JP2007008775A - 多孔質ジルコニア厚膜ならびにその製造方法 - Google Patents

多孔質ジルコニア厚膜ならびにその製造方法 Download PDF

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伊豆  典哉
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申  ウソク
Ichiro Matsubara
一郎 松原
Norimitsu Murayama
村山  宣光
Noriko Ohori
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Abstract

【課題】抵抗型酸素センサの温度補償材料として有用な多孔質ジルコニア厚膜、その製造方法、及びその用途を提供する。
【解決手段】多孔質で、膜厚が1〜100μmであり、クラックが殆どなく、セロハンテープによるはく離試験で基板から膜がはく離することがない程度に基板や電極との密着性に優れた、金属イオンとジルコニウムを特定のモル比で含む、金属イオンを添加した多孔質ジルコニア厚膜、スクリーン印刷によるその製造方法、及び該多孔質ジルコニア厚膜の抵抗型酸素センサの温度補償材としての用途。
【選択図】図1

Description

本発明は、抵抗型酸素センサの温度補償材に使用される多孔体厚膜、その製造方法、及びその用途に関するものであり、更に詳しくは、排ガスの浄化率向上や燃費向上のために、自動車等の排ガスの空燃比を制御するための空燃比フィードバック制御システムに使用される、酸素分圧を測定する酸素センサの温度補償部分である酸化ジルコニウム(ジルコニア)系多孔体厚膜、その製造方法、及びその用途に関するものである。本発明のジルコニア厚膜は、多孔質の厚膜であり、基板や電極との密着性に優れ、クラックの数が極めて少なく、酸素センサの温度補償材として十分使用可能な特性を有しており、本発明は、例えば、燃焼機関等の排ガスの空燃比を制御するための空燃比フィードバック制御システムに使われる酸素分圧を測定する酸素センサの温度補償材として優れた特性を発揮する酸化ジルコニウム(ジルコニア)系多孔体厚膜を提供するものである。
温度補償材として酸素イオン伝導体を使うことは、先行技術文献に既に開示されており、酸素イオン伝導体として、酸化セリウム(セリア)系や酸化ジルコニウム(ジルコニア)系が有名である(特許文献1参照)。金属イオン(イットリウムやカルシウム)を添加したジルコニアは、空燃比がリッチ、すなわち、低酸素分圧においてもイオン輸率が1であり、酸素イオン伝導体であるため、温度補償材としては有望である。温度補償材が多孔質であれば、基板、電極、温度補償材の順でも、三相界面が電極上に存在するため、温度補償材の抵抗値はドリフトすることはない。そこで、多孔質な金属イオンを添加したジルコニア厚膜が必要であった。また、センサとして使用するには、基板との密着性に優れたものが必要であった。更に、理論空燃比を検出するラムダセンサとしては、温度補償材の抵抗の温度依存性は、ガス検出材のリッチとリーンにおける温度依存性の中間である必要があった。
ここで、抵抗の温度依存性は、活性化エネルギーで表すことができ(R∝exp(E/kT):Rは抵抗、Eは活性化エネルギー、kはボルツマン定数、Tは温度)、リッチとリーンにおけるガス検出材(Ce0.9Zr0.1)の抵抗の活性化エネルギーは、それぞれ、0.7と1.3eVである。従って、温度補償材としては、抵抗の活性化エネルギーは0.8から1.2eVである必要があった。文献に開示されている酸化物微粒子の製造方法(特許文献2参照)、及び厚膜製造方法(特許文献3参照)を酸化ジルコニウムに適用し、粒径の細かい多孔質な、金属イオンを添加したジルコニア厚膜を作製すると、その厚膜は、クラックが多く、基板や電極との密着性が悪く、はく離しやすいという問題があった。
特開2004−85549号公報 特開2002−255515号公報 特開2004−203655号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記先行技術に鑑みて、それらにおける諸問題を抜本的に解決する技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、多孔質で、クラックが殆どなく、基板や電極との密着性に優れた、特定の割合で金属イオンを添加したジルコニア厚膜により所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、クラックの数が極めて少なく、酸素センサの温度補償材として十分使用可能な、酸化ジルコニウムが主成分である酸化物の多孔体厚膜、及びその製造方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、基板や電極との密着性に優れている多孔体厚膜を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、抵抗の温度依存性を示す活性化エネルギーが0.8から1.2eVであり、抵抗の小さい、酸素センサの温度補償材として有用な多孔体厚膜を提供することを目的とするものである。また、本発明は、分散性に優れた酸化ジルコニウムが主成分である酸化物粉末を経由して多孔体厚膜を製造することにより、歩留まりに優れた多孔体厚膜の製造方法を提供することを目的とするものである。更に、本発明は、酸化ジルコニウムを主成分とする多孔体厚膜を使用して、理論空燃比近傍での出力差が大きく、出力の温度依存性が小さい抵抗型酸素センサ、及び燃焼機関の空燃比を制御するための空燃比フィードバック制御システム、を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)金属イオンを添加したジルコニアの多孔質焼成厚膜体からなることを特徴とする金属イオンを添加したジルコニア厚膜。
(2)多孔質で、膜厚が1〜100μmであり、クラックが殆どなく、セロハンテープによるはく離試験で基板から膜がはく離することがない程度に基板や電極との密着性に優れていることを特徴とする金属イオンを添加したジルコニア厚膜。
(3)金属イオンとジルコニウムイオンがモル比で、1:9〜4:6であり、金属イオンがイットリウムである上記(1)又は(2)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜。
(4)抵抗の温度依存性を示す活性化エネルギーE(Eは次式:R∝exp(E/kT)で定義され、式中、Rは抵抗、Eは活性化エネルギー、kはボルツマン定数、Tは温度を表す。)が、0.8から1.2eVである上記(1)又は(2)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜。
(5)金属イオンを構成する金属が、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、又は希土類元素である上記(1)又は(2)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1項に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜からなることを特徴とする温度補償材。
(7)上記(6)に記載の温度補償材を用いたことを特徴とする抵抗型酸素センサ。
(8)金属イオンを添加したジルコニア粉末と有機バインダーを混合したペーストを作製する工程、該ペーストを基板上にスクリーン印刷する工程、これを焼成する工程、を含むことを特徴とする金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(9)前記金属イオンを添加したジルコニア粉末が、一次粒子径100nm以下であり、分散性に優れている上記(8)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(10)ジルコニウムイオンと金属イオンを所定の割合で含む酸性溶液を作製し、該酸性溶液にカーボン粉末を添加し、酸性溶液中に分散させ、これにアルカリ水溶液を添加することにより、ジルコニウムと該金属を含む水酸化物微粒子を析出させて、水酸化物微粒子とカーボンの混合物を作製し、該混合物を所定温度で熱処理することにより前記金属イオンを添加したジルコニア粉末を作製する上記(8)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(11)前記カーボンを酸性溶液中に分散させる工程において、超音波攪拌器を用いる上記(10)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(12)前記混合物の熱処理が、非還元雰囲気下に行われる上記(10)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(13)前記混合物の熱処理が、400〜600℃、酸素分圧が21kPaよりも大きい非還元雰囲気下に行われ、混合物中のカーボンが実質的に除去される上記(10)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(14)金属イオンを添加したジルコニア粉末を溶媒と混合し、溶媒中で分散させ、生成した沈殿物を除去し、溶媒を揮発させ、これに有機バインダーを混合してペーストを作製する上記(8)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(15)前記スクリーン印刷工程において、やわらかいスキージを用いてスクリーン印刷する上記(8)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(16)前記スキージのスキージ硬度(JIS K6253)が60°である上記(15)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(17)前記焼成工程における焼成温度が、1225〜1250℃である上記(8)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(18)金属イオンとジルコニウムイオンのモル比が1:9〜4:6であり、金属イオンがイットリウムである上記(8)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(19)金属イオンを構成する金属が、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、又は希土類元素である上記(8)に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
(20)上記(7)に記載の抵抗型酸素センサを構成要素として含むことを特徴とする燃焼機関の空燃比を制御するための空燃比フィードバック制御システム。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、抵抗型酸素センサの温度補償材に使用される多孔体厚膜で、膜厚が1〜100μmであり、クラックが殆どなく、セロハンテープによるはく離試験で基板から膜がはく離することがない程度に基板や電極との密着性に優れ、金属イオンとジルコニウムが特定の組成比にある金属イオンを添加した多孔質のジルコニア厚膜、その製造方法、及びその酸素センサの温度補償材としての用途の点に特徴を有するものである。
本発明において、金属イオンを添加したジルコニア粉末とは、希土類金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属が固溶したジルコニア粉末を意味する。本発明の金属イオンを添加したジルコニア厚膜は、多孔質で、1〜100μm、好ましくは、1〜20μmの膜厚を有し、クラックが殆どなく、基板や電極との密着性に優れ、例えば、金属イオンがイットリアである場合、金属イオンとジルコニウムイオンをモル比で1:9〜4:6、好ましくは、1:9〜3:7の範囲で有するものである。その厚膜の抵抗値は、温度補償材として使用するのに適度な温度依存性を示し、その活性化エネルギーは、0.8〜1.2eVである。
上記特性を示す本発明の金属イオンを添加した多孔質のジルコニア厚膜は、排ガスの浄化率向上や燃焼向上のために、自動車等の排ガスの空燃比を制御するための空燃比フィードバック制御システムに使われる酸素分圧を測定する酸素センサの温度補償部分である酸化ジルコニウム(ジルコニア)系多孔体厚膜として使用することが可能である。ここで、空燃比とは、空気と燃料の比であり、酸素分圧と空燃比とは1対1の関係が成り立つ。
本発明の多孔質ジルコニア厚膜は、(1)金属イオンを添加したジルコニア粉末を作製する工程、(2)該ジルコニア粉末に有機バインダーを混合してペーストを作製する工程、(3)該ペーストを基板上にスクリーン印刷する工程、(4)基板に印刷したペーストを焼成する工程により製造することができる。次に、各工程について詳細に説明する。
本発明では、ジルコニウムイオンと特定の金属イオンが所定の比で混合された酸性溶液を作製する。この酸性溶液は、ジルコニウムの硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、又は塩化物と、特定の金属の硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、又は塩化物とを所定の比で蒸留水に溶かして作製することができる。ジルコニウムイオンと特定の金属イオンの和、すなわち、陽イオンに対する特定の金属イオンの割合は、1〜40mol%が好ましく、更に好ましくは、10〜30mol%である。特定の金属としては、例えば、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、及びランタン等の希土類元素等が例示される。イットリウム添加ジルコニアを作製するには、硝酸イットリウムとオキシ硝酸ジルコニウムの組み合わせが好ましい。
次に、前記混合酸性溶液に、カーボン粉末を添加する。このカーボン粉末としては、1〜100nmの一次粒子径を有するものが好ましく、また、乱層黒鉛構造を備えたものであることが好ましい。酸性溶液にカーボン粉末を加えた後、十分攪拌を行う。このとき、カーボン粒子が十分に分散されるように、攪拌する必要があり、好ましくは、超音波ホモジナイザーを用いて攪拌すると良い。これは、超音波によりカーボン粒子の凝集が解けるためである。攪拌後のカーボンを加えた酸性溶液に、アルカリ溶液を加える。アルカリ溶液としては、アンモニア水等が好ましい。アルカリ溶液を加えると、カーボンが分散された金属水酸化物が析出する。
次に、カーボンが分散された金属水酸化物が析出した溶液から、そのカーボンが分散された金属水酸化物を回収する。この工程では、溶液からカーボンが分散された金属水酸化物を選択的に回収できる方法であればいずれでも良い。例えば、水溶液のろ過工程と、洗浄工程による方法が簡便である。また、遠心分離法等を使用することも可能である。
金属水酸化物にカーボンを混合させるタイミングとしては、前記混合酸性溶液に前記アルカリ溶液を加え、水酸化物が析出した後、回収された水酸化物に混合する場合も考えられる。但し、実施例で示すように、後述する金属酸化物粉末を得るための熱処理終了後にカーボンが残留する場合がある。よって、この場合には、カーボンを混合した水酸化物をよく攪拌する必要がある。
次に、カーボンが分散された金属水酸化物に対して熱処理を行う。これにより、カーボンは、雰囲気中の酸素と反応し、二酸化炭素となり、除去される。この工程では、通常、カーボンが分散された金属水酸化物に残留していた水分が十分に除去される程度に乾燥し、更に、非還元雰囲気中において、水酸化物から酸化物が生成する温度で焼成処理を行う。乾燥温度は、例えば、50℃から200℃が好ましい。焼成温度は、例えば、400℃から600℃程度に設定することが好ましく、より好ましくは500℃が挙げられる。これは、温度が高いと、粒成長や凝集が強くなるため、温度が低いことが望まれる。ただし、温度が低くすぎると、カーボンと酸素が十分反応せず、熱処理後もカーボンが残る。カーボンが残留しているものをペースト化し、スクリーン印刷後焼成しても、膜が形成されないことがあり、カーボンが残留していないことが好ましい。
また、非還元雰囲気としては、大気雰囲気、又はそれよりも酸素分圧の高い雰囲気等が挙げられる。焼成工程での酸素分圧は、21kPa以上が好ましく、50〜200kPaが更に好ましい。酸素分圧が高いと、カーボンと酸素が反応する温度が低くなり、焼成温度を下げることが可能となるので、酸素分圧は高い方が好ましい。焼成温度を下げることにより、酸化物の微粒子の粒成長を防ぐことが可能である。このようにして、一次粒子径が細かく、100nm以下、好ましくは2〜50nmの一次粒子径を有し、分散性にすぐれた、特定の金属イオンを添加したジルコニア粉末が得られる。
上記方法により作製された原料の酸化物(ジルコニア粉末)に、溶媒を加え、印刷用のペーストを作製する。溶媒としては、例えば、エタノール、トルエン等の粘性の小さい揮発しやすい有機溶媒が好適である。それは、後の溶媒を減らす工程で容易に揮発するものの方が良いためである。次に、この酸化物を溶媒中において超音波ホモジナイザー等で処理して、粒子を分散させる。この処理は、分散性が良好な粉末でも、分散を確実にするために必要である。次に、酸化物を含んだ溶媒を、そのままの状態で放置し、例えば、30分間から40分間ほど放置した後、沈殿物を除去する。沈殿物は凝集したままの粒子であり、これは、自重により沈殿してしまうので、分散した粒子と分離することができる。その後、上述の溶媒により同様の処理を繰り返す場合もある。次に、加熱しながら、かつ、撹拌しながら、溶媒を揮発させる。原料の酸化物が分散性の悪い粉末であった場合は、粉末を溶媒に加え、分散させ、沈殿物を除去する一連の工程の中で、沈殿物が増加し、歩留まりが悪くなる。従って、前記した方法で、金属イオンを添加したジルコニア粉末を製造する必要がある。
その後、これに有機バインダーを加えるが、有機バインダーとしては、例えば、エチルセルロースとテルピネオールを混合したビヒクル等が好適なものとして例示される。しかし、これらに限定されるものではない。有機バインダーは、所定の粘度を有する液体であり、これを加えることにより、スクリーン印刷可能な粘度のペーストとなる。この工程において、酸化物の含有重量%を所定の値に調整することにより、酸化物を含んだペーストが得られる。酸化物の含有重量%は、例えば、10重量%から30重量%が好適である。これは、ペーストに占める酸化物の割合が大きい場合、混合が不均一になるためと考えられる。また、その割合が小さいと、バインダーの使用量が多くなるため、無駄が生じるため好ましくない。本発明では、上記酸化物を特定の性状及び組成のペーストとして調製することにより、均一、かつ高精度に設計、制御されたペースト組成物を任意に作製し、利用することが可能となる。
次に、このペーストをスクリーン印刷により基板に印刷する。この場合、基板としては、絶縁体の材料が使われる。好適には、例えば、アルミナ、マグネシア、及び石英等が例示されるが、これらに限定されるものではない。スクリーン印刷において、印刷するためにスキージを用いるが、そのスキージ硬度(JIS K6253)が60°であるものが好ましい。これは、スクリーン印刷では、通常、70°のものが多く使われるが、60°のものは70°のものより、やわらかいため、厚く塗布できるためである。
次に、スクリーン印刷したペーストを、300℃から600℃において、仮焼し、有機バインダーを除去する。仮焼の雰囲気としては、空気、及び酸素等の酸化雰囲気が好ましい。この工程は、次の焼成工程の昇温速度をゆっくりと設定した場合には、省くことが可能である。次いで、最後に、これを、1000℃から1400℃において、焼成し、金属イオンを添加したジルコニア厚膜を得る。より好ましい焼成温度は、1225℃から1250℃である。この温度において焼成することにより、基板との密着性が良く、クラックも殆どなく、また、リッチとリーンの両方での活性化エネルギーがほぼ同じである厚膜が得られる。ここで、リッチとは、空気又は酸素ガスと燃料を混合したガスを燃焼させたときの燃焼後のガスであって燃料過剰の場合であり、リーンとはその逆の空気過剰の場合である。焼成の雰囲気は、空気、酸素等の酸化雰囲気、あるいは、水素、一酸化炭素等の還元雰囲気のいずれでも良い。この焼成により、微粒子同士にネックが生じて、多孔体となり、導電性を有するものとなる。
以上の製造方法で得られた、金属イオンを添加したジルコニア厚膜は、多孔質で、膜厚が1μmから100μmであり、クラックが殆どなく、セロハンテープによるはく離試験で基板から膜がはく離することがない程度に基板や電極との密着性に優れている。また、その抵抗の温度依存性を示す活性化エネルギーが0.8から1.2eVである。前記製造方法で得られる金属イオンを添加したジルコニア粉末は分散性が良い。分散性が悪い粉末であった場合は、粉末を溶媒に加え、分散させ、沈殿物を除去する一連の工程の中で、沈殿物が増加し、歩留まりが悪くなる。従って、前記方法で、金属イオンを添加したジルコニア粉末を製造する必要がある。
抵抗型温度センサの温度補償材に使用される多孔体厚膜を作製する場合、従来法の酸化物微粒子や厚膜の製造方法では、酸素センサの温度補償財として十分に使用可能な酸化ジルコニウム(ジルコニア)系多孔体厚膜を作製することは困難であった。これに対し、本発明では、金属イオンを添加したジルコニア粉末に有機バインダーを混合したペーストを利用し、該ペーストを基板にスクリーン印刷し、該ペーストを焼成してジルコニア多孔体厚膜を作製する工程を採用している。そのため、本発明では、酸化物のペーストの性状及び組成を任意に調整して所望の特性値を有する原料設計を自由に行えること、該ペーストをスクリーン印刷で高精度に所望の形態に塗布、形成し得ること、これをその状態のまま焼成することで、均一、かつ高精度に性質、組成及び形態の制御された金属イオンを添加したジルコン多孔体厚膜を得ることができること、等の特徴を有する厚膜製品が得られる。
本発明により、(1)酸素センサの温度補償材として十分使用可能な、酸化ジルコニウムが主成分である酸化物の多孔体厚膜を提供できる、(2)多孔質であり、クラックが殆どなく、基板又は電極との密着性に優れ、抵抗の温度依存性を示し、活性化エネルギーが0.8から1.2eVであり、抵抗の小さい厚膜を提供できる、(3)分散性に優れた酸化ジルコニウムが主成分である酸化物粉末を中間原料とするため、厚膜製造時の歩留まりも優れている、(4)本発明の酸化ジルコニウムが主成分である酸化物の多孔質の厚膜を温度補償材とすることができる、(5)この温度補償材を使用した抵抗型酸素センサは、理論空燃比近傍での出力差が大きく、出力の温度依存性が小さい、(6)このセンサを構成要素として含む、燃焼機関の空燃比を制御するための空燃比フィードバック制御システムを構築することが可能である、という効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、イットリウムを添加したジルコニア粉末を作製した。オキシ硝酸ジルコニウムと硝酸イットリウムを蒸留水に溶かして、ジルコニウムイオンとイットリウムイオンが混在している水溶液を作製した。ここで、ジルコニウムイオンとイットリウムイオンの物質量をMZrとMとすると、陽イオンの物質量はMZr+Mである。陽イオンの水溶液中の濃度は、0.1(mol/L)であった。また、モル比で、MZr:M=8:2であった。次に、良く攪拌したジルコニウムイオンとイットリウムイオンが混在している水溶液に、カーボンを添加した。その添加割合は、前記水溶液200mLに対し、カーボン7gであった。
次に、上記カーボンを添加した水溶液を超音波ホモジナイザーを用いて、3分間分散処理した。スターラーで攪拌しながら、カーボンを混合した水溶液にアンモニア水を加えた。その割合は、カーボンを混合した水溶液200mLに対し、アンモニア水10mLであった。このとき、水溶液中に析出が生じた。次に、ろ過工程により、ジルコニウムとイットリウムの金属を含む水酸化物微粒子とカーボンの混合物を回収した。次に、ジルコニウムとイットリウムの金属を含む水酸化物微粒子とカーボンの混合物を70℃の条件で乾燥させた。十分乾燥するまでには、半日から1日かかった。
次に、乾燥体を乳鉢で粉砕し、電気炉に入れた。電気炉内に純酸素ガスを1L/分の割合でフローさせながら、500℃、4時間の条件で熱処理した。こうして、イットリウムを添加したジルコニア粉末を得た。SEM観察の結果、一次粒子径は2nmから50nm程度であった。
比較例1
本比較例のジルコニア粉末は、実施例1とほぼ同じ方法であるが、イットリウムを添加したジルコニア粉末を焼成する雰囲気を、空気中に変えた場合のジルコニア粉末である。
比較例2
本比較例のジルコニア粉末は、実施例1とほぼ同じ方法であるが、ジルコニウムイオンとイットリウムイオンが混在している水溶液にカーボンを添加した後、スターラーを用いて、10分間攪拌して分散させた場合のジルコニア粉末である。
比較例3
本比較例の粉末は、実施例1とは、カーボンを添加するタイミングを変えた場合の粉末である。すなわち、良く攪拌したジルコニウムイオンとイットリウムイオンが混在している水溶液にカーボンを混ぜるのではなく、この水溶液にアンモニア水を添加した後、生じたジルコニウムとイットリウムの金属を含む水酸化物微粒子をろ過し、ろ過後、得られたジルコニウムとイットリウムの金属を含む水酸化物微粒子にカーボンを加えた。ろ過後に得られたジルコニウムとイットリウムの金属を含む水酸化物微粒子とカーボンの割合は、7.5g:1.1gであった。
比較例1と比較例3では、熱処理後の粉末は黒いものであった。すなわち、カーボンが残留していることが目視で確認された。一方、実施例1と比較例2では、目視では、カーボンが残留していることは確認できなかった。カーボンが残留しているものをペースト化し、スクリーン印刷後焼成しても、膜が形成されないことがあり、カーボンが残留していないことが好ましい。従って、比較例1と3で得られる粉末は、ジルコニア厚膜を作るための粉末としては不適当であることが分かった。
次に、上記の4種類(実施例1、比較例1〜3)の粉末を、以下の手順でエタノール中に分散させ、その分散性を評価した。イットリウムを添加したジルコニア粉末1gに対して、溶媒となるエタノールを50mLの割合で加えた。次いで、これを超音波ホモジナイザーにより、3分間分散処理した。分散後、イットリウムを添加したジルコニア粉末を含んだエタノールを30分間放置し、その後、凝集したままの沈殿物を除去した。この段階で、除去された、凝集したままの沈殿物の重量を測定した。この重量が小さいほど、分散性のいい粉末である。
上記の手順で調べた結果を表1にまとめた。比較例1、及び比較例3では、非常に分散性が悪いことが分かった。また、比較例2でも半分以上は沈殿しており、これも分散性が悪いことが分かった。実施例1では、分散性がよいことが明らかとなった。実施例1と比較例1の違いは、熱処理時の酸素分圧である。このことから、熱処理時の酸素分圧は、高い方が好ましいことが明らかとなった。実施例1と比較例2との違いは、ジルコニウムイオンとイットリウムイオンが混在している水溶液にカーボンを添加した後の攪拌方法である。スターラーでは、十分攪拌できないが、超音波ホモジナイザーでは、十分攪拌されたため、このような違いとなったと考えられる。このことから、ジルコニウムイオンとイットリウムイオンが混在している水溶液にカーボンを添加した後の攪拌方法は、超音波ホモジナイザーが好ましいことが分かった。実施例1と比較例3の違いは、カーボンを添加するタイミングであり、良く攪拌したジルコニウムイオンとイットリウムイオンが混在している水溶液にカーボンを混ぜる方が好ましいことが分かった。
Figure 2007008775
本実施例では、実施例1で製造したイットリウムを添加したジルコニア粉末(Zr0.80.22−δ)を使って、イットリウムを添加したジルコニア厚膜(Zr0.80.22−δ)を製造した。まず、イットリウムを添加したジルコニア粉末1gに対して、溶媒となるエタノールを50mLの割合で加えた。次いで、これを超音波ホモジナイザーに供し、3分間良く分散させた。分散後、イットリウムを添加したジルコニア粉末を含んだエタノールを30分間放置させ、放置後、凝集したままの沈殿物を除去した。次に、酸化物を含んだエタノールを、スターラーで撹拌しながら、約60℃に加熱し、エタノールを揮発させた。その後、有機バインダーである約3000mPasのビヒクルを加えた。ビヒクルとして、エチルセルロースとテルピネオールの混合物を使用した。ここで、ペーストに含まれる酸化物の重量%が、20重量%になるように調整した。こうして、酸化物と有機バインダーとの混合物からなるペーストが得られた。
次に、このペーストをスクリーン印刷によりアルミナ基板上に印刷した。このとき使用したスキージは硬度70°であった。印刷後、150℃で乾燥させた。その後、先に印刷したところに、再度、スクリーン印刷を行い、乾燥させた。これを更に2回繰り返し、合計4回印刷した。その後、印刷したペーストを空気中500℃で5時間仮焼し、続いて、空気中1100℃から1300℃の温度で2時間焼成を行い、イットリウムを添加した多孔質ジルコニア厚膜を得た。
上記方法により得られた厚膜について、市販のセロハンテープによるはく離試験を行った。はく離試験は、市販のセロハンテープを厚膜に貼り、それを剥がしたときに、厚膜がどのようになるかを調べる試験である。表2に結果を示す。焼成温度1220℃以下では、厚膜にはく離が認められたが、1230℃以上では、殆どはく離がなかった。このことから、1225℃を超えると、はく離しない厚膜が得られることが明らかとなった。
Figure 2007008775
本実施例では、実施例2とほぼ同じ条件で、イットリウムを添加したジルコニア厚膜(Zr0.80.22−δ、δは約0.1である。)を製造した。実施例2と異なる条件は、白金電極を予め設けたアルミナ基板にスクリーン印刷した点と、印刷回数が8回であった点である。これを、温度補償材として、酸素センサを作製した。ガス検出材としては、文献に開示されているCe0.9Zr0.1を用いた(特開2004−93547号公報参照)。図1に示すような回路を作製し、DC電源の電圧Vを一定電圧として10V負荷した。そのときのVoutをセンサ出力とした。
上記方法により得られたセンサについて、プロパンと酸素の混合ガスを燃焼触媒で燃焼させ、燃焼後のガス中でのセンサ出力を測定した。プロパンと酸素のそれぞれの濃度をCpとCoとすると、λはλ=(Co/Cp)/5で定義できる。表3に、本実施例で使用したλ、Cp、Coの関係をまとめて示す。図2、3、4に、焼成温度が1200℃、1250℃、1300℃で焼成した厚膜を温度補償材として使ったセンサの出力を示す。1300℃で焼成した厚膜を使った酸素センサでは、λ=1.0から1.1での600℃と800℃の出力差が大きく、温度依存性が大きいことが明らかとなった(図4)。
温度依存性が大きいと、センサとしてはヒータでの温度制御を精密に行わなければならなくなるため、できるだけ温度依存性が小さいほうがいい。このことから、1300℃で焼成した厚膜を使ったセンサは、1200℃(図2)又は1250℃(図3)で焼成したセンサよりも劣ることが示された。また、1300℃で焼成した厚膜を使った酸素センサでは、λ=1近傍におけるリッチとリーンとでの出力差は800℃で小さかった(図4)。
リッチであるかリーンであるかを検出するラムダセンサでは、閾値を設定し、それよりも、大きい場合はリーン、小さい場合はリッチとして検出する。従って、λ=1近傍におけるリッチとリーンとでの出力差が小さいと、設定できる閾値が小さくなり、回路を設計するとき自由度が小さくなる。このため、λ=1近傍におけるリッチとリーンとでの出力差は大きい方が好ましい。このことからも、1300℃で焼成した厚膜を使ったセンサは、1200℃又は1250℃で焼成したセンサよりも劣ることが示された。実施例2と実施例3の結果から総合的に判断すると、焼成温度は1225℃から1250℃が最適であることが明らかとなった。
Figure 2007008775
本実施例では、スキージの硬度を60°と70°の2つの条件で、イットリウムを添加したジルコニア厚膜(Zr0.80.22−δ、δは約0.1である。)を製造した。実施例2とほぼ同じ条件で、イットリウムを添加したジルコニア厚膜を製造したが、スキージの硬度以外で実施例2と異なる条件は、白金電極を予め設けたアルミナ基板にスクリーン印刷した点と、印刷回数が8回であった点である。図5、6に、それぞれ600℃、800℃での厚膜の抵抗値を示す。いずれの温度でも、スキージ硬度が60°である厚膜の抵抗の方が、スキージ硬度70°であるそれよりも小さかった。温度補償材としては、できるだけ抵抗が小さいことが好ましい。というのも、抵抗が大きいと、抵抗値、あるいはセンサとしてなら電圧を計測するための計測回路の入力インピーダンス、が大きくなってしまい、入力インピーダンスの大きい回路は、部品のコストが大きくなるためである。よって、入力インピーダンスが小さい方がよい。このことから、温度補償材としては、抵抗が小さいことが好ましい。スキージ硬度を60°、すなわち、やわらかくすることにより厚膜の抵抗を小さくできるため、スクリーン印刷時のスキージ硬度はやわらかい方が好ましいことが分かった。
以上説明したように、本発明は、酸素センサの温度補償材として十分使用可能な、酸化ジルコニウムを主成分とする酸化物の厚膜、その製造方法、及びその用途に係るものであり、本発明により、基板や電極との密着性に優れた多孔体厚膜であり、抵抗の温度依存性を示す活性化エネルギーが0.8から1.2eVであり、抵抗値の小さい多孔質厚膜を提供することができる。また、本発明の金属イオンを添加した多孔質ジルコア厚膜を、分散性に優れた酸化ジルコニウムを主成分とする酸化物粉末を経由して製造することにより、歩留まりに優れた多孔体厚膜の製造方法を提供することが可能となる。更に、本発明の酸化ジルコニウムを主成分とする多孔体厚膜を使用して、理論空燃比近傍での出力差が大きく、出力の温度依存性が小さい抵抗型酸素センサ、及び該抵抗型酸素センサを構成要素とする、燃焼機関の空燃比を制御するための空燃比フィードバック制御システムを提供することが可能となる。
温度補償材とガス検出材とを含む抵抗型酸素センサの回路図を示す。 焼成温度1200℃で焼成した厚膜(Zr0.80.22−δ)を温度補償材として使ったセンサの出力を示す。 焼成温度1250℃で焼成した厚膜(Zr0.80.22−δ)を温度補償材として使ったセンサの出力を示す。 焼成温度1300℃で焼成した厚膜(Zr0.80.22−δ)を温度補償材として使ったセンサの出力を示す。 スキージの硬度を60°と70°の2つの条件で作製した、Yを添加したジルコニア厚膜(Zr0.80.22−δ)の600℃における抵抗値Rを示す。 スキージの硬度を60°と70°の2つの条件で作製した、Yを添加したジルコニア厚膜(Zr0.80.22−δ)の800℃における抵抗値Rを示す。

Claims (20)

  1. 金属イオンを添加したジルコニアの多孔質焼成厚膜体からなることを特徴とする金属イオンを添加したジルコニア厚膜。
  2. 多孔質で、膜厚が1〜100μmであり、クラックが殆どなく、セロハンテープによるはく離試験で基板から膜がはく離することがない程度に基板や電極との密着性に優れていることを特徴とする金属イオンを添加したジルコニア厚膜。
  3. 金属イオンとジルコニウムイオンがモル比で、1:9〜4:6であり、金属イオンがイットリウムである請求項1又は2に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜。
  4. 抵抗の温度依存性を示す活性化エネルギーE(Eは次式:R∝exp(E/kT)で定義され、式中、Rは抵抗、Eは活性化エネルギー、kはボルツマン定数、Tは温度を表す。)が、0.8から1.2eVである請求項1又は2に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜。
  5. 金属イオンを構成する金属が、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、又は希土類元素である請求項1又は2に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜からなることを特徴とする温度補償材。
  7. 請求項6に記載の温度補償材を用いたことを特徴とする抵抗型酸素センサ。
  8. 金属イオンを添加したジルコニア粉末と有機バインダーを混合したペーストを作製する工程、該ペーストを基板上にスクリーン印刷する工程、これを焼成する工程、を含むことを特徴とする金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  9. 前記金属イオンを添加したジルコニア粉末が、一次粒子径100nm以下であり、分散性に優れている請求項8に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  10. ジルコニウムイオンと金属イオンを所定の割合で含む酸性溶液を作製し、該酸性溶液にカーボン粉末を添加し、酸性溶液中に分散させ、これにアルカリ水溶液を添加することにより、ジルコニウムと該金属を含む水酸化物微粒子を析出させて、水酸化物微粒子とカーボンの混合物を作製し、該混合物を所定温度で熱処理することにより前記金属イオンを添加したジルコニア粉末を作製する請求項8に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  11. 前記カーボンを酸性溶液中に分散させる工程において、超音波攪拌器を用いる請求項10に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  12. 前記混合物の熱処理が、非還元雰囲気下に行われる請求項10に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  13. 前記混合物の熱処理が、400〜600℃、酸素分圧が21kPaよりも大きい非還元雰囲気下に行われ、混合物中のカーボンが実質的に除去される請求項10に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  14. 金属イオンを添加したジルコニア粉末を溶媒と混合し、溶媒中で分散させ、生成した沈殿物を除去し、溶媒を揮発させ、これに有機バインダーを混合してペーストを作製する請求項8に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  15. 前記スクリーン印刷工程において、やわらかいスキージを用いてスクリーン印刷する請求項8に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  16. 前記スキージのスキージ硬度(JIS K6253)が60°である請求項15に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  17. 前記焼成工程における焼成温度が、1225〜1250℃である請求項8に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  18. 金属イオンとジルコニウムイオンのモル比が1:9〜4:6であり、金属イオンがイットリウムである請求項8に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  19. 金属イオンを構成する金属が、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、又は希土類元素である請求項8に記載の金属イオンを添加したジルコニア厚膜の製造方法。
  20. 請求項7に記載の抵抗型酸素センサを構成要素として含むことを特徴とする燃焼機関の空燃比を制御するための空燃比フィードバック制御システム。
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