸エチルで抽出後、無水芒硝で脱水した。芒硝
を濾去後、溶媒を留去し、残渣を減圧蒸留すると120
〜125℃/0.25mmHgの留分として、α−モノ
ベンジルグリセリルエーテル331g(純度98.5
%)を得た(収率90%)。
【0022】比較例1 第1工程で水を全く添加しない条件下で行うこと以外は
すべて実施例1と同様の条件下に反応させ、反応生成物
をガスクロマトグラフィーで分析したところ、第1工程
では2,2−ジメチル−4−デシルオキシメチル−1,
3−ジオキソランのみを57%の収率で得たことを確認
した。反応時間を2時間から4時間に延長しても2時間
の場合以上には反応は進行せず反応率は57%より向上
することはなかった。
【0023】比較例2 第1工程で水を7.2g(0.4モル)使用する以外は
すべて実施例1の第1工程と同じ条件下に反応させた。
その結果、反応原料のn−デシルグリシジルエーテルの
使用量の65%までは反応し、反応生成物は2,2−ジ
メチル−4−デシルオキシメチル−1,3−ジオキソラ
ンのみであることを確認した。しかしながらその後更に
還流下に加熱を続け、加熱時間を合計で4時間に延長し
ても、反応はこれ以上進行せず反応率は65%以上とは
ならなかった。
【0024】比較例3 水を37.8g(2.1モル)使用する以外は、すべて
実施例1の第1工程と同じ条件下に反応を行い、2.0
時間にわたり、還流下に加熱した。その結果、反応原料
のn−デシルグリシジルエーテルの52%が反応し、反
応生成物は2,2−ジメチル−4−デシルオキシメチル
−1,3−ジオキソランのみであることを確認した。し
かしながら、さらに4.0時間にわたり還流下に加熱を
行っても反応率は最終的に67%にしか到達せず、反応
速度が非常に遅くなった。
【0025】比較例4 4−アリルオキシメチル−2−メチル−2’−エチル−
1,3−ジオキソランの合成 アリルグリシジルエーテル60g(0.52モル)、ヒ
ドロキノン0.03g、メチルエチルケトン700g
(9.7モル)の混合物を反応フラスコに入れ、撹拌し
ながらゆっくりと85%リン酸水溶液60g(リン酸
0.52モル及び水0.50モル)を加え、反応温度6
0℃で2時間撹拌して反応を行なった後、反応溶液を室
温まで冷却した。この溶液を分液ロートに入れ、約5℃
に冷した蒸留水500mlを加えて、よく振とうした
後、放置すると液は2層に分離した。下層部分を取除
き、上層部分をさらに10%水酸化ナトリウム水溶液1
000mlにより3回に分けて洗浄して、有機層を得
た。これを無水硫酸カルシウムを入れたビーカーに流下
して、しばらく放置すると残存している微量の水分は殆
ど除去された。続いて、この溶液に塩化第二銅を0.1
gと水酸化ナトリウム少量を加え、蒸留フラスコに入れ
て減圧蒸留によりケトンを留出させた。残った粘ちよう
な溶液を小さい蒸留フラスコに移し替え、ウイグリュー
精留塔を用いて速やかに真空蒸留して沸点が75〜76
℃(1.5mmHg減圧下)の留分49gを得た。収率
は理論量に対して55%であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法によれば、グリシジルエー
テル化合物とカルボニル化合物からグリセリルエーテル
を容易かつ収率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 317/22 C07D 317/22 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 戸田 晴彦 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、Rは脂肪族基又は芳香族基、Aは低級アルキレ
    ン基、nは0〜20の数を表わす)で表されるグリシジ
    ルエーテルと一般式 【化2】 (式中、R1及びR2は水素原子、脂肪族基又は芳香族基
    であるが、R1とR2は結合して脂肪族環を形成していて
    もよい)で表されるカルボニル化合物を、酸触媒の存在
    下及びグリシジルエーテル1モル当り5〜20モルの水
    の存在下に反応させることを特徴とする下記一般式 【化3】 (式中、R、R1及びnは前記と同じ意味を有する)で
    表されるジオキソラン及び一般式 【化4】 (式中、R、A及びnは前記と同じ意味を有する)で表
    されるグリセリルエーテルを製造する方法。
  2. 【請求項2】 一般式 【化1】 (式中、Rは脂肪族基又は芳香族基、Aは低級アルキレ
    ン基、nは0〜20の整数を表わす)で表されるグリシ
    ジルエーテルと一般式 【化2】 (式中、R1及びR2は水素原子、脂肪族基又は芳香族基
    であるが、R1とR2は結合して脂肪族環を形成していて
    もよい)で表されるカルボニル化合物を、酸触媒及びグ
    リシジルエーテル1モル当り5〜20モルの水の存在下
    に反応させ、下記一般式 【化3】 (式中、R、R1、R2、A及びnは前記と同じ意味を有
    する)で表されるジオキソラン及び一般式 【化4】 (式中、R、A及びnは前記と同じ意味を有する)で表
    されるグリセリルエーテルを生成させ、次に前記ジオキ
    ソラン化合物を加水分解することを特徴とするグリセリ
    ルエーテルを製造する方法。
JP7311535A 1995-11-06 1995-11-06 グリセリルエーテルの製造方法 Pending JPH09124532A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7311535A JPH09124532A (ja) 1995-11-06 1995-11-06 グリセリルエーテルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7311535A JPH09124532A (ja) 1995-11-06 1995-11-06 グリセリルエーテルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09124532A true JPH09124532A (ja) 1997-05-13

Family

ID=18018416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7311535A Pending JPH09124532A (ja) 1995-11-06 1995-11-06 グリセリルエーテルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09124532A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009034A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Nof Corp グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法
KR101451331B1 (ko) * 2012-12-12 2014-10-16 한국화학연구원 1-o-알킬 글리세롤의 제조방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009034A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Nof Corp グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造方法
KR101451331B1 (ko) * 2012-12-12 2014-10-16 한국화학연구원 1-o-알킬 글리세롤의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4465866A (en) Preparation process of 2-hydroxy-3-alkoxypropylglyceryl ether
JPH08208581A (ja) N,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンの製造方法、該ジイミンからなる安定剤、オルガノシラン組成物、その安定化法、および相転移触媒法
JPS6126997B2 (ja)
US4804785A (en) Alpha, beta-substituted acroleins
JPH09124532A (ja) グリセリルエーテルの製造方法
US6166225A (en) Processes for producing dialdehyde monoacetals
Mandai et al. The palladium-catalyzed reactions of 2-alkynyl carbonates with terminal acetylenes. A new synthetic method for 1, 2-dien-4-ynes
JPS6121538B2 (ja)
JP2830210B2 (ja) α,β―不飽和ケトン類の合成法
US5600018A (en) Preparation of glutaraldehyde
JP6631407B2 (ja) カルバマトアルキルシランの製造方法
JP3271904B2 (ja) ハロヒドリンエーテルの製造方法及びグリシジルエーテルの製造方法
EP0463676A1 (en) Process for the synthesis of alpha-hydroxy-esters
KR20030027005A (ko) 5-[(4-클로로페닐)메틸]-2,2-디메틸시클로펜탄온의 제조방법
JP3477631B2 (ja) 1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラオルガノジシロキサンの精製方法
JP4786088B2 (ja) グルタルアルデヒドモノアセタールの製造方法
JP4304758B2 (ja) パラ−アセトキシスチレンの製造方法
JP4754085B2 (ja) ラバンジュラールの製造方法
JPH0584305B2 (ja)
JPS6049170B2 (ja) β−アルコキシエトキシメチルハライドの製造方法
EP0045088B1 (en) Process for preparing substituted p-chlorophenyl aliphatic nitriles
JP2921054B2 (ja) アルコキシ―α,β―不飽和ケトンの合成法
JPH06329655A (ja) ポリアルキル−2−アルコキシ−7−ヒドロキシクロマンの製造方法
EP0385194B1 (de) Verfahren zur Herstellung von unsymmetrischen Spiroorthocarbonaten
JPH0699352B2 (ja) p―またはm―〔2―(メトキシ)エチル〕フェノールの合成法