JP2007002969A - さや管推進工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地中埋設のさや管1内に新管2を継ぎ合せつつ順次挿入する際、さや管1の両端を閉塞し、そのさや管1内の浮力材aにより新管2に浮力を与えて、その新管2とさや管1間の摩擦を低減する。さや管1の他端に有蓋筒状体23を嵌めて閉塞し、その側面のさや管1の筒軸方向に長い長孔26から、浮力材aをオーバーフローさせ、さや管1内の浮力材aのレベルを一定とする。オーバーフロー構造はその構成が簡単であって、安価なものとなる。オーバーフロー用孔が長孔26であれば、オーバーフローの縁も長くなって、円滑な排出がなされる。円滑な浮力材の排出がなされれば、新管のさや管内面への衝突が生じず、円滑な新管の推進を行なうことができる。
【選択図】図1
Description
例えば、ダクタイル鋳鉄管を用いた管路の構築(埋設)や旧管路の布設替え(更新)は、一般的には、地面を開削して管を埋設する開削工法が採用される。
しかし、近年の交通事情や、都心部等での複雑な管路の構築により、開削工法による管路の新規構築や旧管路の布設替えが困難な状況となっている。そのため、開削工法に代わる方法として、さや管推進工法やパイプインパイプ工法が採用されている。
なお、このパイプインパイプ工法における既設管等もさや管1の一つであるため、この明細書(「特許請求の範囲」も含む)においては、図16に示す、上記さや管推進工法、パイプインパイプ工法等のように、さや管1の中に新管2を推進挿入して二重管構造とする工法を、特に特定しない限り、総称して「さや管推進工法」と言う。
また、継手について、近年、耐震性が要求され、その耐震管継手は、一般的には、受口2bに対し挿し口2aが所要範囲において伸縮可能(抜き挿し可能)な構造のものであり、PII形、S形、NS形、SII形等がある。
また、PII形継手による新管2の挿入力は、受口2b端面側のロックリング4とその溝6端面の当接によって伝達されるため、その挿入力が大きくなると、ロックリング4が捩れ破損する等の恐れがあって、円滑な推進がされない恐れがある。このため、発進坑Sと到達坑Tの間隔の長い場合等の大きな推進力が働く場合には、挿し口2aの外周面にリブを別途に溶接などにより固定し、そのリブを受口2bの端面に当接させて推進力を伝達するようにしている。そのリブの取り付けは煩雑である。
この構造の耐震管継手におけるさや管推進工法においては、地中Wに埋設されたさや管1内にその一端から他端に向かって新管2を継ぎ合せつつ順次挿入する際、新管2の挿し口2a外周面に推進力伝達材を設け、この推進力伝達材により、前記挿し口2aを抜けない範囲で動き得る所要長さの中程に維持して推進し、地震などによりその推進力よりも大きな押圧力が作用したときには、その押圧力が前記推進力伝達材の維持力より勝り、前記挿し口を抜けない範囲で動き得る所要長さの中程の維持が解放されて挿し口2aが受口2bにさらに押し込まれるようにしている(特許文献2参照)。
この技術は、さや管1内の閉塞を維持した状態で、新管2をさや管1内に挿入しなくてはならないため、その挿入部分の閉塞は、さや管1内面全周に膨縮チューブを設けたり(特許文献3)、さや管1の軸方向前後の内面全周にフラップ状のシール板を設け(特許文献4)、そのチューブ又はシール板の新管2外周面への摺動圧接によって行っている。
このため、新管2がさや管1の内面に触れても推進できるように、さや管1内の浮力材レベルを一定に維持する必要がある。
オーバーフローによる排水構造はその構成が簡単であって、安価なものとなり、また、そのオーバーフローする孔が長孔であれば、オーバーフローの縁も長くなって、円滑な排出(オーバーフロー)がなされる。
このとき、長孔が大きいものであれば、推進長さにもよるが、この長孔から、新管の推進状況を確認することもできる。
その浮力材のレベル調整装置としては、上記さや管の他端に同軸の有蓋筒状体を嵌めてその他端を閉塞し、その有蓋筒状体の側面に孔を形成し、その孔をさや管の筒軸方向に長い長孔としたもの等を採用する。
その推進は、上述の図16に記載の手段、特許文献5に記載の手段、特願2004−213203に記載の手段などの各種の手段を採用する。
円筒管11は、同図に示すように、さや管1一端にパッキング11cを介して嵌め込み、ビス11dによりそのさや管1一端に取付ける。また、円筒管11は、図4に示すように、偏芯した2つの筒状部11a、11bとから成り、前者の筒状部11aはさや管1に嵌められて同一心C1とされ、後者の筒状部11bは新管2と同一心C2とされる。この円筒管11の前後の筒状部11a、11bの軸心C1、C2が異なることにより、同図に示すように、キャップ30を円筒管11に嵌めると、その軸心がさや管1の軸心より少し下方となる。このため、新管2はさや管1にその軸心C1を少し下方にして挿入されることとなる。
円筒管11には、バルブ13a付給排水管13が設けられ、この給排水管13により、さや管1内に浮力材aを注入又は浮力材aを排出する。
フラップ12bの厚み・長さ(軸心に向く長さ)、リング12cの径は、撓み度、圧接度(水密度)を考慮して適宜に設定すればよいが、フラップ12bの厚みは、柔軟な撓みを得ることができ、かつリング12cの保持ができる限りにおいて薄い方が好ましい。
この止水部材12は、その筒状部12aを円筒管11内面に当てがい、その内面に、図6に示す一つ割開き勝手のリング状止め具14を当ててビス15により円筒管11に取付ける。
このとき、リング12cは、フラップ12b先端縁より大径のため、フラップ12bの撓みに影響されにくく、フラップ12bが摺動するキャップ30又は新管2外周面の大きさ(径)変化・振れに柔軟に対応して撓んでも、そのキャップ30又は新管2外周面への確実な圧接を維持して水密性を担保する。
この治具20はビスによりさや管1の他端外面に取付けられ、上記止水機構10と同様に、バルブ13a付給排水管13が設けられており、この給排水管13により、さや管1内に浮力材aを注入又は浮力材aを排出する。
また、孔26の長さL・幅T(図7参照)等の大きさは、浮力材aが円滑に流し出されるように、実験・実操業等によって適宜に設定する。図1に示すように、レベル調整部材23は適宜な脚27によってさや管1と同一軸心となるように支持する。
このキャップ30の外周面には図9に示す挿込み防止リング35が固定される。このリング35は、同図に示すように、2つ割部材からなり、その両部材をボルト36により締結して構成され、周囲のねじ孔37にビス38をねじ通してその先端をキャップ30外周面に圧接することによりキャップ30に取付けられる。各ビスのねじ込み度合を調整することにより、このリング35とキャップ30の調芯を行なう。
その発進坑Sにおいて、図10に示すように、止水部材12付の円筒管11を、さや管1の発進坑S側(一端)にゴム輪(パッキング)11cを介して嵌め、ビス11d止め等により取り付け、その円筒管11内に挿込み防止リング35付のキャップ30を嵌める(同図(a))。
一方、さや管1の到達坑T側(他端)には、レベル調整部材23付の治具20を取り付けて、さや管1の両端を閉塞する(さや管1内を液密にする)。
この浮力材aの充填が完了した後、又は充填前に、図10(b)に示すように、最先の新管2の挿し口2aをさや管1に嵌めたキャップ30の筒状部31に嵌め込む。このとき、挿込み防止リング35のさや管1の端面への当接により、キャップ30のさや管1内への挿し込みが阻止される。
挿し口2aをキャップ30に嵌めれば、挿込み防止リング35をキャップ30から外した後、浮力材aが充填されておれば、さらに新管2を押し込み、充填されていなければ、浮力材aの充填後、同様に押し込む。
また、この新管2の推進挿入は、浮力材a内で行われるため、その浮力材aから浮力を受けながら、低摩擦でさや管1内を進む。このとき、新管2の進行により、押された浮力材aはさや管1の到達坑T側(他端)のレベル調整部材23の透孔26からオーバーフローし、そのレベルが一定に維持される。この浮力材aの液面レベルの維持により、新管2の軸心C2もほぼ一定レベルに維持され、新管2とさや管1内面との摩擦抵抗が低減されて新管2を円滑に推進し得る。このとき、推進長さにもよるが、この透孔26から、新管2の推進状況を確認することができる。
このとき、リング12cは、フラップ12b先端縁より大径のため、フラップ12bの撓みに影響されにくく、フラップ12bが摺動する受口2bの大きな外径変化・振れに柔軟に対応して撓んでも、その受口2b外周面への確実な圧接を維持して水密性を担保する。
挿し口2aが治具20内に嵌り、さらにレベル調整部材23に至れば、同図(b)に示すように、レベル調整部材23を外して、必要であれば、さらに新管2の挿し口2aを到達坑T内に所要長さ突出させる。その後、給排水管13から排水してさや管1内から浮力材aを排出させる。排水は所要のバケットに入れる。このとき、新管2を、適宜な手段により、さや管1内の所要高さ・位置に維持する。
モルタルの充填は、一方の給排水管13から行い、他方の給排水管13から適宜に浮力材aを排出するようにしても良い。
この円筒管11はさや管1の一端にパッキング43を介して取付ける。各チューブ112a、112b、113は接着やネジ止め等で固定する。
また、既設管内に耐震管継手を有する新管2を推進挿入するパイプインパイプ工法においては、そのさや管(既設管)内面は、錆や異物の付着により凹凸の激しい内面となっているのが通常であり、その内面を摺動させて新管2を推進する場合に比べて、この浮力による推進は、その内面から離して移動させるので、推進力が極めて小さくてすみ、より効果的である。
また、上記実施例は、さや管1は既設管に限らず(パイプインパイプ工法に限らず)、ヒューム管や鋼管を新たに埋設した上記さや管推進工法に採用できることは言うまでもない。
さらに、新管2の挿入推進は、到達坑T側から行うこともできる。
2 新管
10 さや管発進坑側止水機構
11 止水機構の円筒管
12 止水部材
12a 止水部材12の筒状部
12b 止水部材12のフラップ
12c 止水部材12の中実リング
13 給排水管
20 さや管到達坑側止水兼芯出し用治具
21、22 止水兼芯出し用円筒状部
23 浮力材レベル調整部材
26 浮力材レベル調整用透孔
30 最先新管挿し口用キャップ
a 浮力材(水)
Claims (2)
- 地中Wに埋設されたさや管1内にその一端Sから他端Tに向かって新管2を継ぎ合せつつ順次挿入する際、前記さや管1の両端を閉塞し、そのさや管1内に浮力材aを注入して前記新管2に浮力を与えて、その新管2とさや管1間の摩擦を低減し、前記さや管1の他端にその他端の閉塞を行う治具20を設け、この治具20に孔26を設け、この孔26から、前記さや管1内の浮力材aを流し出してその浮力材aのレベルを一定とするようにしたさや管推進工法において、
上記治具20を、上記さや管1と同軸の有蓋筒状体23から構成し、その有蓋筒状体23の側面に上記孔26を形成し、その孔26をさや管1の筒軸方向に長い長孔としたことを特徴とするさや管推進工法。 - 請求項1に記載のさや管推進工法に使用するそのさや管内の浮力材aのレベル調整装置であって、上記さや管1の他端に同軸の有蓋筒状体23を嵌めてその他端を閉塞し、その有蓋筒状体23の側面に孔26を形成し、その孔26をさや管1の筒軸方向に長い長孔としたことを特徴とするさや管内の浮力材のレベル調整装置。
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