JP4584050B2 - さや管推進工法 - Google Patents
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Description
例えば、ダクタイル鋳鉄管を用いた管路の構築(埋設)や旧管路の布設替え(更新)は、一般的には、地面を開削して管を埋設する開削工法が採用される。
しかし、近年の交通事情や、都心部等での複雑な管路の構築により、開削工法による管路の新規構築や旧管路の布設替えが困難な状況となっている。そのため、開削工法に代わる方法として、さや管推進工法やパイプインパイプ工法が採用されている。
なお、このパイプインパイプ工法における既設管等もさや管1の一つであるため、この明細書(「特許請求の範囲」も含む)においては、図24に示す、上記さや管推進工法、パイプインパイプ工法等のように、さや管1の中に新管2を推進挿入して二重管構造とする工法を、特に特定しない限り、総称して「さや管推進工法」と言う。
また、継手について、近年、耐震性が要求され、その耐震管継手は、一般的には、受口2bに対し挿し口2aが所要範囲において伸縮可能(抜き挿し可能)な構造のものであり、PII形、S形、NS形、SII形等がある。
また、PII形継手による新管2の挿入力は、受口2b端面側のロックリング4とその溝6端面の当接によって伝達されるため、その挿入力が大きくなると、ロックリング4が捩れ破損する等の恐れがあって、円滑な推進がされない恐れがある。このため、発進坑Sと到達坑Tの間隔の長い場合等の大きな推進力が働く場合には、挿し口2aの外周面にリブを別途に溶接などにより固定し、そのリブを受口2bの端面に当接させて推進力を伝達するようにしている。そのリブの取り付けは煩雑である。
この構造の耐震管継手におけるさや管推進工法においては、地中Wに埋設されたさや管1内にその一端から他端に向かって新管2を継ぎ合せつつ順次挿入する際、新管2の挿し口2a外周面に推進力伝達材を設け、この推進力伝達材により、前記挿し口2aを抜けない範囲で動き得る所要長さの中程に維持して推進し、地震などによりその推進力よりも大きな押圧力が作用したときには、その押圧力が前記推進力伝達材の維持力より勝り、前記挿し口を抜けない範囲で動き得る所要長さの中程の維持が解放されて挿し口2aが受口2bにさらに押し込まれるようにしている(特許文献2参照)。
この技術は、さや管1内の閉塞を維持した状態で、新管2をさや管1内に挿入しなくてはならないため、その挿入部分の閉塞は、さや管1内面全周に膨縮チューブを設けたり(特許文献3)、さや管1の軸方向前後の内面全周にフラップ状のシール板を設け(特許文献4)、そのチューブ又はシール板の新管2外周面への摺動圧接によって行っている。
このとき、密閉された蓋では、さや管1内の浮力材をすべて排出してから蓋を外す必要があり手間となる(時間が掛かる)とともに、さらに、その浮力材排出後に新管を所定長さ到達坑Tに突出させることとなるため、煩わしい。
新管自身で閉塞すれば、今までさや管を閉塞していた蓋を外すことができ、その新管自身による閉塞状態が、新管の移動を許容するものであれば、さや管から新管をさらに突出させることができる。
発進坑Sと到達坑Tは、既設管1の埋設時と同一個所に形成しても良いが、道路の側部等の形成し得る所であれば、任意である。さや管1に挿入される新管2の先頭管先端には円錐状のキャップ30を嵌めて閉塞され、新管2内に浮力材aが流入しないようになる。
その推進は、上述の図24に記載の手段、特許文献5に記載の手段、特願2004−213203に記載の手段などの各種の手段を採用する。
また、膨縮チューブ12a、12bへの給排流体bとしては、空気の他に水等でも良い。水の場合には、地上部に水槽を設置し、その水頭差により、膨縮チューブ12a、12b内の圧力を一定に保持すれば、受口2b部が通過しても膨縮チューブ12a、12bのその受口2bとの面圧が一定となり、空気のように圧力負荷、エアー抜き(給排)の工程が不要となる。空気の場合には、一定圧となるアキューム機構を付与するとよい。
この液面レベルは、新管2の軸心がさや管1の軸心より少し下方とする等、新管2がさや管1内面に摺動しても、新管2を推進し得るようにする。
ゴムリング13が受口2b部に圧接する限り浮力材aの漏れは防止され、受口2b部が前側膨縮チューブ12aに至る前に、その前側膨縮チューブ12aのホース14の三方弁によりその内の空気bを排出させつつ、その受口2b部をそのゴムリング13の内に挿入摺動させる(同図(d))。
このとき、新管2の装填によりさや管1内の浮力材aの液面は上昇するが、空気抜き孔41又は排出孔45から浮力材aは排出されて、その液面は一定レベルに維持される。
挿し口2aが治具20内に嵌れば、同図(c)に示すように、止水蓋21を外して、さらに新管2の挿し口2aを到達坑T内に所要長さ突出させる。このとき、ゴム輪25により、浮力材aの漏れは防止される。挿し口2aを到達坑T内に所要長さ突出させれば、キャップ30を外す(同図(d))。この後、所要時間後に、浮力材aは、硬化して充填材となる。このとき、さや管1の断面全域に浮力材aを充填していない場合には、補充して全域に充填する。
このようにすれば、さや管1と新管2外径の間隙に関係なく、膨縮チューブ12aなどの設置スペースを確保できるため、さや管1内径と新管2外径の間の空隙が狭く、十分な止水性能を期待できない場合に有効である。
この注入管44を使用する場合は、同図に示すように、止水機構10の円筒管11は、さや管1の外面に設けて、さや管1と新管2の間隙が広く確保できる態様が好ましい。
また、治具20の形状は、図示に限られず、例えば、片落管などとすることもできる。さらに、さや管1の他端側(治具20側)は、図5(a)に示すキャップ30付止水機構10と同一構造により閉塞することもできる。この場合、その止水機構のキャップはキャップ30より大径としてそのキャップへの新管挿し口2a(キャップ30)の嵌り込みで芯出しを行うこととなる。
また、新管2の継ぎ合せ部(継手部)、推進手段も、上記実施例と同様である。
円筒管11は、同図に示すように、さや管1一端にパッキング11cを介して嵌め込み、ビス11dによりそのさや管1一端に取付ける。また、円筒管11は、図15に示すように、偏芯した2つの筒状部11a、11bとから成り、前者の筒状部11aはさや管1に嵌められて同一心C1とされ、後者の筒状部11bは新管2と同一心C2とされる。
円筒管11には、バルブ15a付給排水管15が設けられ、この給排水管15により、さや管1内に浮力材aを注入又は浮力材aを排出する。
フラップ112bの厚み・長さ(軸心に向く長さ)、リング112cの径は、撓み度、圧接度(水密度)を考慮して適宜に設定すればよいが、フラップ112bの厚みは、柔軟な撓みを得ることができ、かつリング112cの保持ができる限りにおいて薄い方が好ましい。
この止水部材112は、その筒状部112aを円筒管11内面に当てがい、その内面に、図17に示す一つ割開き勝手のリング状止め具114を当ててビス115により円筒管11に取付ける。
このとき、リング112cは、フラップ112b先端縁より大径のため、フラップ112bの撓みに影響されにくく、フラップ112bが摺動するキャップ30又は新管2外周面の大きさ(径)変化・振れに柔軟に対応して撓んでも、そのキャップ30又は新管2外周面への確実な圧接を維持して水密性を担保する。
この治具20はビスによりさや管1の他端外面に取付けられ、上記止水機構10と同様に、バルブ15a付給排水管15が設けられており、この給排水管15により、さや管1内に浮力材aを注入又は浮力材aを排出する。
一方、さや管1の到達坑T側(他端)には、レベル調整部材123付の治具20を取り付けて、さや管1の両端を閉塞する(さや管1内を液密にする)。
この浮力材aの充填が完了した後、又は充填前に、図20(b)に示すように、最先の新管2の挿し口2aをさや管1に嵌めたキャップ30の円筒部に嵌め込む。このとき、挿込み防止リング35のさや管1の端面への当接により、キャップ30のさや管1内への挿し込みが阻止される。
つぎに、挿込み防止リング35をキャップ30から外した後、浮力材aが充填されておれば、さらに新管2を押し込み、充填されていなければ、浮力材aの充填後、同様に押し込む。
また、この新管2の推進挿入は、浮力材a内で行われるため、その浮力材aから浮力を受けながら、低摩擦でさや管1内を進む。このとき、新管2の進行により、押された浮力材aはさや管1の到達坑T側(他端)のレベル調整部材123の透孔126からオーバーフローし、そのレベルが一定に維持され、新管2の軸心C2もほぼ一定レベルに維持される。
この液面レベルは、例えば、図示のように、新管2の軸心C2がさや管1の軸心C1より少し下方とする等、新管2がさや管1内面に摺動しても、新管2を推進し得るようにする。
このとき、リング112cは、フラップ112b先端縁より大径のため、フラップ112bの撓みに影響されにくく、フラップ112bが摺動する受口2bの大きな外径変化・振れに柔軟に対応して撓んでも、その受口2b外周面への確実な圧接を維持して水密性を担保する。
挿し口2aが治具20内に嵌り、さらにレベル調整部材123に至れば、同図(b)に示すように、レベル調整部材123を外して、必要であれば、さらに新管2の挿し口2aを到達坑T内に所要長さ突出させる。その後、給排水管15から排水してさや管1内から浮力材aを排出させる。排水は、そのまま垂れ流しでも良いが、所要のバケットに入れることもできる。このとき、新管2を、適宜な手段により、さや管1内の所要高さ・位置に維持する。
流動化充填材の充填は、一方の給排水管15から行い、他方の給排水管15から適宜に浮力材aを排出するようにしても良い。
また、既設管内に耐震管継手を有する新管2を推進挿入するパイプインパイプ工法においては、そのさや管(既設管)内面は、錆や異物の付着により凹凸の激しい内面となっているのが通常であり、その内面を摺動させて新管2を推進する場合に比べて、この浮力による推進は、その内面から離して移動させるので、推進力が極めて小さくてすみ、より効果的である。
また、上記実施例は、さや管1は既設管に限らず(パイプインパイプ工法に限らず)、ヒューム管や鋼管を新たに埋設した上記さや管推進工法に採用できることは言うまでもない。
さらに、新管2の挿入推進は、到達坑T側から行うこともできる。
2 新管
3 止水ゴム輪
4、4a、4b ロックリング
8 推進力伝達材
10 さや管発進坑側止水機構
11 止水機構の円筒管
12、12a、12b 膨縮チューブ
13 ゴムリング(弾性チューブ)
14 膨縮チューブへの流体給排用ホース
15 給排水管
20 さや管到達坑側止水兼芯出し用治具
30 最先新管挿し口用キャップ
112 止水部材
112a 止水部材112の筒状部
112b 止水部材112のフラップ
112c 止水部材112の中実リング
121、122 止水兼芯出し用円筒状部
123 浮力材レベル調整部材
126 浮力材レベル調整用透孔
a 浮力材
b 膨縮チューブの膨縮用流体(空気)
Claims (5)
- 地中Wに埋設されたさや管1内にその一端Sから他端Tに向かって新管2を継ぎ合せつつ順次挿入する際、前記さや管1の両端を閉塞し、そのさや管1内に浮力材aを注入して前記新管2に浮力を与えて、その新管2とさや管1間の摩擦を低減したさや管推進工法において、
上記さや管1の他端に、その他端の閉塞を行う治具20を設け、この治具20が、さや管1の他端に水密に嵌めた筒状体と、その筒状体の開口を閉じる蓋部材からなって、最先の新管2の先端をその治具20の前記筒状体に水密に嵌め込んで支持した後、前記蓋部材を前記筒状体から外すようにしたことを特徴とするさや管推進工法。 - 上記治具20の前記筒状体への上記最先の新管2の先端の嵌め込みにより、その新管2の芯出しを行うことを特徴とする請求項1に記載のさや管推進工法。
- 上記蓋部材を上記筒状体から外した後、さらに、上記新管を上記さや管の他端から所定長さ突出させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のさや管推進工法。
- 最先の新管2の先端にキャップ30を被せてその新管2先端を閉塞し、そのキャップ30が上記治具20に嵌るものにあっては、前記治具20の筒状体を前記キャップ30が嵌る錐状としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のさや管推進工法。
- 地中Wに埋設されたさや管1内にその一端Sから他端Tに向かって新管2を継ぎ合せつつ順次挿入する際、前記さや管1の両端を閉塞し、そのさや管1内に浮力材aを注入して前記新管2に浮力を与えて、その新管2とさや管1間の摩擦を低減したさや管推進工法における前記さや管1の他端側の閉塞構造であって、
上記さや管1の他端に、その他端の閉塞を行う治具20を設け、この治具20が、さや管1の他端に水密に嵌めた筒状体と、その筒状体の開口を閉じる蓋部材からなって、最先の新管2の先端をその治具20の前記筒状体に水密に嵌め込んで支持することを特徴とするさや管の他端側の閉塞構造。
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JPH06147363A (ja) * | 1992-11-02 | 1994-05-27 | Osaka Gas Co Ltd | 管の地中埋設方法およびそれに用いる管挿入装置 |
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