JP5025346B2 - 既設管補修方法 - Google Patents

既設管補修方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5025346B2
JP5025346B2 JP2007161785A JP2007161785A JP5025346B2 JP 5025346 B2 JP5025346 B2 JP 5025346B2 JP 2007161785 A JP2007161785 A JP 2007161785A JP 2007161785 A JP2007161785 A JP 2007161785A JP 5025346 B2 JP5025346 B2 JP 5025346B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
piece
new
existing pipe
existing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007161785A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009002391A (ja
Inventor
伸吉 大岡
満良 張
Original Assignee
吉佳エンジニアリング株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 吉佳エンジニアリング株式会社 filed Critical 吉佳エンジニアリング株式会社
Priority to JP2007161785A priority Critical patent/JP5025346B2/ja
Publication of JP2009002391A publication Critical patent/JP2009002391A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5025346B2 publication Critical patent/JP5025346B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pipe Accessories (AREA)

Description

本発明は、下水管や取付け管など既設管内に更生管を形成し、既設管を更生するための既設管補修方法に関する。
日本の下水道普及率は平均68%であり、都市部ではほぼ100%に近い普及率である。このような現状において、下水管の新設は一部地方を除いて殆どなくなり、既設の老朽化下水管の維持管理が重要なものとなっている。既設下水管の総延長は約36万kmであり、そのうち耐用年数が50年を越えた下水管は7000km以上となっている。また、今後、年間数千kmずつ増加する見込みである。
一般に、下水管など地中に埋設されている既設管は、設置からの年数の経過による様々な変形、例えば、ズレによる段差の発生や、径の変化などが生じることは不可避である。また、変形が生じなくても老朽化に伴って交換が必要になる。このような様々な事情から、老朽化既設管は、埋設から数十年後には新管と交換するか或いは何等かの補修が必要になる。
既設管の補修方法として、例えば特開平7−91567号公報(特許文献1)及び特開2003−301690号公報(特許文献2)に開示されているように、予め製造された新管ピースを既設管内に順次継ぎ足しながら挿入して既設管内に更生管を設け、更に、既設管と更生管との間の間隙に経時硬化性充填材を注入し硬化させて既設管と更生管とを一体化し、低下した既設管の機能を回復させる方法が提案されている。
特開平7−91567号公報 特開2003−301690号公報
上記従来の既設管補修方法によれば、上記のように既設管と更生管との間の間隙に経時硬化性充填材を注入し硬化させて既設管と更生管とを一体化し、低下した既設管の機能を回復させることができる。しかしながら、既設管にはひび割れや、継ぎ目部の隙間が生じている場合が多く、充填材注入時に充填材がこれらひび割れや隙間から漏れ出し、充填材が上記間隙内に満遍なく行き渡らなかったり、注入のための施工時間が長くなったり、流出した充填材が地盤を汚染したりする問題がある。また、充填材硬化後に、地震などの地変などにより、更生された既設管に変形や亀裂や段差や隙間が生じた場合、これら亀裂や段差や隙間から下水が流出したり、或いは地下水が既設管内へ流入してしまったりする事態が発生してしまう。
そこで、本願の出願人等は、上記更生管の形成に先立って既設管内に伸縮性、柔軟性、不透水性を有する円筒状膜を導入し、この円筒状膜の内側に上記更生管を形成し、この更生管と円筒状膜との間に上記充填材を注入することを提案している(例えば、特願2006−243073、特願2006−275185、特願2006−354212)。
上記円筒状膜は、上記経時硬化性充填材を円筒状膜と更生管との間の間隙に注入する際、充填材が既設管のひび割れ部や継ぎ目部から漏出しないように作用する。また、地震などの地変により、既設管や更生管に変形や亀裂や段差や隙間が生じた場合でも、上記円筒状膜はこれに追随して伸張あるいは変形し、それら隙間等を被覆乃至カバーすることができ、修理が行われるまでの応急的な密閉性を確保することができる。
既設管内への円筒状膜の導入は、例えば2つのマンホール間の既設管内へ導入する場合、一方の発進側マンホールから反転させつつ他方の到達側マンホールへ向けて押込んでいく方法、あるいは到達側マンホールから又はその逆に発進側マンホールから円筒状膜の先端部を牽引して引き込んでいく方法が上記先願で提案されている。
本発明の目的は、既設管内への円筒状膜の導入を、充填材の注入と共に効率良く行える既設管補修方法を提供することにある。
上記目的を達成する達成するため、請求項1に係る既設管補修方法は、補修対象の既設管内へ既製の新管ピースを順次継ぎ足しながら挿入することにより該既設管内に更生管を形成し、該更生管と上記既設管との間に経時硬化性の充填材を充填して上記既設管を補修する既設管補修方法において、
可撓性及び不透水性を有する円筒状膜の一端部の全周を上記既設管の一端側開口部の縁部全周に密着固定し、
上記新管ピースの挿入は、
上記円筒状膜の他端部を上記新管ピース内に挿通させた状態として行われ、
先頭の新管ピースの挿入は、その挿入方向前端部で上記円筒状膜を押して反転させつつ上記既設管の他端側まで前進移動させることで行われ、
後続の新管ピースの挿入は、前記新管ピースを押し移動させながら順次行われ、
上記充填材の充填は、
上記新管ピースの挿入動作中に、上記円筒状膜と新管ピースとの間の間隙に対して行われることを特徴とする。
この構成によれば、一端部の全周が既設管の一端側開口部の縁部全周に密着固定された状態の円筒状膜が、先頭の新管ピースの挿入方向前端部から、この先頭の新管ピース内を通り、既設管外部に配置した円筒状膜供給部へ延びているので、先頭の新管ピースを既設管内へ挿入する際、その挿入動作よって円筒状膜が先頭の新管ピースの内周側から外周側へ新管ピースの挿入方向前端部で反転して移行し、次いで後続の二番目以降の新管ピースを挿入する際も、その挿入動作によって先頭の新管ピースが前進移動せしめられるので、先頭の新管ピースの外周側への円筒状膜の移行が順次行われ、従って既設管内での更生管の形成と共に、既設管と更生管との間への円筒状膜の導入も同時に行われる。即ち、更生管の形成作業が円筒状膜の導入をも行い、円筒状膜の導入作業を別途行う必要がない。
また、円筒状膜と新管ピースとの間の間隙に対する充填材の注入は、新管ピースの挿入動作中に行われるので、この挿入動作によって新管ピースと既設管との間に生じる、新管ピースとほぼ同じ長さの比較的短い範囲の間隙に充填材を注入するように作業することができ、従って、充填材を間隙の隅々まで満遍なく行き渡らせることができる。従って、新管ピースで形成される更生管と既設管とが全体において確実に一体化され、更生後の既設管は所期の強度と性能を有するものになる。
請求項2に係る既設管補修方法は、上記先頭の新管ピースの挿入方向前方端部が、上記円筒状膜の反転動作を円滑に行うため滑らかな滑面とされたことを特徴とする。
この構成によれば、円筒状膜の反転が摩擦係数の小さい滑面で損傷することなく円滑に行われ、既設管と更生管との間へ導入される円筒状膜に求められる所期の作用が確実に得られる。
請求項3に係る既設管補修方法は、上記滑面が、上記先頭の新管ピースを軸線を含む面で切った断面で見て、弧状を呈していることを特徴とする。
この構成によれば、円筒状膜は、反転の際、上記滑面に均一に接した状態で案内され、従って偏重した力の作用を受けることなく円滑に反転される。
請求項4に係る既設管補修方法は、上記滑面が、上記新管ピース挿入方向前方端部に装着可能の反転用リングに形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、反転用リングを先頭の新管ピースの挿入方向前端部へ単に装着するだけで、当該先頭の新管ピースに簡単に有利な滑面をもたらすことができ、その際、円筒状膜の性状に相応しい材質の反転用リングを使用すれば、反転をより効果的に行うことができる。
請求項5に係る既設管補修方法は、上記先頭の新管ピースに、当該新管ピースの内側から外側に貫通するノズルを形成し、上記充填材の充填は、該ノズルに連結された管体を通して供給される充填材を該ノズルから上記新管ピースと円筒状膜との間に注入して行われることを特徴とする。
この構成によれば、新管ピースの挿入動作中に、既設管と先頭の新管ピースとの間に生じる間隙への充填材の注入が、上記ノズルから容易に行うことができ、しかも充填材の注入が上記間隙の至近から行われるので、充填材を上記間隙へ確実に満遍なく行き渡らせることができる。
請求項6に係る既設管補修方法は、上記先頭の新管ピースが、当該新管ピースの外周面の、上記ノズルより上記挿入方向前端部の側の位置に、当該新管ピースと上記円筒状膜とに密着する環状のシール材を有していることを特徴とする。
この構成によれば、既設管と先頭の新管ピースとの間に生じる間隙へ注入された充填材が、該間隙内に確実に留保される。
請求項7に係る既設管補修方法は、上記シール材が、流体を注入、排出することによって弾性的に膨張、収縮可能のチューブであることを特徴とする。
この構成によれば、上記先頭の新管ピースへのシール材の取付けを嵌装によって容易に行うことができ、また、上記先頭の新管ピースを既設管内へ挿入する際や該先頭の新管ピースを既設管内で移動させる際には、チューブを収縮させことにより挿入や移動が容易になり、充填材注入の際には、チューブを膨張させることにより円筒状膜に対する圧着の度合いを高め、上記間隙からの充填材の流出阻止作用を強化することができる。
請求項8に係る既設管補修方法は、上記円筒状膜の一端部の上記既設管一端側開口への密着固定が、上記既設管の一端側開口部に嵌合固定される嵌合部を有する環状エンドパッキンにより該円筒状膜の一端部が上記既設管の一端側開口部の縁部に挟まれるように行われることを特徴とする。
この構成によれば、既設管の一端側開口部に対する円筒状膜の一端部の全周に渡る密着固定を、環状エンドパッキンを使用することによって、簡単且つ容易に行うことができる。また、この環状エンドパッキンを使用することによって、充填材注入間隙の一端側を密閉し、既設管一端側からの充填材の漏出を容易に防止することができる。
請求項9に係る既設管補修方法は、上記先頭の新管ピースに代え、先端部外表面が滑らかな滑面となっている先導筒状体を用いることを特徴とする。
この構成によれば、先端部外表面が滑らかな滑面となっていて、充填材注入用の装置や充填材注入間隙を密閉するためのシール材を予め設備することのできる先導筒状体が先頭の新管ピースに代えて用いられるので、円筒状膜の最良の反転や、充填材の効果的注入を行うための準備が簡単に整えられ、既設管補修作業を迅速に進めることができる。
本発明によれば、既設管への新管ピースの挿入と同時に、その挿入移動によって円筒状膜の導入が行われ、また円筒状膜と新管ピースとの間の間隙への充填材の注入も新管ピースの挿入動作中に行われる。従って、円筒状膜の導入や、充填材の注入を別途行わない分、既設管補修作業に要する手間や、作業時間、作業コストが省け、既設管を更生するための補修作業が効率よく達成される。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態に係る既設管補修方法の補修対象として、図7に示したような一般的な構成の下水道施設を例に説明する。
図7に示すように、所定間隔を置いて設置されたマンホール101と102との間には既設管としての下水道本管100が配置されている。図示のように、老朽化下水導本管100には亀裂110、ひび割れ111、離脱部112などが発生している。以下の説明では、マンホール101が発進側マンホール、マンホール102が到達側マンホールとなっている。
以下に詳述するように、このような老朽化下水道本管100を補修するため、発進側マンホール101から下水道本管100内へ新管ピースが順次継ぎ足されて挿入され、この挿入が到達側マンホール102に達するまで行われて下水道本管100内に更生管が形成される。その際、下水道本管100とその内部に形成された更生管との間の間隙には円筒状膜が配置され、更にこの円筒状膜と更生管との間の間隙には充填材が注入される。
上記新管ピースは、所定の長さを有する、例えばヒューム管、合成樹脂管(例えば、PE管、PB管、塩ビ管)、陶管、鋼管等である。また、上記円筒状膜は、柔軟性、可撓性、伸縮性、不透水性、耐摩耗性及び所定の耐圧性を有し、材料としてはポリエステル、ポリエチレン、ナイロンなどの有機系樹脂材料が適しており、補強のためにガラスチップなどを混入させることも可能である。また、円筒状膜は、拡張した状態において少なくとも下水道本管100の内壁に密着しうる外径を有するように構成されている。充填材は、例えばセメントミルク、水ガラス、ベントナイト等、硬化時間、粘度が自由に調整可能の水硬化性材料である。
図1〜図4は、本発明による下水道本管補修方法の好ましい実施の形態を工程順に示している。
準備段階で、円筒状膜20が収納容器21から引き出され、次いで下水道本管内に更生管を形成するために準備された新管ピース40−n・・40−3,40−2,40−1内を通して下水導管100の一端側開口部100aのところまで引き延ばされる。また、充填材貯留槽31に接続されている充填材供給管30も同様に、管ピース40−n・・40−3,40−2,40−1内を通して下水道本管100の一端側開口部100aの付近まで延伸せしめられる。
新管ピース40−2〜40−nは、例えば、搬送車(図示せず)の上に積み重ねた状態で載置され、一つずつ発進側マンホール101内へ吊り下ろされる。図1では、先頭の新管ピース40−1が既にマンホール101内へ吊り下ろされている状態が示されている。なお、場所に余裕があれば、新管ピース40−2〜40−nは、図示のように、地面の上に並べて配列しておいてもよい。
このような準備作業を行った後、円筒状膜20の一端部の全周が下水道本管100の一端側開口部100aに密着固定される。この密着固定は、下水道本管100の一端側開口部100aに嵌合固定される嵌合部60aを有する環状エンドパッキン60を用いて、円筒状膜20の一端部が下水道本管100の一端側開口部100aの縁部に挟まれるように行われる。環状エンドパッキン60はゴム等の弾性材料で製作されており、その内径は新管ピース40−1〜40−nの外径よりも僅かに小径となされている。
先頭の新管ピース40−1には次のような装備が施されている。即ち、その内側から外側に貫通するノズル14が装着され、このノズルは上記充填材供給管30に接続されるようになされている。また、先頭の新管ピース40−1には、その外周面の、ノズル14より挿入方向前端部40−1aの側の位置に、環状のシール材15が装着されている。この環状のシール材15は、流体を注入、排出することによって弾性的に膨張、収縮可能の環状ゴムチューブより成っている。
また、先頭の新管ピース40−1の挿入方向前端部40−1aは滑らかな滑面とされており、この滑面は、好ましくは、先頭の新管ピース40−1を軸線の方向に切った断面で見て弧状を呈している。
図1に示すように、マンホール101内で下水道本管100と同軸的に配置された先頭の新管ピース40−1は、マンホール101内に配置された従来公知の押動装置、例えばジャッキ(図示せず)によって下水導管100へ押し進められる。その際、ノズル14は充填材供給管30に接続されており、環状ゴムチューブ15には空気圧縮器(図示せず)が接続されているが、環状ゴムチューブ15は収縮可能な状態になされており、高さが低い状態に変形可能である。従って、環状ゴムチューブ15は環状エンドパッキン60の開口部を容易に通過することができる。環状ゴムチューブ15が環状エンドパッキン60を通過した時点で環状ゴムチューブ15内には圧縮空気が供給され、膨張せしめられてその高さが高められ、円筒状膜20を介して下水道本管100の内周面に圧接される。
上記ジャッキにより矢印の方向に下水道本管100内へ押入される先頭の新管ピース40−1の挿入方向前端部40−1aは円筒状膜20に接触しており、この円筒状膜20はその先端が下水道本管100の発進側管口100aに固定されているため、円筒状膜20は、先頭の新管ピース40−1の挿入方向前端部40−1aによって、先頭の新管ピース40−1の前進距離に相当する長さ分だけ新管ピース40−1の外側へ反転移動せしめられ、同時に同じ長さ分だけ収納装置21から新たに引き出される。
先頭の新管ピース40−1の押動に伴って、下水道本管100と新管ピース40−1との間の間隙には円筒状膜20が配置されて行き、また円筒状膜20、環状エンドパッキン60、環状ゴムチューブ15によって画定された閉鎖間隙が次第に拡張されつつ形成される。この閉鎖空間の形成開始と同時にノズル14には充填材貯留槽31からポンプPにより充填材が供給され、吐出口14aから上記閉鎖間隙へ注入される。この注入は該閉鎖間隙の拡張に伴って行われ、従って充填材は形成される閉鎖間隙全体に充満する。
図2は新管ピース40−1の挿入が行われた後の状態を示しており、この挿入によって形成された閉鎖間隙80には注入した充填材が充満した状態になっている。充満した充填材の下水道本管100外への漏出は、円筒状膜20によって阻止される。
図3に示すように、新管ピース40−1の挿入後、発進側マンホール101内には、第2の新管ピース40−2が下ろされ、先頭の新管ピース40−1の後部に接続される。接続された第2の新管ピース40−2はジャッキにより押動され、下水道本管100内へ挿入される。図4は、第2の新管ピース40−2の挿入が終了したときの状態を示している。この挿入に伴う先頭の新管ピース40−1の前進移動によって、円筒状膜20はこの前進移動の距離分だけ新管ピース40−1の外側へ反転移行せしめられ且つ収納装置21から新たに引き出される。また、この先頭の新管ピース40−1の前進移動によって新たに生じた閉鎖間隙への充填材注入が同時に行われる。
同様にして、第3の新管ピース40−3(図4)及びそれ以降の新管ピースの挿入が到達側マンホール102に達するまで順次行われる。
上記各作業を完了した時点で、発進側マンホール101と到達側マンホール102との間の下水道本管100内には、接続された多数の新管ピースから成る更生管が形成され、この更生管と下水道本管100との間の間隙には、円筒状膜20と充填材とが配設された状態となる。
このように、円筒状膜20の配設が、更生管を形成する作業に伴って行われるので、その配設作業を別途行う必要がなく、下水道本管100の補修が少ない作業で効率良く行える。
充填材の注入は、上述のように、下水道本管100への各新管ピースの挿入の際にその都度発生する比較的短い範囲の間隙に対して行われるので、充填材をこの間隙に余すとこなく行き渡らせることができ、従って、この間隙に未充填の部分が残されることはない。従って、下水道本管と更生管は硬化後の充填材によって完全な一体物となされ、座屈するおそれのない強固な更生管が形成される。
また、地震などの地変により、下水道本管や更生管に変形や亀裂や段差や隙間が生じた場合でも、上記円筒状膜がこれに追随して伸張あるいは変形し、それら隙間等を被覆乃至カバーすることができ、修理が行われるまでの応急的な密閉性を確保することができる。
図5は、先頭の新管ピース40−1の挿入方向前方端40−1aに設けられる滑らかな滑面を、該挿入方向前方端に装着可能の反転用リング41により形成する場合を示している。図示のように、反転用リング41は、その前方部41aが、先頭の新管ピース40−1を軸線を含む断面で見て円弧状の滑面を有しており、後方部41bが先頭の新管ピース40−1の挿入方向前方端に嵌入するように形成されている。この反転用リング41は、円筒状膜20に対して摩擦係数の小さいプラスチック材料で製作される。この反転用リング41を先頭の新管ピース40−1の挿入方向前端部40−1aへ嵌着するだけで、該新管ピース40−1には有効な滑面が容易にもたらされる。
図6は、先頭の新管ピース40−1に代えて先導筒状体10を用いる場合を示している。この先導筒状体10は、先頭の新管ピース40−1と同様の外径を有し、先端部外表面10aが滑らかな滑面となっており、後端部10bは先頭の新管ピース40−1の先端部と結合するように形成されている。この先導筒状体10にはノズル14と環状ゴムチューブ15が、先頭の新管ピース40−1の場合と同様に設けられている。これらノズル14と環状ゴムチューブ15の作用は、先頭の新管ピース40−1に関して上述したものと同様である。
この先導筒状体10は鉄製であったり、あるいはプラスチックを成形して軽量に製作することができ、プラスチック製である場合には、搬送時や作業時に極めて取り扱いやすくなる。また、この先導筒状体10を使用すれば、先頭の新管ピース40−1にノズル14を設けたり、環状ゴムチューブ15を装着したりする必要はなく、更に、円筒状膜20の最良の反転や、充填材の効果的注入を行うための準備が簡単に整えられ、既設管補修作業を迅速に進めることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記実施の形態では、下水道本管100の補修の場合を例示しているが、本発明は、図7に示す取付け管103について実施してもよく、更に他の様々な既設管について実施することができる。
また、上記環状ゴムチューブ15に代えて、中実の環状ゴム帯を先頭の新管ピース40−1又は先導筒状体10の外周面上ヘ嵌着し、これら新管ピース又は先導筒状体が下水道本管100内へ挿入された後、両側方から圧縮して当該環状ゴム帯の半径方向高さを高くし、円筒状膜20へ圧接するようにしてもよい。
また、上記環状エンドパッキン60は、上記先頭の新管ピース40−1又は先導筒状体10を下水道本管100内へ一部挿入した後に、下水道本管100の一端側開口部100aに嵌合固定することができ、その場合には、環状エンドパッキン60を通過させて上記環状ゴムチューブ15や環状ゴム帯を推進させる必要がなく、これら環状ゴムチューブや環状ゴム帯の高さと環状エンドパッキンの開口径との関係にさほど注意を払う必要はない。
先頭の新管ピースを既設管内へ挿入する準備が整えられた状態を示す図である。 先頭の新管ピースを既設管内へ挿入した後の状態を示す図である。 第2の新管ピースを先頭の新管ピースの後部へ配置した状態示す図である。 第2の新管ピースを既設管内へ挿入した後の状態を示す図である。 先頭の新管ピースの挿入方向前方端に円滑な滑面を有する反転用リングを取り付けた場合の拡大尺軸線方向縦断面図である。 先頭の新管ピースに代えて用いられる先導円筒体の軸線方向縦断面を図5と同じ拡大尺で示す図である。 本発明に係る既設管補修方法を適用して更生される一般的な下水道設備の説明図である。
符号の説明
10 先導筒状体
14 ノズル
15 シール材(環状ゴムチューブ)
20 円筒状膜
30 充填材供給管
40−1〜40−n 新管ピース(40−1 先頭の新管ピース)
60 環状エンドパッキン
100 既設管(下水道本管)
101,102 マンホール

Claims (9)

  1. 補修対象の既設管内へ既製の新管ピースを順次継ぎ足しながら挿入することにより該既設管内に更生管を形成し、該更生管と前記既設管との間に経時硬化性の充填材を充填して前記既設管を補修する既設管補修方法において、
    可撓性及び不透水性を有する円筒状膜の一端部の全周を前記既設管の一端側開口部の縁部全周に密着固定し、
    前記新管ピースの挿入は、
    前記円筒状膜の他端部を前記新管ピース内に挿通させた状態として行われ、
    先頭の新管ピースの挿入は、その挿入方向前端部で前記円筒状膜を押して反転させつつ前記既設管の他端側まで前進移動されることで行われ、
    後続の新管ピースの挿入は、前記新管ピースを押し移動させながら順次行われ、
    前記充填材の充填は、
    前記新管ピースの挿入動作中に、前記円筒状膜と新管ピースとの間の間隙に対して行われることを特徴とする既設管補修方法。
  2. 前記先頭の新管ピースの挿入方向前方端部は、前記円筒状膜の反転動作を円滑に行うため滑らかな滑面とされたことを特徴とする請求項1に記載の既設管補修方法。
  3. 前記滑面は、前記先頭の新管ピースを軸線を含む面で切った断面で見て、弧状を呈していることを特徴とする請求項2に記載の既設管補修方法。
  4. 前記滑面は、前記新管ピース挿入方向前方端部に装着可能の反転用リングに形成されていることを特徴とする請求項3に記載の既設管補修方法。
  5. 前記先頭の新管ピースには、当該新管ピースの内側から外側に貫通するノズルが形成され、前記充填材の充填は、該ノズルに連結された管体を通して供給される充填材を該ノズルから前記新管ピースと円筒状膜との間に注入して行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設管補修方法。
  6. 前記先頭の新管ピースは、当該新管ピースの外周面の、前記ノズルより前記挿入方向前端部の側の位置に、当該新管ピースと前記円筒状膜とに密着する環状のシール材を有していることを特徴とする請求項5に記載の既設管補修方法。
  7. 前記シール材は、流体を注入、排出することによって弾性的に膨張、収縮可能のチューブであることを特徴とする請求項6に記載の既設管補修方法。
  8. 前記円筒状膜の一端部の前記既設管の一端側開口への密着固定は、前記既設管の一端側開口部に嵌合固定される嵌合部を有する環状エンドパッキンにより該円筒状膜の一端部が前記既設管の一端側開口部の縁部に挟まれるように行われることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の既設管補修方法。
  9. 前記先頭の新管ピースに代え、先端部外表面が滑らかな滑面となっている先導筒状体を用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の既設管補修方法。
JP2007161785A 2007-06-19 2007-06-19 既設管補修方法 Expired - Fee Related JP5025346B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007161785A JP5025346B2 (ja) 2007-06-19 2007-06-19 既設管補修方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007161785A JP5025346B2 (ja) 2007-06-19 2007-06-19 既設管補修方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009002391A JP2009002391A (ja) 2009-01-08
JP5025346B2 true JP5025346B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=40319000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007161785A Expired - Fee Related JP5025346B2 (ja) 2007-06-19 2007-06-19 既設管補修方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5025346B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5280699B2 (ja) * 2008-02-05 2013-09-04 吉佳エンジニアリング株式会社 既設管補修方法
JP6423819B2 (ja) * 2016-05-27 2018-11-14 明石セミシールド建設株式会社 既設管の更生方法及び既設管の更生構造

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4118940A (en) * 1977-08-23 1978-10-10 Beane Frank Thomas Drain line and method of installing
JP2652655B2 (ja) * 1988-04-01 1997-09-10 タキロン株式会社 既設管の内面ライニング方法
JP3251106B2 (ja) * 1993-09-21 2002-01-28 積水化学工業株式会社 管の布設方法
DE19858006C1 (de) * 1998-12-16 2000-08-10 Bilfinger Berger Bau Container mit einer Vorrichtung zum Ausladen und Absenken von Rohren
JP3987369B2 (ja) * 2002-04-11 2007-10-10 鹿島建設株式会社 既設管きょの更生管の敷設工法および敷設装置
JP4991221B2 (ja) * 2006-09-07 2012-08-01 吉佳エンジニアリング株式会社 既製ライニング管挿入装置及び該装置を用いた既製ライニング管挿入工法
JP4938407B2 (ja) * 2006-10-06 2012-05-23 吉佳株式会社 既設管補修工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009002391A (ja) 2009-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11555572B2 (en) Device and method for repairing pipe
AU2011217949B2 (en) Liner assembly for lining the junction between a main pipe and a lateral pipe and method of repairing a damaged pipe junction
AU2003221371A1 (en) Method of repairing flow passage
US20130098535A1 (en) Method and apparatus for forming a coating on a lining of a conduit in situ
JP5025346B2 (ja) 既設管補修方法
JP4755581B2 (ja) 管路形成用既製管材
US20200370699A1 (en) Device and Method for Repairing Pipe
AU2018232892B2 (en) Device and method for repairing pipe
JP5344784B2 (ja) さや管推進工法
JP3845664B2 (ja) 裏込め注入装置及び裏込め注入工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120619

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5025346

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees