JP2006513942A - エレベータ - Google Patents

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Abstract

1本のロープまたは数本の平行なロープからなる巻上ロープによってエレベータカーが懸垂され、この巻上ロープによってエレベータカーを動かすトラクションシーブを有するエレベータに関するものである。このエレベータは、エレベータカーから上方および下方に走行する巻上ロープのロープ部分を有し、このエレベータカーから上方に走行するロープ部分は、第1のロープ張力(T1)の作用を受け、第1のロープ張力(T1)は、エレベータカーから下方に走行するロープ部分のロープ張力である第2のロープ張力(T2)よりも大きく、このエレベータは、第1および第2のロープ張力間の比率(T1/T2)を実質的に一定に保つための補償システムを備える。

Description

詳細な説明
本発明は、請求項1の前段に記載のエレベータ、請求項10の前段に記載の方法、および請求項11による本発明の使用に関するものである。
エレベータ開発作業の目的の1つは、建造物スペースの効率的かつ経済的な利用を実現することである。近年、この開発作業によって、とりわけ、機械室がない種々のエレベータ方式が作り出された。機械室なしエレベータの好適な例は、欧州特許出願公開第EP0631967(A1)号および欧州特許出願公開第EP0631968号の明細書に開示されている。これらの明細書に記載されたエレベータは、スペース利用に関しては相当に効率的である。それは、エレベータシャフトを大型にする必要なく、建造物内のエレベータ機械室が必要とするスペースを除去することを可能としている。これらの明細書に開示されたエレベータでは、機械は少なくとも一方向においてコンパクトであるが、他の方向では、従来のエレベータ機械よりも相当に大きい寸法を有することがあり得る。
これらの基本的に良好なエレベータ方式では、巻上機に必要なスペースによって、エレベータのレイアウト方式における選択の自由が制限される。巻上ロープの通過に必要な配置のためにスペースが必要とされる。エレベータカー自身によって必要とされる、その経路上のスペース、ならびにカウンタウェイトによって必要とされるスペースを、少なくとも妥当なコストで、かつエレベータの性能および作動の品質を低下させずに削減することは困難である。機械室なしトラクションシーブエレベータにおいて、巻上機をエレベータシャフト内に取り付けることは、とくに、巻上機を上方に備えた方式において、困難であることが多い。これは、巻上機が、相当に大きな重量および寸法を有するためである。とくに、負荷、速度、および/または巻上高さが大きい場合、巻上機のサイズおよび重量は、設置上問題になる。そのため、必要な巻上機のサイズおよび重量は、機械室なしエレベータの構想の適用範囲を実際に制限するか、または、その構想の大型のエレベータへの導入を少なくとも遅らせている。エレベータの近代化において、エレベータシャフト内の利用可能なスペースは、機械室なしエレベータの構想の適用分野を制限することが多い。多くの場合、とくに油圧式エレベータを近代化し、または置き換えるときに、機械室なしロープ式エレベータの構想を適用することは、シャフト内のスペースが不十分であるため、とくに、近代化する/置き換えるべき油圧式エレベータ方式にカウンタウェイトがない場合には、実用的ではない。カウンタウェイトを備えたエレベータの欠点は、カウンタウェイトのコストと、カウンタウェイトがシャフト内で必要とするスペースである。ドラム式エレベータは、最近ではほとんど用いられないが、重くて複雑で消費電力が大きい巻上機が必要であるという欠点がある。従来技術のカウンタウェイトなしエレベータ方式は珍しく、適切な方式も見出されていない。従来は、カウンタウェイトなしエレベータを作ることは、技術的にも経済的にも合理的ではなかった。このタイプの方式の1つが、国際公開第WO9806655号の明細書に開示されている。最近のカウンタウェイトなしエレベータ方式では、実行可能な方式が示されている。従来技術のカウンタウェイトなしエレベータ方式では、巻上ロープのテンションを、重量またはバネを用いて実現している。これは、巻上ロープのテンションを実現する上では、好ましいアプローチではない。たとえば高い懸垂比率により巻上高さを高くしまたはロープ長を長くすることが要求されるために、長いロープを用いる場合、カウンタウェイトなしエレベータ方式の他の問題は、ロープの伸びを補償することと、ロープの伸びのために、トラクションシーブと巻上ロープとの間の摩擦がエレベータの作動にとって不十分となることである。
本発明の目的は、次の目的のうち少なくとも1つを達成することにある。一方で、本発明の目的は、建造物およびエレベータシャフト内で従来よりも有効なスペース利用ができるように、機械室がないエレベータを開発することにある。これは、必要ならば、エレベータを相当に狭いエレベータシャフト内に設置できなければならないことを意味している。目的の1つは、トラクションシーブに対して良好な把持力/接触を巻上ロープが有しているエレベータを実現することである。さらに本発明の目的は、エレベータの特性を損なうことなく、カウンタウェイトなしエレベータ方式を実現することである。さらなる目的は、ロープの伸びをなくすことである。
本発明の目的は、基本的なエレベータのレイアウトを変える可能性を損なうことなく実現されなければならない。
本発明のエレベータは、請求項1の特徴部に開示されていることにより特徴付けられる。本発明の方法は、請求項10の特徴部に開示されていることにより特徴付けられる。本発明による使用は、請求項11に開示されていることにより特徴付けられる。本発明の他の実施例は、他の請求項に開示されていることにより特徴付けられる。本発明の実施例のいくつかは、本願の説明部分でも示されている。本願の発明の内容は、上記の請求項に規定されているものとは、別の形で規定することも可能である。とくに本発明を、表現もしくは暗黙のサブタスクの観点から、または達成される利点もしくは利点のカテゴリの観点から考慮した場合、本発明の内容は、複数の別個の発明からなっていてもよい。この場合、上記の請求項に含まれる属性のいくつかは、別々の発明の概念からみて、不必要であるかもしれない。
本発明の適用によって、とりわけ、以下の利点のうちの1つ以上を達成することができる。
− 小型のトラクションシーブを用いることによって、非常にコンパクトなエレベータおよび/またはエレベータ巻上機を実現する。
− とりわけダブルラップローピング方式を用いることにより、達成される良好なトラクションシーブ把持力および軽量部材によって、エレベータカーの重量を相当に軽量化することができる。
− 巻上機のサイズをコンパクトにし、細くて実質的に丸打ちのロープにより、エレベータ巻上機をシャフト内に比較的自由に配置することができる。したがって、本発明のエレベータ方式は、巻上機が上方にあるエレベータおよび下方にあるエレベータの両方の場合において、かなり多種多様な方法で実現することができる。
− エレベータ巻上機は、エレベータカーとシャフト壁との間に有利に配置することができる。
− エレベータカーの重量のすべてまたは少なくとも一部を、エレベータガイドレールによって運ぶことができる。
− 本発明の適用によって、エレベータシャフトの断面積を有効利用することができる。
− 軽量で細いロープは、取り扱いが容易で、相当容易でかつ速く設置することができる。
− たとえば、公称上の負荷が1000kg未満のエレベータにおいては、本発明で用いることが好ましい細くて強い鋼鉄ワイヤロープは、直径がわずか3〜5mm程度であるが、より細いロープや太いロープを使用してもよい。
− ロープ直径が約6mmまたは8mmの場合には、本発明によるかなり大型で速いエレベータを実現することができる。
− コーティングされたロープも、未コーティングのロープも用いることができる。
− 小さいトラクションシーブを用いることによって、より小さいエレベータ駆動モータを使用することができ、これは、駆動モータの入手/製造コストが低減することを意味する。
− 本発明は、ギアレス式およびギア式のエレベータモータ方式において、適用することができる。
− 本発明は、主に機械室なしエレベータでの使用を意図したものであるが、機械室があるエレベータで適用することもできる。
− 本発明では、巻上ロープとトラクションシーブとの間の良好な把持力および良好な接触が、それらの間の接触角を増大させることによって達成される。
− 把持力が増大するので、エレベータカーのサイズおよび重量を小さくすることができる。
− カウンタウェイトに必要なスペースを少なくとも部分的に削除できるので、本発明のエレベータのスペース節約の可能性が増大する。
− エレベータシステムが軽量で小さいので、エネルギー節約とともにコスト節約も達成される。
− カウンタウェイトおよびカウンタウェイトのガイドレールに必要なスペースを他の目的に使用できるので、シャフト内での巻上機の配置を比較的自由に選択することができる。
− 少なくともエレベータ巻上機、トラクションシーブおよび転向プーリとして機能するロープシーブを、本発明のエレベータの一部として取り付けられる既製のユニット内に設置することによって、設置する時間およびコストにおいてかなりの節約が達成される。
− 本発明のエレベータ方式では、シャフト内のすべてのロープをエレベータカーの一方の側に配置することができ、たとえば、リュックサック型方式の場合には、エレベータカーとエレベータシャフトの後壁との間のスペース中であってエレベータカーの背後を進むようにロープを配置することができる。
− 本発明によって、展望用エレベータ方式を実現することも容易にできる。
− 本発明のエレベータ方式は、必ずしもカウンタウェイトを備えているわけではないため、エレベータカーが複数の壁に、極端な場合にはエレベータカーのすべての壁にドアを有しているエレベータ方式を実現することができる。この場合には、エレベータカーのガイドレールは、エレベータカーの角に配置される。
− 本発明のエレベータ方式は、さまざまな巻上機方式で実施することができる。
− エレベータカーの懸垂は、ほとんどすべての適応懸垂比を用いて実施することができる。
− 本発明によれば、補償システムを用いたロープ伸び補償は、安価で簡単な構造のもので実現できる。
− レバーを用いたロープ伸び補償は、安価で軽量の構造である。
− 本発明のロープ伸び補償方式を用いることによって、トラクションシーブに作用する張力T1/T2間の所定の比率を達成することができる。
− トラクションシーブに作用する張力T1/T2間の比率は、負荷とは無関係である。
− 本発明のロープ伸び補償システムを用いることによって、巻上機およびロープにおける不要な圧力を回避することができる。
− 本発明のロープ伸び補償方式を用いることによって、張力T1/T2間の関係を最適化して、所望の値を達成することができる。
− ロープ伸びを補償するための本発明の方式は、安全な方式であり、トラクションシーブと巻上ロープとの間で要する摩擦/接触をあらゆる状況において保証することができる。
− また、本発明のロープ伸び補償方式では、トラクションシーブと巻上ロープとの間の摩擦を保証するために必要以上に大きい負荷をかけて巻上ロープに圧力を加える必要がなく、そのため、巻上ロープの耐用年数が伸び、破損しにくくなる。
− 直径が異なる補償シーブによりロープ伸びを補償する本発明の装置を用いてロープ伸びを補償する場合、本方式を用いることで、使用するプーリの直径次第で、非常に大きなロープ伸びさえ補償することができる。
− 使用する補償装置が差動ギアである本発明によるロープ伸び補償方式を用いることによって、とくに巻上高が高い場合に、大きなロープ伸びさえ補償することが可能である。
本発明の主な適用分野は、人および/または貨物の搬送用のエレベータである。本発明の典型的な適用分野は、約1.0m/s以下の速度範囲のエレベータであるが、それより高速でもよい。走行速度がたとえば0.6m/sのエレベータは、本発明により容易に実現される。
乗客および貨物の両方のエレベータにおいて、本発明により達成される利点の多くが、わずか2〜4人用のエレベータであっても明らかに発揮され、6〜8人(500〜630 kg)用のエレベータであれば著しく発揮される。
本発明のエレベータでは、通常のエレベータの巻上ロープ、たとえば一般的に用いられる鋼鉄ロープを適用することができる。本エレベータでは、合成材料製ロープ、および荷重支持部分が人工的な繊維で作られたロープ、たとえば最近エレベータに使用することが提案された「アラミドロープ」を使用してもよい。適用可能な方式には、鋼鉄で補強されたフラットロープも含まれるが、それは、とくに、偏向半径を小さくすることができるからである。本発明のエレベータにおいてとくに十分に適用可能なものは、たとえば丸くて強いワイヤを撚ったエレベータの巻上げロープである。丸いワイヤからは、同一もしくは異なる太さのワイヤを用いて、多くの方法でロープを撚ることが可能である。本発明で申し分なく適用できるロープにおいて、ワイヤ太さは、平均で0.4mm未満である。申し分なく適用できるロープであって強いワイヤから作られたものは、平均のワイヤ太さが0.3mm未満または時には0.2mm未満である。たとえば、細いワイヤからなる強い4mmのロープは、ワイヤから比較的に経済的に撚り線加工により製造でき、完成したロープの平均のワイヤ太さは、0.15〜0.25mmの範囲であり、最も細いワイヤの太さは、わずか約0.1mmの細さでよい。細いロープワイヤは、容易に非常に強くすることができる。本発明においては、強度が2000N/mm2よりも大きいロープワイヤを使用できる。ロープワイヤ強度の適切な範囲は、2300〜2700N/mm2である。原則として、約3000N/mm2までの強度のロープワイヤを使用してよいが、それ以上の強度値としてもよい。
本発明のエレベータでは、エレベータカーは、1本のロープまたは数本の平行なロープからなる巻上ロープによって懸垂される。このエレベータは、巻上ロープによってエレベータカーを動かすトラクションシーブを有し、エレベータカーから上方および下方に走行する巻上ロープのロープ部分も有する。エレベータカーから上方向に走行するロープ部分は、第1のロープ張力(T1)の作用を受け、第1のロープ張力(T1)は、エレベータカーから下方向に走行するロープ部分のロープ張力である第2のロープ張力(T2)よりも大きい。また、エレベータは、第1のロープ張力と第2のロープ張力との間の比率(T1/T2)を実質的に一定に保つ補償システムを備える。
本発明のエレベータの設置方法において、エレベータカーは、エレベータカーを巻き上げるエレベータ用綱索類に接続され、この綱索類は、1本のロープまたは数本の平行なロープからなり、エレベータカーから上方および下方に走行するロープ部分を含み、エレベータ用綱索類には、上方および下方方向に作用するロープ張力間の比率(T1/T2)を実質的に一定に維持するための補償システムが設けられている。
転向プーリとして機能するロープシーブを用いて接触角を増大させることにより、トラクションシーブと巻上ロープとの間の把持力を増大させることができる。こうすることで、エレベータカーをより軽量化し、そのサイズを小さくすることができる。その結果、エレベータのスペース節約の可能性を増やすことができる。1つ以上の転向プーリを用いることでトラクションシーブと巻上ロープとの間の180°を超える接触角が得られる。ロープ伸びを補償する必要性は、摩擦条件に起因して、エレベータの運転性および安全性のための十分な把持力が、巻上ロープとトラクションシーブとの間に存在することを保証する。他方、カウンタウェイトなしエレベータ方式におけるエレベータカー下方のロープ部分を、十分に張った状態にしておくことは、エレベータ運転性および安全性に関して不可欠なことである。これは、バネまたは簡単なレバーを用いては必ずしも実現することができない。
次に、本発明を、いくつかの実施例により、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明によるエレベータの構造を概略的に示している。エレベータは、好ましくは、機械室がなく、エレベータシャフト内に配置された駆動機械4を有するエレベータである。図示したエレベータは、カウンタウェイトがなく、機械が上部にあるトラクションシーブエレベータである。エレベータの巻上ロープ3の通路は、次の通りである。ロープの一端は、エレベータカー1に固定されたレバー15上で、固定点16に動かないように固定されている。この固定点は、レバーをエレベータカー1に接続する回動点17から距離aだけ離れている。したがって、図1において、レバー15は、固定点17でエレベータカー1上を回動する。固定点16から、巻上ロープ3は上方に走行し、エレベータカー1上方のエレベータシャフトの上部部分に配置された転向プーリ14に達する。この転向プーリから、ロープはさらに下方に走行し、エレベータカー上の転向プーリ13に達する。この転向プーリ13から、ロープは再び上方に走行し、エレベータカー上方のシャフトの上部部分に取り付けられた転向プーリ12に達する。転向プーリ12から、ロープはさらに下方に走行し、エレベータカー上に設置される転向プーリ11に達する。このプーリを通過した後、ロープは再び上方に走行し、シャフトの上部部分に取り付けられた転向プーリ10に達する。このプーリを通過した後、ロープは再び下方に走行し、エレベータカーに取り付けられた転向プーリ9に達する。この転向プーリ9に巻きつけられた後、巻上ロープ3はさらに上方に走行し、エレベータシャフトの上部部分に配置された駆動機械4のトラクションシーブ5に達し、その前には、ロープと「接線方向の」接触だけで転向プーリ7を通過している。これは、トラクションシーブ5からエレベータカー1まで走行するロープ3は、転向プーリ7のロープ溝を通過するが、転向プーリ7によって生じるロープ3の歪みは非常に小さいことを意味する。これは、トラクションシーブ5から来るロープ3は、転向プーリ7に接線方向で接触するだけであると言える。このような接線方向での接触は、送り出されるロープの振動を減衰させる方式として機能し、他のローピング方式にも適用することができる。ロープは、巻上機4のトラクションシーブ5を、トラクションシーブ5のロープ溝に沿って通過する。トラクションシーブ5から、ロープ3はさらに下方に走行して転向プーリ7に達し、転向プーリ7をそのロープ溝に沿って通過した後、トラクションシーブ5まで戻り、トラクションシーブ5を越えるようにそのロープ溝に沿って通過する。トラクションシーブ5から、巻上ロープ3はさらに下方に走行し、転向プーリ7と接戦方向で接触して、ガイドレール2に沿って動くエレベータカー1を通過し、エレベータシャフトの下部部分に配置された転向プーリ8に達し、転向プーリ8をそのロープ溝に沿って通過する。エレベータシャフトの下部部分にある転向プーリ8から、ロープは上方に走行し、エレベータカー上の転向プーリ18に達する。転向プーリ18から、ロープ3はさらに走行してエレベータシャフトの下部部分にある転向プーリ19に達する。ロープ3はさらに後退して、エレベータカー上の転向プーリ20に達する。転向プーリ20から、ロープ3はさらに下方に走行してシャフトの下部部分にある転向プーリ21に達する。転向プーリ21から、ロープはさらに走行してエレベータカー上の転向プーリ22に達する。転向プーリ22から、ロープ3はさらに走行してエレベータシャフトの下部部分にある転向プーリ23に達する。転向プーリ23から、ロープ3はさらに走行して、回動点17においてエレベータカー1に回動可能に固定されたレバー15に達する。ロープ3の一端は、回動点17から距離bだけ離れた点24でレバー15に動かないように固定されている。図1における実施例の場合、巻上機および転向プーリはすべて、エレベータカーの一つの同じ側に設置されることが好ましい。この方式は、とくにリュックサック型エレベータの場合に有効であり、この場合、上記の構成部品は、エレベータカーの背後であって、エレベータカーの後壁とシャフトの後壁との間のスペースに配置される。巻上機および転向プーリは、他の適切な方法で、エレベータシャフト内に配置してもよい。トラクションシーブ5と転向プーリ7との間のローピング配置は、ダブルラップローピングと呼ばれ、巻上ロープが、トラクションシーブに2回および/またはそれ以上、巻きつけられる。このようにして、2段階および/またはそれ以上にわたって接触角を増大させることができる。たとえば、図1に示した実施例において、180°+180°、すなわち360°の接触角が、トラクションシーブ5と巻上げロープ3との間で達成される。図示したダブルラップローピングは、他の方法で配置されてもよい。たとえば、転向プーリ7をトラクションシーブ5の側面に配することによって行ってもよく、この場合、巻上ロープがトラクションシーブを2回通過するので、180°+90°=270°の接触角が達成され、または、トラクションシーブを何か他の適切な位置に配置することによって行ってもよい。好ましい方式は、転向プーリ7が巻上ロープ3のガイドとしておよび減衰プーリとしても機能するように、トラクションシーブ5および転向プーリ7を配置することである。他の有利な方式は、トラクションシーブを有するエレベータ駆動機械と、軸受け付きの1つ以上の転向プーリとの両方を備える既製のユニットをトラクションシーブに対して正確な動作角度で構築することである。この動作角度は、トラクションシーブと転向プーリとの間で用いるローピングによって決まり、トラクションシーブと転向プーリとの間の相互に関係する相対的な位置および角度をユニットで合わせる方法を定める。このユニットは、駆動機械の場合と同様に、単一の集合体として所定の位置に載置することができる。好ましくは、駆動機械4は、たとえばエレベータカーのガイドレールに固定してもよい。シャフトの上部部分にある転向プーリ7、10、12および14は、シャフトの上部部分にあるビームに設置されて、エレベータカーのガイドレール2に固定される。好ましくは、エレベータカー上の転向プーリ9、11、13、18、20および22は、エレベータカーの上部および下部部分に配置されるビーム上に設置されるが、他の方法で、たとえばすべての転向プーリを同一のビームに設置することにより、エレベータカーに取り付けてもよい。好ましくは、シャフトの下部部分にある転向プーリ8、19、21および23は、シャフト床に設置する。図1では、トラクションシーブは、転向プーリ8と9との間のロープ部分に係合しているが、これは本発明による好適な方式である。本発明の好適な方式では、少なくとも1つの転向プーリであってその縁から巻上ロープが転向プーリの両側から上方に走行するものと、少なくとも1つの転向プーリであってその縁から巻上ロープが転向プーリの両側から下方に走行するものとによって、エレベータカー1が巻上ロープ3に接続している。このエレベータでは、トラクションシーブ5は、これらの転向プーリ間の巻上ロープ3部分に係合している。またトラクションシーブ5と転向プーリ7との間のローピングは、ダブルラップローピングの代わりに他の方法で、たとえばシングルラップローピングを用いることによって、実施することができる。この場合、転向プーリ7は必ずしも必要ではなく、ESWローピング(拡張シングル・ラップ)、XWローピング(Xラップ)、またはその他の適切なローピング方式でも実施できる。
エレベータシャフト内に配置された駆動機械4は、好ましくは平坦な構造である。換言すれば、同機械は、その幅および/または高さに比べて厚み寸法が小さく、あるいは、少なくとも同機械は、エレベータカーとエレベータシャフトの壁との間に収容できるほど十分にスリムである。また、同機械は、その他の方法で設置してもよく、たとえば、スリムな機械をエレベータカーの仮想延長線とシャフト壁との間に部分的にまたは完全に配置してもよい。本発明のエレベータでは、予定のスペースに適合する駆動機械4であって、ほとんどのどのような型や設計のものでも用いることができる。たとえば、ギヤ式やギヤレス式の機械も使用できる。機械は、コンパクトおよび/または平坦なサイズでもよい。本発明による懸垂方式では、ロープの速度は、エレベータの速度に比べて速いことが多く、基本的な機械方式として単純な機械のタイプのものでも用いることができる。エレベータシャフトには、有利には、トラクションシーブ5を駆動するモータへの電力供給に必要な機器だけでなく、エレベータ制御に必要な機器も備えられ、これらは両方とも、共通の計器パネル6に配置してよく、あるいは互いに別々に設置してもよく、あるいは部分的もしくは全体的に駆動機械4に一体化されてもよい。好ましい方式は、永久磁石モータを含むギヤレス式の機械である。駆動機械は、エレベータシャフトの壁、天井、ガイドレールまたはビームやフレームなどのその他の構体に固定してもよい。エレベータが機械を下方に有する場合、さらに、エレベータシャフトの底部に機械を設置することができる。図1は好適な懸垂方式を示しており、ここでは、エレベータカー上部の転向プーリおよびエレベータカー下部の転向プーリの懸垂比は、どちらの場合も7:1である。実際にこの比率を具体化すると、それは巻上ロープの走行距離とエレベータカーの走行距離との比率を意味する。エレベータカー1の上部の懸垂装置は、転向プーリ14、13、12、11、10および9で構成され、エレベータカー1の下部の懸垂機構は、転向プーリ23、22、21、20、19、18および8で構成される。また、その他の懸垂方式を使用して本発明を構成してもよい。また、本発明のエレベータは、機械室を有する方式として実施されてもよく、または本機械がエレベータと連動するように搭載されてもよい。本発明では、エレベータカーに接続された転向プーリは、好ましくは1本の同一のビームに設置するとよい。このビームは、エレベータカーの上部、側面もしくは下部、カーフレーム、またはその他カー構体における適切な位置に取り付けてもよい。また、転向プーリも、それぞれ、エレベータカーおよびシャフト内の適切な位置に別々に取り付けてよい。エレベータシャフト内のエレベータカー上方、好ましくはエレベータシャフト上部に位置する転向プーリ、および/またはエレベータシャフト内のエレベータカー下方、好ましくはエレベータシャフト下部に位置する転向プーリは、たとえばビームなどの共通の支持部に取り付けてもよい。
図1における、位置17を基点にエレベータカー上を回動するレバー15の機能は、巻上ロープ3で起こるロープ伸長を解消することである。他方、エレベータの運転性および安全性にとって、下方ロープ部分、すなわちエレベータカー下部の巻上ロープ部分で十分な張力を維持することが、非常に重要である。本発明によるレバー装置15を用いることで、従来技術におけるバネや重りを使うことなく巻上ロープのテンションおよびロープ伸長の補償を達成することができる。また、本発明のレバー装置15を用いることで、トラクションシーブ5に対しそれぞれ異なる方向に作用するロープ張力T1およびT2間の比率T1/T2を所望の定数値、たとえば2に保つことができるような方法で、ロープのテンションを実行することが可能である。また、ロープ張力に関連して、ロープのテンションについても述べておくべきあろう。T1/T2=b/aであることから、距離aおよびbを変えることによってこの一定比率を変更することができる。奇数の懸垂比がエレベータカーの懸垂に用いられるとき、レバー15はエレベータカー上を回動し、偶数の懸垂比が用いられるとき、レバー15はエレベータシャフト上を回動する。
図2は、本発明によるエレベータの構造の概略図を示す。本エレベータは、好ましくは機械室のないエレベータであり、エレベータシャフト内に駆動機械204を備えている。図示するエレベータは、機械を上方に有してカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータであり、ガイドレール2に沿って動くエレベータカー201を備えている。図2における巻上ロープ203の通路は、図1における通路とほぼ同じであるが、図2では、レバー215がエレベータシャフト壁の位置217で動かないように回動する点で異なっている。レバー215は、エレベータカーの代わりにエレベータシャフト上で、好ましくはエレベータシャフト壁で回動するので、この場合は、エレベータカー1の上部ロープ部分および下部ロープ部分双方の懸垂比は偶数である。エレベータカー上部の懸垂機構は、巻上機204ならびに転向プーリ209、210、211、212、213および214で構成される。エレベータカー下部の懸垂機構は転向プーリ208、218、219、229、221、222および223で構成される。巻上ロープの一端は、回動点217から距離aだけ離れた位置216においてレバー215に固定され、他端は、回動点217から距離bだけ離れた位置224においてレバー215に固定される。エレベータカー上部および下部のロープ部分は、どちらもエレベータカーの懸垂比が6:1である。
懸垂比が高いために、カウンタウェイトなしエレベータに使用される巻上ロープのロープ長は長くなる。たとえば、カウンタウェイトがなく懸垂比10:1で懸垂されるエレベータでは、同じ10:1の懸垂比がエレベータカーの上下の両方に使用される。このエレベータの巻上高は、25mであり、巻上ロープのロープ長は、約270mである。この場合、ロープの圧力および/または温度の変化に応じて、ロープ長を最大約50cmまで変更してもよい。したがって、ロープ伸長の補償の必要性も増大する。エレベータの運転性および安全性のためには、エレベータカー下部のロープが十分な張力で保持できることが非常に重要である。これをバネや簡易なレバーを用いて常に成し得ることはできない。
図3は、本発明によるエレベータの構造の概略図を示す。本エレベータは、好ましくは機械室のないエレベータであり、エレベータシャフト内に駆動機械304を備えている。図示するエレベータは、機械を上方に有してカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータであり、ガイドレール302に沿って動くエレベータカー301を備えている。図3では、図1および図2で用いたレバー方式を、2つのシーブ状物体、好ましくはシーブ313および315に換える。シーブ313および315は、位置314で相互に連結し、この位置314において、テンションシーブ313および315は、エレベータカー301にしっかりと固定されている。シーブ状物体のうち、エレベータカー下部の巻上ロープ部分と係合するシーブ315は、エレベータ上部の巻上ロープ部分と係合するシーブ313より大きい直径を有する。テンションシーブ313および315間の直径比は、巻上ロープに作用する張力の大きさを決定し、それにより巻上ロープの伸長の補償力も決定する。この方式では、テンションシーブを使用することで、非常に大きなロープの伸長でも補償できるという利点が得られる。テンションシーブの直径サイズを変更することによって、補償すべきロープ伸長の大きさや、トラクションシーブに作用するロープ張力T1およびT2間の比率に作用を及ぼすことができる。この比率は、本装置によって一定にできる。懸垂比が高く、または巻上高が高いために、エレベータに使用されるロープ長は長くなる。エレベータの運転性および安全性のためには、エレベータカー下部の巻上ロープ部分は十分な張力で保持して、補償すべきロープ伸長のを大きくすることが非常に重要である。これは多くの場合、バネや簡易なレバーでは実施することができない。エレベータカー上部および下部の懸垂比が奇数のとき、テンションシーブは、エレベータカーに動かないように取り付けられ、懸垂比が偶数のときは、テンションシーブは、エレベータシャフトまたは他の相当する位置であってエレベータカーに固定して取り付けられていない位置に動かないように取り付けられる。図3および4に示すように、本方式は、テンションシーブを使用することで実施できるが、使用するシーブ状物体の数は変えてもよく、たとえば、直径の異なる巻上ロープ固定点に設けた位置で1つのシーブのみを使用することも可能である。また、2つ以上のテンションシーブを使用して、たとえばテンションシーブの直径を変更するだけでシーブ間の直径比を多様化できるようにすることもできる。
図3では、巻上ロープは次の通りに走行する。巻上ロープの一端は、テンションシーブ313に固定されており、このシーブは、シーブ315に動かないように取り付けられている。この一対のシーブ313および315は、位置314でエレベータカーに堅固に取り付けられている。シーブ313から、巻上ロープ303は、上方走行して、エレベータカー内、好ましくはエレベータシャフトの上部において、エレベータカー上方に設置された転向プーリ312に達し、転向プーリ312に設けられたロープ溝に沿って通過する。これらのロープ溝は、コーティングされてもされなくてもよく、コーティングは、たとえば、ポリウレタンやその他の適切な材料などの摩擦を増大させる材料で形成される。プーリ312から、ロープは、さらに下方走行してエレベータカーにおける転向プーリ311に達してこのプーリを通過し、ロープは、さらに上方走行してシャフト上部に設置した転向プーリ310に達する。この転向プーリ310を通過した後、ロープは、再び下方走行してエレベータカーにおける転向プーリ309に達してこのプーリを通過し、巻上ロープは、さらに上方走行して、巻上機304になるべく近接して設置される転向プーリ307に達する。本図は、転向プーリ307およびトラクションシーブ304間に、エックスラップローピングを図示しており、このローピングにおける巻上ロープは、転向プーリ307からトラクションシーブ305に向かって上方に走行するロープ部分と、トラクションシーブ305から転向プーリ307へ戻るロープ部分とが交差するように走行する。プーリ313、312、311、310および309は、巻上機と共に、エレベータカー上部の懸垂機構を構成し、その懸垂比は、エレベータカー下部の懸垂機構と同一で、図3では5:1となっている。転向プーリ307から、ロープは、さらに転向プーリ308へと走行し、このプーリは、好ましくはエレベータシャフトの下部の所定の位置に、たとえば、エレベータカーガイドレール302、シャフト床またはその他の適切な場所に設置されている。転向プーリ308を通過して、巻上ロープ303は、さらに上方走行して、エレベータカーに適切に設置された転向プーリ316に達し、このプーリを通過してさらに下方走行して、エレベータシャフト下部における転向プーリ317に達し、そこを通過してエレベータカーに適切に設置された転向プーリ318に戻る。転向プーリ318を通過して、巻上ロープ303は、再び下方走行して、エレベータシャフト下部に適切に設けられた転向プーリ319に達し、そこを通過してさらに上方走行して、エレベータカーに適切に設置されてテンションシーブ313に動かないように取り付けられているテンションシーブ315に達する。
図4は、本発明によるエレベータの構造の概略図を示す。本エレベータは、好ましくは機械室のないエレベータであり、エレベータシャフト内に駆動機械404を備えている。図示するエレベータは、機械を上方に有してカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータであり、ガイドレール402に沿って動くエレベータカー401を備えている。図4における巻上ロープ403の通路は、図3における通路と一致しているが、図4では、テンションシーブ413および415がエレベータシャフト内に、好ましくはエレベータシャフトの下側に適切に取り付けられている点で異なっている。テンションシーブ413および415は、エレベータシャフト内にエレベータカーに関連せずに適切に取り付けられているので、エレベータカー1の上部および下部の両ロープ部分における懸垂比は偶数である。図4において、懸垂比は4:1である。エレベータカー401下方の巻上ロープ403の一端は、直径の大きいテンションシーブ415に固定されており、エレベータカー上方の巻上ロープの他端は、直径の小さいテンションシーブ413に固定されている。テンションシーブ413および415は、一緒に動かないように取り付けられており、装着部品420を介してエレベータシャフトに固定されている。エレベータカー上部の懸垂機構は、巻上機ならびに転向プーリ412、411、410、409および407で構成されている。エレベータカー下部の懸垂機構は、転向プーリ408、416、417、418および419で構成されている。また、図4に示される補償システムとして用いられるテンションシーブ(415および413)を有利に配置して、シャフト下部に、好ましくはシャフト床に適切に設置された転向プーリ419、またはシャフト上部に、好ましくはシャフト天井に適切に固定された転向プーリ412のいずれかと換えることができる。この実施例において、必要となる転向プーリの数は、図4に示す実施例に比べて1つ少ない。また、有利な場合では、これによって、エレベータの設置がより容易でより速くできる。
図5は、本発明によるエレベータの構造の概略図を示す。本エレベータは、好ましくは機械室のないエレベータであり、エレベータシャフト内に駆動機械504を備えている。図示するエレベータは、機械を上方に有してカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータであり、ガイドレール502に沿って動くエレベータカー501を備えている。巻上高の高いエレベータでは、巻上ロープの伸長は、ロープ伸長を補償する必要があり、所定の制限値内で正確に補償しなければならない。図5に示す本発明による一組のロープ張力補償シーブ524を用いることで、非常に長い移動がロープ伸長の補償により達成される。これによって、簡易レバーやバネ方式を用いてもほとんど成し得ない、より大きな伸長の補償を可能にする。図5に示す本発明による補償シーブ機構は、トラクションシーブに作用するロープ張力T1およびT2間に所定の比率T1/T2をもたらす。図5に示す例では、比率T1/T2は、2/1である。
図5における巻上ロープの通路は次の通りである。巻上ロープ503の一端は、転向プーリ525に固定されており、この転向プーリは、転向プーリ514から下方走行するロープ部分に吊下がるように取り付けられている。転向プーリ514および525によってロープ張力補償システム524が構成され、図5の実施例では、これが一組の補償シーブの役割を果たす。転向プーリ514から、巻上ロープは、さらに走行して、前述の各図における説明と同様に、エレベータシャフト上部に適切に取り付けられた転向プーリ512、510および507と、エレベータカー上部に適切に取り付けられた転向プーリ513、511、509との間を走行し、これらは、エレベータカー上の懸垂機構を構成している。巻上機504およびトラクションシーブ505間には、DWローピングを用いるが、これは既に図1に関する記載において詳細に説明されている。また、転向プーリ507およびトラクションシーブ間のローピングは、SW、XW、またはESW懸垂などの他の適切なローピング方式を用いて実施してもよい。トラクションシーブから、巻上ロープは、さらに走行して、転向プーリ507を経由してエレベータシャフト下部に設置された転向プーリ508に達する。転向プーリ508を通過して、巻上ロープは、前述の各図における説明と同様に、シャフト下部に適切に設置された転向プーリ518、520および522と、エレベータカー501に適切に設置された転向プーリ519、521および523との間を走行する。転向プーリ523から、巻上ロープ503は、さらに走行して、ロープ張力補償シーブシステム524に含まれる転向プーリ525に達し、この転向プーリ525は巻上ロープの一端を固定している。ロープは、転向プーリ525をそのロープ溝に沿って通過して、エレベータシャフトまたは他の適切な場所におけるロープの他端の固定点526に達する。エレベータカーの懸垂比は、エレベータカーの上部および下部の両方とも6:1である。
図5に示す実施例では、ロープ張力補償シーブシステム524は、転向プーリ525によってロープ伸長を補償する。この転向プーリ525は距離Iの間を移動して巻上ロープ503の伸長を補償する。この補償距離Iは、巻上ロープの伸長量の半分である。また、この機構は、トラクションシーブ505に所定の張力をもたらし、このロープ張力間の比率T1/T2は2/1である。また、このロープ張力補償シーブシステム524は、本例で説明した以外の他の方法でも実施することができ、たとえば、ロープ張力補償シーブを有する複雑な懸垂機構を使用したり、補償シーブシステムの転向プーリ間に異なる懸垂比を使用したりすることができる。
図6は、補償装置を使用してロープ伸長を補償する他の実施例を示している。ロープの通路、ならびにエレベータカー上部および下部の懸垂比は、上述の図5に示すものと同一である。巻上ロープ603は、エレベータカーに設置された転向プーリ609、611および613と、エレベータシャフト上部の転向プーリ610、612および614との間、ならびにトラクションシーブ605を図5に示すように走行し、さらにトラクションシーブ605から走行してエレベータシャフト下部に進んでトラクションシーブ608に達する。そこを通過した後、ロープは、さらにエレベータカーに取り付けられた転向プーリ618、620および622と、エレベータシャフト下部に取り付けられた転向プーリ619、621および623との間を、図5に関して説明したように走行する。エレベータカーの上部および下部におけるエレベータカーの懸垂比は6:1である。図6に示すエレベータは、補償装置624に関する点で図5に示すものと異なる。図6は、補償装置の一組の補償シーブ624における、本発明による他のローピング配置を示す。この一組の補償シーブにおいて、巻上ロープ603の一端629は、エレベータシャフトに動かないように取り付けられており、その地点から、巻上ロープは、トラクションシーブ625へと走行してそこを通過し、さらに走行してエレベータシャフトの上部に適切に取り付けられた転向プーリ614に達し、そこからさらに走行して上述のようにトラクションシーブ605に達する。転向プーリ625は、別の転向プーリ626と関連して固定して取り付けられている。これらの転向プーリ626および625は、たとえば同一シャフト上に設置してよく、または棒材やその他の適切な方法で互いを連結してもよい。トラクションシーブ623を通過後、エレベータカー下部の巻上ロープ603は、補償装置624の転向プーリ626へと達し、このプーリは上述したように転向プーリ625に連結している。転向プーリ626を通過して、巻上ロープ603は、さらに走行して転向プーリ627に達し、この転向プーリ627は、シャフトに適切に動かないように取り付けられ、かつ補償装置624の一部を構成するものである。転向プーリ627を通過して、巻上ロープ603は、さらに走行して、巻上ロープの他端が動かないように固定されている支持部628に達する。この支持部628は、転向プーリ625上にあるか、またはそこに固定して連結される。補償装置624にこのローピング配置を用いることで、ロープ張力T1およびT2間の所定の比率T1/T2=3/2が得られる。このローピング配置を用いると、トラクションシーブにおいてSWローピングを実施することができ、換言すれば、図5の転向プーリ507は、必ずしも必要ではない。SWローピングをトラクションシーブに利用できるのは、図示される補償装置624におけるローピング配置では、トラクションシーブにおいて必要な摩擦力が最小限となり、ロープ張力T1およびT2が小さくてもよいからである。しかし、望ましい場合には、図5に示す転向プーリ507を使用して、たとえば、前述の各図に関して説明したように巻上ロープと接線方向の接触を得ることができる。また、補償装置624において、ローピングおよび転向プーリの数は、この図6の記載以外の方法で変更してもよい。補償装置624のローピング懸垂比によって、比率T1/T2を所望の所定値に維持できる。図6では、ロープ伸長の補償は、転向プーリ625、およびそこに固定して取り付けられた転向プーリ626によって達成される。補償装置のロープ伸長補償距離は、その装置における懸垂比が大きいほど短い。
図7は、ローピング懸垂比が1:1である本発明による実施例を示す。図7に示すエレベータでは、ロープ伸長がレバー715を用いて実施され、このレバー715は、ロープ張力補償装置として機能し、エレベータカー701で動かないように回動する。図1に関して記載したように、ロープ張力が補償され、ロープ張力T1およびT2間の所定の比率が達成される。これによって、比率T1/T2は、負荷の大きさに依存しないでT1/T2=b/aとしてもたらされる。図7に示す本発明のエレベータの実施例は、たとえば、4人乗り、すなわち約700kgの公称負荷のエレベータにて一般に使用される直径8mmの従来のロープを用いて実施することができる。このエレベータでは、比率T1/T2は1.5/1とし、直径が320mmで従来型のアンダーカット溝を有するトラクションシーブを使用しており、エレベータカーの重量は700kgである。この場合、エレベータカーを上方へ持ち上げる張力T1は、エレベータカー重量とその負荷を持ち上げるために要する力の1.5倍であり、エレベータカー下方にかかる張力T2は、エレベータカー重量とその負荷を持ち上げるために要する力である。この例は、負荷に比例して不必要に高いロープ張力を生じることになるため、適当でない。懸垂比を大きくすることによって、このロープ張力を軽減することができる。本発明のエレベータには、ギア式機械装置を設けてもよく、また、たとえば、1:1のローピング比率を有する図7に従って構築してもよい。
図8は、本発明によるエレベータを示しており、このエレベータでは、エレベータカー801の上下における巻上ロープのロープ部分803にて懸垂比を2:1とし、トラクションシーブ805および転向プーリ807間にはDWローピングを用いる。ロープ伸長の補償および所定のロープ張力は、図5に示すロープ伸長補償装置を使用して行う。この装置では、ロープ張力の比率はT1/T2=2/1で、転向プーリ825により動く補償距離はロープ伸長の大きさの半分を占める。
図9は、ロープ伸長の補償およびロープ張力の所定の比率の維持に関する本発明による実施例を示す。図9において、巻上ロープの通路は、図6について上述したように、エレベータカーの上下の懸垂比は6:1である。図9において、巻上ロープの通路は、図6における状況と異なるのは、ロープが下方走行して転向プーリ914から転向プーリ924に達する点、および補償システムに関する点である。また、巻上ロープ903の一端は、転向プーリ922の前に位置923でエレベータシャフトに動かないように固定される。本図において、巻上ロープ伸長の補償を行うために、転向プーリ908は、位置926で巻上ロープ903の一端に固定される。巻上ロープの伸長がこのように補償されて、転向プーリ908は、ロープ伸長の半分に相当する距離の間を上下に移動し、これによってロープ伸長を補償している。図9に示すシステムでは、ロープ伸長の補償および所定のロープ張力の維持は、図5に示す状況と同じ原理で実施され、ロープ張力の比率はT1/T2は2/1で、転向プーリ908により動く補償距離はロープ伸長の大きさの半分を占める。図9の補償システムは、転向プーリ908に関して上述したように、エレベータシャフト下部の転向プーリ908、919および921のいずれか1つを用いて、当該転向プーリに巻上ロープのもう一端を固定することで実施できる。
エレベータカーを、たとえば1:1、1:2、1:3または1:4などの小さい懸垂比で懸垂する場合、直径の大きい転向プーリおよび太さの大きい巻上ロープが使用可能となる。エレベータカー下部には、必要に応じてより小さい転向プーリを使用することができるが、これは、そこの巻上ロープの張力がエレベータカー上部より小さく、より小さな巻上ロープ偏差範囲を使用できるからである。エレベータカー下部のスペースが狭いエレベータでは、エレベータカー下部のロープ部分には直径の小さい転向プーリを使用するほうが有利である。これは、本発明によるロープ張力補償システムを利用することで、エレベータカー下部の巻上ロープ部分における張力を、エレベータカー上部のロープ部分の張力より比率T1/T2だけ小さい所定のレベルに維持できるためである。これにより、巻上ロープの耐用年数をほとんど低下させることなくエレベータカー下部のロープ部分の転向プーリの直径を小さくできる。たとえば、転向プーリの直径Dと、用いられるロープの直径dとの間の比率は、D/d<40でよく、好ましくは、エレベータカー上部のロープ部分における転向プーリの直径と、巻上ロープの直径との比率がD/d=40ならば、この比率D/dは、わずかD/d=25〜30でよい。より小さな直径の転向プーリを使用することで、エレベータカー下方に要するスペースは、非常に小さなサイズまで削減してよく、好ましくは、わずか200mmでよい。
本発明のエレベータの好ましい実施例は、機械室がなくかつ機械が上部に配されたエレベータであり、駆動機械がコーティングされたシーブを有し、エレベータは、実質的に丸型の断面の複数の細い巻上ロープを備えている。このエレベータにおいて、巻上ロープとトラクションシーブとの間の接触角は、180°よりも大きい。本エレベータは、設置台を有するユニットを含み、この設置台は、駆動機械、トラクションシーブ、およびトラクションシーブに対し的確な角度で設けられた転向プーリが取り付けられている。このユニットは、エレベータのガイドレールに固定されている。本エレベータは、カウンタウェイトがなく、9:1の懸垂比を有して実施され、エレベータカー上部のロープ懸垂比と、エレベータカー下部のロープ懸垂比とが9:1であるようにし、エレベータの綱索類はエレベータカーの一壁面とエレベータシャフトの壁との間のスペースを走行するようにする。エレベータロープのロープ伸長補償方式は、張力T1およびT2間に所定の比率T1/T2=2:1をもたらす一組の補償シーブを含む。補償シーブシステムを使用すると、必要な補償距離はロープ伸長の大きさの半分を占める。
本発明によるエレベータの他の好ましい実施例は、カウンタウェイトがなく、エレベータカーの上下の懸垂比が10:1のエレベータである。この実施例は、好ましくは直径8mmの、従来のエレベータ巻上ロープを使用し、少なくともロープ溝の領域が鋳鉄製のトラクションシーブを使用して実施される。このトラクションシーブは、アンダーカット溝を有し、トラクションシーブに対するその接触角度は、転向プーリによって適合されて180°以上になっている。従来の8mmロープを使用する場合、トラクションシーブの直径は、好ましくは340mmとする。使用される転向プーリは、大きなロープシーブであり、従来の8mmの巻上ロープを用いる場合、320、330もしくは340mmまたはそれ以上の直径を有する。ロープ張力は、所定値を保って張力間の比率T1/T2を3/2にする。
当業者には明らかなように、本発明のさまざまな実施例は、以上に説明した実施例には限定されず、上記の特許請求の範囲の範囲内で変更することができる。たとえば、エレベータシャフトの上部とエレベータカーとの間、ならびにエレベータカーとその下方の各転向プーリとの間の、巻上ロープの掛け回しの回数は、ロープを多重に掛け回すことによって何らかの付加的な利点が得られるとしても、本発明の基本的な利点について、とくに決定的な問題ではない。一般に、実施される適用例では、ロープがエレベータカーに対して上下方向とも同じ回数だけ走行して、上方走行の転向プーリの懸垂比と下方走行の転向プーリの懸垂比とが同じになる。また、巻上ロープは、必ずしもエレベータカーの下を通過する必要はない。以上に説明した例によれば、当業者は、本発明の実施例を変更して、トラクションシーブおよびローププーリを金属コーティングプーリとせずに、金属未コーティングプーリとしたり、目的に適した他の材料製の未コーティングプーリとしたりすることができる。
さらに、当業者には明らかなように、本発明で用いられる金属のトラクションシーブおよびローププーリは、転向プーリとして機能し、また少なくともその溝の領域にて非金属材料でコーティングされて、たとえばゴム、ポリウレタンまたは目的に適した他の材料からなるコーティング材料を用いて実施されてよい。
また、当業者には明らかなように、上記の各例に示したレイアウトとは異なるようにして、エレベータシャフトの断面にてエレベータカーおよび機械ユニットのレイアウトがなされてもよい。このような別のレイアウトは、たとえば、一つには、機械をシャフトドアから見てエレベータカーの背後に配置し、エレベータカーの下方にてエレベータカーの底部に関して対角線の方向にロープを通す。エレベータカーの下方にて底部の形状に関して対角線の方向または他の斜め方向にロープを通すことは、他の形式の懸垂レイアウトにおいても、ロープに対するエレベータカーの懸垂をエレベータの質量中心に関して対称にすべき場合に、利点が得られる。
さらに、当業者には明らかなように、モータに動力を供給するのに必要な機器、およびエレベータ制御に必要な機器は、機械ユニットとは別の場所、たとえば、別個の機器パネルへ配置してもよい。制御に必要な機器は、別個のユニットとして実施してよく、このユニットは、エレベータシャフトのうち別の場所および/または建物の別の部分に配置してもよい。同様に、当業者には明らかなように、本発明によるエレベータの装備は、上述の各実施例とは異なるように備えられてよい。さらに、当業者には明らかなように、本発明によるエレベータは、巻上ロープとして、ほとんどどんなの形式の可撓性巻上手段でも用いて実施することができ、たとえば、1つ以上のストランドから成る可撓性ロープ、平坦なベルト、歯車付きベルト、台形ベルト、または、目的に適した他の形式のベルトでよい。
また、当業者には明らかなように、フィラーを設けたロープを用いる代わりに、本発明は、フィラーのないロープを用いて実施してもよく、このロープは潤滑されてもされなくてもよい。さらに、当業者には明らかなように、そのロープは、多くのさまざまな方法で撚ってもよい。
やはり当業者には明らかなように、本発明によるエレベータは、トラクションシーブと、1個または複数の転向プーリとの間のさまざまなローピング機構を用いて構成してよく、例として説明したものよりも接触角αを増大させてよい。たとえば、1個または複数の転向プーリ、トラクションシーブおよび巻上ロープは、実施例のローピング機構とは別の方法で配置してもよい。同様に、当業者には明らかなように、本発明によるエレベータでは、カウンタウェイトを設けてもよく、そのエレベータにおけるカウンタウェイトは、たとえばエレベータカーよりも重量を小さくし、別個のローピングで懸垂させる。
転向プーリとして用いるローププーリの軸受抵抗、ロープおよびロープシーブ間の摩擦、ならびに補償システムにおいて起こりうる損害によって、ロープ張力間の比率は、補償システムの基準比から多少外れてもよい。どのような場合でも、エレベータには、本来、所定の堅強性が備わっているため、たとえ5%の誤差でも重大な損害におよぶことはない。
本発明によるカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない第3のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない第4のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。 本発明によるカウンタウェイトのない他のトラクションシーブエレベータを示す図である。

Claims (14)

  1. エレベータカーが1本のロープまたは数本の平行するロープで構成される巻上ロープによって懸垂され、前記巻上ロープで前記エレベータカーを動かすトラクションシーブを有するエレベータにおいて、該エレベータは、前記エレベータカーから上下方向に走行する前記巻上ロープのロープ部分を含み、前記エレベータカーから上方向に走行する前記ロープ部分は、第2ロープ張力(T2)より張力が大きい第1ロープ張力(T1)の作用を受け、第2ロープ張力は、前記エレベータカーから下方向に走行する前記ロープ部分のロープ張力であり、該エレベータは、第1のロープ張力と第2のロープ張力との間の比率(T1/T2)を実質的に一定に保つ補償システムを含むことを特徴とするエレベータ。
  2. 請求項1に記載のエレベータにおいて、該エレベータは、カウンタウェイトなしエレベータであることを特徴とするエレベータ。
  3. 請求項1または2に記載のエレベータにおいて、前記補償システムは、レバー、一組のテンションシーブ、または補償シーブであることを特徴とするエレベータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記該補償システムは、1つおよび/またはそれ以上の転向プーリを含むことを特徴とするエレベータ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記トラクションシーブと前記巻上ロープとの間の連続的な接触角は少なくとも180°であることを特徴とするエレベータ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記トラクションシーブと、転向プーリとして機能するローププーリとの間で用いられるローピングは、ESWローピング、DWローピング、XWローピング、または他の相当するローピングであることを特徴とするエレベータ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のエレベータにおいて、使用される前記巻上ロープは、高強度の巻上ロープであることを特徴とするエレベータ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記巻上ロープの直径は、8mm未満、好ましくは3〜5mmの間であることを特徴とするエレベータ。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記巻上機は、負荷に対してとくに軽量であることを特徴とするエレベータ。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記トラクションシーブは、ポリウレタン、ゴム、またはその目的に適した他の摩擦材料であることを特徴とするエレベータ。
  11. 請求項1から12までのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記トラクションシーブは、少なくともロープ溝の領域において、金属、好ましくは鋳鉄から作られ、前記ロープ溝は、好ましくはアンダーカットであることを特徴とするエレベータ。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記エレベータカーの下方の前記転向プーリのD/d比率は、40未満であることを特徴とするエレベータ。
  13. エレベータの製造方法において、該方法はエレベータカーを、該エレベータカーの巻き上げに用いられるエレベータローピングに接続し、該ローピングを、1本のロープまたは数本の平行なロープで構成し、かつ前記エレベータカーから上方および下方に走行するロープ部分を含み、前記エレベータローピングに、上方および下方方向に作用するロープ張力間において実質的に一定の比率(T1/T2)を維持するための補償システムを設けることを特徴とする方法。
  14. カウンタウェイトなしエレベータにおけるエレベータカーに上方および下方方向に作用するロープ張力間において一定の比率を維持する補償システムを使用すること。
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