JP2006518766A - 3−ヒドロキシカルボン酸を調製するプロセス - Google Patents

3−ヒドロキシカルボン酸を調製するプロセス Download PDF

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Abstract

二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物、ガス状の塩酸、7を超えたpKaを有する無機又は有機塩基から選ばれた触媒の存在下、水中で、例えばアクリル酸のようなα,β−不飽和カルボン酸を水和し、例えば3−ヒドロキシプロピオン酸のような3−ヒドロキシカルボン酸を調製するプロセスを開示する。また、3−ヒドロキシプロピオン酸をその酸を含む溶液から回収するプロセスも開示する。

Description

本発明は、α,β−不飽和カルボン酸から3−ヒドロキシカルボン酸を調製するプロセスに関する。
3−ヒドロキシカルボン酸を製造する種々の方法が、公知である。そのような方法の中には、触媒として過塩素酸、硫酸又はパラ−トルエンスルホン酸を用いてアクリル酸を水和する方法がある。さらに、例えば結晶性アルミノシリケートのような固体酸触媒の存在下、アクリル酸が水和され得ることが、公知である。
したがって、3−ヒドロキシカルボン酸、特に3−ヒドロキシプロピオン酸を調製する新規のプロセスを提供することが、本発明の目的である。
高収率で3−ヒドロキシカルボン酸を調製する新規のプロセスを提供することが、本発明のさらなる目的である。
3−ヒドロキシプロピオン酸をその酸を含む溶液から回収する新規のプロセスを提供することが、本発明のまたさらなる目的である。
本発明のこれらのかつ他の目的及び利点は、以下の詳細な記述及び特許請求の範囲から、当業者には明らかになると考える。
本発明によると、上記及びまたさらなる目的は、特定の触媒の存在下で、水雰囲気中で、α,β−不飽和カルボン酸を水和することにより達成され、3−ヒドロキシカルボン酸が調製されることが、見出されている。本発明のプロセスで使用される触媒は、7を超えたpKa値を有する無機又は有機塩基である塩基性触媒、二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物、あるいはガス状の塩酸から選ばれる。好ましくは、本発明のプロセスで使用される触媒は、アンモニア、二酸化炭素、例えば二酸化硫黄又は三酸化硫黄のような硫黄酸化物、例えば二酸化窒素のような窒素酸化物、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、ガス状の塩酸、及びそれらの混合物から選ばれる。触媒としての使用で最も好ましいのは、二酸化炭素である。
さらに本発明によると、3−ヒドロキシプロピオン酸をその酸を含む溶液から回収するプロセスが提供される。そのプロセスは、100℃未満の温度、減圧下で、少なくとも約140℃の沸点を有する溶媒を用いた溶液を減圧蒸留し、95%を上回るアクリル酸及び95%を上回る水を取り除き、3−ヒドロキシプロピオン酸を回収しようとする、約110℃〜約150℃の温度で減圧蒸留される残留物(リテンテート)を生成することを含んでいる。
本発明のプロセスにより調製された3−ヒドロキシカルボン酸は、多くの用途を有する公知の化合物であり、そして、本発明での生成物は、そのような用途で有用である。特に、例えば3−ヒドロキシプロピオン酸のような3−ヒドロキシカルボン酸は、ポリマー材料の調製において有用であることは公知であり、種々の有機材料の調製において有用な中間体としても公知である。
本発明によると、7を超えたpKa値を有する無機又は有機塩基である塩基性触媒、二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物あるいはガス状の塩酸の存在下、水中でα,β−不飽和カルボン酸を水和することにより、3−ヒドロキシカルボン酸が生成されることが、見出されている。本発明のプロセスでは、例えば二酸化硫黄又は三酸化硫黄のような任意の硫黄酸化物を使用することができる。本発明のプロセスでは、例えば二酸化窒素のような任意の窒素酸化物を使用することができる。
本発明のプロセスでの使用に適当である7を超えたpKa値を有する例示的な無機塩基は、例えば酸化マグネシウム又は酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属酸化物類;例えば水酸化マグネシウム又は水酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物類;例えば炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩類又は重炭酸塩類;あるいはアルカリ土類金属の酸化物類、水酸化物類及び/又は炭酸塩類の混合物;アンモニア又は水酸化アンモニウム;例えば酸化ナトリウム又は酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物;及び例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩又は重炭酸塩;あるいは無機塩基のいずれかの混合物である。使用に好ましい無機塩基には、アンモニア、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、及び水酸化アンモニウムがある。
本発明のプロセスでの使用に適当である7を超えたpKa値を有する例示的な有機塩基は、好ましくは任意のアミン化合物である。アミン化合物には、式RNH2を有する第一級アミン、式R12NHを有する第二級アミン、式R123Nを有する第三級アミンがある。ここで、式中のR1、R2、及びR3は、それぞれ独立に同じかあるいは異なっており、そして、それらは、水素原子、あるいは直鎖状又は分岐鎖状であって、所望によりハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシル基で置換されたC1〜C8のアルキル、アルキニル又はアルケニル基、あるいは所望によりハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシル基で置換されたC6〜C10のアリール基を示す。第一級、第二級及び第三級アミンの例は、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、エタノールアミン、ヘプチルアミン、へキシルアミン、tert−オクチルアミン、ジメチルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルヘプチルアミン、メチルへキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルジエタノールアミン、及びトリブチルアミンである。式H2NRNH2を有するジアミノ化合物も本発明での使用に適当である。ここで、式中のRは、直鎖状又は分岐鎖状であって、所望によりハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシル基で置換されたC1〜C8のアルキル、アルキニル又はアルケニル基、あるいは所望によりハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシル基で置換されたC6〜C10のアリール基を示す。適当なジアミノ化合物の例は、メチル−1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、及びジアミノシクロヘキサンである。例えばトリアミノピリミジンのようなトリアミノ化合物類、及び例えばピペラジン、ピリジン、ピロール、及びトリアジンのような窒素複素環化合物類も本発明での使用に適当である。
本発明のプロセスにおいて水和されるα,β−不飽和カルボン酸は、下記の一般式(I)を有する化合物である。
Figure 2006518766
ここで、式中のR1、R2及びR3は、それぞれ独立に同じかあるいは異なっており、そして、それらは、水素原子、あるいは直鎖状又は分岐鎖状であって、所望によりハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシル基で置換されたC1〜C20のアルキル基、あるいは直鎖状又は分岐鎖状であって、所望によりハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシル基で置換されたC6〜C20のアリール基を示す。
本発明での使用に適当な例示的なα,β−不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、2−ブテン酸、2−メチル−2−ブテン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、3−メチル−2−ブテン酸、2,3−ジメチル−2−ブテン酸、及び桂皮酸である。
好ましくは、本発明のプロセスにおいて水和されるα,β−不飽和カルボン酸は、アクリル酸であり、結果として3−ヒドロキシプロピオン酸が調製される。
本発明のプロセスにより調製され得る例示的な3−ヒドロキシカルボン酸には、下記の一般式(II)を有するものがある。
Figure 2006518766
ここで、式中のR1、R2及びR3は、それぞれ独立に同じかあるいは異なっており、そして、それらは、水素原子、あるいは直鎖状又は分岐鎖状であって、所望によりハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシル基で置換されたC1〜C20のアルキル基、あるいは直鎖状又は分岐鎖状であって、所望によりハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシル基で置換されたC6〜C20のアリール基を示す。
例示的な3−ヒドロキシカルボン酸は、3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸、3−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルペンタン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸、2,3−ジメチル−3−ヒドロキシブタン酸、及び3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸である。
本発明の水和プロセスで必要とされる特定の滞留時間は、生成物を生成可能とするために適当である滞留時間を除けば、全く無い。
本発明のプロセスは、約50℃〜約300℃、好ましくは約100℃〜約250℃、最も好ましくは約100℃〜約200℃の温度で実施される。
本発明のプロセスで使用される触媒が気体触媒であるプロセスの実施態様において、そのプロセスは、約0〜約20.7×103kPa(0〜3000psi)、好ましくは約0.345×103〜約3.45×103kPa(50〜500psi)の圧力で実施される。
前記触媒が非気体触媒であるプロセスの実施態様において、そのプロセスで使用される触媒の量は、水和されるα,β−不飽和カルボン酸に基づいて、約1〜約500%、好ましくは約5〜約20%である。
本発明のプロセスの好ましい実施態様において、二酸化炭素触媒の存在下、水中で、アクリル酸は水和され、結果として3−ヒドロキシプロピオン酸が調製される。
本発明の水和プロセスは、水中で、α,β−不飽和カルボン酸を特定の触媒と接触させることで実施され、3−ヒドロキシカルボン酸が調製される。その水和プロセスは、いかなる方法によっても実施されてよく、そして、得られた3−ヒドロキシカルボン酸の回収は、いかなる方法によっても達成される。
より詳細に記述すると、本発明のプロセスが、アクリル酸、及び二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物、又はガス状の塩酸から選ばれた触媒を使用して実施される場合、3−ヒドロキシプロピオン酸を含む溶液が生成される。3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体も得られ、β,β’−オキシジプロピオン酸として同定される。特に、本発明で生成された3−ヒドロキシプロピオン酸は、以下のように分離及び回収される。3−ヒドロキシプロピオン酸を含む溶液は、例えばドデカノールのような少なくとも約140℃の沸点を有する溶媒を用いて減圧蒸留される。前記溶媒は、その溶液に基づいて、約20〜約100重量%、好ましくは約25重量%の量で添加され、混合物を生成する。3−ヒドロキシプロピオン酸及びその溶媒を含む混合物は、コンデンサー及びドライアイストラップを通してバキュームラインに接続されたフラスコ中に添加され、減圧下(約133〜667Pa(約1〜5mmHg))で100℃未満の温度での蒸留により、水及びアクリル酸が取り除かれる。蒸留は、約1時間実施され、水を蒸留した後、95%を上回るアクリル酸がその混合物から蒸留される。その後、フラスコ中に残った溶液は、約133〜約667Pa(約1〜約5mmHg)の減圧で、約110℃〜約150℃の温度に加熱され、ドデカノールと一緒に3−ヒドロキシプロピオン酸が蒸留される。容器内の残留残渣は、3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体及びオリゴマーを含んでいる。エーテル二量体は、当技術分野で周知のいずれかの方法、例えば抽出法、蒸留法、及び類似の方法により、回収され得る。さらには、例えば酢酸エチルのような任意の溶媒が、抽出法で使用され得る。
本発明の水和プロセスを実施する際に塩基性触媒を使用する場合は、3−ヒドロキシプロピオン酸の塩あるいはその塩と遊離3−ヒドロキシプロピオン酸の混合物を含む溶液が生成される。3−ヒドロキシプロピオン酸を回収するために、3−ヒドロキシプロピオン酸の塩は、当技術分野で周知のいずれかの方法、例えば酸性化により、遊離酸、すなわち3−ヒドロキシプロピオン酸に変換される。より詳細に記述すると、3−ヒドロキシプロピオン酸塩は、濃縮乾固されそして硫酸で処理され得る。次いで、3−ヒドロキシプロピオン酸は、無機固形物からデカンテーションされるかあるいは適当な溶媒で抽出される。別法では、そして好ましくは、3−ヒドロキシプロピオン酸を含んでいる溶液は、本明細書で上記した同じ方法で処理され、3−ヒドロキシプロピオン酸が回収される。回収の手順は、3−ヒドロキシプロピオン酸の塩ではなく3−ヒドロキシプロピオン酸を含んでいる溶液が生成される本明細書で記述された手順と同じである。
本発明のプロセスでの使用に適正である少なくとも約140℃の沸点を有する例示的な溶媒には、アルコール類、アミン類、アミド類、エーテル類、ケトン類、亜リン酸エステル類、ホスフィンオキシド類、ホスフィンサルファイド類、アルキルサルファイド類、及びそれらの混合物がある。具体例は、ドデカノール、デカノール、オクタノール、トリドデシルアミン、トリカプリルアミン及びトリブチルフォスフェイトであり、ドデカノールが好ましい。
本発明は、以下の実施例を参照してより容易に解釈されると考える。一旦本発明が十分に開示されると、当業者に明らかである本発明の多くの他の形態がもちろんあり、したがって、これらの実施例が例示だけの目的で示され、そして多少なりとも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことは、認識されるものと考える。
以下の実施例において、本発明のプロセスから得られた生成物の特性は、次に示す試験法を用いて測定された。
高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)
HPLC:Waters717plusオートサンプラーを装備したWaters1525バイナリHPLCポンプ、ならびにWaters2410屈折率及びWaters2487デュアルλ吸光度検出器を用いて、本発明のプロセスにより生成された生成物は、分析される。バイオ−ラッド(Bio-Rad)社製HP87−Hカラムを使用し、移動相は0.002mol/l(0.004N)硫酸で、流量は0.6ml/分で、そしてカラム温度は60℃である。
ガスクロマトグラフィー(GC)
GC:ガスクロマトグラフィーのプロトコルは、以下の通りであった。J&W社製DB−WAXETRカラム(長さ30m×内径32mm、膜厚0.5μm)を用い、内部炉は、温度が90℃で、200℃の到達温度まで20℃/分で昇温した。そして、約12.5分間200℃でカラムを保持した。注入器温度は、200℃であった。
実施例1
150gの30%アクリル酸水溶液を600mlオートクレーブのParr反応器(イリノイ州モリーン(Moline)のパル・インストルメント・カンパニー(Parr Instrument Company)から市販されている)に添加した。Parr反応器中の水溶液は、345kPa(50psi)の二酸化炭素ガスで3回フラッシュされ、空気を取り除いた。次いで、反応器が、22℃で二酸化炭素により1.38×103kPa(200psi)に加圧された。その後、反応器中の溶液が、撹拌しながら200℃に加熱された。この状態での反応器の圧力は、約2.76×103kPa(400psi)である。200℃で3時間混合した後、反応器中の溶液が、室温に冷却され、次いで減圧された。反応器中の溶液は、HPLC及びGCによって、3−ヒドロキシプロピオン酸の生成物、3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体、及び未反応のアクリル酸に関して分析された。3−ヒドロキシプロピオン酸の収率は、54%であり、エーテル二量体が、4.6%の収率で生成された。
溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸が、ドデカノールを使用して、減圧蒸留で回収された。その溶液の約25重量%の量でドデカノールが添加され、混合物を生成した。3−ヒドロキシプロピオン酸及びドデカノールを含んでいる混合物は、コンデンサー及びドライアイストラップを通してバキュームラインに接続されたフラスコ中に添加され、減圧下(約133〜667Pa(約1〜5mmHg))で約100℃の温度での蒸留により、水及びアクリル酸を取り除いた。蒸留が、約1時間実施され、水を蒸留した後、その混合物から95%を上回るアクリル酸が蒸留された。その後、約133〜667Pa(約1〜5mmHg)の減圧で、フラスコ内に残った溶液が、150℃まで加熱され、ドデカノールと一緒に3−ヒドロキシプロピオン酸が蒸留された。
蒸留により得られた3−ヒドロキシプロピオン酸は、約5%のアクリル二量体及び約2%のアクリル酸を含んでいる。アクリル二量体及びアクリル酸は、酢酸エチルを用いた抽出により取り除かれ得る。
フラスコ内残留残渣は、3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体及びオリゴマーを含んでいる。そのエーテル二量体は、当技術分野で周知のいずれかの方法、例えば、抽出、蒸留及び類似の方法により回収される。
実施例2
次の条件を除き、実施例1のプロセスが、同じように実施された:Parr反応器は、二酸化炭素により1.38×103kPa(200psi)ではなく0.689×103kPa(100psi)に加圧された。3−ヒドロキシプロピオン酸は、53.6%の収率で生成され、そして、3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体が、4.8%の収率で生成された。
実施例3
次の条件を除き、実施例1のプロセスが、同じように実施された:Parr反応器は、二酸化炭素により1.38×103kPa(200psi)に加圧され、反応温度は、200℃ではなく175℃であり、そして、反応時間は、3時間ではなく18時間であった。3−ヒドロキシプロピオン酸は、53.6%の収率で生成され、そして、3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体が、5.8%の収率で生成された。
実施例4
次の条件を除き、実施例1のプロセスが、同じように実施された:Parr反応器は、二酸化炭素により1.38×103kPa(200psi)ではなく3.45×103kPa(500psi)に加圧され、反応温度は、200℃ではなく170℃であり、そして、反応時間は、3時間ではなく18時間であった。3−ヒドロキシプロピオン酸は、66.8%の収率で生成され、そして、3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体が、4.9%の収率で生成された。
実施例5
20gの30%アクリル酸水溶液及び0.9g(アクリル酸に基づいて15重量%)の酸化マグネシウムを100mlのParr反応器に投入した。反応器は密封され、そして、Parr反応器中の混合物は、345kPa(50psi)の窒素ガスで3回フラッシュされ、空気を取り除いた。次いで、反応器中の混合物が、撹拌しながら170℃に加熱された。170℃で18時間混合した後、反応器中の混合物が、22℃に冷却された。遠心分離によりその混合物中の固形物を分離した後、得られた溶液は、HPLC及びGCによって、3−ヒドロキシプロピオン酸の生成物、3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体、及び未反応のアクリル酸に関して分析された。3−ヒドロキシプロピオン酸は、68.7%の収率で生成され、そして、エーテル二量体が、13.1%の収率で生成された。
実施例6
20gの30%アクリル酸水溶液及び0.9g(アクリル酸に基づいて15重量%)の酸化カルシウムを100mlのParr反応器に投入した。反応器は密封され、そして、Parr反応器中の混合物は、345kPa(50psi)の窒素ガスで3回フラッシュされ、空気を取り除いた。次いで、反応器中の混合物が、撹拌しながら160℃に加熱された。160℃で19時間混合した後、反応器中の混合物が、22℃に冷却された。遠心分離によりその混合物中の固形物を分離した後、得られた溶液は、HPLC及びGCによって、3−ヒドロキシプロピオン酸の生成物、3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体、及び未反応のアクリル酸に関して分析された。3−ヒドロキシプロピオン酸は、52.0%の収率で生成され、そして、エーテル二量体が、9.0%の収率で生成された。
実施例7
30gのアクリル酸、65gの水及び5gの30%水酸化アンモニウム水溶液を600mlのParr反応器に投入した。反応器は密封され、そして、Parr反応器中の溶液は、345kPa(50psi)の窒素ガスで3回フラッシュされ、空気を取り除いた。次いで、反応器中の溶液が、撹拌しながら200℃に加熱された。200℃で3時間混合した後、反応器中の溶液が、22℃に冷却された。反応器中の溶液は、HPLC及びGCによって、3−ヒドロキシプロピオン酸の生成物、3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体、及び未反応のアクリル酸に関して分析された。3−ヒドロキシプロピオン酸は、41.2%の収率で生成され、そして、エーテル二量体が、20.5%の収率で生成された。
実施例1〜7の処理条件及び生成物データーを以下の表1に載せる。
Figure 2006518766
実施例8及び9
次の条件を除き、実施例1の手順を同じように実施する:気体触媒を、一つの実例では、ガス状の二酸化硫黄、また、もう一つ別の実例では、ガス状の三酸化硫黄に換える。3−ヒドロキシプロピオン酸及び3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体が両実例で生成されることが、見込まれる。
実施例10
次の条件を除き、実施例1の手順を同じように実施する:使用する触媒は、二酸化窒素である。3−ヒドロキシプロピオン酸及び3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体が生成されることが、見込まれる。
実施例11
次の条件を除き、実施例1の手順を同じように実施する:ガス状の塩酸が触媒として使用される。3−ヒドロキシプロピオン酸及び3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体が生成されることが、見込まれる。
実施例12
次の条件を除き、実施例4の手順を同じように実施する:水酸化マグネシウムが触媒として使用される。3−ヒドロキシプロピオン酸及び3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体が生成されることが、見込まれる。
実施例13
次の条件を除き、実施例5の手順を同じように実施する:水酸化カルシウムが触媒として使用される。3−ヒドロキシプロピオン酸及び3−ヒドロキシプロピオン酸のエーテル二量体が生成されることが、見込まれる。
本発明を、その特定の実施態様を特に参照して、詳細に上述してきたが、本明細書において具体的に記述された以外の変更及び改良は本発明の精神及び範囲内で行われ得ると、解釈されると考える。

Claims (19)

  1. 下記の式(I)のα,β−不飽和カルボン酸であって、式(I)中のR1、R2及びR3は、それぞれ独立に同じかあるいは異なっており、そして、水素原子、あるいは直鎖状又は分岐鎖状であって、ハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシル基で置換されているか、または置換されていないC1〜C20のアルキル基、あるいは直鎖状又は分岐鎖状であって、ハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシル基で置換されているか、または置換されていないC6〜C20のアリール基を示すものであるα,β−不飽和カルボン酸を、7を超えたpKaを有する無機塩基、7を超えたpKaを有する有機塩基、二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物、ガス状の塩酸、及びそれらの混合物からなる群から選ばれた触媒の存在下、水中で水和することを含む3−ヒドロキシカルボン酸を調製するプロセス。
    Figure 2006518766
  2. 前記触媒は、二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物、ガス状の塩酸、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記触媒は、7を超えたpKaを有する無機塩基あるいは7を超えたpKaを有する有機塩基である、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記触媒は、アンモニア、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選ばれた無機塩基である、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記α,β−不飽和カルボン酸はアクリル酸であり、そして、前記3−ヒドロキシカルボン酸は3−ヒドロキシプロピオン酸である、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記触媒は、二酸化炭素である、請求項2に記載のプロセス。
  7. 前記触媒は、二酸化炭素である、請求項5に記載のプロセス。
  8. 温度は、約50℃〜約300℃である、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記触媒は気体触媒であり、そして、その圧力が約0〜約20.7×103kPa(約0〜約3000psi)である、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記触媒は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム及びアミン化合物からなる群から選ばれ、そして、触媒の量は、α,β−不飽和カルボン酸の重量に基づき、約1〜500%である、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記温度は約200℃であり、そして、前記圧力は約0.689×103kPa(約100psi)である、請求項7に記載のプロセス。
  12. 前記温度は約200℃であり、そして、前記圧力は約1.38×103kPa(約200psi)である、請求項7に記載のプロセス。
  13. 前記温度は約170℃であり、そして、前記圧力は約3.45×103kPa(約500psi)である、請求項7に記載のプロセス。
  14. 前記3−ヒドロキシカルボン酸は3−ヒドロキシプロピオン酸であり、そして溶液中で調製される請求項2に記載のプロセスであって、前記溶液に基づき約20〜約100重量%の量で添加された、少なくとも約140℃の沸点を有する溶媒を用いた溶液を、100℃未満の温度、減圧下で減圧蒸留し、95%を上回るアクリル酸及び95%を上回る水を取り除き、これにより、約110℃〜約150℃の温度で減圧蒸留される、前記3−ヒドロキシプロピオン酸を回収すべき残留物を形成することにより、その3−ヒドロキシプロピオン酸を回収することをさらに含む、請求項2に記載のプロセス。
  15. 前記溶媒は、ドデカノールである、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記3−ヒドロキシカルボン酸は3−ヒドロキシプロピオン酸であり、そして前記3−ヒドロキシプロピオン酸の塩として溶液中で調製される請求項3に記載のプロセスであって、その3−ヒドロキシプロピオン酸の前記塩を3−ヒドロキシプロピオン酸に変換し、前記溶液に基づき約20〜約100重量%の量で添加された、少なくとも約140℃の沸点を有する溶媒を用いた溶液を、100℃未満の温度、減圧下で減圧蒸留し、95%を上回るアクリル酸及び95%を上回る水を取り除き、これにより、約110℃〜約150℃の温度で減圧蒸留される、前記3−ヒドロキシプロピオン酸を回収すべき残留物を形成することにより、その3−ヒドロキシプロピオン酸を回収することをさらに含む、請求項3に記載のプロセス。
  17. 前記溶媒は、ドデカノールである、請求項16に記載のプロセス。
  18. 3−ヒドロキシプロピオン酸をその酸を含む溶液から回収するプロセスであって、前記溶液に基づき約20〜約100重量%の量で添加された、少なくとも約140℃の沸点を有する溶媒を用いた溶液を、100℃未満の温度、減圧下で減圧蒸留し、95%を上回るアクリル酸及び95%を上回る水を取り除き、これにより、約110℃〜約150℃の温度で減圧蒸留される、前記3−ヒドロキシプロピオン酸を回収すべき残留物を形成することを含む、回収プロセス。
  19. 前記溶媒は、ドデカノールである、請求項18に記載のプロセス。
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