JP2006515161A - エリスロポエチンのt細胞エピトープ - Google Patents

エリスロポエチンのt細胞エピトープ Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒトEPO中のT細胞に対するエピトープの同定、ならびに免疫原性の低減した新規な改変EPO変異体を創出することがそれによって可能になる、EPO由来のT細胞エピトープペプチドに関する。

Description

(発明の分野)
本発明は、免疫学の分野に関する。本発明は、免疫応答を誘起し得るヒトエリスロポエチン(EPO)上の決定基を同定する。特に、本発明は、ヒトEPO中のT細胞に対するエピトープの同定に関する。本発明はさらに、免疫原性の低減した修飾EPO変異体を創出することがそれによって可能になる、EPO由来のT細胞エピトープペプチドに関する。
(発明の背景)
治療用タンパク質に対して望ましくない免疫反応が起こるために、治療用タンパク質の有効性が制限される例が多々ある。いくつかのマウスモノクローナル抗体はヒトの多数の疾病症状において治療剤としての見込みを示すが、ヒト抗マウス抗体(HAMA)反応が著しく誘導するため失敗したケースもある[Schroff,R.W. ら(1985) Cancer Res. 45:879−885;Shawler, D.L. ら(1985)J.Immunol.135:1530−1535頁]。モノクローナル抗体については、HAMA反応を低減させようと多数の技術が開発されている[WO 89/09622;EP 0239400;EP 0438310;WO 91/06667]。これらの組換えDNA手法は、一般に最終的な抗体コンストラクトにおいてマウス遺伝子情報を低減させる一方、最終コンストラクト中のヒト遺伝子情報を増加させるものである。それにもかかわらず、得られた「ヒト化」抗体は、依然として患者に免疫反応を誘発する場合があった[Issacs J.D. (1990) Sem.Immunol. 2:449, 456;Rebello, P.R. ら(1999) Transplantation 68:1417-1420頁]。
抗体は、治療剤として投与した際にそれに対して免疫反応が発動し得る唯一の種類のポリペプチド分子ではない。ヒトに由来する、しかも人体内に存在するのと同じアミノ酸配列を有するタンパク質でさえ、人体内で免疫反応を引き起こすことがある。顕著な例としては、とりわけ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子[Wadhwa,M. et al(1999)Clin.Cancer Res. 5:1353-1361]やインターフェロンアルファ2[Russo,D. et al (1996) Bri.J.Haem.94:300-305;Stein,R. et al(1988) New Engl.Med. 318:1409-1413]の治療上の使用が挙げられる。このようなヒトタンパク質が免疫原性となる状況では、さもなければその対象においてこれらのタンパク質に対して作動しているはずの免疫寛容が損なわれていることが推測される。
最近ではこの問題の目立った例が、組換え型ヒトエリスロポエチン(EPO)の治療目的での使用で見られる。このエリスロポエチンは、in vivoで赤血球の生成を促進する、重要な糖タンパク質増殖因子である。このタンパク質は、透析中の貧血患者および貧血を問題とする他の患者の治療に治療目的で使用される。このタンパク質は、大多数の患者の貧血管理において安全かつ有効であることが証明されている。しかし、1997年に、PrabhakarおよびMuhlfelder [Prabhakar, S. およびMuhlfelder, T. Clin.Nephrol. 第47巻:331〜335頁] が、高い力価の抗EPO抗体に直面した純赤血球無形成症のただ1件の事例を記載している。その後、組換え型EPOに対する抗体の発生と関連付けられた、純赤血球無形成症の他の事例が多数報告された。誘起された抗体が内在するタンパク質と交差反応を起こして、赤血球の分化が完全に遮断されるという結論が下されている(総説については、Indiveri F.およびMurdaca, G、Rev.Clin.Exp.Hematol. (2002年)増刊1:7〜11頁を参照)。患者は、頻繁に輸血することによってのみ生きながらえ、治療が中断されるときには抗体レベルが減少するものの、患者の半数近くが輸血に依存したままである。
EPOなどの治療用タンパク質に対する抗体の応答が持続するためには、ヘルパーT−細胞の増殖および活性が刺激される必要がある。T細胞が刺激されるには、T細胞と抗原提示細胞(APC)間にT細胞シナプスが確立される必要がある。シナプスのコアには、APC表面上のペプチドMHCクラスII複合体と結合したT細胞上のT細胞受容体(TCR)がある。ペプチドは、抗原タンパク質が細胞内で処理されて得られる。MHCクラスII分子上で提示されてT細胞の活性を刺激することのできるタンパク質抗原のペプチド配列が、「T細胞エピトープ」と呼ばれるものである。このT細胞エピトープは、一般に、MHCクラスII分子に結合することのできる任意のアミノ酸残基配列であると定義される。「T細胞エピトープ」は、MHC分子に結合したときにTCRによって認識され、また少なくとも原則として、TCRと結合してT細胞応答を促進することによってT細胞の活性化を引き起こし得るエピトープを意味することは暗黙のうちである。多くのタンパク質では、少数のヘルパーT細胞エピトープが、ヘルパーTシグナル伝達を駆使して、治療タンパク質上に露出した非常に広いレパートリーの表面決定基になり得るものに対する、持続性の、親和性の高い、クラススイッチ型の抗体応答をもたらし得ることを理解されたい。
T細胞エピトープの同定は、エピトープを除去する最初のステップとして認められており、EPOなどの治療用タンパク質のT細胞エピトープを同定することは非常に望ましい。特許出願WO98/52976およびWO00/34317は、ヒトMHCクラスII DRアロタイプのサブセットへの潜在的結合能力を有するポリペプチド配列を同定するための、計算によるスレッディング法を教示している。これらの教示では、対象のタンパク質内での慎重なアミノ酸置換を用いることによって、予想されるT細胞エピトープを除去する。しかし、このスキーム、ならびにエピトープを同定するための他の計算による手順[Godkin, A.J.ら(1998年)、J.Immunol. 第161巻:850〜858頁;Sturniolo, T.ら(1999年)、Nat.Biotechnol. 第17巻:555〜561頁]では、MHCクラスII分子を結合し得ると予想したペプチドが、処理経路または他の事象のために、あらゆる状況、特にin vivoでT細胞エピトープとして機能しないことがある。さらに、T細胞エピトープを予測するための計算による手法では、一般に、DPもしくはDQに拘束されたエピトープを予測することができていない。
また、たとえば、定義されているMHCアロタイプのB細胞系統をMHCクラスII結合表面の供給源として使用する、合成ペプチドのMHCクラスII分子結合能を測定するin vitroでの方法[Marshall K.W. ら(1994年)、J.Immunol. 第152巻:4946〜4956頁;O'Sullivanら(1990年) J.Immunol. 第145巻:1799〜1808頁;Robadey C. ら(1997年)、J.Immunol 第159巻:3238〜3246頁]を、MHCクラスIIリガンドの同定に応用することもできる。しかし、このような技術は、非常に多様なMHCアロタイプに対する多数の潜在的エピトープを選ぶスクリーニングに適合したものでもなければ、ペプチドを結合してT細胞エピトープとして機能する能力を確認することもできない。
最近では、組換え型MHC分子の可溶性複合体を合成ペプチドと併せて活用する技術が用いられるようになっている(Kern, F.ら(1998年)、Nature Medicine 第4巻:975〜978頁;Kwok, W.W. ら(2001年)、TRENDS in Immunol. 第22巻:583〜588頁]。このような試薬および手順は、ヒトまたは実験動物対象の末梢血サンプルに由来するT細胞クローンの存在を同定するのに使用され、特定のMHCペプチド複合体を結合することができるが、非常に多様なMHCアロタイプに対する多彩な潜在的エピトープのスクリーニングに適合したものではない。
T細胞活性化の生物学的アッセイが、試験ペプチド/タンパク質配列が免疫応答を誘起できる能力の示度を得る最も実際的な選択肢であることに変わりはない。この種の手法の例には、細菌タンパク質スタフィロキナーゼに対してT細胞増殖アッセイを使用した後、合成ペプチドを用いてT細胞系統を刺激しながらエピトープマッピングを行うPetraらの研究成果が含まれる[Petra, A.M. ら(2002年)、J.Immunol. 第168巻:155〜161頁]。同様に、破傷風毒素タンパク質の合成ペプチドを使用するT細胞増殖アッセイによっても、この毒素の免疫優勢のエピトープ領域が確定されている[Reece J.C. ら(1993年)、J.Immunol. 第151巻:6175〜6184頁]。WO99/53038は、単離したヒト免疫細胞サブセットを使用し、in vitroでその分化を促進し、その細胞を対象の合成ペプチドの存在下で培養し、誘発された培養T細胞の増殖を測定して、試験タンパク質のT細胞エピトープを決定する手法を開示している。Sticklerらも同じ技術を記載しており[Stickler, M.M.ら(2000年)、J.Immunotherapy 第23巻:654〜660頁]、どちらの例でも、その方法が細菌サブチリシン内のT細胞エピトープの検出に適用されている。このような技術では、所望の免疫細胞サブセット(樹状細胞、CD4+およびまたはCD8+T細胞)を得るために、細胞単離技術および多種類のサイトカインを補充しての細胞培養を慎重に適用する必要がある。
これらの手法の変形形態では、Hiemstraら[Hiemstra, H.S. (1997年)、Proc.Natl.Acad.Sci USA第94巻:10313〜10318頁]が、既知のT細胞を刺激し得るペプチドエピトープを同定するための手順を開示しており、この方法は、それに対する(自己)抗原が未知である自己反応性のT細胞クローンの検出において価値がある。
上記の例、ならびに通常は誘発された増殖応答の測定によってin vitroでのT細胞活性化事象を測定するというテーマの、技術的な差異を伴う他の生物学的アッセイは数多い。しかし、ヒトを起源とするタンパク質中の生物学的関連性のあるエピトープを検出するための統一されたスキームを提供する手順もなければ、MHCアロタイプの広範な集団に対する意味のあるエピトープの検出に容易に適用できる手順もない。本発明は、T細胞エピトープのヒトMHCクラスII分子と相互に反応できる能力が落ちているヒトEPOおよびEPO類似体のT細胞エピトープを同定するためのスキームを提供する。
ヒトEPO配列内の潜在的なMHCクラスIIリガンドは、WO02/062843で本発明者らがすでに記載している。本発明とは対照的に、WO02/062843の中で開示した、考えられるMHCクラスIIリガンドのデータセットは、計算による手段のみを使用して得たものであり、非常に大きく、考えられるMHCリガンドが大量にあることを表している。完全なEPOタンパク質のタンパク質分解による処理、ならびにin vivoでEPOペプチドを提示させる他の生理的ステップが必要であるなどの理由のために、全ペプチドレパートリーのうちの小規模なサブセットだけが最終的な生物学的関連性をもつことははっきりしており、本発明は、EPO T細胞エピトープマップの形で、当業界のこの不備に対処することを考える。
前述のように、組換えEPOは、慢性腎不全の結果として起こる貧血の有効な処置として使用される。EPOは、赤血球前駆細胞の赤血球への成熟に関与する糖タンパク質ホルモンである。自然に存在するEPOは、胎児期の間は肝臓によって、成体では腎臓によって産生される。このホルモンが血中を循環して、骨髄での赤血球細胞の産生を刺激する。腎不全は、腎臓からのEPO産生が減少するために、ほぼ必ず貧血をもたらす。組換えDNA法を用いるEPOの生成は、以前に記載されており[Jacobsら、Nature、第313巻:806〜810頁、Lin,F.-K.ら(1985年)、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 第82巻:7580〜7585頁]、たとえば、Kirin-AmgenのPCT公開第WO85/02610号および他の例に記載の手順に従って、治療量を産生することができる。
ヒトEPOの成熟アミノ酸配列は、166個のアミノ酸残基を含み、次の配列:
Figure 2006515161
を含む一文字記号で示される。
組換えヒトEPO(哺乳動物細胞中で発現されたもの)は、それぞれが末端シアル酸残基を含む、3本のN結合型オリゴ糖鎖と1本のO結合型オリゴ糖鎖を含んでいる。後者は、肝臓のアシアログリコプロテイン結合タンパク質によって、EPOが循環の迅速なクリアランスを免れられるようになる際に重要である。分子の構造および機能を理解するために、突然変異によるタンパク質の改変を適用するいくつかの研究が実施されている。たとえば、Yamaguchi[Yamaguchi, K.ら(1991年)、J.Biol.Chem. 第266巻:20434〜20439頁]、Delorme[Delorme, E.ら(1992年)、Biochemistry 第31巻:9871〜9876頁]、およびBill[Bill, R.ら(1995年)、Biochim.Biophys.Acta. 第1261巻:35〜43頁]による研究は、N24、N38、N83およびS126で置換を行うことによって、タンパク質内のN結合型およびO結合型グリコシル化部位に注目している。この研究成果は、N結合型グリコシル化にEPO活性が必要であること、特に、N結合型糖類が、EPOの見かけの分子量を増大させ、循環半減期を延長することを示唆している。Billらの事例では、置換は、N24、N38およびN83をシステインにするものであり、これによって機能活性が大幅に低下した。
システインでの置換は、WO99/03887でも開示されているが、その目的は、システインが付加されたEPO変異体、ならびにシステイン反応性PEGおよび他のシステイン反応性部分を使用する複合体の調製でのその使用を提供することである。この適用例は、EPO中のある種のアミノ酸は生物学的活性にとって必須でなく、正常なジスルフィド結合パターンおよび全体としての分子構造を変更せずにシステイン残基に突然変異させることができることを教示している。WO99/03887で企図された置換の例には、
Figure 2006515161
が含まれる。
本発明は、遊離のシステインの組み込みが確認された上記位置のうちの1箇所または複数での置換を特徴とするEPO類似体を開示する。しかし、本発明は、上記の企図された置換のいずれからも特に距離をおいて教示するものであり、PEG部分を用いる誘導に適する遊離システイン残基の組込みには少しも注目していない。
米国特許第4703008号は、自然に存在するEPO変異体、ならびに哺乳動物のEPOタンパク質中に存在するアミノ酸置換を提示している。
EP0357804は、M54の置換を含むEPO組成物を提供している。好ましい置換はM54Lであり、別の好ましい実施形態は、N38での置換を記載している。M54L置換は、EPO組成物をより酸化されにくくすると考えられており、生合成の際にノルロイシンが誤って組み込まれるのを最小限に抑える。
他にもまだ改変EPO分子が提供されており、その例には、米国特許第5856298号および米国特許第5955422号が含まれるが、これらの手法および他の例は、EPOの工業生産の改良を対象とし、組換え分子としてのタンパク質のグリコシル化状態に影響を及ぼすことに接近するものであることを理解されたい。
これらの教示には、タンパク質の免疫原性に対するT細胞エピトープの重要性を認識しているものもなければ、本発明のスキームに従う明確かつ制御された方法の中で前記免疫原性に直接に影響を及ぼすことを考えたものもない。
線状タンパク質配列内のT細胞エピトープの起源と位置を、本明細書では、「エピトープマップ」と呼ぶ。本発明の目的は、ヒトEPOのエピトープマップを提供することである。
本発明の別の目的は、予めマッピングされているT細胞エピトープの、MHCクラスIIリガンドとして機能する能力、およびまたはMHCクラスII分子と合同でT細胞を活性化する能力が損なわれているEPO類似体を提供することである。ヒト対象において免疫応答を誘発する素質が低減しているか、または存在しないEPOを提供することが非常に望ましく、したがって、本発明の特定の目的は、潜在的T細胞エピトープの数を減らすことによって免疫特性が変更されている改変EPOタンパク質を提供することである。
要するに、本発明は、以下の点に関する。すなわち、
・未処置T細胞アッセイで合成ペプチドパネルを使用して、ヒトEPOの免疫原性領域のマッピングを行うこと、
・20人以上の健常ドナーから単離したPBMCを使用する、EPOタンパク質のT細胞エピトープマップの構築、ならびに
i)生理的比率のT細胞対抗原提示細胞を含有するPBMC調製物を用い、2種以上のペプチド濃度の合成ペプチド免疫原を、最長で7日間の培養期間にわたり使用する、in vitroでの抗原刺激と、ii)任意の適切な方法による誘発増殖指数の測定と、を含むステップを有するスクリーニング法の構築、
・未処置T細胞アッセイにおいて1.8、好ましくは2.0を超える刺激指数を誘起し得るEPO由来ペプチド配列、
・未処置T細胞アッセイでの刺激指数が1.8、好ましくは2.0よりも大きいEPO由来のペプチド配列であって、最小限に改変してあり、未処置T細胞アッセイで試験すると、刺激指数が2.0未満であることが判明するペプチド配列、
・野生型のタンパク質配列とのアミノ酸同一性が100%であり、T細胞アッセイで1.8以上、好ましくは2.0より大きい刺激指数を誘起し得るEPO由来ペプチド配列、
・野生型のタンパク質配列との100%未満のアミノ酸同一性を含むように改変され、T細胞アッセイで試験したとき2.0未満の刺激指数を誘起する、しかるべく指定されたEPOペプチド配列、。
・T細胞アッセイで個々に試験したとき2.0未満の刺激指数を誘起する改変ペプチド配列を含むEPO分子、
・T細胞アッセイで試験したとき、誘起される刺激指数が非改変タンパク質分子と比べて減少するような変更を含むEPO分子、
・その免疫原性領域が、T細胞アッセイを使用してマッピングされ、次いで、T細胞アッセイで再試験の際にその改変タンパク質が親(非改変)分子未満の刺激指数、最も好ましくは2.0未満もしくは1.8未満である刺激指数を誘起するように改変されているEPO分子、
・EPOの生物学的活性を有し、実質的に非免疫原性であるか、またはin vivoで使用したとき同じ生物学的活性を有する任意の非改変分子よりも免疫原性が低い改変分子、
・本明細書でエピトープ領域として規定され、配列
Figure 2006515161
のうちの1つを含む残基の連続鎖の1個または複数の残基が変更されている、しかるべく指定された分子、
・本明細書でエピトープ領域R1として規定され、配列AKEAENITTGCAEHCSLNENIを含む残基の連続鎖の1個または複数の残基が変更されている、しかるべく指定された分子、
・本明細書でエピトープ領域R2として規定され、配列RGQALLVNSSQPWEPLQLHVDを含む残基の連続鎖の1個または複数の残基が変更されている、しかるべく指定された分子、
・本明細書でエピトープ領域R3として規定され、配列TFRKLFRVYSNFLRGKLKLYTを含む残基の連続鎖の1個または複数の残基が変更されている、しかるべく指定された分子、
・配列R1〜R3のいずれかに由来する13〜15個の連続的した残基を含むペプチド分子、
・本明細書の表1の同定された配列のいずれかに由来する13〜15個の連続的した残基を含むペプチド分子、
・エピトープ領域R1〜R3に由来するペプチド配列のいずれかとのアミノ酸同一性が80%より高い上記のペプチド分子、
・本明細書の表1で同定されるペプチド配列に由来するペプチド配列のいずれかとのアミノ酸同一性が80%より高い上記のペプチド分子、。
・MHCクラスIIを結合することのできる上記のようなペプチド配列、
・MHCクラスIIに結合する活性を有する上記のペプチドまたは改変ペプチドのいずれかを含む薬剤組成物、
・上記および以下で規定するような前記の指定された改変分子のいずれかをコードするDNA配列または分子、
・EPOの生物学的活性を有する改変分子を含む薬剤組成物、
・任意選択で薬剤として許容される担体、希釈剤または賦形剤を添加する、上記および/または特許請求の範囲で規定する薬剤組成物、。
・EPOの生物学的活性を有する改変分子の製造方法であって、(i)ポリペプチドまたはその部分のアミノ酸配列を決定するステップと、(ii)in vitro技術もしくはin silico技術または生物学的アッセイを使用するペプチドのMHC分子への結合状態の判定を含む任意の方法によって、タンパク質のアミノ酸配列内の1種または複数の潜在的なT細胞エピトープを同定するステップと、(iii)in vitroもしくはin silico技術または生物学的アッセイを使用しながらペプチドのMHC分子への結合状態によって判定されるT細胞エピトープの活性が実質的に低減または消失するように改変された、同定された潜在的なT細胞エピトープ内の1個または複数のアミノ酸が新しい配列変異体を設計するステップと、(iv)組換えDNA技術によってそのような配列変異体を構築し、前記変異体を試験して、望ましい特性を有する1種または複数の変異体を同定するステップと、(v)任意選択でステップ(ii)〜(iv)を繰り返すステップと、を含む方法、
・ステップ(iii)を、もとから存在するいずれかのT細胞エピトープ中の1〜9個のアミノ酸残基の置換、付加または欠失によって実施する、しかるべく指定された方法、
・相同タンパク質配列および/またはin silicoモデリング技術に関して前記の変更を行う、しかるべく指定された方法、
・上記で特定したT細胞エピトープペプチドの少なくとも9個の連続したアミノ酸残基からなるペプチド配列、ならびに免疫原性が実質的にないか、または任意の非改変分子よりも低く、かつin vivoで使用したときにEPOの生物学的活性を有するEPOの製造でのその使用、
・未処置T細胞活性化アッセイと、ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームとを使用して、EPO中のT細胞エピトープの位置をマッピングする協調的方法、。
・EPO中のT細胞エピトープの位置づける方法であって、
i)未処置T細胞活性化アッセイおよび対象のタンパク質配列を集合的に含む合成ペプチド配列を使用して、T細胞を活性化することのできるエピトープ領域を同定するステップと、
ii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを使用して、ステップ(i)で同定されたエピトープ領域を分析し、それによってエピトープ領域内のMHCクラスIIリガンドを同定するステップと、
iii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを使用して、MHCクラスIIともはや結合しない、またはより少ないMHCアロタイプとより低い親和性でしか結合しないエピトープ領域内に含まれるMHCリガンドの配列類似体を同定するステップと、
iv)未処置T細胞活性化アッセイ、および対象のタンパク質内で同定されたエピトープ領域を完全に、または集合として含む合成ペプチドを使用して、その配列類似体を、未処置T細胞活性化アッセイで野生型(親)配列と並行して試験するステップと
を含む方法。
・ステップ(ii)および(iii)を、WO02/069232が教示しているような計算による手法を使用して実施する、上記スキームに従う方法、
・ステップ(iv)を任意選択で実施する、上記スキームに従う方法、
・未処置T細胞活性化アッセイを、約20以上の無関係なドナーに由来のPBMC細胞を使用して実施する、上記スキームに従う方法、
・2種以上の独立したドナーサンプルで約2.0の刺激指数スコアが認められるときにT細胞エピトープの位置が判明する、上記スキームに従う方法、
・2種以上の独立したドナーサンプルで約2.0の刺激指数スコアが認められるときにT細胞エピトープの位置が判明し、計算システムを使用して同じ配列位置内で1種または複数のMHCクラスIIリガンドを同定することのできる、前記スキームに従う方法、
・前記の計算システムがWO02/069232によって教示されている方法に従うものである、前記スキームに従う方法、
・免疫原性領域が、T細胞アッセイを使用してマッピングされ、次いで、T細胞アッセイで再試験すると親(非改変)分子未満の刺激指数、最も好ましくは2.0未満、好ましくは1.8未満である刺激指数を誘起するように改変されているEPO分子、
・本明細書で図4に示す構造のEPO分子。
(発明の詳細な説明)
本発明の第1の実施形態によれば、ヒトEPOのT細胞エピトープマップが提供される。EPOのエピトープマップは、特定の位置で、特定の残基によってアミノ酸置換を行って、タンパク質の1個または複数の潜在的なT細胞エピトープが除去され、またはその活性が実質的に低減されているEPO類似体を設計する際に有用である。本発明は、親分子の最も免疫原性のある領域内での適切な置換の例を提供し、そのような置換を本発明の実施形態であるとみなす。
共同所有の出願WO02/062843には、以前から、許容されるMHCクラスIIリガンドの領域を含むEPO由来ペプチドのデータセットが述べられており、それぞれのペプチドの、MHCクラスIIリガンドとして機能する能力に欠陥を生じさせることのできるアミノ酸置換を示している。WO02/062843は、2002年8月15日に公開され、この文献の全体を参照により本明細書に援用する。WO02/062843出願は、MHCクラスIIリガンドを確定するためにin silico技術を使用しており、タンパク質分解による処理、およびin vivoで免疫原性ペプチドの提示をもたらす他の生理的ステップが必要であるなどの理由のために、全ペプチドレパートリーのうちの比較的小規模なサブセットが、最終的な生物学的関連性をもつことははっきりしている。発明者らは、ex vivoヒトT細胞活性化アッセイを使用して、T細胞の活性化を支持することができ、そのためにこのタンパク質の免疫原性の問題に生物学的に最も関連性のある、EPOのタンパク質配列内の領域を同定できることを確立した。本明細書で開示するヒトEPOのエピトープマップは、このような手法を適用して得られたものであり、開示する方法はしたがって、本発明の実施形態でもある。
この方法によれば、合成ペプチドを、in vitroで培養したヒトT細胞の増殖応答を誘起する能力があるか試験する。T細胞は全血サンプルから周知の手段によって容易に得られる末梢血単核細胞(PBMC)層内に存在する。さらに、PBMC調製物はT細胞と抗原提示細胞を生理的比率で含有しており、したがってin vitroで代理免疫反応を実施するための良好な材料供給源である。発明者らは、このようなアッセイを実施する際、刺激指数2.0付近が、増殖が誘発されたことの有用な基準となることを確立した。刺激指数(SI)は、試験ペプチドに対して測定された増殖スコア(たとえば3H−チミジンの取込みを使用する場合では、1分あたりの放射能カウント)を、試験ペプチドと接触させていない細胞で測定されたスコアで割ることによって普通に導かれる。応答を誘起していないペプチドでは、SI=1.0が得られるが、実際には0.8〜1.2の範囲のSI値は注目に値しない。いくつかの技術的手順をこのようなアッセイの操作に組み込んで、記録されたスコアの信頼度を確実にすることができる。通常、判定は少なくとも3通りに行い、平均スコアを計算することができる。計算されたSIが>2.0である場合、3通りの個々のスコアを、範囲外のデータの形跡があるか調べることができる。試験ペプチドは少なくとも2種の異なる濃度の細胞と接触させるが、その濃度は、通常最小で2倍の濃度差を有するはずである。このような濃度範囲は、アッセイの動的な面を補い、たとえばプラス7日目での単一時点判定を行う場合に特に重要である。いくつかのアッセイでは、複合的な時間経過での判定を行うが、いずれにせよ、このようなアッセイも、少なくとも2種の異なる濃度で用意されたペプチド免疫原を使用して行われることになる。同様に、PBMCドナーサンプルの大多数が応答性であるという見込みのある対照ペプチド含有物を各アッセイプレートに含めることもできる。インフルエンザ赤血球凝集素ペプチド307-309、すなわち配列PKYVKQNTLKLA、およびクラミジアHSP 60ペプチド配列KVVDQIKKISKPVQHが、特に適切な対照ペプチドであるが、他の多くの例を活用することができる。アッセイでは、好ましくは、すべてのPBMCサンプルが2.0よりもかなり大きいSIを示すことが予想される、キーホールリンペット由来ヘモシアニンなどの強力な全タンパク質抗原も使用すべきである。
考えられる広いスペクトルのMHCアロタイプに関連したヒトEPOエピトープマップを提供することが特に望ましい。マップは、そのタンパク質が投与される可能性のある患者の大多数について、そのタンパク質の、T細胞によって駆動される免疫応答を誘起する能力が消失し、もしくは少なくとも緩和されている改変タンパク質の設計または選択を十分に可能にするものであることが望ましい。したがって、スクリーニング方法を実施する際には、ヒト集団中に実在するMHCクラスIIレパートリー(HLA−DR)が少なくとも90%以上であるサンプルを提供するのに十分な免疫多様性のあるドナープールから、未処置ドナーのPBMC由来T細胞を収集する。所与の合成ペプチドに対する未処置T細胞応答を検出する場合では、実際はそのペプチドを単離して多数の別々のドナーに由来するPBMC調製物と接触させ、ドナーの数(または「ドナープール」サイズ)は、実際上の目的では、無関係な個体が20種類未満であることはなく、ドナープール中のサンプルはすべて、そのMHCクラスIIハプロタイプに従って予め選択することができる。
用語「未処置ドナー」とは、本発明では、治療目的または外来のどんなEPO源も与えられていない個体から得たT細胞を意味する。
本発明は、本明細書で、免疫に関して未処置のT細胞を活用するT細胞エピトープマッピングの方法を開示する。T細胞は、多数の異なる健常ドナーからの末梢血サンプルから得、対象のタンパク質がそのドナーに内在する分子であってもよいが、ドナーには、たとえば治療目的で投与された、外来供給源由来の対象のタンパク質が与えられていない。アッセイは、当業界で一般的な手順を使用してin vitroで培養したPBMCを用いて実施し、PBMCを対象のタンパク質である合成ペプチド種と接触させるものであり、その後、適切な期間インキュベートし、ペプチドによって誘発された、細胞増殖などのT細胞活性化を測定する。測定は、任意の適切な手段によって行い、たとえば、3Hチミジンの取込みを利用することができ、それによると、細胞材料への3Hの蓄積が研究室の機器を用いて容易に測定される。PBMCサンプルと合成ペプチドのそれぞれの組合せについて、非ペプチド処理PBMCサンプルでわかったものと比べた細胞増殖の度合いを調べる。増殖作用が期待される1種または複数のペプチドで処理した後にわかった増殖応答を当てはめてもよい。これに関しては、既知の広いMHC拘束性を有するペプチド、特にDPまたはDQアイソタイプへのMHC拘束性を有するペプチドエピトープを使用すると特に有利であると考えられる。
ヒトEPOのエピトープマップの作成を容易にするために、一連の合成ペプチドを作成した。ペプチドはそれぞれ、長さが15アミノ酸残基であり、それぞれ系列の次のペプチドと12アミノ酸残基が重複しており、すなわち、系列の連続的な各ペプチドによって、更なる3個のアミノ酸が徐々に分析に加えられた。この過程で、任意の所与の隣接するペプチドの対によって、18個のアミノ酸の連続した配列がマッピングされた。EPOでは、完全な成熟タンパク質の走査を可能にするのに合計51個のペプチドが必要であった。EPOのT細胞マップを確定するのに特に有効な、未処置T細胞アッセイを使用する方法を実施例1に示す。
この研究では、有意な増殖応答を誘起し得る16種のペプチド配列が発見された。そのペプチドを表1に示し、これらを本発明の実施形態とする。この一連のペプチドの内で、2種以上の個々のドナーサンプルでそれぞれが有意な増殖応答を誘起した更なるサブセットのペプチドを同定した。そのペプチドを表2に示し、これらを本発明の別の実施形態とする。
Figure 2006515161
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表1の同定されたペプチドはそれぞれ、MHCクラスIIを結合し、またこのアッセイ系で検出可能な増殖バーストを誘起するのに十分な親和性で、少なくとも1個の同系統のTCRを結合し得ることが示唆される。表2のペプチドについては、2種または3種の無関係なPBMCサンプルから得たPBMCを使用してこの厳しい判断基準に達した。これらのペプチドは、その分子の主要なエピトープ領域を含んでいると考えられ、EPO配列中の3ゾーンに対するクラスターを、本明細書では、エピトープ領域R1、R2、およびR3と称する。
エピトープ領域R1は、配列AKEAENITTGCAEHCSLNENIを含むペプチドP7、P8およびP9によって包含される。エピトープ領域R2は、配列RGQALLVNSSQPWEPを含むペプチドP26によって包含される。R2エピトープについては、連続的なペプチドP27およびP28もそれぞれ、1種のPBMCドナーサンプルと反応性であることに留意されたい。P27ペプチドの場合では、ドナーは、P26ペプチドに対しても反応性であり、R2内の単一の共通コア配列が、この刺激の原因であると思われる。連続的な各ペプチドの配列が段階的に移行するために、2種または3種の隣接するペプチド間で同じコア9量体配列が共有される(すなわち、共通である)ことが可能である。厳密な段階的移行は、N末端への近接度に応じて変わり、ペプチドの長さ、ならびに配列が連続的に増大していくごとに走査された「新しい」残基の数と関連付けられる。R2エピトープの場合では、この領域は特に、そのC末端領域に重要なMHCクラスIIリガンドを含んでいることがわかっているので、エピトープ領域のC末端側の境界部がペプチドP27およびP28内にある配列を含むように設定した(以下および図2を参照)。エピトープ領域R2はしたがって、配列RGQALLVNSSQPWEPLQLHVDによって規定される。
エピトープ領域R3は、ペプチドP46およびP47によって包含され、EPO配列のC末端に及んでいる。エピトープR3のC末端側境界部は、EPOタンパク質の本来の末端による制限を受け、注目される点として、ペプチドP50も、2種のドナーサンプルで反応性であり、そのドナーが、同じようにペプチドP46およびP47と反応する。R3エピトープのコアは、配列TFRKLFRVYSNFLRGKLKを含むと考えられるが、追加のMHCクラスIIリガンドおよび既知の反応性ペプチドが、重複するP50ペプチド配列LRGKLKLYTGEACRTを含むと、TFRKLFRVYSNFLRGKLKLYTを含む全R3配列となる。
本明細書で開示するペプチド配列は、そのエピトープのうちの1個または複数に欠陥のある改変EPO分子の構築に必要なクリティカルな情報を示す。この計画のもと、突然変異によってエピトープに欠陥を生じさせて、T細胞エピトープとして機能できない配列を得る。標的配列の直接の突然変異生成を実現するのに組換えDNA法を使用することが可能であるが、そのような多くの技術が利用可能であり、当業界でよく知られている。
上記の表1のペプチドのうちの少なくとも1種または複数のアミノ酸配列を改変することが本発明の目的である場合、表2の同定されたペプチドのうちの1種または複数の配列を改変することが最も好ましい。本明細書では、対象ペプチド配列が、1種または複数のMHCクラスIIアロタイプのリガンドとなるレベルでT細胞エピトープとして機能できる能力を低減し、または消失させる目的を達成する適切な改変例を開示する。そのような適切な一連の改変例を図4に示す。
この第2の実施形態によれば、タンパク質の適切な改変例には、特定の残基または残基の組合せのアミノ酸置換が含まれる。T細胞エピトープを除去するためには、アミノ酸置換は、T細胞エピトープの活性の実質的な低減または消失が実現することが予想されるペプチド配列内の適切な点で行うことが好ましい。実際には、適切な点は、MHCクラスII結合溝内に設けられている1ポケット内で結合するアミノ酸残基であることが好ましい。ペプチドのいわゆる「P1」または「P1アンカー」位置の、開裂部の最初のポケット内での結合を変更することが最も好ましい。ペプチドのP1アンカー残基とMHCクラスII結合溝の最初のポケットとの結合相互作用の質は、完全ペプチドに対する全体としての結合親和性の主要な決定要因であると認められている。ペプチドのこの位置での適切な置換は、ポケット内でより容易に適応しない残基への置換、たとえば、より親水性の残基への置換となる。MHC結合開裂部内の他のポケット領域内での結合に対応する位置にあるペプチドのアミノ酸残基も考慮に入れ、本発明の範囲に含める。
所与の潜在的T細胞エピトープ内での単一のアミノ酸置が、そのエピトープを除去することのできる最も好ましい経路であることを理解されたい。単一エピトープ内での置換の組合せを企図してもよく、たとえば、確定された個々のエピトープが互いに重なり合っている場合に特に適切となり得る。さらに、MHCクラスII結合溝については、「ポケット残基」でない位置での、アミノ酸置換を所与のエピトープ内で単独に行うことも、または単一のエピトープ内で組み合わせて行うこともできるが、ペプチド配列内ではどの点でも行うことができない。置換は、当業界で知られているin silico技術を使用して生み出される相同的な構造または構築方法に即して行うことができ、分子の既知の構造的特徴を基にしてよい。タンパク質データバンクに含まれているEPOの結晶構造モデルは、これに関して特に有用である[PDB ID:1CN4;Syed, R.ら(1998年)、Nature 第395巻:511〜516頁]。変異体分子の構造または生物学的活性を回復させるための変更を企図してもよい。そのような代償的な変更または変更には、ポリペプチドの特定のアミノ酸の欠失または付加も含まれよう。
タンパク質分子からエピトープを除去する特に有効な手段は、本明細書で概略を述べた未処置T細胞活性化アッセイスキームと、参照により全体が本明細書に援用される共同所有の出願WO02/069232に記載のスキームに従って開発されたin silicoツールとの協調的使用である。
このソフトウェアは、ペプチドMHCクラスIIが結合相互作用を示すレベルで抗原提示の過程を刺激して、任意の所与のペプチド配列についての結合スコアを提供する。集団中に実在する多種類の主なMHCクラスIIアロタイプについてこのようなスコアを決定する。このスキームでは、どんなペプチド配列も試験できるので、ペプチドの、MHCクラスII結合溝と結合できる能力に関するアミノ酸の置換、付加、または欠失の結果を予測することができる。その結果として、MHCクラスIIと相互に作用することができ、したがって免疫原性T細胞エピトープとして機能することのできるペプチドが含まれる数が減少している新しい配列組成物を設計することができる。任意の所与の1ドナーサンプルを使用する生物学的アッセイによって、最高で4種のDRアロタイプへの結合を評価できる場合、in silicoプロセスでは、>40種のアロタイプを同時に使用して、同じペプチド配列を試験することができる。実際には、この手法を、多種類のMHCアロタイプと相互に作用する能力に欠陥のある新しい配列変異体の設計に向けることができる。
T細胞アッセイでは、分子内の3箇所の免疫原性領域R1〜R3を確定することができ、WO02/069232のスキームに従うソフトウェアシステムでは、それぞれのエピトープ内の予想されるMHCクラスIIリガンドを同定することができた。また、このシステムではさらに、ペプチド配列と、このシステムで表された本質的にすべてのMHCクラスIIアロタイプ間の結合親和性をかなり損失させる、エピトープ内のアミノ酸置換を同定することができる。
このような一連の改変の一例は、R1エピトープ領域の破壊によってもたらされる。I25AとL35Aの置換セットによって、主要なMHCクラスIIリガンドのエピトープR1内に欠陥が生じる。
同様に、エピトープ領域R2内で同定されたMHCクラスIIリガンドでは、置換V82A、Q88W、L91G、L93P、およびV95Aが、好例となる可能な変更である。
エピトープ領域R3では、一連の重複するMHCリガンドが同定されている。適切な一連の置換は、変更L141T、F142A、V144T、Y145P、F148A、L149S、およびまたはL153Aのうちの1種または複数を含む。上記のどの例でも、所与のペプチドの、MHCクラスII結合溝内で結合する能力、ならびにEPOの結晶構造モデルの調査に基づく考慮すべき構造上の問題を根拠に、代替突然変異のセットを見つけることができる[PDB ID:1CN4;Syed, R.ら(1998年)、Nature 第395巻:511〜516頁]。
上記の置換はそれぞれ、この方法の実例であり、本発明の計画に従う好ましい組成物である。当業者には言うまでもないが、代替置換セットが多数あれば、望ましくないエピトープを除去する目的の達成に到達できるはずである。しかし、得られる配列は、本明細書で開示する特定の組成物と非常に相同的であることが認められるはずであり、したがって、本発明の範囲に入る。成熟タンパク質の形のEPOは、C末端のアルギニンが翻訳後に除去されるために165個または166個のアミノ酸を含み得る。D165は、165アミノ酸型のC末端であり、R166は、166アミノ酸型のC末端アミノ酸である。本明細書に記載のEPO類似体は、165アミノ酸型または166アミノ酸型のEPOを含んでよい。
MHCクラスIIリガンドを同定し、MHCクラスIIリガンドを欠いている配列類似体を設計するためのin silicoツールを使用し、併せて、任意選択でT細胞活性化の生物学的アッセイを使用してエピトープマッピングおよび再試験を行う複合的手法は、特に有効な方法であり、本発明の最も好ましい実施形態である。この実施形態による一般法は、
i)未処置T細胞活性化アッセイおよび対象のタンパク質配列を集合的に含む合成ペプチドを使用して、T細胞を活性化することのできるエピトープ領域を同定するステップ、
ii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを使用して、ステップ(i)で同定されたエピトープ領域を分析し、それによってエピトープ領域内のMHCクラスIIリガンドを同定するステップ、
iii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを使用して、MHCクラスIIともはや結合しない、またはより少ないMHCアロタイプとより低い親和性でしか結合しないエピトープ領域内に含まれるMHCリガンドの配列類似体を同定するステップ、ならびに任意選択で、
iv)未処置T細胞活性化アッセイ、および対象のタンパク質内で同定されたエピトープ領域を完全に、または集合として含む合成ペプチドを使用して、その配列類似体を、未処置T細胞活性化アッセイで野生型(親)配列と並行して試験するステップ
を含む。
用語「T細胞エピトープ」とは、本発明の理解によれば、MHCクラスIIを結合することができ、T細胞を刺激し、かつ/またはMHCクラスIIとの複合体になって(必ずしも測定可能な活性化がなくとも)T細胞も結合することのできるアミノ酸配列を意味する。
用語「ペプチド」とは、本明細書および添付の特許請求の範囲では、2個以上のアミノ酸を含む化合物である。アミノ酸は、(本明細書の以下で定義する)ペプチド結合によって結合している。自然に存在する20種類の異なるアミノ酸が、生物によるペプチド産生に関与しており、これらのアミノ酸は、任意の数で結合して、ペプチドの鎖または環を形成することができる。生物によるペプチド産生に用いられる、自然に存在するアミノ酸はすべて、L型立体配置をとっている。合成ペプチドは、L型アミノ酸、D型アミノ酸、または2種の異なる立体配置のアミノ酸の様々な組合せを利用しながら、従来の合成法を使用して調製することができる。ある種のペプチドは、数個のアミノ酸単位しか含んでいない。たとえばアミノ酸単位が10個未満である短いペプチドを、時に「オリゴペプチド」と呼ぶ。他のペプチドは、たとえば最高で100個以上の多数のアミノ酸残基を含んでおり、「ポリペプチド」と呼ぶ。慣例によって、「ポリペプチド」は、3個以上のアミノ酸を含む任意のペプチド鎖であるとみなされることもあり、「オリゴペプチド」は、通常は特定の種類の「短い」ポリペプチドであるとみなされる。したがって、本明細書では、「ポリペプチド」への言及があれば、オリゴペプチドも含んでいることを理解されたい。さらに、「ペプチド」への言及は、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびタンパク質を含んでいる。アミノ酸は種々の取合せごとに、異なるポリペプチドまたはタンパク質を形成する。形成され得るポリペプチドの数、すなわちタンパク質の種類は、事実上無限である。
本発明のEPO分子は、いく通りかのいずれかの手段で調製することができるが、常法どおりの組換え法を活用して行うことが最も好ましい。本明細書が提供するタンパク質配列および情報を使用して、好ましいタンパク質配列のいずれかをコードするポリヌクレオチド(DNA)を導き出すことは、比較的容易な手順である。これは、たとえば、DNSstarソフトウェアスーツ[DNAstar Inc、米国ウィスコンシン州マディソン]または同様のものなど、コンピューターソフトウェアツールを使用して実現することができる。本明細書の好ましいポリペプチドまたはその重要な相同物をコードすることのできるそのようなDNA配列はどれも、本発明の実施形態であるとみなすべきである。
一般スキームとして、EPOタンパク質配列のいずれかをコードする遺伝子を、遺伝子合成を使用して作製し、適切な発現ベクターにクローン化することができる。次いでその発現ベクターを、宿主細胞に導入し、細胞の選択および培養を行う。好ましい分子を培地から精製し、配合を行って治療用投与向けの製剤にする。あるいは、たとえば、適切な肝組織もしくは腎組織またはヒト細胞系から調製したRNAを使用するcDNAクローニング戦略に従って、野生型EPO遺伝子配列を得ることができる。野生型遺伝子は、突然変異を誘発し、好ましい変異体配列を構築するための鋳型として使用することができる。これに関して、Higuchiら[Higuchiら(1988年)、Nucleic Acids Res. 第16巻:7351頁]が記載している「オーバーラップ伸長PCR」の戦略を使用すると特に好都合であるが、他の方法およびシステムも容易に適用できるはずである。次いで、変更されたコードDNAを、選択した宿主細胞系の中で従来の手段によって発現させ、そこから所望のEPOを回収し、精製する。適切な宿主細胞、精製およびアッセイのスキームは、当業界でよく知られており、それには、WO85/02610、WO86/03520、WO99/03887、EP0357804に提供されているスキームのいずれか、または他の例が含まれるはずである。
EPO分子の構築を組換えDNA技術によって実施してよい場合、他のタンパク質ドメイン、たとえば抗体の定常部ドメインと融合したEPO分子を含むこともできる。融合タンパク質を含む組換えタンパク質の精製および操作の方法は当業界でよく知られている。必要な技術は、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第2版(Sambrookら、1989年);「Oligonucleotide Synthesis」(M.J.Gait,編、1984年);「Animal Cell Culture」(R.I.Freshney,編、1987年);「Methods in Enzymology」(Academic Press,Inc.);「Handbook of Experimental Immunology」(D.M. Weir& C.C. Blackwell,編);「Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells」(J.M. Miller &M.P.Calos編、1987年);「Current Protocols in Molecular Biology」(F.M.Ausubel ら編、1987年);「PCR:The polymerase Chain Reaction」(Mullisら編、1994年);「Current Protocols in Immunology」(J.E. Coliganら編、1991年)などの文献で十分に説明されている。
本発明が、改変EPOに関するものである限り、そのような改変EPOタンパク質もしくは改変EPOタンパク質断片を含む組成物ならびに関連組成物は、本発明の範囲内であるとみなすべきである。この点で直接関係のある例には、開示されたペプチドの1種または複数を免疫療法の目的で患者に投与する、ペプチド媒介型寛容性導入戦略の開発もあり得るはずである。したがって、合成ペプチド分子、たとえば表1に示したものの1種または複数、より好ましくは上で規定し、表2で特別に示したエピトープ領域R1〜R3のいずれかの全体または部分を含む配列。このようなペプチドは本発明の実施形態とみなす。
もう一つの態様では、本発明は改変EPOの実体をコードする核酸に関する。別の態様では、本発明は改変EPOタンパク質を使用するヒトの治療処置方法に関する。この態様では改変EPOを組換え型融合タンパク質として生成することができる。
ここで、本発明を以下の実験実施例によって説明する。実施例では以下の図を参照されたい。
(図面の簡単な説明)
図1は、エピトープ領域R1内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。リガンドは実施例2のin silicoシステムを使用して同定している。この場合では、18種のヒトDRアロタイプの結合プロフィールを柱状に表示している。検出されたリガンドは13量体であり、各13量体の残基番号1が、色付きのブロックによって確認される。18種のアロタイプそれぞれに関して、各ペプチドの結合相互作用の強度(高、中、または低)を表示の記号解説に従って示す。
図2は、エピトープ領域R2内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。リガンドは実施例2のin silicoシステムを使用して同定している。この場合では、18種のヒトDRアロタイプの結合プロフィールを柱状に表示している。検出されたリガンドは、13量体であり、各13量体の残基番号1が、色付きのブロックによって確認される。18種のアロタイプそれぞれに関して、各ペプチドの結合相互作用の強度(高、中、または低)を表示の記号解説に従って示す。
図3は、エピトープ領域R3内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。リガンドは実施例2のin silicoシステムを使用して同定している。この場合では、18種のヒトDRアロタイプの結合プロフィールを柱状に表示している。検出されたリガンドは13量体であり、各13量体の残基番号1が、色付きのブロックによって確認される。18種のアロタイプそれぞれに関して、各ペプチドの結合相互作用の強度(高、中、または低)を表示の記号解説に従って示す。
図4は、MHCクラスIIリガンドがエピトープ領域R1、R2、およびR3内での置換によって除去されている、最も好ましいEPO構造を示す。
(実施例1)
MHCペプチドとT細胞受容体(TCR)間の相互作用は、T細胞による認識が抗原特異性であることの構造的根拠となる。T細胞増殖アッセイでは、ペプチドのMHCへの結合およびTCRによるMHC/ペプチド複合体の認識を試験する。この実施例のin vitro T細胞増殖アッセイは、抗原提示細胞(APC)およびT細胞を含む末梢血単核細胞(PBMC)を刺激するものである。刺激は、合成ペプチド抗原、実験によっては全タンパク質抗原を使用してin vitroで与える。3H−チミジン(3H−Thy)を使用して、刺激されたT細胞増殖を測定し、洗浄した固定細胞をシンチレーションカウンターでカウントして、取り込まれた3H−Thyの存在を評価する。
保存が12時間未満であるヒト血液の軟膜は、National Blood Service(Addenbrooks Hospital、英国ケンブリッジ)から入手した。Ficoll−paqueは、Amersham Pharmacia Biotech(英国Amersham)から入手した。初代ヒトリンパ球を培養するための、L−グルタミン、50μg/mlのストレプトマイシン、10μg/mlのゲントマイシン、および0.1%のヒト血清アルブミンを含有するSerum free AIM V培地は、Gibco-BRL(英国ペーズリー)から入手した。合成ペプチドは、Pepscan(オランダ)およびBabraham Technix(英国ケンブリッジ)から入手した。
血しょうから赤血球および白血球を分離し、軟膜を穏やかな遠心分離にかけて血小板を分離した。(血しょうおよび血小板を含有する)最上相を除去し、廃棄した。赤血球および白血球をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1:1希釈した後、15mlのficoll-paque (Amersham Pharmacia、Amersham、英国)上に層状に重ねた。製造者の推奨条件に従って遠心分離を行い、血清+PBS/ficoll paqueの界面からPBMCを収集した。PBMCをPBS(1:1)と混合し、遠心分離によって収集した。上清を除去し、廃棄し、PBMCペレットを50mlのPBSに再懸濁した。細胞を遠心分離によって再度ペレット状にし、PBS上清を廃棄した。50mlのAIM V培地を用いて細胞を再懸濁し、この時点でカウントを行い、トリパンブルー色素排除法を使用して生存度を評価した。遠心分離によって細胞を再度収集し、上清を廃棄した。細胞を最懸濁して、1mlあたり3×107個の密度で低温貯蔵した。貯蔵培地を90%(v/v)の熱によって失活させたABヒト血清(Sigma、プール、英国)および10%(v/v)のDMSO(Sigma、プール、英国)とした。細胞を調整冷凍容器(Sigma)に移し、−70℃で終夜おいた後、液体N2に移しかえて長期保存に備えた。使用する必要が生じたとき、37℃の温水浴中で細胞をすばやく解凍した後、10mlの予め温めてあるAIM V培地に移した。
96穴平底プレート中で、密度をウェルあたりPBMC 2×105個とし、PBMCをタンパク質およびペプチド抗原で刺激した。PBMCを37℃で7日間インキュベートした後、3H−Thy(Amersham-Pharmacia、Amersham、英国)でパルス標識した。この研究では、連続する各ペプチドが12アミノ酸重複している合成ペプチド(15量体)を作製して、EPOの全配列を網羅した。ペプチドID番号および配列を表3に示す。
各ペプチドを、20人の未処置ドナーから単離されたPBMCに対して個々にスクリーニングにかけた。免疫原性があり強力な非再現性(non-recall)抗原KLHであることが予めわかっている2種の対照ペプチドを各ドナーアッセイで使用した。
この研究で使用した対照抗原は、インフルエンザ赤血球凝集素307-319(配列:PKYVKQNTLKLAT)、クラミジアHSP 60ペプチド(配列:KVVDQIKKISKPVQH)、およびキーホールリンペットヘモシアニンであった。
Figure 2006515161
ペプチドをDMSOに溶解させて、最終濃度を10mMとし、次いでその保存溶液をAIM V培地で1/500希釈した(最終濃度20μM)。ペプチドを平底96穴プレートに加えて、100μl中2μMおよび20μMの最終濃度とした。解凍したPBMCの生存度をトリパンブルー色素排除法によって評価し、次いで細胞を2×106細胞/mlの密度で再懸濁し、100μl(2×105 PBMC/ウェル)を、ペプチドを含む各ウェルに移した。3通りのウェル培養物を各ペプチド濃度で試験した。プレートをCO2 5%の加湿雰囲気中、37℃で7日間インキュベートした。細胞を1μCiの3H−Thy/ウェルで18〜21時間かけてパルス標識した後、フィルターマットに収集した。Wallac microplate beta topプレートカウンター(Perkin Elmer)を使用してCPM値を決定した。結果は、刺激指数として示したが、ここで、刺激指数(SI)は、試験ペプチドに対して測定された増殖スコア(たとえば、1分あたりの放射能カウント)を、試験ペプチドと接触させていない細胞で測定されたスコアで割ることによって導かれる。
T細胞増殖アッセイを使用してEPO配列中のT細胞エピトープのマッピングを行った結果、3箇所の免疫原性領域R1、R2およびR3が同定された。少なくとも1種のPBMCドナーサンプルで有意な応答を刺激し得るペプチドを表1に示してある。2種以上のPBMCドナーサンプルで有意な応答を刺激し得るペプチドを表2に示してある。EPOペプチドに応答性のドナーのアロタイプ拘束性を表4に示す。
Figure 2006515161
(実施例2)
免疫原性プロフィールが改善されている改変EPO配列の設計:
エピトープ領域R1、R2、およびR3の分析には共同所有の出願WO02/069232の方法を使用した。このシステムは、生物学的手法で検出されたエピトープ領域内に含まれる特定のMHCリガンドの予測を可能にし、所与のMHCクラスIIリガンドの、特定のMHCアロタイプと相互に作用する能力について「スコア」を与える。
MHCリガンドに対するアロタイプ拘束性パターンは、添付の図1〜3のエピトープ領域R1〜R3それぞれについて提供されるようなアロタイプ拘束性のチャート表示を使用して示すことができる。
エピトープRl〜R3それぞれの範囲内の配列の改変を考えるところまで分析を進めた。MHCクラスII結合能が持続しているか、およびそれが残っている場合にはその結合スコアがいくつであるか、配列変異体を試験した。試験した大半のMHCアロタイプでMHCクラスII結合を消失させた、複合的なアミノ酸置換を確定した。同定された特定の置換を、EPO分子の構造モデル内に適応する能力があるかさらに試験した[PDB ID:1CN4;Syed, R.ら(1998年)、Nature 第395巻:511〜516頁]。野生型配列の選択された残基上に設計した突然変異を、立体的な衝突、水素結合の形成、疎水性相互作用、および構造中でのその全般的な適応について調査を行った。立体的な衝突を生じた置換を除外した。側鎖が元の残基と同様の立体配置(回転異性体)をとっているときに適応した置換は許容されるとみなした。2種以上の置換がこれらの判断基準を満たした場合、近隣の側鎖もしくは骨格の原子と水素結合を形成し、かつ/または好都合な疎水性の接触または他の会合を形成する可能性のある残基の方を選んだ。上記手順はSwiss Prot Deep View v3.7 [Guex, N.およびPeitsch, M.C. (1997年)、Electrophoresis 第18巻:2714〜2723頁]を使用して双方向性に実施した。この過程でエピトープ領域R1〜R3それぞれにとって好ましい置換セットがもたらされた。これら置換セットを編集して図4に示す構造を作り出した。どの置換でもエピトープ領域R1〜R3それぞれの範囲内でMHCクラスIIリガンドが除去されたことが確認された。
上記スキームに従う最も好ましいセットを含むEPO構造を以下および図4に示す。
Figure 2006515161
[ここで、
1=Aとするが、GまたはPも考えられ、
2=Aとするが、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、およびTも考えられ、
3=Tとするが、AおよびGも考えられ、
4=Aとするが、P、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、およびTも考えられ、
5=Aとするが、P、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、およびTも考えられ、
6=Aとするが、P、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、およびTも考えられ、
7=Tとし、
8=Aとするが、PおよびGも考えられ、
9=Tとし、
10=Pとするが、AおよびGも考えられ、
11=Aであるが、PおよびGも考えられ、
l2=Sとするが、A、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、およびTも考えられ、
13=Aとするが、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、およびTも考えられ、
それによって、同時に、X1=I、X2=L、X3=W、X4=L、X5=L、X6=V、X7=I、X8=F、X9=V、X10=Y、X11=F、X12=L、およびX13=Lが除外されている。]
好ましい実施形態として、本発明によれば、X1=A、X2=A、X3=T、X4=A、X5=A、X6=A、X7=T、X8=A、X9=T、X10=P、X11=A、X12=S、およびX13=Aである改変EPO分子が提供される。
エピトープ領域R1内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。 エピトープ領域R2内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。 エピトープ領域R3内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。 MHCクラスIIリガンドが、エピトープ領域R1、R2、およびR3内での置換によって除去されている、最も好ましいEPO構造を示す。

Claims (20)

  1. ヒトエリスロポエチン(EPO)の生物学的活性を有し、実質的に非免疫原性であるか、またはin vivoで使用したときに個体において同じ生物学的活性を有する任意の非改変分子よりも免疫原性が低い改変分子であって、
    (i)前記の免疫原性の消失が、もともとの非改変分子に由来する1種または複数のT細胞エピトープの除去によって実現され、該T細胞エピトープは、MHCクラスIIリガンド、またはクラスII上での提示を介してT細胞を刺激または結合する能力を示すペプチド配列であり、
    (ii)前記改変分子が、生物学的ヒトT細胞増殖アッセイで全タンパク質として試験したときに、非改変親分子より小さく、かつ2.0未満の刺激指数(SI)を示し、
    (iii)前記の除去されるT細胞エピトープが、もともとの非改変EPO分子の残基の連続鎖上に位置し、前記鎖は、
    Figure 2006515161
    から選択される改変分子。
  2. 前記の除去されるT細胞エピトープが、前記鎖(a)、(b)、および(c)の副鎖、すなわち
    Figure 2006515161
    上に位置している、請求項1に記載の改変EPO分子。
  3. 前記除去されるT細胞エピトープが、表1に示す鎖上に位置している、請求項1に記載の改変EPO分子。
  4. 前記除去されるT細胞エピトープが、前記鎖のいずれかに由来する13〜15個の連続した残基上に位置している、請求項1から3のいずれかに記載の改変EPO分子。
  5. 前記T細胞エピトープが、前記鎖内の1個または複数のアミノ酸残基の置換によって除去されている、請求項1から4のいずれかに記載の改変EPO分子。
  6. ヒトエリスロポエチン(EPO)の生物学的活性を有し、実質的に非免疫原性であるか、またはin vivoで使用したときに個体において同じ生物学的活性を有する任意の非改変分子よりも免疫原性が低い改変分子であって、
    (i)前記の免疫原性の消失が、もともとの非改変分子に由来する1種または複数のT細胞エピトープの除去によって実現され、前記T細胞エピトープは、MHCクラスIIリガンド、またはクラスII上での提示を介してT細胞を刺激または結合する能力を示すペプチド配列であり、
    (ii)前記改変分子が、次のアミノ酸配列、
    Figure 2006515161
    [ここで、
    1=A、G、Pであり、
    2=A、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、およびTであり、
    3=T、A、およびGであり、
    4=A、P、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、およびTであり、
    5=A、P、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、およびTであり、
    6=A、P、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、およびTであり、
    7=Tであり、
    8=A、P、およびGであり、
    9=Tであり、
    10=P、A、およびGであり、
    11=A、P、およびGであり、
    l2=S、A、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、およびTであり、
    13=A、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、およびTであり、
    それによって、同時に、
    1=I、X2=L、X3=W、X4=L、X5=L、X6=V、X7=I、X8=F、X9=V、X10=Y、X11=F、X12=L、およびX13=Lが除外されている。]
    を有する改変分子。
  7. 1=A、X2=A、X3=T、X4=A、X5=A、X6=A、X7=T、X8=A、X9=T、X10=P、X11=A、X12=S、およびX13=Aである、請求項6に記載の改変EPO分子。
  8. 生物学的T細胞増殖アッセイで全タンパク質として試験したときに、非改変親分子よりも小さくかつ2.0未満の刺激指数(SI)を示す、請求項5または6に記載の改変EPO分子。
  9. 請求項1から8のいずれかで特定した改変EPOタンパク質をコードするDNA分子。
  10. 請求項1から8のいずれかで特定したEPO分子と共に、薬剤として許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む薬剤組成物。
  11. ヒトエリスロポエチン(EPO)の生物学的活性を有し、MHCクラスIIリガンド、またはクラスII上での提示を介してT細胞を刺激または結合する能力を示す配列トラックである1種または複数のT細胞エピトープを含む分子の部分であるペプチド配列であって、該ペプチドは以下の群すなわち
    Figure 2006515161
    から選択される。
  12. 前記鎖(a)、(b)および(c)の副鎖であり、
    Figure 2006515161
    から選択される、請求項11に記載のペプチド配列。
  13. 表1から選択される、請求項11に記載のペプチド配列。
  14. 前記鎖のいずれかに由来する13〜15個の連続したアミノ酸残基を含む、請求項11から13のいずれかに記載のペプチド配列。
  15. 生物学的ヒトT細胞増殖アッセイで試験したときに2.0よりも大きい刺激指数(SI)を示す、請求項11から14のいずれかに記載のペプチド配列。
  16. 改変の結果、1個または複数のアミノ酸残基の置換によってMHCクラスIIリガンドである潜在的T細胞エピトープが除去されており、生物学的ヒトT細胞増殖アッセイで試験したときに2.0、好ましくは1.8未満の刺激指数(SI)を示す、請求項15に記載の改変ペプチド配列。
  17. 請求項1で定義した改変ヒトEPO分子を製造するための、請求項16に記載のペプチドの使用。
  18. 請求項11から16のいずれかで特定したペプチド配列をコードするDNA分子。
  19. ヒトEPO中のT細胞エピトープを位置づけてヒトEPOのT細胞エピトープマップを構築する方法であって、
    (i)合成ペプチド免疫原を用い、生理的比率のT細胞対抗原提示細胞を含有する無関係なドナーサンプル由来のPBMC調製物を使用してin-vitroでの抗原刺激を行うステップ、
    (ii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを適用して、ステップ(i)で同定されたエピトープ領域を分析し、それによって前記エピトープ領域内のMHCクラスIIリガンドを同定するステップ、
    (iii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを適用して、MHCクラスIIともはや結合しない、またはより少ないMHCアロタイプとより低い親和性でしか結合しないエピトープ領域内に含まれるMHCリガンドの配列類似体を同定するステップ、ならびに任意選択で、
    (iv)未処置T細胞活性化アッセイ、およびEPO分子内で同定されたエピトープ領域を完全に、または集合として含む合成ペプチドを使用して、前記配列類似体を、未処置T細胞活性化アッセイで親ヒトEPO配列と並行して試験するステップ、
    を含む方法。
  20. 2.0以上の刺激指数(SI)が少なくとも2種の独立したドナーサンプルで認められるときに、特定のT細胞エピトープの位置が判明する、請求項19に記載の方法。
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