JP4638288B2 - さや管推進工法 - Google Patents
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Description
例えば、ダクタイル鋳鉄管を用いた管路の構築(埋設)や旧管路の布設替え(更新)は、一般的には、地面を開削して管を埋設する開削工法が採用される。
しかし、近年の交通事情や、都心部等での複雑な管路の構築により、開削工法による管路の新規構築や旧管路の布設替えが困難な状況となっている。そのため、開削工法に代わる方法として、さや管推進工法やパイプインパイプ工法が採用されている。
なお、このパイプインパイプ工法における既設管等もさや管1の一つであるため、この明細書(「特許請求の範囲」も含む)においては、図21に示す、上記さや管推進工法、パイプインパイプ工法等のように、さや管1の中に新管2を推進挿入して二重管構造とする工法を、特に特定しない限り、総称して「さや管推進工法」と言う。
また、継手について、近年、耐震性が要求され、その耐震管継手は、一般的には、受口2bに対し挿し口2aが所要範囲において伸縮可能(抜き挿し可能)な構造のものであり、PII形、S形、NS形、SII形等がある。
また、PII形継手による新管2の挿入力は、受口2b端面側のロックリング4とその溝6端面の当接によって伝達されるため、その挿入力が大きくなると、ロックリング4が捩れ破損する等の恐れがあって、円滑な推進がされない恐れがある。このため、発進坑Sと到達坑Tの間隔の長い場合等の大きな推進力が働く場合には、挿し口2aの外周面にリブを別途に溶接などにより固定し、そのリブを受口2bの端面に当接させて推進力を伝達するようにしている。そのリブの取り付けは煩雑である。
この構造の耐震管継手におけるさや管推進工法においては、地中Wに埋設されたさや管1内にその一端から他端に向かって新管2を継ぎ合せつつ順次挿入する際、新管2の挿し口2a外周面に推進力伝達材を設け、この推進力伝達材により、前記挿し口2aを抜けない範囲で動き得る所要長さの中程に維持して推進し、地震などによりその推進力よりも大きな押圧力が作用したときには、その押圧力が前記推進力伝達材の維持力より勝り、前記挿し口を抜けない範囲で動き得る所要長さの中程の維持が解放されて挿し口2aが受口2bにさらに押し込まれるようにしている(特許文献2参照)。
この技術は、さや管1内の閉塞を維持した状態で、新管2をさや管1内に挿入しなくてはならないため、その挿入部分の閉塞は、さや管1内面全周に膨縮チューブを設けたり(特許文献3)、さや管1の軸方向前後の内面全周にフラップ状のシール板を設け(特許文献4)、そのチューブ又はシール板の新管2外周面への摺動圧接によって行っている。
このため、さや管推進工法に比べてパイプインパイプ工法は、推進力の予測が困難であり、特に、推進力伝達材を用いた耐震管継手における推進工法では、その推進力伝達材による耐震管継手の胴付き間隔(押し込み代)の確保が困難である。
しかし、作業手順上、新管2先端をさや管1の発進坑S側端に挿入する前に、浮力材をさや管1内に注入したい場合もあり、また、キャップ付の新管をさや管1の発進坑S側端に挿入してその端を確実に閉塞することは、新管の重量等から容易ではない。
このように、キャップのみを先にさや管に嵌めてその一端を閉塞すれば、さや管の他端が閉塞されれば、新管先端をさや管の発進坑側端に挿入する前に、さや管に浮力材を注入できるなどの作業の選択の幅が広がるとともに、そのさや管一端の閉塞作業も容易となって、作業性が向上する。
先に、さや管にキャップを嵌めても、新管のそのキャップへの嵌め込みの際、キャップがさや管内に挿し込まれては、その嵌め込みがうまくいかない。このため、キャップのさや管内への挿し込みを防止することは意義がある。
このとき、突起の着脱自在の取付け手段としては、突起をビス止めすることが一般的であり、その際、必要数の突起をキャップの外周面の周囲所要間隔、好ましくは等間隔に設けたり、突起を、キャップの外周面に嵌るリングで構成するなどを採用できる。
発進坑Sと到達坑Tは、既設管1の埋設時と同一個所に形成しても良いが、道路の側部等の形成し得る所であれば、任意である。さや管1に挿入される新管2の先頭管先端には円錐状のキャップ30を嵌めて閉塞され、新管2内に浮力材aが流入しないようになる。
その推進は、上述の図21に記載の手段、特許文献5に記載の手段、特願2004−213203に記載の手段などの各種の手段を採用する。
また、膨縮チューブ12a、12bへの給排流体bとしては、空気の他に水等でも良い。水の場合には、地上部に水槽を設置し、その水頭差により、膨縮チューブ12a、12b内の圧力を一定に保持すれば、受口2b部が通過しても膨縮チューブ12a、12bのその受口2bとの面圧が一定となり、空気のように圧力負荷、エアー抜き(給排)の工程が不要となる。空気の場合には、一定圧となるアキューム機構を付与するとよい。
この液面レベルは、新管2の軸心がさや管1の軸心より少し下方とする等、新管2がさや管1内面に摺動しても、新管2を推進し得るようにする。
ゴムリング13が受口2b部に圧接する限り浮力材aの漏れは防止され、受口2b部が前側膨縮チューブ12aに至る前に、その前側膨縮チューブ12aのホース14の三方弁によりその内の空気bを排出させつつ、その受口2b部をそのゴムリング13の内に挿入摺動させる(同図(d))。
このようにすれば、さや管1と新管2外径の間隙に関係なく、膨縮チューブ12aなどの設置スペースを確保できるため、さや管1内径と新管2外径の間の空隙が狭く、十分な止水性能を期待できない場合に有効である。
この注入管44を使用する場合は、同図に示すように、止水機構10の円筒管11は、さや管1の外面に設けて、さや管1と新管2の間隙が広く確保できる態様が好ましい。
このとき、前者では、受口2b部から膨縮チューブ12が離れる時に、その供給量を調整して、その膨縮チューブ12が直管部外周面に圧接するようにし、受口2b部に膨縮チューブ12が登る時には流体bを開放してもよく、後者は、受口2b部に膨縮チューブ12が登る時に、その供給量を調整して、その膨縮チューブ12が受口部外周面に圧接するようにし、受口2b部からゴムリング13が離れるまでに、膨縮チューブ12に流体bを供給して直管部に圧接して漏れをなくすようにする。
また、治具20の形状は、図示に限られず、例えば、片落管などとすることもできる。さらに、さや管1の他端側(治具20側)は、図5(a)に示すキャップ30付止水機構10と同一構造により閉塞することもできる。この場合、その止水機構のキャップはキャップ30より大径としてそのキャップへの新管挿し口2a(キャップ30)の嵌り込みで芯出しを行うこととなる。
このキャップ30の外周面には図20に示す挿込み防止リング35が固定される。このリング35は、同図に示すように、2つ割り部材35a、35bからなり、その両部材35a、35bをボルト36により締結して構成され、周囲のねじ孔37にビス(ボルト)38をねじ通してその先端をキャップ30外周面に圧接することによりキャップ30に取付けられる。各ビスのねじ込み度合を調整することにより、このリング35とキャップ30の調芯等を行ない得る。
このキャップ30の取付け状態は、キャップ30の筒状部31の後方が円筒管11端面から発進坑S側へ突出するように支持され、その支持状態から筒状部31外面に新管挿し口2aを挿入すると、防止リング35によりキャップ30のさや管1内への挿込みが阻止されてその新管2がキャップ30に接続されると共に、前記溝32内のパッキング134により両者2a、30の水密性が維持される。
また、キャップ30は、その後面を、同図鎖線のように蓋34aで閉塞したものとすることができる。
図2等に示すキャップ30は、新管2が内側に嵌るため、上記支持棒32aは、図2鎖線のような下側等の新管2の外面に当接する位置とすることとなる。
フラップ112bの厚み・長さ(軸心に向く長さ)、リング112cの径は、撓み度、圧接度(水密度)を考慮して適宜に設定すればよいが、フラップ112bの厚みは、柔軟な撓みを得ることができ、かつリング112cの保持ができる限りにおいて薄い方が好ましい。
この止水部材12は、図15に示すように、その筒状部112aを円筒管11内面に当てがい、その内面に、図19に示す一つ割開き勝手のリング状止め具114を当てて、ビス115により円筒管11に取付ける。
このとき、リング112cは、フラップ112b先端縁より大径のため、フラップ112bの撓みに影響されにくく、フラップ112bが摺動するキャップ30又は新管2外周面の大きさ(径)変化・振れに柔軟に対応して撓んでも、そのキャップ30又は新管2外周面への確実な圧接を維持して水密性を担保する。図15中、11cはパッキング、11dは円筒管11のさや管1への締結用ビスである。止水部材112の内面(新管2・キャップ30との摺動面)には滑材を塗布すると良い。
このさや管1への流体の送り込みによる軸心C2のレベル調整は、浮力材aの液面レベル変動を吸収できるため、さや管1と新管2の間への充填材を浮力材aが兼ねる場合には、有利である。例えば、その浮力材aの注入量を、新管2のさや管1への装填が終了した段階(図8(d)の状態)で、さや管1内に浮力材aが充満しているように設定することができる。このとき、その充満する浮力材aの注入量は、当初(図5(a))からでも途中でも良い。
さらに、新管2の挿入推進は、到達坑T側から行うこともできる。
また、上記実施例は、さや管1は既設管に限らず(パイプインパイプ工法に限らず)、ヒューム管や鋼管を新たに埋設した上記さや管推進工法に採用できることは言うまでもない。
2 新管
3 止水ゴム輪
4、4a、4b ロックリング
8 推進力伝達材
10 さや管発進坑側止水機構
11 止水機構の円筒管
12、112 止水部材(膨縮チューブ、フラップ付ゴムリング)
13 ゴムリング(弾性チューブ)
14 膨縮チューブへの流体給排用ホース
15a 給排弁
20 さや管到達坑側止水兼芯出し用治具
21 止水蓋
30 最先新管挿し口用キャップ
35 キャップ挿し込み防止用リング
35a、35b キャップ挿し込み防止用リングの2分割部材
37 キャップ挿し込み防止用リングのねじ孔
38 キャップ挿し込み防止用リング用ビス
a 浮力材
b 膨縮チューブの膨縮用流体(空気)
Claims (3)
- 地中(W)に埋設されたさや管(1)内にその一端(S)から他端(T)に向かって新管(2)を継ぎ合せつつ順次挿入する際、前記さや管(1)の両端を閉塞し、そのさや管(1)内に浮力材(a)を注入して前記新管(2)に浮力を与えて、その新管(2)とさや管(1)間の摩擦を低減したさや管推進工法において、
上記さや管(1)一端内面にキャップ(30)を嵌めてその一端を閉塞した後、そのキャップ(30)の外面に着脱可能に設けた突起を前記さや管(1)の一端に係止させることにより、そのキャップ(30)のさや管(1)内への挿し込みを防止しつつ、最先の新管(2)の先端をそのキャップ(30)に水密に嵌め、その後、前記突起をキャップ(30)から外して前記さや管(1)一端の閉塞を維持しつつ、その新管(2)をキャップ(30)とともにさや管(1)に挿入することを特徴とするさや管推進工法。 - 上記突起を、上記キャップ(30)の外周面にリング(35)を嵌めてねじ止めして構成したことを特徴とする請求項1に記載のさや管推進工法。
- 請求項2に記載のさや管推進工法に使用される上記リング(35)であって、2つ割りされ、その分割面をつき合わせてねじ止めされた2部材(35a、35b)からなり、そのねじ止めされて一体となった環状の2部材(35a、35b)の周囲には、その周方向等間隔に径方向のねじ孔(37)が貫通して形成されており、そのねじ孔(37)にねじ(38)をねじ通してその先端をキャップ(30)の外周面に当接することにより、リング(35)をキャップ(30)に取付けたさや管推進工法におけるキャップのさや管内への挿し込み防止用リング。
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