JP2006514096A - 癌細胞においてアポトーシスを誘導するための方法および組成物 - Google Patents

癌細胞においてアポトーシスを誘導するための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

アポトーシス誘導薬剤と組み合わせた抗DR4または抗DR5抗体アゴニストは、癌細胞において相乗的にアポトーシスを誘導する。

Description

発明の詳細な説明
関連特許出願の相互参照
本願は次の4つの米国仮特許出願:2003年9月22日出願の第60/504,901号、2003年8月12日出願の第60/494,714号、2003年2月21日出願の第60/448,960号、および2002年11月27日出願の第60/429,842号の利益を主張するものであり、これらは各々、いかなる目的においても、出典明示によりその全開示内容を本明細書の一部とする。
発明の背景
アポトーシスは全ての後生動物の発達および組織ホメオスタシスに不可欠な、高度に保存された細胞自殺プログラムである。正常な細胞のターンオーバーを妨げる、または遅延させるアポトーシス経路の変化は、疾病の病因において、ちょうど細胞周期の調節に異常があるのと同程度重要である可能性がある。細胞周期調節タンパク質間の複雑な相互作用によって制御される細胞分裂同様、アポトーシスもまた、正常な環境下にて細胞死を阻止するか、または誘導する遺伝子産物の相互作用によって調節される。
TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL、Apo2Lとも呼ばれる)は、TNFサイトカインファミリーのメンバーである。TNF受容体スーパーファミリーの2つのメンバーであるDR4またはDR5と結合すると、TRAILはアポトーシスによる細胞死を誘導する。例えば、Pan et al., Science 277:815−8 (1997); Sheridan, et al., Science 277:818−21 3 (1997); Walczak et al, EMBO J. 16:5386−97 4 (1997)参照。インビトロにおいてTRAILは、腫瘍細胞を死滅させるが、正常細胞に比較的無毒であることが示されている。
癌の処置にはさらなる治療法が必要である。本発明はこの問題、そして他の問題にも取り組む。
発明の概要
本発明は、癌細胞においてアポトーシスを誘導する方法を提供する。いくつかの態様にて、本方法は、細胞を(i)抗DR4または抗DR5親和性薬剤アゴニスト;および(ii)アポトーシス誘導薬剤と接触させることを含む。いくつかの態様にて、このアゴニストは抗DR5抗体である。いくつかの態様にて、この抗DR5抗体は、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体の結合特異性を有する。いくつかの態様にて、この抗DR5抗体は、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様にて、この抗DR5抗体は抗体Aである。いくつかの態様にて、このアゴニストは抗DR4抗体である。
いくつかの態様では、細胞を、抗DR4抗体アゴニストおよび抗DR5抗体アゴニストと接触させる。
いくつかの態様では、このアゴニストはヒト化抗体である。いくつかの態様では、このアゴニストは単鎖抗体である。
いくつかの態様では、この薬剤はBCL−2またはUbcH10の発現を阻止するか、または抑制する。いくつかの態様では、この薬剤はNFκBの活性化を阻止する。いくつかの態様では、この薬剤はIκBの分解を阻止する。いくつかの態様では、この薬剤はプロテアソームインヒビターである。いくつかの態様では、このプロテアソームインヒビターはPS−341、MG−262およびMG−132からなる群から選択される。
いくつかの態様では、この薬剤はアポトーシス阻害タンパク質(IAP)インヒビターのインヒビターである。いくつかの態様では、このインヒビターはSMACまたはSMACミメティックである。
いくつかの態様では、この薬剤はプレキシンB1(PLXNB1)、SETドメイン含有タンパク質7(SET7)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ5(MAP3K5)、STE20様キナーゼ(JIK)、MAPキナーゼ相互作用セリン/トレオニンキナーゼ1(MKNK1)、推定小胞体マルチスパントランスメンブランタンパク質(RFT1)、5−キナーゼIγ型(PIP5K1C)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MAPKAPK2)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ5(MAP2K5)、サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6)、アクチビンA受容体II型様1(ACVRL1)、ガードナー−ラシードネコ肉腫ウイルス(v−fgr)癌遺伝子ホモログ(FGR)、仮想タンパク質FLJ21802(FLJ21802)、筋骨格受容体チロシンキナーゼ(MUSK)、第20染色体オープンリーディングフレーム88(C20orf88)、ベンズイミダゾール非阻害性出芽1(酵母ホモログ)(BUB1)、リボゾームタンパク質S6キナーゼ90kDポリペプチド5(RPS6KA5)、v−yes−1山口肉腫ウイルス関連癌遺伝子ホモログ(LYN)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ7(MAPK7)、およびv−aktネズミ胸腺腫ウイルス癌遺伝子ホモログ1(AKT1)からなる群から選択されるポリペプチドのインヒビターである。
いくつかの態様では、この薬剤はシグナル認識粒子72kD(SRP72)、カスパーゼ8、Bid、Bリンパ球チロシンキナーゼ(BLK)、ピルビン酸キナーゼM2アイソザイムと類似の遺伝子産物(LOC148283)、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3α(GSK3A)、仮想タンパク質FLJ32312(FLJ32312)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ10(MAPK10)、TCF4:転写因子4、v−ablエイブルソンネズミ白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ2(arg、エイブルソン関連遺伝子)(ABL2)、v−ros鳥類UR2肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ1(ROS1)およびv−myc鳥類骨髄細胞腫症ウイルス癌遺伝子ホモログからなる群から選択されるポリペプチドのアクチベーターである。
いくつかの態様では、癌細胞は結腸癌細胞または膵臓癌細胞である。
いくつかの態様では、この薬剤はPAK1のアンタゴニストである。いくつかの態様では、この薬剤はUbcH10、nsurf、stk12、Ask1およびJIKからなる群から選択されるポリペプチドのアンタゴニストである。いくつかの態様では、この薬剤はsiRNA分子である。
本発明はまた、それを必要とする個体の癌細胞においてアポトーシスを誘導する方法を提供する。いくつかの態様では、その方法は、その個体に治療上有効量の(i)抗DR4または抗DR5親和性薬剤アゴニスト;および(ii)アポトーシス誘導薬剤を投与することを含む。
いくつかの態様では、このアゴニストおよび薬剤を別個に投与する。いくつかの態様では、このアゴニストおよび薬剤を混合物として投与する。いくつかの態様では、このアゴニストは抗DR5抗体である。いくつかの態様では、抗DR5抗体は、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体の結合特異性を有する。いくつかの態様では、この抗DR5抗体は、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様では、この抗DR5抗体は抗体Aである。いくつかの態様では、このアゴニストは抗DR4抗体である。いくつかの態様では、細胞を、抗DR4抗体アゴニストおよび抗DR5抗体アゴニストと接触させる。
いくつかの態様では、このアゴニストはヒト化抗体である。いくつかの態様では、このアゴニストは単鎖抗体である。
いくつかの態様では、この薬剤はBCL−2またはUbcH10の発現を阻止または抑制する。いくつかの態様では、この薬剤はNFκBの活性化を阻止する。いくつかの態様では、この薬剤はIκBの分解を阻止する。いくつかの態様では、この薬剤はプロテアソームインヒビターである。いくつかの態様では、このプロテアソームインヒビターは、PS−341、MG−262およびMG−132からなる群から選択される。
いくつかの態様では、この薬剤はアポトーシス阻害タンパク質(IAP)のインヒビターである。いくつかの態様では、このインヒビターはSMACまたはSMACミメティックである。
いくつかの態様では、この癌細胞は結腸癌細胞または膵臓癌細胞である。いくつかの態様では、この薬剤はPAK1のアンタゴニストである。いくつかの態様では、この薬剤はUbcH10、nsurf、stk12、Ask1およびJIKからなる群から選択されるポリペプチドのアンタゴニストである。いくつかの態様では、この薬剤はsiRNA分子である。
本発明はまた、治療上有効量の(i)抗DR4または抗DR5抗体アゴニスト;および(ii)アポトーシス誘導薬剤を含む生理学的組成物も提供する。いくつかの態様では、このアゴニストは抗DR5抗体である。いくつかの態様では、この抗DR5抗体は、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体の結合特異性を有する。いくつかの態様では、この抗DR5抗体は、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様では、この抗DR5抗体は抗体Aである。いくつかの態様では、このアゴニストは抗DR4抗体である。いくつかの態様では、細胞を抗DR4抗体アゴニストおよび抗DR5抗体アゴニストと接触させる。
いくつかの態様では、このアゴニストはヒト化抗体である。いくつかの態様では、このアゴニストは単鎖抗体である。いくつかの態様では、この薬剤はBCL−2のまたはUbcH10の発現を阻止または抑制する。いくつかの態様では、この薬剤はNFκBの活性化を阻止する。いくつかの態様では、この薬剤はIκBの分解を阻止する。いくつかの態様では、この薬剤はプロテアソームインヒビターである。いくつかの態様では、このプロテアソームインヒビターはPS−341、MG−262およびMG−132からなる群から選択される。
いくつかの態様では、この薬剤はアポトーシス阻害タンパク質(IAP)のインヒビターである。いくつかの態様では、このインヒビターはSMACまたはSMACミメティックである。
いくつかの態様では、この薬剤はPAK1のアンタゴニストである。いくつかの態様では、この薬剤はUbcH10、nsurf、stk12、Ask1およびJIKからなる群から選択されるポリペプチドのアンタゴニストである。いくつかの態様では、この薬剤はsiRNA分子である。
本発明はまた、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体の結合特異性を有する親和性薬剤も提供する。いくつかの態様では、この親和性薬剤は図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体である。
本発明はまた、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体を発現する細胞も提供する。
本発明はまた、細胞を、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む、抗体の結合特異性を有する親和性薬剤と接触させることを含む、癌細胞においてアポトーシスを誘導する方法を提供する。いくつかの態様では、このアゴニストは抗DR5抗体である。いくつかの態様では、この抗DR5抗体は、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体の結合特異性を有する。いくつかの態様では、この抗DR5抗体は、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様では、この抗DR5抗体は抗体Aである。
定義
「抗体」とは、抗原と特異的に結合し、それを認識する免疫グロブリン遺伝子由来のフレームワーク領域またはそのフラグメントを含むポリペプチドを示す。認識される免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α、γ、δ、ε、およびμ定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖はκまたはλのいずれかに分類される。重鎖はγ、μ、α、δまたはεに分類され、これはそれぞれ順に、免疫グロブリンクラス、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEを規定する。
天然に存在する免疫グロブリンは、2つの同じ軽鎖(約24kD)と2つの同じ重鎖(約55kDまたは70kD)が四量体を形成している共通のコア構造を有する。各鎖のアミノ末端部分は可変(V)領域として知られ、各鎖の残りの部分のより保存性の高い定常(C)領域と区別することができる。軽鎖の可変領域内には、J領域として知られているC末端部分が存在する。重鎖の可変領域内にはJ領域の他にD領域が存在する。免疫グロブリンにおける大部分のアミノ酸配列変異は、抗原結合に直接関与する超可変領域または相補性決定領域(CDR)として知られているV領域の3つの別個の位置に限られている。これらの領域は、アミノ末端からそれぞれCDR1、CDR2およびCDR3と呼ばれている。これらのCDRは、より保存性の高いフレームワーク領域により定位置に保持されている。これらの領域はアミノ末端からそれぞれFR1、FR2、FR3、およびFR4と呼ばれている。これらCDRおよびFR領域の位置ならびに付番は、例えば、 Kabat et al. (Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, U.S. Government Printing Office (1991))に定義されている。
例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は四量体からなる。各四量体は2対の同じポリペプチド鎖からなり、各対は1つの「軽」鎖(約25kDa)と1つの「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のN末端は、主として抗原認識を担う約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を規定している。軽鎖可変鎖(V)および重鎖可変鎖(V)とは、それぞれこれらの軽鎖および重鎖を示す。
抗体は、例えば、完全な免疫グロブリンとしてか、または種々のペプチダーゼ消化により作製される多くのよく特徴付けられたフラグメントとして存在する。従って、例えば、ペプシンはヒンジ領域のジスルフィド結合の下で抗体を消化して、それ自体ジスルフィド結合によりV−CH1に連結した軽鎖であるFabの二量体である、F(ab)’を作製する。このF(ab)’を、ヒンジ領域のジスルフィド結合を切断する穏和な条件下で還元すると、F(ab)’二量体がFab’単量体に変換し得る。このFab’単量体は、本質的にヒンジ領域の一部を有するFabである(FUNDAMENTAL IMMUNOLOGY (Paul ed., 3d ed. 1993)参照)。種々の抗体フラグメントは完全な抗体の消化に関して定義されたものであるが、当業者ならば、かかるフラグメントを化学的に、または組換え型DNA法を用いることにより新規に合成し得ることを理解するであろう。従って、本明細書において抗体とは、抗体全体の修飾によって作製された抗体フラグメント、または組換えDNA法を用いて新規に合成された抗体フラグメント(例えば、単鎖Fv)、またはファージディスプレーライブラリーを用いて同定された抗体フラグメント(例えば、McCafferty et al., Nature 348:552-554 (1990)参照)も含む。
モノクローナルまたはポリクローナル抗体の調製には、当技術分野で公知のいずれの技術を用いてもよい(例えば、Kohler & Milstein, Nature 256:495−497 (1975); Kozbor et al., Immunology Today 4:72 (1983); Cole et al., pp. 77−96 in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy (1985)参照)。「モノクローナル」抗体とは、単一のクローンに由来する抗体を示す。単鎖抗体の生産技術(米国特許第4,946,778号)を本発明のポリペプチドに対する抗体を作製するために採用することができる。また、トランスジェニックマウス、または他の哺乳動物などの他の生物を用いてヒト化抗体を発現させてもよい。あるいは、ファージディスプレー技術を用いて、選択された抗原と特異的に結合する抗体およびヘテロメリックFabフラグメントを同定することもできる(例えば、McCafferty et al., Nature 348:552−554 (1990); Marks et al., Biotechnology 10:779−783 (1992)参照)。
「キメラ抗体」は、(a)定常領域またはその一部が変更、置換または交換された結果、その抗原結合部位(可変領域)が、異なる、または変更されたクラス、エフェクター機能および/もしくは種の定常領域と、またはキメラ抗体に新たな特性を付す全く異なる分子、例えば酵素、毒素、ホルモン、増殖因子、薬物などと結合された抗体分子、または(b)可変領域またはその一部が、抗原特異性の異なる、または抗原特異性が変更された可変領域で変更、置換または交換されている抗体分子である。
「ヒト化」抗体は、ヒトにおける免疫原性が低いながら、非ヒト抗体の反応性を保持している抗体である。これは例えば、非ヒトCDR領域を保持し、その抗体の残りの部分をヒト対応物に置換することにより達成できる。例えば、 Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851−6855 (1984); Morrison and Oi, Adv. Immunol., 44:65−92 (1988); Verhoeyen et al., Science, 239:1534−1536 (1988); Padlan, Molec. Immun., 28:489−498 (1991); Padlan, Molec. Immun., 31(3):169−217 (1994)参照。
抗体に「特異的に(または選択的に)結合する」、またはタンパク質もしくはペプチドに対して言う場合に「特異的に(または選択的に)結合する」とは、タンパク質およびその他の生物学的物質の不均一な集団においてそのタンパク質の存在を決定づける結合反応を示す。従って、指定のイムノアッセイ条件下で、特異的な抗体がバックグラウンドの少なくとも2倍、特定のタンパク質と結合し、かつ、そのサンプル中に存在するその他のタンパク質と有意な量では実質的に結合しない。かかる条件下での抗体の特異的結合には、特定のタンパク質に対するその特異性に関して選択される抗体が必要であり得る。この選択は、例えば他種由来のDR5分子と交差反応する抗体を取り除くことにより達成することができる。種々の免疫アッセイ形式を用いて、特定のタンパク質と特異的に免疫反応性のある抗体を選択することができる。例えば、通常は固相ELISA免疫アッセイを用いて、タンパク質と特異的に免疫反応性のある抗体を選択すればよい(特異的免疫反応性を決定するのに使用できる免疫アッセイ形式および条件を記載したものとしては、例えば、 Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (1988)を参照)。一般的に、特異的または選択的反応は、バックグラウンドシグナルまたはノイズの少なくとも2倍、一般的にはバックグラウンドの10〜100倍を超える。
「ペプチドミメティック」および「ミメティック」とは、天然または非天然ポリペプチド(例えば、SMAC)と実質的に同じ構造的および機能的特徴を有する合成化学化合物を示す。ペプチド類似体は製薬業界では一般に、鋳型ペプチドのものと類似の特性を備えた非ペプチド薬として用いられる。これらのタイプの非ペプチド化合物は「ペプチド ミメティック」または「ペプチドミメティック」と呼ばれる(出典明示により本明細書の一部とするFauchere, J. Adv. Drug Res. 15:29 (1986); Veber and Freidinger TINS p. 392 (1985);およびEvans et al. J. Med. Chem. 30:1229 (1987)参照)。治療上有用なペプチドに構造的に類似しているペプチドミメティックを用いて、同等または高い治療または予防効果を生ずることができる。一般に、ペプチドミメティックは、例えば興味のあるポリペプチドに見られるものなどのパラダイム・ポリペプチド(すなわち、生物活性または薬理活性を有するポリペプチド)と構造上類似しているが、例えば、−CHNH−、−CHS−、−CH−CH−、−CH=CH−(シスおよびトランス)、−COCH−、−CH(OH)CH−、および−CHSO−からなる群から選択される結合によって置換されていてもよい1つ以上のペプチド結合を有する。ミメティックは完全に合成の非天然アミノ酸類似体からなってもよく、または一部が天然ペプチドアミノ酸であって、かつ一部が非天然アミノ酸類似体であるキメラ分子であってもよい。ミメティックはまた、その置換がミメティックの構造および/または活性を実質的に変更しない限り、どんな量の天然アミノ酸保存的置換を組み込んでもよい。例えば、ミメティック組成物は、興味のあるポリペプチドの結合または酵素活性の少なくとも一方を実行できれば、本発明の範囲内である。
「siRNA」とは、干渉を引き起こし得、かつ、例えば哺乳動物細胞(ヒト細胞を含む)などの細胞、および例えば哺乳動物身体(ヒトを含む)などの身体において特定の遺伝子の転写後サイレンシングを引き起こし得る小さな干渉RNAを示す。RNA干渉の現象は、Bass, Nature 411: 428−29 (2001); Elbahir et al., Nature 411: 494−98 (2001);およびFire et al., Nature 391: 806−11 (1998);およびWO01/75164に記載および考察されており、そこでは干渉RNAを作製する方法も考察されている。本明細書で開示される遺伝子産物をコードする配列および核酸に基づくsiRNAは通常100塩基対より少なく、例えば約30bp以下であってよく、かつ、相補的DNA鎖または合成アプローチの使用を含む、当技術分野で公知のアプローチにより作製することができる。これらのsiRNAは干渉を引き起こすことができ、かつ、例えば哺乳動物細胞(ヒト細胞を含む)などの細胞、および例えば哺乳動物身体(ヒトを含む)などの身体において特定の遺伝子の転写後サイレンシングを引き起こすことができる。本発明の例示的siRNAは、最大29bp、25bp、22bp、21bp、20bp、15bp、10bp、5bp、またはその程度もしくはその間のいずれの整数であってもよい。最適な阻害siRNAをデザインするための手段としては、DNAengine Inc. (Seattle, WA)およびAmbion, Inc. (Austin, TX)から入手できるものが含まれる。
1つのRNAi技術では、センス配列およびアンチセンス配列が、スプライシング供与部位およびスプライシング受容部位を有する適切なスプライシング配向で、イントロン配列に隣接する領域に置換されている遺伝子構築体を用いる。あるいは、種々の長さのスペーサー配列を用いて、その構築物中の配列の自己相補性領域を隔てることもできる。遺伝子構築物の転写物のプロセシングの際に、イントロン配列はスプライスされ、センスおよびアンチセンス配列、ならびにスプライス連結配列を生じ、結合して二本鎖RNAを生じる。その後、選択的リボヌクレアーゼが二本鎖RNAと結合してこれを切断し、それにより特定のmRNA遺伝子配列の分解をもたらす事象のカスケードを開始させ、特定の遺伝子をサイレンシングする。
「核酸」とは、一本鎖形態または二本鎖形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびそのポリマーを示す。この用語は、合成、天然および非天然であり、参照核酸と同様の結合特性を有し、かつ、参照核酸と同様にして代謝される既知のヌクレオチド類似体または修飾された骨格残基または結合を含む核酸を包含する。このような類似体の例としては、限定されるものではないが、ホスホロチオエート、ホスホルアミダート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNA)が挙げられる。
特に断りのない限り、特定の核酸配列も必然的に、その保存的修飾変異体(例えば、縮重コドン置換)および相補配列、ならびに明示された配列を包含する。詳しくは、縮重コドン置換は、選択された1つ以上の(または全ての)コドンが3番目の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換されている配列を作出することにより達成することができる(Batzer et al., Nucleic Acid Res. 19:5081 (1991); Ohtsuka et al., J. Biol. Chem. 260:2605-2608 (1985); Rossolini et al., Mol. Cell. Probes 8:91-98 (1994))。「核酸」は遺伝子、cDNA、mRNA、オリゴヌクレオチド、およびポリヌクレオチドを包含する。
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、本明細書ではアミノ酸残基のポリマーを示し互換的に用いられる。これらの用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、対応する天然アミノ酸の人工の化学的ミメティックであるアミノ酸ポリマー、ならびに天然アミノ酸ポリマーおよび非天然アミノ酸ポリマーに対して当てはまる。
「アミノ酸」とは、天然および合成アミノ酸、ならびに天然アミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸ミメティックを示す。天然アミノ酸としては、遺伝コードによってコードされているもの、ならびに例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、およびO−ホスホセリンなどで、後に修飾されたアミノ酸がある。アミノ酸類似体は、天然アミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基、例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムなどと結合しているα炭素を有する化合物を示す。かかる類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を保持している。アミノ酸ミメティックとは、アミノ酸の一般化学構造とは異なるが、天然アミノ酸と同様に機能する化学化合物を示す。
「保存的修飾変異体」とは、アミノ酸配列および核酸配列の双方に対して当てはまる。特定の核酸配列に関して、保存的修飾変異体とは、同一または本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を示すか、またはその核酸がアミノ酸配列をコードしない場合には本質的に同一の配列を示す。遺伝コードの縮重のため、多数の機能的に同一の核酸が所定のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUは全て、アミノ酸のアラニンをコードする。従って、そのコドンは、コドンがアラニンを指定しているどの位置であっても、コードされるポリペプチドを変化させることなく記載した対応するコドンのいずれかに変更することができる。かかる核酸変異体は、保存的修飾変異体の一種である「サイレント変異体」である。ここで、ポリペプチドをコードするどの核酸配列も、その核酸の、可能性のあるサイレント変異体の全てを表す。当業者ならば、核酸の各コドン(通常メチオニンの唯一のコドンであるAUG、および通常トリプトファンの唯一のコドンであるTGG以外)を修飾すれば、機能上同じ分子を得ることができると認識している。よって、ポリペプチドをコードする核酸のサイレント変異体の各々は、記載されている各配列に必然的に含まれている。
アミノ酸配列に関して、当業者ならば、コードされている配列中の1つのアミノ酸または少ない割合のアミノ酸を変換、付加または欠失する、核酸、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質配列への個々の置換、欠失または付加は、その変更が化学的に同等のアミノ酸によるアミノ酸置換をもたらす場合には「保存的修飾変異体」となることを認識しているであろう。機能的に同等のアミノ酸を示した保存的置換表は、当技術分野で公知のものである。かかる保存的修飾変異体は本発明の多型変異体、種間ホモログ、および対立遺伝子に加えてのものであって、それらを排除するものではない。
次の8つのグループは、各々互いに保存的置換がなされるアミノ酸を含んでいる。
1) アラニン(A)、グリシン(G);
2) アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3) アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4) アルギニン(R)、リシン(K);
5) イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6) フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7) セリン(S)、トレオニン(T);および
8) システイン(C)、メチオニン(M)(例えば、Creighton, Proteins (1984)参照)
「配列同一性の割合」は、比較枠に最適に整列させた2つの配列を比較することにより判定され、この場合、2つの配列の最適なアライメントに関して、比較枠のポリヌクレオチド配列の一部が、付加または欠失を含まない参照配列(例えば、本発明のポリペプチド)と比較した際に、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含む可能性がある。この割合は、両配列に同じ核酸塩基またはアミノ酸残基が存在している位置の数を数えて一致した位置の数を求め、その一致した位置の数を比較枠の位置の総数で割り、その結果に100を掛けて、配列同一性の割合を求めることにより算出する。
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列に関して「同一」または「同一性」の割合とは、同じ配列である2つ以上の配列または部分配列を示す。以下の配列比較アルゴリズムの1つを用いるか、または目視により判定した時に比較枠または表示領域において最大の一致が得られるように比較および整列した際に、2つの配列が特定割合の同じアミノ酸残基またはヌクレオチドを有する場合(すなわち、特定の領域で、または明示されない場合には全配列で60%同一、所望により65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%同一)、「実質的に同一」である。本発明はそれぞれ本明細書で例示されたポリペプチドまたはポリヌクレオチド(例えば、図23〜25に例示されているCDR)と実質的に同一であるポリペプチドまたはポリヌクレオチドを提供する。所望により、この同一性は、少なくとも約50ヌクレオチド長の領域、またはより好ましくは100〜500、または1000以上のヌクレオチド長の領域において存在する。
配列比較については、一般には、ある1つの配列が、試験配列と比較される参照配列として働く。配列比較アルゴリズムを用いる場合、試験配列および参照配列をコンピューターに入力し、次に、必要であれば座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。デフォルトプラグラムパラメータを用いてもよいし、あるいは別のパラメータを指定してもよい。次に、配列比較アルゴリズムで、そのプログラムパラメータに基づき、参照配列に対しての試験配列の配列同一性割合を算出する。
本明細書において「比較枠」とは、20〜600、一般には約50〜約200、より一般には約100〜約150からなる群から選択される連続した位置の番号のいずれか1つの断片に対する参照を含み、ここで2つの配列を最適に整列させた後に同じ番号の連続した位置の参照配列と配列比較すればよい。比較のための配列アライメントの方法は当技術分野で公知のものである。比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith and Waterman (1970) Adv. Appl. Math. 2:482cの局所的相同性アルゴリズム、Needleman and Wunsch (1970) J. Mol. Biol. 48:443の相同性アライメントアルゴリズム、Pearson and Lipman (1988) Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 85:2444の類似性検索法、これらのアルゴリズムのコンピューター実行(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIのGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または手動アライメントと目視(例えば、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology (1995 supplement)参照)により行うことができる。
配列同一性および配列類似性の割合を判定するのに好適なアルゴリズムの2つの例として、BLASTとBLAST2.0アルゴリズムがあり、これらはそれぞれAltschul et al. (1977) Nuc. Acids Res. 25:3389−3402、およびAltschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403−410に記載されている。BLAST解析を実行するためのソフトウエアは、National Center for Biotechnology Informationにより公開され入手可能である。このアルゴリズムではまず、データベース配列で同じ長さのワードで整列させた場合に、いくらかの正の値の閾値スコアTに合致するか、またはそれを満たす、クエリー配列中の長さWの短いワードを同定することにより高スコアのシークエンス対(HSP)を同定することを含む。Tは隣接ワードスコア閾値(Altschul et al., 前掲)に関して示す。これら最初の隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを見つけ出すための検索を開始する手掛かりとして働く。これらのワードヒットは累積アルゴリズムスコアを高めることができる限り、各配列に沿って両方向に伸長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列に関しては、パラメータM(一致残基対の報酬スコア;常に>0)およびパラメータN(不一致残基のペナルティースコア;常に<0)を用いて算出する。アミノ酸配列に関しては、スコアリングマトリックスを用いて累積スコアを算出する。各方向へのワードヒットの伸長は、累積アライメントスコアがその最大達成値からX量だけ下がった場合、1以上の負のスコアリング残基アライメントの累積により累積スコアが0以下になった場合、またはいずれかの配列の末尾に到達した場合に停止する。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、およびXは、アライメントの感度と速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)では、デフォルトとしてワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4および両鎖比較を用いる。アミノ酸配列に関しては、BLASTPプログラムを、デフォルトとしてワード長3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff and Henikoff (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915参照)アライメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=−4、および両鎖比較を用いる。
BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計学的解析も行う(例えば、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873−5787参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は最小和確率(P(N))であり、これは2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列の間の一致が偶然に起こる確率の指標を与える。例えば、ある核酸は、試験核酸と参照核酸の比較における最小和確率が約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満であれば、参照配列と類似であるとみなされる。
2つの核酸配列またはポリペプチドが実質的に同一であることが示されれば、以下に記載するように、第1の核酸によってコードされているポリペプチドは、第2核酸によってコードされているポリペプチドに対して惹起された抗体と免疫学的に交差反応性がある。従って、あるポリペプチドは一般に、例えば2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なる場合に、第2のポリペプチドと実質的に同一である。もう1つ、2つの核酸配列が実質的に同一であることが示される場合としては、以下に記載するように、その2つの分子またはそれらの相補物がストリンジェント条件下で互いにハイブリダイズする場合がある。さらにもう1つ、2つの核酸配列が実質的に同一であることが示される場合としては、同じプライマーを用いてその配列を増幅できる場合がある。
「親和性薬剤アゴニスト」とは、受容体を活性化して完全にまたは部分的に受容体を介する応答を誘導することができる親和性薬剤(すなわち、標的分子と特異的に結合する分子)を示す。例えば、DR4またはDR5のアゴニストはDR4またはDR5と結合し、DR4またはDR5を介するシグナル伝達を誘導する。いくつかの態様では、DR4またはDR5親和性薬剤アゴニストは、Jurkat細胞と接触させた際にDR4またはDR5と結合してアポトーシスを誘導する能力により同定することができる。「抗体アゴニスト」とは、親和性薬剤が抗体である場合に用いる。
「アポトーシス誘導薬剤」とは、少なくとも1つの細胞種と接触させた際にその細胞種でアポトーシスを誘導または促進する化合物を示す。アポトーシス誘導薬剤の例としては、例えば、以下のもの:SMAC、Bax、Bik、Bok、Bim、Bak、Bid、Noxa、Puma、HrkまたはBad;BH3、p53、TRAILリガンド、Fadd、Myc、およびMekk1、シグナル認識粒子72kD(SRP72)、カスパーゼ8、Bid、Bリンパ球チロシンキナーゼ(BLK)、ピルビン酸キナーゼに類似の遺伝子産物、M2アイソザイム(LOC148283)、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3α(GSK3A)、仮想タンパク質FLJ32312(FLJ32312)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ10(MAPK10)、TCF4:転写因子4、v−ablエイブルソンネズミ白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ2(arg、エイブルソン関連遺伝子)(ABL2)、v−ros鳥類UR2肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ1(ROS1)およびv−myc鳥類骨髄細胞腫症ウイルス癌遺伝子ホモログのアゴニストまたはミメティック、ならびに以下のもの:26Sプロテアソームインヒビター、c−flip、NFκB経路、IAPファミリーメンバー(例えば、XIAP、cIAP1、cIAP2、NAIP、MLIAP/Livin、survivin)、プロテアソーム経路メンバー(例えば、E1、E2およびE3);キナーゼPI3、Akt1、2および3、Rip、Nik;CD40;Bcl2ファミリーメンバー(例えば、Bcl2、Bcl−xl、A1、Mcl1)、ユビキチンコンジュガーゼUbcH10、オステオプロテグリン、プレキシンB1(PLXNB1)、SETドメイン含有タンパク質7(SET7)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ5(MAP3K5)、STE20様キナーゼ(JIK)、MAPキナーゼ相互作用セリン/トレオニンキナーゼ1(MKNK1)、推定小胞体マルチスパントランスメンブランタンパク質(RFT1)、5−キナーゼIγ型(PIP5K1C)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MAPKAPK2)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ5(MAP2K5)、サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6)、アクチビンA受容体II型様1(ACVRL1)、ガードナー−ラシードネコ肉腫ウイルス(v−fgr)癌遺伝子ホモログ(FGR)、仮想タンパク質FLJ21802(FLJ21802)、筋骨格受容体チロシンキナーゼ(MUSK)、第20染色体オープンリーディングフレーム88(C20orf88)、ベンズイミダゾール非阻害性出芽1(酵母ホモログ)(BUB1)、リボゾームタンパク質S6キナーゼ90kDポリペプチド5(RPS6KA5)、v−yes−1 山口 肉腫ウイルス関連癌遺伝子ホモログ(LYN)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ7(MAPK7)、およびv−aktネズミ胸腺腫ウイルス癌遺伝子ホモログ1(AKT1)、PAK1(例えば、以下:P21(CDKN1A)活性化キナーゼ1、PAKA、P65−PAK、P68−PAK、α−PAK、MUK2、PAK1B(p21活性化キナーゼ1B)のいずれか)、P21/Cdc42/Rac1活性化キナーゼ1(酵母Ste20関連)、Cdc42/RacエフェクターキナーゼPAK−A、プロテインキナーゼMUK2)、nsurf、stk12(例えば、セリン/トレオニンキナーゼ12、aurora関連キナーゼ2、aurora/IPL1様キナーゼ2、AIK2、ARK2、AIM−1、およびAIM1を含む)、アポトーシスシグナル調節キナーゼ1(Ask1)、TLK1(例えば、受託番号NM_012290)、NLK(例えば、受託番号NM_016231)、GRAF(例えば、受託番号NM_015071)、GCK(例えば、受託番号NM_000162)、ERK5(例えば、受託番号NM_002749)、FGR(例えば、受託番号NM_005248)、ACVRL1(例えば、受託番号NM_000020)、MEKK5(例えば、受託番号NM_002757)、PIP5K1C(例えば、受託番号XM_047620)、MAPKAPK2(例えば、受託番号NM_004759)、RFT1(例えば、受託番号NM_052859)、MKNK1(例えば、受託番号NM_003684)、PLXNB1(例えば、受託番号NM_002673)のアンタゴニストまたはインヒビターが含まれる。アポトーシス誘導薬剤のさらなる例としては、例えば、DR5およびDR4の発現および/または安定性を増強する薬剤、カスパーゼの活性または安定性を増強する薬剤、およびDNA損傷反応を誘導または増強する薬剤が含まれる。上記の一覧におけるアゴニストまたはミメティックは、遺伝子産物それ自体を含む(例えば、p53はp53アゴニストである)。アンタゴニストには、活性を直接阻害する薬剤と、標的分子mRNA(例えば、siRNA)またはタンパク質の発現または安定性を低下させることにより活性を間接的に阻害する薬剤が含まれる。
タンパク質の「発現を阻止または抑制する」薬剤とは、例えばそれに結合する、部分的または完全に刺激を遮断する、発現を抑制、阻止または遅延する化合物を示す。タンパク質の発現を、少なくとも例えば5%、10%、25%、50%、75%、90%、95%または100%抑制することができる。
「NFκBの活性化」とは、NFκBの核局在、NFκBによるDNA結合またはNFκBによるDNA結合から起こる転写の誘導を示す。
「IκBの分解を阻止する」とは、プロテアソームによるIκBの分解、それによるNFκBの放出と細胞核への流入を示す。
「プロテアソームインヒビター」とは、プロテアソーム−ユビキチン経路を阻害し、それによりIκBの分解、およびその後のIκBのパートナーNFκBの核局在を阻害する薬剤を示す。プロテアソームとしては、例えば26Sプロテアソーム複合体が含まれる。
「アポトーシス阻害タンパク質(IAP)のインヒビター」とは、カスパーゼ活性を阻害するタンパク質ファミリーのポリペプチドを示す。全てではないが、既知のIAPタンパク質のあるものは2倍または3倍の、特徴的な配列モチーフリピートであるバキュロウイルス阻害リピート(BIR;約70残基;survivinは最近発見された、BIR領域を含むヒトIAPである)を共通に有する。このBIR領域は、コンセンサス配列:R−X(20−23)−G−X(11)−C−X(2)−C−X(16)−H−X(6)−Cと共にいくつかの保存残基を含む。IAPの例としては、例えば、X染色体関連アポトーシスインヒビター(XIAP;Genbank受託番号U32974)、細胞IAPタンパク質(c−IAP−1/HIAP−2/hMIHBおよびc−IAP−2/HIAP−1/hMIHC;Liston et al., Nature 379:349−353 (1996); Rothe et al., Cell 83:1243−1252 (1995))、ニューロンアポトーシス阻害タンパク質(NAIP; Roy et al., Cell 80:167−178 (1995))、およびsurvivin(Ambrosini et al., Nature Med. 3:917−921 (1997))が含まれる。例えば、米国特許出願第2002/0132786号および同第2002/0009757号、ならびに米国特許第6,187,557号参照。
「SMAC」とは、アポトーシス刺激に応答してミトコンドリアからシトクロムcと共に放出されるミトコンドリアポリペプチドを示す。SMACはIAPと結合し、これを中和することでカスパーゼの活性化を促進する。例えば、Du et al., Cell 102:33−42 (2000); Verhagen et al., Cell 102:43−53 (2000)参照。
「モジュレーター」とは、本明細書では遺伝子産物の発現活性を阻害または増強する分子を示して用いられる。「アンタゴニスト」または「インヒビター」とは、例えば、遺伝子産物の発現を阻害する、またはそれと結合する、部分的または完全に刺激を遮断する、その遺伝子産物の活性を抑制する、阻止する、活性化を遅延する、不活化する、脱感作するまたは下方制御するか、またはその遺伝子産物が結合する受容体と結合するか、またはその受容体を下方制御する化合物である。「アゴニスト」または「アクチベーター」とは、例えば遺伝子産物の発現を誘導するまたは活性化するか、またはその遺伝子産物と結合する、刺激する、増加させる、解放する、活性化する、促進する、活性を増強する、感受性とするか、または遺伝子産物の活性を上方制御するか、またはその遺伝子産物が結合する受容体と結合するか、またはその受容体を上方制御する化合物である。アゴニストまたはアンタゴニストとしては、例えば、抗体、有機小分子(例えば、1500ダルトン未満)、その遺伝子産物自体の遺伝子改変型などが含まれる。アンタゴニストとしては、例えば、遺伝子産物をコードする転写物の発現を抑制するためのsiRNA分子が含まれる。
図面の簡単な説明
図1は、Jurkat細胞におけるTRAIL誘導アポトーシスを示す。
図2は、DR5機能的抗体の特異性を示す。
図3は、Jurkat細胞に対する3つの異なるDR5抗体アゴニストの作用を示す。
図4は、処理したJurkat細胞におけるカスパーゼ3活性を示す。
図5は、結腸および黒色腫癌細胞系統に対するDR4/DR5機能的抗体の作用を示す。
図6は、乳癌細胞系統に対するDR4/DR5機能的抗体の作用を示す。
図7は、正常および腫瘍細胞におけるDR5抗体アゴニストに対する用量応答を示す。
図8は、カスパーゼ3活性化に応答するDR5抗体アゴニスト「A」を示す。
図9は、Colo205腫瘍体積に対するDR5抗体アゴニストの作用を示す。
図10は、COLO205皮下モデルにおける抗DR5用量応答を示す。
図11は、インビボにおけるDR5モノクローナル抗体の殺腫瘍活性を示す。
図12は、カスパーゼ活性化およびアポトーシスに関する経路を示す。
図13は、SMACミメティックの存在下でのA2058細胞における抗DR4または抗DR5誘導アポトーシスを示す。
図14は、正常および腫瘍細胞に対するSMACミメティックの作用を示す。
図15は、SMACミメティックのPkおよびPD試験を示す。
図16は、NFκB経路およびそのプロテアソームとの関連を示す。
図17は、プロテアソームインヒビターMG132はDR5抗体誘導アポトーシスを増強するということを示す。
図18は、種々のプロテアソームインヒビターを示す。
図19は、A2058に対するプロテアソームインヒビターの作用を示す。
図20は、肝癌細胞系統に対するプロテアソームインヒビターの作用を示す。
図21は、正常乳腺細胞に対するプロテアソームインヒビターの作用を示す。
図22は、マウス−ヒトキメラDR5抗体の発現を示す。
図23は、抗体Aの重鎖および軽鎖可変領域の核酸配列を示す。
図24は、抗体Aの重鎖可変領域を示す。
図25は、抗体Aの軽鎖可変領域を示す。
図26は、細胞に基づくアッセイにおいて、siRNAを導入して特定の遺伝子発現をノックアウトすることでTRAIL誘導アポトーシスを介する遺伝子産物を同定するためのスクリーニング方法を示す。
図27は、また、細胞に基づくアッセイにおいて、siRNAを導入して特定の遺伝子発現をノックアウトすることでTRAIL誘導アポトーシスを介する遺伝子産物を同定するためのスクリーニング方法を示す。
図28は、上記siRNAスクリーニングで同定されるヒットの一覧を示す。「比率」とは、TRAILが不在の場合に対する、TRAILを加えた後の生存細胞(すなわち、非アポトーシス性細胞)の比率を示す。低い比率(50未満)は、遺伝子産物がアポトーシスを妨害することを示す。高い比率(50を超える)は、アポトーシスに寄与する遺伝子産物を示す。
図29は、Gsk3αおよびGsk3βに関するsiRNAデータを示す。上の図は、siRNAがGsk3αおよびGsk3βに特異的であることを示す。図の下の棒グラフは、TRAILの存在下および不在下でsiRNAを導入した後のカスパーゼ活性を示す。
図30は、TRAIL誘導アポトーシスの調節ネットワークを示す。特に注目すべきは、mycがアポトーシス促進性であることである。従って、mycを阻害すればTRAIL誘導アポトーシスは阻害され、mycを活性化させればTRAILまたは抗DR4または抗DR5誘導アポトーシスが相乗的に活性化される。
図31は、腫瘍細胞の死滅における従来の細胞傷害性抗癌剤に対するsiUbcH10の相加作用を示す。また、この図面は、腫瘍細胞をsiUbcH10で前処理すると、抗DR5抗体によって誘導されるアポトーシスが有意に増加したことを示す。
図32は、UbcH10をsiUbcH10で下方制御すると、腫瘍細胞がTRAIL/DR5により介される殺細胞に感受性となることを示す。
図33は、HCT116細胞またはそのBax−の、26SプロテアソームインヒビターMG−132、MG−262、またはラクタシスチン(LC)と組み合わせたTRAILリガンドへの感受性化を示す。
図34は、種々のミトコンドリアのアポトーシス経路タンパク質の発現に対するプロテアソームインヒビターMG−262の作用を示す。
図35は、抗体Aの重鎖および軽鎖可変領域の第2の配列を示す。
発明の詳しい説明
I.緒論
本発明は、アポトーシス誘導薬剤と共に投与した抗DR4または抗DR5抗体アゴニストが相乗作用的に癌細胞でアポトーシスを誘導するという驚くべき結果を実証する。従って、これらの化合物のうち1つのみによる処置に耐性がある癌細胞は、抗DR4または抗DR5アゴニスト抗体と第2のアポトーシス誘導薬剤に接触させた場合、死滅する可能性がある。加えて、上記の一覧の化合物の1つと接触した際にアポトーシスを受ける細胞では、抗DR4または抗DR5アゴニスト抗体およびアポトーシス誘導タンパク質と接触させると、より迅速なアポトーシスの誘導が得られる。
本発明はまた、癌細胞においてアポトーシスを誘導するための、効力の高いDR5アゴニスト抗体およびそれらの使用も提供する。
II.抗DR4抗体または抗DR5抗体
1.緒論
いずれの抗DR4または抗DR5抗体アゴニストも、本発明の方法に従って使用することができる。DR4(細胞死受容体4とも呼ばれる)およびDR5(細胞死受容体5とも呼ばれる)は、リガンドTRAILの2つの受容体である。例えば、Pan et al., Science 277:815−8 (1997); Sheridan, et al., Science 277:818−21 3 (1997); Walczak et al, EMBO J. 16:5386−97 4 (1997)参照。抗DR5抗体は、これまでに例えばPCT WO01/83560(抗体TRA−8;ATCC PTA−1428)およびPCT WO02/079377に記載されている。また、抗DR5抗体アゴニストは本明細書にも記載されている。例示的な抗DR5抗体アゴニストの重鎖および軽鎖の可変領域を、図23〜25に示す。いくつかの態様では、抗DR5抗体はDR5との結合に関して例示されている抗体と競合する。いくつかの態様では、DR5抗体アゴニストは、図24、25または双方に例示されているCDRと実質的に同じCDRを有する。
いずれのタイプの抗体アゴニストを本発明の方法に従って用いてもよい。一般に、使用する抗体はモノクローナル抗体である。モノクローナル抗体は、当技術分野で公知のいずれの方法によって作製してもよい(例えば、ハイブリドーマ、組換え発現および/またはファージディスプレーを用いる)。
本発明の抗体は、投与前に架橋するか、または処理する必要がない。しかしながら、いくつかの態様では、本発明の抗体を架橋する。架橋(例えば、ヘテロまたはホモ二機能性化学架橋剤を用いる)は当技術分野で公知のものである。あるいは、安定な多価Fab(例えば、三量体または四量体など)を投与することもできる。例えば、PCT WO99/27964参照。
抗DR5抗体の例としては、図24および25に示されている軽鎖および重鎖可変領域配列を含む抗体の特異性を有するものが含まれる。いくつかの態様では、抗体は抗体Aである。
多くの態様では、本発明の抗DR5抗体は他のポリペプチドと結合しない。いくつかの態様では、抗DR5抗体は、TNF受容体ファミリーの他の受容体(例えば、TNFR2、TNFR3、OX40、CD40、FAS、DcR3、CD27、CD30、CD137、DR4、DcR1、DcR2、RANK、OPG、DR3、TR2、NGFR、TNFR1、およびTAC1)のいずれとも結合しない。いくつかの態様では、抗DR5抗体は、DR4、DTR1、DTR2またはOPGと結合しない。
本発明の抗DR4または抗DR5抗体は、極めて強力であり得る。例えば、いくつかの態様では、標準的な皮下腫瘍切除アッセイにおいて、本発明の抗体は、動物に週3回で2週間投与した場合にはmg/kg体重以下(また、いくつかの態様では、0.50mg/kg、0.05mg/kg、または0.01mg/kg以下)の濃度で腫瘍サイズを50%まで減じることができ、その量の10倍を用いると腫瘍を完全に除去できる。
いくつかの場合では、本発明の抗DR4または抗DR5抗体は、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を無くすか、または軽減するように設計される。例えば、いくつかの態様では、本発明の抗体はIgG−1、IgG−2、IgG−2A、IgG3またはIgG−4のFc領域を含む。
図24および25に示されている可変軽鎖および重鎖配列を表すには、いくつかの異なる合成分子のスキャフォールドを用いることができる。CDRSを含むペプチドを表すための特定の分子スキャフォールドとしてのフィブロネクチンIII型ドメイン(FN3)の使用を記載した刊行物としては、Koide, A. et al. J. Mol. Biol 284:1141−1151(1988)がある。他の代替スキャフォールドとしては、例えば、「ミニボディー」(Pessi, A. et al., Nature 362:367−369 (1993))、テンダミスタット(McConnell, S. J. and Hoess, R. H. J. Mol. Biol. 250:460−470 (1995))、および「ラクダ化(camelized)」VHドメイン(Davies J. and Riechmann, L. BiolTechnology 13:475−479 (1995))が含まれる。免疫グロブリン様の折りたたみ構造を基本としない他のスキャフォールドも、Nygren, P. A. and Uhlen, M. Curr. Opin. Struct. Biol. 7:463−469 (1997)に総説されている。米国特許第6,153,380号もさらなるスキャフォールドを記載している。「親和性薬剤」は、本明細書に記載の抗体に関して記載されている特異性をはじめ、DR4またはDR5の結合特異性を有する結合ドメインを表すための、上記のものなどの合成分子スキャフォールドを含む分子を包含する。
2.ヒト化抗体
いくつかの態様では、本発明に従って用いる抗体は、非ヒト抗DR4または抗DR5抗体アゴニスト由来の領域とヒト抗体の領域からなるキメラ(例えば、マウス/ヒト)抗体である。例えば、キメラH鎖は、ヒト重鎖定常領域の少なくとも一部と連結されている非ヒト抗体の重鎖可変領域の抗原結合領域(例えば、図24または図35で示される配列)を含み得る。このヒト化またはキメラ重鎖は、ヒト軽鎖定常領域の少なくとも一部と連結されている非ヒト抗体の軽鎖可変領域の抗原結合領域(例えば、図25または図35で示される配列)を含むキメラL鎖と組み合わせてもよい。いくつかの態様では、この重鎖定常領域はIgMまたはIgA抗体であり得る。
本発明のキメラ抗体は、一価、二価、または多価免疫グロブリンであり得る。例えば、一価キメラ抗体は、上記のように、キメラL鎖とジスルフィド架橋を介して結合したキメラH鎖により形成された二量体(HL)である。二価キメラ抗体は、少なくとも1つのジスルフィド架橋を介して結合した2つのHL二量体によって形成された四量体(H)である。多価キメラ抗体は鎖の凝集に基づいている。
例示的抗DR5抗体アゴニストの可変領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を、図22〜24に示す。本発明の抗体のDNA配列は、当技術分野で公知の手順によって同定、単離、クローニングされ得、かつ発現用の原核細胞または真核細胞へ導入され得る。かかる手順は一般に、Sambrookら(前掲)、ならびにCURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(Ausubel et al., eds., 1989)に記載されている。組換え抗体およびヒト化抗体の発現に特に好適な発現ベクターおよび宿主細胞は、当技術分野で公知のものである。次の参照文献は、本発明の実施において使用し得る組換え免疫グロブリンの発現に好適な方法およびベクターの代表的なものである:Weidle et al., Gene, 51: 21−29 (1987); Dorai et al., J. Immunol., 13(12):4232−4241 (1987); De Waele et al., Eur. J. Biochem., 176:287−295 (1988); Colcher et al., Cancer Res., 49:1738−1745 (1989); Wood et al., J. Immunol., 145(a):3011−3016 (1990); Bulens et al., Eur. J. Biochem., 195:235−242 (1991); Beggington et al., Biol. Technology, 10:169 (1992); King et al., Biochem. J., 281:317−323 (1992); Page et al., Biol. Technology, 2:64 (1991); King et al., Biochem. J., 290:723−729 (1993); Chaudary et al., Nature, 339:394−397 (1989); Jones et al., Nature, 321:522−525 (1986); Morrison and Oi, Adv. Immunol., 44:65−92 (1988); Benhar et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91:12051−12055 (1994); Singer et al., J. Immunol., 150:2844−2857 (1993); Cooto et al., Hybridoma, 13(3):215−219 (1994); Queen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:10029−10033 (1989); Caron et al., Cancer Res., 32:6761−6767 (1992); Cotoma et al., J. Immunol. Meth., 152:89−109 (1992)。さらに、組換え抗体の発現に好適なベクターは、市販されている。
機能的免疫グロブリンを発現し得る宿主細胞としては、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの哺乳動物細胞;COS細胞;NSOおよびSP2/O細胞などの骨髄腫細胞;大腸菌(Escherichia coli)などの細菌;出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)などの酵母細胞;およびその他の宿主細胞が含まれる。
3.単鎖抗体
いくつかの態様では、本発明の抗体は単鎖抗体である。単鎖Fvおよび抗体を生産するために使用できる技術の例としては、米国特許第4,946,778号および同第5,258,498号; Huston et al., Methods in Enzymology 203:46−88 (1991); Shu et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:7995−7999 (1993);および、Skerra et al., Science 240:1038−1040 (1988)に記載されているものが挙げられる。
4.ヒト抗体
いくつかの態様では、ヒト抗体を本発明に従って使用する。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを用いるファージディスプレー法の使用をはじめ、当技術分野で公知の種々の方法により作製することができる。例えば、 Lonberg and Huszar, Int. Rev. Immunol. 13:65−93 (1995), 米国特許第4,444,887号および同第4,716,111号;ならびにPCT公開WO98/46645、WO98/50433、WO98/24893、WO98/16654、WO96/34096、WO96/33735、およびWO91/10741(これらは各々、出典明示によりその全開示内が本明細書の一部とされる)参照。
いくつかの態様では、本発明の抗体はファージディスプレーを用いて作製される。例えば、機能的抗体ドメインは、それらをコードするポリヌクレオチド配列を担持するファージ粒子の表面上に提示される。かかるファージを用いて、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはネズミ)から発現した抗原結合ドメインを提示することができる。DR4またはDR5と結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、例えば標識DR4またはDR5を用い、DR4またはDR5で単離または同定することができる。これらの方法で用いるファージは一般に、Fab、Fv、またはファージ遺伝子IIIタンパク質もしくはファージ遺伝子VIIIタンパク質のいずれかと組換えにより融合したジスルフィド安定化Fv抗体ドメインを有するファージから発現したfdおよびM13結合ドメインを含む繊維状ファージである。本発明の抗体を作製するために使用できるファージディスプレー法の例としては、Brinkman et al., J. Immunol. Methods 182:41−50 (1995); Ames et al., J. Immunol. Methods 184:177−186 (1995); Kettleborough et al., Eur. J. Immunol. 24:952−958 (1994); Persic et al., Gene 187:9−18 (1997); Burton et al., Advances in Immunology 57:191−280 (1994); PCT出願番号PCT/GB91/01134;PCT公開WO90/02809;WO91/10737;WO92/01047;WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982;WO95/20401;および米国特許第5,698,426号;同第5,223,409号;同第5,403,484号;同第5,580,717号;同第5,427,908号;同第5,750,753号;同第5,821,047号;同第5,571,698号;同第5,427,908号;同第5,516,637号;同第5,780,225号;同第5,658,727号;同第5,733,743号および同第5,969,108号(これらは各々、出典明示によりその全開示内が本明細書の一部とされる)参照。
5.アゴニスト抗体の作製
アゴニスト抗体は、抗DR4または抗DR5抗体を作製した後、各抗体のDR4またはDR5を介する事象、例えば癌細胞におけるアポトーシスの誘導を誘発する能力を試験することで同定することができる。当技術分野で公知の種々のアッセイを用いてアポトーシスの誘導を検出することができる。
あるアッセイでは、DOHH−2細胞またはJurkat細胞を候補抗体アゴニストと接触させた後、生存率を抗体濃度の関数としてモニタリングする。抗体濃度の上昇に伴い細胞活性が抑制された(例えば、アポトーシスの上昇によって起こったもの)場合、その抗体がアゴニストであることを示す。細胞の生存率はアラマーブルーを添加することでアッセイでき、生細胞が存在すれば蛍光を発し、死細胞では発しない。実施例に記載されているように、アゴニスト抗体はDR4またはDR5に対して作出されたハイブリドーマをスクリーニングした後、DOHH−2細胞またはJurkat細胞においてアポトーシスを誘導する能力に関してハイブリドーマ上清をスクリーニングすることで同定することができる。適当な陽性対照および陰性対照を用いて、これらの結果を確認することができる。例えば、DR4またはDR5を介するTRAILにより誘導されるアポトーシスを受けない細胞系統は、候補抗DR4または抗DR5アゴニストに応答したアポトーシスを受けないはずである。
III.アポトーシス誘導薬剤
本発明は、抗DR4または抗DR5親和性薬剤アゴニストと第2のアポトーシス誘導薬剤の相乗作用を提供する。アポトーシス誘導薬剤は、細胞においてアポトーシスを誘導するいずれの薬剤も含む。いくつかの態様では、このアポトーシス誘導薬剤は非癌細胞に比べて癌細胞で優先的にアポトーシスを誘導する。一般に、アポトーシス誘導薬剤はアポトーシスのアゴニストまたはアクチベーター、またはアポトーシスのインヒビターのアンタゴニストである。
アポトーシス誘導薬剤の例としては、例えば、以下のもの:SMAC、Bax、Bik、Bok、Bim、Bak、Bid、Noxa、Puma、HrkまたはBad;BH3、p53、TRAILリガンド、Fadd、Myc、およびMekk1、シグナル認識粒子72kD(SRP72)、カスパーゼ8、Bid、Bリンパ球チロシンキナーゼ(BLK)、ピルビン酸キナーゼ類似の遺伝子産物、M2アイソザイム(LOC148283)、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3α(GSK3A)、仮想タンパク質FLJ32312(FLJ32312)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ10(MAPK10)、TCF4:転写因子4、v−ablエイブルソンネズミ白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ2(arg、エイブルソン関連遺伝子)(ABL2)、v−ros鳥類UR2肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ1(ROS1)およびv−myc鳥類骨髄細胞腫症ウイルス癌遺伝子ホモログのアゴニストまたはミメティック、ならびに以下のもの:26Sプロテアソームインヒビター、c−flip、NFκB経路IAPファミリーメンバー(例えば、XIAP、cIAP1、cIAP2、NAIP、MLIAP/Livin、survivin)、プロテアソーム経路メンバー(例えば、E1、E2およびE3);キナーゼPI3、Akt1、2および3、Rip、Nik;CD40;Bcl2ファミリーメンバー(例えば、Bcl2、Bcl−xl、A1、Mcl1)、ユビキチンコンジュガーゼUbcH10(ヒトUbcH10の変異体をコードするポリヌクレオチド配列としては、例えば、受託番号NM_181803、NM_181802、NM_181801、NM_181800、NM_181799、NM_007019、およびBC050736が挙げられる)、オステオプロテグリン、プレキシンB1(PLXNB1)、SETドメイン含有タンパク質7(SET7)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ5(MAP3K5)、STE20様キナーゼ(JIK)、MAPキナーゼ相互作用セリン/トレオニンキナーゼ1(MKNK1)、推定小胞体マルチスパントランスメンブランタンパク質(RFT1)、5−キナーゼIγ型(PIP5K1C)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ 2(MAPKAPK2)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ5(MAP2K5)、サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6)、アクチビンA受容体II型様1(ACVRL1)、ガードナー−ラシードネコ肉腫ウイルス(v−fgr)癌遺伝子ホモログ(FGR)、仮想タンパク質FLJ21802(FLJ21802)、筋骨格受容体チロシンキナーゼ(MUSK)、第20染色体オープンリーディングフレーム88(C20orf88)、ベンズイミダゾール非阻害性出芽1(酵母ホモログ)(BUB1)、リボゾームタンパク質S6キナーゼ90kDポリペプチド5(RPS6KA5)、v−yes−1山口肉腫ウイルス関連癌遺伝子ホモログ(LYN)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ7(MAPK7)、およびv−aktネズミ胸腺腫ウイルス癌遺伝子ホモログ1(AKT1)、PAK1(例えば、以下:P21(CDKN1A)活性化キナーゼ1、PAKA、P65−PAK、P68−PAK、α−PAK、MUK2、PAK1B(p21活性化キナーゼ1B)のいずれか)、P21/Cdc42/Rac1活性化キナーゼ1(酵母Ste20関連)、Cdc42/RacエフェクターキナーゼPAK−A、プロテインキナーゼMUK2)、nsurf、stk12(例えば、セリン/トレオニンキナーゼ12、aurora関連キナーゼ2、aurora/IPL1様キナーゼ2、AIK2、ARK2、AIM−1、およびAIM1を含む)、アポトーシスシグナル調節キナーゼ1(Ask1)、TLK1(例えば、受託番号NM_012290)、NLK(例えば、受託番号NM_016231)、GRAF(例えば、受託番号NM_015071)、GCK(例えば、受託番号NM_000162)、ERK5(例えば、受託番号NM_002749)、FGR(例えば、受託番号NM_005248)、ACVRL1(例えば、受託番号NM_000020)、MEKK5(例えば、受託番号NM_002757)、PIP5K1C(例えば、受託番号XM_047620)、MAPKAPK2(例えば、受託番号NM_004759)、RFT1(例えば、受託番号NM_052859)、MKNK1(例えば、受託番号NM_003684)、PLXNB1(例えば、受託番号NM_002673)のアンタゴニストまたはインヒビターが含まれる。アポトーシス誘導薬剤のさらなる例としては、例えば、DR5およびDR4の発現および/または安定性を増強する薬剤、カスパーゼの活性または安定性を増強する薬剤、およびDNA損傷反応を誘導または増強する薬剤が含まれる。上記の一覧におけるアゴニストまたはミメティックは、遺伝子産物それ自体を含む(例えば、p53はp53アゴニストである)。アンタゴニストには、活性を直接阻害する薬剤(例えば、アンタゴニスト抗体)と、標的分子mRNA(例えば、siRNA)またはタンパク質の発現または安定性を低下させることにより活性を間接的に阻害する薬剤が含まれる。
これらの遺伝子産物をターゲッティングすることにより同定できるアポトーシス誘導薬剤には、種々の化学特性の化合物が含まれる。例えば、これらの遺伝子産物のモジュレーターは、ポリペプチド、β−ターンミメティック、多糖類、リン脂質、ホルモン、プロスタグランジン、ステロイド、芳香族化合物、複素環式化合物、ベンゾジアゼピン、オリゴマーN−置換グリシン、オリゴカルバメート、ポリペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、それらの誘導体、構造類似体または組合せのライブラリーを用いてスクリーニングできる。
いくつかの態様では、アポトーシス誘導薬剤はポリヌクレオチドである。例えば、それはTRAIL誘導アポトーシスを阻害する遺伝子をターゲッティングするsiRNA(例えば、UbcH10、または図27の最初の部分に挙げられている分子)であり得る。いくつかの態様では、アポトーシス誘導薬剤は小分子化合物(例えば、分子量1500ダルトン未満、場合によっては1000ダルトン未満の分子)である。例えば、アポトーシス誘導薬剤は、TRAIL誘導アポトーシスを阻害する遺伝子産物(例えば、UbcH10、または図27の最初の部分に挙げられている分子)の発現または活性を阻害する小分子化合物であり得る。アポトーシス誘導薬剤はまた、TRAIL誘導アポトーシスを促進する遺伝子産物の発現または活性を増強した小分子化合物(例えば、UbcH10、または図27の下の部分に挙げられている分子)であってもよい。遺伝子およびそれがコードするポリペプチドのモジュレーター(小分子モジュレーターを含む)のスクリーニング方法、および既知の遺伝子のsiRNAまたは他の阻害ポリヌクレオチドを作製する方法は全て、当技術分野で公知のものである。例えば、米国特許第6,573,099号および同第6,506,559号;Principles and Practice of High Throughput Screening, K. Murray (Ed.), CRC Press (2003); High Throughput Screening: Methods and Protocols, W. Janzen (Ed.), Humana Press (2002); PCT公開WO95/35503、WO95/30642、およびWO91/18980; Schultz et al., Bioorg Med Chem Lett 8:2409−2414, 1998; およびWeller et al., Mol Divers. 3:61−70, 1997参照。これらの遺伝子およびそれらの産物のモジュレーターをスクリーニングするのに使用できる他の方法は、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, N.Y., 3rd Ed. (2000);およびAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., New York (1999)に記載されている。
いくつかの態様では、アポトーシス誘導薬剤は、抗DR4または抗DR5抗体アゴニストとコンジュゲートされている。他の態様では、アポトーシス誘導薬剤は、抗DR4または抗DR5抗体アゴニストとコンジュゲートされている。
いくつかの態様では、アポトーシス誘導薬剤は、TNF−α、TNF−β、AIM I、AIM II、Fasリガンド、またはVEGIではない。
1.SMAC
いくつかの態様では、アポトーシス誘導薬剤は、SMAC/DiabloまたはSMACミメティックまたはSMACアゴニストである。SMAC/Diabloは、アポトーシス阻害タンパク質(IAP)と結合することでカスパーゼ活性を促進する。例えば、Du et al., Cell 102:33−42 (2000); Verhagen et al., Cell 102:43−53, 2000; 米国特許出願番号2002/0110851参照。SMACの投与または細胞での発現もまた、本発明に包含される。SMACのN末端ペプチド(例えば、N末端テトラペプチドまたはヘプタペプチド(Guo et al., Blood 99(9):3419−3426 (2002); Srinivasula et al., J. Biol. Chem. 275:36152−36157 (2000))などのSMACフラグメントも発現または投与することができる。米国特許出願2002/0132786も参照。
さらに、SMACミメティック化合物もまた、本発明に従って使用することができる。これらの化合物は有用な医薬特性を有し、それ自体、抗DR4または抗DR5抗体と共に投与するのにより効率的であり得る。SMACミメティクスの例としては、例えば、式X(式中、XはAであり、XはV、T、またはIであり、XはPまたはAであり、かつ、XはF、Y、IまたはVである)のテトラペプチドをはじめとする、IAPのBIRドメイン内の表面溝と結合するテトラペプチドを含むペプチド、またはその他のSMACペプチド、PCT WO02/26775に記載のアゴニストまたはペプチジオミメティックが含まれる。他のSMACミメティック例としては、LBP672が含まれる。例えば、図15および実施例54参照。
2.26Sプロテアソームインヒビター
いくつかの態様では、アポトーシス誘導薬剤は、26Sプロテアソームインヒビターである。プロテアソームインヒビターは、プロテアソーム−ユビキチン経路を阻害し、それによりIκBの分解を阻止し、次にIκBのパートナーであるNFκBの核局在を阻止する薬剤である。このプロテアソームは、二機能性成分:20Sコア触媒サブユニットおよび19S調節サブユニットを有する。この20Sおよび19Sサブユニットは、ユビキチンの添加による分解に対してターゲッティングされるタンパク質を分解する26S複合体を形成する。プロテアソームインヒビターの例としては、例えば、PS−341(NSC 681239番、ボルテゾミブとしても知られる)およびその類似体が含まれる(例えば、 Adams, Cur. Opin. Chem Biol. 6:493−500 (2002)参照)。本発明の方法で有用なPS-341およびその他のプロテアソームインヒビターは、出典明示により本明細書の一部とされる米国特許第5,780,454号に記載されている。
プロテアソームインヒビターのさらなる例としては、例えば、ラクタシスチン、PS−273(NSC 681226番);PS−293(NSC 681227番);PS−296(NSC 681228番);PS−303(NSC 681229番);PS−305(NSC 681231番);PS−313(NSC 681234番);PS−321(NSC 681236番);PS−334(NSC 681237番);PS−364(NSC 681242番);PS−325(NSC 683086番);PS−352(NSC 683094番);PS−383(NSC 683098番)、YU101(ac−hFLFL−エポキシド)(例えば、Elofsson, et al., Chem. Biol. 6:811−822 (1999)参照)、mg262、mg132、mg115、PSI(プロテアソームインヒビターN−ベンジルオキシカルボニル−Ile−Glu(O−tert−ブチル)−Ala−ロイシナル)が含まれる。プロテアソームインヒビターを同定するためのアッセイは、例えばDiscoverx (Fremont, CA)により市販されている。
26SプロテアソームインヒビターとDR4またはDR5アゴニスト(例えば、本発明の抗DR4または抗DR5抗体)の組合せは、広範な過剰増殖性疾患の有効な治療法となるが、その組合せはミトコンドリア アポトーシス経路(例えば、Bcl−xlまたはBcl−2)のBaxまたは他の成分に欠損を有する癌細胞に対して特に有効であり得る。例えば、結腸癌患者は、Bax欠損型の腫瘍細胞を有することが多い。従って、Baxまたは他のミトコンドリア アポトーシス欠損を含む結腸癌を処置するためには、DR4またはDR5アンタゴニストと組み合わせたプロテアソームインヒビターが特に有効である。
いくつかの態様では、プロテアソームインヒビターは式I
Figure 2006514096
[式中、
は、非置換または置換アリール;アリールアルキルカルボニル(ここで、このアリール部分は非置換または置換型である);非置換または置換ヘテロシクリル;またはヘテロシクリルアルキルカルボニル(ここで、このヘテロシクリル部分は非置換または置換型である)であり;
は、非置換もしくは置換アリール、または非置換もしくは置換ヘテロアリールであり;
は、水素、非置換もしくは置換アリールまたはアルキル(非置換か、または非置換もしくは置換シクロアルキルにより置換されている)、非置換もしくは置換アリール、または少なくとも1つの窒素原子を含む非置換もしくは置換ヘテロアリールであり;
は、式IA
Figure 2006514096
{式中、AおよびAはヒドロキシまたは置換ヒドロキシである}
で示される部分であるか、または結合しているホウ素原子および2つの結合している酸素原子と共に式IA*
Figure 2006514096
(式中、Wはアルキレン、置換アルキレン、非置換もしくは置換シクロアルキレン、非置換もしくは置換ビシクロアルキレン、または非置換もしくは置換トリシクロアルキレンである)
で示される環を形成しており;そして
は、非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換アリール、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、または非置換もしくは置換シクロアルキルである]
で示される化合物、またはその塩である。
式Iに関して、用いる一般用語は次の意味を有する。
アリールは好ましくは、20個以下の炭素原子、特に12個以下の炭素原子の環構造を有し、好ましくは単環、二環または三環であり、かつ非置換または置換型であり、好ましくは、各場合において、非置換もしくは置換フェニル、または(特に1−または2−)ナフチルであり、1個以上の置換基が好ましくは脂肪族基;遊離型、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ;遊離型またはエステル化カルボキシ;ホルミル;アルカノイル;非置換、一置換または二置換アミノ;メルカプト;スルホ;アルキル−チオ;カルバモイル;N−アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−アルキル−カルバモイル;フェニル;ナフチル;ヘテロシクリル、特にピリジル;シアノおよびニトロからなる群から独立に選択され、より好ましくは、アルキル、例えばメチル、エチルまたはプロピル;アルコキシ、例えば、メトキシまたはエトキシ;二置換アミノ、例えば、ジメチルアミノ;ハロゲン、例えば、クロロまたはブロモ;ハロゲン−アルキル、例えば、トリフルオロメチル;およびフェニル、(特に1−または2−)−ナフチル、および特に以下で定義されるヘテロシクリル、特にピリジル、例えば、3−、4−または特に2−ピリジルから選択され、これらは各々、非置換であるか、または特に、直前に述べた他のアリール置換基から独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基で置換されている。アリールRはより好ましくは、ビフェニニル、特に2−、4−もしくは好ましくは3−ビフェニリル、ピリジルフェニル、特に4−、3−もしくは最も特には2−ピリジル−(2−、4−もしくは好ましくは3−)フェニル、または低級アルキル−フェニル、特にプロピル−フェニル(例えば、2−、4−もしくは特に3−イソプロピルフェニルである。アリールアルキルカルボニルR(非置換、または好ましくは置換アリールを伴う)は好ましくは、上記で定義されたようなアリールを伴うアリール−低級アルキルカルボニル、より好ましくは、フェニル−低級アルキルオキシ−フェニル−低級アルキルカルボニル、特に2−、4−もしくは好ましくは3−ベンジルオキシ−フェニル−アセチルもしくは−プロピオニル、ピリジル−低級アルキルオキシフェニル−低級アルキルカルボニル、特に2−、4−もしくは好ましくは3−(ピリジン−2−、−4−もしくは好ましくは−3−)−アセチルもしくは−プロピオニル、またはフェニル−低級アルキルカルボニル、特にフェニル−2−もしくは好ましくは3−フェニル−プロピオニルもしくはフェニルアセチル(ここで、フェニルは非置換であるか、または低級アルコキシ、特にメトキシ、ハロゲン、特にフルオロもしくはクロロ、またはハロゲン−低級アルキル、例えばトリフルオロメチルから選択される3個までの置換基により置換されている)である。非置換または置換アリールRまたは(独立に)Rは好ましくは、一置換、二置換または三置換フェニル、特にアリールに関して述べた置換基、特にヒドロキシ、低級アルコキシ(最も好ましい)、好ましくは、メトキシ、ハロゲン、好ましくはフルオロまたはクロロ、およびハロゲン−低級アルキル、好ましくはトリフルオロメチルから独立に選択される4個までの置換基により置換されているもの、特に3個の低級アルコキシ、好ましくはメトキシ置換基により置換されているフェニルであるか、またはRの場合、非置換フェニル、またはさらに置換されていないか、または置換ナフチル、特に、アリールに関して述べた置換基、特にヒドロキシ、低級アルコキシ(最も好ましい)、好ましくは、メトキシ、ハロゲン、好ましくは、フルオロまたはクロロ、およびハロゲン-低級アルキル、好ましくは、トリフルオロメチルから独立に選択される4個までの置換基により置換されている1−または2−ナフチルである。
非置換ヘテロシクリルは好ましくは、結合している環において不飽和、飽和、または部分的に飽和の複素環基であり、かつ、好ましくは単環式またはより広義には二環または三環であり;3〜24個、より好ましくは4〜16個の環原子を有し、ここに、少なくとも式Iの分子の基に結合している環において、対応するアリール基の1つ以上、好ましくは1〜4個、特に1個または2個の炭素原子が窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子により置換されており、この結合環は好ましくは4〜12個、特に5〜7個の環原子を有し;ヘテロアリールは非置換であるか、または置換アリールの置換基として上記で定義した置換基からなる群から独立に選択される1個以上、特に1〜3個の置換基により置換されており、特にイミダゾリル、チエニル、フリル、テトラヒドロフリル、ピラニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、ベンゾフラニル、クロメニル、2H−ピロリル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、ベンズイミダゾリル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、プラニオール、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、インドリル、インダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、イソキノリル、キノリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキオノリル、デカヒドロキノリル、オクタヒドロイソキノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリル、キナゾリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フラザニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、およびクロマニルからなる群から選択されるヘテロアリール基であり、これらの基は各々、非置換型であるか、または低級アルキル、特にメチルまたはtert−ブチル、低級アルコキシ、特にメトキシ、およびハロ、特にブロモまたはクロロ;ピリジル、特に2−もしくは3−ピリジル、またはインドリル(特に好ましい)、より広義には低級アルキル−ピリジル、ピリミジニルまたは低級アルキルピリミジニル、ハロ−低級アルキルピリジル、低級アルコキシ−ピリジル、ジ−低級アルキル−ピリジル、またはハロ−ピリジルからなる群から選択される1個または2個の基により置換されている。ヘテロシクリルは非置換型であるか、またはアリールに関して上述したもの(なお、ヘテロシクリルの置換基としてのヘテロシクリルは、ピリジルまたはインドリル以外のさらなるヘテロシクリル置換基を含まない)、および上記で定義したようなアリールから独立に選択される1個以上、好ましくは3個までの置換基により置換されている。
ヘテロシクリルアルキルカルボニルRでは、ヘテロシクリル部分は好ましくは、上述のような置換または特に非置換ヘテロシクリルであり、置換または好ましくは、非置換ヘテロシクリル−低級アルキル、特に末端置換、または好ましくは非置換ヘテロシクリル(なお、ヘテロシクリルは上記の通り)が好ましく、ピリジル−低級アルキルカルボニル、例えば−アセチルまたは−プロピオニルが好ましい。
については、非置換もしくは置換アリール、または置換アリール−低級アルキルカルボニルが好ましい。
ヘテロアリールRは好ましくは、上述のような非置換または置換ヘテロアリール、特に置換アリールに関して上述したもの、特に非置換型であるか、またはヒドロキシ、低級アルコキシ(最も好ましい)、好ましくはメトキシ、ハロゲン、好ましくはフルオロまたはクロロ、およびハロゲン−低級アルキル、好ましくはトリフルオロメチルから独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基により置換されているインドリルである。
は好ましくは、置換アリールである。
脂肪族基は好ましくは、12個までの炭素原子、好ましくは7個までの炭素原子、最も好ましくは4個までの炭素原子を有し、かつ非置換または置換アルキニル、アルケニル、または好ましくはアルキル基、より好ましくは低級アルキル、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチルまたはtert−ブチルなどの脂肪族炭化水素基である。
アルキルは分枝状であっても直鎖であってもよく、好ましくは、12個までの炭素原子を有し、より好ましくは低級アルキルである。アルキルRは、好ましくは低級アルキル、特にイソブチルである。
接頭語の「低級」は、7個まで(7個を含む)、好ましくは4個まで(4個を含む)の炭素原子を有する基を示す。
低級アルキルは好ましくは、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシルまたはn−ヘプチル、好ましくは、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソプロピル、エチルまたはメチル、最も好ましくはイソプロピル、エチルまたはメチルである。
エーテル化ヒドロキシは、例えば、アルコキシ、特に低級アルコキシ(エトキシまたはメトキシなど)、アリールオキシ、特にフェニルオキシ、アリール−低級アルコキシ、特にフェニル−低級アルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、特にピリジルオキシ、またはヘテロシクリル−低級アルコキシ、特にピリジル−低級アルコキシ(アリールおよびヘテロシクリルは好ましくは、上記に示した意味を有する)である。
エステル化ヒドロキシは好ましくは、アルカン酸のような有機カルボン酸によってエステル化されたヒドロキシ、例えば低級アルカノイルオキシである。
エステル化カルボキシは、例えば、アルコキシカルボニル、特に低級アルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニルなどである。
一置換または二置換アミノは、好ましくは、N−アルキルアミノまたはN,N−ジアルキルアミノ、特にN−低級アルキルアミノまたは低級N,N−ジ−低級アルキルアミノ、例えばN−メチルアミノまたはN,N−ジメチルアミノである。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくはフッ素、塩素または臭素である。
非置換または置換シクロアルキルは、好ましくは12個まで、より好ましくは3〜8個の環カルボニル原子を有し、置換アリールに関して述べたものから独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基により置換されているか、または好ましくは非置換型である。シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルが好ましい。
非置換または置換シクロアルキルアルキルで置換されたアルキルRにおいては、アルキルは好ましくは上記の通りであり、より好ましくは低級アルキル、特にイソプロピルであり、上記で定義したシクロアルキルにより(好ましくは、末端で)置換されている。
非置換または置換アリールで置換されたアルキルRにおいては、アルキルは好ましくは、直前に定義した通りであり、アリールは上記のように定義され、そして、置換アリールに関して述べたものから独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基により置換されているか、または非置換型であり、特にアリールは、ハロゲン、特にフルオロ、ヒドロキシまたは低級アルコキシ、特にメトキシから独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基に置換されているフェニルであるか、または非置換フェニルである。
非置換または置換ヘテロシクリルで置換されたアルキルRにおいては、アルキルは好ましくはシクロアルキルで置換されたアルキルRに関して定義した通りであり、そして、ヘテロシクリルは上記のように定義され、置換ヘテロシクリルに関して述べたものから独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基により置換されているか、または非置換型である。
およびAが各々置換ヒドロキシである場合、置換ヒドロキシは好ましくは、アルキルオキシ、特に低級アルキルオキシ、アリールオキシ、特に上記で定義したような非置換または置換アリールを有するもの、または上記で定義したような非置換または置換シクロアルキルを有するシクロアルキルオキシである。
およびAが、結合しているホウ素原子および酸素原子と共に環または上記に示される式IAを形成する場合、Wは、空間的に近いか、または隣接する炭素原子、特に(互いに対して)隣接する「1,2−」または「1,3」位の2個の異なる炭素原子上のホウ素原子と結合している2個の酸素原子を有する。
アルキレンは好ましくは、直前に記載したような2個の異なる炭素原子、好ましくは隣接のものまたは「1,3」位のものを介して結合した非分枝C−C12−、好ましくはC−Cアルキレン部分、例えばエチレン、またはプロピレン、より広い局面にて、ブチレン、ペンチレンまたはヘキシレンである。ホウ素原子と結合している酸素原子と結合していない1個以上、特に1個の炭素原子が、O、Sまたは好ましくはNから選択されるヘテロ原子(それぞれ必要な数のH原子を有する)により置換されてもよく、例えば1,5−(3−アザ−ペンチレン)などである。
置換アルキレンは好ましくは、非置換型であるか、またはメチルもしくはエチルなどの低級アルキルから好ましくは独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基により置換されている上記で定義したような非分枝低級アルキレン部分であり、例えば1−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、ヒドロキシ、例えば2−ヒドロキシ−プロピレン、またはヒドロキシ−低級アルキル、例えばヒドロキシメチル、例えば1−ヒドロキシメチル−エチレンなどである。
非置換または置換シクロアルキレンは、Wに関して記載したような2個の異なる炭素原子、好ましくは隣接のものまたは「1,3」位のものを介して結合した、好ましくはC−C12−、より好ましくは、C−C−シクロアルキレン、例えばシクロヘキシレンまたはシクロペンチレンであり、ここで、ホウ素原子と結合している酸素原子と結合していない1個以上、特に1個の炭素原子が、O、Sまたは好ましくはNから選択されるヘテロ原子(それぞれ必要な数のH原子を有する)により置換されてもよく、例えばテトラヒドロフリレンまたはテトラヒドロピラニレンであり、また、非置換型であるか、または低級アルキル(メチルまたはエチルなど)、ヒドロキシ、ヒドロキシ−低級アルキル(メトキシなど)、または酸素原子を介して結合したモノもしくはオリゴサッカリジル(「オリゴサッカリジル」は好ましくは5個までのサッカリジル部分を含む)から独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基により置換されていてもよい。
非置換または置換ビシクロアルキレンは、Wに関して記載したような2個の異なる炭素原子、好ましくは隣接のものまたは「1,3」位のものを介して結合した、好ましくはC−C12−ビシクロアルキレンであり、ここで、ホウ素原子と結合している酸素原子と結合していない1個以上、特に1個の炭素原子が、O、Sまたは好ましくはNから選択されるヘテロ原子(それぞれ必要な数のH原子を有する)により置換されてもよく、また、非置換型であるか、または低級アルキル(メチルまたはエチルなど)、ヒドロキシおよびヒドロキシ−低級アルキル(メトキシなど)から独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基により置換されていてもよい。ピナニレン(2,3−(2,6,6−トリメチル−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン))が好ましい。
非置換または置換トリシクロアルキレンは、Wに関して記載したような2つの異なる炭素原子、好ましくは隣接のものまたは「1,3」位のものを介して結合した、好ましくはC−C12−トリシクロアルキレンであり、ここで、ホウ素原子と結合している酸素原子と結合していない1個以上、特に1個の炭素原子が、O、Sまたは好ましくはNから選択されるヘテロ原子(それぞれ必要な数のH原子を有する)により置換されてもよく、また、非置換型であるか、または低級アルキル(メチルまたはエチルなど)、ヒドロキシおよびヒドロキシ−低級アルキル(メトキシなど)から独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基により置換されていてもよい。
最も好ましくは、Rは−B(OH)または2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル、特に(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イルである。
非置換または置換アルキルRにおいて、アルキルは分枝状であっても直鎖であってもよく、好ましくは12個までの炭素原子を有し、より好ましくは低級アルキルである。アルキルRは好ましくは、低級アルキル、特にイソプロピルである。1個以上、特に2個まで存在してよい置換基は、非置換または置換アリール(特にフェニルまたはヒドロキシフェニル)、非置換または置換ヘテロシクリル(特にイミダゾリルまたはインドリル)、非置換または置換シクロアルキル(各々、上記で定義した通り);ヒドロキシ(好ましい)、カルボキシ(好ましい)、カルバモイル、メルカプト、低級アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、フェニル、ヒドロキシフェニル、インドリル、イミダゾリル、アミノ、トリ−低級アルキルアミノ(例えば、トリメチルアミノ)、低級アルカノイルアミノ(例えば、アセチルアミノ)、グアニジノ、N−低級アルキルグアニジノ(例えば、N−メチルグアニジノ)、またはアミノ酸含有Rを完成させる他のいずれかの置換基、から独立に選択される。好ましくは、Rはメチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、メルカプトメチル、2−メチルチオエチル、フェニルメチル、ヒドロキシフェニルメチル、インドール−3−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、4−アミノブチル、3−グアニジノプロピル、5−イミダゾリルメチル、カルボキシメチルまたは2−カルボキシエチルであってよい。
存在する式Iの化合物の不斉炭素原子は、(R)、(S)または(R,S)配置で存在し、好ましくは(R)または(S)配置で存在し、最も好ましくは以下の式Iに示される配置で存在し得る。二重結合または環における置換基は、シス−(=Z−)またはトランス(=E−)型で存在し得る。よって、これらの化合物は異性体の混合物として、または好ましくは純粋な異性体として存在し得る。
式Iの化合物の塩形成基は、塩基性または酸性の特性を有する基またはラジカルである。少なくとも1つの塩基性基または少なくとも1つの塩基性ラジカル、例えばアミノ、ペプチド結合を形成していない第二級アミノ基またはピリジル基を有する化合物は、例えば無機酸(塩酸、硫酸またはリン酸など)、または好適な有機カルボン酸もしくはスルホン酸、例えば脂肪族モノカルボン酸もしくはジカルボン酸(トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸またはシュウ酸など)、またはアミノ酸(アルギニンまたはリシンなど)、芳香族カルボン酸(安息香酸、2−フェノキシ−安息香酸、2−アセトキシ−安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸)、芳香族−脂肪族カルボン酸(マンデル酸または桂皮酸など)、複素芳香族カルボン酸(ニコチン酸またはイソニコチン酸)、脂肪族スルホン酸(メタン−、エタン−または2−ヒドロキシエタンスルホン酸、または芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼン−、p−トルエン−またはナフタレン−2−スルホン酸)と共に酸付加塩を形成し得る。数種の塩基性基が存在する場合には、モノまたはポリ酸付加塩が形成され得る。
酸性基、例えば遊離ボロン酸基(−B(OH)、すなわち、式IAでは、AおよびAは各々ヒドロキシである)またはカルボキシ基を有する式Iの化合物は、アンモニアまたは好適な有機アミン、例えば第三級モノアミン、例えばトリエチルアミンまたはトリ−(2−ヒドロキシエチル)−アミン、または複素環式塩基、例えばN−エチル−ピペリジンまたはN,N’−ジメチルピペラジンと共に、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムもしくまたはカルシウム塩、またはアンモニウム塩などの金属またはアンモニウム塩を形成し得る。塩の混合物も可能である。
酸性基および塩基性基の双方を有する式Iの化合物は、分子内塩を形成することができる。
式Iの化合物の例としては、
が、置換アリール−低級アルキルカルボニル、または非置換もしくは置換アリールのいずれかであり、
が、置換アリール、または非置換もしくは置換ヘテロシクリルであり、
が、低級アルキル、非置換もしくは置換アリール、または低級アルキル(非置換または置換アリールによって置換されている)であり、
が、上記で示した式IAの部分であり、式中、AおよびAはヒドロキシ、低級アルキルオキシ、非置換もしくは置換アリールを有するアリールオキシ、または非置換もしくは置換シクロアルキルを有するシクロアルキルオキシであるか、またはAおよびAは、結合しているホウ素原子および結合している2個の酸素原子と共に上記で示した式IAの環を形成し、式中、Wは空間的に近いか、または隣接する、特に互いに隣接しているか、または「1,3」位の2個の異なる炭素原子を介して結合している非置換または置換低級アルキレンであり、そして、
が低級アルキルである
もの、またはその塩を含む。
式Iの化合物の例としては、
が、フェニルオキシフェニル−低級アルキルカルボニル;フェニル−低級アルコキシフェニル−低級アルキルカルボニル;ピリジルオキシフェニル−低級アルキルカルボニル;低級アルコキシ、特にメトキシ、ハロゲン、特にフルオロもしくはクロロ、またはハロゲン−低級アルキル、特にトリフルオロメチルにより置換されているフェニル−低級アルキルカルボニル;または好ましくは、非置換または置換フェニルまたはナフチルであり、両場合とも、もし存在すれば置換基は低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、低級アルカノイル、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、メルカプト、スルホ、低級アルキル−チオ、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、フェニル、ナフチル、ピリジル、シアノおよびニトロ、より好ましくは低級アルコキシアルコキシ、特にメトキシまたはエトキシからなる群から独立に選択される1個以上、特に1〜3個の置換基であり;
が、ヒドロキシ、低級アルコキシ、特にメトキシ、ハロゲン、特にフルオロまたはクロロ、およびハロゲン−低級アルキル、特にトリフルオロメチルからなる群から独立に選択される1個以上、特に1〜3個の部分により置換されているフェニルであり;
が、低級アルキル、特にイソブチル、フェニル、またはヒドロキシ、低級アルコキシ、特にメトキシ、ハロゲン、特にフルオロもしくはクロロ、およびハロゲン−低級アルキル、特にトリフルオロメチルからなる群から独立に選択される1個以上、特に3個までの置換基により置換されているフェニルであり;
が、−B(OH)(特に好ましい)、または2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル、特に(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イルであり;そして、
が、低級アルキル、特にイソプロピルである
もの、またはその塩を含む。
式Iの化合物の例としては、
が、フェニルオキシフェニルアセチル、ベンジルオキシフェニルアセチル、ピリジルオキシフェニルアセチル、ビフェニリル、ピリジルフェニル、低級アルキルフェニルまたは置換フェニルプロピオニルオキシであり、ここでフェニル置換基はメトキシ、フルオロ、クロロおよびトリフルオロメチルからなる群から独立に選択される3個までの置換基であり;
が、3個までのメトキシ置換基、特に2,3,4−トリメトキシフェニリルまたは3,4,5−トリメトキシフェニリルで置換されているフェニルであり;
が、イソブチル、または非置換であるか、もしくはヒドロキシ、フルオロおよびメトキシから独立に選択される3個までの基で置換されているフェニルであり;
が、(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イルまたは特に−B(OH)であり;そして、
が、イソプロピルである
もの、またはその塩を含む。
式Iの化合物の例としては、
が、ビフェニリル、低級アルキル−フェニル、フェニル−低級アルキル−カルボニル、フェノキシ−フェニル−低級アルキル−カルボニル、フェニル−低級アルコキシ−フェニル−低級アルキル−カルボニルまたはピリジル−フェニルであり;
が、1〜3つの低級アルコキシ基により置換されているフェニルまたはフェニル−低級アルコキシ−フェニルのいずれかであり;
が、低級アルキルまたはフェニル−低級アルキルであり;
が、4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル、(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イルまたは−B(OH)であり;そして、
が、低級アルキルである
もの、またはその塩を含む。
式Iの化合物またはその塩のその他の例としては、その立体化学が式I
Figure 2006514096
[式中、示されている配置は絶対配置を表し、R、R、R、RおよびRは、式Iの化合物に関して定義したような意味、特に上記に好ましいとして記載する意味を有する]
で示されるものを含む。
式Iの化合物またはその塩のその他の例としては、その立体化学が式I**
Figure 2006514096
[式中、示されている配置は絶対配置を表し、R、R、R、RおよびRは式Iの化合物に関して定義したような意味、特に上記に好ましいとして記載する意味を有する]
で示されるものを含む。
式Iの化合物またはその塩のその他の例としては、その立体化学が式I***
Figure 2006514096
[式中、示されている配置は絶対配置を表し、R、R、R、RおよびRは式Iの化合物に関して定義したような意味、特に上記に好ましいとして記載する意味を有する]
で示されるジアステレオマーの混合物を含む。
実施例に記載される式Iの化合物またはその医薬上許容される塩が、最も特に好ましい。
式Iの化合物またはその塩は、既知の方法に従って製造される。その方法は好ましくは、
a)式II
Figure 2006514096
[式中、R、RおよびRは式Iで示した意味を有する]
で示されるジペプチド類似体と式III
Figure 2006514096
[式中、RおよびRは式Iで示した意味を有する]
で示されるアミノ酸またはその反応性誘導体を反応させ、式IIおよび/またはIIIの化合物に存在する官能基を、反応に関与する基を除いて、必要であれば容易に除去できる保護基で保護し、存在する保護基を除去すること、または
b)Rがアリールアルキルカルボニルまたはヘテロシクリルアルキルカルボニルであり、他の部分R〜Rが式Iで示した意味を有する式Iの化合物を製造するため、式IV
Figure 2006514096
[式中、R、R、RおよびRは式Iで示した意味を有する]
で示されるアミノ酸化合物と式V
Figure 2006514096
[式中、Rはアリールアルキルカルボニルまたはヘテロシクリルアルキルカルボニルである]
で示される炭酸またはその誘導体を反応させ、
式IVおよび/またはVの化合物に存在する官能基を、反応に関与する基を除いて、必要であれば容易に除去できる保護基で保護し、存在する保護基を除去し、さらに
所望により、方法a)またはb)によって得られた式Iの化合物を式Iの別の化合物に変換し、得られた式Iの化合物の塩を異なる塩またはその遊離型に変換し、および/または式Iの異性体化合物の混合物を個々の異性体に分割すること
を含む。
適当な配置を有する遊離体を用いることで、式Iの化合物の可能性のある異なる立体異性体を製造することができる。例えば、式Iの化合物またはその塩は、
a)式II
Figure 2006514096
[式中、R、RおよびRは式Iで示した意味を有する]
で示されるジペプチド類似体と、式III
Figure 2006514096
[式中、RおよびRは式Iで示した意味を有する]
で示されるアミノ酸、またはその反応性誘導体を反応させ、
式IIおよび/または式IIIの化合物に存在する官能基を、反応に関与する基を除いて、必要であれば容易に除去できる保護基で保護し、そして存在する保護基を除去すること、または
b)Rがアリールアルキルカルボニルまたはヘテロシクリルアルキルカルボニルであり、他の部分R〜Rが式Iで示した意味を有する式Iの化合物を製造するため、式IV
Figure 2006514096
[式中、R、R、RおよびRは式Iで示した意味を有する]
で示されるアミノ化合物と、式V
Figure 2006514096
[式中、Rはアリールアルキルカルボニルまたはヘテロシクリルアルキルカルボニルである]
で示される炭酸、またはその反応性誘導体を反応させ、式IVおよび/またはVの化合物に存在する官能基を、反応に関与する基を除いて、必要であれば容易に除去できる保護基で保護し、そして存在する保護基を除去し、さらに所望により方法a)またはb)によって得られた式Iの化合物を式Iの別の化合物に変換し、得られた式Iの遊離化合物を塩に変換するか、または得られた式Iの化合物の塩を、異なる塩またはその遊離型に変換すること
により製造できる。
式Iの最終生成物は、式Iの他の最終生成物の製造のための出発材料に保護基としても使用できる置換基を含み得る(例えば、−B(OH)以外のRの場合)。よって、この文脈の範囲内で、特に望まれる式Iの最終生成物の構成要素ではない容易に除去できる基は、特に断りのない限り、「保護基」と呼ばれる。
かかる保護基による官能基の保護、保護基自体、およびそれらの切断反応は、例えば、J. F. W. McOmie, ”Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973, in T. W. Greene and P. G. M. Wuts, ”Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999, in ”The Peptides”; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981, in ”Methoden der Organischen Chemie” (Methods of Organic Chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974, in H.−D. Jakubke and H. Jescheit, ”Aminosaeuren, Peptide, Proteine” (Amino acids, Peptides, Proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982, and in Jochen Lehmann, ”Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate” (Chemistry of Carbohydrates: Monosaccharides and Derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974などの標準的な参考書に記載されている。
保護基の特徴は、それらが、例えば可溶媒分解、還元、光分解によるか、別法として生理条件下で(例えば、酵素切断により)容易に(すなわち、望ましくない副反応が起こることなく)除去され得ることである。
−B(OH)基の保護基の除去(Rが−B(OH)である式Iの化合物を得るため)は好ましくは、例えば低級アルカノール(メタノールなど)または低級アルカン(ヘキサンなど)、またはそれらの混合物などの好適な溶媒中、0〜50℃の温度、例えば室温で、酸、例えば塩化水素により起こる。
少なくとも2つの方法を用いて、式Iのプロテアソームインヒビターを合成することができる。方法「a」では、式IIおよびIIIの化合物を好適な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、塩化メチレンまたはかかる溶媒2種以上の混合物に溶かし、そして適した塩基、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)またはN−メチルモルホリン、およびインサイチュウで式IIIの炭酸の好ましい反応性誘導体を形成する適当なカップリング剤、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(DCC/HOBT);O−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)−N,N,N‘,N‘−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU);O−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU);または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(EDC)を添加することにより行われる。他の可能性のあるカップリング剤の総説については、例えば、Klauser; Bodansky, Synthesis 1972, 453−463を参照。この反応混合物を好ましくは、約−20〜50℃の間の温度、特に0℃〜室温の間の温度で攪拌し、式Iの化合物を得る。この反応は好ましくは不活性ガス、例えば窒素またはアルゴン下で行う。
方法「b」では、反応は、方法a)に関して記載したものと類似の条件下で行うことが好ましい。
式Iの化合物と塩形成基の塩は、それ自体公知の方法で製造することができる。よって、式Iの化合物の酸付加塩は、酸または適当な陰イオン交換試薬で処理することで得られる。
塩は、通常、例えば適当な塩基性薬剤、例えばアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素、または水酸化物、一般には炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処理することで遊離化合物に変換することができる。
立体異性体混合物、例えばジアステレオマー混合物を、適当な分離法により、それ自体公知の方法でそれらの対応する異性体に分離することができる。例えば、ジアステレオマー混合物は、分別結晶、クロマトグラフィー、溶媒分配、および類似の手順によりそれらの個々のジアステレオマーに分離することができる。この分離は出発化合物の1つの段階で行っても、式Iの化合物自体で行ってもよい。鏡像異性体は、例えば鏡像異性体的に純粋なキラル酸との塩形成によるジアスレオマー塩の形成を介するか、またはクロマトグラフィー、例えばキラル配位子を有するクロマトグラフィー基質を用いるHPLCにより分離することができる。
が−B(OH)以外である式Iの化合物は、標準的な手順に従い、好ましくは0〜50℃の範囲の温度、例えば室温で、水/メタノール/ヘキサン混合物中、酸、特にハロゲン化水素酸の存在下で、例えばイソブチル−ボロン酸(i−BuB(OH))を用いて、Rが−B(OH)である式Iの化合物へ変換することができる。
方法a)およびb)とも、中間体または出発材料の変換または合成のため、当該反応に適したものとして選択できる溶媒としては、本方法の記載において特に断りのない限り、例えば、水、エステル、一般には低級アルキル−低級アルカノエート、例えば、酢酸ジエチル、エーテル、一般には脂肪族エーテル、例えばジエチルエーテル、または環式エーテル、例えばテトラヒドロフラン、液体芳香族炭化水素、一般にはベンゼンまたはトルエン、アルコール、一般にはメタノール、エタノールまたは1−または2−プロパノール、ニトリル、一般にはアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、一般にはジクロロメタン、酸アミド、一般にはジメチルホルムアミド、塩基、一般には複素環式窒素塩基、例えばピリジン、カルボン酸、一般には低級アルカンカルボン酸、例えば酢酸、無水カルボン酸、一般には無水低級アルカン酸、例えば無水酢酸、環状、直鎖、または分枝状炭化水素、一般にはシクロヘキサン、ヘキサン、またはイソペンタン、またはこれら溶媒の混合物、例えば水溶液が含まれる。また、かかる溶媒混合物は、例えばクロマトグラフィーまたは分液による処理においても使用できる。
新規な出発材料および/または中間体、ならびにその製造方法も同様に本発明の対象である。好ましい態様ではかかる出発材料を用い、反応条件は好ましい化合物の製造を可能とするように選択する。
式II〜Vの出発材料またはそれらの前駆体は公知であり、公知の方法に従って製造できるか、または市販されており、特にそれらは実施例に記載のものと同一または類似の方法を用いて製造することができる。
置換基が上記式Iで定義されている式IIの化合物は、例えば次の反応によって得られる:
まず、式VI
Figure 2006514096
で示されるアミノ酸のボロン酸類似体であって、例えば、式VI
Figure 2006514096
[式中、Rは式Iの化合物に関して上記に示した意味を有し、Rは式Iの化合物に関して上述したB(OH)−以外の意味を有し、特に、(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル、またはその酸付加塩、特にトリフルオロ酢酸との塩である]
で示される配置を含むものを、式VII
Figure 2006514096
で示されるアミノ酸であって、例えば、式VII
Figure 2006514096
[式中、Rは式Iの化合物に関して上記で示した意味を有し、Prは保護アミノ基、好ましくは、tert−ブトキシカルボニルアミノである]
で示される配置を含むもの、またはその反応性誘導体と、上記反応a)に関して記載したものと類似の反応条件下で縮合させ(縮合反応はまた好ましくは、活性炭酸誘導体のインサイチュウでの形成を伴う)、そのようにしてN−保護形態の式IIの化合物を得、次にこれを、例えば上述の標準的な教本に記載されている条件を用い、tert−ブトキシカルボニルアミノの場合には、例えばジオキサンおよび/または塩化メチレンなどの適当な溶媒中の塩酸を用いてN−脱保護し、そのまま方法a)に使用できる式IIの化合物を得る。
式VIのボロン酸は公知であり、市販されており、かつ/または公知の手順に従って合成することができる。例えば、Rが低級アルキル、特にイソブチルであり、Rが式VIの化合物に関して記載された通りであり、好ましくは(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イルである式VIの化合物は、式VIII
Figure 2006514096
[式中、Rは直前に記載した意味を有する]
で示される化合物を、適当な溶媒、例えば塩化メチレン中で、n−低級アルキルリチウム、特にn−ブチルリチウム、次いで塩化亜鉛と反応させ、式IX
Figure 2006514096
[式中、Rは上記式VIで示した意味を有する]
で示される化合物を得ることにより製造できる。次に、この化合物をLiN(SiCHと反応させ、得られたその式の化合物をトリフルオロ酢酸の存在下で反応させ、式X
Figure 2006514096
[式中、Rは上記式VIで示した意味を有する]
で示される塩を得、これは式VIの化合物であり、次にこれを上記で示したような式VIIの化合物との反応のためにそのまま用いることができる。
式IIIの化合物は公知であり、市販されており、かつ/または標準的な手順に従って得ることができる。
例えば、Rがアリール、特にビフェニリルである式IIIの化合物は、式XI
Figure 2006514096
で示される化合物であって、例えば式XI
Figure 2006514096
[式中、Rは式Iの化合物に関して示した意味を有する]
で示される配置を含み、公知であり、市販されているか、または標準的な手順に従って得ることができるものと、式XII
−X (XII)
[式中、Rはアリールであり、Xはハロゲン、特にブロモである]
で示される化合物を、適当な溶媒、例えばジメチルホルムアミド中、塩基、特にアルカリ金属炭素塩、例えば炭酸カリウムの存在下、50〜100℃の温度、例えば90℃の温度で、好ましくは不活性ガス、例えば窒素またはアルゴン下で反応させることにより製造することができる。これにより対応する式IIIの化合物が直接得られる。
式VIIのアミノ酸誘導体は公知であり、市販されているか、または標準的な手順に従って得ることができる。それらは好ましくは、遊離アミノ基の代わりに例えばtert−ブトキシカルボニルアミノを有するアミノ保護形態で用いる。
式IVの化合物は、例えば、方法a)で定義したような式IIで示される配置を含む式IIの化合物と、式XIII
Figure 2006514096
で示される化合物のN−保護アミノ酸であって、例えば式XIII
Figure 2006514096
[式中、Rは式Iで定義された通りであり、Prは保護アミノ、特にtert−ブトキシカルボニルアミノである]
で示される配置を含むもの、またはその反応性誘導体を、上記方法a)で記載したような好ましい縮合反応条件下で反応させることにより得ることができる。次に、得られた化合物、すなわち、N末端アミノ基が保護形態で存在する式IVの化合物からN末端保護基を除去する(例えば、tert−ブトキシカルボニルアミノの場合には、ジオキサン中、塩化水素を用いる)。
他の態様では、アポトーシス誘導薬剤は2,4−ジアミノ−3−ヒドロキシカルボン酸系化合物由来のプロテアソームインヒビターである。PCT WO00/64863参照。例えば、いくつかの態様では、このプロテアソームインヒビターは式XIV
Figure 2006514096
[式中、
AおよびBは独立に結合、または非置換もしくは置換アミノアシル部分を表し;
は水素;アミノ保護基;または式RY(式中、
は水素、または非置換もしくは置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキル基を表し;かつ
Yは−CO−;−NH−CO−;−NH−CS−;−SO−;−O−CO−;または−O−CS−を表す)
の基を表し;
は天然アミノ酸の側鎖;アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはシクロアルキルアルキル基;またはトリメチルシリルメチル、2−チエニルメチルもしくはスチリルメチルを表し;
はハロゲン、アルキル、アルコキシまたはヒドロキシアルコキシを表し;かつ、
は2(R)−ヒドロキシインダン−1(S)−イル;非置換型または4位においてメトキシで置換されている(S)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル;または2−ヒドロキシ−ベンジルを表す]
で示される2,4−ジアミノ−3−ヒドロキシカルボン酸であり、ここで、2,4−ジアミノ−3−ヒドロキシカルボン酸は遊離型であるか、その医薬上許容される塩であるか、または医薬組成物中のものである。
非置換または置換アルキルは好ましくは1〜5個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子のアルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピルまたはtert−ブチルであり;特に1個または4個の炭素原子のものである。置換基は、例えばフェノキシ、ヒドロキシまたは非保護もしくは保護アミノである。
非置換または置換アリールアルキルは、例えば全部で7〜10個の炭素原子のフェニルアルキルであり、例えばベンジルまたは2−フェニルエチルである。それは非置換型であるか、またはアリールもしくはアルキル部分において、例えばヒドロキシで(ベンジル−CH(OH)−またはフェニル−CH(CHOH)−など)、またはアルキル、アミノもしくはアルキルアミノで置換されているか;または例えばアルキレン部分が炭素原子1〜4個のナフチルアルキル、特にナフチルメチルである。
アミノ保護基は好ましくは、ベンジルオキシカルボニル、シクロアルキルアルコキシカルボニル、特にシクロヘキシルメトキシカルボニル、またはtert−ブトキシカルボニルである。非置換または置換ヘテロアリールアルキルは好ましくは、ピリジルアルキル、特に2−ピリジルメチルおよび4−ピリジルメチルである。
アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルアリールのヘテロアリールおよびアリール部分は、単環式であっても多環式であってもよく、例えばピリジル、ナフチル、9−フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)またはベンズ−イミダゾリルなどである。アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルのアルキレン部分は、例えばヒドロキシにより置換されていてもよい。
ヘテロシクリル基、およびヘテロシクリルアルキル基のヘテロシクリル部分は、窒素、酸素および硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子を有する飽和複素環式基である。好ましくは、これは5または6個の環構成原子、好ましくは3個までのヘテロ原子を有する。
シクロアルキルアルキルは好ましくは、シクロヘキシルアルキルであり;好ましくは、アルキレン部分が炭素原子1〜4個のものである。
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素または臭素である。
アルキルおよびアルコキシは好ましくは、1〜4個の炭素原子のもの、特に1または2個の炭素原子のものであり、さらに特にはメチルまたはメトキシである。
ヒドロキシアルコキシは好ましくは、2〜4個の炭素原子のω−ヒドロキシアルコキシ、特に2−ヒドロキシエトキシである。
塩は例えば、塩酸塩などの酸付加塩である。
式Iの化合物は数個のキラル中心を有することから、種々の立体異性体で存在し得る。本発明は特に断りのない限り、全ての立体異性体ならびにラセミ混合物を提供する。これらの異性体は、例えばクロマトグラフィーなどの通常の技術を用いて分解または分離され得る。式Iから明らかなように、2位の炭素原子の配置はR型であり、3位および4位はS型である。
は好ましくは、水素、ピリジルアルコキシカルボニル、ナフチルアルコキシカルボニル、ナフチルアルキルカルボニル、ベンジル−CH(OH)−カルボニル、フェノキシメチルカルボニル、フェニルアルキルカルボニルまたはアミノ保護基(例えば、非置換型またはアルキルまたはアミノで置換されているtert−ブトキシカルボニル、シクロアルキルアルコキシカルボニル、特にシクロヘキシルメトキシカルボニル、またはベンジルオキシカルボニルなど)であり、特にはナフチルメトキシカルボニル、ナフチルメチルカルボニル、ピリジルメトキシカルボニル、フェニルプロピオニル、アミノフェニルプロピオニル、tert−ブトキシカルボニル、アミノベンジルオキシカルボニル、アルキルベンジルオキシカルボニル、ジアルキルベンジルオキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニル、いっそうより好ましくは、ベンジルオキシカルボニルである。
Aが非置換または置換アミノアシル基である場合、それは好ましくは、非置換または置換α−アミノアシル基、例えばアラニン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン、バリン、tert−ブチルグリシン、tert−ロイシンまたはヒスチジンである。これは好ましくは、天然α−アミノ酸の、好ましくはタンパク質の通常構成部分、またはテントロイシン(tent leucine)であるアミノ酸の保護または非保護基である。好ましくは、これはL配置を有する。Aは特にグリシン、L−バリン、L−tert−ロイシンまたは結合、いっそうより好ましくはL−tert−ロイシンである。
は好ましくは、天然アミノ酸、好ましくはα−アミノ酸、好ましくはタンパク質の通常構成部分であるアミノ酸の、側鎖である。これは例えばイソプロピル、アミノカルボニルメチル、メチル、1−メチルプロピル、ベンジル、4−ヒドロキシベンジルまたはイソブチル、好ましくはベンジルである。
Bが非置換または置換アミノアシル部分である場合、それは好ましくは、非置換または置換α−アミノアシル部分、例えばフェニルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニンまたはアスパラギンである。これは好ましくは、天然α−アミノ酸の、好ましくはタンパク質の通常構成部分であるアミノ酸の非置換または置換部分である。第2のカルボキシル基を有するα−アミノ酸、例えばグルタミン酸は、C−Cアルコール、特にメタノールでエステル化するのが好ましい。好ましくは、これはL配置を有する。Bは特にL−バリン、L−グルタミン酸メチルエステルまたは結合、いっそうより好ましくはL−バリンである。
は好ましくは、ハロゲン、メチルまたはメトキシ、特にメトキシである。
は好ましくは、上記で定義したような非置換の、または置換された2(R)−ヒドロキシインダン−1(S)−イルまたは2−ヒドロキシベンジル、特に2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンジルである。
Yは好ましくは、−CO−または−O−CO−、特に−O−CO−である。
は好ましくは、非置換または置換アルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル基、特にアルキルであり;それが非置換または置換ヘテロアリールアルキルである場合、好ましくはピリジルアルキル、特に2−ピリジルメチルであり;それが非置換または置換アリールアルキルである場合、好ましくはベンジル−CH(OH)−であり;それが置換アルキルである場合、好ましくはフェノキシメチルである。
いくつかの態様では、プロテアソームインヒビターは、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−tert−ロイシル−アミノ−5−フェニル−ペンタン酸アミド誘導体である。例えば、PCT 01/89282参照。
例えば、いくつかの態様では、本発明のプロテアソームインヒビターは式XV
Figure 2006514096
[式中、nは0または1であり;
およびRは互いに独立に脂肪族基、または芳香族、芳香族−脂肪族、環式脂肪族、環式脂肪族−脂肪族、複素環式または複素環式−脂肪族基であり;各基は20個以下の炭素原子を有し;
は水素、オキサ−アルキル、脂肪族基、または式−(Y)−R(式中、Yはアルキルであり、mは0または1であり、かつ、Rは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される3個までのヘテロ原子を含む5または6員環を有する非置換または置換単環式基であり、該単環式基はまたベンゾ環と縮合することができる)の、20個までの炭素原子を有する基であり;
およびRは水素;脂肪族基;遊離型、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ;遊離型またはエステル化カルボキシ;ホルミル;アルカノール;非置換、一置換または二置換アミノ;メルカプト;スルホ;アルキル−チオ;カルバモイル;N−アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−アルキル−カルバモイル;シアノおよびニトロからなる群から独立に選択され、ここで、炭素含有基RおよびRは12個までの炭素原子を有し;ただし、nが1であり、Rがベンジルまたはtert−ブチルであり、Rがベンジルまたは4−メトキシ−ベンジルであり、Rがイソプロピルであり、かつ、Xが酸素であるとき、RおよびRが双方ともに水素であることはなく、また、nが0または1であり、Rが4−メトキシ−ベンジルであり、Rが水素であり、かつ、Xが酸素であるとき、Rはメトキシではなく;そして
Xは窒素、酸素または硫黄である]
で示される化合物、またはその塩に関する。
2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−tert−ロイシル−アミノ−5−フェニル−ペンタン酸アミド誘導体に関して、以上および以下で用いる一般用語は好ましくは、nは0または1、好ましくは0であることを意味する。
脂肪族基は12個までの炭素原子、好ましくは7個までの炭素原子、最も好ましくは4個までの炭素原子を有し、そのような非置換または置換脂肪族炭化水素基、すなわち、そのような非置換または置換アルキニル、アルケニルまたは好ましくはアルキル基であり、1つ以上の置換基は好ましくは、遊離型、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ;遊離型またはエステル化カルボキシ;ホルミル;アルカノール;非置換、一置換または二置換アミノ;グアニジノ;メルカプト;スルホ;アルキル−チオ;カルバモイル;N−アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−アルキル−カルバモイル;シアノおよびニトロからなる群から独立に選択される。
脂肪族基Rは好ましくは低級アルキル、例えば特にtert−ブチルである。
脂肪族基Rは好ましくは非置換低級アルキル、またはヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、カルバモイル、グアニジノ、メルカプトまたはアルキル−チオ、最も好ましくは、アラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、リシンまたはアルギニン、特にバリンのアミノ酸側鎖により置換されている低級アルキルである。
脂肪族基Rは好ましくはメトキシである。
芳香族基RまたはRは20個以下の炭素原子、特に12個以下の炭素原子を有し、非置換または置換型であり、好ましくは、非置換または置換フェニルまたはナフチル、特に1−ナフチルの各場合において、1つ以上の置換基は好ましくは、脂肪族基;遊離型、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ;遊離型またはエステル化カルボキシ;ホルミル;アルカノール;非置換、一置換または二置換アミノ;メルカプト;スルホ;アルキル−チオ;カルバモイル;N−アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−アルキル−カルバモイル;シアノおよびニトロからなる群から独立に選択され、より好ましくは、アルキル、例えばメチル、エチルまたはプロピル;アルコキシ、例えばメトキシまたはエトキシ;二置換アミノ、例えばジメチルアミノ;ハロゲン、例えばクロロまたはブロモ;およびハロゲン−アルキル、例えばトリフルオロメチルから独立に選択される。
20個以下の炭素原子を有する芳香族−脂肪族基RまたはRでは、その芳香族部分は上記で定義した通りであり、脂肪族部分は好ましくは低級アルキル、例えば特にC−Cアルキルであり、これは好ましくは芳香族基に関して定義したように置換されているか、または好ましくは非置換型である。芳香族−脂肪族基Rは好ましくは、ベンジルまたはナフタレン−1−イルメチルである。芳香族−脂肪族基Rは好ましくは、そのベンゼン部分において1〜5個、好ましくは1〜3個のメトキシ基により置換されているベンジル;そのベンゼン部分、好ましくは4位においてジメチル−アミノ基により置換されているベンジル;またはナフタレン−1−イルメチルである。最も好ましくは、芳香族−脂肪族基Rは2,3,4−または3,4,5−トリメトキシ−ベンジルである。
環式脂肪族基RまたはRは20個まで、特に10個までの炭素原子を有し、単環式または多環式であり、好ましくは、芳香族に関して定義したように置換されているか、または好ましくは非置換型であり、例えばシクロアルキル基、特に例えば5員または6員のシクロアルキル基、例えば好ましくはシクロヘキシルである。
20個以下の炭素原子を有する環式脂肪族−脂肪族基RまたはRでは、その環式脂肪族部分は上記で定義した通りであり、その脂肪族部分は好ましくは低級アルキル、例えば特にC−Cアルキルであり、これは好ましくは芳香族基に関して定義したように置換されているか、または好ましくは非置換型であり、例えばシクロヘキシル−メチルである。
複素環式基RまたはRは20個までの炭素原子、一般には12個までの炭素原子を含み、好ましくは芳香族基に関して定義したように置換されているか、または非置換型であり、好ましくは、5または6員環と、窒素、酸素および硫黄からなる群から好ましく選択される1〜3個のヘテロ原子を有する飽和または不飽和単環式基、例えば、チエニルもしくはピリジル、または例えばベンゼン基が記載の単環式基、特に例えばインドリル(5−インドリルなど)、またはチノリル、例えば8−チノリルなどと縮合している二環式または三環式基である。
20個以下の炭素原子を有する複素環式−脂肪族基RまたはRでは、その複素環式部分は上記で定義した通りであり、その脂肪族部分は好ましくは低級アルキル、例えば特にC−Cアルキルであり、これは好ましくは芳香族基に関して定義したように置換されているか、または好ましくは非置換型である。複素環式−脂肪族基RまたはRは例えばインドリル−メチル、特に5−インドリル−メチル、またはチノリル−メチル、特に8−チノリル−メチルである。
オキサ−アルキルRは式−G(O−CH−CH−R(式中、GおよびRはアルキル、好ましくは低級アルキルであり、かつ、tは1〜3、好ましくは2である)の基であり、特に2−(1,4−ジオキサ−ヘキシル)−エチルである。
20個までの炭素原子を有する式−(Y)−Rの基では、Yはアルキル、好ましくは低級アルキルであり、mは0または1であり、かつ、基Rは5または6員環と、窒素、酸素および硫黄からなる群から好ましく選択される3個までのヘテロ原子を有するか、あるいは縮合ベンゾ環を含む飽和または不飽和単環式基であり、かかる基は好ましくは芳香族基に関して定義したように置換されているか、または好ましくは非置換である。
基Rは好ましくは、環炭素を介してYと結合しており、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンタジエニル、フェニル、ピロリジル、ピラゾリジル、イミダゾリジル、テトラヒドロフリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、インデニル、ナフチル、インドリルおよびチノリルからなる群から選択される非置換または置換メンバーである。
最も好ましくは、式−(Y)−Rの基はピペリジル、特に4−ピペリジル、ピペラジン−エチル、特にピペラジン−1−イルエチル、モルホリニル−エチル、特にモルホリン−4−イルエチル、ピリジル−メチル、例えば2−、3−もしくは4−ピリジル−メチル、またはフェニルアラニン、チロシン、トリプトファンまたはヒスチジンのアミノ酸側鎖である。
Xは好ましくは酸素(−O−)である。
アルキルは好ましくは低級アルキルである。
接頭語「低級」は、7個まで(7個を含む)、好ましくは、4個まで(4個を含む)炭素原子を有する基を表す。
低級アルキルは、例えばn−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシルまたはn−ヘプチル、好ましくはイソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソプロピル、エチルまたはメチル、最も好ましくはイソブチル、エチルまたはメチルである。
エーテル化ヒドロキシは、例えばアルコキシ、特に低級アルコキシ、例えばエトキシまたはメトキシである。エステル化ヒドロキシは、好ましくは有機カルボン酸、例えばアルカン酸、または無機酸、例えばハロゲン化水素酸によってエステル化されているヒドロキシであり、例えば、低級アルカノイルオキシ、または特にハロゲン、例えばヨウ素または特にフッ素、塩素または臭素である。
エステル化カルボキシは、例えばアルコキシカルボニル、特に低級アルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニルなどである。
アルカノールは、例えばアルキルカルボニル、特に低級アルキルカルボニル、例えばアセチルなどである。
一置換または二置換アミノは、例えばN−アルキルアミノまたはN,N−ジアルキルアミノ、特にN−低級アルキルアミノまたは低級N,N−ジ−低級アルキルアミノ、例えばN−メチルアミノまたはN,N−ジメチルアミノなどである。
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくはフッ素、塩素または臭素である。
上記で示した式XVの構造は絶対配置を示す。
式XVの化合物における塩形成基は、塩基性または酸性の特性を有する基である。少なくとも1つの塩基性基または少なくとも1つの塩基性ラジカル、例えば遊離アミノ基、ピラジニル基またはピリジル基を有する化合物は、例えば無機酸、例えば塩酸、硫酸もしくはリン酸と、または適当な有機カルボン酸もしくはスルホン酸、例えば脂肪族モノもしくはジカルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸もしくはシュウ酸、またはアミノ酸、例えばアルギニンまたはリシン、芳香族カルボン酸、例えば安息香酸、2−フェノキシ−安息香酸、2−アセトキシ−安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、芳香族−脂肪族カルボン酸、例えばマンデル酸または桂皮酸、複素芳香族カルボン酸、例えばニコチン酸またはイソニコチン酸、脂肪族スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸または2−ヒドロキシエタンスルホン酸、または芳香族スルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸もしくはナフタレン−2−スルホン酸と酸付加塩を形成し得る。いくつかの塩基性基が存在する場合には、モノ酸付加塩またはポリ酸付加塩が形成し得る。
Rio基中に酸性基、例えば遊離カルボキシ基を有する式XVの化合物は、アンモニアまたは適当な有機アミン、例えば第三級モノアミン、例えばトリエチル−アミンもしくはトリ−(2−ヒドロキシエチル)−アミン、または複素環式塩基、例えばN−エチル−ピペリジンもしくはN,N’−ジメチル−ピペラジンと、金属またはアンモニウム塩、例えばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩もしくはカルシウム塩、またはアンモニウム塩を形成し得る。
酸性基と塩基性基の双方を有する式XVの化合物は、分子内塩を形成することができる。
単離または精製を目的とする場合、ならびにさらに中間体として用いる化合物の場合には、医薬上許容されない塩でも使用できる。
しかし、治療目的では医薬上許容される無毒の塩のみが使用されるため、そのような塩が好ましい。
新規化合物の遊離形態とそれらの塩の形態(中間体として使用できる塩も含む)の間には、例えば新規化合物の精製またはその同定に関して密接な関係があることから、以上および以下で遊離化合物という場合には、適切かつ便宜であれば、その対応する塩も含むものと理解すべきである。
VII.投与および医薬組成物
本発明の抗体および薬剤は、例えば、限定されるものではないが、癌腫、神経膠腫、中皮腫、黒色腫、リンパ腫、白血病、腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、膠芽腫、白血病、リンパ腫、前立腺癌、およびバーキットリンパ腫、頭頸部癌、結腸癌、直腸結腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、食道癌、胃癌、膵臓癌、肝胆管癌、胆嚢癌、小腸癌、直腸癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、陰茎癌、尿道癌、精巣癌、子宮頚癌、膣癌、子宮癌、卵巣癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、膵内分泌癌、カルチノイド癌、骨癌、皮膚癌、網膜芽細胞腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、および非ホジキンリンパ腫などの癌をはじめとする過剰増殖性疾患の処置のために、哺乳動物被験体にそのまま投与することができる(さらなる癌については、CANCER: PRINCIPLES AND PRACTICE (DeVita、V.T. et al. eds 1997)を参照)。
本発明の組成物の投与は、化学療法化合物を最終的に処置する組織と接触させるように導入するのに通常用いるいずれの経路によってもよい。これらの抗体および薬剤は、所望により医薬上許容される担体と共に、適当ないずれに様式によって投与してもよい。かかる抗体および薬剤の適当な投与方法は、利用可能であり、当業者に公知のものであり、特定の組成物を投与するのに2つ以上の投与経路が使用できるが、ある経路が別の経路よりもより迅速かつ効果的な反応をもたらし得ることも多い。
医薬上許容される担体は1つには、投与する特定の組成物、ならびにその組成物の投与に用いる特定の方法によって決定される。従って、本発明の医薬組成物の適当な製剤は多様にある(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed. 1985)参照)。
これらの抗体および薬剤は、単独で、または他の好適な成分と組み合わせて吸入によって投与するエアゾール製剤(すなわち、「霧化」できる)として製造することができる。エアゾール製剤はジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などのような許容される噴射剤を加圧したものに配合すればよい。
投与に適当な製剤としては、水溶液または非水溶液、抗酸化薬、緩衝液、制菌剤および製剤を含み得る等張無菌溶液、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、および保存剤を含み得る水溶液および非水溶液の無菌懸濁液が含まれる。本発明の実施においては、組成物は、例えば経口、局所的、静脈内、腹膜内、膀胱腔内または髄腔内により投与することができる。所望により、これらの組成物は鼻孔投与してもよい。これら化合物の製剤は、アンプルおよびバイアルなどの、単位用量または複数用量用の密封容器で提供することができる。溶液および懸濁液はこれまでに記載されている種の無菌の粉末、顆粒および錠剤から作製することができる。また、これらのモジュレーターは、調製食品または薬物の一部として投与することもできる。本発明の化合物はまた、所望の療法または作用に応じて1つ以上のさらなる有効薬(例えば化学療法薬)と組み合わせて効果的に用いることもできる。
本発明に関して、患者に投与する用量は、経時的にみて被験体の有益な応答を達成するのに十分なものでなければならない。この用量は用いる特定のモジュレーターの有効性、被験体の状態、ならびに体重または処置領域の表面積によって決定される。また、投与量は、特定の被験体において特定の化合物またはベクターの投与に付随する有害な副作用の有無、性質および程度によっても決定される。投与はシリンジを介して、または分割投与によって行うことができる。
抗体アゴニストおよびアポトーシス誘導薬剤は、混合物として一緒に投与することもできるし、各々個別に投与することもできる。抗体薬剤およびアポトーシス誘導薬剤は、必ずしも必要ではないが、同時に投与することができる。
VIII.アポトーシスのインヒビター
本明細書に記載のように、種々の遺伝子産物は、TRAIL誘導(および抗DR4または抗DR5誘導)アポトーシスを阻害する(例えば、図27の最初の部分に挙げられている分子;およびUbcH10)か、または促進する(例えば、図27の最後の部分に示されている分子)。TRAIL誘導アポトーシスを阻害する前記遺伝子産物は、TRAIL、抗DR4または抗DR5抗体により誘導されるアポトーシスを相乗的に増強すべく、インヒビターを用いてターゲッティングすることができる。同様に、TRAIL誘導アポトーシスを促進する遺伝子産物は、TRAIL、抗DR4抗体または抗DR5抗体により誘導されるアポトーシスを相乗的に増強すべく、アクチベーターを用いてターゲッティングすることができる。
あるいは、TRAIL誘導アポトーシスを阻害する遺伝子産物のアクチベーターは、それが有害な時と場所においてアポトーシスを軽減するために使用できる。同様に、TRAIL誘導アポトーシスを促進する遺伝子産物のインヒビターは、それが有害な時と場所においてアポトーシスを軽減するために使用できる。かかる疾患の1つとしては、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)がある(Kwaan、H. C., Semin. Hematol., 24:71 (1987); Thompson et al., Blood, 80:1890, (1992))。TTP関連の死亡率の上昇が、米国疾病管理センター(Torok et al., Am. J. Hematol. 50:84, 1995)により報告されている。
TTPに罹患した患者(HIVおよびHIV患者を含む)由来の血漿は、皮膚微小血管起源のヒト内皮細胞のアポトーシスを誘導するが、大血管起源のものでは誘導しない(Laurence et al, Blood, 87:3245 (1996))。従って、TTP患者の血漿は、直接または間接的にアポトーシスを誘導する1つ以上の因子を含むと考えられる。PCT出願WO97/01633(出典明示により本明細書の一部とする)に記載されているように、TRAILはTTP患者の血清中に存在し、微小血管内皮細胞のアポトーシスを誘導する役割を果たす可能性がある。
もう1つの血栓性微小血管障害としては、溶血性尿毒症症候群(HUS)がある(Moake, J. L., Lancet, 343:393 (1994); Melnyk et al., Arch. Intern. Med. 155:2077, (1995))。本発明の1つの態様は、しばしば「成人性HUS」(子供が罹患することもある)と呼ばれる症状の処置を対象とする。小児/下痢関連HUSとして知られいてる疾患は、病因論上、成人HUSとは異なる。
他の症状は、小血管の凝固により特徴付けられている。かかる症状としては、限定されるものではないが、以下のものが挙げられる:小児エイズ患者の約5〜10%に見られる心臓の問題は、小血管の凝固に関わるものと考えられている。多発性硬化症患者では、心臓の微小血管の破壊が報告されている。さらなる例として、全身性紅斑性狼瘡(SLE)の処置が考えられる。
IX.抗DR5アゴニストによる抗癌処置の有効性の推定
本発明者らは、遺伝子産物Mycの発現が、腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導する抗DR5抗体の有効性の十分条件ではないが、必要条件であることを見出した。よって、腫瘍細胞(例えば、生検由来のもの)におけるMycの発現は、DR5標的療法に応答しないであろう細胞(および、その被験体)を同定するためのマーカーとなる。具体的には、腫瘍が野生型細胞よりも低くMycを発現している場合には、野生型発現レベル以上でMycを発現している場合よりもDR5標的療法が有効である可能性は少ない。従って、本発明は、被験体から腫瘍細胞のサンプルを得、それらの細胞におけるMycの発現レベルを検出することにより、抗DR5アゴニスト抗体に基づく療法の有効性を決定する方法を提供し、そこでは、Mycの野生型発現レベルよりも低ければ、その療法には腫瘍細胞を死滅させる有効性が低いか全くないことを示す。
実施例
以下の実施例は本発明をさらに例示するために示すものであり、その範囲を限定するものではない。本発明の他の変形もまた、当業者には容易に明らかとなり得、それらも添付の特許請求の範囲に含まれる。
略号:
abs. 無水
i−BuB(OH)2 イソブチル−ボロン酸
DIEA N−エチルジイソプロピルアミン
DMF N,N−ジメチル−ホルムアミド
equiv 当量
ES−MS エレクトロスプレー質量分析法
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
MeOH メタノール
min 分
m.p. 融点
MPLC 中圧液体クロマトグラフィー
Rf シリカゲル 60 F254(Merck、Darmstadt)でのTLCによって得られた前線値の比率
rt 室温
TBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N‘,N‘−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TFA トリフルオロ酢酸
TLC 薄層クロマトグラフィー
tR 保持時間
特に断りのない限り、溶離剤およびその他の溶媒混合物の割合は、容量/容量(v/v)で示す。
TLCの可視化
紫外線照射によって検出できない最終化合物または中間体のTLCスポットを、過マンガン酸カリウム染色溶液を用い、その後プレートを加熱することで可視化する。
過マンガン酸カリウム染色溶液の組成:800mlのHOおよび200mlの1N HSO中、2.5gのKMnO(過マンガン酸カリウム)(Fluka, Buchs, Switzerland)。
分析的HPLC条件
システム1
直線勾配2〜100%CHCN(0.1%TFA)およびHO(0.1%TFA)に10分+2分100%CHCN(0.1%TFA);215nmで検出、流速0.7mL/分、25℃。カラム:Nucleosil 120−3 C18(125×3.0mm)。
システム2
直線勾配20〜100%CHCN(0.1%TFA)およびHO(0.1%TFA)に7分+2分100%CHCN(0.1%TFA);215nmで検出、流速1mL/分、30℃。カラム:Nucleosil 100−3 C18HD(125×4mm)。
システム3
直線勾配20〜100%CHCN(0.1%TFA)およびHO(0.1%TFA)に7分+2分100%CHCN(0.1%TFA);215nmで検出、流速1mL/分、30℃。カラム: Nucleosil 100−3 C8 HD(125×4mm)。
合成スキーム1(実施例1および2):
Figure 2006514096
実施例1:(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド
ステップA:アルゴン雰囲気下、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(合成スキーム1の(A))(0.352g、0.759mM)の冷(0℃)無水CHCl溶液(5.5mL)に、4N HClのジオキサン溶液(5.7mL、22.77mM、30当量)を加える。得られた混合物を室温まで温め、10分間攪拌する。さらなる4N HCl(1.9mL、7.59mM、10当量)を加える。この反応混合物を10分間攪拌し、濃縮し、粗塩酸塩を黄色泡沫として得る。
ステップB:アルゴン雰囲気下、粗塩酸塩(0.331g、0.828mM)、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(合成スキーム1の(B))(0.518g、0.994mM、1.2当量)、およびTBTU(0.292g、0.910mM、1.1当量)の冷(0℃)無水DMF溶液(3.0mL)に、無水DIEA(0.72mL、4.14mM、5当量)を滴下添加する(1.9mL/分)。この反応混合物を室温まで温め、40分間攪拌し、0℃のHO(45mL)に注ぐ。生じた沈殿を真空濾過により回収し、EtOAcに溶解し、HOで洗浄する。有機相を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮する。残渣をシリカゲル(25g)カラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH、90/10)により精製し、標題化合物を黄色泡沫として得る。
標題化合物:ES−MS:754.2[M+H];HPLC:t= 11.85分(システム1)に単一ピーク;R=0.72(CHCl/MeOH、90/10)。
出発材料を以下のように製造する:
(a)(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(ステップB用)
標題化合物を、アルゴン雰囲気下、90℃で24時間、3−ブロモ−ビフェニル(1.47mL、8.54mM、Aldrich 25,538−6)、(S)−2−アミノ−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(3,4,5−OCH−phe−OH)(3.27g、12.81mM)、KCO(1.18g、8.54mM)およびCuI(163mg、0.854mM)の無水DMF懸濁液(10.6mL)を加熱することにより製造する。得られた混合物を室温まで冷却した後、真空濃縮し、MPLC(CHCN/HO/TFA)で精製し、標題化合物を得る。
標題化合物:ES−MS:408.2[M+H];HPLC:t=8.86分(システム1)で単一ピーク。
(b)(S)−2−アミノ−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸 (L−3,4,5−トリメトキシ−フェニル−アラニン)
標題化合物を、文献(E.M. Oltz, R. C. Bruening, M. J. Smith, K. Kustin and K. Nakanishi in J. Am. Chem. 1998, 110 (18), 6162−6172)の手順に従い、市販の3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドおよびN−アセチルグリシンから製造する。ラセミ体であるN−アセチル−3,4,5−トリメトキシ−フェニルアラニンメチルエステルの分離は、文献(J.J. Nestor, Jr., T. L. Ho, R. A. Simpson, B. L. Horner, G. H. Jones, G. I. McRae and B. H. Vickery in J. Med. Chem. 1982, 25 (7), 795−801; またはO. D. Tyagi & P. M. Boll in Indian J. Chem. 1992, pp. 851−854)に記載されているように、アルカラーゼ(登録商標)(Novo Nordisk)を用いたL−エステルの酵素触媒加水分解により行う。
標題化合物:[α] 20=−18.9°(c=1.025、HO);ES−MS:256.1[M+H];HPLC:t=2.08分(システム2)で単一ピーク。
(c){(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
標題化合物を、(S)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルアンモニウムトリフルオロ酢酸塩(合成スキーム1の(C))(製造に関しては、Kettner, C. A. and Shenvi, A. B. J. Biol. Chem. 1984, 259, p. 15106−15114およびMatteson, D. S. and Sadhu, K. M. J. Am. Chem. Soc. 1981, 103, p. 5241−5242)を参照)(2.395g、6.32mM)、Boc−L−バリン(1.373g、6.32mM)、TBTU(2.23g、6.95mM、1.1当量)、DIEA(3.3mL、18.95mM、3.0当量)およびDMF(24mL)を用いること以外は、実施例1のステップBに記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:465.1[M+H];HPLC:t=9.95分(システム1)で単一ピーク。
実施例2:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド、メタノール(4.3mL)、ヘキサン(4.3mL)および1N HCl(1.45mL)の混合物に、i−BuB(OH)を加える。この反応混合物を室温で2時間攪拌した後、メタノール(8mL)およびヘキサン(8mL)で希釈する。二層に分離する。メタノール層をヘキサンで2回洗浄し、CHClで希釈し、HOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮する。残渣をCHClに溶解し、シリカゲル(20g)カラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH、80/20)により精製し、標題化合物を淡黄色泡沫として得る。
標題化合物:ES−MS:618.2[M−H];R=0.03(CHCl/MeOH、95/5)。
合成スキーム2(実施例3および4):
Figure 2006514096
実施例3:(S)−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−2−[(S)−2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ブチルアミド
標題化合物を、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(合成スキーム2の(A))から、各カップリング反応(実施例1のステップB)の相手としてそれぞれ(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(合成スキーム2の(D))および(3−フェノキシ−フェニル)−酢酸(合成スキーム2の(F))(Trans World Chemicals, Inc.; Rockville, MD, USA)を用いること以外は、実施例1に記載の二段階(脱保護/カップリング)法を繰り返すことにより製造する。標題化合物を、白色固体として得る。
標題化合物:ES−MS:812.1[M+H];HPLC:t=11.13分(システム1)で単一ピーク;R=0.41(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ3.1:(S)−2−アミノ−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(L−2,3,4−トリメトキシ−フェニル−アラニン)
標題化合物を、(S)−2−アミノ−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(実施例1)に関して記載したように製造する。
標題化合物:ES−MS:256.1[M+H];HPLC:t=2.54分(システム2);[α] 20=−18.5°(c=0.99、HO)。
ステップ3.2:(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸
標題化合物を、当技術分野で公知の手順(M. Bodanszky in Principles of Peptide Synthesis, Akad.−Verlag, 1984)に従い、(S)−2−アミノ−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸から出発して合成する。
標題化合物:ES−MS:356.1[M+H];HPLC:t=5.35分(システム1);[α] 20=−2.5°(c=0.985、MeOH)。
実施例4:(R)−3−メチル−1−{(S)−3−メチル−2−[(S)−2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:676.0[M−H];R=0.025(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例5:(S)−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−2−[(S)−2−(3−フェニル−プロピオニル−アミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ブチルアミド
標題化合物を、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルから、各カップリング反応(実施例1のステップB)の相手としてそれぞれS)−2−(tert−ブチルオキシカルボニル−アミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸および3−フェニル−プロピオン酸(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いること以外は、実施例1に記載の二段階(脱保護/カップリング)法を繰り返すことにより製造する。
標題化合物:ES−MS:734.1[M+H];HPLC:t=11.25分(システム1)で単一ピーク;R=0.41(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例6:(R)−3−メチル−1−{(S)−3−メチル−2−[(S)−2−(3−フェニル−プロピオニルアミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のようにう製造する;ES−MS:598.2[M−H];R=0.025(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例7:(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド
標題化合物を、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:694.4[M+H];HPLC:t=12.01分(システム1)で単一ピーク;R=0.56(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ7.1:(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオン酸
標題化合物を、O−メチル−L−チロシン(Bachem)を用いること以外は、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(実施例1)に関して記載したように製造する。MPLC(CHCN/HO/TFA)により精製し、標題化合物を得る;ES−MS:348.3[M+H];HPLC:t=9.52分(システム1)で単一ピーク。
実施例8:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物は、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:558.0[M−H];HPLC:t=6.47分(システム3);R=0.086(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例9:(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド
標題化合物を、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:724.4[M+H];HPLC:t=11.75分(システム1)で単一ピーク;R=0.41(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ9.1:(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−プロピオン酸
標題化合物を、3−(3,4−ジメトキシフェニルl)−L−アラニン(Aldrich)を用いること以外、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(実施例1)に関して記載したように製造する。MPLC(CHCN/HO/TFA)により精製し、標題化合物を得る;ES−MS:378.2[M+H];HPLC:t=9.10分(システム1)で単一ピーク。
実施例10:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:588.2[M−H];R=0.090(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例11:(S)−2−[(S)−2−(3−イソプロピル−フェニルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド
標題化合物を、(S)−2−(3−イソプロピル−フェニルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:720.4[M+H];HPLC:t=11.85分(システム1)で単一ピーク;R=0.43(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ11.1:(S)−2−(3−イソプロピル−フェニルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸
標題化合物を、1−ブロモ−3−イソプロピルベンゼン(Lancaster)を用いること以外、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(実施例1)に関して記載したように製造する。MPLC(CHCN/HO/TFA)により精製し、標題化合物を得る;ES−MS:374.1[M+H];HPLC:t=8.95分(システム1)で単一ピーク。
実施例12:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(3−イソプロピル−フェニルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:584.3[M−H];R=0.13(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例13:(S)−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−2−[(S)−2−(3−ピリジン−2−イル−フェニルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ブチルアミド
標題化合物を、(S)−2−(3−ピリジン−2−イル−フェニルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:755.3[M+H];HPLC:t=9.97分(システム1)で単一ピーク;R=0.23(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ13.1:2−(3−ブロモ−フェニル)−ピリジン
標題化合物を、文献の手順:Zhang, Biliang, Breslow, Ronald Ester Hydrolysis by a Catalytic yclodextrin Dimer Enzyme Mimic with a Metallobipyridyl Linking Group. J. Am. Chem. Soc. (1997), 119(7), 676−1681; M. Van der Sluis, V. Beverwijk, A. Termaten, F. Bickelhaupt, H. Kooijman, A.L. Spek Synthesis of Novel Phosphaalkene−Baced Bidentate Ligands MesP:CH(3-R-Ar) (R = Pyridyl, Carbaldimino) and Formation of Three-Membered Palladacycles Mes(Me)P−CH(3−R−Ar)−PdCl by Carbopalladation of the P:C Double Bond. Organometallics (1999), 18(8), 1402−1407に従って製造する。
標題化合物:ES−MS:235.0[M+H];HPLC:t=6.64分(システム1)で単一ピーク;R=0.17(ヘキサン/EtO、80/20)。
ステップ13.2:(S)−2−(3−ピリジン−2−イル−フェニルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸
標題化合物を、2−(3−ブロモ−フェニル)−ピリジンを用いること以外は、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(実施例1)に関して記載したように製造する。MPLC(CHCN/HO/TFA)により精製し、標題化合物を得る;ES−MS:409.2[M+H];HPLC:t=6.64分(システム1)で単一ピーク。
実施例14:(R)−3−メチル−1−{(S)−3−メチル−2−[(S)−2−(3−ピリジン−2−イル−フェニルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:619.2[M−H];R=0.044(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例15:(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド
標題化合物を、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:754.4[M+H];HPLC:t=12.08分(システム1)で単一ピーク;R=0.66(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ15.1:(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸
標題化合物を、(S)−2−アミノ−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(実施例1)に関して記載したように製造する。MPLC(CHCN/HO/TFA)により精製し、標題化合物を得る;ES−MS:408.2[M+H];HPLC:t=9.42分(システム1)で単一ピーク。
実施例16:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:618.3[M−H];R=0.23(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例17:(S)−2−[(S)−3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド
標題化合物を、(S)−3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:770.3[M+H];HPLC:t=12.45分(システム1)で単一ピーク;R=0.74(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ17.1:(S)−3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−プロピオン酸
標題化合物を、(S)−2−アミノ−3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−プロピオン酸(O−ベンジル−L−チロシン)を用いること以外は、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(実施例1)に関して記載したように製造する。MPLC(CHCN/HO/TFA)により精製し、標題化合物を得る;ES−MS:424.3[M+H];HPLC:t=10.40分(システム1)で単一ピーク。
実施例18:(R)−1−{(S)−2−[(S)−3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:633.9[M−H];R=0.65(CHCl/MeOH、90/10)。
実施例19:(R)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド
標題化合物を、{(R)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを用いること以外、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:754.1[M+H];HPLC:t=11.73分(システム1)で単一ピーク;R=0.52(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ19.1:{(R)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
標題化合物を、Boc−D−バリン(Fluka)を用いること以外は、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例1(c))に関して記載したように製造する。
標題化合物:ES−MS:465.4[M+H]
実施例20:(R)−1−{(R)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:618.2[M−H];R=0.088(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例21:(S)−2−[(R)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド
標題化合物を、(R)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:754.3[M+H];HPLC:t=11.71分(システム1)で単一ピーク;R=0.67(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ21.1:(R)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸
標題化合物を、(R)−2−アミノ−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(3,4,5−OCH−phe−OH)を用いること以外は、(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(実施例1)に関して記載したように製造する。
標題化合物:ES−MS:408.2[M+H];HPLC:t=9.10分(システム1)で単一ピーク。
(R)−2−アミノ−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸の合成に関しては実施例1を参照。
酵素分解後、当技術分野で公知の手順を用い、残ったD−アミノ酸−メチルエステルを加水分解および脱アセチル化する;[α] 20=+19.7°(c=1.04、HO);ES−MS:256.2[M+H];t=2.11分(システム2)で単一ピーク。
実施例22:(R)−1−{(S)−2−[(R)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:618.2[M−H];R=0.20(CHCl/MeOH、90/10)。
実施例23:(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[3−メチル−1−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ブチル]−ブチルアミド
標題化合物を、{(S)−2−メチル−1−[3−メチル−1−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物を、粗生成物として得る;ES−MS:702.3[M+H];HPLC:t=10.31分(システム1)。
ステップ23.1:{(S)−2−メチル−1−[3−メチル−1−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
標題化合物を、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例1(c))の合成と同様にして製造する。
標題化合物:ES−MS:413.3[M+H]
実施例24:1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:618.2[M−H];R=0.076(CHCl/MeOH、95/5);HPLC:t=6.23分と6.36分に2つのピーク(比率1:1)(システム3)。
実施例25:(S)−2−{(S)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−プロピオニルアミノ}−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド
標題化合物を、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルから、各カップリング反応(実施例1のステップB)の相手としてそれぞれBoc−L−3,4−ジメトキシフェニルアラニン(Synthetech)および(3−フェノキシ−フェニル)−酢酸(Trans World Chemicals, Inc.; Rockville, MD, USA)を用いること以外は、実施例1に記載の二段階(脱保護/カップリング)法を繰り返すことにより製造する。標題化合物を泡沫として得る;ES−MS:782.3[M+H];HPLC:t=11.76分(システム1)に単一ピーク;R=0.61(CHCl/MeOH、90/10)。
実施例26:(R)−1−((S)−2−{(S)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−プロピオニルアミノ}−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:646.2[M−H];HPLC:t=5.90分(システム3)に単一ピーク;R=0.12(CHCl/MeOH、90/10)。
実施例27:(S)−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−2−[(S)−2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ブチルアミド
標題化合物を、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルから、各カップリング反応(実施例1のステップB)の相手としてそれぞれ(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸および(3−フェノキシ−フェニル)−酢酸(Trans World Chemicals, Inc.; Rockville, MD, USA) を用いること以外は、実施例1に記載の二段階(脱保護/カップリング)法を繰り返すことにより製造する。標題化合物を黄色泡沫として得る;ES−MS:812.4[M+H];HPLC:t=11.36分(システム1)に単一ピーク;R=0.53(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ27.1:(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸
標題化合物を、(S)−2−アミノ−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸から出発すること以外は、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(実施例3)に関して記載したように合成する。
標題化合物:ES−MS:356[M+H];HPLC:t=4.83分(システム2);m.p.=76〜80℃;[α] 20=+13.4°(c=1.01、メタノール)。
実施例28:(R)−3−メチル−1−{(S)−3−メチル−2−[(S)−2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ブチリルアミノ}−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:676.2[M−H];R=0.14(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例29:(S)−2−{(S)−3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−[2−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−プロピオニルアミノ}−3−メチル−N−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−ブチルアミド
標題化合物を、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルから、各カップリング反応(実施例1のステップB)の相手としてそれぞれ(S)−3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸および(3−フェノキシ−フェニル)−酢酸(Trans World Chemicals, Inc.; Rockville, MD, USA) を用いること以外は、実施例1に記載の二段階(脱保護/カップリング)法を繰り返すことにより製造する。標題化合物を、ベージュ色の泡沫として得る;ES−MS:842.0[M+H];HPLC:t=12.19分(システム1)に単一ピーク;R=0.37(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ29.1:(S)−3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸
標題化合物を、O−ベンジル−L−チロシン(Fluka)から出発すること以外は、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸(実施例3)に関して記載したように合成する。
標題化合物:ES−MS:370.1[M−H];HPLC:t=9.23分(システム1)。
実施例30:(R)−1−((S)−2−{(S)−3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−[2−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−プロピオニルアミノ}−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:705.8[M−H];R=0.12(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例31:(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−4−メチル−ペンタン酸[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−アミド
標題化合物を、{(S)−3−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:768.2[M+H];HPLC:t=11.79分(システム1)に単一ピーク;R=0.72(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ31.1:{(S)−3−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
標題化合物を、Boc−L−ロイシンを用いること以外は、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例1(c))に関して記載したように製造する。
標題化合物:ES−MS:479.2[M+H];HPLC:t=10.05分(システム1)に単一ピーク。
実施例32:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−4−メチル−ペンタノイルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:632.2[M−H];R=0.15(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例33:(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−4−メチル−ペンタン酸[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−アミド
標題化合物を、{(S)−3−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:738.3[M+H];HPLC:t=11.76分(システム1)に単一ピーク;R=0.59(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例34:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−4−メチル−ペンタノイルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:602.2[M−H];R=0.14(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例35:(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−4−メチル−ペンタン酸[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチル]−アミド
標題化合物を、{(S)−3−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:708.3[M+H];HPLC:t=12.03分(システム1)に単一ピーク;R=0.70(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例36:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−4−メチル−ペンタノイルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:572.1[M−H];R=0.25(CHCl/MeOH、90/10)。
実施例37:(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−N−{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオンアミド
標題化合物を、{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:726.3[M+H];HPLC:t=11.24分(システム1)に単一ピーク;R=0.41(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ37.1:{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
標題化合物を、Boc−L−アラニン(Fluka) を用いること以外は、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(ステップ1.1、実施例1)に関して記載したように製造する。
標題化合物:ES−MS:437.4[M+H];HPLC:t=10.91分(システム1)に単一ピーク。
実施例38:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:590.0[M−H];R=0.12(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例39:(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−N−{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオンアミド
標題化合物を、{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:726.3[M+H];HPLC:t=11.71分(システム1)に単一ピーク;R=0.45(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例40:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:590.0[M−H];R=0.033(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例41:(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−N−{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−プロピオンアミド
標題化合物を、{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:666.3[M+H];HPLC:t=11.63分(システム1)に単一ピーク;R=0.46(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例42:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:530.3[M−H];R=0.051(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例43:(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4−diメトキシ−フェニル)−N−{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−プロピオンアミド
標題化合物を、{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:696.3[M+H];HPLC:t=11.39分(システム1)に単一ピーク;R=0.53(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例44:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:560.2[M−H];R=0.023(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例45:(S)−2−(3−イソプロピル−フェニルアミノ)−N−{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオンアミド
標題化合物を、{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび(S)−2−(3−イソプロピル−フェニルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:692.3[M+H];HPLC:t=11.49分(システム1)に単一ピーク;R=0.24(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例46:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(3−イソプロピル−フェニルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−3−メチル−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:560.2[M−H];R=0.22(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例47:(S)−N−{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−2−(3−フェニル−プロピオニルアミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオンアミド
標題化合物を、{(S)−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルから、各カップリング反応(実施例1のステップB)の相手としてそれぞれ(S)−2−アミノ−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオン酸および3−フェニル−プロピオン酸(Fluka) を用いること以外は、実施例1に記載の二段階(脱保護/カップリング)法を繰り返すことにより製造する。
標題化合物:ES−MS:706.3[M+H];HPLC:t=10.81分(システム1)に単一ピーク;R=0.32(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例48:(R)−3−メチル−1−{(S)−2−[(S)−2−(3−フェニル−プロピオニルアミノ)−3−(2,3,4−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−プロピオニルアミノ}−ブチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:570.3[M−H];R=0.22(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例49:(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−2−フェニル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−エチル]−ブチルアミド
標題化合物を、{(S)−2−メチル−1−[(R)−2−フェニル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−エチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:788.0[M+H];HPLC:t=11.66分(システム1)に単一ピーク;R=0.79(CHCl/MeOH、95/5)。
ステップ49.1:{(S)−2−メチル−1−[(R)−2−フェニル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−エチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
標題化合物を、{(S)−2−メチル−1−[(R)−3−メチル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−ブチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例1(c))の合成と同様にして製造する。
標題化合物:ES−MS:499.1[M+H];HPLC:t=10.78分(システム1)に単一ピーク。
実施例50:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−2−フェニル−エチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:652.2[M−H];R=0.22(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例51:(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−N−[(R)−2−フェニル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.0 2,6 ]デク−4−イル)−エチル]−ブチルアミド
標題化合物を、{(S)−2−メチル−1−[(R)−2−フェニル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デク−4−イル)−エチルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオン酸を用いること以外は、実施例1に記載のように製造する。
標題化合物:ES−MS:727.9[M+H];HPLC:t=11.87分(システム1)に単一ピーク;R=0.73(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例52:(R)−1−{(S)−2−[(S)−2−(ビフェニル−3−イルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−2−フェニル−エチルボロン酸
標題化合物を、実施例2に記載のように製造する;ES−MS:591.8[M−H];R=0.13(CHCl/MeOH、95/5)。
実施例53:20Sプロテアソームのキモトリプシン様活性の阻害
式Iの化合物に関し、上記の試験に従って測定した代表的なIC50値を以下に示す(表1)。
Figure 2006514096
実施例54
抗DR5スクリーニングのためのアッセイの開発の一環として、本発明者らはTrailリガンドをクローニングし、発現させ、精製し、そしてそのリガンドで細胞を死滅させることができるかどうかをJurkat細胞で試験した。前記アッセイは、生細胞が色素を還元した際に蛍光を発する酸化還元型色素アラマーブルーを含む。細胞がアポトーシスにより死滅すると、その結果として環境が酸化され、色素が還元型でなくなり、蛍光を検出することができない。図1に示すように、TRAILはJurkat細胞においてアポトーシスを誘導した。
抗体アゴニストに関するスクリーニングを行った。マウスにDR5受容体を感作させ、B細胞を骨髄腫と融合させた。得られたハイブリドーマを384ウェルプレートに並べ、数日増殖させた後、20μlの上清と架橋抗体を、Jurkat細胞の入ったウェルに加えた。24時間後、アラマーブルー色素を加え、24時間後、Acquestを用いてプレートを読みとった。陽性反応抗体を含むいくつかの陽性ウェルが確認された。
これらの陽性抗体の特異性を試験した。アッセイで陽性シグナルを示す3つのハイブリドーマをサブクローニングし、増殖させ、純化した。21個のTNF受容体をクローニングし、発現させ、精製した。受容体をウェルにコーティングし、これら3つの抗体についてELISA分析を行った。これらの結果は、これらの抗体がDR5とだけ反応性があり、従って極めて特異的であることを示す。図2参照。
図3は用量応答分析を示す。3つの抗体アゴニストは、Jurkat細胞の死滅に対して異なる用量応答を示す。抗体Aを、最も強力であることからさらなる研究のために選択した。Imgenex−257は、機能活性を持たないDR5特異的抗体である。
カスパーゼ3の活性化を測定した。その抗体が、何らかの間接的または非特異的機構によってではなくアポトーシスによって細胞を死滅させるかどうかを判定するため、本発明者らはカスパーゼ3活性アッセイを行った。抗体またはリガンドを種々の濃度で細胞と混合し、処理した細胞から細胞抽出液を作製した。この細胞溶解液に蛍光基質を加えたところ、アポトーシスの指標である活性カスパーゼ3に関して試験することができた。この抗体はリガンドと同様の方式でアポトーシスを刺激した。図4はその結果を示している。
結腸および黒色腫細胞系統に対するDR5抗体の作用を調べた。図5は、種々の接着腫瘍細胞系統に対する用量応答曲線を示す。アポトーシスを起こすことができないHCT116bax/bax細胞系統を除き、全ての細胞系統がDR5アポトーシス誘導抗体に対して感受性である。
図6は、種々の乳癌細胞系統で行った同じ試験を示す。T47DおよびZR−75−1は双方ともDR5の殺腫瘍活性に耐性があるが、MCF−7とMDA−MB−231は感受性である。
図7は、腫瘍細胞はこの抗体の作用に感受性であるが、正常細胞、ヒト肺繊維芽細胞(HLF)およびヒト臍帯静脈上皮細胞(HUVEC)は、用量応答がないことで示されるように、耐性であることを示す。
正常細胞がこの抗体によって死滅させられない点をさらに調べるため、ヒト肺繊維芽細胞、ヒト乳腺上皮細胞および正常なヒト初代肝細胞を、DR5抗体で処理した後にカスパーゼ3活性に関してアッセイした。活性を示した正常細胞はなく、DOHH2濾胞性リンパ腫およびJurkat細胞が、アポトーシスを伴うカスパーゼの活性化を示した。
さらに、卵巣癌細胞系統CaOV3は、この抗体によって一掃されるが、正常なHLFおよびHMECは、DR5抗体によって全く影響されない。
抗体のインビボ有効性を試験した。0日目に、10匹のマウスに5×10のcolo205(結腸腫瘍細胞)を皮下注射した。11日目にDR5抗体(400μg)による処理を開始した。400μgのDR5を2回注射した後、5匹の処理した動物は腫瘍の証拠を示さなかったが、PBS処理した5匹のマウスは全て大きな腫瘍を有していた。よって、この抗体はインビボで有効であるのは明らかである。
この研究を32日間継続した。非処置マウスは大きな腫瘍を有していたか、または死に至った。処置マウスには疾病は見られなかった。この試験は50日で終了した。処置しなかったものは全て死に至った。処置したものでは、50日目に再発したものはなった。図9はColo205有効性試験をグラフで示したものである。矢印は処置した日を表す。
これまでの試験は単一用量の検討を示している。この抗体の効力を判定するため、本発明者らは大用量応答試験を行った。群の大きさは1群当たりマウス8匹に増やし、これまでの単一用量試験に記載したようにして50、200、および400μgの用量を与えた。これらの結果は、この抗体が低用量(例えば、50μg)で有効であることを示している。図10参照。
また、新たな腫瘍モデル、黒色腫細胞系統A2058でもより低用量の応答試験を行った。この細胞系統はインビトロでこの抗体により耐性が高かった。群の大きさは2匹であった。処置マウス(400μg)は殺腫瘍活性を示すが、20μgまたはPBSで処置したマウスは大きな腫瘍を発達させた。図11参照。
種々の細胞系統がDR5抗体に対して種々の程度の感受性を示すことから、本発明者らは抗体の作用に対して耐性または部分的に耐性のある細胞系統を合成する小分子の開発を検討した。本発明者らは、アポトーシス経路を分析し、どこでアポトーシスが遮断できる可能性があるかを判定し、どのタイプの小分子共力剤が本来アポトーシス促進性であり得るかを判定することにより、この問題に取り組んだ。
図12は、アポトーシスの外因的経路および内因的経路を示す。重要な点は、腫瘍細胞がアポトーシスのインヒビター(IAP)、およびミトコンドリアからの重要なアポトーシス促進タンパク質(cytoCおよびSMAC)の放出を遮断するBcl2を過剰発現することである。これらのタンパク質によって確立された遮断は、SMACの添加により克服することができる。SMACはIAPを阻害する。LB672と呼ばれるSMACミメティックを、DR5アゴニストの作用に対して腫瘍細胞を感受性とする相乗作用の可能性に関して試験した。
図13は、A2058黒色腫細胞に対するSMACミメティックの作用を示す。これまでに本発明者らは、これらの細胞がこの抗体に対して部分的感受性であることを示している。このグラフは、SMACおよびDR5抗体で処理した細胞が完全に除去され、一方、672の化合物は実際にそれ自体に活性はないことを示している。
図14は、A2058黒色腫細胞に対する種々の濃度のSMACの作用を示す用量応答グラフを示す。ここでも、これらの腫瘍細胞は部分的耐性であるが、低レベルのSMAC(50〜100nM)に感受性がある。しかしながら、より重要なことには、HMEC細胞もHLF細胞もSMACミメティックLB672に感受性でない。
図15は、SMAC薬物動態特性を示す。
DR4/DR5共力剤としてプロテアソームインヒビターの使用を試験するため、第二の共力剤戦略を用いた。図16に示すように、プロテアソームインヒビターはプロテアソームがIκBを分解されるのを防ぐ。ひいては、これがNFκBの放出を防ぐ。NFκBは、核に移行し、BCL2、IAPS、およびその他の抗アポトーシス因子の転写を開始させることが知られている。
本発明者らはまず、プロテアソームインヒビターが、市販の弱いプロテアソームインヒビターMG132の添加により腫瘍細胞をDR5感受性とするかどうかを試験した。図17は、妥当な高濃度で、MG132は耐性SW480結腸細胞を抗体の作用に感受させた。
本発明者らはまた、いくつかの強力なプロテアソームインヒビターを入手した。もっと高い作用を示した化合物はボロネートであった。最大許容量は、これらの化合物が比較的有毒であり、従って、インビボにおいて毒性と腫瘍死滅有効性の間の枠は狭いことを示す。図18参照。
プロテアソームインヒビターは、A2058−LUCをDR5抗体感受性とした。図19参照。また、プロテアソームインヒビターは同様に、耐性肝細胞腫細胞系統HUH−7もまた、抗体感受性とした。図20参照。しかしながら、どちらの化合物も正常HMEC細胞に対しては作用がなかった。さらに、これらの細胞は抗体の作用にも感受しなかった。図21参照。
DR5マウス抗体A由来の可変領域をクローニングし、SP20発現系に挿入した。これらのベクターはヒトIgG 1 Fcをコードしている。得られたこのヒトキメラは、80%がヒトで20%がマウスである。重鎖および軽鎖可変領域の核酸配列を、図22に示す。重鎖可変領域のアミノ酸配列を、図24または図35に示し、軽鎖可変領域のアミノ酸配列を図25または図35に示す。このキメラはSP2/0細胞において20pg/細胞/日で発現された。得られたヒトキメラ抗体をヤギ抗ヒトFcと架橋させ、機能活性を試験した。このキメラはマウス抗体と同等の機能的殺腫瘍活性を有していた。図21参照。
実施例55
siRNA分子のライブラリーを細胞にトランスフェクトし、これらの細胞をTRAILと接触させ、TRAILが存在しない場合と比べて生存率が変化した細胞をスクリーニングした。次に、生存率が変化していた細胞を用いて、細胞にトランスフェクトされた特定のsiRNAを同定し、それにより、そのsiRNAにより阻害される遺伝子を判定した。図26および27参照。
図28は、スクリーニングに基づいて選択されたsiRNAの相当する遺伝子産物を示す。siRNAによる阻害が低TRAIL(+/−)比をもたらす遺伝子産物がTRAIL誘導アポトーシスのインヒビターである。
表1は図28に示される遺伝子産物に関して、Genbank受託番号を含むさらなる情報を示す。
Figure 2006514096
実施例56
siRNAは、Gsk3αまたはGSK3βの発現を特異的に阻害し、それによりTRAIL誘導アポトーシスに対するいずれかの遺伝子産物の作用が判定できることが確認された。図29に示すように、Gsk3αの阻害は対照に比べ細胞のカスパーゼ活性を抑制するが、Gsk3βは抑制しない。従って、Gsk3αはTRAIL誘導アポトーシスのアクチベーターである。同様に、他の2つの遺伝子産物SRP72およびFLJ32312もアポトーシスのアクチベーターであることが確認された。
本明細書で同定された種々の成分の関係を図30に示す。この図はTRAIL誘導アポトーシス経路の種々の成分の関係と作用(例えば、アポトーシスアクチベーターかインヒビターか)を示す。
実施例57
384ウェル形式に並べた510の、siRNAライブラリーターゲッティング遺伝子を、Hela細胞にトランスフェクトした。細胞を48時間インキュベートして標的を崩壊させ、TRAILで処理するか、または処理しなかった。TRAIL処理から20時間後にアラマーブルーを用いて生存率を測定した。対照で得られた60の値の総計と比較するため、各siRNAの感受性率を求めた。TRAILリガンドで処理したHela細胞は、対照ウェルのMTTアッセイにより測定した生存率より約40%の抑制をもたらした。細胞死を有意に阻害または促進したsiRNAが同定された。それぞれ表2および表3参照。
Figure 2006514096
Figure 2006514096
スクリーニングにおいて生存率アッセイにより測定されるように細胞死を促進すると確認されたいくつかのsiRNAを、DR5アゴニスト抗体によるカスパーゼの活性化を増強する能力について試験した。DR5抗体を力価測定して、蛍光性ペプチドDEVD−afcによって測定される、最少量のカスパーゼ活性化を作り出した。nsrna、nsurf、PAK1、stk12、Ask1およびJIKに対するsiRNAをHela細胞にトランスフェクトした後、DR5抗体で処理した。対照siRNA(nsrna)はほとんど作用を示さなかったが、同定されたsiRNAはカスパーゼ活性を有意に増強した。
さらにいくつかの(スクリーニングのものとは異なる)PAK1に対するsiRNAをデザインし、DR5抗体の存在下または不在下で生存率に対するそれらの作用を試験した。siRNAとしては以下のものを含んだ。
siPAK1-0 AGAGCTGCTACAGCATCAA
siPAK1-1 GACAUCCAACAGCCAGAAA
siPAK1-2 GAGAAAGAGCGGCCAGAGA
hPAK1-6 UACCAGCACUAUGAUUGGA
siPAK1-7 UCUGUAUACACACGGUCUG
PAK1−1およびPAK1−2は、24時間と48時間の両時点で、結腸癌腫細胞系統HCT116bax+/−の生存率を著しく抑制した(MTTアッセイ)。
HCT116bax−/−細胞はbaxの両コピーを欠失しており、これによりこれらの細胞は、TRAIL1およびDR5抗体に対するものを含め、化学療法に極めて耐性が高くなる。しかし、PAK1 siRNAは低い生存率で有効性を維持していた。これらと同様の結果が結腸癌腫DLD1細胞でも認められている。
PAK1のサイレンシングまたは阻害が正常細胞に有害であるかどうかを判定するため、本発明者らは初代卵巣上皮細胞系統IOSE80でPAK1 siRNAを試験した。その結果は、PAK1に対するsiRNAが正常細胞の生存率を抑制させないことを示した。よって、PAK1および他の遺伝子産物。
さらに、siPAK1は初代(「正常」)上皮細胞系統HMECの生存率を有意には抑制させず、一方、結腸癌腫細胞系統HCT15ではDR5およびDR4により誘導される生存率の抑制を著しく増強する。
実施例58:UbcH10アンタゴニストと抗DR5抗体の相乗作用
この実施例では、腫瘍細胞でのアポトーシス誘導におけるヒトユビキチンコンジュガーゼUbcH10(UBE2C)アンタゴニストと抗DR5抗体の相乗作用について記載する。UbcH10は、細胞周期の調節に不可欠な役割を果たす。本発明者らは、遺伝子発現と免疫組織化学の総合解析を用い、UbcH10が複数の解剖学的部位、とりわけ乳房、胃/食道、結腸直腸、肺および卵巣の癌腫において有意に過剰発現されることを見出した。このデータは、UbcH10が腫瘍発達において重要な役割を果たしていることを示す。次に、癌治療におけるUbcH10の治療法的可能性を検討した。
UbcH10発現のRNAiを介するサイレンシングによる細胞増殖の抑制:
本発明者らはまず、高レベルUbcH10を有する腫瘍細胞における遺伝子サイレンシングの結果を検討し、3つの異なる、非重複の小干渉RNA(siRNA)(UbcH10−495、UbcH10−378、UbcH10−412)の配列をデザインした。各siRNAをまず2つの細胞系統、T3M4(膵臓癌由来)およびDLD−1(結腸直腸癌由来)で試験した。これら3つのsiRNAは全て、UbcH10を標的とし(対照siRNAはそれらを標的としなかった)、その結果、UbcH10タンパク質の有効な減少が起こり、これはそれらの細胞増殖抑制能に相関していた。これらのデータは、UbcH10 siRNAの特異性を強調し、これらの結果が「オフ−ターゲット」作用によるものではないことを示す。UbcH10−APC複合体はサイクリンB1の分解を制御することから、本発明者らはまた、UbcH10サイレンシング後のウエスタンブロット解析により、サイクリンB1のレベルを調べた。本発明者らの結果は、siUbcH10で処理した細胞のUbcH10タンパク質レベルとサイクリンB1レベルの間に逆相関があることを明らかにした。さらに、siUbcH10処理後の細胞周期分析では、M期での休止が示され(データは示されていない)、これは当技術分野の開示に一致するものである。顕微鏡観察では、UbcH10の下方制御は、細胞の球形化、解離、核凝集、またはアポトーシス小体の形成など、アポトーシスの指標となる細胞形態の変化は誘導しなかった。さらにまた、ウエスタンブロット解析および蛍光カスパーゼ活性アッセイによって測定したところ、siUbcH10処理により、2つの実行カスパーゼ、カスパーゼ3および−7(14)のタンパク質分解プロセシングはもたらされなかった。
UbcH10の下方制御は標準的な化学療法薬の作用に付加する:
UbcH10は大部分の正常組織に比べ、ヒト癌で高く過剰発現する。UbcH10の下方制御の治療法的可能性を判定するため、本発明者らはいくつかの既知化学療法薬および分子的にターゲッティングされる薬剤を、UbcH10サイレンシング後の腫瘍特異的作用の可能性に関して検討した。これらの研究のため、微小管安定化剤パクリタキセル、紡錘体インヒビター・ビンブラスチン、DNAアルキル化剤・マイトマイシンc、およびDR5/TRAILを介するアポトーシスを誘発し得る機能的アゴニスト抗体を用いて、種々の作用機構を有する薬剤の範囲を網羅した。2つの膵臓癌細胞系統T3M4およびPanc−1、ならびにアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞系統CWR−RV1を、siUbcH10で48時間処理した後、ビンブラスチン、パクリタキセル、マイトマイシンc、および抗DR5と共にさらに24時間インキュベートした。これらの結果は、UbcH10サイレンシング後の有糸分裂毒およびDNA傷害薬の同時処理が、本発明者らが試験したいくつかの腫瘍細胞系統で細胞生存率に付加的抑制をもたらしたことを示す(図31)。最初に癌細胞をsiUbcH10で48時間処理すると、生存細胞の量が50%減ったが、これはさらに24時間細胞傷害薬を添加することでさらに抑制した。UbcH10によりサイレンシングされた細胞の数に関して正規化すると、IC90またはIC50濃度は同一となり、これは相加的作用であることを示す。UbcH10を標的とする3つの独立したsiRNAは全て、T3M4細胞およびPanc−1細胞においてTRAILと同様の作用を示した。これらのデータはトリプリケートの平均値であり、4回の独立した実験でも同様の結果が得られた。
UbcH10の下方制御は、細胞をTRAIL/DR5媒介細胞死感受性とする:
ヒト初代繊維芽細胞(BJ)、ヒト乳腺上皮細胞(HMEC)、およびT3M4細胞をsiUbcH10(siUbcH10−495)で48時間、次いでアゴニスト抗DR5抗体(500ng/ml)でさらに6時間、連続的に処理した。蛍光(FITC)標識した対照siRNAを用いて、BJ細胞およびHMEC細胞を含む全ての細胞系統について同等のトランスフェクション効率を確保した。細胞を顕微鏡により分析した。結果を図31および32に示す。これらの図に示されているように、T3M4細胞およびPanc−1細胞をsiUbcH10で前処理した場合、siRNAまたは抗DR5単独処理に比べ、抗DR5抗体によって誘導されるアポトーシスが有意に増加したが、TRAIL非感受性であるCWR−RV1細胞では無視できるような作用しかなかった(図31)。これらのデータは、癌細胞系統、とりわけT3M4を抗DR5抗体と共にインキュベートした後、siUbcH10処理を行うと、劇的に高いアポトーシスが起こったことを示す。これはヒト初代皮膚繊維芽細胞(BJ)または乳腺上皮細胞(HMEC)では見られなかった(図31および32)。この知見は、他のTRAIL耐性腫瘍細胞系統ならびに正常細胞がUbcH10の下方制御によりTRAIL感受性とはならなかったことから、一般的な現象を反映しているものと思われる。
実施例59
Bax欠損腫瘍細胞に対する抗DR4または抗DR5アゴニストおよびプロテアソームインヒビターの相乗作用
DNA修復系における欠損(ミスマッチ修復(MMR))は、複製エラーが修正されないため遺伝的不安定性を招く。この種の遺伝的不安定性は、遺伝性非ポリープ性結腸直腸癌(HNPCC)および散在性結腸癌の一部の悪性進行に重要な事象であり、TGFβRIIおよびBAX遺伝子に含まれるものなど、短い反復配列で特に多い。従って、これらの腫瘍におけるBax欠損は、アポトーシスの自然誘導および化学療法的誘導に対して著しい生存優位性を与える。
図34は、Baxの欠損がTRAILリガンドに対する耐性を付与することを示す。しかし、プロテアソーム阻害はTRAIL感受性を回復させる。ペプチジルに基づくインヒビターMG−132もしくはMG262、または天然化合物ラクタシスチンによるプロテアソーム阻害は、Bax欠損細胞においてTRAIL感受性を完全に回復させる。図34参照。
プロテアソームインヒビターは、ミトコンドリアアポトーシス経路の欠損を迂回する。細胞種に応じ、活性なカスパーゼ8が、下流エフェクターカスパーゼ様カスパーゼ3の活性化を直接もたらし得る(いわゆるI型細胞)。II型細胞(HCT116を含むほとんどの細胞)では、外因性(細胞死受容体)および内因性(ミトコンドリア性)の2つの原型経路が、アポトーシス促進bcl−2ファミリーメンバーBidのカスパーゼ8を介する切断により内部連結され、これによりシトクロムcおよびSMACのミトコンドリアを介する放出が促進される。一度、細胞質中に放出されると、シトクロムcはApaf−1およびプロ−カスパーゼ9と会合して「アポプトソーム(apoptosome)を形成し、これがカスパーゼ9の活性化を促進し、次に、カスパーゼ3などのエフェクターカスパーゼの活性化をもたらす。一方、細胞質SMACは、IAP(アポトーシスのインヒビター)タンパク質ファミリーのメンバーと結合し、それによりカスパーゼ3および−9のIAP阻害を回避する。
これらの事象は、TRAIL処理したBax+/−細胞におけるウエスタンブロット解析によって容易に観測された(SMACおよびシトクロムc放出については示されていない)。図34参照。同様に、TRAIL(T)で処理したBax−/−細胞では、カスパーゼ8プロセシングとBidプロセシングは通常通り起こるが、カスパーゼ9および完全なカスパーゼ3プロセシングおよび成熟は起こらない(レーン2、3および4)。生じるBidのアポトーシス促進フラグメントはこの事象にBacを必要とすることから、Baxが欠損しているとBid切断の下流にある事象が妨げられるので、このことは予測された通りである。TRAIL(T)+mg−262(M)はミトコンドリア経路を完全に回復させ、その結果、カスパーゼ9およびカスパーゼ3プロセシングおよび活性化が起こり、細胞死に至る。MG−262(M)それ自体は、このタンパク質分解カスケードに作用しない。これらおよび他のデータは、プロテアソーム阻害が、ミトコンドリアアポトーシス経路に欠陥を含む腫瘍細胞を、TRAIL受容体アゴニストによって誘導されるアポトーシスに再び感受性とする上で有用であることを示す。
以上、本発明を、理解を明快にする目的で例示および実施例によりある程度詳細に説明してきたが、当業者ならば本発明の教示を鑑みて、添付の特許請求の範囲の精神または範囲を外れることなく一定の変更および改変をなし得ることが容易に分かるであろう。
本明細書に挙げられた刊行物、データベース、Genbank配列、特許、および特許出願は全て、各々が出典明示により本明細書の一部とされることが具体的かつ個々に示されているのと同様に、出典明示により本明細書の一部とされる。
Jurkat細胞におけるTRAIL誘導アポトーシスを示す。 DR5機能的抗体の特異性を示す。 Jurkat細胞に対する3つの異なるDR5抗体アゴニストの作用を示す。 処理したJurkat細胞におけるカスパーゼ3活性を示す。 結腸および黒色腫癌細胞系統に対するDR4/DR5機能的抗体の作用を示す。 乳癌細胞系統に対するDR4/DR5機能的抗体の作用を示す。 正常および腫瘍細胞におけるDR5抗体アゴニストに対する用量応答を示す。 カスパーゼ3活性化に関するDR5抗体アゴニスト「A」を示す。 Colo 205腫瘍体積に対するDR5抗体アゴニストの作用を示す。 COLO205皮下モデルにおける抗DR5用量応答を示す。 インビボにおけるDR5モノクローナル抗体の殺腫瘍活性を示す。 カスパーゼ活性化およびアポトーシスに関する経路を示す。 SMACミメティックの存在下でのA2058細胞における抗DR4または抗DR5誘導アポトーシスを示す。 正常および腫瘍細胞に対するSMACミメティックの作用を示す。 SMACミメティックのPkおよびPD試験を示す。 NFκB経路およびそのプロテアソームとの関連を示す。 プロテアソームインヒビターMG132はDR5抗体誘導アポトーシスを増強するということを示す。 種々のプロテアソームインヒビターを示す。 A2058に対するプロテアソームインヒビターの作用を示す。 肝癌細胞系統に対するプロテアソームインヒビターの作用を示す。 正常乳房細胞に対するプロテアソームインヒビターの作用を示す。 マウス−ヒトキメラDR5抗体の発現を示す。 抗体Aの重鎖および軽鎖可変領域の核酸配列を示す。 抗体Aの重鎖可変領域を示す。 抗体Aの軽鎖可変領域を示す。 細胞に基づくアッセイにおいて、siRNAを導入して特定の遺伝子発現をノックアウトすることでTRAIL誘導アポトーシスを介する遺伝子産物を同定するためのスクリーニング方法を示す。 これも細胞に基づくアッセイにおいて、siRNAを導入して特定の遺伝子発現をノックアウトすることでTRAIL誘導アポトーシスを媒介する遺伝子産物を同定するためのスクリーニング方法を示す。 上記siRNAスクリーニングで同定されるヒットの一覧を示す。「比率」とは、TRAILが不在の場合に対して、TRAILを加えた後の生存細胞(すなわち、非アポトーシス)の比率を示す。低い比率(50未満)は、遺伝子産物がアポトーシスを妨害することを示す。高い比率(50を超える)は、アポトーシスに寄与する遺伝子産物を示す。 Gsk3αおよびGsk3βに関するsiRNAデータを示す。上の図は、siRNAがGsk3αおよびGsk3βに特異的であることを示す。図の下の棒グラフはTRAILの存在下および不在下でsiRNAを導入した後のカスパーゼ活性を示す。 TRAIL誘導アポトーシスの調節ネットワークを示す。特に注目すべきは、mycがアポトーシス促進性であることである。従って、mycを阻害すればTRAIL誘導アポトーシスは阻害され、mycを活性化させればTRAILまたは抗DR4または抗DR5誘導アポトーシスが相乗的に活性化される。 腫瘍細胞の死滅における従来の細胞傷害性抗癌剤に対するsiUbcH10の相加作用を示す。また、この図面は、腫瘍細胞をsiUbcH10で前処理すると、抗DR5抗体によって誘導されるアポトーシスが有意に増加したことを示す。 UbcH10をsiUbcH10で下方制御すると、腫瘍細胞がTRAIL/DR5により介される殺細胞に感受性となることを示す。 HCT116細胞またはそのBax−の、26SプロテアソームインヒビターMG−132、MG−262、またはラクタシスチン(LC)と組み合わせたTRAILリガンドへの感受性化を示す。 種々のミトコンドリアアポトーシス経路タンパク質の発現に対するプロテアソームインヒビターMG−262の作用を示す。 抗体Aの重鎖および軽鎖可変領域の第2の配列を示す。

Claims (64)

  1. 癌細胞においてアポトーシスを誘導する方法であって、細胞を
    i.抗DR4または抗DR5親和性薬剤アゴニスト;および
    ii.アポトーシス誘導薬剤
    と接触させることを含む、方法。
  2. 前記アゴニストが抗DR5抗体である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記抗DR5抗体が、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体の結合特異性を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記抗DR5抗体が、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記抗DR5抗体が抗体Aである、請求項2に記載の方法。
  6. 前記アゴニストが抗DR4抗体である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記細胞を抗DR4抗体アゴニストおよび抗DR5抗体アゴニストと接触させる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記アゴニストがヒト化抗体である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記アゴニストが単鎖抗体である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記薬剤がBCL−2の発現を阻止または抑制する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記薬剤がNFκBの活性化を阻止する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記薬剤がIκBの分解を阻止する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記薬剤がプロテアソームインヒビターである、請求項1に記載の方法。
  14. 前記プロテアソームインヒビターが、PS−341、MG−262およびMG−132からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記薬剤が、アポトーシス阻害タンパク質(IAP)のインヒビターである、請求項1に記載の方法。
  16. 前記インヒビターがSMACまたはSMACミメティックである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記癌細胞が結腸癌細胞または膵臓癌細胞である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記薬剤がPAK1のアンタゴニストである、請求項1に記載の方法。
  19. 前記薬剤が、nsurfおよびJIKからなる群から選択されるポリペプチドのアンタゴニストである、請求項1に記載の方法。
  20. 前記薬剤がsiRNAである、請求項1に記載の方法。
  21. アポトーシスを必要とする個体の癌細胞においてそれを誘導する方法であって、その個体に治療上有効な量の
    i.抗DR4または抗DR5親和性薬剤アゴニスト;および
    ii.アポトーシス誘導薬剤
    を投与することを含む、方法。
  22. 前記アゴニストおよび薬剤を別個に投与する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記アゴニストおよび薬剤を混合物として投与する、請求項21に記載の方法。
  24. 前記アゴニストが抗DR5抗体である、請求項21に記載の方法。
  25. 前記抗DR5抗体が、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体の結合特異性を有する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記抗DR5抗体が、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記抗DR5抗体が抗体Aである、請求項25に記載の方法。
  28. 前記アゴニストが抗DR4抗体である、請求項21に記載の方法。
  29. 前記細胞が、抗DR4抗体アゴニストおよび抗DR5抗体アゴニストと接触される、請求項21に記載の方法。
  30. 前記アゴニストがヒト化抗体である、請求項21に記載の方法。
  31. 前記アゴニストが単鎖抗体である、請求項21に記載の方法。
  32. 前記薬剤が、BCL−2またはUbcH10の発現を阻止または抑制する、請求項21に記載の方法。
  33. 前記薬剤がNFκBの活性化を阻止する、請求項32に記載の方法。
  34. 前記薬剤がIκBの分解を阻止する、請求項33に記載の方法。
  35. 前記薬剤がプロテアソームインヒビターである、請求項21に記載の方法。
  36. プロテアソームインヒビターが、PS−341、MG−262およびMG−132からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
  37. 前記薬剤が、アポトーシス阻害タンパク質(IAP)のインヒビターである、請求項21に記載の方法。
  38. 前記インヒビターがSMACまたはSMACミメティックである、請求項37に記載の方法。
  39. 前記癌細胞が結腸癌細胞または膵臓癌細胞である、請求項21に記載の方法。
  40. 前記薬剤がPAK1のアンタゴニストである、請求項21に記載の方法。
  41. 前記薬剤が、UbcH10、nsurfおよびJIKからなる群から選択されるポリペプチドのアンタゴニストである、請求項21に記載の方法。
  42. 前記薬剤がsiRNAである、請求項21に記載の方法。
  43. 治療上有効な量の
    i.抗DR4または抗DR5親和性薬剤アゴニスト;および
    ii.アポトーシス誘導薬剤
    を含む生理学的組成物。
  44. 前記アゴニストが抗DR5抗体である、請求項43に記載の生理学的組成物。
  45. 前記抗DR5抗体が、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体の結合特異性を有する、請求項44に記載の生理学的組成物。
  46. 前記抗DR5抗体が、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む、請求項45に記載の生理学的組成物。
  47. 前記抗DR5抗体が抗体Aである、請求項46に記載の生理学的組成物。
  48. 前記アゴニストが抗DR4抗体である、請求項43に記載の生理学的組成物。
  49. 前記細胞を、抗DR4抗体アゴニストおよび抗DR5抗体アゴニストと接触させる、請求項43に記載の生理学的組成物。
  50. 前記アゴニストがヒト化抗体である、請求項43に記載の生理学的組成物。
  51. 前記アゴニストが単鎖抗体である、請求項43に記載の生理学的組成物。
  52. 前記薬剤が、BCL−2の発現またはUbcH10の発現を阻止または抑制する、請求項43に記載の生理学的組成物。
  53. 前記薬剤がNFκBの活性化を阻止する、請求項52に記載の生理学的組成物。
  54. 前記薬剤がIκBの分解を阻止する、請求項53に記載の生理学的組成物。
  55. 前記薬剤がプロテアソームインヒビターである、請求項43に記載の生理学的組成物。
  56. 前記薬剤が、アポトーシス阻害タンパク質(IAP)のインヒビターである、請求項43に記載の生理学的組成物。
  57. 前記インヒビターが、SMACまたはSMACミメティックである、請求項56に記載の生理学的組成物。
  58. 前記薬剤がPAK1のアンタゴニストである、請求項43に記載の生理学的組成物。
  59. 前記薬剤が、UbcH10、nsurfおよびJIKからなる群から選択されるポリペプチドのアンタゴニストである、請求項43に記載の生理学的組成物。
  60. 前記薬剤がsiRNAである、請求項43に記載の生理学的組成物。
  61. 図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体の結合特異性を有する、親和性薬剤。
  62. 図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と、図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体である、請求項62に記載の親和性薬剤。
  63. 請求項62に記載の抗体を発現する細胞。
  64. 癌細胞においてアポトーシスを誘導する方法であって、細胞を、図24または図35で示される配列を含む重鎖可変領域と図25または図35で示される軽鎖可変領域を含む抗体の結合特異性を有する親和性薬剤と接触させることを含む、方法。



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