JP2005535351A - ブドウ球菌エンテロトキシンbのt細胞エピトープ - Google Patents

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Abstract

本発明は、免疫学の分野に関する。本発明は、免疫応答を誘起し得るブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)上の決定基を同定する。特に、本発明は、SEB中のT細胞に対するエピトープの同定に関する。本発明はさらに、免疫原性の低減した改変SEB変異体を創出することがそれによって可能になる、SEB由来のT細胞エピトープペプチドに関する。

Description

(発明の分野)
本発明は、免疫学の分野に関する。本発明は、免疫応答を誘起し得るブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)上の決定基を同定する。特に、本発明は、SEB中のT細胞に対するエピトープの同定に関する。本発明はさらに、免疫原性の低減した改変SEB変異体を創出することがそれによって可能になる、SEB由来のT細胞エピトープペプチドに関する。
(発明の背景)
治療用タンパク質に対して望ましくない免疫反応が起こるために、治療用タンパク質の有効性が制限される例が多々ある。いくつかのマウスモノクローナル抗体はヒトの多数の疾病症状において治療剤としての見込みを示すが、ヒト抗マウス抗体(HAMA)反応が著しく誘導するため失敗したケースもある[Schroff,R.W. ら(1985) Cancer Res. 45:879−885;Shawler, D.L. ら(1985)J.Immunol.135:1530−1535頁]。モノクローナル抗体については、HAMA反応を低減させようと多数の技術が開発されている[WO 89/09622;EP 0239400;EP 0438310;WO 91/06667]。これらの組換えDNA手法は、一般に最終的な抗体コンストラクトにおいてマウス遺伝子情報を低減させる一方、最終コンストラクト中のヒト遺伝子情報を増加させるものである。それにもかかわらず、得られた「ヒト化」抗体は、依然として患者に免疫反応を誘発する場合があった[Issacs J.D. (1990) Sem.Immunol. 2:449, 456;Rebello, P.R. ら(1999) Transplantation 68:1417-1420頁]。
抗体は、治療剤として投与した際にそれに対して免疫反応が発動し得る唯一の種類のポリペプチド分子ではない。ヒトに由来する、しかも人体内に存在するのと同じアミノ酸配列を有するタンパク質でさえ、人体内で免疫反応を引き起こすことがある。顕著な例としては、とりわけ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子[Wadhwa, M. et al(1999) Clin.Cancer Res. 5:1353-1361]やインターフェロンアルファ2[Russo, D. et al (1996) Bri.J.Haem.94:300-305;Stein, R. et al(1988) New Engl.Med. 318:1409-1413]の治療上の使用が挙げられる。このようなヒトタンパク質が免疫原性となる状況では、さもなければその対象においてこれらのタンパク質に対して作動しているはずの免疫寛容が損なわれていることが推測される。
治療用タンパク質に対する抗体の応答が持続するためには、ヘルパーT−細胞の増殖および活性化が刺激される必要がある。T細胞が刺激されるには、T細胞と抗原提示細胞(APC)間にT細胞シナプスが確立される必要がある。シナプスのコアには、APC表面上のペプチドMHCクラスII複合体と結合したT細胞上のT細胞受容体(TCR)がある。ペプチドは、抗原タンパク質が細胞内で処理されて得られる。MHCクラスII分子上で提示されてT細胞の活性を刺激することのできるタンパク質抗原のペプチド配列が、「T細胞エピトープ」と呼ばれるものである。このT細胞エピトープは、一般に、MHCクラスII分子に結合することのできる任意のアミノ酸残基配列であると定義される。「T細胞エピトープ」は、MHC分子に結合したときにTCRによって認識され、また少なくとも原則として、TCRと結合してT細胞応答を促進することによってT細胞の活性化を引き起こし得るエピトープを意味することは暗黙のうちである。多くのタンパク質では、少数のヘルパーT細胞エピトープが、ヘルパーTシグナル伝達を駆使して、治療タンパク質上に露出した非常に広いレパートリーの表面決定基になり得るものに対する、持続性の、親和性の高い、クラススイッチ型の抗体応答をもたらし得ることを理解されたい。
T細胞エピトープの同定は、エピトープを除去する最初のステップとして認められており、治療用タンパク質のT細胞エピトープを同定することは非常に望ましい。特許出願WO98/52976およびWO00/34317は、ヒトMHCクラスII DRアロタイプのサブセットへの潜在的結合能力を有するポリペプチド配列を同定するための、計算によるスレッディング法を教示している。これらの教示では、問題のタンパク質内での慎重なアミノ酸置換を用いることによって、予想されるT細胞エピトープを除去する。しかし、このスキーム、ならびにエピトープを同定するための他の計算による手順[Godkin, A.J.ら(1998年)、J.Immunol. 第161巻:850〜858頁;Sturniolo, T.ら(1999年)、Nat.Biotechnol. 第17巻:555〜561頁]では、MHCクラスII分子を結合し得ると予想したペプチドが、処理経路または他の事象のために、あらゆる状況、特にin vivoでT細胞エピトープとして機能しないことがある。さらに、T細胞エピトープを予測するための計算による手法では、一般に、DPもしくはDQに拘束されたエピトープを予測することができていない。
また、たとえば、明確なMHCアロタイプのB細胞系統をMHCクラスII結合表面の供給源として使用する、合成ペプチドのMHCクラスII分子結合能を測定するin vitroでの方法[Marshall K.W.ら(1994年)、J.Immunol. 第152巻:4946〜4956頁;O'Sullivanら(1990年)J.Immunol. 第145巻:1799〜1808頁;Robadey C.ら(1997年)、J.Immunol 第159巻:3238〜3246頁]を、MHCクラスIIリガンドの同定に応用することもできる。しかし、このような技術は、非常に多様なMHCアロタイプに対する多数の潜在的エピトープを選ぶスクリーニングに適合したものでもなければ、ペプチドを結合してT細胞エピトープとして機能する能力を確認することもできない。
最近では、組換え型MHC分子の可溶性の複合体を合成ペプチドと併せて活用する技術が用いられるようになっている(Kern, F.ら(1998年)、Nature Medicine 第4巻:975〜978頁;Kwok, W.W.ら(2001年)、TRENDS in Immunol. 第22巻:583〜588頁]。このような試薬および手順は、ヒトまたは実験動物対象の末梢血サンプルに由来するT細胞クローンの存在を同定するのに使用され、特定のMHCペプチド複合体を結合することができるが、非常に多様なMHCアロタイプに対する多彩な潜在的エピトープのスクリーニングに適合したものではない。
T細胞活性化の生物学的アッセイが、試験ペプチド/タンパク質配列が免疫応答を誘起できる能力の示度を得る最も実際的な選択肢であることに変わりはない。この種の手法の例には、細菌タンパク質スタフィロキナーゼに対してT細胞増殖アッセイを使用した後、合成ペプチドを用いてT細胞系統を刺激しながらエピトープマッピングを行うPetraらの研究成果が含まれる[Petra, A.M.ら(2002年)、J.Immunol. 第168巻:155〜161頁]。同様に、破傷風毒素タンパク質の合成ペプチドを使用するT細胞増殖アッセイによっても、この毒素の免疫優勢のエピトープ領域が確定されている[Reece J.C.ら(1993年)、J.Immunol. 第151巻:6175〜6184頁]。WO99/53038は、単離したヒト免疫細胞サブセットを使用し、in vitroでその分化を促進し、その細胞を問題の合成ペプチドの存在下で培養し、誘発された培養T細胞の増殖を測定して、試験タンパク質のT細胞エピトープを決定する手法を開示している。Sticklerらも同じ技術を記載しており[Stickler, M.M. ら(2000年)、J.Immunotherapy 第23巻:654〜660頁]、どちらの例でも、その方法が細菌サブチリシン内のT細胞エピトープの検出に適用されている。このような技術では、所望の免疫細胞サブセット(樹状細胞、CD4+およびまたはCD8+T細胞)を得るために、細胞単離技術および多種類のサイトカインを補充しての細胞培養を慎重に適用する必要がある。
上述のように、またその結果として、主に治療的に価値があるが、そもそも免疫原性のある所与のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質のT細胞エピトープを同定し、除去し、または少なくとも低減することが望ましいはずである。治療目的で価値のあるこれらの潜在的な分子の1つが、ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)である。
SEBは、黄色ブドウ球菌によって産生されるエンテロトキシンファミリーの一員である。他の構成員には、A、C1、C2、C3、D、E、およびFと呼ばれる血清学的に異なるタンパク質が含まれる。これらのタンパク質は、ブドウ球菌食中毒の原因物質であることが認められている。このクラスのタンパク質に向けられる治療上の関心の1つは、「超抗原」、すなわちヒトT細胞の活性を刺激し得る分子として機能できるその能力から来る。その潜在的治療能力は、T細胞の活性化を強化して、免疫を媒介として腫瘍細胞増殖を抑制することを目標としたいくつかの癌臨床治験で試験されている。ある事例では、毒素分子を抗体に連結して、細胞特異的なターゲッティングを提供している[Dohlstein, Mら(1994年)、PNAS USA第91巻:8945〜8949頁;Giantonio, B.J.ら(1997年)、J.Clin.Oncol. 第15巻:1994〜2007頁;Hansson, J.ら(1997年)、PNAS USA第94巻:2489〜2494頁;Alpaugh, K.R.ら(1998年)、Clin.Cancer Res. 第4巻:1903〜1914頁]。
本発明は、主としてエンテロトキシンBに関する。SEBの成熟アミノ酸配列は、237個のアミノ酸残基を含んでおり、次の配列、
Figure 2005535351
を含む一文字表記で表される。「超抗原」として、ブドウ球菌エンテロトキシンは、植物性血球凝集素のような従来のT細胞マイトジェンの1/103の濃度で強度の多クローン性増殖を誘発することが知られている最も強力なT細胞マイトジェンである。すべてのものが大部分のヒトCD4+およびCD8+T細胞を刺激する。T細胞を刺激するそれらの能力は、MHCクラスII抗原によって厳格に拘束される。ブドウ球菌エンテロトキシンおよび他の超抗原毒素は、T細胞受容体とMHCクラスIIとに直接に結合することを理解されたい。これら2構造が接触し、そうして強い同種反応性応答を模倣しながらT細胞受容体のV□領域を介してT細胞の活性化を刺激する。MHCタンパク質に結合した大抵の通常抗原ペプチドの認識には、T細胞受容体のすべての可変構成要素が寄与する。対照的に、この毒素は、ほとんど完全にT細胞受容体のV□領域のみを介してT細胞を刺激する。この毒素は、MHCクラスIIとV□の側方同士を噛み合わして、T細胞/APCシナプス形成の際には常に互いに接触することになるはずのT細胞受容体とMHCの表面を極めて接近させる鎹であると考えることができる。
超抗原分子は、これらの特性および他の特定の特性をもつことから、癌療法を含むいくつかの異なる試験的な治療戦略で使用されている。SEBトキシンの事例では、すべてTermanと同僚らによる一連の米国特許、すなわち米国特許第6180097号、米国特許第5728388号、米国特許第6338845号、米国特許第6221351号、米国特許第6126945号、ならびに同等特許のWO93/24136、WO98/26747、EP1103268、およびEP0511306が、SEB遺伝子、カルボキシメチル化SEBタンパク質やSEB−抗体コンジュゲートおよび融合タンパク質を含むSEBタンパク質の使用に関する分野を共同で詳述している。どれも癌細胞死滅作用を誘発することを目的とした方法およびまたは組成物、ならびに癌療法を対象としている。
したがってたとえば、EP0511306は、SEB、SEBの相同体、および超抗原と本質的に同じ生物学的活性を有するSEB断片、ならびにモノクローナル抗体とのSEBコンジュゲートを含むエンテロトキシン分子の使用について特許を請求している。
このような分子およびコンジュゲートは、癌療法として使用するために提供されており、それなりに有効であろう。しかし、SEB(また任意の結合した抗体構成成分の可能性もある)がヒト免疫系に対して外来性であるために、免疫応答が誘発される見込みがかなりあり、これによって最初に投与された用量の効果が制限されることはないが、その後の用量についてはかなり効果が制限され、または有害な副作用が引き起こされかねない。特許を請求している薬剤は、癌患者のみを対象としている。そのような患者の多くでは、以前からの治療計画のために、あるいは自らの疾患の直接的な結果としてその免疫系が抑制されていることがあり、したがってSEB療法での免疫原の影響力が軽減することがある。しかし、このような制限は、SEB療法を役立てることのできる他の患者には存在し得ない。本発明の目的は、有害な免疫原性応答が誘発される潜在的可能性が低減されたSEB系組成物を提供する最初のステップとして、SEB分子の免疫原性領域を確定することである。このような組成物は、癌でない疾患を含む、現状よりも広い種類の臨床上の適応症に適用できるはずである。
対照として、米国特許第6528051号は、SEBを特異的および防御的な免疫応答を起こす抗原として使用することを企図している。SEBは、コロイド金錯体として投与される。
同様に、米国特許出願20010046501A1は、感染疾患の適応症向けの治療または予防処置計画での混合SEA/SEB組成物の使用を提案している。この手法は、未処置(非活性化)T細胞集団を除去して、抗原に対する特定の免疫応答を強化することのできる組成物および治療スケジュールを提供している。
より最近では、米国特許出願第20030009015A1が、超抗原の属性をもたないが、構造が免疫系によって認識されるのに十分な程度に無処置である超抗原ワクチン組成物を提供して、防御的なワクチン接種を実施している。MHCクラスII結合領域またはTCR結合領域内での置換を含むSEB分子が記載され、所望の成果を得るのに十分であるとみなされている。一文字記号を使用して、61A、67Q、89A、94A、および115Aを含む置換が企図されている。
一般に、SEAトキシンを活用して同方向の戦略が採用されているが、たとえば、米国特許出願20030039655A1は、SEA部分が、表面に露出した残基でのアミノ酸置換を含んでいる、血清反応性低減作用をもつSEA−抗体コンジュゲートを企図している。本明細書の場合とは対照的に、この出願は、宿主抗体と相互に作用することのできるSEA分子の表面決定基に関するものであり、SEBのT細胞エピトープを対象としていない。
前述の事項から、他の特許が改変SEB分子を含むSEB分子を提供している場合、これらの教示は、タンパク質の免疫原性の性質に対するT細胞エピトープの重要性を扱ってもいなければ、本発明のスキームに従う明確かつ制御された方法の中で前記免疫原性に直接に影響を及ぼすことを考えてもいないことがわかる。
したがって、本発明の特定の目的は、潜在的なT細胞エピトープの数を減らすことによって免疫特性が改変されている改変SEBタンパク質を提供することである。この免疫特性は、全タンパク質分子がMHC−TCR架橋を介してT細胞活性の誘発物質として働く機能的な能力とは異なる。むしろ、本発明の目的は、超抗原活性が保たれているが、治療目的で投与されたSEBに対する免疫応答を中和させる能力、特にT細胞を媒介として抗体応答を中和させる能力が低減しているSEB分子を提供することである。
線状タンパク質配列内のT細胞エピトープの出所と位置を、本明細書では、「エピトープマップ」と呼ぶ。本発明の目的は、SEBのエピトープマップを提供することである。
本発明の別の目的は、予めマッピングされているT細胞エピトープの、MHCクラスIIリガンドとして機能する能力、およびまたはMHCクラスII分子と合同でT細胞を活性化する能力が損なわれているSEB類似体を提供することである。ヒト対象において免疫応答を誘発する素質が低減しているか、または存在しないSEBを提供することが非常に望ましく、したがって、本発明の特定の目的は、潜在的T細胞エピトープの数を減らすことによって免疫特性が変更されている改変SEBタンパク質を提供することである。
要するに、本発明は、以下の点に関する。すなわち、
・未処置T細胞アッセイで合成ペプチドパネルを使用して、SEBの免疫原性領域のマッピングを行うこと、
・20人以上の健常ドナーから単離したPBMCを使用する、SEBタンパク質のT細胞エピトープマップの構築、ならびに
i)生理的比率のT細胞対抗原提示細胞を含有するPBMC調製物を用い、2種以上のペプチド濃度の合成ペプチド免疫原を、最長で7日間の培養期間にわたり使用する、in vitroでの抗原刺激と、ii)任意の適切な方法による誘発増殖指数の測定と、を含むステップを有するスクリーニング法の構築、
・未処置T細胞アッセイにおいて1.8、好ましくは2.0を超える刺激指数を誘起し得るSEB由来ペプチド配列、
・未処置T細胞アッセイでの刺激指数が1.8、好ましくは2.0よりも大きいSEB由来のペプチド配列であって、最小限に改変してあり、未処置T細胞アッセイで試験すると、刺激指数が2.0未満であることが判明するペプチド配列、
・野生型のタンパク質配列とのアミノ酸同一性が100%であり、T細胞アッセイで1.8以上、好ましくは2.0より大きい刺激指数を誘起し得るSEB由来ペプチド配列、
・野生型のタンパク質配列との100%未満のアミノ酸同一性を含むように改変され、T細胞アッセイで試験したとき2.0未満の刺激指数を誘起する、しかるべく指定されたSEBペプチド配列、。
・その免疫原性領域が、T細胞アッセイを使用してマッピングされ、次いで、T細胞アッセイで再試験の際にその改変タンパク質が親(非改変)分子未満の刺激指数、最も好ましくは2.0未満である刺激指数を誘起するように改変されているSEB分子、
・SEBの生物学的活性を有し、実質的に非免疫原性であるか、またはin vivoで使用したとき同じ生物学的活性を有する任意の非改変分子よりも免疫原性が低い改変分子、
・本明細書でエピトープ領域R1、R2およびR3として規定される残基の連続鎖の1個または複数の残基が変更されている、しかるべく指定された分子、
Figure 2005535351
・本明細書で好ましいエピトープ領域R1a、R1b、R1cとして規定され、配列
Figure 2005535351
を含む残基の連続鎖の1個または複数の残基が変更されている、しかるべく指定された分子、
・本明細書で好ましいエピトープ領域R2aとして規定され、配列SIKDTKLGNYDNVRVを含む残基の連続鎖の1個または複数の残基が変更されている、しかるべく指定された分子、
・本明細書で好ましいエピトープ領域R3aとして規定され、配列DKYVDVFGANYYYQCを含む残基の連続鎖の1個または複数の残基が変更されている、しかるべく指定された分子、
・配列R1a、b、c〜R3aまたはR1〜R3のいずれかに由来する13〜15個の連続的した残基を含むペプチド分子、
・本明細書の表1の同定された配列のいずれかに由来する13〜15個の連続的した残基を含むペプチド分子、
・次式I
Figure 2005535351
[式中、
0は、水素、または抗体、抗体ドメイン[Fab’、F(ab)2’、scFv、Fc−ドメイン]などの標的指向性部分、または別のタンパク質もしくはポリペプチドであり、
1=A、G、P、またはMであり、
2=A、G、P、またはMであり、
3=T、A、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、またはYであり、
4=AまたはIであり、
5=HまたはLであり、
6=T、A、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、またはYであり、
7=HまたはVであり、
8=A、P、G、またはVであり、
9=T、H、またはFであり、
それによって、同時に、X1=M、X2=M、X3=Y、X4=Y、X5=L、X6=Y、X7=V、X8=V、およびX9=Fが除外されている。]のアミノ酸配列を含む改変SEB分子。
・エピトープ領域R1〜R3またはR1a〜R3aに由来するペプチド配列のいずれかとのアミノ酸同一性が80%より高い上記のペプチド分子、
・本明細書の表1で同定されるペプチド配列に由来するペプチド配列とのアミノ酸同一性が80%より高い上記のペプチド分子、。
・MHCクラスIIを結合することのできる上記のようなペプチド配列、
・MHCクラスIIに結合する活性を有する上記のペプチドまたは改変ペプチドのいずれかを含む薬剤組成物、
・上記および以下で規定するような前記の指定された改変分子のいずれかをコードするDNA配列または分子、
・SEBの生物学的活性を有する改変分子を含む薬剤組成物、
・任意選択で薬剤として許容される担体、希釈剤または賦形剤を添加する、上記および/または特許請求の範囲で規定する薬剤組成物、。
・SEBの生物学的活性を有する改変分子の製造方法であって、(i)ポリペプチドまたはその部分のアミノ酸配列を決定するステップと、(ii)in vitro技術もしくはin silico技術または生物学的アッセイを使用するペプチドのMHC分子への結合状態の判定を含む任意の方法によって、タンパク質のアミノ酸配列内の1種または複数の潜在的なT細胞エピトープを同定するステップと、(iii)in vitroもしくはin silico技術または生物学的アッセイを使用しながらペプチドのMHC分子への結合状態によって判定されるT細胞エピトープの活性が実質的に低減または消失するように改変された、同定された潜在的なT細胞エピトープ内の1個または複数のアミノ酸が新しい配列変異体を設計するステップと、(iv)組換えDNA技術によってそのような配列変異体を構築し、前記変異体を試験して、望ましい特性を有する1種または複数の変異体を同定するステップと、(v)任意選択でステップ(ii)〜(iv)を繰り返すステップと、を含む方法、
・ステップ(iii)を、もとから存在するいずれかのT細胞エピトープ中の1〜9個のアミノ酸残基の置換、付加または欠失によって実施する、しかるべく指定された方法、
・相同タンパク質配列および/またはin silicoモデリング技術に関して前記の変更を行う、しかるべく指定された方法、
・上記で特定したT細胞エピトープペプチドの少なくとも9個の連続したアミノ酸残基からなるペプチド配列、ならびに免疫原性が実質的にないか、または任意の非改変分子よりも低く、かつin vivoで使用したときにSEBの生物学的活性を有するSEBの製造でのその使用、
・未処置T細胞活性化アッセイと、ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームとを使用して、SEB中のT細胞エピトープの位置をマッピングする協調的方法、。
・SEB中のT細胞エピトープの位置づける方法であって、
i)未処置T細胞活性化アッセイおよび対象のタンパク質配列を集合的に含む合成ペプチド配列を使用して、T細胞を活性化することのできるエピトープ領域を同定するステップと、
ii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを使用して、ステップ(i)で同定されたエピトープ領域を分析し、それによってエピトープ領域内のMHCクラスIIリガンドを同定するステップと、
iii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを使用して、MHCクラスIIともはや結合しない、またはより少ないMHCアロタイプとより低い親和性でしか結合しないエピトープ領域内に含まれるMHCリガンドの配列類似体を同定するステップと、
iv)未処置T細胞活性化アッセイ、および対象のタンパク質内で同定されたエピトープ領域を完全に、または集合として含む合成ペプチドを使用して、その配列類似体を、未処置T細胞活性化アッセイで野生型(親)配列と並行して試験するステップと
を含む方法。
・ステップ(ii)および(iii)を、WO02/069232が教示しているような計算による手法を使用して実施する、上記スキームに従う方法、
・ステップ(iv)を任意選択で実施する、上記スキームに従う方法、
・未処置T細胞活性化アッセイを、約20以上の無関係なドナーに由来のPBMC細胞を使用して実施する、上記スキームに従う方法、
・2種以上の独立したドナーサンプルで約2.0の刺激指数スコアが認められるときにT細胞エピトープの位置が判明する、上記スキームに従う方法、
・2種以上の独立したドナーサンプルで約2.0の刺激指数スコアが認められるときにT細胞エピトープの位置が判明する、上記スキームに従う方法、
・2種以上の独立したドナーサンプルで約2.0の刺激指数スコアが認められるときにT細胞エピトープの位置が判明し、計算システムを使用して同じ配列位置内で1種または複数のMHCクラスIIリガンドを同定することのできる、前記スキームに従う方法、
・前記の計算システムがWO02/069232によって教示されている方法に従うものである、前記スキームに従う方法、
(発明の詳細な説明)
本発明の第1の実施形態によれば、SEBのT細胞エピトープマップが提供される。SEBのエピトープマップは、特定の位置で、特定の残基によってアミノ酸置換を行って、タンパク質の1個または複数の潜在的なT細胞エピトープが除去され、またはその活性が実質的に低減されているSEB類似体を設計する際に有用である。本発明は、親分子の最も免疫原性のある領域内での適切な置換の例を提供し、そのような置換を本発明の実施形態であるとみなす。
共同所有の出願WO02/069232では、in silico技術を使用して、治療上関心が持たれている多数のタンパク質のMHCクラスIIリガンドを確定している。しかし、タンパク質分解による処理、およびin vivoで免疫原性ペプチドの提示をもたらす他の生理的ステップが必要であるなどの理由のために、全ペプチドレパートリーのうちの比較的小規模なサブセットが、最終的な生物学的関連性をもつことははっきりしている。発明者らは、ex vivoヒトT細胞活性化アッセイを使用して、T細胞の活性化を支持することができ、そのためにこのタンパク質の免疫原性の問題に生物学的に最も関連性のある、SEBのタンパク質配列内の領域を同定できることを確立した。本明細書で開示するSEBのエピトープマップは、このような手法を適用して得られたものであり、開示する方法はしたがって、本発明の実施形態でもある。
この方法によれば、合成ペプチドを、in vitroで培養したヒトT細胞の増殖応答を誘起する能力があるか試験する。T細胞は全血サンプルから周知の手段によって容易に得られる末梢血単核細胞(PBMC)層内に存在する。さらに、PBMC調製物はT細胞と抗原提示細胞を生理的比率で含有しており、したがってin vitroで代理免疫反応を実施するための良好な材料供給源である。発明者らは、このようなアッセイを実施する際、刺激指数2.0付近が、増殖が誘発されたことの有用な基準となることを確立した。刺激指数(SI)は、試験ペプチドに対して測定された増殖スコア(たとえば3H−チミジンの取込みを使用する場合では、1分あたりの放射能カウント)を、試験ペプチドと接触させていない細胞で測定されたスコアで割ることによって普通に導かれる。応答を誘起していないペプチドでは、SI=1.0が得られるが、実際には0.8〜1.2の範囲のSI値は注目に値しない。いくつかの技術的手順をこのようなアッセイの操作に組み込んで、記録されたスコアの信頼度を確実にすることができる。通常、判定は少なくとも3通りに行い、平均スコアを計算することができる。計算されたSIが>2.0である場合、3通りの個々のスコアを、範囲外のデータの形跡があるか調べることができる。試験ペプチドは少なくとも2種の異なる濃度の細胞と接触させるが、その濃度は、通常最小で2倍の濃度差を有するはずである。このような濃度範囲は、アッセイの動的な面を補い、たとえばプラス7日目での単一時点判定を行う場合に特に重要である。いくつかのアッセイでは、複合的な時間経過での判定を行うが、いずれにせよ、このようなアッセイも、少なくとも2種の異なる濃度で用意されたペプチド免疫原を使用して行われることになる。同様に、PBMCドナーサンプルの大多数が応答性であるという見込みのある対照ペプチド含有物を各アッセイプレートに含めることもできる。インフルエンザ赤血球凝集素ペプチド307-309、すなわち配列PKYVKQNTLKLA、およびクラミジアHSP 60ペプチド配列KVVDQIKKISKPVQHが、特に適切な対照ペプチドであるが、他の多くの例を活用することができる。アッセイでは、好ましくは、すべてのPBMCサンプルが2.0よりもかなり大きいSIを示すことが予想される、キーホールリンペット由来ヘモシアニンなどの強力な全タンパク質抗原も使用すべきである。
考えられる広いスペクトルのMHCアロタイプに関連したSEBエピトープマップを提供することが特に望ましい。マップは、そのタンパク質が投与される可能性のある患者の大多数について、そのタンパク質の、T細胞によって駆動される免疫応答を誘起する能力が消失し、もしくは少なくとも緩和されている改変タンパク質の設計または選択を十分に可能にするものであることが望ましい。したがって、スクリーニング方法を実施する際には、ヒト集団中に実在するMHCクラスIIレパートリー(HLA−DR)が少なくとも90%以上であるサンプルを提供するのに十分な免疫多様性のあるドナープールから、未処置ドナーのPBMC由来T細胞を収集する。所与の合成ペプチドに対する未処置T細胞応答を検出する場合では、実際はそのペプチドを単離して多数の別々のドナーに由来するPBMC調製物と接触させ、ドナーの数(または「ドナープール」サイズ)は、実際上の目的では、無関係な個体が20種類未満であることはなく、ドナープール中のサンプルはすべて、そのMHCクラスIIハプロタイプに従って予め選択することができる。
用語「未処置ドナー」とは、本発明では、治療目的でSEB供給源を与えられていない個体から得たT細胞を意味するが、しかし、集団中の多くの個体が、環境中の外来SEBおよびSEB様タンパク質源に以前に曝されているかもしれないことは認知されている。そのような個体では、本明細書のアッセイに関してはSIスコアが特に大きいことを特徴とする再現型の応答が見込まれる。これは、一例では特定のペプチドが8.1のSIスコアを与える場合に、ある種の個体で実際に見受けられた。
本発明は、本明細書で、免疫に関して未処置のT細胞を活用するT細胞エピトープマッピングの方法を開示する。T細胞は、多数の異なる健常ドナーからの末梢血サンプルから得、対象のタンパク質がそのドナーに内在する分子であってもよいが、ドナーには、たとえば治療目的で投与された、外来供給源由来の対象のタンパク質が与えられていない。アッセイは、当業界で一般的な手順を使用してin vitroで培養したPBMCを用いて実施し、PBMCを対象のタンパク質である合成ペプチド種と接触させるものであり、その後、適切な期間インキュベートし、ペプチドによって誘発された、細胞増殖などのT細胞活性化を測定する。測定は、任意の適切な手段によって行い、たとえば、3Hチミジンの取込みを利用することができ、それによると、細胞材料への3Hの蓄積が研究室の機器を用いて容易に測定される。PBMCサンプルと合成ペプチドのそれぞれの組合せについて、非ペプチド処理PBMCサンプルでわかったものと比べた細胞増殖の度合いを調べる。増殖作用が期待される1種または複数のペプチドで処理した後にわかった増殖応答を当てはめてもよい。これに関しては、既知の広いMHC拘束性を有するペプチド、特にDPまたはDQアイソタイプへのMHC拘束性を有するペプチドエピトープを使用すると特に有利であると考えられる。
SEBのエピトープマップの作成を容易にするために、一連の合成ペプチドを作成した。ペプチドはそれぞれ、長さが15アミノ酸残基であり、それぞれ系列の次のペプチドと12アミノ酸残基が重複しており、すなわち、系列の連続的な各ペプチドによって、更なる3個のアミノ酸が徐々に分析に加えられた。この過程で、任意の所与の隣接するペプチドの対によって、18個のアミノ酸の連続した配列がマッピングされた。SEBでは、完全な成熟タンパク質の走査を可能にするのに合計77個のペプチドが必要であった。しかし、完全タンパク質の配列長さのために、C末端の走査の実用性を確保しようとすると、最後の2本のペプチドが14量体と11量体になった。SEBのT細胞マップを確定するのに特に有効な、未処置T細胞アッセイを使用する方法を実施例1に示す。
この研究では、2種以上の個々のドナーサンプルで有意な増殖応答を誘起し得る5種のペプチド配列が発見された。そのペプチドは、表1に示し、これらを本発明の実施形態とする。
表1の同定されたペプチドはそれぞれ、MHCクラスIIを結合し、このアッセイ系で検出可能な増殖バースト誘起するのに十分な親和性で少なくとも1個の同系統のTCRを結合し得ることが示唆される。2種、または場合によっては3種の無関係なPBMCサンプルから得たPBMCを使用して、これらの判断基準に達した。これらのペプチドは、分子の主要なエピトープ領域を含んでいると考えられ、SEB配列中の3ゾーンに対するクラスターを、本明細書では、それぞれエピトープ領域R1、R2、およびR3と称し、またはそれぞれの鎖R1、R2、およびR3の副鎖であるR1a、R1b、R1c、R2a、およびR3aと称する。
Figure 2005535351
エピトープ領域R1aは、配列KFTGLMENMKVLYDDNHVSAIを含むペプチドP6、P7、およびP8によって包含される。R1aエピトープについては、ペプチドP6およびP8がそれぞれ、2種のドナーサンプルと反応性であるのに対し、介在するペプチドP7がそのドナーの一方としか反応性でないことに留意されたい。この例では、P7の反応で特に高いSIスコア(8.1)が得られ、反応性のサンプルは、P6およびP8とも反応性である。連続的な各ペプチドの配列が段階的に移行するために、2種または3種の隣接するペプチド間で同じコア9量体配列が共有される(すなわち、共通である)ことが可能である。厳密な段階的移行は、N末端への近接度に応じて変わり、ペプチドの長さ、ならびに配列が連続的に増大していくごとに走査された「新しい」残基の数と関連付けられる。R1aエピトープの場合では、いくつかの重複するMHCクラスIIリガンドを同定することができた(図1を参照)。
エピトープ領域R2は、配列SIKDTKLGNYDNVRVを含むペプチドP18によって包含される。
エピトープ領域R3は、配列DKYVDVFGANYYYQCを含むペプチドP27によって包含される。
SEB配列内の別のペプチド配列もT細胞エピトープとして機能できるはずであり、そのような配列は、in vitroで物理的結合アッセイを使用して、またはたとえば計算技術を使用するバーチャルな手段を使用して、MHCリガンドとして検出できることを理解されたい。さらに、本明細書で示すような生物学的アッセイでは、特定のドナーサンプル中の別の反応ペプチドを検出することができ、そのサンプルは、環境中でSEB、またはSEBと同一または少なくとも非常に相同的なペプチド配列を含む他の任意の毒素もしくは非毒素タンパク質に曝されて間もない個体からのものでよい。それにもかかわらず、本明細書では、開示する配列R1a、R2a、R3aが、これらのエピトープの1種または複数が含まれている改変SEB分子の構築に必要なクリティカルな情報であるとみなす。
本明細書のスキームの下で、エピトープは、突然変異によって欠陥を生じて、T細胞エピトープとして機能できない配列となる。標的配列の定方向突然変異生成を実現するのに組換えDNA法を使用することが可能であるが、そのような数多くの技術が利用可能であり、当業界でよく知られている。
上記の表1のペプチドのうちの少なくとも1種または複数のアミノ酸配列を改変することが本発明の目的である。本明細書では、対象ペプチド配列が、1種または複数のMHCクラスIIアロタイプのリガンドとなるレベルでT細胞エピトープとして機能できる能力を低減し、または消失させる目的を達成する適切な改変例を開示する。そのような適切な一連の改変例を式Iに示す。
この第2の実施形態によれば、タンパク質の適切な改変例には、特定の残基または残基の組合せのアミノ酸置換が含まれる。T細胞エピトープを除去するためには、アミノ酸置換は、T細胞エピトープの活性の実質的な低減または消失が実現することが予想されるペプチド配列内の適切な点で行うことが好ましい。実際には、適切な点は、MHCクラスII結合溝内に設けられている1ポケット内で結合するアミノ酸残基であることが好ましい。ペプチドのいわゆる「P1」または「P1アンカー」位置の、開裂部の最初のポケット内での結合を変更することが最も好ましい。ペプチドのP1アンカー残基とMHCクラスII結合溝の最初のポケットとの結合相互作用の質は、完全ペプチドに対する全体としての結合親和性の主要な決定要因であると認められている。ペプチドのこの位置での適切な置換は、ポケット内でより容易に適応しない残基への置換、たとえば、より親水性の残基への置換となる。MHC結合開裂部内の他のポケット領域内での結合に対応する位置にあるペプチドのアミノ酸残基も考慮に入れ、本発明の範囲に含める。
所与の潜在的T細胞エピトープ内での単一のアミノ酸置換が、そのエピトープを除去することのできる最も好ましい経路であることを理解されたい。単一エピトープ内での置換の組合せを企図してもよく、たとえば、確定された個々のエピトープが互いに重なり合っている場合に特に適切となり得る。さらに、MHCクラスII結合溝については、「ポケット残基」でない位置での、アミノ酸置換を所与のエピトープ内で単独に行うことも、または単一のエピトープ内で組み合わせて行うこともできるが、ペプチド配列内ではどの点でも行うことができない。置換は、当業界で知られているin silico技術を使用して生み出される相同的な構造または構築方法に即して行うことができ、分子の既知の構造的特徴を基にしてよい。タンパク質データバンクに含まれているSEBの結晶構造モデルは、これに関して特に有用である[PDB ID:3SEB Papageoriou, A.C.ら(1998年)、J.Mol.Biol. 第277巻:61〜79頁]。変異体分子の構造または生物学的活性を回復させるための変更を企図してもよい。そのような代償的な変更または変更には、ポリペプチドの特定のアミノ酸の欠失または付加も含まれよう。
タンパク質分子からエピトープを除去する特に有効な手段は、本明細書で概略を述べた未処置T細胞活性化アッセイスキームと、参照により全体が本明細書に援用される共同所有の出願WO02/069232に記載のスキームに従って開発されたin silicoツールとの協調的使用である。
このソフトウェアは、ペプチドMHCクラスIIが結合相互作用を示すレベルで抗原提示の過程を刺激して、任意の所与のペプチド配列についての結合スコアを提供する。集団中に実在する多種類の主なMHCクラスIIアロタイプについてこのようなスコアを決定する。このスキームでは、どんなペプチド配列も試験できるので、ペプチドの、MHCクラスII結合溝と結合できる能力に関するアミノ酸の置換、付加、または欠失の結果を予測することができる。その結果として、MHCクラスIIと相互に作用することができ、したがって免疫原性T細胞エピトープとして機能することのできるペプチドが含まれる数が減少している新しい配列組成物を設計することができる。任意の所与の1ドナーサンプルを使用する生物学的アッセイによって、最高で4種のDRアロタイプへの結合を評価できる場合、in silicoプロセスでは、>40種のアロタイプを同時に使用して、同じペプチド配列を試験することができる。実際には、この手法を、多種類のMHCアロタイプと相互に作用する能力に欠陥のある新しい配列変異体の設計に向けることができる。
T細胞アッセイでは、分子内の3箇所の免疫原性領域R1a〜R3aを確定することができ、WO02/069232のスキームに従うソフトウェアシステムでは、それぞれのエピトープ内の予想されるMHCクラスIIリガンドを同定することができた。また、このシステムではさらに、ペプチド配列と、このシステムで表された本質的にすべてのMHCクラスIIアロタイプ間の結合親和性をかなり損失させる、エピトープ内のアミノ酸置換を同定することができる。
このような一連の改変の一例は、R1aエピトープ領域の破壊によってもたらされる。M21A、M24AおよびY28Tの置換セットによって、主要なMHCクラスIIリガンドのエピトープR1a内に欠陥が生じる。
同様に、エピトープ領域R2内で同定されたMHCクラスIIリガンドでは、置換I53AおよびL58Hが、好例となる可能な変更である。
エピトープ領域R3では、適切な一連の置換は、変更Y81T、V82H、V84AおよびF85Tのうちの1種または複数を含む。
上記のどの例でも、所与のペプチドの、MHCクラスII結合溝内で結合する能力、ならびにSEBの結晶構造モデルの調査に基づく考慮すべき構造上の問題を根拠に、代替突然変異のセットを見つけることができるPDB ID番号3SEBおよび1GOZ[3SEBについては、Papageoriou, A.C.ら(1998年)、J.Mol.Biol. 第277巻:61〜79頁参照。1GOZについては、Baker M.D.ら(2002年)、J.Biol.Chem. 第277巻:2756〜2762頁参照]。
上記の置換はそれぞれ、この方法の実例であり、本発明の計画に従う好ましい組成物である。当業者には言うまでもないが、代替置換セットが多数あれば、望ましくないエピトープを除去する目的の達成に到達できるはずである。しかし、得られる配列は、本明細書で開示する特定の組成物と非常に相同的であることが認められるはずであり、したがって本発明の範囲に入る。
MHCクラスIIリガンドを同定し、MHCクラスIIリガンドを欠いている配列類似体を設計するためのin silicoツールを使用し、併せて、任意選択でT細胞活性化の生物学的アッセイを使用してエピトープマッピングおよび再試験を行う複合的手法は、特に有効な方法であり、本発明の最も好ましい実施形態である。この実施形態による一般法は、
i)未処置T細胞活性化アッセイおよび対象のタンパク質配列を集合的に含む合成ペプチドを使用して、T細胞を活性化することのできるエピトープ領域を同定するステップ、
ii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを使用して、ステップ(i)で同定されたエピトープ領域を分析し、それによってエピトープ領域内のMHCクラスIIリガンドを同定するステップ、
iii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを使用して、MHCクラスIIともはや結合しない、またはより少ないMHCアロタイプとより低い親和性でしか結合しないエピトープ領域内に含まれるMHCリガンドの配列類似体を同定するステップ、ならびに任意選択で、
iv)未処置T細胞活性化アッセイ、および対象のタンパク質内で同定されたエピトープ領域を完全に、または集合として含む合成ペプチドを使用して、その配列類似体を、未処置T細胞活性化アッセイで野生型(親)配列と並行して試験するステップ
を含む。
用語「T細胞エピトープ」とは、本発明の理解によれば、MHCクラスIIを結合することができ、T細胞を刺激し、かつ/またはMHCクラスIIとの複合体になって(必ずしも測定可能な活性化がなくとも)T細胞も結合することのできるアミノ酸配列を意味する。
用語「ペプチド」とは、本明細書および添付の特許請求の範囲では、2個以上のアミノ酸を含む化合物である。アミノ酸は、(本明細書の以下で定義する)ペプチド結合によって結合している。自然に存在する20種類の異なるアミノ酸が、生物によるペプチド産生に関与しており、これらのアミノ酸は、任意の数で結合して、ペプチドの鎖または環を形成することができる。生物によるペプチド産生に用いられる、自然に存在するアミノ酸はすべて、L型立体配置をとっている。合成ペプチドは、L型アミノ酸、D型アミノ酸、または2種の異なる立体配置のアミノ酸の様々な組合せを利用しながら、従来の合成法を使用して調製することができる。ある種のペプチドは、数個のアミノ酸単位しか含んでいない。たとえばアミノ酸単位が10個未満である短いペプチドを、時に「オリゴペプチド」と呼ぶ。他のペプチドは、たとえば最高で100個以上の多数のアミノ酸残基を含んでおり、「ポリペプチド」と呼ぶ。慣例によって、「ポリペプチド」は、3個以上のアミノ酸を含む任意のペプチド鎖であるとみなされることもあり、「オリゴペプチド」は、通常は特定の種類の「短い」ポリペプチドであるとみなされる。したがって、本明細書では、「ポリペプチド」への言及があれば、オリゴペプチドも含んでいることを理解されたい。さらに、「ペプチド」への言及は、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびタンパク質を含んでいる。アミノ酸は種々の取合せごとに、異なるポリペプチドまたはタンパク質を形成する。形成され得るポリペプチドの数、すなわちタンパク質の種類は、事実上無限である。
本発明のSEB分子は、いく通りかのいずれかの手段で調製することができるが、常法どおりの組換え法を活用して行うことが最も好ましい。本明細書が提供するタンパク質配列および情報を使用して、好ましいタンパク質配列のいずれかをコードするポリヌクレオチド(DNA)を導き出すことは、比較的容易な手順である。これは、たとえば、DNSstarソフトウェアスーツ[DNAstar Inc、米国ウィスコンシン州マディソン]または同様のものなど、コンピューターソフトウェアツールを使用して実現することができる。本明細書の好ましいポリペプチドまたはその重要な相同物をコードすることのできるそのようなDNA配列はどれも、本発明の実施形態であるとみなすべきである。
一般スキームとして、SEBタンパク質配列のいずれかをコードする遺伝子を、遺伝子合成を使用して作製し、適切な発現ベクターにクローン化することができる。次いでその発現ベクターを、宿主細胞に導入し、細胞の選択および培養を行う。好ましい分子を培地から精製し、配合を行って治療用投与向けの製剤にする。あるいは、たとえば、黄色ブドウ球菌由来DNAとPCRプライマーを用いるPCRクローニング戦略、ならびにHorganおよびFraser[Horgan C & Fraser J.D、MHC第1巻第8章、「A Practical Approach」、107〜121頁、Fernandez, N.& Butcher, G.編、IRL Press、英国オックスフォード、1997年]が記載しているプロトコルに従って、野生型SEB遺伝子配列を得ることができる。野生型毒素遺伝子は、突然変異を誘発し、好ましい変異体配列を構築するための鋳型として使用することができる。これに関して、Higuchiら[Higuchiら(1988年)、Nucleic Acids Res. 第16巻:7351頁]が記載している「オーバーラップ伸長PCR」の戦略を使用すると特に好都合であるが、他の方法およびシステムも容易に適用できるはずである。次いで、変更されたコードDNAを、大腸菌など選択した宿主細胞系の中で従来の手段によって発現させ、そこから所望のSEBを回収し、精製する。適切な宿主細胞、精製およびアッセイのスキームは、当業界でよく知られている。
SEB分子の構築を組換えDNA技術によって実施してよい場合、他のタンパク質ドメイン、たとえば抗体の定常部ドメインと融合したSEB分子を含むこともできる。融合タンパク質を含む組換えタンパク質の精製および操作の方法は当業界でよく知られている。必要な技術は、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第2版(Sambrookら、1989年);「Oligonucleotide Synthesis」(M.J.Gait,編、1984年);「Animal Cell Culture」(R.I.Freshney,編、1987年);「Methods in Enzymology」(Academic Press,Inc.);「Handbook of Experimental Immunology」(D.M. Weir& C.C. Blackwell,編);「Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells」(J.M. Miller &M.P.Calos編、1987年);「Current Protocols in Molecular Biology」(F.M.Ausubel ら編、1987年);「PCR:The polymerase Chain Reaction」(Mullisら編、1994年);「Current Protocols in Immunology」(J.E. Coliganら編、1991年)などの文献で十分に説明されている。
本発明は、主要なアミノ酸配列が本明細書で開示するものとほぼ同じ分子からなるいかなるSEB種にも適用することができ、したがって遺伝子工学手段または他の方法によって得られたSEB分子を含むことになり、239個程度のアミノ酸残基を含んでいてよい。
ブドウ球菌エンテロトキシンA、C、C1、C2、D、E、およびFだけでなく、異なる微生物供給源に由来する他の同類毒素も、同じくこの開示のペプチド配列の多くを備え、また同じく開示する表のものとほぼ同じ配列のペプチド配列を多数有する。このようなタンパク質配列は、したがって等しく本発明の範囲に入る。
本発明が、改変SEBに関するものである限り、そのような改変SEBタンパク質もしくは改変SEBタンパク質断片を含む組成物ならびに関連組成物は、本発明の範囲内であるとみなすべきである。この点で直接関係のある例には、開示されたペプチドの1種または複数を免疫療法の目的で患者に投与する、ペプチド媒介型寛容性導入戦略の開発もあり得るはずである。したがって、たとえば、表1に示した1種または複数の配列、より好ましくはエピトープ領域R1a、R2aおよびR3aのいずれかの全体または部分を含む配列を含む合成ペプチド分子は、本発明の実施形態とみなす。
もう1つの態様では、本発明は、改変SEBの実体をコードする核酸に関する。別の態様では、本発明は、改変SEBタンパク質を使用するヒトの治療処置方法に関する。この態様では、改変SEBを組換え型融合タンパク質として生成することができる。この態様では、改変SEBタンパク質を抗体分子または抗体分子の断片に連結することができる。連結は、化学的架橋剤によって行うことができ、またはより好ましくは、SEB抗体を組換え融合タンパク質として生成することもできる。融合分子は、改変SEBドメインと共に、融合分子のN末端に向かって配向をとる抗体ドメインを含んでいてよいが、逆の配向を企図してもよい。
本明細書の改変SEB分子への連結について望ましい抗体特異性には、癌特異的抗原に対するものが含まれ、その例には、A33抗原[Heath, J.K.ら(1997年)、Proc.Natl,Acad.Sci U.S.A. 第94巻:469〜474頁]およびGA733−1抗原[米国特許第5840854号]が含まれる。癌胎児性抗原の使用を企図してもよく、癌胎児抗原は、数多くの抗体のいずれの標的ともなり得るが、それには、MFE23[Chester, K.A.ら(1994年)、Lancet 第343巻:455頁]、A5B7[W092/010159]、T84.66[米国特許第5081235号]、MN−14[Hansen, H.J.ら、(1993年)、Cancer 第71巻:3478〜3485頁]、COL−1[米国特許第5472693号]、抗体KS1/4によって認識される40kDaの糖タンパク質抗原[Spearmanら(1987年)、J.Pharmacol.Exp.Therapeutics 第241巻:695〜703頁]、上皮細胞成長因子受容体(HER1)もしくはHER2などの同類受容体、抗体14.18などの抗GD2抗体[米国特許第4675287号、EP0192657]、または前立腺特異膜抗原に対する抗体[米国特許第6107090号]、IL−2受容体[米国特許第6013256号]、Lewis Y決定基、ムチン糖タンパク質が含まれ、または他を企図することもできる。
どの例でも、改変SEBタンパク質を抗体配列と融合させて作製する場合、T細胞エピトープ、あるいはMHCクラスII分子に結合し、またはT細胞を刺激し、またはMHCクラスII分子と共同でT細胞に結合することのできる配列が除去されている抗体配列を使用することが最も望ましい。
ここで、本発明を以下の実験実施例によって説明する。実施例では、以下の図を参照されたい。
(図面の簡単な説明)
図1は、エピトープ領域R1a内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。リガンドは実施例2のin silicoシステムを使用して同定している。この場合では、18種のヒトDRアロタイプの結合プロフィールを柱状に表示している。検出されたリガンドは13量体であり、各13量体の残基番号1が、色付きのブロックによって確認される。18種のアロタイプそれぞれに関して、各ペプチドの結合相互作用の強度(高、中、または低)を表示の記号解説に従って示す。
図2は、エピトープ領域R2内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。リガンドは実施例2のin silicoシステムを使用して同定している。この場合では、18種のヒトDRアロタイプの結合プロフィールを柱状に表示している。検出されたリガンドは、13量体であり、各13量体の残基番号1が、色付きのブロックによって確認される。18種のアロタイプそれぞれに関して、各ペプチドの結合相互作用の強度(高、中、または低)を表示の記号解説に従って示す。
図3は、エピトープ領域R3内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。リガンドは実施例2のin silicoシステムを使用して同定している。この場合では、18種のヒトDRアロタイプの結合プロフィールを柱状に表示している。検出されたリガンドは13量体であり、各13量体の残基番号1が、色付きのブロックによって確認される。18種のアロタイプそれぞれに関して、各ペプチドの結合相互作用の強度(高、中、または低)を表示の記号解説に従って示す。
式Iは、MHCクラスIIリガンドが、エピトープ領域R1a、R2a、およびR3aならびにR1a、R1b、R1c、R2a、およびR3a内での置換によってそれぞれ除去されている、最も好ましいSEB構造を示す。
(実施例1)
MHCペプチドとT細胞受容体(TCR)間の相互作用は、T細胞による認識が抗原特異性であることの構造的根拠となる。T細胞増殖アッセイでは、ペプチドのMHCへの結合およびTCRによるMHC/ペプチド複合体の認識を試験する。この実施例のin vitro T細胞増殖アッセイは、抗原提示細胞(APC)およびT細胞を含む末梢血単核細胞(PBMC)を刺激するものである。刺激は、合成ペプチドを抗原として使用してin vitroで与える。3H−チミジン(3H−Thy)を使用して、刺激されたT細胞増殖を測定し、洗浄した固定細胞をシンチレーションカウンターでカウントして、取り込まれた3H−Thyの存在を評価する。
保存が12時間未満であるヒト血液の軟膜は、National Blood Service(Addenbrooks Hospital、英国ケンブリッジ)から入手した。Ficoll−paqueは、Amersham Pharmacia Biotech(英国Amersham)から入手した。初代ヒトリンパ球を培養するための、L−グルタミン、50μg/mlのストレプトマイシン、10μg/mlのゲントマイシン、および0.1%のヒト血清アルブミンを含有するSerum free AIM V培地は、Gibco-BRL(英国ペーズリー)から入手した。合成ペプチドは、Pepscan(オランダ)およびBabraham Technix(英国ケンブリッジ)から入手した。
血しょうから赤血球および白血球を分離し、軟膜を穏やかな遠心分離にかけて血小板を分離した。(血しょうおよび血小板を含有する)最上相を除去し、廃棄した。赤血球および白血球をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1:1希釈した後、15mlのficoll-paque (Amersham Pharmacia、Amersham、英国)上に層状に重ねた。製造者の推奨条件に従って遠心分離を行い、血清+PBS/ficoll paqueの界面からPBMCを収集した。PBMCをPBS(1:1)と混合し、遠心分離によって収集した。上清を除去し、廃棄し、PBMCペレットを50mlのPBSに再懸濁した。細胞を遠心分離によって再度ペレット状にし、PBS上清を廃棄した。50mlのAIM V培地を用いて細胞を再懸濁し、この時点でカウントを行い、トリパンブルー色素排除法を使用して生存度を評価した。遠心分離によって細胞を再度収集し、上清を廃棄した。細胞を最懸濁して、1mlあたり3×107個の密度で低温貯蔵した。貯蔵培地を90%(v/v)の熱によって失活させたABヒト血清(Sigma、プール、英国)および10%(v/v)のDMSO(Sigma、プール、英国)とした。細胞を調整冷凍容器(Sigma)に移し、−70℃で終夜おいた後、液体N2に移しかえて長期保存に備えた。使用する必要が生じたとき、37℃の温水浴中で細胞をすばやく解凍した後、10mlの予め温めてあるAIM V培地に移した。
96穴平底プレート中で、密度をウェルあたりPBMC 2×105個とし、PBMCをタンパク質およびペプチド抗原で刺激した。PBMCを37℃で7日間インキュベートした後、3H−Thy(Amersham-Pharmacia、Amersham、英国)でパルス標識した。この研究では、連続する各ペプチドが12アミノ酸重複している合成ペプチド(15量体)を作製して、EPOの全配列を網羅した。ペプチドID番号および配列を表2に示す。
各ペプチドを、20人の未処置ドナーから単離されたPBMCに対して個々にスクリーニングにかけた。免疫原性があり強力な非再現性(non-recall)抗原KLHであることが予めわかっている2種の対照ペプチドを各ドナーアッセイで使用した。この研究で使用した対照抗原は、インフルエンザ赤血球凝集素307-319(配列:PKYVKQNTLKLAT)、クラミジアHSP 60ペプチド(配列:KVVDQIKKISKPVQH)、およびキーホールリンペットヘモシアニンであった。
市販の試薬系(Dynal、英国ウィラル)を使用して、すべてのPBMCサンプルの組織型を試験した。アッセイは、供給業者の推奨プロトコル、ならびに標準の補助試薬およびアガロース電気泳動系に従って実施した。
ペプチドをDMSOに溶解させて、最終濃度を10mMとし、次いでその保存溶液をAIM V培地で1/500希釈した(最終濃度20μM)。ペプチドを平底96穴プレートに加えて、100μl中2μMおよび20μMの最終濃度とした。解凍したPBMCの生存度をトリパンブルー色素排除法によって評価し、次いで細胞を2×106細胞/mlの密度で再懸濁し、100μl(2×105 PBMC/ウェル)を、ペプチドを含む各ウェルに移した。3通りのウェル培養物を各ペプチド濃度で試験した。プレートをCO2 5%の加湿雰囲気中、37℃で7日間インキュベートした。細胞を1μCiの3H−Thy/ウェルで18〜21時間かけてパルス標識した後、フィルターマットに収集した。Wallac microplate beta topプレートカウンター(Perkin Elmer)を使用してCPM値を決定した。結果は、刺激指数として示したが、ここで、刺激指数(SI)は、試験ペプチドに対して測定された増殖スコア(たとえば、1分あたりの放射能カウント)を、試験ペプチドと接触させていない細胞で測定されたスコアで割ることによって導かれる。
Figure 2005535351
Figure 2005535351
Figure 2005535351
Figure 2005535351
T細胞増殖アッセイを使用してSEB配列中のT細胞エピトープのマッピングを行った結果、3箇所の免疫原性領域R1a、R2a、およびR3aが同定された。有意な応答を刺激し得るペプチドを表1に示してある。SEBペプチドに応答性のドナーのアロタイプ拘束性および記録されたSIを表3に示す。
Figure 2005535351
(実施例2)
免疫原性プロフィールが改善されている改変SEB配列の設計:
エピトープ領域R1a、R2a、およびR3aの分析には共同所有の出願WO02/069232の方法を使用した。このシステムは、生物学的手法で検出されたエピトープ領域内に含まれる特定のMHCリガンドの予測を可能にし、所与のMHCクラスIIリガンドの、特定のMHCアロタイプと相互に作用する能力について「スコア」を与える。
MHCリガンドに対するアロタイプ拘束性パターンは、添付の図1〜3のエピトープ領域R1a〜R3aそれぞれについて提供されるようなアロタイプ拘束性のチャート表示を使用して示すことができる。
エピトープRla〜R3aそれぞれの範囲内の配列の改変を考えるところまで分析を進めた。MHCクラスII結合能が持続しているか、およびそれが残っている場合にはその結合スコアがいくつであるか、配列変異体を試験した。試験した大半のMHCアロタイプでMHCクラスII結合を消失させた、複合的なアミノ酸置換を確定した。同定された特定の置換を、SEB結晶構造モデルPDB ID番号3SEBおよび1GOZ[3SEBについては、Papageoriou, A.C.ら(1998年)、J.Mol.Biol. 第277巻:61〜79頁を参照。1GOZについては、Baker M.D.ら(2002年)、J.Biol.Chem. 第277巻:2756〜2762頁を参照]内で適応する能力があるか、さらに試験した。野生型配列の選択された残基上に設計した突然変異を、立体的な衝突、水素結合の形成、疎水性相互作用、および構造中でのその全般的な適応について調査を行った。立体的な衝突を生じた置換を除外した。側鎖が元の残基と同様の立体配置(回転異性体)をとっているときに適応した置換は許容されるとみなした。2種以上の置換がこれらの判断基準を満たした場合、近隣の側鎖もしくは骨格の原子と水素結合を形成し、かつ/または好都合な疎水性の接触または他の会合を形成する可能性のある残基の方を選んだ。上記手順はSwiss Prot Deep View v3.7 [Guex, N.およびPeitsch, M.C. (1997年)、Electrophoresis 第18巻:2714〜2723頁]を使用して双方向性に実施した。この過程でエピトープ領域R1〜R3、好ましくはR1a〜R3aそれぞれにとって好ましい置換セットがもたらされた。これら置換セットを編集して式Iに示す構造を作り出した。どの置換でもエピトープ領域R1〜R3、好ましくはR1a〜R3aそれぞれの範囲内でMHCクラスIIリガンドが除去されたことが確認された。上記スキームの従う最も好ましいセットを含むSEB構造を式Iに示す。
エピトープ領域R1a内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。 エピトープ領域R2で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。 エピトープ領域R3内で同定されたMHCクラスIIリガンドを示す。

Claims (16)

  1. ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)の生物学的活性を有し、実質的に非免疫原性であるか、またはin vivoで使用したときに個体において同じ生物学的活性を有する任意の非改変分子よりも免疫原性が低い改変分子であって、
    (i)前記の免疫原性の消失が、もともとの非改変分子に由来する1種または複数のT細胞エピトープの除去によって実現され、前記T細胞エピトープは、MHCクラスIIリガンド、またはクラスII上での提示を介してT細胞を刺激または結合する能力を示すペプチド配列であり、
    (ii)前記改変分子が、生物学的ヒトT細胞増殖アッセイで全タンパク質として試験したときに、非改変親分子より小さく、かつ2.0未満の刺激指数(SI)を示し、
    (iii)前記の除去されるT細胞エピトープが、R1〜R3と称する、もともとの非改変SEB分子の1本または複数の残基連続鎖上に位置し、前記鎖は、
    Figure 2005535351
    から選択される改変分子。
  2. 除去される前記T細胞エピトープが、R1a、R1b、R2c、R2a、およびR3aと称する、もともとの非改変SEB分子の1本または複数の残基の連続鎖上に位置し、前記鎖は、
    Figure 2005535351

    から選択される、請求項1に記載の改変SEB分子。
  3. 前記T細胞エピトープが、前記鎖内の1個または複数のアミノ酸残基の置換によって除去されている、請求項1または2に記載の改変SEB分子。
  4. ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)の生物学的活性を有し、実質的に非免疫原性であるか、またはin vivoで使用したときに個体において同じ生物学的活性を有する任意の非改変分子よりも免疫原性が低い改変分子であって、前記の免疫原性の消失が、もともとの非改変分子に由来する1種または複数のT細胞エピトープの除去によって実現され、前記T細胞エピトープは、MHCクラスIIリガンド、またはクラスII上での提示を介してT細胞を刺激または結合する能力を示すペプチド配列であり、前記改変分子が、次の配列、
    Figure 2005535351
    [ここで、
    1=A、G、P、またはMであり、
    2=A、G、P、またはMであり、
    3=T、A、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、またはYであり、
    4=A、またはIであり、
    5=H、またはLであり、
    6=T、A、D、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、またはYであり、
    7=H、またはVであり、
    8=A、P、G、またはVであり、
    9=T、H、またはFであり、
    それによって、同時に、
    1=M、X2=M、X3=Y、X4=Y、X5=L、X6=Y、X7=V、X8=V、およびX9=Fが除外されている。]
    を有する改変分子。
  5. 1=A、X2=A、X3=T、X4=A、X5=H、X6=T、X7=H、X8=A、およびX9=Tである、請求項4に記載の改変SEB分子。
  6. 生物学的T細胞増殖アッセイで全タンパク質として試験したときに、親の非改変SEB分子よりも小さくかつ2未満の刺激指数(SI)を示す、請求項4または5に記載の改変SEB分子。
  7. 請求項1から6のいずれかで特定した改変SEB分子をコードするDNA分子。
  8. 請求項1から7のいずれかで特定した改変SEB分子と共に、薬剤として許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む薬剤組成物。
  9. ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)の生物学的活性を有し、MHCクラスIIリガンド、またはクラスII上での提示を介してT細胞を刺激または結合する能力を示す配列トラックである1種または複数のT細胞エピトープを含む分子の部分であり、ペプチドが、表1または表2から選択されるペプチド配列。
  10. 前記鎖のいずれかに由来する13〜15個の連続したアミノ酸残基を含む、請求項9に記載のペプチド配列。
  11. 生物学的ヒトT細胞増殖アッセイで試験したときに2.0よりも大きい刺激指数(SI)を示す、請求項9または10に記載のペプチド配列。
  12. 改変の結果、1個または複数のアミノ酸残基の置換によってMHCクラスIIリガンドである潜在的T細胞エピトープが除去されており、生物学的ヒトT細胞増殖アッセイで試験したときに2.0、好ましくは1.8未満の刺激指数(SI)を示す、請求項11に記載の改変ペプチド配列。
  13. 請求項1で定義した改変ヒトSEB分子を製造するための、請求項12に記載のペプチドの使用。
  14. 請求項9から13のいずれかで特定したペプチド配列をコードするDNA分子。
  15. 非改変SEB中のT細胞エピトープの位置を突き止めてブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)のT細胞エピトープマップを構築する方法であって、
    (i)合成ペプチド免疫原を用い、生理的比率のT細胞対抗原提示細胞を含有する無関係なドナーサンプル由来のPBMC調製物を使用してin−vitroでの抗原刺激を行うステップ、
    (ii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを適用して、ステップ(i)で同定されたエピトープ領域を分析し、それによって前記エピトープ領域内のMHCクラスIIリガンドを同定するステップ、
    (iii)ペプチドリガンドと1種または複数のMHCアロタイプとの結合をシミュレートする計算スキームを適用して、MHCクラスIIともはや結合しない、またはより少ないMHCアロタイプとより低い親和性でしか結合しないエピトープ領域内に含まれるMHCリガンドの配列類似体を同定するステップ、ならびに任意選択で、
    (iv)未処置T細胞活性化アッセイ、およびSEB分子内で同定されたエピトープ領域を完全に、または集合として含む合成ペプチドを使用して、前記配列類似体を、未処置T細胞活性化アッセイで親SEB配列と並行して試験するステップ
    を含む方法。
  16. 2.0以上の刺激指数(SI)が少なくとも2種の独立したドナーサンプルで認められるときに、特定のT細胞エピトープの位置が判明する、請求項15に記載の方法。
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