JP6230284B2 - 既設管更新工法 - Google Patents
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Description
しかし、幹線道路に既設管路が埋設されていたり、近年の交通事情や都心部等での複雑な管路の構築がなされていたりすることにより、開削工法による既設管路の更新が困難となってきている。このため、既設管路をガイドとして掘削機をその既設管路の長さ方向に移動させ、その既設管路の外周面周りの地盤を掘削し、その掘削孔を介して、既設管路の既設管を引抜く(押し出す)とともに、新設管を挿通埋設し新設管路として更新する技術が開発されている。
一方、上記掘削機による更新技術は、既設管路の外周面周りの地盤を掘削するため、その掘削孔は既設管と同径又はそれより大径であって、既設管と同径以上の新設管を埋設し得る利点がある。
また、特許文献2記載の技術は、泥水によって掘削土砂を発進立坑に向かって送り出すため、上記土砂の圧密の恐れはない。しかし、地盤の掘削を水噴射によっているため、その掘削効率が極めて悪いものとなっている。その掘削効率を向上させるには、水噴射圧を高くする必要があるが、大型及び高能力のポンプを使用することとなり、高コスト及び広い設置面積を必要とする等の問題が生じる。
オーガは、特許文献8等で示されるように、掘削面に掘削刃(ビット、バイト)を有するとともに、その掘削軸の外周面に螺旋翼を有するものであって(同文献8図1等参照)、掘削刃でもって地盤を掘削するため、その掘削効率は高いものである。また、螺旋翼でもってその掘削した土砂を後方に送り出す機能を発揮するため、その螺旋翼をオーガ外周面の軸方向全長に亘って設ければ、掘削土砂もオーガの後側に送り出されて発進立坑に排出される。
記
(1) 上記既設管路の更新する長さ隔てて発進立坑と到達立坑を構築し、その両立坑内の前記既設管路の既設管を切断除去する工程
(2) 上記発進立坑内において、外周面全長に亘って螺旋翼を有する中空(円環状)の掘削推進オーガを、上記更新する既設管路の既設管の一端外周に嵌める工程
(3) 上記オーガを回転して既設管路外周面周りの地盤を掘削するとともに、その掘削した土砂を上記螺旋翼によって上記発進立坑に送り出す工程
(4) 上記オーガを上記既設管路をガイドとして上記到達立坑に向かって移動させながら、上記工程(3)を連続して行なう工程
(5) 上記オーガが到達立坑に至ると、新設管の一端をそのオーガの後端に連結し(端を押し当るのみの場合も含む、以下同じ)、その新設管を継ぎ合わせつつ順次圧入推進することによって、前記既設管路の既設管及びオーガを到達立坑に送り出す(押出す)とともに新設管路を構築して、上記更新する長さの既設管路を新設管路に更新する工程
(6) 発進立坑内において、上記更新された新設管路の一端を既に更新された新設管路又は既設管路に接続するとともに、到達立坑内において、上記更新された新設管路の他端を既に更新された新設管路又は既設管路に接続する工程
(7)その後、前記発進立坑と到達立坑を埋め戻す工程
記
(1) 上記既設管路の更新する長さ隔てて発進立坑と到達立坑を構築し、その両立坑内の前記既設管路を切断除去する工程
(2) 上記発進立坑内において、外周面全長に亘って螺旋翼を有する中空の掘削推進オーガを、上記更新する既設管路の既設管の一端外周に嵌める工程
(3) 上記オーガを回転して既設管路外周面周りの地盤を掘削するとともに、その掘削した土砂を上記螺旋翼によって上記発進立坑に送り出す工程
(4)上記オーガを上記既設管路をガイドとして上記到達立坑に向かって移動させながら、上記工程(3)を連続して行なう工程
(5)’上記オーガが到達立坑に至ると、さや管の一端をそのオーガの後端に連結し、そのさや管を継ぎ合わせつつ順次圧入推進することによって、前記オーガ及び既設管路の既設管を到達立坑に送り出す工程
(6)’ 上記さや管が到達立坑に至ってさや管路が構築されると、そのさや管路内に新設管を継ぎ合わせつつ順次挿入推進して到達立坑に至らせ、さや管路の全長に亘って新設管を挿入して新設管路を構築して更新する工程
(6) 発進立坑内において、上記更新された新設管路の一端を既に更新された新設管路又は既設管路に接続するとともに、到達立坑内において、上記更新された新設管路の他端を既に更新された新設管路又は既設管路に接続する工程
(7) その後、前記発進立坑と到達立坑を埋め戻す工程
また、オーガと既設管の送り出しは、一緒でも別々でも良いが一緒の方が効率的である。
さらに、新設管路と地盤(土山)の間隙に裏込め材を充填したり、さや管路と地盤の間隙に裏込め材を充填したりすることができる。
このようにすれば、オーガの掘削時、その掘削地盤に泥水が侵入して柔らかくなり、その掘削効率が向上するとともに、止水装置を通した泥水の流出によって掘削土砂が排出されるため、切削土砂の排出作用が円滑になる。このため、掘削効率も向上する。
この発明に係る既設管更新工法の一実施形態を図1A〜図1Hに示し、この実施形態は、図1Aに示すように、幹線道路下に上水道の既設本管(既設管路)Aが埋設され、その一部(長さL)を新設管路Bに更新するものである。その更新する長さLは、この工法に係るオーガ10によって掘削推進し得る長さとする。図1Bに示すように、その更新する長さLの両端に発進立坑H1と到達立坑H2を構築する(上記工程(1))。この立坑H1、H2の構築時、その立坑内の既設管路Aをその長さ方向両端の一部(既設管aの一部)を残して切断除去する。
なお、更新既設管路Aが長い場合は、そのオーガ10によって掘削推進し得る長さに分割し、その分割した長さL毎に発進立坑H1及び到達立坑H2を構築する。このとき、隣接する更新部分の発進立坑H1と到達立坑H2は共用する(同一立坑とする)。
オーガ10の掘削ビット12の掘削径(掘削ビット12の外端軌跡円径)は螺旋翼13の外径よりも大きくなる(突出する)ように設定されている。なお、その掘削径は、新設管路B(新設管b)の径に応じて適宜に設定すれば良い。例えば、既設管aに対し一回り大きい(大径の)新設管bに更新したい場合は、その一回り大きい径より少し大径とする。
この状態において、図1Eに示すように、そのオーガ10(最終段連結体14)の後端に新設管bの一端を連結し、その新設管bを継ぎ合わせつつ順次圧入推進する。そのオーガ10(連結体14)と新設管bの連結は、単に、押圧板16を介した態様でも良いが、推進管のように、挿し口にフランジ・リブを溶接し、そのフランジ・リブでオーガ10を押すようにすることができる。新設管bの口径は、既設管aと同口径としても良いが、大口径とし得る。押圧板16は新設管bとオーガ10との間の押圧面全域に亘る大きさとして、新設管bによる押圧がオーガ10に確実に伝達されるようにする(以下、同様)。このとき、オーガ10に回転を与えることができ、その回転力は到達立坑H2側から与えることができる。
到達立坑H2に送り出された各既設管a及びオーガ10の円筒体11(連結体14)は、 図1Fに示すように、その既設管a及び円筒体11(連結体14)毎に切り離して(解体して)撤去する。既設管aは、継手解体、管体の切断、破砕等によって破砕することができる。
その後、図1Hに示すように、発進立坑H1と到達立坑H2を埋め戻して更新作業を終了する(上記工程(7))。
この発明に係る既設管更新工法の他の実施形態を図2B〜図2Hに示し、この実施形態は、上記実施形態において、オーガ10による既設管路A外周面周りの地盤Gの推進掘削時、その掘削個所に泥水wを送り込み、その掘削効率を上げると共に、掘削土砂の排出効率を上げ、さらに、オーガ10及び既設管路Aの押出し効率を上げるようにしたものである。
この止水装置Mを設置した後、図2Cに示すように、発進立坑H1において、オーガ10を、その止水装置M内に水密に通過させて更新する既設管路A(既設管a)の一端外周に嵌める(上記工程(2))。このとき、止水材を取外してオーガ10(円筒体11)を止水装置Mに通した後、その止水材を嵌めて止水が確実になるようにし得る。
この泥水wの送り込み(注入)によって、泥水wがオーガ10による地盤Gの掘削個所(掘削孔T内)まで至ってその掘削地盤に侵入して柔らかくするため、その掘削効率が向上する。また、止水装置Mからの泥水wの流出(吸引)によって掘削土砂が排出されるため、切削土砂の排出作用が円滑になる。このとき、オーガ10の掘進とともにその泥水wの送り込み量を徐々に増加させて、それらの作用が円滑になされるようにする。
なお、同様に、図2Fに示すように、到達立坑H2において、各既設管a及びオーガ10の円筒体11(連結体14)毎に切り離して(解体して)撤去する。この最後のオーガ10(連結体14)及び既設管aが到達立坑H2に至って止水装置Mから抜け出れば、同図に示すように、その止水装置Mを取り外す。
その後、図2Hに示すように、発進立坑H1と到達立坑H2を埋め戻して更新作業を終了する(上記工程(7))。
この発明に係る既設管更新工法のさらに他の実施形態を図3E〜図3Hに示し、この実施形態は、将来の更新のし易さや耐圧又は耐震管路とする等の面から、更新時、ヒューム管又は鋼管等からなるさや管路Dに新設管bを挿入して新設管路Bを構築する場合がある。この場合は、実施形態1又は同2における工程(1)〜(4)までは同じ作用によってオーガ10を到達立坑H2に至らせる。
このとき、新設管bがPII形管のようなパイプインパイプ工法の管であればその工法によってさや管路D内に挿入する(特許文献3〜7、9、10参照)。また、新設管bが一般埋設用のダクタイル鉄管の場合は、サドルバンド、キャスタ等を取付けて挿入し(特許文献11参照)、そのとき、S形管等のように継手伸縮代を有する耐震管の場合は、そのサドルバンド31、キャスタ32に加えて、樹脂発泡体のような推進力伝達部材33を継手毎に取付け、継手伸縮代を確保したまま挿入して耐震管路とすることができる(特許文献12参照)。
その後、図3Hに示すように、発進立坑H1と到達立坑H2を埋め戻して更新作業を終了する(上記工程(7))。
また、この裏込め材gは、発進立坑H1又は到達立坑H2において、管路B、Dの端からそれらの間隙に打ち込む(注入する)ことが一般的である。しかし、新設管路Bが呼び径800以上の大口径であれば、新設管路B内に作業者が入って作業をすることができるため、新設管b又はさや管dの任意の位置に注入口を形成し(形成しておき)、その注入口から裏込め材を注入することもできる。
a 既設管
B 新設管路
b 新設管
D さや管路
d さや管
G 地盤(地山)
H1 発進立坑
H2 到達立坑
M 止水装置
g 裏込め材
w 泥水
10 オーガ
11 オーガの円筒体
12 オーガの掘削ビット
13 オーガの螺旋翼
14 オーガの連結体
Claims (3)
- 下記(1)〜(4)、(5)’、(6)’(6)、(7)からなる工程によって地盤内に埋設した既設管路(A)を撤去して新設管路(B)に入れ替える既設管更新工法。
(1) 上記既設管路(A)の更新する長さ(L)隔てて発進立坑(H1)と到達立坑(H2)を構築し、その両立坑(H1、H2)内の前記既設管路(A)の既設管(a)を切断除去する工程
(2) 上記発進立坑(H1)内において、外周面全長に亘って螺旋翼(13)を有する中空の掘削推進オーガ(10)を、上記更新する既設管路(A)の既設管(a)の一端外周に嵌める工程
(3) 上記オーガ(10)を回転して既設管路(A)外周面周りの地盤(G)を掘削するとともに、その掘削した土砂を上記螺旋翼(13)によって上記発進立坑(H1)に送り出す工程
(4) 上記オーガ(10)を上記既設管路(A)をガイドとして上記到達立坑(H2)に向かって移動させながら、上記工程(3)を連続して行なう工程
(5)’上記オーガ(10)が到達立坑(H2)に至ると、新設のさや管(d)の一端をそのオーガ(10)の後端に連結し、そのさや管(d)を継ぎ合わせつつ順次圧入推進することによって、前記既設管路(A)の既設管(a)及びオーガ(10)を到達立坑(H2)に送り出す工程
(6)’上記さや管(d)が到達立坑(H2)に至ってさや管路(D)が構築されると、そのさや管路(D)内に新設管(b)を継ぎ合わせつつ順次挿入推進して到達立坑(H2)に至らせ、さや管路(D)の全長に亘って新設管(b)を挿入して新設管路(B)を構築する工程
(6) 発進立坑(H1)内において、上記新設管路(B)の一端を既に更新された新設管路(B)又は既設管路(A)に接続するとともに、到達立坑(H2)内において、上記更新された新設管路(B)の他端を既に更新された新設管路(B)又は既設管路(A)に接続する工程
(7) その後、前記発進立坑(H1)と到達立坑(H2)を埋め戻す工程 - 請求項1において、さや管路(D)と地盤(G)の間隙に裏込め材(g)を充填することを特徴とする既設管更新工法。
- 上記(2)の工程において、上記更新する既設管(A)の両端部周りに止水装置(M)を設け、上記掘削推進オーガ(10)を前記両止水装置(M)を通り抜け可能とし、前記止水装置(M)を介して上記オーガ(10)による掘削孔(T)に泥水(w)を流入排出可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の既設管更新工法。
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