JP3251106B2 - 管の布設方法 - Google Patents

管の布設方法

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JP3251106B2 JP23468293A JP23468293A JP3251106B2 JP 3251106 B2 JP3251106 B2 JP 3251106B2 JP 23468293 A JP23468293 A JP 23468293A JP 23468293 A JP23468293 A JP 23468293A JP 3251106 B2 JP3251106 B2 JP 3251106B2
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成芳 芝原
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は管の布設方法に関し、パ
イプインパイプ工法により老朽下水道管を更生する場合
に有用なものである。
【0002】
【従来の技術】下水道管が老朽化すると、流水能が低下
し、遂には、土砂崩れによる閉塞が招来されるに至る。
【0003】従って、下水道管の使用が不能となる以前
の適時に、下水道管を更生する必要があり、その工法の
一つとして、老朽下水道管内に新管を挿入布設するパイ
プインパイプ工法が知られている。この場合、新管の内
径を可能な限り既設の下水道管内径に等しくして従前の
通水量を確保することが要求され、かかるもとでは、既
設下水道管内での新管の接続が不可であり、新管を立坑
内で接続しつつ既設の老朽下水道管内に挿入する工法が
施用されている。
【0004】このパイプインパイプ工法においては、既
設の老朽下水道管の内面がその老朽化のために、高摩擦
抵抗となっており、新管をそのまま圧入すると大なる圧
入力を必要とし、作業の困難化、新管の座屈破断、老朽
下水道管の破壊等が避けられないので、新管を運搬台車
を使用して挿入したり、新管に車輪付きバンドを巻着
し、新管に外周方向に一定間隔ごとに車輪を取り付けて
(実開昭62−41982号公報)、挿入作業の容易化
を図っている。
【0005】この場合、運搬台車または車輪が既設老朽
下水道管内に残されたままとなり、新管外面と老朽下水
道管内面との間にギャップが生じるので、このギャップ
を注入剤、例えば、モルタルで充填し、特に、運搬台車
を使用する場合は、新管が注入モルタルで浮き上がり新
管頂上が下水道管内頂上面に接触して、その間がモルタ
ルレスとなるのを防止するために、新管に浮上りストッ
パ−を取り付けている(上記車輪付きバンド使用の場合
は、新管の頂上側に位置する車輪が浮上りストッパ−と
しての役目を果たしている)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、パイプインパ
イプ工法においては、既設老朽下水道管の内面の上端と
新管との間隔が浮上りストッパ−の高さによって制せら
れ、浮上りストッパ−の高さが一様である以上、新管の
延設状態が既設老朽下水道管内面の頂上面に並行に追従
することになる。
【0007】而るに、老朽下水道管においては、管路の
施工後での不等沈下等による屈曲のために、部分的に所
定の自然流下勾配が保持されていないことが往々にして
ある。従って、新管がかかる自然流下勾配を逸脱した老
朽下水道管の内面に追従して延設される以上、新管にお
いても、依然として自然流下勾配の条件を満たし得ず、
満足に下水道管を更生することができない。
【0008】本発明の目的は、老朽化した既設の下水道
管をパイプインパイプ工法により自然流下勾配をも含め
て更生できる管の布設方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の管の布設方法
は、既設外管内に挿入する内管に管受け部材並びに浮上
りストッパ−を取付け、この内管を接続しつつ上記の外
管内に挿入する方法において、各内管または所定本数ご
との内管の上記管受け部材並びに浮上りストッパ−の取
付けを、支持軸を介し、かつ内管内からの該支持軸の軸
方向移動調節を可能にして行い、上記外管内への一連の
内管の挿入後、内管内から上記支持軸の移動調節を行
い、これらの支持軸で支持された管受け部材並びに浮上
りストッパ−の内管外面からの突出高さを調整すること
によって内管の外管に対する位置調整を行い、而るの
ち、外管と内管との間に注入剤を充填することを特徴と
する構成であり、通常管受け部材には車輪が使用され
る。
【0010】
【作用】内管に取付けた車輪並びに浮上りストッパ−の
うち、支持軸の軸方向移動調節を内管内から行い得るよ
うにした車輪並びに浮上りストッパ−に対し、外管内へ
の一連の内管の挿入を終了した後、その支持軸の移動調
節を内管内から行い、当該支持軸で支持した車輪並びに
浮上りストッパ−の内管外面からの突出高さを調整する
ことにより、内管の傾きを調整できる。従って、既設の
老朽外管に、自然流下勾配に対し逆勾配となっている箇
所があっても、その箇所の内管部分の勾配を調整して所
定の下り勾配にし、既設の老朽外管を自然流下勾配の面
からも更生できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1の(イ)は本発明において使用する管受け
部材としての車輪並びにその管受け部材の内管への取付
け構造の一例を示している。
【0012】図1の(イ)において、1は内管であり、
FRP内外層間に樹脂モルタル層を設けた複合FRP管
を使用することができる。21は貫通螺子孔211を有
する螺子孔付金具であり、内管1に孔11を貫設し、こ
の孔11に当該螺子孔付金具21を接着剤13により固
着してある。この接着剤による固着に代え、当該螺子孔
付金具21を複合FRP管にその成形時に埋め込むこと
も可能である。2は車輪、23は車輪の台板、24は台
板23に一端を回転可能に結合した支持軸であり、螺子
溝241を刻設し、上記螺子孔付金具21の螺子孔21
1に螺合してある。242は支持軸24の他端に設けた
六角穴である。25は螺子孔付金具24の螺子孔241
に対する防水栓(例えば、ゴム製)または防水充填剤で
ある。
【0013】図1の(イ)に示す車輪の取付構造によれ
ば、内管1内において、支持軸24の他端の六角穴24
2にレンチを嵌合し、該レンチによる支持軸24の回転
並びに軸方向移動中、軸方向移動のみを回転可能な結合
部26を介し車輪2に伝達して内管外面からの車輪2の
突出高さを調整でき、この調整後、その螺子孔211を
防水栓25の嵌合等によりシ−ルできる。
【0014】図1の(ロ)は本発明において使用する浮
上りストッパ−並びにその浮上りストッパ−の内管への
取付構造を示している。図1の(ロ)において、3は浮
上りストッパ−であり、滑り板31の両サイドに図2に
示すように支持軸24を溶接等により固定してある。3
2は受け金具であり、上端部内面を平滑とし、残る内面
に螺子溝321を刻設した支持管322を図2にも示す
ように2本、溶接等によりサドル323に固定し、これ
らの支持管322,322の間をブリッジ324で連結
した構成であり、内管1に支持管端部の受容孔11を貫
設し、この孔11に支持管端部321’を接着剤12等
により固定すると共にサドル323を内管1の外面に接
着剤12等により固着してある。33は螺子式移動子で
あり、一端に上記支持軸24を回転可能に結合し、支持
管322の螺子溝321に螺合してある。242は螺子
式移動子33の他端に設けた六角穴である。25は支持
管322の螺子孔321に対する防水栓(例えば、ゴム
製)または防水充填剤である。
【0015】この浮上りストッパ−の取付構造において
も、内管1内から螺子式移動子33の他端の六角穴24
2にレンチを嵌合し、該レンチによる螺子式移動子33
の回転並びに軸方向移動中、軸方向移動のみを回転可能
な結合部26を介し浮上りストッパ−3の支持軸24に
伝達して内管1の外面からの浮上りストッパ−3の突出
高さを調整でき、この調整後、その支持管322軸の螺
子孔321を防水栓25の嵌合等によりシ−ルできる。
【0016】本発明は、パイプインパイプ工法により既
設の老朽下水道管を新管の挿入により更生する場合に好
適に使用できる。本発明を使用してパイプインパイプ工
法により既設の下水道管を更生するには、新管の両端に
管受け部材並びに浮上りストッパ−を上記した取付構造
により予め、例えば工場内で取付け、これを工事現場に
搬送する。
【0017】図2は新管両端の各端での車輪2並びに浮
上りストッパ−3の取付け状態を示し、新管1の底部側
に2箇の車輪2が200〜450の角度を隔てて取付けら
れ、新管1の頂上に浮上りストッパ−3が取付けられて
いる。
【0018】図3において、4は既設の老朽下水道管
を、41は発進立坑を、42は到達立坑をそれぞれ示
し、発進立坑41内に架台43を組立て、該架台43上
に油圧ジャッキ5を設置してある。
【0019】本発明により既設の老朽下水道管4を更生
するには、上記車輪2並びに浮上りストッパ−3を取付
けた新管1を図3に示すように、発進立坑41内に搬入
し、この搬入新管を油圧ジャッキ5で押圧して既に老朽
下水道管内に挿入した最後尾の新管1aに、例えば、図
4に示すようにカラ−61と接着剤62とにより接合す
ると共に同新管1を老朽下水道管4内に挿入し、かかる
新管の接合と老朽下水道管内への挿入を、最前の新管1
bがは到達立坑42に達するまで繰り返していく。
【0020】上記において、例えば、内径1200mm
の老朽下水道管に対し、外径1000mmの新管が使用
され、車輪並びに浮上りストッパ−の新管外面からの突
出高さは、この内外径差200mmを基準にして設定さ
れる。
【0021】既設の老朽下水道管内への一連の新管の挿
入を終了すれば、延設新管の勾配状態を適宜の手段で検
査し(例えば、透明ホ−スを引込み、このホ−ス内での
水の自然流下状態を検査する)、自然流下状態の悪い逆
勾配箇所において、新管内より前記レンチの操作により
車輪2と浮上りストッパ−3の突出高さを調整し、その
逆勾配箇所を所定の自然流下勾配に修正する。
【0022】このようにして、延設新管の自然流下状態
の悪い逆勾配箇所を所定の自然流下勾配に修正したのち
は、発進立坑41または到達立坑42内から老朽下水道
管と新管との間にモルタル等の注入剤ををに注入し、こ
の注入剤の固化をまって更生工事を終了する。
【0023】上記において、浮上りストッパ−には、図
5に示すように、一本の棒状体3を螺子式移動子33に
回転自在に結合したもの、あるいは、一体化したものを
使用することもできる。また、車輪式とすることもでき
る。
【0024】上記において、新管の接合部の曲げ剛性が
大であれば、数本の新管(1〜2本)を隔てた2箇所で
車輪並びに浮上りストッパ−の突出高さを調節しても、
その数本の新管を含めたその2箇所間の全新管の勾配調
整が可能であり、従って、新管の接合部の曲げ剛性を大
にすれば、新管の所定本数ごとに、車輪並びに浮上りス
トッパ−を前記した、突出高さが調整可能なように取付
け、他の新管に対しては、図6の(イ)並びに(ロ)に
示すように、新管1に接着剤により接着または埋着した
螺子孔付金具21に、車輪2の台座23の直結軸231
や浮上りストッパ−3を直接に螺結すること、或いは、
既述した車輪付バンド(実開昭62−41982号公
報)を使用することもできる。
【0025】上記の実施例においては、新管外面に対す
る管受け部材並びに浮上りストッパ−の突出高さの調整
手段として、螺子式ジャッキ機構を使用しているが、そ
の調整手段はかかる構造のみに限定されるものではな
い。
【0026】
【発明の効果】本発明の管の布設方法は、上述した通り
の構成であり、既設外管、例えば既設の老朽下水道管内
に挿入する新管(内管)に管受け部材並びに浮上りスト
ッパ−を取付け、この新管を接続しつつ上記の外管内に
挿入する場合、管受け部材並びに浮上りストッパ−の新
管外面からの突出高さを新管内から調整可能としている
から、老朽下水道管の勾配が部分的に自然流下に対し逆
勾配となっていても、その箇所での新管の勾配を管受け
部材並びに浮上りストッパ−の突出高さの調整により自
然流下に適した勾配になし得、既設の老朽下水道管を自
然流下勾配をも含めて良好に更生できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(イ)は本発明において使用する、突出
高さを調節可能とした管受け部材の内管への取付け構造
の一例を示す説明図、図1の(ロ)は同じく突出高さを
調節可能とした浮上りストッパ−の内管への取付け構造
の一例を示す説明図である。
【図2】本発明において使用する、管受け部材並びに浮
上りストッパ−を突出高さを調節可能に取付けた内管を
示す正面図である。
【図3】本発明の管の布設方法を示す説明図である。
【図4】本発明において使用する内管の接続部の一例を
示す説明図である。
【図5】本発明において使用する、突出高さを調節可能
とした浮上りストッパ−の別例を示す説明図である。
【図6】図6の(イ)は本発明において一部の内管に使
用することのできる突出高さが固定の車輪の内管への取
付け構造の一例を示す説明図、図6の(ロ)は同じく突
出高さが固定の浮上りストッパ−の内管への取付け構造
の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 内管 2 管受け部材(車輪) 24 支持軸 3 浮上りストッパ− 4 既設外管 5 油圧ジャッキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−10476(JP,A) 特開 平7−42874(JP,A) 特公 平1−15758(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既設外管内に挿入する内管に管受け部材並
    びに浮上りストッパ−を取付け、この内管を接続しつつ
    上記の外管内に挿入する方法において、各内管または所
    定本数ごとの内管の上記管受け部材並びに浮上りストッ
    パ−の取付けを、支持軸を介し、かつ内管内からの該支
    持軸の軸方向移動調節を可能にして行い、上記外管内へ
    の一連の内管の挿入後、内管内から上記支持軸の移動調
    節を行い、これらの支持軸で支持された管受け部材並び
    に浮上りストッパ−の内管外面からの突出高さを調整す
    ることによって内管の外管に対する位置調整を行い、而
    るのち、外管と内管との間に注入剤を充填することを特
    徴とする管の布設方法。
  2. 【請求項2】管受け部材が車輪である請求項1記載の管
    の布設方法。
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