JP2007001301A - ハニカム複合膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有する複合膜である。ハニカム構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである態様、ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有する態様、ハニカム構造を有するフィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する態様、ハニカム構造を有するフィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ該ハニカム構造を有するフィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する態様、などが好ましい。
【選択図】図1A
Description
前記フィルムの微細パターニングについては、マスクを用いた蒸着法、光化学反応、並びに重合反応を用いた光リソグラフィー技術、レーザーアブレーション技術などの種々の方法が知られており、実用化もされている。
この場合、光リソグラフィーを中心としたマイクロ加工技術を用いた版を作製し、その版の構造を基材に転写する方法が主流である(特許文献5参照)。
このため、微細な構造を自己会合的に形成することで、規則正しい微細構造を有する自己組織化を応用して、微細構造を有する自己組織化構造体(ハニカム状多孔質フィルム)を作製するボトムアップ方式が提案されている。
<1> ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有することを特徴とするハニカム複合膜である。
<2> ハニカム構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである前記<1>に記載のハニカム複合膜である。
<3> ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<4> ハニカム構造を有するフィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<5> ハニカム構造を有するフィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ前記ハニカム構造を有するフィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<6> 仮支持体の表面の水接触角が2〜120°である前記<1>から<5>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<7> ハニカム構造を有するフィルムが延伸されている前記<1>から<6>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<8> 延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<7>に記載のハニカム複合膜である。
<9> ハニカム構造を有するフィルムの表面に金属層を有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<10> 金属層における金属が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種である前記<9>に記載のハニカム複合膜である。
<11> ハニカム構造を有するフィルムにおける空孔内に屈折率制御材料が充填されている前記<1>から<10>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<12> フィルム材料が、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>から<11>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<13> 両親媒性化合物が、両親媒性ポリマーである前記<12>に記載のハニカム複合膜である。
<14> 仮支持体及び剥離層を剥がして使用する前記<3>から<13>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<15> 位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料及び制振材料から選択されるいずれかに用いられる前記<1>から<14>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<16> 仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
該剥離層上及び支持体上のいずれかに有機溶媒と高分子化合物とを含む液をキャストし、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するハニカム状多孔質フィルムを作製するフィルム作製工程とを含むことを特徴とするハニカム複合膜の製造方法である。
<17> ハニカム状多孔質フィルムを延伸する延伸工程を含む前記<16>に記載のハニカム複合膜の製造方法である。
<18> ハニカム状多孔質フィルムの表面に金属層を形成する金属層形成工程を含む前記<16>から<17>のいずれかに記載のハニカム複合膜の製造方法である。
前記ハニカム構造を有するフィルムは、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムであることが好ましい。
また、前記ハニカム構造体が形成される機構については、以下のように推測される。疎水性有機溶媒が蒸発する際に潜熱を奪われ温度が下がった溶媒表面で水が凝結して微小液滴となり、ポリマー溶液表面に付着する。ポリマー溶液中の親水性部分の働きによって、水と疎水性有機溶媒の間の表面張力が減少し、水滴が凝集して1つの塊に融合するのを防止する。溶媒蒸発と周囲からの補填に基づく溶媒の流れにより液滴が移送・集積され、更に横毛管力により最密充填される。最後に水が蒸発してポリマーが規則正しくハニカム状に並んだ形として残る。
本発明のハニカム複合膜は、ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有してなり、接着層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記ハニカム構造を有するフィルムは、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムであることが好ましい。
前記仮支持体は、例えば、通常取り扱う室温でゴム状の柔らかなポリマー支持体を用いたり、ハニカム状多孔質フィルムと熱圧着することにより、剥離層を設けずに剥離可能としてもよいが、取り扱いを更に容易にする観点からは、ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有することが好ましい。
また、前記ハニカム複合膜としては、ハニカム構造を有するフィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ該ハニカム構造を有するフィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する態様が好ましい。
また、前記ハニカム複合膜としては、例えば、図1Cに示すように、仮支持体1と、該仮支持体上に剥離層2と、該剥離層上にハニカム状多孔質フィルム3と、該ハニカム状多孔質フィルム上に支持体4とを有する。
そして、図1A〜図1Cによれば、ハニカム複合膜における仮支持体及び剥離層を剥がして使用することができる。
前記ハニカム構造を有するフィルムにおけるフィルム材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種が好適である。
前記両親媒性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマー、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、などが挙げられる。
前記疎水性側鎖は、アルキレン基、フェニレン基等の非極性直鎖状基であり、エステル基、アミド基等の連結基を除いて、末端まで極性基やイオン性解離基などの親水性基を分岐しない構造であることが好ましい。該疎水性側鎖としては、例えば、アルキレン基を用いる場合には5つ以上のメチレンユニットからなることが好ましい。
前記親水性側鎖は、アルキレン基等の連結部分を介して末端に極性基やイオン性解離基、又はオキシエチレン基などの親水性部分を有する構造であることが好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はないが、例えば、一般式(I)で表される化合物などが挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数1〜40の無置換アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、tert−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基、トリコシル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数1〜40の置換アルキル基における置換基としては、例えば、アルコキシル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボンエステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が挙げられる。具体的には、例えば、ベンジル基、β−フェネチル基、2−メトキシエチル基、4−フェニルブチル基、4−アセトキシエチル基、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、ヘプタデシルフルオロオクチル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、2−(燐酸ジフェニル)エチル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、7−オクテニル基、9−デセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルケニル基としては、例えば、2−フェニルビニル基、4−アセチル−2−ブテニル基、13−メトキシ−9−オクタデセニル基、9,10−ジブロモ−12−オクタデセニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルキニル基としては、例えば、アセチレン基、プロパルギル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、2-ヘキシニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルキニル基における置換基としては、例えば、アルコキシル基、アリール基等が挙げられる。具体的には、例えば、2−フェニルアセチレン基、3−フェニルプロパルギル基等が挙げられる。
前記芳香族基としては、例えば、置換又は無置換の炭素数6〜50のアリール基等が好ましい。
前記脂環式化合物基における、置換又は無置換の炭素数3〜40のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−フェニルシクロヘキシル基、3−メトキシシクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
前記脂環式化合物基における、置換又は無置換の炭素数4〜40のシクロアルケニル基としては、例えば、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、2,6−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、4−tert−ブチル−2−シクロヘキセニル基、2−シクロヘプテニル基、3−メチル−3−シクロヘプテニル基等が挙げられる。
前記芳香族基における、置換又は無置換の炭素数6〜50のアリール基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。具体的には、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラニル基、o−クレジル基、m−クレジル基、p−クレジル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、p−n−アミルフェニル基、p−tert−アミルフェニル基、2,6−ジメチル−4−tert−ブチルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、p−tert−オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、p−n−ドデシルフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−ブトキシフェニル基、m−オクチルオキシフェニル基、ビフェニル基、m−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2−(5−メチルナフチル基)等が挙げられる。
前記置換又は無置換の炭素数4〜40の環状エーテルとしては、例えば、フリル基、4−ブチル−3−フリル基、ピラニル基、5−オクチル−2H−ピラン−3−イル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基等が挙げられる。
前記置換又は無置換の炭素数4〜40の含窒素環としては、例えば、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、モルホリル基等が挙げられる。
前記炭素数1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基等が挙げられる。
前記置換基の炭素数を除いた炭素数が1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルキル基としては、例えば、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、ヘプタデシルフルオロオクチル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、2−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、7−オクテニル基、9−デセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルケニル基としては、例えば、2−フェニルビニル基、9,10−ジブロモ−12−オクタデセニル基等が挙げられる。
前記炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−クレジル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−tert−アミルフェニル基、オクチルフェニル基、p−tert−オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、p−n−ドデシルフェニル基、m−オクチルオキシフェニル基、ビフェニル基、等が挙げられる。
一般式(II)
これらの中では、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CON(R3)−(R3は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基を表す。)、−N(R4)CO−、−SO2N(R4)−、−N(R4)SO2−等が特に好ましい。
前記sとしては、1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数が特に好ましい。前記a及びbとしては、それぞれ独立に、0〜20の整数が好ましく、0〜10の整数が特に好ましい。
前記アニオン性基としては、−COOM、−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2−OPO(OM)2が特に好ましい。なお、前記Mは、対カチオンを表し、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等)、及びアンモニウムイオンのいずれかが好ましい。これらの中でも、ナトリウムイオン、カリウムイオンが特に好ましい。
前記カチオン性基としては、例えば、−NH3 +・X−、−NH2(R6)+・−、−NH(R6)2 +・X−、−N(R6)3 +・X−が挙げられる。
前記R6としては、炭素数1〜3のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基等)を表し、メチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
前記Xとしては、対アニオンを表し、例えば、ハロゲンイオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン等)、複合無機アニオン(例えば、水酸化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン等)、及び有機化合物アニオン(例えば、シュウ酸イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等)が好ましく、塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオンが特に好ましい。
前記疎水性ポリマーと前記両親媒性化合物との組成比率(質量比率)は、前記両親媒性化合物が両親媒性ポリマーである場合は、99.9:0.1〜50:50が好ましく、95:5〜75:25がより好ましい。前記両親媒性化合物の比率が1質量%未満であると、均一なハニカム構造体が得られなくなることがある。一方、前記両親媒性化合物の比率が50質量%を超えると、膜の安定性、特に力学的な安定性が十分に得られなくなることがある。
また、前記両親媒性化合物が両親媒性ポリマーでない場合は、前記疎水性ポリマーと前記両親媒性化合物との組成比率(質量比率)は、99.9:0.1〜80:20が好ましい。前記両親媒性化合物の比率が0.1質量%未満であると、均一なハニカム構造体が得られなくなることがある。一方、前記両親媒性化合物の比率が20質量%を超えると、化合物が低分子であるため、フィルム強度に悪影響が生じる場合がある。
前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性ポリマーは、分子内に重合性基を有する重合性(架橋性)ポリマーである場合には、前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性ポリマーの重合性基と反応しうる重合性の多官能モノマーを併用することも好ましい。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子及び無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線又は熱による重合反応により硬化して反射防止フィルムを形成することができる。
前記アセトフェノン類としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンなどが挙げられる。
前記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどが挙げられる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されている。
また、市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。
前記光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量部の範囲で使用することがより好ましい。
なお、前記光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。外光増感剤の具体例とし
て、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン、チオキサントン、などが挙げられる。
具体的には、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシドなどが挙げられる。前記無機過酸化物としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。前記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。前記ジアゾ化合物としては、例えば、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
ここで、前記空孔の孔径を小さくするためには、迅速乾燥を促すことが有効である。例えば、前記使用溶媒として低沸点溶媒を使用したり、支持体温度を上げたり、展開速度を早くして初期の展開液厚を薄くすることなどが有効である。
前記剥離層は、ハニカム構造を有するフィルムから仮支持体を剥がれ易くするために設けられる。このような剥離層を有することから、ハニカム複合膜における仮支持体及び剥離層を剥がして使用することができる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ワックス、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各種添加剤などが挙げられる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーテイング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法、エクストルージョン塗布法、スピン塗布法、などが挙げられる。
前記離型用塗布液の付着量としては、固形分で0.4〜3.0g/m2が好ましく、0.5〜2.0g/m2がより好ましい。
前記仮支持体又は支持体としては、透明で、ある程度の強度を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、金属、シリコンウエハー等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアミド、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエーテルケトン、ポリフッ化エチレン等の耐有機溶剤性に優れた有機材料;水、流動パラフィン、液状ポリエーテル等の液体、などが挙げられる。
前記仮支持体及び支持体の厚みとしては、通常採用される範囲の厚さであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.02〜4.0mmが好ましい。
また、仮支持体表面の水接触角は、2〜120°であることが好ましく、20〜100°であることがより好ましい。前記仮支持体表面の水接触角は、例えば、固液界面解析装置(協和界面科学社製、DropMaster300)により測定することができる。
本発明のハニカム複合膜は、前記のようにして作製したハニカム構造を有するフィルムを延伸することにより得られる。
前記延伸は、例えば、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかが好ましい。
前記延伸は、特に制限はなく、種々の延伸機を用いて実施することができるが、例えば、機械的流れ方向に延伸する縦一軸延伸、機械的流れ方向に直交する方向に延伸するテンター延伸などが好適に利用できる。
前記延伸倍率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一方向に延伸する場合は約1.05〜12倍が好ましく、1.2〜10倍がより好ましい。二軸延伸の場合は面積倍率で1.2〜60倍が好ましく、1.5〜50倍がより好ましい。
この場合、空孔が、ハニカム状多孔質フィルムの表面に楕円状乃至スリット状に開口しており、かつ空孔は直線状に配列していることが、後述するワイヤーグリッド機能を発揮させることができる点で好ましい。
前記楕円状乃至スリット状に開口した空孔を有するフィルム表面には、金属層を設けることが好ましい。
前記金属層における金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記金属層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電鋳法、などが挙げられ、これらの中でも、真空蒸着法、メッキ法、電鋳法が特に好ましい。
前記金属層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、偏光膜用途の中で、フィルム表面の金属層のみの複合膜構造の場合、50〜1000nmが好ましい。
前記フィルム表面の空孔内に金属層を形成する方法としては、フィルム表面に金属層を形成した後、空孔以外の金属層部分をエッチングにより除去する方法、などが挙げられる。
前記ハニカム構造を有するフィルムにおける空孔内には、該フィルム材料の屈折率と異なる屈折率を有する屈折率制御材料を充填することが、位相差機能を発揮させることができる点から好ましい。
前記屈折率制御材料としては、前記自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルム材料の屈折率と異なる屈折率を有する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、(1)フィルム材料よりも屈折率が小さい低屈折率材料、及び(2)フィルム材料よりも屈折率が高い高屈折率材料のいずれであっても構わないが、前記高屈折率材料が特に好ましい。
前記ジオール化合物の具体例としては、非解離性のジオールとしてエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量=200,300,400,600,1000,1500,4000)、ポリプロピレングリコール(平均分子量=200,400,1000)、ポリエステルポリオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸等を挙げることができる。
前記ジカルボン酸化合物の具体的な例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、α,α―ジメチルコハク酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、ポリ(エチレンテレフタレート)ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ω―ポリ(エチレンオキシド)ジカルボン酸、p−キシリレンジカルボン酸などを挙げることができる。
これらの化合物は、ジオール化合物と重縮合反応を行う際に、ジカルボン酸のアルキルエステル(例えば、ジメチルエステル)やジカルボン酸の酸塩化物の形で用いてもよいし、無水マレイン酸や無水コハク酸、無水フタル酸のように酸無水物の形で用いてもよい。
前記ポリエステルの代表的な合成法は上記のジオール化合物とジカルボン酸もしくはその誘導体の縮合反応であるが、ヒドロキシカルボン酸(例えば、乳酸、12-ヒドロキシステアリン酸)のようなヒドロキシカルボン酸を縮合して得ることができる。
前記ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,2-プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3‘−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミン等を挙げることができる。
前記アミノカルボン酸としては、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ω―アミノヘキサン酸、ω―アミノデカン酸、ω―アミノウンデカン酸、アントラニル酸が挙げられる。また、開環重合に用い得る単量体としてはε―カプロラクタム、アゼチジノン、ピロリドン等を挙げることができる。
前記ジカルボン酸化合物としては、上記ポリエステルにおいて説明したジカルボン酸類と同じ群から選ばれる化合物を用いることができる。
前記屈折率制御材料を空孔内に充填する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、溶融状態の屈折率制御材料を空孔に充填する方法、ハニカム状多孔質フィルムを溶解しない溶媒で調製した溶液を空孔に充填する方法、空孔内にモノマーを充填した後、加熱又は光照射により重合させる方法、などが挙げられる。
本発明のハニカム複合膜の製造方法は、剥離層形成工程と、フィルム作製工程とを含んでなり、延伸工程、金属層形成工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記剥離層形成工程は、仮支持体上に剥離層を形成する工程である。
前記剥離層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記仮支持体上に剥離層用塗布液を塗布する方法などが挙げられる。
前記フィルム作製工程は、有機溶媒と高分子化合物とを含む液を支持体上にキャストして膜を形成し、該膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するハニカム状多孔質フィルムを作製する工程である。
また、定常風を当てる方向は、支持体面に対して0〜90°のいずれの方向であっても製造可能だが、ハニカム構造体の均一性を高めるためには0〜60°が好ましい。
前記延伸工程は、前記ハニカム構造体を延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する工程である。
前記延伸としては、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかであることが好ましい。
また、前記延伸は、縦方向及び横方向のいずれの方向に実施してもよい。縦方向に延伸する場合は、一組以上のニップロールを用い、入口側の搬送速度より出口側の搬送速度を速くすることにより達成することができる。一方、横方向に延伸する場合は、両端をチャックで把持し、これを幅方向に広げる方法(テンター延伸)により達成することができる。延伸はこれらの方法を単独で行ってもよく、又はこれらの方法を組み合わせてもよい。
前記金属層形成工程は、フィルム表面に金属層を形成する工程である。前記金属層の形成方法は、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電鋳法、などが挙げられ、これらの中でも、真空蒸着法、メッキ法、電鋳法が特に好ましい。
前記メッキ法としては、例えば、電解メッキ法、無電解メッキ法、などが挙げられる。
前記無電解メッキ法としては、酸化還元反応を利用した方法及び置換反応を利用した方法等を用いることができる。例えば、めっきされる金属のイオンが無電解めっき液中で自己触媒的な還元反応を示すことにより金、銀、銅、ニッケル及びパラジウム等をめっきする方法、及び銀鏡反応を利用した方法等を用いることができる。
前記電鋳とは、電気めっきによる金属製品の製造又は複製を意味する。
また、前記疎水性ポリマーだけでもハニカム構造フィルム12を形成することができるが、両親媒性の素材を添加することが好ましい。両親媒性の素材としては、上述したものを適宜選択して用いることができる。
また、前記各高分子化合物を溶解させて高分子溶液を調製する溶媒としては、上述したものを適宜選択して用いることができる。
得られたハニカム構造フィルムは、延伸工程により延伸が施され、楕円状乃至スリット状の空孔が形成される。
また、必要に応じて、フィルム表面に金属層を形成することもできる。
厚み200μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、シリコーン系樹脂(東レシリコーン株式会社製、SRX−211)100質量部とシリコーン系樹脂(東レシリコーン株式会社製、SRX−212)0.6質量部との混合樹脂の3質量%トルエン液を、乾燥後の厚みが1μmとなるようにワイヤーコーターにて塗布し、120℃にて2分間乾燥させた。以上により、剥離層付き仮支持体を作製した。
次いで、外気の影響を受けない閉鎖空間にて2℃に保温したHDD用ガラス基板上に全量展開し、相対湿度70%の恒湿空気を毎分2Lの定常流量で基板面に対して45°の方向から吹き付け、塩化メチレンを蒸発させることによって、均一ハニカム構造体を得た。このハニカム構造体表面に、剥離層付き仮支持体の剥離層側表面を貼り合わせて、HDD用ガラス基板上から仮支持体とともにハニカム構造体を剥ぎ取り、ハニカム複合膜が得られた。ここで、恒湿空気は、市販の除塵エアーフィルタ(ろ過度:0.3μm)を設置した日立工機株式会社製のコンプレッサSC−820にヤマト科学株式会社製の湿度発生装置を接続して供給した。なお、吹き付け部の空気の流速を実測したところ、0.3m/sであった。また、前記仮支持体表面の水接触角は、固液界面解析装置(協和界面科学社製、DropMaster300)により測定したところ、70°であった(以下の例も同じ)。
実施例1において、ハニカム構造体の裏面にも剥離層付き仮支持体を貼り合わせたこと以外は、実施例1と同様にしてハニカム複合膜を得た。得られた膜の構造は、実施例1におけるハニカム複合膜と同様であった。
実施例2において、ハニカム構造体の裏面にポリエチレンテレフタレートフィルムには、剥離層を塗布せず、ハニカム構造体に、ハニカム構造体と単に熱圧着することにより設けた以外は、実施例1と同様にしてハニカム複合膜を得た。得られた膜の構造は、実施例1におけるハニカム複合膜と同様であった。
実施例1において、仮支持体に剥離層を設ける代わりに、ハニカム構造体と単に熱圧着することにより前記仮支持体を剥離可能に設けた以外は、実施例1と同様にしてハニカム複合膜を得た。得られた膜の構造は、実施例1におけるハニカム複合膜と同様であった。
実施例1〜4で得られたハニカム複合膜を用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
1)評価1・・・細胞培養基材としてのハンドリング性を評価するために、得られたハニカム複合膜を、一旦アルミ蒸着シートから成る包材に真空ラミネーションにて封入し、1週間保管した後、手作業で包材から取り出し、仮支持体を除去した形でガラスシャーレ上にセットした。これに対して細胞培養実験を実施し、作業性の良・不良を評価すると共に、ハニカム膜上のひび割れ、欠陥等が発生しないかどうかを観察した。
2)評価2・・・桂皮吸収薬膜等へのハンドリング適正を評価するために、ハニカム複合膜にあらかじめヒアルロン酸を含侵させた状態で皮膚に貼り付け、ひび割れ、欠陥等が発生しないかどうかを観察した。
評価基準としては、評価1及び評価2いずれも、ハンドリング適性を目視により評価し、非常に良好=◎、良好=○、普通=△、不良=×とした。
実施例1の電子線照射前のハニカム複合膜の空孔内に屈折率制御材料(アクリルポリマーとTiO2との質量比70:30の分散混合液、固形分の屈折率1.81)の混合溶液を表面から微圧を加えて充填、固化し、フィルムの両端をクリップで把持し、搬送しながら幅方向に延伸した。延伸量200%で一軸延伸することにより、実施例5のハニカム複合膜を作製した。
得られたハニカム複合膜のハニカム構造体部分に対し、日本分光社製エリプソメータM220で位相差測定(膜の法線方向から30°傾け、法線を中心に10°間隔で360°回転して位相差を評価)をおこなった。その結果、この膜は延伸方向に相対的に大きな屈折率を有する正対称の屈折率楕円体を示し、a−plateとしての位相差機能を有し、位相差膜として好適に用いられるものであった。
実施例2の電子線照射前のハニカム複合膜の空孔内に屈折率制御材料(アクリルポリマーとTiO2との質量比70:30の分散混合液、固形分の屈折率1.81)の混合溶液を表面から微圧を加えて充填、固化し、フィルムの両端をクリップで把持し、搬送しながら幅方向に延伸した。延伸量200%で一軸延伸することにより、実施例6のハニカム複合膜を作製した。
得られたハニカム複合膜のハニカム構造体部分は、実施例5と同様の方法により評価した結果、a−plateとしての位相差機能を有し、位相差膜として好適に用いられるものであった。
実施例3の電子線照射前のハニカム複合膜の空孔内に屈折率制御材料(アクリルポリマーとTiO2との質量比70:30の分散混合液、固形分の屈折率1.81)の混合溶液を表面から微圧を加えて充填、固化し、フィルムの両端をクリップで把持し、搬送しながら幅方向に延伸した。延伸量200%で一軸延伸することにより、実施例7のハニカム複合膜を作製した。
得られたハニカム複合膜のハニカム構造体部分は、実施例5と同様の方法により評価した結果、a−plateとしての位相差機能を有し、位相差膜として好適に用いられるものであった。
実施例4の電子線照射前のハニカム複合膜の空孔内に屈折率制御材料(アクリルポリマーとTiO2との質量比70:30の分散混合液、固形分の屈折率1.81)の混合溶液を表面から微圧を加えて充填、固化し、フィルムの両端をクリップで把持し、搬送しながら幅方向に延伸した。延伸量200%で一軸延伸することにより、実施例8のハニカム複合膜を作製した。
得られたハニカム複合膜のハニカム構造体部分は、剥離層がないため、取り扱い性は実施例1〜3で得られたハニカム複合膜に比べて若干劣ったが、実施例5と同様の方法により評価した結果、a−plateとしての位相差機能を有し、位相差膜として好適に用いられるものであった。
実施例5〜8で得られたハニカム複合膜を偏光板に張り合わせ、仮支持体を剥離して得られた位相差機能を併せ持つ偏光板と、仮支持体を用いない以外は、実施例5〜8と同様に、作成したハニカム構造フィルムを偏光板に張り合わせて得られた位相差機能を併せ持つ偏光板の液晶表示の均一性を、目視評価で比較した。
その結果、仮支持体を用いて張り合わせた実施例5〜8は、いずれも不均一性は視認されず良好であった。一方、仮支持体を用いない場合は、いずれも、仮支持体がないため、張り合わせ時に不均一な変形が生じ、画像の色味に不均一なムラが視認された。
2 剥離層
3 ハニカム状多孔質フィルム
4 支持体
10 キャスト工程
11 結露乾燥工程
12 ハニカム構造フィルム
13 延伸工程
14 ハニカム複合膜
Claims (18)
- ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有することを特徴とするハニカム複合膜。
- ハニカム構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである請求項1に記載のハニカム複合膜。
- ハニカム構造を有するフィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有する請求項1から2のいずれかに記載のハニカム複合膜。
- ハニカム構造を有するフィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する請求項1から3のいずれかに記載のハニカム複合膜。
- ハニカム構造を有するフィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ前記ハニカム構造を有するフィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する請求項1から3のいずれかに記載のハニカム複合膜。
- 仮支持体の表面の水接触角が2〜120°である請求項1から5のいずれかに記載のハニカム複合膜。
- ハニカム構造を有するフィルムが延伸されている請求項1から6のいずれかに記載のハニカム複合膜。
- 延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである請求項7に記載のハニカム複合膜。
- ハニカム構造を有するフィルムの表面に金属層を有する請求項1から8のいずれかに記載のハニカム複合膜。
- 金属層における金属が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種である請求項9に記載のハニカム複合膜。
- ハニカム構造を有するフィルムにおける空孔内に屈折率制御材料が充填されている請求項1から10のいずれかに記載のハニカム複合膜。
- フィルム材料が、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種である請求項1から11のいずれかに記載のハニカム複合膜。
- 両親媒性化合物が、両親媒性ポリマーである請求項12に記載のハニカム複合膜。
- 仮支持体及び剥離層を剥がして使用する請求項3から13のいずれかに記載のハニカム複合膜。
- 位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料及び制振材料から選択されるいずれかに用いられる請求項1から14のいずれかに記載のハニカム複合膜。
- 仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
該剥離層上及び支持体上のいずれかに有機溶媒と高分子化合物とを含む液をキャストし、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するハニカム状多孔質フィルムを作製するフィルム作製工程とを含むことを特徴とするハニカム複合膜の製造方法。 - ハニカム状多孔質フィルムを延伸する延伸工程を含む請求項16に記載のハニカム複合膜の製造方法。
- ハニカム状多孔質フィルムの表面に金属層を形成する金属層形成工程を含む請求項16から17のいずれかに記載のハニカム複合膜の製造方法。
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