図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
前面ドア2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cが形成されている(後述)。また、前面ドア2の背後には、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L,3C,3Rが、回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rは、一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。
パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cの下方には略水平面の台座部4が形成されている。台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。投入されたメダルは、クレジットされるか、ゲームに賭けられる。また、台座部4の左側には、押下操作により、クレジットされているメダルを賭けるための1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられている。
1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。
これらのBETスイッチ11〜13を操作することで、所定の表示ラインが有効化される(後述)。BETスイッチ11〜13の操作及びメダル投入口10にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。
また、BETスイッチ11〜13の上方には、十字スイッチ20a、○スイッチ20b及び×スイッチ20cが設けられている。十字スイッチ20a、○スイッチ20b及び×スイッチ20cを総称して操作部という。操作部を操作することにより、例えば、遊技者は、後述の図7の表示例Aに示す選択をすることができる。また、操作部は、液晶表示装置131に遊技履歴などの情報を表示するために操作される。
台座部4の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部5に溜められる。メダル受け部5の上方の左右には、遊技の演出に関する効果音などを出音するスピーカ9L,9Rが設けられている。
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、図柄表示領域21L,21C,21R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部4の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
ここで、実施例では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、各停止ボタン7L,7C,7Rの裏側には、後述の図5に示す停止スイッチ7LS,7CS,7RSが配置されている。これらの停止スイッチは、対応する停止ボタンの操作(停止操作)を検知する。
また、左の停止ボタン7Lを操作することを、以下「左停止操作」という。中央の停止ボタン7Cを操作することを、以下「中央停止操作」という。右の停止ボタン7Rを操作することを、以下「右停止操作」という。
図2を参照して、パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cについて説明する。
パネル表示部2aは、ボーナス遊技情報表示部16、BETランプ17a〜17c、払出表示部18、及びクレジット表示部19により構成される。ボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDから成り、ボーナス中の遊技情報を表示する。1−BETランプ17a、2−BETランプ17b及び最大BETランプ17cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。
1−BETランプ17aは、BET数が1枚のときに点灯する。2−BETランプ17bは、BET数が2枚のときに点灯する。最大BETランプ17cは、BET数が3枚のときに点灯する。払出表示部18及びクレジット表示部19は、夫々7セグメントLEDから成り、入賞が成立したときのメダルの払出枚数及びクレジットされているメダルの枚数を表示する。
液晶表示部2bは、図柄表示領域21L,21C,21R、窓枠表示領域22L,22C,22R及び演出表示領域23により構成される。この液晶表示部2bの表示内容は、リール3L,3C,3Rの回転及び停止態様、及び後述の液晶表示装置131(後述の図3参照)の動作により変化するようになっている。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の表示や、種々の演出表示を行う。
図柄表示領域21L,21C,21Rには、表示ラインとして、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられる。これらの表示ラインは、遊技者が、BETスイッチ11〜13を押下操作すること、又はメダル投入口10にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される(以下、有効化された表示ラインを「有効ライン」と記載する)。どの表示ラインが有効化されたかは、BETランプ17a,17b,17cの点灯で表示される。表示ライン8a〜8eは、入賞の成否に関わる。
ここで、各図柄表示領域21L,21C,21Rには、夫々縦方向(垂直方向)に3箇所(上段、中段、下段)の図柄停止位置が設けられている。各図柄表示領域21L,21C,21Rにおける図柄の変動表示(移動表示)が停止した場合には、各図柄表示領域21L,21C,21Rに設けられた図柄停止位置の各々に図柄が停止表示される。各表示ラインは、各図柄表示領域21L,21C,21R内の図柄停止位置を結んでいる。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、少なくとも、対応するリール3L,3C,3Rが回転中のとき、及び、対応する停止ボタン7L,7C,7Rが押下操作可能なとき、遊技者がリール3L,3C,3R上の図柄を視認できるように、透過状態となる。
窓枠表示領域22L,22C,22Rは、各図柄表示領域21L,21C,21Rを囲むように設けられ、リール3L,3C,3Rの前面に配置された図柄表示領域21L,21C,21Rの窓枠を表したものである。
演出表示領域23は、液晶表示部2bの領域のうち、図柄表示領域21L,21C,21R及び窓枠表示領域22L,22C,22R以外の領域である。この演出表示領域23は、ボーナスが成立可能であることを確定的に報知する画像(例えば、告知ランプ)の表示、ゲームの興趣を増大するための演出、遊技者がゲームを有利に進めるために必要な情報等の表示を行う。
固定表示部2cは、予め定めた図、絵などが描かれる領域である。この固定表示部2cに描かれた図、絵などと、演出表示領域23に表示された画像を連接させることにより一つの静止画像又は動画像を表示できるようにしても良い。
ここで、液晶表示部2bは、後述の図7、図8に示す態様となる場合がある。実施例の遊技状態には、後述のリプレイに内部当選する確率が相対的に高いFT遊技状態、及び後述のリプレイに内部当選する確率が相対的に高く、BBが持ち越されたFT遊技・持越状態が含まれる。
FT遊技・持越状態は、所定回数(例えば、100回)のゲームが終了すること、又はBBが成立することにより終了する。このFT遊技・持越状態では、投入したメダル1枚に対して払出されるメダルの枚数の期待値は、1より大きく、遊技者にとって有利な遊技状態である。したがって、FT遊技・持越状態では、持越役の成立を回避しつつ、所定回数のゲームを行うことで、より多くのメダルを得ることができる。
実施例では、表示役優先テーブル(後述の図17)を用いて、持越役又は内部当選役のいずれを優先して有効ラインに表示させるかを決定するが、後述のリプレイが内部当選した場合は、持越役であるBBより後述のリプレイが優先されて引込まれる。他方、小役が内部当選した場合は、小役より持越役であるBBが優先されて引込まれる。このため、内部当選役が小役である場合には、持越役であるBBが成立しないような目押し(いわゆる「ハズシ」)が必要である。
具体的には、内部当選役を把握できない場合には、内部当選役が小役である場合のみならず、内部当選役が後述のリプレイである場合においても、持越役であるBBが成立しないような目押しを行う状況が発生する。このような状況の下で、後述のFT作動中フラグがオンの状況において内部当選役の報知が行われた場合には、遊技者は、内部当選役に応じた停止操作を行う。すなわち、内部当選役の報知が行われた場合には、遊技者は、内部当選役が小役である場合にのみ目押しすればよいので、円滑に遊技を進めることができる。
そこで、実施例では、後述のFT作動中フラグがオンの状況において、内部当選役がBBである又は持越役があると判断したことを遊技機側に伝えることが可能な機会を、一度だけ付与する。遊技者は、例えば、後述の図7の表示例Aに対応する操作をして、その判断を遊技機側に伝えることができる。その判断が正しかった場合には、特典として後述のFT作動中フラグがオフに更新されるまでの間、液晶表示部2bで内部当選役の報知を行うようにしている。
また、後述のように、FT遊技状態では、BET数が3でゲームを行うことが相対的に有利であるが、FT遊技・持越状態では、BET数が2でゲームを行うことが相対的に有利である。そこで、上記報知とともに、2BETで操作することが有利である旨の報知を行う。なお、上記報知は、FT遊技・持越状態においてのみ行われる。
また、上記判断が誤っていた場合、すなわち、その判断をしたときがBBに内部当選しておらず、FT遊技・持越状態でもなかった場合に、その後、後述のFT作動中フラグがオンの状態でBBに内部当選したとき、2BETで操作することが有利である旨の報知を行うか否かの抽選を行うようにしている。
図3は、液晶表示装置131の概略構成を示す斜視図である。はじめに、リール3L,3C,3Rの内部構造について説明する。リール3L,3C,3Rの内部には、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に各図柄表示領域21L,21C,21Rに現われる縦3列の図柄(合計9個の図柄)の裏側にLED収納用回路基板が設置されている。LED収納用回路基板は、夫々3つ(即ち合計で9つ)のLED収納部を有し、ここに複数のLEDランプが設けられている。
このLEDランプは、リール3L,3C,3Rの外周面に沿って装着されたリールシートの後面側を白色の光で照明する。より詳細には、図柄表示領域21L,21C,21Rに対応する領域を照明する。このリールシートは、透光性を有して構成され、LEDランプにより出射された光は前面側へ透過するようになっている。
また、左のリール3Lは、同形の2本の環状フレームを所定の間隔(例えばリール幅)だけ離して複数本の連結部材で連結することで形成された円筒形のフレーム構造と、そのフレーム構造の中心部に設けられたステッピングモータ49Lの駆動力を環状フレームへ伝達する伝達部材とにより構成される。また、左のリール3Lの外周面に沿ってリールシートが装着されている。
リール3Lの内側に配置されたLED収納用回路基板は、夫々複数のLEDランプを収納する3つのLED収納部を備えている。LED収納用回路基板は、遊技者が図柄表示領域21Lを通して視認できる図柄(合計3個の図柄)の各々の裏側にLED収納部が位置するように設置されている。なお、中央のリール3C,右のリール3Rについても左のリール3Lと同様の構造を有し、各々の内部にLED収納用回路基板が設けられている。
次に、透過型の液晶表示装置131について説明する。液晶表示装置131は、保護ガラス132、表示板133、液晶パネル134、導光板135、反射フィルム136、白色光源(例えば全ての波長の光を人の目に特定の色彩が目立たない割合で含む)である蛍光ランプ137a,137b,138a,138b、ランプホルダ139a〜139h、液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージからなり液晶パネル134の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。
この液晶表示装置131は、リール3L,3C,3Rの表示領域より正面から見て手前側(即ち表示面よりも手前側)に設けられている。また、このリール3L,3C,3Rと液晶表示装置131とは、別体で(例えば所定の間隔をあけて)設けられている。
保護ガラス132及び表示板133は、透光性部材で構成されている。保護ガラス132は、液晶パネル134を保護すること等を目的として設けられている。表示板133において、パネル表示部2a及び固定表示部2c(図2参照)に対応する領域には、図、絵などが描かれる。
ここで、図3では、パネル表示部2aに対応する表示板133の領域の裏側に配置される各種表示部(ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19など)及びBETランプ17a〜17cを動作させる電気回路の図示を省略している。
液晶パネル134は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板などの透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。この液晶パネル134の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態(即ち液晶パネル134に電圧を印加していない状態)で白表示となる構成である。即ち、表示面側に光が行く、よって透過した光が外部から視認されることとなる。
よって、ノーマリーホワイトに構成された液晶パネル134を採用することにより、液晶を駆動できない事態が生じた場合であっても、図柄表示領域21L,21C,21Rを透してリール3L,3C,3R上に配列された図柄を視認することができ、ゲームを継続することができる。つまり、液晶を駆動できない事態が発生した場合にも、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止を中心としたゲームを行うことができる。
導光板135は、蛍光ランプ137a,137bからの光を液晶パネル134へ導入する(液晶パネル134を照明する)ために液晶パネル134の裏側に設けられ、例えば2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂などの透光性部材(即ち導光機能を有する部材)で構成されている。
反射フィルム136は、例えば白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。これにより液晶パネル134を照明する。この反射フィルム136は、反射領域136A及び非反射領域(即ち透過領域)136BL,136BC,136BRにより構成されている。非反射領域136BL,136BC,136BRは、透明な材料で形成され入射した光を反射することなく透過させる光透過部として形成されている。
また、非反射領域136BL,136BC,136BRは、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に表示させる図柄の各々の前方の位置に設けられている。尚、非反射領域136BL,136BC,136BRの大きさ及び位置は、図柄表示領域21L,21C,21R(図2参照)と一致するように形成されている。また、反射フィルム136では、非反射領域136BL,136BC,136BR以外の領域を反射領域136Aとし、反射領域136Aにより導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。
蛍光ランプ137a,137bは、導光板135の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダ139a,139b,139g,139hにより支持されている。この蛍光ランプ137a,137bは、導光板135に導入する光を発生する。
蛍光ランプ138a,138bは、反射フィルム136の裏側の上方位置及び下方位置に配置されている。この蛍光ランプ138a,138bから発せられた光は、リール3L,3C,3Rの表面で反射され、非反射領域136BL,136BC,136BRへ入射する。そして、入射した光は、非反射領域136BL,136BC,136BRを通過して液晶パネル134を照明する。
さらに、LEDランプ及び蛍光ランプ137a,137b,138a,138bの機能について説明する。
はじめに、図柄表示領域21L,21C,21Rにある液晶を駆動しない場合(即ち、液晶パネル134の、図柄表示領域21L,21C,21Rに対応する個所に電圧を印加しない場合)の各ランプの機能について説明する。
蛍光ランプ138a,138bから出射された光の一部は、リールシートにより反射される。また、LED収納用回路基板に設けられたLEDランプから出射された光の一部は、リールシートを透過する。これらの光は、非反射領域136BL,136BC,136BR、液晶表示装置131を構成する導光板135及び液晶パネル134を透過するので、遊技者は、リール上に配置された図柄を視認することができる。
また、蛍光ランプ137a,137bから出射され、導光板135に向けて導入された光は、液晶パネル134を透過して遊技者の目に入る。つまり、蛍光ランプ137a,137bによって、窓枠表示領域22L,22C,22R及び演出表示領域23に対応する液晶パネル134の領域が照明される。
次に、図柄表示領域21L,21C,21Rにある液晶を駆動する場合(即ち、液晶パネル134の、図柄表示領域21L,21C,21Rに対応する個所に電圧を印加する場合)の各ランプの機能について説明する。
蛍光ランプ138a,138bから出射された光の一部は、リールシートにより反射される。また、LEDランプから出射された光の一部は、リールシートを透過する。液晶パネル134の領域のうち、液晶が駆動された領域では、これらの光の一部が反射或いは吸収されたり透過したりするので、遊技者は、図柄表示領域21L,21C,21Rに表示された演出画像等を視認することができる。
図4は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図5)に格納(記憶)されている。各リール3L,3C,3R上には、“赤7(図柄91)”、“青7(図柄92)”、“ベル(図柄93)”、“スイカ(図柄94)”、“白7(図柄95)”、“Replay(図柄96)”、“チェリー(図柄97)”、“BAR(図柄98)”、及び“ブランク図柄(図柄99)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図4の矢印方向に移動するように回転駆動される。
実施例の役には、BB、RB、リプレイ、ベルの小役、チェリーの小役、スイカの小役が設けられている。また、BBは、第1種特別役物に係る役物連続作動装置である。RBは、第1種特別役物である。
役(役データ)は、基本的に、遊技者に付与される利益と図柄組合せとが対応付けられた制御情報であり、リール3L,3C,3Rの停止制御、遊技状態の切り換え(移行)、遊技価値の付与などに用いられる制御情報である。
図5は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置131、スピーカ9L,9R、LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラム(後述の図18〜図24)に従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。尚、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群などが格納されている。また、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、種々の情報が格納され、作業領域が設けられている。RAM33には、例えば、内部当選役、後述の持越役、現在の遊技状態などの情報等が格納される。
図5の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c)と、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、BETランプ17a,17b,17cを駆動制御するランプ駆動回路45、及びボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7LS,7CS,7RS、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ10S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出し、遊技開始指令信号(ゲームの開始を指令する信号)を出力する。メダルセンサ10Sは、メダル投入口10に投入されたメダルを検出する。停止スイッチ7LS,7CS,7RSは、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止指令信号(図柄の変動の停止を指令する信号)を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
図5の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を使用することにより、例えばROM32内に格納されている確率抽選テーブル(後述の図11〜図15)などに基づいて内部当選役などが決定される。内部当選役(内部当選役データ)は、その内部当選役に対応する停止制御の態様、或いは後述の表示役などを介して、対応する図柄組合せと遊技者に付与される利益とが間接的に対応付けられているといえる。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
更に、ROM32内には、表示役決定テーブル(図示せず)が格納されている。この表示役決定テーブルでは、役の成立(入賞など)となる図柄の組合せ(後述の表示役に対応する図柄の組合せ)と、後述の表示役に対応するメダル配当枚数と、その入賞(成立)を表わす図示しない入賞判定コード(成立判定コード)とが対応づけられている。上記の表示役決定テーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール3L,3C,3Rの停止後の入賞確認(表示役の確認)及び払出枚数の決定を行う場合に参照される。表示役(表示役データ)は、基本的に、有効ラインに沿って並ぶ図柄組合せに対応する役(成立役)である。遊技者には、表示役に対応する利益が付与される。
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理など)により内部当選役を決定した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングで停止スイッチ7LS,7CS,7RSから送られる操作信号、及び決定された停止テーブルに基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
当選した役の入賞を示す停止態様(即ち入賞態様)となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
図6は、副制御回路72の構成を示すブロック図である。副制御回路72は、画像制御回路(gSub)72aと、音・ランプ制御回路(mSub)72bとから構成されている。この画像制御回路(gSub)72a又は音・ランプ制御回路(mSub)72bは、主制御回路71を構成する回路基板とは各々別の回路基板上に構成されている。
主制御回路71と画像制御回路(gSub)72aとの間の通信は、主制御回路71から画像制御回路(gSub)72aへの一方向で行われ、画像制御回路(gSub)72aが主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはない。また、画像制御回路(gSub)72aと音・ランプ制御回路(mSub)72bとの間の通信は、画像制御回路(gSub)72aから音・ランプ制御回路(mSub)72bへの一方向で行われ、音・ランプ制御回路(mSub)72bが画像制御回路(gSub)72aへコマンド、情報等を入力することはない。
画像制御回路(gSub)72aは、画像制御マイコン81、シリアルポート82、プログラムROM83、ワークRAM84、カレンダIC85、画像制御IC86、制御RAM87、画像ROM(CROM(キャラクタROM))88及びビデオRAM89で構成される。
画像制御マイコン81は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。画像制御マイコン81に備えられたCPUは、主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、プログラムROM83内に格納された制御プログラムに従って各種の処理を行う。尚、画像制御回路(gSub)72aは、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、画像制御マイコン81の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。
シリアルポート82は、主制御回路71から送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM83には、画像制御マイコン81で実行する制御プログラムなどが格納される。ワークRAM84は、画像制御マイコン81が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。ワークRAM84には、種々の情報が格納される。
カレンダIC85は、日付データを記憶する。画像制御マイコン81には、操作部が接続されている。実施例では、この操作部を遊技場の従業員等が操作することにより日付の設定等が行われるようになっている。画像制御マイコン81は、操作部から送信される入力信号に基づいて設定された日付情報をカレンダIC85に記憶する。カレンダIC85に記憶された日付情報はバックアップされることとなる。
また、ワークRAM84とカレンダIC85は、バックアップ対象となっている。つまり、画像制御マイコン81に供給される電源が遮断された場合であっても、電源が供給され続け、記憶された情報等の消去が防止される。画像制御IC86は、画像制御マイコン81により決定された演出内容(報知態様演出など)に応じた画像を生成し、液晶表示装置131に出力する(後述の図7、図8など)。
制御RAM87は、画像制御IC86の中に含まれている。画像制御マイコン81は、この制御RAM87に対して情報等の書き込みや読み出しを行う。また、制御RAM87には、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルと、カラーパレットテーブルと、が展開されている。画像制御マイコン81は、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルとを所定のタイミングごとに更新する。
画像制御IC86には、液晶表示装置131と、画像ROM88と、ビデオRAM89とが接続されている。尚、画像ROM88が画像制御マイコン81に接続された構成であってもよい。この場合、3次元画像データなど大量の画像データを処理する場合に有効な構成となる場合がある。画像ROM88は、画像を生成するための画像データ、ドットデータ等を格納する。ビデオRAM89は、画像制御IC86で画像を生成する場合の一時記憶手段として構成される。また、画像制御IC86は、ビデオRAM89のデータを液晶表示装置131に転送終了する毎に画像制御マイコン81に信号を送信する。
また、画像制御回路(gSub)72aでは、画像制御マイコン81が、音・ランプの演出の制御も行うこととなっている。画像制御マイコン81は、決定された演出に基づいて、音・ランプの種類及び出力タイミングを決定する。そして、画像制御マイコン81は、所定のタイミングごとに、音・ランプ制御回路(mSub)72bにシリアルポート82を介してコマンドを送信する。音・ランプ制御回路(mSub)72bでは、主に、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに応じて、音・ランプの出力のみを行うこととなる(後述する音量調節制御を除く)。
音・ランプ制御回路(mSub)72bは、音・ランプ制御マイコン91、シリアルポート92、プログラムROM93、ワークRAM94、音源IC95、パワーアンプ96、音源ROM97で構成される。
音・ランプ制御マイコン91は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。音・ランプ制御マイコン91に備えられたCPUは、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づき、プログラムROM93内に格納された制御プログラムに従って音・ランプの出力処理を行う。また、音・ランプ制御マイコン91には、LED類101及びランプ類102が接続されている。音・ランプ制御マイコン91は、画像制御回路(gSub)72aから所定のタイミングで送信されるコマンドに応じて、このLED類101及びランプ類102に出力信号を送信する。これにより、LED類101及びランプ類102が演出に応じた所定の態様で発光することとなる。
シリアルポート92は、画像制御回路(gSub)72aから送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM93は、音・ランプ制御マイコン91で実行する制御プログラム等を格納する。ワークRAM94は、音・ランプ制御マイコン91が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。
音源IC95は、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づいて音源を生成し、パワーアンプ96に出力する。パワーアンプ96は増幅器であり、このパワーアンプ96にはスピーカ9L,9Rが接続されている。パワーアンプ96は、音源IC95から出力された音源を増幅し、増幅した音源をスピーカ9L,9Rから出力させる。音源ROM97は、音源を生成するための音源データ(フレーズ等)等を格納する。
また、音・ランプ制御マイコン91には、音量調節部103が接続されている。音量調節部103は、遊技場の従業員等により操作可能となっており、スピーカ9L,9Rから出力される音量の調節が行われる。音・ランプ制御マイコン91は、音量調節部103から送信される入力信号に基づいて、スピーカ9L,9Rから出力される音を入力された音量に調節する制御を行う。
図7及び図8を参照して、液晶表示部2b及び演出表示領域23の表示例について説明する。
図7は、後述の確認終了フラグがオンであり、全リール3L,3C,3Rが停止した後に、液晶表示部2bに表示される表示例Aを示す。表示例Aは、内部当選役がBBである又は持越役があると遊技者が判断したときに、その判断を遊技機側に伝える際に用いられる。
表示例Aには、「YES」表示領域141、「NO」表示領域142、選択カーソル143、及び枠144が表示される。また、表示例Aには、「ボーナス当選中と思う?」、「カーソルを移動して決定してね!!」、「挑戦(YESの選択)は1回だけ。慎重に!!」、「YESの選択で当たるとRTの終了まで内部当選役のナビがあるよ!!」、十字スイッチ20aの操作に対応する「カーソル移動」、及び○スイッチ20bの操作に対応する「決定」などの情報(文字、単語、文章、画像など)が表示される。
表示例Aの初期表示では、選択カーソル143は、「NO」表示領域142を指し示す。この選択カーソル143により、「YES」表示領域141又は「NO」表示領域142が指し示されたときは、指し示された表示領域が枠144により囲まれる。この枠144は、十字スイッチ20aが操作されたときに、「YES」表示領域141及び「NO」表示領域142のどちらが選択されているかを強調する。
遊技者は、基本的に、十字スイッチ20a及び○スイッチ20bを操作することにより、内部当選役がBBである又は持越役があると判断したことを遊技機側に伝えるか否かを決定する。遊技者により十字スイッチ20aが操作されると、副制御回路72により選択カーソル143の表示位置が更新される。
選択カーソル143が「YES」表示領域141を指し示す状態で○スイッチ20bが操作されると、遊技者の判断を遊技機側に伝えると決定される。その判断が正しかった場合、すなわち、その判断をしたときにBBに内部当選している場合又は判断したときの遊技状態がFT遊技・持越状態である場合には、FT作動中フラグがオフに更新されるまで、後述の図8の(1)に示すように、2BET操作を指示する旨が報知され、かつ後述の図8の(2)に示すように、内部当選役が報知される。
その判断が誤っていた場合、すなわち、その判断をしたときにBBに内部当選していない場合又は判断したときの遊技状態がFT遊技状態である場合には、基本的に、上記報知はされない。ただし、その判断が誤っていた場合でも、BBが内部当選した際に、抽選を行うことにより、後述の図8の(1)に示す報知が行われる場合がある。なお、遊技者の判断が一度遊技機側に伝えられると、判断したときのFT遊技状態又はFT遊技・持越状態においては、すなわち、次にFT遊技状態が発生するまでは、表示例Aが表示されることはなく、遊技者の判断を遊技機側に伝える機会は与えられない。
他方、選択カーソル143が「NO」表示領域142を指し示す状態で○スイッチ20bが操作されると、遊技者の判断を遊技機側に伝えないと決定される。次回の遊技においてもFT作動中フラグがオンである場合(FT遊技状態又はFT遊技・持越状態が継続している場合)には、全リール3L,3C,3Rが停止した後、表示例Aが表示される。すなわち、FT作動中フラグがオンの場合には、遊技者の判断を遊技機側に伝えるまで、表示例Aは毎ゲーム表示され、遊技者の判断を遊技機側に伝える機会が与えられる。なお、×スイッチ20cを操作した場合、又は次のゲームを行うためにスタートレバー6を操作した場合には、遊技者の判断を遊技機側に伝えないと決定される。
ここで、確認終了フラグは、表示例Aを表示するか否かを識別するためのフラグ(情報)である。確認終了フラグがオンに更新される条件は、後述のBB遊技状態からFT遊技状態に移行したことである。また、確認終了フラグがオフに更新される条件は、FT遊技状態から後述の一般遊技状態に移行したこと、FT遊技・持越状態から持越状態に移行したこと、又は選択カーソル143が「YES」表示領域141を指し示す状態で○スイッチ20bが遊技者により操作されたことである。
図8は、FT遊技・持越状態において演出表示領域23に表示される表示例B及び表示例Cを示す。表示例B及び表示例Cは、FT作動中フラグがオフに更新されるまで、毎ゲーム表示される。
図8の(1)は、全リール3L,3C,3Rが停止した後に演出表示領域23に表示される表示例Bを示す。表示例Bには、「ボーナス当選中!!」及び「2枚掛けでゲームをすると有利だよ。」などの情報が表示される。
FT遊技状態では、後述のように、BET数が3でゲームを行うことが遊技者にとって最も有利であり、FT遊技・持越状態では、BET数が3でゲームを行うよりも、BET数が2でゲームを行うほうが遊技者にとって有利である。そこで、遊技状態がFT遊技・持越状態であるにも拘らず、FT遊技・持越状態であると把握できない場合には、遊技者はBET数が3でゲームを行うが、上記情報の報知が行われることにより、遊技者は、BET数を2としてゲームを行うことができるので、より多くのメダルを得ることができる。
図8の(2)は、スタート操作時に演出表示領域23に表示される表示例Cを示す。表示例Cには、内部当選役を報知するための情報が内部当選役表示領域145に表示される。表示例Cには、例えば、内部当選役がチェリーの小役に決定された場合に、内部当選役であるチェリーの小役に対応する「チェリー」の図柄が内部当選役表示領域145に表示される。また、表示例Cには、「当選!!」などの情報が表示される。
FT遊技・持越状態では、小役が内部当選した場合にBBが優先して引き込まれてFT遊技・持越状態が終了してしまうので、遊技を有利に進めるためには、目押しすることによりBBの成立を回避することが必要である。内部当選役を把握できない場合には、すべてのゲームにおいて目押しする必要があるが、上記内部当選役の報知により、遊技者は、小役が報知されたときのみ目押しするようになるので、遊技を円滑に進めることができる。
図9は、各遊技状態の発生条件、移行条件、及び移行条件が充足された場合の移行先の遊技状態を示す。
各遊技状態では、基本的に、内部当選する役の種類或いはその当選確率が異なる。遊技状態は、基本的に、内部当選役の決定に用いる確率抽選テーブルの種類により区別できる。具体的には、遊技状態は、内部当選する可能性のある役の種類、及び内部当選する確率により区別できる。
実施例の遊技状態には、基本的に、一般遊技状態、BB遊技状態、RB遊技状態、BB持越状態、RB持越状態、FT遊技状態、及びFT遊技・持越状態がある。BB持越状態、及びRB持越状態を、以下「持越状態」という。また、この持越状態において持ち越された役を(内部当選しているボーナス)、以下「持越役」という。持越役は、対応する図柄組合せが表示ラインに沿って並ぶことが一又は複数のゲームにわたり許容(内部当選役に応じて許容)される役である。
一般遊技状態は、基本的に、いわゆる「出玉率」(遊技に賭けられた単位遊技価値に対して遊技者に付与される遊技価値)の期待値が“1”よりも小さい遊技状態である。また、後述の持越役がない遊技状態であり、他の遊技状態と比べて遊技者にとって最も不利な遊技状態である。また、後述のように、一般遊技状態における期待値K1は、0.137である。また、一般遊技状態は、持越役がない遊技状態である。
BB遊技状態は、BB一般遊技状態及びRB遊技状態により構成される遊技状態である。ここで、BB遊技状態は、基本的に、「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。また、RB遊技状態は、基本的に、「第1種特別役物」が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。
BB持越状態は、BBに対応する図柄組合せが表示ラインに沿って並ぶこと(BBの成立)が一又は複数のゲームにわたり許容(内部当選役に応じて許容)された遊技状態である。また、持越役がBBである遊技状態である。
RB持越状態は、RBに対応する図柄組合せが表示ラインに沿って並ぶこと(RBの成立)が一又は複数のゲームにわたり許容された遊技状態である。また、持越役がRBである遊技状態である。なお、RB持越状態は、BB一般遊技状態から移行する。
FT遊技状態は、他の遊技状態(例えば、一般遊技状態など)に比べリプレイに内部当選する確率が相対的に高い遊技状態である。なお、FT遊技状態では、FT遊技・持越状態と異なり持越役はない。
FT遊技・持越状態は、BBに対応する図柄組合せが表示ラインに沿って並ぶこと(BBの成立)が一又は複数のゲームにわたり許容された遊技状態(持越役がある遊技状態)である。また、FT遊技・持越状態は、他の遊技状態に比べリプレイに内部当選する確率が相対的に高い遊技状態である。
実施例では、リプレイに内部当選する確率が相対的に高い遊技状態であるか否かを判別するためにFT作動中フラグ(識別情報)を用いるようにしている。FT作動中フラグがオンの場合は、上記確率が相対的に高い遊技状態である。FT作動中フラグがオフの場合は、上記確率が相対的に低い遊技状態である。
したがって、FT作動中フラグがオンであり、持越役がない場合には、FT遊技状態である。また、FT作動中フラグがオンであり、持越役がある場合には、FT遊技・持越状態である。なお、FT作動中フラグがオフの場合には、基本的に、一般遊技状態又は持越状態である。
図9に示すように、BB遊技状態の発生条件は、BBの成立である。BB遊技状態では、獲得枚数(例えば、いわゆる「純増枚数」或いは「払出枚数」)が所定枚数(例えば、466枚)以上となることにより遊技状態の移行条件が成立(充足)し、遊技状態が一般遊技状態へ移行する。純増枚数は、払出枚数からBET数を減算した数である。
持越状態の発生条件は、BBに内部当選すること、又はBB遊技状態においてRBに内部当選することである。BBが成立すること、BB遊技状態が終了すること、又はBB遊技状態においてRB遊技状態が開始することにより移行条件が成立し、遊技状態がBB遊技状態、RB遊技状態、又は一般遊技状態へ移行する。
BB一般遊技状態の発生条件は、BBが成立すること、又はBB遊技状態においてRB遊技状態が終了することである。BB遊技状態が終了すること、又はBB遊技状態におけるRB遊技状態が開始することにより移行条件が成立し、遊技状態が一般遊技状態又はRB遊技状態へ移行する。
BB遊技状態におけるRB遊技状態の発生条件は、BB一般遊技状態若しくはBB遊技状態におけるRB遊技状態にRBが成立することである。遊技可能回数(実施例では8回)分のゲームが終了すること又はBB遊技状態が終了することという条件のうちのいずれかが成立することにより移行条件が成立し、遊技状態が一般遊技状態、BB遊技状態におけるRB遊技状態、又はBB一般遊技状態へ移行する。遊技可能回数は、RB遊技状態において行うことが可能なゲームの回数である。
FT遊技状態の発生条件は、BB遊技状態が終了することである。所定回数(例えば、100回)のゲームが終了すること、又はBBに内部当選すること、という条件のいずれかが成立することにより移行条件が成立し、遊技状態が一般遊技状態、FT遊技・持越状態、又はBB遊技状態へ移行する。
FT遊技・持越状態の発生条件は、FT遊技状態においてBBに内部当選することである。所定回数(例えば、100回)のゲームが終了すること、BBが成立することにより移行条件が成立し、遊技状態が、BB遊技状態、又は持越状態へ移行する。
遊技状態の識別は、遊技状態識別子(情報)に基づいて行う。具体的には、遊技状態識別子が0の場合は、一般遊技状態である。遊技状態識別子が1の場合は、BB一般遊技状態である。遊技状態識別子が1と2の場合は、BB遊技状態を構成するRB遊技状態である。遊技状態識別子が2の場合は、RB遊技状態である。遊技状態識別子が3の場合は、BB持越状態である。遊技状態識別子が4の場合には、RB持越状態である。
図10を参照して、役と図柄組合せと払出枚数について説明する。
BBは、“赤7−赤7−赤7”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する(表示役がBBとなる)。RBは、BB一般遊技状態又はRB持越状態において“BAR−BAR−BAR”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する(表示役がRBとなる)。
リプレイは、“Replay−Replay−Replay”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する。リプレイが成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。すなわち、リプレイは、成立することにより遊技価値の投入をすることによらずに遊技を行うことができる役である。
チェリーの小役は、“チェリー−any−any”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する。ここで、“any”は、任意の図柄を示す。すなわち、チェリーの小役に対応する図柄組合せを構成する図柄のうち、中央及び右のリール3C,3Rに対応する図柄は、任意の図柄で構成(配置された複数の図柄のいずれでも構成)できる。
“チェリー”が左の図柄表示領域21Lの中段に停止表示され、“チェリー−any−any”が一つの有効ライン(センターライン8c)に沿って並んだ場合には、メダルの払出枚数は、RB遊技状態では8枚であり、RB遊技状態以外では2枚である。この場合の表示役を、以下「中チェリーの小役」という。“チェリー”が左の図柄表示領域21Lの上段又は下段に停止表示され、“チェリー−any−any”が2つの有効ラインに沿って並んだ場合には、メダルの払出枚数は、4枚である。この場合の表示役を、以下「角チェリーの小役」という。
RB遊技状態では、BET数が1でゲームが行われ、センターライン8cのみが有効ラインになる。したがって、“チェリー”が左の図柄表示領域21Lの上段又は下段に停止表示され、“チェリー−any−any”が2つの有効ラインに沿って並んでも表示役がチェリーの小役にはならない。
RB遊技状態以外の遊技状態において内部当選役がチェリーの小役である場合、センターライン8cの位置に“チェリー”のいわゆる「ビタ押し」が行われたときにのみ、表示役が中チェリーの小役になり、「ビタ押し」が行われないときには、表示役が角チェリーの小役になるか、表示役がなし(取りこぼし)になる。他方、RB遊技状態において内部当選役がチェリーの小役である場合、左の図柄表示領域21Lの中段の位置に“チェリー”の引き込み(引き込み制御)が行われ、表示役が中チェリーの小役になるか、表示役がなし(取りこぼし)になる。
ベルの小役、及びスイカの小役が成立することとなる図柄の組合せは図示の通りである。
図11〜図15を参照して、確率抽選テーブルについて説明する。
確率抽選テーブルは、各役に内部当選となる乱数の範囲及び内部当選する確率の情報を備えている。乱数の抽出範囲は、“0”〜“65535”である。
ここで、内部当選役のハズレは、内部抽選で遊技者の利益と対応付けられた役に当選しなかったことを示す。また、実施例におけるハズレは、遊技価値と対応付けられた役ではない。また、内部当選役としてのハズレに対応する図柄組合せは、予め設けられた複数の役に対応する図柄組合せとは別の任意の図柄組合せであるとも考えることができるが、実施例では、ハズレに対応する図柄組合せは設けられていないものとする。
図11の(1)〜(3)は、一般遊技状態用確率抽選テーブルを示す。一般遊技状態では、BB、リプレイ、ベルの小役、チェリーの小役、及びスイカの小役に内部当選する場合がある。一般遊技状態用確率抽選テーブルA〜Cは、BET数“1”〜“3”の場合に対応している。
図12の(1)〜(3)は、持越状態用確率抽選テーブル(第3の集合)を示す。持越状態では、リプレイ、ベルの小役、チェリーの小役、及びスイカの小役に内部当選する場合がある。持越状態用確率抽選テーブルA〜Cは、BET数“1”〜“3”の場合に対応している。
図13の(1)〜(3)は、FT遊技状態用確率抽選テーブル(第1の集合)を示す。FT遊技状態では、BB、リプレイ、ベルの小役、チェリーの小役、及びスイカの小役に内部当選する場合がある。FT遊技状態用確率抽選テーブルA〜Cは、BET数“1”〜“3”の場合に対応している。
図14の(1)〜(3)は、FT遊技・持越状態用確率抽選テーブル(第2の集合)を示す。FT遊技・持越状態では、リプレイ、ベルの小役、チェリーの小役、及びスイカの小役に内部当選する場合がある。FT遊技・持越状態用確率抽選テーブルA〜Cは、BET数“1”〜“3”の場合に対応している。
図15の(1)は、BB一般遊技状態用確率抽選テーブルを示す。BB一般遊技状態では、RB、リプレイ、ベルの小役、チェリーの小役、及びスイカの小役に内部当選する場合がある。この確率抽選テーブルが使用されるBB一般遊技状態では、BET数が3でゲームが行われる。なお、BET数が“1”及び“2”の場合に対応するBB一般遊技状態用確率抽選テーブルについては省略する。
図15の(2)は、RB遊技状態用確率抽選テーブルを示す。RB遊技状態では、ベルの小役、チェリーの小役、及びスイカの小役に内部当選する場合がある。この確率抽選テーブルが使用されるRB遊技状態では、BET数が1でゲームが行われる。
ここで、FT遊技状態用確率抽選テーブルB(第1当選役決定情報)は、有利さの度合いがFT遊技状態用確率抽選テーブルC(第2当選役決定情報)よりも低く構成されている。FT遊技状態において用いられる確率抽選テーブルから算出され、BB遊技状態におけるメダルの純増枚数が考慮された期待値を、有利さの度合いの高低の判断の一つとすると、期待値が大きければ有利さの度合いが高いことになり、期待値が小さければ有利さの度合いが低いことになる。したがって、FT遊技状態用確率抽選テーブルCから算出される期待値“9.430”よりもFT遊技状態用確率抽選テーブルBから算出される期待値“8.163”のほうが小さいので、FT遊技状態用確率抽選テーブルCよりもFT遊技状態用確率抽選テーブルBのほうが有利さの度合いが低く構成されていることになる。
また、FT遊技状態用確率抽選テーブルB(第1当選役決定情報)は、BB(特定の役)以外の役に当選する確率がFT遊技・持越状態用確率抽選テーブルB(第3当選役決定情報)と同じに構成される。FT遊技状態用確率抽選テーブルC(第2当選役決定情報)は、BB以外の役に当選する確率がFT遊技・持越状態用確率抽選テーブルC(第4当選役決定情報)と同じに構成される。
ここで、BB以外の役に当選する確率が同じに構成されるとは、例えば、ベルの小役、チェリーの小役、スイカの小役などの小役に当選する確率の総和がFT遊技状態用確率抽選テーブルとFT遊技・持越状態用確率抽選テーブルとで同じとなるように構成されること、又は各々の役に対応して当選する確率がFT遊技状態用確率抽選テーブルとFT遊技・持越状態用確率抽選テーブルとで個別に同じとなるように構成されることである。
ここで、一のゲームに賭けた“メダル1枚”(単位遊技価値)当りに払出されるメダルの数の期待値K(いわゆる「取りこぼし」を考慮しない期待値)について説明する。この期待値Kは、基本的に、確率抽選テーブルの内部当選役毎に、{払出枚数/BET数}×{内部当選する確率}を計算し、これらを加算することにより算出できる。内部当選する確率は、抽選値を65536で除して得る値である。
一般遊技状態における期待値をK1、BET数が2でゲームが行われる持越状態における期待値をK2、BET数が3でゲームが行われる持越状態における期待値をK3、BET数が2でゲームが行われるFT遊技状態における期待値をK4、BET数が3でゲームが行われるFT遊技状態における期待値をK5、BET数が2でゲームが行われるFT遊技・持越状態における期待値をK6、BET数が3でゲームが行われるFT遊技・持越状態における期待値をK7とすると、
K1={15/3}×{1250/(65536-8980)}(ベルの小役)
+{2/3}×{810/(65536-8980)}×{1/7}(中チェリーの小役)
+{4/3}×{810/(65536-8980)}×{6/7}(角チェリーの小役)
+{3/3}×{512/(65536-8980)}(スイカの小役)
=0.137
K2={15/2}×{2400/(65536-8980)}(ベルの小役)
+{2/2}×{1200/(65536-8980)}×{1/7}(中チェリーの小役)
+{4/2}×{1200/(65536-8980)}×{6/7}(角チェリーの小役)
+{3/2}×{768/(65536-8980)}(スイカの小役)
=0.378
K3={15/3}×{1250/(65536-8980)}(ベルの小役)
+{2/3}×{810/(65536-8980)}×{1/7}(中チェリーの小役)
+{4/3}×{810/(65536-8980)}×{6/7}(角チェリーの小役)
+{3/3}×{512/(65536-8980)}(スイカの小役)
=0.137
K4={T/2}×{125/(65536-59487)}(BB)
+{15/2}×{2400/(65536-59487)}(ベルの小役)
+{2/2}×{1200/(65536-59487)}×{1/7}(中チェリーの小役)
+{4/2}×{1200/(65536-59487)}×{6/7}(角チェリーの小役)
+{3/2}×{768/(65536-59487)}(スイカの小役)
=8.163
K5={T/3}×{330/(65536-59487)}(BB)
+{15/3}×{1250/(65536-59487)}(ベルの小役)
+{2/3}×{810/(65536-59487)}×{1/7}(中チェリーの小役)
+{4/3}×{810/(65536-59487)}×{6/7}(角チェリーの小役)
+{3/3}×{512/(65536-59487)}(スイカの小役)
=9.430
K6={15/2}×{2400/(65536-59487)}(ベルの小役)
+{2/2}×{1200/(65536-59487)}×{1/7}(中チェリーの小役)
+{4/2}×{1200/(65536-59487)}×{6/7}(角チェリーの小役)
+{3/2}×{768/(65536-59487)}(スイカの小役)
=3.535
K7={15/3}×{1250/(65536-59487)}(ベルの小役)
+{2/3}×{810/(65536-59487)}×{1/7}(中チェリーの小役)
+{4/3}×{810/(65536-59487)}×{6/7}(角チェリーの小役)
+{3/3}×{512/(65536-59487)}(スイカの小役)
=1.284
となる。
ボーナスの成立により発生するBB遊技状態におけるメダルの純増枚数の期待値Tを、BB遊技状態における全てのゲームにおいてベルが成立する場合について求める。この場合、BB遊技状態は、32回ベルが成立し、メダルの払出枚数(獲得枚数)が465になるまでの間継続する。したがって、払出枚数465から投入枚数32を減算して、
T = 480 − 32
= 448
となる。
ここで、リプレイは成立するとメダルを賭けることなく次のゲームを行うことができるものであるが、メダルの払出しのない役と考えることができる。そこで、内部当選する確率の分母において、“65536”からリプレイの確率抽選値(“8980”又は“59487”)を減算している。
また、チェリーの小役が内部当選役となった場合には、表示役が角チェリーの小役(払出枚数:4)又は中チェリーの小役(払出枚数:2)のいずれかとなる。左の図柄表示領域21L内に“チェリー”を停止表示させることが可能な停止ポジション(停止操作時の左の図柄表示領域21Lにおける図柄の表示態様)の数は、7である。この7の停止ポジションのうち表示役が角チェリーの小役となる停止ポジションの数は6であり、表示役が中チェリーの小役となる停止ポジションの数は1(ビタ押しの場合のみ)である。そこで、チェリーの小役が内部当選役になった場合、角チェリーの小役、中チェリーの小役が表示役となる確率をそれぞれ6/7,1/7とし、期待値の計算において掛算するようにしている。
期待値K1〜K7を考慮すると、基本的に、BET数が3でゲームが行われるFT遊技状態が相対的に最も有利な遊技状態である。また、期待値K4〜K7は、いずれも1よりも大きい。したがって、BET数が2又は3でゲームが行われるFT遊技状態及びFT遊技・持越状態は、遊技者にとって有利な有利状態である。他方、K1〜K3は、1よりも小さい。したがって、BET数が3でゲームが行われる一般遊技状態及びBET数が2又は3でゲームが行われる持越状態は、基本的に、遊技者にとって不利な不利状態である。
期待値K4と期待値K5とを比較すると、期待値K5のほうが期待値K4よりも大きい。すなわち、FT遊技状態においては、BET数が2でゲームを行うよりもBET数が3でゲームを行うほうが有利である。期待値K6と期待値K7とを比較すると、期待値K6のほうが期待値K7よりも大きい。したがって、FT遊技・持越状態においては、BET数が3でゲームを行うよりもBET数が2でゲームを行うほうが有利である。
図16を参照して、副制御回路72のジャンプテーブルについて説明する。
ジャンプテーブルは、主制御回路71により送信されたコマンド(情報あるいは指令)を受信した場合に、受信したコマンドの種類に応じて行う処理の情報を備えている。具体的には、主制御回路71により送信されるコマンドの「先頭データ」に対応して実行する11種類の処理の情報が格納されている。主制御回路71は、“4バイト”〜“8バイト”で構成されるデータ(情報)を一のコマンドとして副制御回路72へ送信するが、「先頭データ」は、その“1バイト目”のデータを示す。
「初期化処理」は、ワークRAM84などを初期化する処理である。「デモ表示処理」は、遊技機が「客待ち」の状況であることを報知する画像を液晶パネル134に表示する処理である。「遊技メダル投入処理」は、「BET操作」を契機として行われる処理である。「遊技開始処理」は、スタートレバー6が操作されることを契機として行われる処理である。「リール停止処理」は、いずれかの停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたことを契機として行われる処理である。「全リール停止処理」は、「第3停止操作」が行われることを契機として行われる処理である。
「表示処理」は、表示役などに基づいて行われる処理である。「ボーナス遊技状態変更指示処理」は、ボーナス(RB)の入賞を契機として、遊技状態の情報を「RB遊技状態」を示すものに変更するための処理である。「ボーナス遊技終了時状態処理」は、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時において、基本的に、遊技状態の情報を一般遊技状態又はBB一般遊技状態を示すものに変更するための処理である。「エラー演出指示処理(図示せず)」は、ホッパー40内のメダルが空になるなどの不具合が生じた場合に、その不具合を報知する画像を液晶パネル134に表示するための処理である。「サウンド演出指示処理」は、「音」による演出を実行するための処理である。
図17を参照して、表示役優先テーブルについて説明する。
表示役優先テーブルは、持越役がある場合に、内部当選役に対応する図柄組合せ又は持越役に対応する図柄組合せのいずれを優先して有効ラインに表示するようにリールを停止させるかを規定する優先順位の情報を備えている。リプレイ、RB、及び小役では、リプレイの優先順位が最も高く、小役の優先順位が最も低い。
例えば、持越役がBBであり、内部当選役がリプレイである場合、BBの「引込み」は行われず、リプレイに対応して設けられた停止テーブルに基づいて、第1停止操作〜第3停止操作に対応するリールの停止制御が行われる。他方、持越役がBBであり、内部当選役がベルの小役である場合、BBの「引込み」を行い、その「引込み」が実現しない場合には、ベルの小役に対応して設けられた停止テーブルに基づいてリールの停止制御が行われる。
図18〜図20に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71の制御動作について説明する。
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の所定の記憶内容(所定の記憶領域(例えば、内部当選役を記憶する領域)の情報)を消去し(ステップS2)、ステップS3に移る。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
ステップS3では、メダル投入・スタートチェック処理を行い、ステップS4に移る。この処理では、スタートスイッチ6S、メダルセンサ22S、又はBETスイッチ11〜13からの入力に基づいて、BET数の更新などの処理を行う。また、BET数の情報は、例えば、RAM33(遊技価値情報格納手段)の所定の記憶領域に格納される。ここで、ステップS3では、前回のゲームにおいてリプレイが成立した場合は、前回のゲームでのBET数と同等のBET数が自動的に格納される。ステップS4では、抽選用の乱数を抽出し、ステップS5に移る。この処理で抽出した乱数は、後述の確率抽選処理において使用される。
ステップS5では、後で図21を参照して説明する遊技状態監視処理を行い、ステップS6に移る。ステップS6では、切り換えられた確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役を決定するための確率抽選処理を行い、ステップS7に移る。この確率抽選テーブルは、遊技状態及びBET数に応じて、CPU31(例えば、切換手段)により切り換えられる。なお、確率抽選処理では、内部当選役に基づいて持越役がセットされる。また、このステップS6では、持越役がある場合には、持越役と内部当選役とを当選役として決定する。当選役は、基本的に、成立する可能性のある役である。また、持越役がない場合には、内部当選役を当選役として決定する。
ステップS7では、内部当選役、BET数などに基づいて停止テーブルを選択するための停止テーブル選択処理を行い、ステップS8に移る。例えば、内部当選役毎に、表示ラインに対応して設けられた停止テーブルを、内部当選役に基づいて選択する。選択された停止テーブルのうちのいずれかがセットされ、リールの停止制御に使用される。また、例えば、内部当選役がボーナス又はハズレの場合には、ハズレ用の停止テーブルを選択する。
ステップS8では、スタートコマンドをセットし、ステップS9に移る。スタートコマンドは、遊技状態、内部当選役などの情報を含み、副制御回路72に送信される。ステップS9では、前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過しているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS11に移り、NOのときは、ステップS10に移る。
ステップS10では、ゲーム開始待ち時間消化の処理(ウェイト処理)を行い、ステップS11に移る。具体的には、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば、所定秒(“4.1秒”など))経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。ステップS11では、ゲーム監視用タイマをセットし、ステップS12に移る。このゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの停止操作によらずに自動的にリール3L,3C,3Rを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
ステップS12では、全リールの回転開始を要求し、ステップS13に移る。ステップS13では、リール停止許可コマンドをセットし、図19のステップS14に移る。
図19のステップS14では、ストップスイッチが“オン”か否か、すなわち、いずれかの停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたかどうかを判別する。この判別がYESのときは、ステップS16に移り、NOのときは、ステップS15に移る。ステップS15では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS16に移り、NOのときは、ステップS14に移る。
ステップS16では、滑りコマ数決定処理を行い、ステップS17に移る。ここで、ステップS15で自動停止タイマの値が“0”であると判別された場合には、自動停止用の滑りコマ数が決定される。ステップS17では、ステップS16で決定された滑りコマ数分、停止操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転するのを待ち、ステップS18に移る。
ステップS18では、リールの回転停止を要求し、ステップS19に移る。ステップS19では、リール停止コマンドをセットし、ステップS20に移る。ステップS20では、全てのリールが停止したか否かを判別する。この判別がYESのときは、図20のステップS21に移り、NOのときは、ステップS14に移る。
図20のステップS21では、表示役検索処理を行い、ステップS22に移る。表示役検索処理では、図柄表示領域21L,21C,21Rの図柄の停止態様に基づいて表示役(成立役)を識別するためのフラグをセットすることである。ステップS22では、イリーガルヒットであるか否か、すなわち内部当選役と表示役との間で不整合があるかどうかを判別する。この判別がYESのときは、ステップS23に移り、NOのときは、ステップS24に移る。ステップS23では、イリーガルエラーの表示を行う。この場合、遊技は中止となる。
ステップS24では、後で図22を参照して説明するFT終了処理を行い、ステップ25に移る。ステップS25では、表示役の情報を含む表示役コマンドをセットし、ステップS26に移る。ステップS26では、表示役に対応する払出枚数が0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS28に移り、NOのときは、ステップS27に移る。ステップS27では、メダルの貯留(クレジット)又は払い出しを行い、ステップS28に移る。ステップS28では、払出終了コマンドをセットし、ステップS29に移る。
ステップS29では、遊技状態識別子が“1”又は“2”のいずれかであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS31に移り、NOのときは、ステップS30に移る。ステップS30では、RB、BB作動チェック処理を行い、図18のステップS2に移る。RB、BB作動チェック処理では、表示役がBBである場合には遊技状態識別子“1”をセットし、表示役がRBである場合には遊技状態識別子“2”をセットする処理が行われる。また、FT作動中フラグがオンである場合にはオフに更新する処理が行われる。ステップS31では、後で図23を参照して説明するRB、BB終了チェック処理を行い、図18のステップS2に移る。
図21を参照して、遊技状態監視処理について説明する。
初めに、CPU31は、遊技状態識別子が“2”であるか否かを判別する(ステップS41)。この判別がYESのときは、ステップS42に移り、NOのときは、ステップS43に移る。ステップS42では、RB遊技状態をセットし、図18のステップS6に移る。ステップS43では、遊技状態識別子が“1”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS44に移り、NOのときは、ステップS45に移る。ステップS44では、BB一般遊技状態をセットし、図18のステップS6に移る。
ステップS45では、持越役がセットされているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS46に移り、NOのときは、ステップS47に移る。ステップS46では、持越役に応じて、BB持越状態、又はRB持越状態をセットし、図18のステップS6に移る。また、ステップS46では、FT作動中フラグがオンの場合は、BB持越状態及びRB持越状態をセットせずに、FT遊技・持越状態をセットする。
ステップS47では、一般遊技状態をセットし、図18のステップS6に移る。また、ステップS47では、FT作動中フラグがオンの場合は、一般遊技状態をセットせずに、FT遊技状態をセットする。遊技状態監視処理でセットされた遊技状態に基づいて内部当選役の決定が行われる。
図22を参照して、FT終了処理について説明する。
初めに、CPU31は、FT作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS51)。この判別がYESのときは、ステップS52に移り、NOのときは、図20のステップS25に移る。ステップS52では、FT期間回数カウンタの値を“1”減算し、ステップS53に移る。FT期間回数カウンタは、FT遊技状態又はFT遊技・持越状態を継続させることが可能な回数を計数する計数手段である。
ステップS53では、FT期間回数カウンタの値が“0”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS54に移り、NOのときは、図20のステップS25に移る。ステップS54では、FT作動中フラグをオフに更新し、図20のステップS25に移る。
図23を参照して、RB、BB終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、遊技状態識別子が“2”であるか否かを判別する(ステップS61)。この判別がYESのときは、ステップS62に移り、NOのときは、ステップS66に移る。ステップS62では、RB遊技数(RB遊技状態のゲーム回数)の情報を更新し、ステップS63に移る。
ステップS63では、RB遊技状態の終了時であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS64に移り、NOのときは、図18のステップS2に移る。ステップS64では、RB終了時処理を行い、ステップS65に移る。ステップS65では、遊技状態識別子が“1”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS66に移り、NOのときは、図18のステップS2に移る。
ステップS66では、BB遊技状態におけるメダルの払出枚数の情報を更新し、ステップS67に移る。ステップS67では、BB遊技状態の終了時であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS68に移り、NOのときは、ステップS70に移る。ステップS68では、後で図24を参照して説明するFT作動時処理を行い、ステップS69に移る。FT作動時処理では、FT作動中フラグをオンに更新する処理が行われる。ステップS69では、BB終了時処理を行い、図18のステップS2に移る。BB終了時処理では、遊技状態識別子“0”がセットされる。
ステップS70では、表示役がRBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS71に移り、NOのときは、図18のステップS2に移る。ステップS71では、RB作動時処理を行い、図18のステップS2に移る。
図24を参照して、FT作動時処理について説明する。
初めに、CPU31は、FT作動中フラグをオンに更新し(ステップS81)、ステップS82に移る。ステップS82では、FT期間回数カウンタの値を“100”に更新し、図23のステップS69に移る。
図25〜図35に示すフローチャートを参照して、画像制御回路(gSub)72aの制御動作について説明する。
図25を参照して、gSub用リセット割込処理について説明する。
初めに電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、画像制御マイコン81は、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、プログラムROM83に記憶されたgSub用リセット割込処理を順次行うように構成されている。
初めに、画像制御マイコン81は、ワークRAM84、制御RAM87、ビデオRAM89などの初期化を行い(ステップS91)、ステップS92に移る。ステップS92では、操作部などからの入力があるか否かを監視する入力監視処理を行い、ステップS93に移る。ステップS93では、後で図26を参照して説明するコマンド入力処理を行い、ステップS94に移る。ステップS94では、音・ランプ制御回路(mSub)72bへコマンドを出力するためのコマンド出力処理を行い、ステップS95に移る。ステップS95では、後で図33を参照して説明する画像制御処理を行い、ステップS91に移る。
図26を参照して、コマンド入力処理について説明する。
初めに、副制御回路72は、コマンドバッファにデータがあるか否か、すなわちコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS101)。コマンドバッファは、主制御回路71から送信されたコマンドを格納する記憶領域である。ステップS101の判別がYESのときは、ステップS102に移り、NOのときは、図25のステップS94に移る。
ステップS102では、ジャンプ先はOKであるか否かを判別する。具体的には、受信したコマンドに対応するジャンプ先の処理の実行が可能であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS103に移り、ノイズなどにより処理不可能なデータを受信した場合や、以前に受信したコマンドの履歴などから不正なデータと判定される場合は、この判別はNOとなり、図25のステップS94に移る。
ステップS103では、復帰アドレスをセットし、ステップS104に移る。ステップS103でセットされるアドレスは、基本的に後述のステップS105の処理に対応するアドレスである。ステップS104では、決定した処理にジャンプする。具体的には、ジャンプテーブルに基づいて、受信したコマンドの先頭データに対応するジャンプ先の処理を行い、ステップS105に移る。ジャンプ先の処理には、後で図27を参照して説明する遊技開始処理などがある。ステップS105では、コマンドバッファをクリアし、図25のステップS94に移る。
図27を参照して、遊技開始処理について説明する。遊技開始処理は、主制御回路71からスタートコマンドを受信したことを契機として実行される。
初めに、副制御回路72は、遊技状態がFT遊技・持越状態であるか否かを判別する(ステップS111)。この判別がYESのときは、ステップS112に移り、NOのときは、ステップS114に移る。ステップS112では、内部当選役報知フラグがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS113に移り、NOのときは、図26のステップS105に移る。
内部当選役報知フラグは、FT遊技・持越状態において、内部当選役を報知するか否かを識別するためのフラグ(情報)である。内部当選役報知フラグがオンに更新される条件は、選択カーソル143が「YES」表示領域141を指し示す状態で○スイッチ20bが操作されたときにBBに内部当選していること又は遊技状態がFT遊技・持越状態であることである。また、内部当選役報知フラグがオフに更新される条件は、FT遊技状態から一般遊技状態に移行したこと、FT遊技・持越状態から持越状態に移行したこと、又はBB遊技状態が終了したことである。
ステップS113では、内部当選役に対応するデータを決定してセットし、図26のステップS105に移る。内部当選役に対応するデータは、例えば、図8の(2)に示す「チェリー」の図柄に対応するデータ及び「当選!!」などの情報に対応するデータである。ステップS114では、遊技状態がFT遊技状態であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS115に移り、NOのときは、図26のステップS105に移る。ステップS115では、確認終了フラグがオフか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS116に移り、NOのときは、図26のステップS105に移る。
ステップS116では、内部当選役がBBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS117に移り、NOのときは、図26のステップS105に移る。ステップS117では、乱数値抽出処理を行い、ステップS118に移る。ステップS118では、ステップS117で抽出した乱数値が当選したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS119に移り、NOのときは、図26のステップS105に移る。ステップS119では、BET数報知フラグをオンに更新し、図26のステップS105に移る。
BET数報知フラグは、全リール停止後に、2BET操作を指示する旨の情報を報知するか否かを識別するためのフラグ(情報)である。BET数報知フラグがオンに更新される条件は、選択カーソル143が「YES」表示領域141を指し示す状態で○スイッチ20bが操作されたときにBBに内部当選していること又は遊技状態がFT遊技・持越状態であること、もしくは、FT遊技状態において内部当選役がBBである又は持越役があると判断したことを遊技機側に伝えたその判断が誤っていた後、BBに内部当選したときに抽選により当選したことである。
また、BET数報知フラグがオフに更新される条件は、FT遊技状態から一般遊技状態に移行したこと、FT遊技・持越状態から持越状態に移行したこと、又はBB遊技状態が終了したことである。
図28を参照して、リール停止処理について説明する。リール停止処理は、リール停止コマンドを受信することを契機として実行される。
初めに、副制御回路72は、停止リール数カウンタの値に“1”を加算する(ステップS121)。停止リール数カウンタは、遊技者による停止ボタン7L,7C,7Rの操作に基づいて停止制御されたリールの数を計数するカウンタ(計数手段)である。第1停止操作が行われた場合には、停止リール数カウンタの値が“1”に更新される。また、第2停止操作が行われた場合には、停止リール数カウンタの値が“2”に更新される。また、第3停止操作が行われた場合には、停止リール数カウンタの値が“3”に更新される。
続いて、停止リール識別子をセットし(ステップS122)、図26のステップS105に移る。停止リール識別子は、停止制御の対象であるリールの情報である。左のリール3Lが停止制御の対象である場合には、「停止リール識別子」は“0”にセットされる。同様に、中央及び右のリール3C,3Rが停止制御の対象である場合には、停止リール識別子は夫々“1”、“2”にセットされる。
ここで、リール停止処理により、左停止操作、中央停止操作及び右停止操作の各々に対応し、セットされた演出データに基づく演出が液晶パネル134において実現される。例えば、第1停止操作〜第3停止操作の各々に対応する演出データを決定する。
図29を参照して、全リール停止処理について説明する。全リール停止処理は、「第3停止操作」が行われることを契機として実行される。
初めに、副制御回路72は、確認終了フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS131)。この判別がYESのときは、ステップS132に移り、NOのときは、図26のステップS105に移る。ステップS132では、確認画面に対応するデータ、すなわち、図7の表示例Aに対応するデータをセットし、図26のステップS105に移る。
図30を参照して、表示処理について説明する。表示処理は、主制御回路71から表示役の情報を含むコマンドを受信したことを契機として実行される。
初めに、副制御回路72は、BET数報知フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS141)。この判別がYESのときは、ステップS142に移り、NOのときは、図26のステップS105に移る。ステップS142では、表示役がリプレイであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、図26のステップS105に移り、NOのときは、ステップS143に移る。
ステップS143では、BET数を指示する旨のデータを決定してセットし、図26のステップS105に移る。具体的には、図8の(1)に示す表示例Bが演出表示領域23に表示される。ここで、表示役がリプレイである場合には、次回のゲームでは、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、BET数を指示する旨の報知は必要ない。すなわち、BET数報知フラグがオンであっても、BET数を指示する旨の報知が行われない場合がある。
図31を参照して、ボーナス遊技終了時状態処理について説明する。
初めに、副制御回路72は、BB遊技状態終了か否かを判別する(ステップS151)。この判別がYESのときは、ステップS152に移り、NOのときは、図26のステップS105に移る。ステップS152では、確認終了フラグをオンに更新し、ステップS153に移る。ステップS153では、内部当選役報知フラグをオフに更新し、ステップS154に移る。ステップS154では、BET数報知フラグをオフに更新し、図26のステップS105に移る。
図32を参照して、確認画面表示割込処理について説明する。確認画面表示割込処理は、所定の時間(例えば、2ms)毎に行われる。
初めに、副制御回路72は、確認画面が表示されているか否か、すなわち、図7の表示例Aが表示されているか否かを判別する(ステップS161)。この判別がYESのときは、ステップS162に移り、NOのときは、ステップS161を繰り返す。ステップS162では、○スイッチ20bが操作されたか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS163に移り、NOのときは、ステップS161に移る。
ステップS163では、カーソルが“YES”か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS164に移り、NOのときは、ステップS161に移る。ここで、この判別がYESのとき、すなわち、選択カーソル143が「YES」表示領域141を指し示す状態で○スイッチ20bが操作されたときは、遊技者の判断を遊技機側に伝えると決定される。
ステップS164では、確認終了フラグをオフに更新し、ステップS165に移る。ステップS165では、内部当選役がBBか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS167に移り、NOのときは、ステップS166に移る。ステップS166では、遊技状態がFT遊技・持越状態であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS167に移り、NOのときは、ステップS161に移る。ステップS167では、内部当選役報知フラグをオンに更新し、ステップS168に移る。ステップS168では、BET数報知フラグをオンに更新し、ステップS161に移る。
図33を参照して、画像制御処理について説明する。
初めに、画像制御マイコン81は、バッファフラグがオンであるか否かを判別する(ステップS171)。この処理は、画像制御IC86に送信するべきデータの用意ができているか否かの確認を行うものである。この判別がYESのときは、ステップS174に移り、NOのときは、ステップS172に移る。
ステップS172では、画像データ更新処理を行い、ステップS173に移る。画像データ更新処理では、制御RAM87に展開されているスプライト属性テーブルに当てはめるべきデータの内容を特定し、特定したデータをバッファに移す。
ステップS173では、次回の画像制御IC86にデータを送信するタイミングが来た場合に、画像制御IC86の制御RAM87に書き込むべきデータの準備ができていることを示すバッファフラグをオンにし、ステップS174に移る。
ステップS174では、画像制御ICカウンタの値が“2”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS175に移り、NOのときは、図25のステップS91に移る。画像制御ICカウンタの更新(取り得る値:0,1,2)は、後で図34を参照して説明する画像制御IC/int処理で行われる。画像制御IC86から1000/60ms毎に送信されてくる信号の受信に起因して画像制御ICカウンタの値に1が加算されるようにしている。即ち、1000/60ms毎に画像制御ICカウンタの値に1が加算される。従って、1000/30msが経過する毎に画像制御ICカウンタの値が“2”になる。
ステップS175では、画像制御ICカウンタに“0”をセットし、ステップS176に移る。ステップS176では、制御RAM87でのバンク切替を行い、ステップS177に移る。制御RAM87には、バンクの切替を行うか否かのレジスタが展開されている。このレジスタに切替を行うというレジスタを設定すると、バッファ間でのバンク切替が行われる。ステップS177では、バッファから制御RAM87にデータを移し、ステップS178に移る。この処理では、ステップS172でバッファに移したデータを制御RAM87に展開されているスプライト属性テーブルに移す。
ステップS178では、バッファをクリアし、ステップS179に移る。ステップS179では、次の1000/30msの(画像制御ICカウンタが“2”となる)タイミングが来た場合に、画像制御IC86の制御RAM87に書き込むべきデータの準備ができていないとして、バッファフラグをオフにし、図25のステップS91に移る。
図34を参照して、画像制御IC/int処理について説明する。
この画像制御IC/int処理は、画像制御IC86から1000/60ms毎に送信されてくる信号の受信に起因して開始する。処理の開始とともに画像制御ICカウンタの値に“1”を加算する(ステップS181)。画像制御ICカウンタは、前回画像制御マイコン81から画像制御IC86にバンク切替の指示を出したタイミングから1000/30msが経過したか否かを判定(図33のステップS174)するために使用するものである。
図35を参照して、2ms割込処理について説明する。
初めに、画像制御マイコン81は、2msが経過したか否かを判別する(ステップS191)。この判別がYESのときは、ステップS192に移り、NOのときは、ステップS191を繰り返す。
ステップS192では、乱数カウンタを更新し、ステップS193に移る。この処理では、複数の乱数カウンタを更新することになる。ステップS193では、演出データ更新処理を行い、ステップS191に移る。