JP2006518190A - 血圧降下機能を有するキトサン入り塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は血圧降下機能を有するキトサン入り塩の製造方法に係り、詳しくは、(a)キトサン溶液の調整のために、酸溶解性キトサンを有機酸に溶解するか、あるいは、水溶性キトサン誘導体を水に溶解する段階;(b)前記キトサン溶液を塩に吹き付けてキトサンを塩粒子に結合する段階;及び、(c)前記キトサンが結合された塩粒子を乾燥する段階を含む血圧降下機能を有するキトサン入り塩の製造方法に関する。
本発明によれば、吹き付けまたは混合によりキトサンまたはキトサン誘導体を塩粒子に結合することにより、再結晶化工程を経ることなくキトサン入り塩を得ることができ、製造コストを画期的に下げることができる。
本発明によれば、吹き付けまたは混合によりキトサンまたはキトサン誘導体を塩粒子に結合することにより、再結晶化工程を経ることなくキトサン入り塩を得ることができ、製造コストを画期的に下げることができる。
Description
本発明は、キトサンまたはその誘導体を塩粒子に結合することを特徴とする血圧降下機能を有するキトサン入り塩の製造方法に係り、詳しくは、酸溶解性キトサンを有機酸に溶解するか、あるいは、水溶性キトサン誘導体を水に溶解してなるキトサン溶液を塩に吹き付けてキトサンまたはキトサン誘導体を塩粒子に結合した後、それを乾燥して微粒子化したキトサン入り塩を製造する方法に関する。
高血圧など心血管系の疾患や糖尿、腎不全症などの難治性の成人病患者には、塩の摂取を制限したり、低塩食を勧めたりしている。現在、高血圧患者が食べられる塩としては、塩化カリウム(KCl)を加えて塩化ナトリウム(NaCl)の量を減量した塩だけがある。また、機能性塩が開発されて市販されているとはいえ、ニンニク入り塩、緑茶入り塩に留まっており、しかも、これらの臨床結果は今まで明らかになっていないのが現状である。
高血圧は、主としてレニン−アンギオテンシン系による生理化学的な機構として解説されており、高血圧の直接的な抑制のために、アンギオテンシン転換酵素(ACE)の活性が抑えられる物質に関心が寄せられている。ACEは、ジペプチドを(dipeptide)を生成するほかに、パンクレアティック・カルボキシペプチダーゼA(pancreatic carboxypeptidase A)に類似した酵素反応機構を示すと推定されており、これを基にカプトプリル(captopril)またはエナラプリル(enarapril)などの化学合成ACE阻害剤が高血圧治療剤として用いられている。しかしながら、前記のような化学合成品は、安全性や副作用などの問題が多く報告されており、各種の天然物からペプチド(peptide)を中心とするACE阻害物質を探索する作業が続いている。
ACE阻害物質を含む食品を根気強く摂取する場合、自然に高血圧の予防や緩和に役に立つ。生高分子物質の一種であるキトサンは、主としてかに、えびなどの甲殻類の殻に存在する動物性多糖類の一種であるキチン(chitin)を脱アセチル化させて得られる物質であって、ACE阻害物質として知られている。キトサンは、D−グルコサミン(D−glucosamine)がβ−1,4結合により連結された多糖類であって、原料によって甲殻類由来のα−キトサン、軟体類由来のβ−キトサン、微生物菌体由来のγ−キトサンなどがある。
キトサンは、厳密に言うと、キチン誘導体である。酸溶解性キトサンは、通常キトサンと呼ばれ、水溶性キトサンには化学式に基づいてカルボキシルメチル基を与えたCM−キトサン(carboxymethyl−chitosan)、S−キトサン(oligosaccharide−chitosan)、SCM−キトサン(N−sulfated derivative of N−deacetylated CM chitin)、HP−キトサン(hydroxyl propyl−chitosan)などがある。また、分子量によって、単糖をグルコサミン、2糖ないし9糖をオリゴキトサン、10糖以上を一般にキトサンと名付けている。
現在、高血圧、糖尿などに苦しんでいる患者が過量の塩分摂取を避けるように、塩化カリウム(50%)と塩化ナトリウム(50%)を混合した低塩が登場しているとはいえ、高血圧に対する効果については不明である。
一方、食塩にキトサンを加えた液状食塩調味料に関する技術が知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。しかしながら、下記の特許文献1には、血圧降下の効能について全く開示されていないだけではなく、一般に、キトサンは等電点がpH6.5であって、アルカリ水では析出されてしまい、溶解が困難であり、高分子キトサンは酢酸中にも粘性が高くてゲル状をなすため、調味液にキトサン1ないし3%を混入する作業は決して容易ではないという不具合がある。
さらに、塩溶液に有機酸に溶かしたキトサンを混合して攪拌し、次いで、これを蒸発して乾燥した後、結晶化させることによるキトサン塩の製造方法が知られている(例えば、下記の特許文献2及び3参照)。しかしながら、下記の特許文献3には、キトサン塩の血圧降下効能についての開示がない。これに対し、下記の特許文献2にはキトサン塩の血圧降下効能について開示されているとはいえ、再結晶化段階を経る必要があるため、製造工程が煩雑であり、しかも、量産時に高コストがかかるという欠点がある。
KR95/5196A
KR01/00706A
KR01/103538A
そこで、本発明者らは、上記の如き不具合を解決するために鋭意努力した結果、キトサン溶液を塩粒子に吹き付けて結合することにより、再結晶化工程を経ずとも血圧降下機能を有するキトサン入り塩を安価に製造することができるということを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
そこで、本発明の目的は、製造工程を単純化させ、製造コストを画期的に節減したキトサン入り塩の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、(a)キトサン溶液の調整のために、酸溶解性キトサンを有機酸に溶解するか、あるいは、水溶性キトサン誘導体を水に溶解する段階と、(b)前記キトサン溶液を塩に吹き付けてキトサンを塩粒子に結合する段階と、(c)前記キトサンが結合された塩粒子を乾燥する段階と、を含む血圧降下機能を有するキトサン入り塩の製造方法を提供することを特徴とする。
本発明において、前記(a)段階におけるキトサンは、α−キトサンまたはβ−キトサンであることが好ましい。また、キトサンまたはキトサン誘導体の分子量は、10〜100kDaであることが好ましい。さらに、前記キトサン入り塩において、キトサンまたはキトサン誘導体の含量は、1.5〜5%であることが好ましい。
さらに、前記(a)段階における有機酸は、乳酸、酢酸またはアスコルビン酸であることが好ましい。また、(b)段階における塩は天然海塩、精製塩または岩塩であることが好ましい。このとき、塩の粒径は、10〜50メッシュであることが好ましい。
本発明の好適な実施態様によれば、韓国産天然海塩を加工して低分子キトサンを有機酸(乳酸、酢酸またはアスコルビン酸)水溶液に混合溶解するか、あるいは、キトサン誘導体を水に溶解して得られるキトサン溶液を用いる。
キトサン塩は、加工塩に前記キトサン溶液を混合して乾燥し、次いで、吹き付けまたは混合方式により塩粒子と結合して得られる。このとき、キトサンとしては、α−キトサン、β−キトサンまたはγ−キトサンが使用可能であるが、生産量が多くて安価なα−キトサンが好適に用いられる。
キトサンの分子量には特に制限がないが、塩の塩素イオンとの結合力に優れていると言える0.5〜500kDaであることが好ましく、10〜100kDaであることが塩の特性を低下することなく、しかもマイルドで後味が良いために一層好ましい。キトサン入り塩において、キトサンの含量は0.05〜5%であることが好ましく、1.5〜5%であることがさらに好ましい。キトサンの含量が1.5%以下である場合には、血圧降下機能があまり発現できず、5%以上である場合にはキトサンのぴりっと辛い味が残って食感を落としてしまう。キトサンの水溶性の状態は別に問題にならず、水溶性キトサン及び酸水溶性キトサンが両方とも使用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を一層詳述する。しかし、これらの実施例は単にキトサン入り塩の製造方法と血圧降下効能を開示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例により制限されることはない。
《実施例1》キトサン入り塩の製造方法
分子量50kDa(脱アセチル度:90%)の低分子キトサンを乳酸5%の水溶液に混合・溶解して10重量%のキトサン溶液を得た。次いで、韓国産天然海塩を15メッシュにて加工してなる塩10kgに10重量%のキトサン溶液をそれぞれ1L、2L及び3Lずつ吹き付けて塩粒子にコーティングするか、あるいは、塩粒子と結合させた。次いで、このようにして得られる塩粒子を乾燥して、キトサンの含量がそれぞれ1%、2%及び3%であるキトサン入り塩を得た。
分子量50kDa(脱アセチル度:90%)の低分子キトサンを乳酸5%の水溶液に混合・溶解して10重量%のキトサン溶液を得た。次いで、韓国産天然海塩を15メッシュにて加工してなる塩10kgに10重量%のキトサン溶液をそれぞれ1L、2L及び3Lずつ吹き付けて塩粒子にコーティングするか、あるいは、塩粒子と結合させた。次いで、このようにして得られる塩粒子を乾燥して、キトサンの含量がそれぞれ1%、2%及び3%であるキトサン入り塩を得た。
この方法に基づき、分子量が20、40及び100kDaであるキトサンを用いて2%のキトサン入り塩を得た。
《実施例2》キトサン入り塩のACE阻害効果
実施例1に従い製造されたキトサン入り塩のACE阻害効果を調べるために、蒸留水に溶かした2%のキトサン塩100μlを反応溶液250μlに加え、37℃において5分間放置した。次いで、ACE 50μlを入れて30分間反応させた後、1N HCl 250μlを加えて反応を止めた。ここに、エチルアセテート(ethyl acetate)1.5mLを加えて15秒間混合した後、遠心分離した。続けて、上澄液1mLを取り、スピードバック(speed back)にてエチルアセテートを除去しながら乾燥した後、蒸留水1mLに溶解させて228nmにおける吸光度を測定し、下記式に従いACE阻害活性を計算した。
実施例1に従い製造されたキトサン入り塩のACE阻害効果を調べるために、蒸留水に溶かした2%のキトサン塩100μlを反応溶液250μlに加え、37℃において5分間放置した。次いで、ACE 50μlを入れて30分間反応させた後、1N HCl 250μlを加えて反応を止めた。ここに、エチルアセテート(ethyl acetate)1.5mLを加えて15秒間混合した後、遠心分離した。続けて、上澄液1mLを取り、スピードバック(speed back)にてエチルアセテートを除去しながら乾燥した後、蒸留水1mLに溶解させて228nmにおける吸光度を測定し、下記式に従いACE阻害活性を計算した。
ACE阻害活性(%)=(1−A/B)×100
A:試料添加群の吸光度、B:試料無添加群の吸光度
A:試料添加群の吸光度、B:試料無添加群の吸光度
市販塩(commercial salt)とキトサン入り塩を用いてACEの阻害活性を調べてみた(図1)。図1に示すように、ACEの阻害活性は、対照群として用いられた化学合成阻害剤であるカプトプリルが57%と最も高く、3%のキトサン入り塩が39.91%であった。これに対し、市販塩からは、ACEの阻害効果がほとんど見られなかった。一般に、塩はACE活性を高める作用をするのに対し、キトサン入り塩の場合、ACEを阻害する効果に極めて優れているということが確認できた。
また、キトサンの含有量を2%に固定した状態で、分子量を20、40及び100kDaへと変えながらACEの阻害活性を調べてみた(図2)。図2に示すように、ACE阻害活性は分子量が20kDaであるときに27%と最も高く、分子量が増えるほどACE阻害活性が徐々に下がっていく傾向を示した。
《実施例3》キトサン塩の投与によるラットの血圧測定
生後16週目の一般ラットに塩を投与しなかった対照群(以下、無塩式対照群)を比較試験群とし、市販塩群と3%のキトサン塩群に分けてそれぞれ6匹ずつ5週間飼育した後、1週間おきに尻尾部の収縮期圧を測定した。実験ラットに与える試料の配合比(g/kg)は、とうもろこし544.9g、大豆油20g、塩化コリン0.1g、ビタミン混合物20g、カゼイン240g、砂糖145g及び塩30gであった。血圧は、RTBP2000単一チャンネルシステム(Single−channel System;ワールド・プレシジョン・インスツルメンツ)を使って測定し、血液中のナトリウムと塩素及びコレステロールの濃度は、UV分光光度計(UV−Spectrophotometer;日立7060)を使って測定した。
生後16週目の一般ラットに塩を投与しなかった対照群(以下、無塩式対照群)を比較試験群とし、市販塩群と3%のキトサン塩群に分けてそれぞれ6匹ずつ5週間飼育した後、1週間おきに尻尾部の収縮期圧を測定した。実験ラットに与える試料の配合比(g/kg)は、とうもろこし544.9g、大豆油20g、塩化コリン0.1g、ビタミン混合物20g、カゼイン240g、砂糖145g及び塩30gであった。血圧は、RTBP2000単一チャンネルシステム(Single−channel System;ワールド・プレシジョン・インスツルメンツ)を使って測定し、血液中のナトリウムと塩素及びコレステロールの濃度は、UV分光光度計(UV−Spectrophotometer;日立7060)を使って測定した。
その結果、市販塩を3%だけ食べさせたラットの場合、開始前よりも7mmHgほど血圧が上がっていたが、キトサン塩を食べさせたラットの場合、3mmHgほど血圧が下がっていたことが確認できた(図3)。この結果は、血液中の塩素イオンの濃度が下がることによる現象として推定される。さらに、これは、過剰に摂取された塩の塩素イオンを体外に排泄するのにキトサンが寄与したためであると見られる。
一方、ラットの飼育に当たり、一日につき2時間ずつ運動をさせた場合、市販塩3%を食べさせたラットの場合に血圧が6mmHgほど上がっているのに対し、キトサン塩3%を食べさせたラットの場合には、血圧が4mmHgほど下がっていた(図4)。
さらに、血液中のナトリウムと塩素イオンの濃度を飼育一ヶ月後に採血により分析した結果、無塩式比較群の場合、開始前と比較して塩素の濃度とコレステロール、中性脂質などが下がっていたが、市販塩を3%食べさせたラットの場合、ナトリウム及び塩素の濃度が上がっていた。一方、キトサン入り塩を3%食べさせたラットの場合、市販塩を3%食べさせたラットと比較するとき、塩素の濃度が相対的に下がっていたことが確認でき、これに伴い、コレステロールも下がっていたことが観察された(表1)。
《実施例4》高血圧誘発ラットを用いたキトサン入り塩の血圧降下効果
高血圧誘発ラットを対象とし、実施例3と同じ実験を行った(図5)。その結果、図5に示すように、対照群(control)の場合、血圧が持続的に下がっていくのに対し、市販塩による処理群においては、健やかなラットの実験結果と同様に、徐々に上がって一ヶ月後には平均5ポイントが上がり、危険レベルまで達していた。しかし、キトサン入り塩(chitosan salt)群においては、驚くほど大幅に血圧が下がっていた。
高血圧誘発ラットを対象とし、実施例3と同じ実験を行った(図5)。その結果、図5に示すように、対照群(control)の場合、血圧が持続的に下がっていくのに対し、市販塩による処理群においては、健やかなラットの実験結果と同様に、徐々に上がって一ヶ月後には平均5ポイントが上がり、危険レベルまで達していた。しかし、キトサン入り塩(chitosan salt)群においては、驚くほど大幅に血圧が下がっていた。
また、血液中の塩素イオンを測定した結果、市販塩3%の投与群の場合に塩素イオンの濃度が102.8mMであったのに対し、キトサン入り塩3%の投与群は塩素イオンの濃度が97.7mMであって、5.1mMほど低かった。この結果から、塩素イオンが血圧を高める主な物質であることが推定できる。
《実施例5》本発明によるキトサン入り塩の製造工程の経済性
従来の技術による製造工程は、先ず、キトサン乳酸水溶液と天然海塩を混合して混合溶液を得、この混合溶液を蒸発・乾燥した後、粉砕及び選別過程を経て包装をする。これに対し、本発明は、キトサン乳酸水溶液を顆粒天然海塩に吹き付けてコーティングまたは結合した後、選別して包装をする。このため、本発明によるキトサン入り塩の製造工程は、混合溶液を製造するためのタンク施設が不要になり、しかも、再結晶化工程と粉砕工程をも省くことができる(図6)。
従来の技術による製造工程は、先ず、キトサン乳酸水溶液と天然海塩を混合して混合溶液を得、この混合溶液を蒸発・乾燥した後、粉砕及び選別過程を経て包装をする。これに対し、本発明は、キトサン乳酸水溶液を顆粒天然海塩に吹き付けてコーティングまたは結合した後、選別して包装をする。このため、本発明によるキトサン入り塩の製造工程は、混合溶液を製造するためのタンク施設が不要になり、しかも、再結晶化工程と粉砕工程をも省くことができる(図6)。
キトサン入り塩の量産に当たり、従来の技術(例えば、上記の特許文献2)と本発明による技術とのエネルギーコストを比較してみた。下記表2に示すように、従来の技術(例えば、上記の特許文献2)に従いキトサン入り塩300kgを製造するときにかかるエネルギーコストは、約33,175ウォンであった。
一方、本発明に係る製造方法に従い、キトサン10%及び乳酸5%を使って(キトサン+乳酸)水溶液100Lを製造し、これを顆粒千日塩290kgに吹き付けてコーティングまたは結合した後、乾燥及び選別する過程を経る場合、蒸発すべき水の量は85Lであり、所要熱量は50,787.5kcalである。これをエネルギーコストに換算すれば、59.1kwとなる。結局、同じ300kgのキトサン入り塩を製造するときのエネルギーコストは2,955ウォンであって、従来の技術に比べて11倍以上節減効果があった。
本発明に係るキトサン入り塩の製造方法は、従来の製造方法に比べて単純である。また、この製造方法によれば、量産が容易であり、均一な品質を有するキトサン入り塩を得ることができる。
本発明によれば、吹き付けまたは混合によりキトサンまたはキトサン誘導体を塩粒子に結合することにより、再結晶化工程を経ることなくキトサン入り塩を得ることができ、製造コストを画期的に下げることができる。
本発明によれば、吹き付けまたは混合によりキトサンまたはキトサン誘導体を塩粒子に結合することにより、再結晶化工程を経ることなくキトサン入り塩を得ることができ、製造コストを画期的に下げることができる。
Claims (7)
- 次の段階を含む血圧降下機能を有するキトサン入り塩の製造方法:
(a)キトサン溶液の調整のために、酸溶解性キトサンを有機酸に溶解するか、あるいは、水溶性キトサン誘導体を水に溶解する段階;
(b)前記キトサン溶液を塩に吹き付けてキトサンを塩粒子に結合させる段階;及び
(c)前記キトサンが結合された塩粒子を乾燥する段階。 - 前記キトサンが、α−キトサンまたはβ−キトサンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記キトサンまたはキトサン誘導体の分子量が、10〜100kDaであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記有機酸が、乳酸、酢酸またはアスコルビン酸であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記塩が天然海塩、精製塩または岩塩であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記塩の粒径が、10〜50メッシュであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記キトサン入り塩のキトサンまたはキトサン誘導体の含量が、1.5〜5%であることを特徴とする請求項1〜6項のいずれか1項に記載の方法。
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