JP2006512270A - 調整可能なcvdダイアモンド構造体 - Google Patents

調整可能なcvdダイアモンド構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006512270A
JP2006512270A JP2004564000A JP2004564000A JP2006512270A JP 2006512270 A JP2006512270 A JP 2006512270A JP 2004564000 A JP2004564000 A JP 2004564000A JP 2004564000 A JP2004564000 A JP 2004564000A JP 2006512270 A JP2006512270 A JP 2006512270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond
substrate
diamond layer
synthetic diamond
single crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004564000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006512270A5 (ja
Inventor
シー. リナレス,ロバート
ジェイ. ドーリング,パトリック
Original Assignee
アポロ ダイアモンド,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アポロ ダイアモンド,インコーポレイティド filed Critical アポロ ダイアモンド,インコーポレイティド
Publication of JP2006512270A publication Critical patent/JP2006512270A/ja
Publication of JP2006512270A5 publication Critical patent/JP2006512270A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B25/00Single-crystal growth by chemical reaction of reactive gases, e.g. chemical vapour-deposition growth
    • C30B25/02Epitaxial-layer growth
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B25/00Single-crystal growth by chemical reaction of reactive gases, e.g. chemical vapour-deposition growth
    • C30B25/02Epitaxial-layer growth
    • C30B25/10Heating of the reaction chamber or the substrate
    • C30B25/105Heating of the reaction chamber or the substrate by irradiation or electric discharge
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/02Elements
    • C30B29/04Diamond
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/24Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.]
    • Y10T428/24942Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.] including components having same physical characteristic in differing degree

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

半導体デバイス、光導波路、および産業用用途などの用途における使用に適合したものであって、少なくとも一つがCVD法により形成される1以上のダイアモンド層を有する単結晶ダイアモンド構造の形態をもった単結晶ダイアモンド。ダイアモンド層は、互いに「格子適合」または「格子不適合」されていて、望ましいレベルの歪みを提供する。

Description

本出願は、1999年5月14日に出願され出願番号第09/312,326号を付与された米国特許出願、そしてさらには1998年5月15日に出願され出願番号第60/085,542号を付与された米国特許仮出願の一部継続出願である2002年12月24日に出願され出願番号第10/328,987号を付与された米国特許出願の継続出願であり、これらの番号を参照することで、それらの開示内容を本明細書に記載したものとする。
本発明は、合成単結晶ダイアモンドに関し、具体的には化学蒸着(CVD)を用いて調製されるダイアモンドに関する。詳細には、本発明は、それらの一部として半導体デバイス、光導波路、および産業用用途が挙げられる多様な用途において機能するように設計されるダイアモンドに関する。
ダイアモンドは、極度の機械的硬度、低い熱膨張率、高い化学的不活性および耐摩耗性、低摩擦、および高熱伝導度を含む、幅広く有用な範囲の特性を提供する。一般に、ダイアモンドは、また、電気絶縁性であり、光学的に紫外線(UV)から遠赤外線(IR)まで透明であるが、唯一の吸収は約2.5μm〜6μmの範囲にある炭素間結合バンドから起こる。それらの特性を考えると、ダイアモンドは産業上の多くの多様な用途に用いることができるが、しかし、その全体的な利用は、長い間、天然ダイアモンドの相当な不足により妨げられてきた。次には、ダイアモンドを実験室で合成するための方法に対する長期にわたる探求があり続けてきた。
合成ダイアモンドは、現在、多様な方法により製造される。一つのこうした方法には、化学蒸着(CVD)と呼ばれる方法が含まれる。CVDダイアモンドは、ついこの15年間にわたり商業的に合成されてきた。このダイアモンド成長法は、過剰の原子水素中に炭化水素ガス(一般的にメタン)を提供することを含む。一般に、気相化学反応は固体表面上で起こり、それによりその表面上への蒸着を引き起こす。ダイアモンド膜を製造するためのすべてのCVD技術は、気相の炭素含有前駆体分子を活性化する手段を必要とする。これは、一般に、熱的(例えば、ホットフィラメント)またはプラズマ(例えば、D.C.、R.F.、またはマイクロ波)活性化、または燃焼炎(オキシアセチレンまたはプラズマトーチ)の使用を含む。さらに一般的な実験方法の二つには、ホットフィラメント反応器の使用、およびマイクロ波プラズマ強化反応器の使用が挙げられる。それぞれの方法は活性化の点では異なるが、一方で、それらはその他の点ですべて同様の態様を共有する。例えば、CVDダイアモンドの成長(他の明確でない炭素形態の蒸着でなくて)は、通常、基板が1000〜1400K範囲の温度に保持されること、および前駆体ガスが過剰の水素中に希釈される(一般的なCH4混合比〜1%から12体積%まで)ことを必要とする。
CVDダイアモンドは、2次元的なやり方で層ごとに成長し、従って、単一組成物であるかまたは多くの組成物の層からなる(「構造」と呼ばれる)ことができるバルクダイアモンド結晶(または板または膜)を構築することが可能である。このように成長したCVDダイアモンドは、天然ダイアモンドのそれらに比肩し得るかまたは凌駕する機械的、摩擦学的、およびなお電子的特性を示すことができる。例えば、Y.Sato et al.,“Synthesis of Diamond From the Vapor Phase”,The Properties of Natural and Synthetic Diamond,J.E.Field Academic Press,pp.423−469(1992)を参照すること。また、米国特許第4,940,015号、第5,135,730号、第5,387,310号、第5,314,652号、第4,905,227号、および第4,767,608号を参照すること。そのサイズおよび形状面での成長能力のせいで、CVDダイアモンドは多様な用途に用いることができる。種々の用途の一般的な分析に関しては、M.A.Prelas et al.,Handbook of Industrial Diamond and Diamond Films,Editors,Marcel Dekker,Inc.,pp.1023−1147(1998)を参照すること。
天然ダイアモンドは、一般に、良好な電気絶縁体と考えられているが、しかし、適切な不純物をドーピングする場合、それは、また、良好な半導体に変身することができる。このせいで、天然および合成両方の単結晶ダイアモンドを多種多様な電気用途に用いようとする観点から研究が広がってきている。単結晶CVDダイアモンドは、天然の高品質ダイアモンドならびに他の半導体成分に見出されるものよりも実質的に大きい高性能電気特性を達成するために、十分な制御をうけて成長することができる。これらの改善された電気特性には、増大した抵抗率、増大した絶縁破壊電圧、増大した担体寿命、増大した電子および正孔移動度、および増大した電荷収集距離が挙げられる。その開示内容が本明細書において参考のため包含されるPCT国際公開第WO01/96633号パンフレットを参照すること。加えて、同じ改善された電気特性が少なくとも2mmの厚さにまで成長した単結晶CVDダイアモンドにより達成することができることが示されてきた。この増大した厚さにより、成長したCVDダイアモンドは、高圧または高温(金床)または層切り取り(宝石原石生産)を含む追加用途に利用することができる。その開示内容が本明細書において参考のため包含されるPCT国際公開第WO01/96634号パンフレットを参照すること。
合成単結晶ダイアモンドの特性は、大きく、結晶中の欠陥または不純物に依存する。これらの因子を制御することにより、電気特性のみならず、ごくわずかしか指定していないがその光学的および機械的特性を含むダイアモンドの他の特性もまた制御することができる(M.A.Prelas et al.,Handbook of Industrial Diamond and Diamond Films,Marcel Dekkar,Inc.,p.20(1998)を参照すること)。この実現は、CVD成長の間に不純物を制御する観点からの多大の研究をもたらしてきた。例えば、合成単結晶または多結晶ダイアモンドに対するホウ素の添加は、単結晶ダイアモンドの方が好ましくはあるが、それを、半導体デバイス、歪みゲージまたは他の電気デバイスを構築するために有用とすることが示されてきた。米国特許第5,635,258号を参照すること。また、W.Ebert,et al.,“Epitaxial Diamond Schottky Barrier Diode With On/Off Current Ratios in excess of 107 at high Temperatures”,Proceedings of IEDM,published by IEEE,pp.419−422(1994)及び S.Sahli et al.,“Piezoelectric Gauge Factor Measured at Different Fields and Temperatures”,Applications of Diamond Films and Related Materials,NIST Special Publications(885)pp.95−98を参照すること。
従って、同位炭素からなるドーピングCVDダイアモンドにより、同じデバイス、例えば、伝統的に、さらに容易に入手可能であるダイアモンド以外の他の材料を利用して造りだされてきた半導体を造りだすことができる。しかし、他材料の代わりにダイアモンドを用いることで、ダイアモンドのすべての膨大な特性は、今、製造されるデバイスにおいて生かすことができる。
単結晶CVDダイアモンドの成長および製造における最近の発展により、それらの総合的な利用に関して、産業界において多大の刺激がひきおこされるに至っている。しかし、これまでの努力は、元々意図されるかまたは望まれた種類の品質のダイアモンドを製造するまでには至っていない。産業界でのCVDダイアモンドに対する必要性は残ったままであるが、一方で、なお今日までの努力への上述の欠点に対する解決策が必要に迫られている。
本発明は、半導体デバイス、光導波路、および産業用用途などの用途での使用に適合した合成単結晶ダイアモンドを提供するための方法および構造を提供する。上述の合成単結晶ダイアモンドは、少なくともそれらの内の一つがCVD法により形成される1以上のダイアモンド層を有する単結晶ダイアモンド構造を指す。本発明の好ましい実施形態において、ダイアモンド層は互いに「格子適合(マッチング)」するが、このことは層が望ましい目的のため必要以上の歪みなしで共存することを意味する。本発明の他の実施形態において、層は、別の望ましい目的を達成するために互いに関連付け合って故意に歪みを受ける。いずれの実施形態も、例えば、半導体デバイスの場合に電子を方向付けるか、または光導波路の場合に光子を方向付けるために用いることができる。出願人らは、層状格子が、一緒に「整調(チューニング)」することができる、すなわち、歪みを排除するために適合化されるかおよび/または歪みを導入するために適合化されず、且つ、次に今日まで技術上記載されてきたものに対して改善された特性を有するダイアモンド構造を提供することができるやり方を見出してきた。
一つの実施形態において、本発明の方法は合成単結晶ダイアモンドを形成することを含む。方法の一つの工程は、化学蒸着法により基板上に1以上の不純物および1以上の同位炭素を組み込む第1合成ダイアモンド層を形成することを含む。別の工程は、対応レベルの格子歪みを持つ所定の格子定数を有するダイアモンド層を形成するために、第1合成ダイアモンド層の形成の間に1以上の同位炭素および1以上の不純物の濃度を選択することを含む。
別の実施形態において、本発明の方法は、電気的、光学的、または産業用デバイスのいずれか一つを製造することを含む。それぞれの方法の一つの工程は、所定の操作を保証する特定のパラメータを有するデバイスを設計することを含む。別の工程は、上述の方法を用いることにより、および所定の操作を保証する特定のパラメータに基づく単結晶合成ダイアモンドを形成することを含む。最終的に、単結晶合成ダイアモンドにより電気デバイスを造りだすことが工程に含まれる。
本発明の構造体は、1以上の不純物および1以上の同位炭素を次に含む第1合成ダイアモンド層を含む。1以上の同位炭素および1以上の不純物は、化学蒸着法により形成される第1合成ダイアモンド層が所定の格子定数を有するような濃度状態にある。
合成CVDダイアモンド用の用途は無限のように見える。完全なリストを提供するつもりはないが、一方でこれらの用途の一部は、本来電気に関するものであり、半導体デバイス、電界効果トランジスタ、発光ダイオード、高電圧スイッチ、p−n接合、ショットキーダイオード、外科デバイス接触面、センサー、検出器、電極、フィルタ、および量子計算デバイスを含む。一部の他の用途は、本来光学的なものであり、導波路、ウィンドウ、宝石原石、金床、発光ダイオード、およびフィルタを含む。なお、他の用途は、本来産業用であり、刃具、当板、ベアリング、ワイヤーダイ、研磨材、ヒートスプレッダー、ワイヤーダイ、マイクロトーム、およびスペーサを含む。
半導体は、一般に、純粋金属と純粋絶縁体の間に入る電気特性を有する。不純物を半導体の格子構造に添加することにより、本質的にその導電特性を変えることができる。一般的に、S.M.Sze,“The Ideal Semiconductor:A Wish List”,High Speed Semiconductor Devices,editor,Wiley−Interscience,,pp.14−21(1990)を参照すること。いかにそれらが導電性になることができるかという点でのこうした汎用性を提供するので、半導体は電気デバイスの設計においてうまく機能する。半導体を用いる一部の電気デバイスには、2端末装置(例えば、ダイオード、発光ダイオード(LEDs)、および検出器)、3端末装置(例えば、電界効果トランジスタ(FETs)およびスイッチ)および多端末装置(例えば、集積回路(IC)チップ)が挙げられる。
半導体を用いて電気デバイスを造りあげる上で、多くの場合、Si(シリコン)またはGe(ゲルマニウム)などの単一元素半導体材料を用いることができる。しかし、多くの場合において、一般に、化合物半導体を製造するために2以上の元素の組合せ、例えば、GaAs(ガリウムヒ素)、SiC(シリコンカーバイド)、ZnSe(亜鉛セレナイド)、または特定デバイス仕様に望ましい電気特性を提供するために二つの半導体の混合物、例えば、Si/Ge(シリコン−ゲルマニウム)またはGaAs/AlAs(ガリウムヒ素−アルミニウムヒ素)を用いたいと望むであろう。例えば、発光または吸光において効率的であるデバイスを造りあげる上で、一般に、周期律表の第3および第5列からの元素(例えば、GaAs)を含有する半導体を用いるであろう。さらに、発光特性を提供するために、周期律表の第2および第6列からの元素(例えば、ZnSe)または周期律表の第4列からの二つの元素(例えば、SiC)を用いることができよう。別の例には、一般に、中で再度周期律表の第3および第5列からの元素(例えば、AlGaAs)を含有する半導体を用いたいと望むであろうレーザーデバイスを造りあげることを含むことが可能である。
前述のように、デバイスの電気特性は、それが製造される際に半導体中に不純物を導入することにより変えることができる。この方法は、一般的に、ドーピングと呼ばれ、そうすることによって、不純物は半導体原子格子構造に添加され、これは構造中の原子拡大(拡張)を招く。この拡張は一般的であるが、一方で、半導体が過度にドーピングされると格子に有意な歪みを引き起こすことができるので、制御することは、また、極めて重要である。この歪みは、結晶構造の電気的および光学的特性に望ましくない変化を起こす有意な転位欠陥、および十分に厳しい場合には結晶構造およびデバイスに対する破損をもたらすことができる。
加えて、2以上の半導体層を一緒に製造する場合、多くの場合、層間の精密な格子適合を得ることができない。過度のドーピングのように、これらの層界面での結晶格子構造の不適合は結晶構造中に歪みを造りだすことができる。次に、この歪みは、また、歪んだ結晶構造の電気的および光学的特性に変化を起こす有意な転位欠陥をもたらすことができる。十分に厳しい場合、この転位は、また、次には、結晶構造に対する破損およびデバイスに対する破損をもたらす可能性がある。従って、2以上の半導体層をまた利用する電気デバイスを設計する上で、格子不適合を限定することは極めて重要である。
次に、光導波路は、多くの場合、光信号の道順を決める電子デバイス内で利用される。詳細には、導波路は、一般に、種々の電気デバイス、例えば、電気スイッチおよび変調器周辺および内部のレーザービームを導く。導波路の主な利点は、それらの高効率、すなわち、低送信損失である。光信号送信におけるそれらの高効率のせいで、導波路は電気デバイスの設計において高く評価される。
光導波路を造りあげる上で、より低い屈折率を有する二つの材料層の間に高屈折率を有する材料を挟むことが必要である。これと同じ手順は、中で高屈折率を有する第1ガラスが低屈折率を有する第2ガラスのクラッディング中にカプセル化されるレーザー通信用の光ファイバーを製造する時に用いられている。次に、レーザー光は内部で高屈折率の芯の中を屈折し、ほとんど損失なしで芯の全長を伝わって行く。導波路を造りあげることに関して、高屈折率を有するGaAlAsなどの半導体層は、より低い屈折率を有する二つのGaAs層の間で成長することができる。同様に、高屈折率を有する材料層は、また、不純物をダイアモンド結晶またはガラスの表面上および中に拡散することにより造りあげることができる。光が導かれる通路はエッチングまたは電極を用いて与えることができる。そうすることにおいて、屈折率を光ビームの操作および経路を可能とするように変えることができる。
導波路を製造することに関して、上述のように不純物を構造中に導入するための方法を用いることは、全く有利であることができる。単に不純物を添加することにより、一般に、構造の内部圧力、すなわち、格子構造を変え、次に、直接構造の屈折率を変えることができる。しかし、導波路を造るための不純物を添加するこの方法、すなわち、ドーピングは、半導体を形成する時に起こることに類似の欠点を有する。不純物が導波路を形成するために添加される際、構造中に原子拡大(拡張)がある。再度、この拡張は一般的であるが、一方で、導波路が過度にドーピングされると格子に有意な歪みを引き起こすことができるので、制御することは、また、極めて重要である。この歪みは、結晶構造の光学的特性に望ましくない変化を起こす有意な転位欠陥、および十分に厳しい場合に結晶構造およびデバイスに対する破損をもたらすことができる。
本明細書において記載されるように、これまでの努力は、上述の多くの用途に用いることができる高品質CVDダイアモンドを造ることに使用できない。例えば、他の半導体元素と共に働く場合に用いられるのと同じやり方でCVDダイモンドにドーピングすることにより、ダイアモンドに独特である半導体用の望ましい電気特性を得ることができるであろうと望まれていた。しかし、これらの技術を利用しようとするCVDダイアモンド製造での初期の試みは、期待通りまで持ちこたえることはできなかった。特に、半導体技術において、住友および東芝などの企業、および東京大学を含む大学により取り上げられた努力は、元々望まれていた産業用品質のダイアモンドを製造することに失敗した。
単結晶および多結晶両方のCVDダイアモンドを成長させる技術は、この15年間で目覚しい変貌を遂げてきた。かつてCVDダイアモンド品質用の関心が持ち上がった時から、多大な進歩がなされてきた。例えば、成長した単結晶CVD試験ダイモンドに関してナバル・リサーチ・ラボ(Naval Research Labs)でなされた最近の測定は、CVDダイアモンドが今いくつかの測定手段により高度に完全であることを示した。第1に、X線トポグラフィーによる測定は、極めて低い転位含量を示した。第2に、窒素空孔センター(Nv)中の窒素原子の量子回転寿命の測定は、それが測定されるあらゆるダイアモンドの内最長の寿命を有し、この寿命が前に天然のまたは他の合成試料から得られたものより高い温度まで拡大することを示した。
理論により束縛されることを意図しないが、この報告された高度の結晶完全化は、おそらく、本明細書において後に記載され、今達成することができる高熱伝導度、ならびに今達成することができる高い電子および正孔移動度、ならびに長い収集距離に関連していると考えられ、これらは前述の二つのデビアス(DeBeers)社のPCT特許出願に引用されている。この完全化は、また、おそらく、通常よりも厚く成長するダイアモンドに関連している。CVDダイアモンドにおける欠陥の成長が早期成長の間ダイアモンドの側面中で起こるので、ダイアモンドがより厚く成長する場合、次には、低い厚みにしか成長しないCVD結晶と比べて存在する有意により低いレベルの転位がある。
本発明は、半導体デバイス、光導波路、および産業用用途を含む多様な用途におけるそれらの使用のために成長することが可能な「整調できる」CVDダイアモンド構造を提供するための方法および組成物を含む。本明細書には、次いで整調できるCVDダイアモンド構造を成長させることができる一般的な調製または手順(ドーピングし同位元素濃度を変える)が含まれる。そうすることにおいて、調製されたCVD構造の特性が、また開示されている好ましく代表的な用途と共に議論される。後に、詳細な特性は、提供しようとするそれらの好ましい価値および範囲と共にさらに深く掘り下げて議論される。加えて、CVDダイアモンド構造において用いられるパラメータを測定する方法が記載される。異なる調製方法の例は、CVDダイアモンド構造を調製するために提供される。最後に、整調できるCVDダイアモンド構造用の他の各種用途の検討が開示される。
本発明の方法および組成物は、多様な実施形態において提供することができるが、しかし、このセクションにおけるCVDダイアモンドの使用は、一般に、単結晶ダイアモンドを意味する。理論により束縛されることを意図しないが、一方で、本発明の方法および組成物は、少なくとも一つの実施形態において、それが製造される際にCVDダイアモンドにドーピングすることを含む。次に、ドーピングは、それがCVDにより形成されている際に1以上の不純物をダイアモンドに組み込むことを含む。このやり方でドーピングすることにより、出願人らは、ダイアモンドが、ドーピングなしで同様に調製されたダイアモンドに比べて機能強化された特性を有して形成することができることを見出した。
機能強化された特性は、電気的、光学的、または産業用、ならびにその他であることが可能である。CVDダイアモンドにドーピングすることに利用される一部の不純物には、ホウ素、窒素、リチウム、燐、および硫黄などの元素を挙げることが可能である。これら不純物の大部分は炭素原子よりも原子サイズが大きい。従って、これらの不純物がダイアモンドに添加される場合、ダイアモンドの結晶格子は膨張する。例えば、高レベルのホウ素がダイアモンド中に組み込まれる場合、ダイアモンド中の炭素原子間の平均距離は、純粋ダイアモンドよりもはっきりと大きい。例えば、A.R.Lang,“Diffraction and Imaging Studies of Diamond”,The Properties of Natural and Synthetic Diamond,J.E.Field,editor,Academic Press,pp.215−258(1992) 及び A.R.Lang,“Dilation,density and nitrogen containing type Ia diamonds:previous work and proposed experiments”,IPO Publishing Ltd.,pp.2239−2244(1993),そして F.Brunet et.al.,“The Effect of Boron Doping on the Lattice Parameter of Homoepitaxial Diamond Films”,Diamond and Related Materials,vol.7,pp.869−873(1998)を参照すること。窒素は、その原子サイズがダイアモンドの炭素原子よりも小さいような共有結合半径を有する本明細書において考えられる唯一の不純物である。しかし、窒素でCVDにより形成されたダイアモンドにドーピングすること、これによってさえ、なお、形成されたダイアモンドの膨張を生み出す。出願人は、ドーピング原理が本明細書において記載されるやり方で改善されたダイアモンド組成物を提供するために有利に用いることができることを見出した。
結晶の格子間隔は、結晶の特定方向中の原子間の距離を指す。特定結晶構造において、格子間隔は、多くの効果により定義され、この議論のために中でも最も重要なものは、結晶を作り上げる原子の半径である。ダイアモンドおよびシリコンの場合において、本発明は、それぞれ炭素およびシリコンの共有結合半径に関心がある。ドーパントなどの不純物が格子中に導入される場合、格子は、ドーパントの共有結合半径が母体結晶の原子よりも高い場合に膨張し、逆にドーパントがより低い場合に格子は収縮する。結晶格子中の種々の原子により占拠される空間は高度に研究されており、以下に検討されるように、十分に立証されてきている。そういうものとして、格子の膨張(または収縮)の量を正確に予測することは可能である。
ホウ素含量と得られる格子定数の増加間の関係は、以下の等式により与えられる(F.Brunet et.al.,“The Effect of Boron Doping on the Lattice Parameter of Homoepitaxial Diamond Films”,Diamond and Related Materials,vol.7,p.869(1998)を参照すること):
Figure 2006512270
式中、a=ドーピングダイアモンド用の格子定数、a0=純粋ダイアモンド用の格子定数、および[B]=ppmaでのホウ素濃度。
窒素含量と得られる格子定数の増加間の関係は、以下の等式により与えられる(A.R.Lang,“Diffraction and Imaging Studies of Diamond”,The Properties of Natural and Synthetic Diamond,Edited by J.E.Field,Academic Press,p.246(1992)を参照すること):
Figure 2006512270
式中、a=ドーピングダイアモンド用の格子定数、a0=純粋ダイアモンド用の格子定数、および[N]=百万分の1原子部(ppma)でのホウ素濃度。
燐、硫黄、またはリチウム含量と得られる格子定数の増加間の関係は、2.7x1020cm-3未満のホウ素濃度に対応する場合にも十分であるベガード(Vegard)の法則により提供される。窒素により誘発される歪みは、想定される他の不純物原子とは違って、窒素は炭素よりも小さい共有結合半径を有するので、ベガードの法則によって計算することはできない。ベガードの法則は以下の等式により与えられる:
Figure 2006512270
式中、Δa/a0=格子定数の部分変化、BX=原子X用のサイズ因子、および[X]=ダイアモンド中の原子X用の原子密度(cm-3)。さらに、
Figure 2006512270
式中、rX=原子Xに対する共有結合半径、rC=炭素に対する共有結合半径=0.77Å、および[C]=ダイアモンド中の炭素の原子密度=1.76x1023原子/cm3。ベガードの法則を用いる上で、ホウ素(B)、硫黄(S)、燐(P)、およびリチウム(L)に対する、ならびに(Nd)ネオジムに対する共有結合半径およびサイズ因子は、以下の第1表に提供される。
Figure 2006512270
上述の等式は、また、格子適合されるか、または調整された格子不適合を有する層または複数の層を有する多層構造の設計を支援するために用いることができる。例えば、薄いホウ素ドーピングダイアモンド層が通常のダイアモンド基板上で成長する場合、ドーピング層の炭素原子の表面間隔は、通常、基板のそれらよりも大きくあるであろう。従って、基板の格子および薄いダイアモンド層は、不適合となるか、または揃えることはできないであろう。しかし、薄層は、基板が薄層よりも厚い場合、基板の格子により膨張を抑制することが可能である。このシナリオにおいて、より厚い層は構造の支配層であるであろうと共に、他層、すなわち、薄層は並べられることを余儀なくされるであろう。基板が本当に支配層である場合、薄層は圧縮下に置かれ、一方下にあるダイアモンド基板は引張状態に置かれる。出願者は、これが、ダイアモンド表面を強化し、それを亀裂または他の機械的損失に対してさらに耐性あるものとすることを見出してきた。この態様は、刃具、外科用ナイフ、マイクロトーム、およびワイヤーダイなどの多数の単結晶ダイアモンド物品を強化するために有利に用いることができる。
結晶成長の間のドーピングに加えて、拡散およびイオン注入を含む他の方法が、一般的に半導体に、特別にダイアモンドにドーピングするために存在する。それぞれは、それらを特定の状況下で用いるのに望ましくする特定の特徴を有する。ドーピングの両方法は、ダイアモンドの結晶格子を大きくするかまたは膨張させる。
拡散の場合に、格子中に望まれる元素は、気体、固体または液体などのある形態でダイアモンド表面上に置かれ、元素は、熱エネルギーまたは電場エネルギーの適用により、表面中に拡散する(移動する)ことを引き起こす。拡散の深さおよび強度は、温度、時間および供給源種に関係する。拡散において、濃度は時間との指数関係に従い、従って、格子膨張は内部よりも一層激しく膨張する表面との対応関係に従う。
イオン注入において、望ましい化学種は、高真空においてイオンとしてダイアモンド表面に加速され、イオンは加速電圧により決定される深さまでダイアモンド表面を貫通する。この層は、ダイアモンド表面下ミクロンの十分のいくつかであり、さらなるミクロンの十分のいくつかの厚さであることができると共に、上述と同じやり方で格子膨張を示す。多様な電圧および投与量の一連の注入は、また、用途用に望ましい深さを有するドーピングレベルプロフィールを与えるように用いることができる。加えて、非ドーパント原子でさえもそれらのイオン注入は、注入の間のイオン衝撃により格子になされる損傷のせいで格子膨張を引き起こす。この格子膨張は、ビームが表面を通過し、その結果、ドーピングされた膨張層の上部に非ドーピング膨張層を残すことができる。
非ドーピング膨張層上のCVDによる単結晶成長は、初期注入が結晶に入るレベルで結晶中に埋もれた歪み層をもたらす。ダイアモンドは、生じた損傷が他の半導体材料でそうであろうように次の層上の成長の間に歪み除去とはならないので、このタイプの埋め込み層を作ることに独特に適している。こうした歪み層は、結晶バルクとは違った屈折率を有するであろうし、それによって、光導波路として役立つことができるであろう。これらの層および物品を製造するための方法は後に検討される。
格子不適合による歪みエネルギー(a0=基板格子定数およびaf=層格子定数で、ε=(a0−af)/a0)は、以下の等式を用いて推定することができる:
Figure 2006512270
式中、t=膜厚、E=ヤング係数、およびv=ポアソン比(例えば、C.R.M.Grovenor,Microelectronic Materials,Adam Hilger,p.139(1989)を参照すること)。不純物添加による格子定数の変化を与える式と共にこの等式は、調整された歪みエネルギーを有する層または複数の層を作製するために用いることができる。
前述のように、ドーピングは、一般に、原子格子構造中の原子拡大膨張をもたらす。この膨張は一般的であるが、一方で、ダイアモンドが過度にドーピングされると、対応するダイアモンドの格子構造が有意な歪みに圧迫されるので、制御することは、また、極めて重要である。ダイアモンドがどれほどドーピングされるか(且つ歪みを受けるか)に基づき、次には、ダイアモンドが形成することができる臨界厚さが存在する。ダイアモンドが激しくドーピングされ、次に、臨界厚さを超える厚さまで成長すると、ダイアモンドは、転位の形成がダイアモンド層の中で起こり始め、続いて潜在的にダイアモンドの破砕が起こるような十分厳しい歪みレベルを有する。一般に、転位の形成は、ダイアモンドを組み込むデバイスの特性および性能を劣化させる。
多層ダイアモンド構造を形成する場合、前述のように、歪みは1以上の層において起こることができる。次には、歪みは、両層で異なると、多くの場合、1以上の層の原子格子が不適合になるかまたは並べなくなることを引き起こす。単一ダイアモンド膜層にドーピングする場合とそっくり同じに、それぞれの格子不適合層により造りだされる歪みは、ある臨界厚さまでの分だけは受け入れられるが、その後、各層上の歪みは、転位の生成によるか、または、なおより大きな歪みがかかる場合層中の膜の破砕または亀裂により除去される。臨界厚さは、材料の物理的および機械的特性および基板と膜間の計算格子不適合を用いて予測することができる。
一般に、ダイアモンドの臨界厚さは構造の格子不適合の関数として推定することができる(一般的に、S.M.Sze,“The Ideal Semiconductor:A Wish List”,High Speed Semiconductor Devices,editor,Wiley−Interscience,p.30(1990)を参照すること):
Figure 2006512270
式中、Lc=臨界厚さ(mm)、b=バーガーのベクトル、υ=ポアソン比、w=適合パラメータ、およびf=部分格子不適合(Δa/a0)。ダイアモンドへのホウ素のドーピングに関して、この等式は、異なるドーパント濃度に基づく以下の第2表に含有される種々の臨界厚さを生成するために用いることができる。次に、このデータが図1に示されるようにプロットされる場合、臨界厚さが歪み、または格子不適合に反比例することを観察することができる。
Figure 2006512270
従って、種々の組成物のダイアモンド膜の臨界厚さを計算することは可能であり、次に、望ましいレベルの歪みを有するダイアモンド膜を故意に成長させることは可能である。以下の第3表から見ることができるように、上記等式(I)〜(V)を用いて、異なる量の歪みは種々の不純物原子濃度に対して近似することができる。
Figure 2006512270
これらの歪んだ膜は、仮像膜と呼ばれる。例えば、シリコン−ゲルマニウム合金に基づく構造中の歪みレベル(一般的に、S.M.Sze,“The Ideal Semiconductor:A Wish List”,High Speed Semiconductor Devices,Wiley−Interscience,pp.28−33(1990)を参照すること)は、数千気圧の圧力に相当することが示されてきた。これらの条件下で、材料の基本的な特性の有意な変更は達成される、例えば、バンドギャップ。しかし、シリコン−ゲルマニウム合金の使用は、いかなる他の手段によっても造りだすことができなかった特性の達成を可能とした;従って、バンドギャップの減少は、材料およびデバイス設計者により有利になるように利用され制御されてきた。シリコン−ゲルマニウム系において、合金は二つの異なる原子格子構造を有する二つの異なる元素の間で存在する。対照的に、ダイアモンドにおいて、我々は、類似の元素12Cと13Cダイアモンド間、およびダイアモンドとドーパント間の合金(混合物)を作製することができる。
特定のやり方でCVDダイアモンド膜をドーピングすることにより、ダイアモンド転位を減少させるかまたは排除さえすることができる。転位は、単純に、完全な整列からの原子配置の不連続である。転位は、通常、直線状に進み、従って、基板から基板上に成長した膜または結晶中に伸びる。転位が圧縮または引張状態にある層と交わる場合、転位が方向を変え、その元の方向とは違った角度で走り、成長結晶の平面内にさえ走りこむことが、従来の半導体上で実証されてきた。(J.Y.Tsao et al.,“Critical Stress for Six−Ge(1-x) Strained−Layer Plasticity”,Physical Review Letters,59(21),pp.2455−2458,23 November 1987を参照すること)。
交互に圧縮および引張状態にある一連の薄層を作製することにより、転位の伝播は低減させるかまたは完全に中断することができる。(Y.C.Chen et al.,“Suppression of defect propagatoion in semiconductors by psudomorphic layers”,J.Applied Phisics,74(6),14 Sept.1993を参照すること)。出願人らは、この方法が、交互にドーピングされる、例えば、ホウ素ドーピングありホウ素ドーピングなしの成長層によりダイアモンドに拡大適用することができることを見出した。本発明に対する有意な利点は以下にある:バルク成長において、転位を発生させるためには些細でない量の成長が起こらねばならないが、しかし、本発明において、転位は薄層を遮断する一つまたは少数の転位に移動し、その後あらゆる追加の薄膜は転位なしのままで残ることができる、例えば、イオン注入を介してドーピングされた表面を有するダイアモンド基板は、基板上に形成される追加のダイアモンドを転位なしに保持するように機能する基板上の圧縮層を造りだすために用いることができる。
本発明の方法は、低転位または転位なしのダイアモンド結晶、基板、および構造を調製するために用いることができる。本方法は、また、低転位または転位なしのダイアモンドから作製される歪みなしの光学部材を調製するために用いることができる。歪みは、一般に、レンズおよびウィンドウおよび宝石原石などの光学部材の性能を低下させる複屈折をもたらす。本発明を用いて、光学部材例えばウィンドウは、活性レーザー媒体、例えば、Nd:YAGが歪みのない格子適合したCVDダイアモンドウィンドウに対して形成されるか、またはNd、すなわち、ネオジムが後に記載される方法によりダイアモンド中に組み込まれるレーザー用に調製することができる。
本方法は、さらに、半導体デバイス用の低転位または転位なしの基板の製造を可能とする。不純物が転位上に集積することができ、これによりデバイス性能の局部的な低下を招くことは、シリコンでは公知であり、ダイアモンドにおいても報告されてきている。例えば、ホウ素ドーピングダイアモンドにおける結晶欠陥が、ダイアモンドLEDsの性能可能性を限定することが示されてきた。(S.Koizumi et al.,“Ultraviolet Emission from a Diamond pn Junction”,Science,vol.292,pp.1899−1901(2001)を参照すること)。
従って、本発明は、また、低転位を有する基板および膜を用いると共に、本明細書において記載される方法により製造されるより高性能のデバイスを含む。歪みのない格子適合したCVDダイアモンド用の一つの特定の注目すべき用途は、量子計算に関するものであろう。ダイアモンドには、不純物関連センター(置換型窒素不純物および空孔を含有するN−Vセンター)が利用され、それをqビットとしての使用に適するものとする特性を有するという事実のせいで、量子計算に関する多大な関心がある。スピン状態相互作用と共に、量子計算における別の臨界性質は、qビット操作に用いられるスピン状態の寿命であり、この寿命は、直接、ダイアモンドの結晶品質に関係する(T.A.Kennedy et al.,“Single Q−bit Operations with the Nitrogen−Vacancy Center in Diamond”,Phys.Stat.Sol.B(2002)にて公表)。
CVDダイアモンドにホウ素をドーピングすることにより、また、その電気伝導度を有効に変えることができる。用途には以下が挙げられる:
1.ホウ素ドーピングダイアモンドは、それが圧縮または引張状態下に置かれる場合、およびそれが温度を変える場合に電気抵抗の変化を受ける。従って、本発明の方法は、単結晶ダイアモンド工具をホウ素ドーピング単結晶ダイアモンドで被覆し、操作下の工具上の応力およびその温度を測定するために用いることができる。次には、これは機械加工操作を監視し制御するための現場のセンサーを提供するために用いることができ、それが最適のやり方で操作されることを可能とする。この態様は、また、低侵襲型手術用の機械誘導手術用刃物を提供することにおける使用に適合させることができる。
本発明のなお別の実施形態において、切削層は、pタイプ(ホウ素ドーパントにより正に荷電)またはnタイプ(燐ドーパントにより負に荷電)ダイアモンドの交互層を含有することができ、それがまたp−n接合である工具を造り出した。こうした層は、切削サイクルの間、工具性能、振動、および磨耗などの連続した現場の監視を提供することができるであろう。こうしたデバイスは、また、位置探索などの手術手順に関する情報を提供するために手術において用いることもできるであろう。さらなる実施形態は、位置、血流、血液および組織成分などを監視するために、手術用刃物上に完全なトランジスタまたは検出器を成長させることであろう。
2.手術における導電性ホウ素ドーピングダイアモンドの使用は、静電気により発生する手術用刃物からの電気放電の可能性を減らし、それによって、患者または周囲の電気監視装置またはペースメーカーなどの埋め込みデバイスに対する損傷を予防する。
3.ダイアモンドは、プラスチック・フィルム、および紙などの材料を細長く切るか、またはマイクロトームにおいて組織を薄片に切断するために用いることができる。こうした方法での共通の問題点は、破局的な電気放電を招く静電気の集積、または切断表面上の塵、ほこりおよび切削残分の集積である。工具上のホウ素ドーピングダイアモンド表面は、こうした静電気蓄積を予防するために用いることができる。一部のケースにおいて、膜または多層構造よりはむしろ固体ホウ素ドーピングダイアモンドの完全工具を用いることは、望ましいことが可能であろう。
4.ホウ素ドーピングダイアモンドは、酸性または塩基性水溶液中の腐食に対して高度に耐性がある。ホウ素ドーピング多結晶ダイアモンドは、酸素および塩素などの材料の電気化学的合成用の電極として用いられてきた。多結晶ダイアモンド電極は、グラファイトまたはステンレス鋼などの従来の電極材料のそれの何倍にも当たる寿命を有する。しかし、多結晶ダイアモンドは、何時間かの運転で破局的な破壊を受ける。多結晶ダイアモンドは、互いに粒界で結合する何百万の小さな結晶からなる。これらの粒界は不純物を集積する傾向があり、それらはゆっくりと攻撃され破壊に至る。本出願人は、単結晶ホウ素ドーピングダイアモンドから作製される電極を製造してきた。これらの電極は、全く粒界を有さず、多結晶ダイアモンドよりも有意に長い寿命を有し、且つ均一な磨耗を示すが破局的破壊は全く示さない。さらに、単結晶ダイアモンド電極は、破局的破壊または測定可能な腐食なしで、多結晶ダイアモンドができるよりも、数桁高い電流密度に耐えることができる。
最終的に、本発明の組成物は、例えば、工具、マイクロトーム、および検出器用の切削工具などのものの製造において有用である独特のおよび特定の半導体特性を提供することができる。
単結晶CVDダイアモンドが天然であろうと合成であろうと高圧高温で形成されるダイアモンド結晶の他の形態に対して有する第1の利点は、CVDダイアモンドが一貫した不純物レベルを有して、従って、一貫した特性を有して成長することができることである。従って、例えば、ダイアモンド工具の磨耗率がダイアモンドの窒素含量に正比例することが知られている場合、上に挙げた「格子定数」および「臨界厚さ」の等式を利用する保証されたダイアモンド構造を造りだすためにドーピングを操作することができる。次に、極めて低い磨耗率を有する工具は、本発明のCVD法により極めて高い純度のダイアモンドを成長させることにより作製することができる。さらに、CVD結晶が金属包有物および他の欠陥を全く含有しないので、結晶は切削工具用のより鋭い刃先、およびワイヤーダイ、当板またはベアリング用のより滑らかな表面を造りだすために一段と高度な滑らかさに磨くことができる。
高品質および高純度のCVD単結晶ダイアモンド層は、天然または高圧合成ダイアモンド種結晶上に成長することができる。従って、増強された硬度、熱伝導度および研磨表面を有するダイアモンド結晶が成長することができる。天然または高圧合成ダイアモンド上のCVD合成単結晶ダイアモンド層からなるこの複合結晶は、それら自身で天然または高圧ダイアモンド結晶に対して優れた性能を有する結晶をもたらす。さらに、主題の方法は、通常の使用を通して擦り減らしてしまった刃具または他の物品を再被覆するために用いることができる。
用途には、コンタクトレンズ用のプラスチックレンズおよび金型を切り出すための刃具(多くの場合単刃ダイアモンド工具(SPDT)と呼ばれる)、広い範囲の高および低性能光学用の金属およびプラスチックミラー、家具および一般建築用の木材および木材積層板の高速精密切削、および非鉄金属の精密切削などが挙げられるがそれらに限定されない。SPDTの重要な態様は、極めて滑らかな表面が、多くの場合次の研磨または仕上げなしで光学仕上がりを得るために高速度で機械加工することができることである。SPDTは、こうした仕上がりをたったの1回の刃具通過で提供し、カーバイド、鋼またはセラミック刃具に比べてより高いコストのダイアモンドではあるが、これらの代替工具よりも低い費用で提供する。他の刃具材料に比べてSPDTの優れた費用上の利点を考えると、ダイアモンド工具の格段に優れた硬度のせいで追加の利点が生じる。
高速および精密切削法において、有意な費用は、工具が擦り減らされ必要許容範囲の部品をもはや作り出せない場合の切削機械加工の停止時間に関係する。例えば、木材積層品の切削に適用する場合、工具が置き換えられ再設定される間、何千ボードフィートもの製品の製造を控えねばならない。従って、SPDTは、より少ない製造工程および停止時間によるより低い生産損失を伴うより高品質の製品の形態において、材料組立加工業者に多くの利点を与える。これら両方の利点は、ダイアモンドの優れた硬度およびより滑らかな切削表面のせいで生じる。従って、ダイアモンドの硬度を増大させることができるあらゆる方法は、すぐに、こうした硬度を増大させたSPDTの使用者に対する有意な経済的利点に形を変える。高純度単結晶CVD成長ダイアモンドとより低い純度のダイアモンドの複合材として作製されてきたSPDTは、上述の特性を充足し、合成または天然のダイアモンドのみのものに対して優れたSPDTをもたらす。
出願人らは、また、CVD、HPHT、または天然のダイアモンドがホウ素ドーピングダイアモンドの薄層により被覆される場合、硬度、磨耗率、および耐酸化性における改善を見出してきた。理論により束縛されることを意図しないが、ホウ素がダイアモンド格子に添加される場合格子が膨張し、層の厚さが臨界厚さ未満である場合圧縮状態にある表面が実際に表面をより強く且つより硬くするようであることは、考えられる。重度にホウ素ドーピングされた層がその臨界厚さ未満の厚さまで成長する場合、複合ダイアモンドが純粋CVD成長単結晶ダイアモンドのそれさえよりも有意に下である磨耗率を有するようであることは、考えられる。
実際、ホウ素被覆および非被覆ダイアモンドが同時に同じダイアモンド切削ホイール上で研磨される場合、同じ結晶方向における研磨率は、ホウ素ドーピング化ダイアモンド表面上で1/4〜1/2未満であった。出願人らは、また、650℃以上の温度で酸素または空気中における有意に低下したエッチング率を見出した。上述の本発明のさらなる伸展は、さらに、臨界厚さ未満である高度にホウ素ドーピング化された膜でそれらを被覆することにより、さらにCVD、HPHT、または天然の単結晶ダイアモンド刃具を硬化することであり、それによって工具の性能を改善し、その寿命を長くし、且つ工具の使用者に対する経済的な利点における有意な改善をもたらす。
前に述べたように、臨界厚さを超える場合、歪みエネルギーは転位の形成により除去される。ホウ素ドーピング層が臨界厚さを超える厚さに成長する場合、高転位密度が生じる。転位高密度の存在は、切削または他の物理的衝撃の間の結晶中の亀裂の伝播を遮断し、事実上結晶を強化することができる。従って、出願人らは、臨界厚さよりも薄い重度にホウ素ドーピングしたダイアモンド層を成長させることにより、優れた硬度、磨耗、工具寿命および経済的な利点が得られることを見出した。同様に、臨界厚さよりも厚い重度にホウ素ドーピングした層を成長させることにより、優れた耐衝撃性、亀裂耐性を有すると共に、純粋SPDTよりも高い圧力または工具供給量を許容することができる。従って、臨界厚さよりも大きいかまたは小さいホウ素ドーピング層を造りだすことにより特定用途に合わした工具を造りだすことが可能である。
膜の一部が臨界厚さ未満であり、かつ膜の一部が臨界厚さを超える重度にホウ素ドーピングしたダイアモンド膜を成長させることもまた可能である。こうした複合材は、より硬く且つより長い寿命にされたその表面の一部を有するが、一方で、表面の異なる部分はより強靭である。言い換えると、複合材は、なお強靭であるという利点を持ちながら、より硬い工具のすべての利点を提供する。こうした工具は、材料切削の間、部材に接するための工具の第1部分が高度の転位密度を有する部分(臨界厚さよりも厚い)であるように、作製されるであろう。結晶のこの部分はより高い圧力および切削率に耐えることができ、材料バルクを除去するが、しかし、完全な精密さを伴うものではない。工具が材料中に移動するにつれて、材料バルクが除去された後、工具の第2部分が材料に接し、臨界厚さ未満であるホウ素被覆ダイアモンド層により最終仕上げがなされる。
これらの二つの機能が、工具の厚い部分から薄い部分へ進む際の、ダイアモンド切削表面角度の変化により達成することができることは、工具設計技術に精通している者には理解されるであろう。厚いホウ素ドーピング層をCVD、HPHT、または天然のダイアモンド上に成長させることによりこうした改善工具を製造すると共に、厚いホウ素ドーピング層の高転位密度のせいでより高い耐衝撃性の利点を享受することもまた可能である。ホウ素以外の不純物が、それらの臨界厚さよりも低い膜厚さで硬化するか、または臨界厚さよりも大きい厚さでの成長膜により強靭膜を生成することをもたらすために用いることができるであろうことは、当業者にはよく理解することができるであろう。これらの実施形態のあらゆるものは、既存のSPDTを被覆し、それらの性能を改善するために用いることができる。
本発明の使用は、単刃ダイアモンド工具に限定されるものではなく、磨耗率、円滑さ、および耐衝撃性などが望まれる他の単結晶ダイアモンド用途にも拡大することができることは理解される。これには、外科用メス、ナイフ、マイクロトーム、ワイヤーダイ、ベアリング、当板、スペーサなどの用途が挙げられようが、それらに限定されない。
理論により束縛されることを意図しないが、一方で、本発明の方法および組成物は、少なくとも一つの実施形態において、それが製造される際にCVDダイアモンド中の炭素の同位元素濃度を変えることを含む。一般に、この技術の本質には、増大するよりはむしろ減少しようとする炭素原子間の間隔が含まれる。炭素には数種の同位元素が見出されている。12Cは最も普通の同位元素であり、一方13Cは約1%ほどである。すべて13C原子からなるダイアモンドは、通常のダイアモンド(12C99%および13C1%を含有する)よりも小さな炭素原子間の間隔を有する。格子定数のダイアモンドの同位元素含量への依存性は、以下の等式により与えられる:
Figure 2006512270
式中、a=同位元素富化ダイアモンドの格子定数、a0=純粋ダイアモンド用の格子定数、および[13C]=13Cの原子割合(H.Holloway et.al.,“Erratum:Isotope dependence of the lattice constant of diamond”,Physical Review B45,p.6353(1992)を参照すること)。
従って、天然の非ドーピングダイアモンド層上で成長しようとするドーピング層と同じように、13Cダイアモンド層を12C基板上に蒸着させ、12Cダイアモンドを圧縮状態に13C表面層を引張状態に置くことは可能である。これは、次には、以下のことをもたらす:
1.ダイアモンド板または結晶は、単層塗布により、且つホウ素または窒素ドーピングなしで(バルクにおいて)強化することができる。
2.ヘテロ構造はホウ素または窒素ドーピング層を用いることなく転位を減らすために造りだすことができる。このヘテロ構造は、非ドーピング12Cおよび13Cダイアモンドの交互層を含むことができる。こうした構造は、末端が12Cまたは13C層のいずれかになり、次に、12Cまたは13Cダイアモンドいずれかの単結晶板を成長させるために用いることができる。
3.連続的に変わる12C/13Cの層は生成されて一つの格子間隔から他の間隔に変わることができ、それによって、大きな13Cダイアモンド結晶用に基板を提供する。
4.13Cにおける原子が従来のダイアモンドよりも一緒に近接しているので、13Cダイアモンドは、通常のダイアモンドを擦り切り、傷をつけ、ギザギザをつけるか、または擦り減らすことが必要である状況において13Cバルク結晶または層を用いることができる程度まで、従来のダイアモンドよりも硬いと期待される。
5.13C不純物0.1%未満を有する(同位元素富化と呼ばれる)CVDダイアモンドが例外的に高い熱伝導度を有することが示された。通常のダイアモンド上にホウ素ドーピング同位元素富化ダイアモンド層を成長させることにより、中で熱が高速で横に広がり、次に、軸方向下方ヒートスプレッダーに吸収される半導体デバイスを構築することは可能である。同じことは、熱の急速な横の除去と次にそれを軸方向にヒートスプレッダーで除去する目的のために、通常のダイアモンド上の非ドーピング同位元素富化ダイアモンドに適用することができよう。こうした構造は、通信レーザーおよび他の高出力デバイスにおけるより良い温度制御をもたらすことができる。加えて、通常のダイアモンドと同位元素富化ダイアモンドの交互層は、縦の伝導度に比べて極めて高い横の熱伝導度を有する構造をもたらすことができる。
6.12Cおよび13Cが異なる質量を有するので、同位元素含量の変化は対応する電気特性変化を有するダイアモンドのバンドギャップを変える。(A.T.Collins et.al.,“Indirect Energy Gap of 13C Diamond”,Physical Review Letters,65,p.891(1990)を参照すること)。バンド・オフセットおよび得られる電気特性の変化は、これらのオフセットなしでは可能でない電気および光学デバイスを製造するために用いることができる。
7.前述のように、天然ダイアモンドは、主として、13C約1%を有する12C99%からなる。純粋な13Cダイアモンドは天然ダイアモンドよりも小さな格子定数を有し、これはより小さな13Cの共有結合半径のせいである。従って、純粋12Cから純粋13Cダイアモンドの範囲にある組成の混合物を造りだす場合に、格子定数は、13C含量が増大するにつれて減少する。従って、13Cがダイアモンド格子を収縮させ、ホウ素または窒素が格子を膨張させるので、12C、13C、およびホウ素または窒素の過剰集中からなる組成物を造りだすことは可能である(ホウ素ドーピングは多くのデバイス用に必要とされるp型半導体をもたらす)。これが、今、大きなドーパント原子の膨張効果と13Cの収縮効果を組み合わせて、天然のダイアモンド基板に正確に格子適合するダイアモンド層を造りだすことができることの理由である。
詳細には、13Cダイアモンド層が12Cダイアモンド上に成長する場合、既に述べたように13C層中に歪みがある。我々が、次に、拡散(熱的または電気的)かまたはイオン注入により13Cダイアモンド層をドーピングする場合、ドーパントは13Cダイアモンドの格子を膨張させ、歪みは減る。従って、ドーパント、例えば、ホウ素または窒素(ホウ素ドーピングは多くのデバイスに必要とされるp型半導体をもたらす)の過剰集中を有する可変の12Cおよび13C同位元素濃度からなる層を造りだすことができるであろう。組成物は、例えば、ホウ素ドーパント量(0〜1%間)を有する13C同位元素(0.1〜100%間)を変えることにより、通常の天然ダイアモンド層の格子間隔に正確に適合し、デバイス性能に必要とされる過剰ホウ素集中を有するが、しかし、格子構造歪みを全く持たない構造を提供するように、設計することができる。この方法は、III〜V半導体構造において用いられるような歪みのないものを提供する。
歪みゼロを有する特定のデバイス構造を製造するために必要である必要同位元素混合(13C%)を示す例は、以下の第4表に示される。前述の特定デバイスに関するさらなる情報については、Aleksov et al.,“Diamond Junction FETs based on δ−doped channels”,Diamond and Related Materials,vol.8,pp.941−945(1999),A.A.Melnikov et al.,“Electrical and Optical Properties of Light−Emitting p−i−n Diodes on Diamond”,J.Appl.Phys.,vol.84,pp.6127−6134(1998),及び S.Koizumi et al.,“Ultraviolet Emission from a Diamond pn Junction”,Science,vol.292,pp.1899−1901(2001)を参照すること。出願人らは、ダイアモンドにより以下のデバイスを製造するために、本発明の格子適合/歪み最小化態様を電気デバイスに関して参照してきたものに適用した。
Figure 2006512270
また、この格子適合概念は、主として互いに格子適合するドーピングダイアモンド層からなる多層ダイアモンド構造を成長させるまで拡大することができる。こうした構造は、かりに少しはあるとしても、天然ダイアモンド層によってはほとんど造られないであろう。層は、歪みのないダイアモンド構造を製造するために、適切な12Cおよび13C濃度を、ホウ素、窒素、リチウム、燐、硫黄または他の不純物の望ましいドーピング濃度とかみ合わせて、正確に成長するであろう。12C/13Cの濃度は、イオン注入拡散曲線に従って連続的に変わり、ドーピングの幅広い深度にわたり歪みのない且つ緊張のない格子を与えることができるであろう。この方法は、また、シリコンで行われるように、ダイアモンド蒸着およびイオン注入を同時に行うことが望ましい状況に対して適用することができる。これは、今、ダイアモンド中に組み込むことができない元素のより高いドーピングレベルおよび組込みをもたらすことができるであろう。こうした元素には、最も有効な半導体レーザー材料であり、溶接、切削、レーザー兵器、LIDAR、可視および紫外線レーザー励起光源、医学的診断および軍事目標指定用の一段と高い出力のNdレーザーをもたらすことができるであろうネオジム(Nd)を挙げることができようがそれに限定されない。
ダイアモンドの13C同位元素濃度への格子定数の依存性に関する等式番号VIIIを、ダイアモンドのドーピング濃度への格子定数の依存性に関する前述の等式番号I〜Vのいずれか一つと組み合わせることにおいて、13Cダイアモンドに適応し、なお通常のダイアモンドに格子適合することができる種々の不純物の最大の濃度を正確に予測することができる。この計算の結果は以下の第5表に示される。天然の同位元素濃度ダイアモンド上に成長する13Cダイアモンド膜に適応することができる不純物のレベルが、なお低い歪みを保持しながら天然のダイアモンド同位元素基板上に成長する天然の同位元素ダイアモンド膜に適応することができるものよりも有意に高くあることを留意することは重要である。前述の等式を組み合わせることにより、天然ダイアモンド基板に格子適合することができる膜を製造する13Cおよびドーパント濃度の全範囲を計算することができる。
Figure 2006512270
図2は、ホウ素、窒素、硫黄、燐、およびリチウムドーピングのドーパントに対するプロットを示す。この図において、線上にある組成物は、通常の同位元素または純粋なダイアモンドに格子適合する。これらはダイアモンドにおける使用のために考えられる主要なドーパントであるが、しかし、同じ原理は将来発見され開発することが可能であろう他のドーパントにも適用されるであろう。前に指摘した等式と併せたこのプロットは、従って、層を格子適合させる必要がある半導体、光導波路、または他の関連用途用のダイアモンド層を設計するために用いることができる。
8.別法によれば、交互に圧縮および引張状態にあり、あらゆる層がホウ素(または一部の他の不純物)でドーピングすることができる仮像ダイアモンド構造を、構築することができる。詳細には、一つの層のみが圧縮または引張状態にあることを必要とし、他の層はすべて格子適合している。これらの構造において、格子不適合からの望ましい量の歪みを有する一つの層が生成される。続いて、電気およびデバイス特性の変化が、歪みのある少なくとも一つの層からの歪み誘発電気不連続から起こる。こうした仮像構造は、必要な歪み不連続を達成するために、ドーピング(活性[B、N、S、Li、P、または他の元素]または13C)と共にイオン注入および拡散を用いることにより最小数の成長層を用いて構築することができるであろう。
光導波路を造りだすことに関して、従来のドーパントを用いてドーピングされるか、および/または13C炭素ドーピングを用いることによるダイアモンド層は、通常のダイアモンド層の間で成長することができる。そうすることにおいて、圧縮または引張状態のいずれかにあるカプセル化ダイアモンド層を成長させることは可能である。同様に、同じようにドーピングされたダイアモンド層は、ダイアモンドの表面上で成長することができると共に、圧縮または引張状態にあることができる。高ドーピングでの且つ臨界厚さ未満の厚さを有するダイアモンド膜は、数千気圧を測定する平衡圧力に相当する圧縮応力を含有することができる。これらの条件下で、約0.04%の屈折率の変化は、通常、1000気圧の圧力がかけられる時に得られる(M.A.Prelas et al.,Handbook of Industrial Diamond and Diamond Films,Marcel Dekker,Inc.,p.231(1998)を参照すること)。これらの歪みは、クラッド層または表面層のいずれかにおいて光ビームを導くことができる屈折率変化を可能とするために十分なものである。光学的デバイス、ルータおよび他のデバイスの設計者に対して特に興味深いものは、ダイアモンドがあらゆる材料の内最も広い光透過範囲を有するという事実である。従って、スペクトルの新規で重要な領域にわたって光コンピューティング、ルーティングおよび他のデバイスを可能とする、紫外線から赤外線までの範囲のスペクトルを送信する光導波路を製造することは可能であろう。
大きな波長範囲にわたる光誘導および経路選択デバイスに加えて、紫外線におけるダイアモンド発光ダイオードから様々なデバイスまでの光を誘導するダイアモンド導波路は製造することができる。こうした光導波路は、また、表面音波デバイスと併せて作製され、マイクロ波音響信号を用いて光導波路を貫流する光信号を偏光させ且つ道順を決めることができる。ダイアモンド膜および構造における音響および光導波路特性のこうした融合は、光信号処理、光経路選択および集積光学デバイス構築の新規な方法をもたらす。ダイアモンド膜および導波路上に構築することができる追加のデバイスには、必要な量子スピンを生成するためのrfまたはマイクロ波ポンプおよび光出力信号を検出器アレイまたは他のコンピュータデバイスに導く導波路と共に集積光コンピュータ(量子計算に基づく)がある。
外科用メスなどの医療用具は、デバイスの各面上の臨界厚さ未満である高度にドーピングしたダイアモンドの成長膜により改善することができる。膜は、両方とも圧縮状態に置かれ、なお有意に外科用メスまたは他のデバイスを強化する。同じ原理は、再現性、低摩耗および低工程停止時間を有する高処理能力が必要とされる、紙またはプラスチックまたは他の高体積材料を切り取るために用いられるものなどの他のタイプのダイアモンドナイフに適用することができる。
再度図2を参照して、ドーパント曲線より上に位置する組成物は、圧縮下にあり、一方で、曲線の下に位置する組成物は引張状態にある。前に指摘した等式に沿ってのこのプロットは、従って、半導体、光導波路、または圧縮状態または引張状態にある層を必要とする他の関連用途用のダイアモンド層を設計するために用いることができる。一般的に、組成物に必要とされる精度を考慮する場合、それは、いかに少ない圧縮または引張歪みを適応させることができるかを考慮に入れることを含むか、または真に特定用途のために必要とされる。
9.燐は、CVDダイアモンドにおけるn型ドーパントであることを示した(S.Koizumi et al.,“Growth and characterization of phosphorus doped n−type diamond thin films”,Diamond and Related Materials,7,pp.540−544(1998)を参照すること)。しかし、燐は、炭素、窒素またはホウ素よりも有意に大きな原子であり(Pの共有結合半径はNより1.57倍大きく、Bよりも1.25倍大きい)(K.W.Boer,Survey of Semiconductor Physics,van Nostrand,p.25(1990)を参照すること)、これは、ダイアモンド中に組み込むことができる燐の量に制限を置き、デバイスにおけるその潜在的な電気的性能を限定する。13Cがダイアモンド格子を収縮させ、燐が格子を膨張させるので、12C、13Cおよび燐の過剰集中からなる混合組成物を造りだすことは可能である。これは、次には、デバイス性能にさらに適するより高い燐濃度をもたらすことができる。
10.硫黄は、CVDダイアモンドにおけるn型ドーパントであることを示した(M.N.Gumo et al.,“Sulfur:A New Donor Dopant for n−Type Diamond Semiconductors,Applied Diamond Conference/Frontier Carbon Technology Joint Conference,p.54(1999)を参照すること)。しかし、硫黄は、炭素、窒素またはホウ素よりも有意に大きな原子であり(Sの原子半径はNより1.49倍大きく、Bよりも1.09倍大きい)(J.F.Shackelford et al.,CRC Materials Science and Engineering Handbook,CRC Press,p.18(1994)を参照すること)、これは、ダイアモンド中に組み込むことができる硫黄の量に制限を置き、デバイスにおけるその潜在的な電気的性能を限定する。13Cがダイアモンド格子を収縮させ、硫黄が格子を膨張させるので、12C、13Cおよび硫黄の過剰集中からなる混合組成物を造りだすことは可能である。これは、次には、デバイス性能にさらに適するより高い硫黄濃度をもたらすことができる。
11.上記項目8および9(または8および10)の組合せ、およびホウ素ドーピングダイアモンドの層および次の燐または硫黄ドーピングダイアモンドの層を成長させることにより、多くの半導体デバイスに必要であるp−n接合を造りだすことができる。混合組成物を用いる利点は、ダイアモンドにおける伝統的な半導体デバイスの操作を可能とする極めて高いレベルの電気的活性担体を得ることである。前述のように、ダイアモンド半導体デバイスは、いかなる他の半導体デバイス材料よりも、より高い出力レベル、より高い温度およびより高い速度で操作することが期待される。
12.本発明の方法は、天然とCVD成長単結晶ダイアモンド間の混同を防止することが望ましい場合、例えば、宝石原石などの特定物品で用いるためのCVD単結晶ダイアモンドであるとしてのダイアモンドの起源を識別するための標識を提供する目的のため、通常の同位元素炭素から合成単結晶ダイアモンドを成長させ、13Cダイアモンド層を散在させるために用いることができる。あるいは、全体単結晶を少量の13C炭素を有して成長させ、検出の方法をまた提供することができる。こうした検出法には、それぞれが同位元素含量を測定するために用いることができる、高分解能X線回折、ラマン分光法、および質量分析があるであろう。例えば、ラマン法は、格子間隔を拡大するかまたは縮小するかにより引き起こされる結晶構造の小さな変化を示す。
ある面では、CVDダイアモンドは、実質的に、天然または高圧ダイアモンドと同じものである。本発明の一つの実施形態は、多数のダイアモンド製品を製造するための開始段階として用いることができる板または他の基板の形態をとる単結晶ダイアモンドを提供することを含む。本発明の方法は、また、のこ引きおよびラッピングなどの実質的な数の製造段階を排除し、有用製品の収率増大のために用いることができる。さらに、CVD単結晶ダイアモンドの品質が天然のまたは合成の高圧高温(HPHT)ダイアモンドに等しいかまたはそれよりも高くあるので、得られる物品は、高品質のものであり、より少ない破損、およびより高い光の透過などを有する。本発明には、従って、本明細書において記載されるような、宝石原石、外科用メス、ワイヤーダイ、マイクロトーム、ヒートスプレッダー、光学ウィンドウ、ナイフ、刃具、および半導体光学的および電子機械的素子を含む単結晶ダイアモンド能動素子用の基板のためのCVD単結晶ダイアモンド板の使用が含まれる。
特に好ましい実施形態において、本方法は、約0.005パーツ・パー・ミリオン(ppma)以下〜約10,000ppma以上、好ましくは約0.05部ppma〜約3000ppma間の範囲にあるホウ素濃度を有するダイアモンド層を提供するために用いることができる。こうした層は、それぞれ、約100ppma以下〜約300,000ppma以上、および約1000ppma〜約100,000ppma(ガス相中の炭素に対して)の範囲にある濃度で前駆体ガス中にホウ素を組み込むことによるCVD技術を用いて成長させることができる。正確なドーピング濃度は対象デバイスの要求事項に応じて決まる;ガス相中の正確な濃度は、膜中の所期のドーピングレベル、およびホウ素を補償するために十分に高いドナー濃度をもたらすと共に、すべてまたは一部を電気的に不活性にすることができるであろうガス中の残留不純物(N、P、Si)のレベルに応じて決まる。
一つのドーパント(ホウ素など)を有するダイアモンド層は、歪みのないドーピング層を得るために他のドーパント(窒素など)を含有する層に格子適合することができる。これは、得られる格子定数変化と不純物濃度を相関させる前述の等式により与えられるように、適切な関連不純物濃度を組み込むことにより達成することができる。歪みゼロ(歪みは同位元素調整によりバランスをとる)でのドーピングは、以下の利点:(1)歪みによる結晶欠陥の低減、(2)増強されるデバイス性能(キャリヤ輸送および寿命)、および(3)より高いドーピングレベル、をもたらすと期待することができるが、しかし、歪みを伴う達成可能なドーパント濃度は、歪みエネルギーにより造りだされるエネルギー的な障壁のせいで限定される。
加えて、調整された歪みを伴うダイアモンド層は、所期の格子不適合を造りだす選択された不純物レベルを有する成長層により造りだすことができる。こうした構造は、非ドーピング層およびまたはホウ素、窒素、燐、硫黄、リチウムおよび/または同位体増強を含有する層からなることができる。制御されたまたは調整された歪みの付加は、既存ダイアモンドデバイスのより良い性能ならびに新規デバイスの設計および製造を可能とする。より良い性能は、(1)電気的バンドギャップを調整し(歪みのせいでの変動は、より良いデバイス性能ならびに新規のデバイス設計を可能にする修正バンドギャップエネルギーおよび/またはバンドギャップ配置の実現を可能とする)、(2)屈折率を調整する(屈折率は適用圧力により変化することは知られており(M.A.Prehas et al.,Handbook of Industrial Diamond and Diamond Films,Marcel Dekker,Inc.,p.231(1998)を参照すること)、これは新奇の導波路構造および他の光学的光電子デバイスの製造を可能にする)と共に、機械特性を調整する(硬化層および歪みおよび亀裂遮断層)ための能力のせいである。
全体のダイアモンドまたは個々の層は、それぞれ、ホウ素を前駆体ガスに添加してダイアモンド中約0.05ppma〜約3000ppmaの範囲にあるホウ素濃度を得ることにより、空色から極めて暗い青色までの範囲の青色を有するように製造することができる。こうした膜において、450nm〜7μmの波長に対する光吸収係数は、ドーピングレベルが上がり厚さが増えるにつれて増大する。
ホウ素を前駆体ガスに添加してダイアモンド中で約0.005ppma〜約10,000ppma(好ましくは約0.01ppma〜約3,000ppma)の範囲にあるホウ素濃度を得ることにより、約100,000Ω−cm〜約0.0005Ω−cm、好ましくは約5,000Ω−cm〜約0.02Ω−cmの範囲にある室温電気抵抗を有する単一ダイアモンドまたは個々の層を製造することができる。こうしたホウ素ドーピング層は、また、バンドギャップ不連続を有する層接合を造りだすために同位元素富化層と共に成長することができる。例えば、天然の同位元素非ドーピング層上のホウ素ドーピング13C富化層は、非ドーピング層よりも広いバンドギャップを有するドーピング層を造りだす。こうした層は、バンドギャップ不連続を全く有しない構造に比較して増強された電気特性を得ることを期待することができる。
制御された歪みを有するダイアモンドを製造することは、新しいタイプのデバイスを可能にする調整された電気および光学特性を有する構造の製造を可能とする。例えば、材料が引張または圧縮状態に置かれる場合、半導体(ダイアモンドを含む)がバンドギャップエネルギーおよび構造の変化を受けることは公知である。歪みのせいでのダイアモンドバンドギャップの変化の理論的研究は行われてきており(W.E.Pickett et al.,“Effects of strain on the band structure of diamond”,Micro−Optoelectronic Materials,SPIE vol.877,Ed.C.Kukkonen(1998)及び W.R.L.Lambrecht et al.,“Electronic structure and total energy of diamond/BeO interfaces”,vol.7,J.Mater.Res.,p.696(1992)を参照すること)、それらは、実質的なバンドエネルギーおよび構造変化が本特許において与えられる方法を用いて得ることができる歪みのレベルを期待することができることを示す。静水圧変化に関連するバンドギャップエネルギー変化は以下の等式を用いて提供される:
Figure 2006512270
式中、dE/dP=圧力変化で割ったバンドギャップエネルギー変化、meVおよびGPaはそれぞれエネルギーおよび圧力単位である(M.A.Prelas et al.,Handbook of Industrial Diamond and Diamond Films,Marcel Dekker,Inc.,p.4(1998)を参照すること)。
母体基板に対する格子不適合のせいで歪みを受ける膜は、2軸歪みをもたらす。例として、天然同位元素(非ドーピング)基板上に(非ドーピング)13C100%膜を成長させることに関連する歪みは、数meVバンドギャップエネルギーを増大させると期待することができるであろう。歪みに関連するギャップエネルギーの増加は、歪みあり/歪みなし界面でのバンドギャップ不連続の生成を可能とすると共に、この不連続は、III〜V半導体デバイス系列におけるようにヘテロ接合デバイスにおいて用いられる方法に従っての多くの新奇デバイス、ならびにSi−SiGe合金構造を用いるデバイス用途の最新例を製造するために用いることができる。加えて、ダイアモンドデバイス構造における増強は、例えば、能動素子領域としてのドーピング/非ドーピング界面での担体輸送を利用するデルタドーピングダイアモンド構造において期待することができる。制御された歪みの使用を通してのバンドオフセットの組込みは、活性領域中への担体拡散を増強するために用いることができる。
Si/SiGe系用に検討されてきた歪みの別の使用は、量子計算に適用可能なデバイスを製造するためである(R.W.Keyes,“Strained silicon for quantum computing”,J.Phys.D:Appl.Phys.,vol.35,pp.L7−L10(2002)を参照すること)。Si/SiGe系において、この方法は、不純物原子の波機能を修正するやり方において、SiGe上の歪みSiを成長させることであり、好ましくは不純物の一つの電子エネルギー状態が大部分を占める。歪み誘導変化の最終結果は電子−核相互作用をより均一にすることであり、これは、制御された歪みが全く適用されない場合に達成されるものよりも一段と予測可能であるやり方で量子ビットとしての不純物原子の使用を可能とする。ダイアモンドにおける制御された歪みの使用は、同様の用途を可能とする。
ダイアモンドにおける制御された歪みの使用の別の例は、屈折率変更能力である。ダイアモンドの屈折率(他の半導体材料に類似の)は、材料が圧縮応力を受けると変化することが知られている。屈折率の変化は、以下の等式を用いて与えられる:
Figure 2006512270
式中、n=屈折率、dn/dP=圧力変化により割った屈折率変化、Pa-1は圧力単位である(M.A.Prelas et al.,Handbook of Industrial Diamond and Diamond Films,Marcel Dekker,Inc.,p.231(1998)を参照すること)。制御された歪みは制御された屈折率変化を可能とする。屈折率の段階的な変化を造りだすやり方でこうした層を順序付けすることにより、導波路および回折格子を含む多くの光学デバイスを実現することができる。
本発明の別の実施形態において、発明者らは、本明細書において記載されるCVD法により成長する通常同位元素単結晶ダイアモンドが、実質的に室温で2200W/mKを超える熱伝導度を有することを発見した。熱伝導度を、ダイアモンド試料の一方の側に熱源を適用し試料の反対側で温度を測定することにより測定した。アルミニウム、銅、および窒素ドーピングダイアモンドを測定することにより装置を校正し、室温で3200W/mKの熱伝導度を与えることを見出した。これは、あらゆる技術によりこれまで製造されてきた天然の同位元素豊富ダイアモンド(単結晶または多結晶)に対して最高の熱伝導度である。この高熱伝導度は、天然の同位元素配分を有するすべてのこれまでの天然および合成ダイアモンドが2500W/mK以下の熱伝導度しか持たないので、先行技術からは全く期待できないものである。
本発明において製造される単結晶ダイアモンドは、ワイヤーダイとして試験されたし、天然または合成HPHTダイアモンド結晶により作製されたものよりも高品質ワイヤーダイを大きな収率でもたらした。これらの結果により、本発明の物品がより高い工具寿命を通して増大した性能を与えることが確認される。
高出力レーザーまたはマイクロ波デバイス用のヒートスプレッダーに対する要求事項の設計計算は、冷却効果が直接ダイアモンドの熱伝導度、ダイアモンドの厚さおよび径に関連することを示す。これは、ダイアモンドの熱伝導度を増大させることによりヒートスプレッダーの性能を増大させるか、またはより少ないダイアモンドを用いることにより費用を低減させることが可能であることを示す。さらに、例外的に高い熱伝導度のダイアモンドに期待することが可能であろう属性は、(1)高いレーザー損傷閾値、(2)増強されたワイヤーダイ寿命を含んでこの材料中に存在する。従って、本発明の単結晶ダイアモンドは同位元素富化ダイアモンドの性能を有するが、しかし、同位元素富化の高くつく費用はない(本方法における炭素前駆体の費用は事実上無視可能である)と考えられる。
単結晶合成ダイアモンドは、HPHT法(米国特許第5,127,983号)により成長され、また、室温で2200〜2500W/mKの最大熱伝導度を示すことが見出された。HPHTダイアモンドは、端で数mmサイズの独立した結晶として成長した。これらの大きな結晶は、研磨されて、それによって熱伝導度の正確な測定をなすことができるスラブに容易に加工される。単結晶ダイアモンドは、天然ダイアモンド結晶、高圧成長ダイアモンド結晶またはCVD成長ダイアモンド結晶から生ずることができる単結晶種上での成長によるCVD法によって製造される。単結晶ダイアモンド種上のダイアモンドの成長は、ホットフィラメント、マイクロ波プラズマ、DCプラズマおよび800〜1500℃の範囲にある温度での燃焼炎を用いるメタンまたは他の炭化水素前駆体から実証された(米国特許第5,628,824号、第5,387,310号、第5,470,21号、第5,653,952号)。一つには上述の方法がCVDダイアモンド結晶をダイアモンド種結晶に付着したままで残すという理由で、また一つにはダイアモンド結晶がたとえ種結晶から除去されるとしても熱伝導度の有意義な測定をなすにはあまりにも薄すぎるであろうという理由で、これらの結晶に関する熱伝導度の測定の報告はない。
CVD結晶は、多くの手段によりその種結晶から除去することができる。種結晶は、この技術分野で周知であるやり方においてダイアモンドグリットを有する種結晶を磨いて取り除くことにより除去することができる。あるいは、種結晶は、産業用および宝石用ダイアモンドを切削するために通常用いられるダイアモンド含浸ダイアモンドホイールによりひき切ることにより除去することができる(J.E.Field et al.,The Properties of Natural and Synthetic Diamond,Academic Press(1992)を参照すること)。種結晶からCVDダイアモンドを除去するためのなお別の方法において、犠牲層がダイアモンド種表面上に生成され、CVDダイアモンドがこの犠牲層の上部に成長し、犠牲層が次に除去されて独立したダイアモンド結晶板を得る。こうした犠牲層の生成とその除去のための方法は、種表面のすぐ下の非ダイアモンド層を形成するイオン注入、それに続く酸化雰囲気中での電気分解または加熱からなる酸化除去法(米国特許第5,587,210号)、それを通してダイアモンドが成長できると共に該多孔質構造が酸浸出および酸化の組合せにより除去できる多孔質構造を構築すること(米国特許第5,443,032号および第5,614,019号)、または酸化または他の処理により除去することができる非ダイアモンド材料の層を蒸着すること(米国特許第5,290,392号)である。
これらのケースのすべてにおいて、特許の請求がなされ、天然および高圧ダイアモンド種結晶から厚い単結晶ダイアモンドを成長させ除去することに対して特許が付与されてきた。しかし、これらの方法のどれもが、実際に、これまでに、実行まで具体化されたことはなく、熱伝導度、不純物測定のため、または工具、ワイヤーダイ、ウィンドウまたはヒートスプレッダーを作製するために十分に高い品質の厚い結晶を製造したこともない。実際に、上記方法特許において記載されている成長速度は、あまりにも遅すぎて、経済的には実行可能でなく、いかなる商業的有用性のCVDダイアモンド結晶を生成するとしても数百時間を要するであろう。
本発明において、高熱伝導度単結晶ダイアモンドは、以下のやり方で成長させることにより得られる:(1)少なくとも約20ミクロン、好ましくは50ミクロン、さらに好ましくは、少なくとも約75または100ミクロン厚さでさえあるダイアモンド結晶が、天然ダイアモンド結晶、合成高圧ダイアモンド結晶または合成CVDダイアモンド結晶から選択することができる単結晶種上に成長する;(2)ダイアモンド結晶が、炭化水素ガスおよび水素から成長し、酸素を含有するかまたは含有しないことができ、かつ原子状水素に富む;(3)CVD成長が時間当り10ミクロンを超える成長速度で行われ、CVD成長結晶が、研磨、のこ引き、犠牲層の使用または有用と見ることが可能であるような他の除去法により、種結晶から除去される;および(4)出発ガス組成物の窒素含量が結晶中で十分に低く、置換部位中におよび/または格子間部位中に組み込まれる10〜20ppm未満の窒素を有する最終的なCVDダイアモンド結晶をもたらす。これらの条件が合う場合、次に、製造される単結晶ダイアモンドは2200W/mKを超える熱伝導度を有し、材料は工具、ワイヤーダイ、光学的ウィンドウ、およびヒートスプレッダーとしての使用に必要とされるサイズおよび品質のものである。
既に議論したように、合成CVDダイアモンド用の高い需要は、ほとんど無限の数の用途に対するその広い適用により説明される。一部の用途は、既に考慮されてきた、すなわち、電気的、光学的、および産業用であるが、しかし、なお検討することが必要である光学および電子に関する追加の用途がある。加えて、光電気デバイス、ならびに検出器および電極の分野を含む用途は、また、重要であって、本明細書において考慮する。
CVDダイアモンドに関する光学的用途には、(1)レーザーおよび分光計用のウィンドウ、高圧研究および品質管理用の金床、光導波路、制御および検出システム(火災、ミサイル防衛、オゾンホール地図、など)用の広い波長範囲のウィンドウを製造すること、および(2)宝石原石を生産すること、を挙げることができる。CVDダイアモンドは、それが化学的に不活性であり、強く、且つ紫外線から遠赤外線スペクトルまで透明であって、それによって、それを保護光学薄膜または赤外線ウィンドウとしての使用にうまく適するものとするように成長させることができる。これらの特性により、CVDダイアモンドは、また、宝石原石業界で用いられる潜在力を有する。過去において、これらの用途に完全に適しているCVDダイアモンドへの障害は、CVDダイアモンドの表面が一般に粗雑であるという事実にあった。この粗雑さは、次には、伝達信号の減衰および散乱の原因となった。従って、表面は滑らかに研磨される必要があり、また、ダイアモンドは滑らかな表面を有して成長する必要があった。W.May,“CVD Diamond−a New Technology for the Future”,Endeavor Magazine,19(3),p105(1993)を参照すること。ダイアモンドの研磨は擦り減らされる材料分の無駄があるので効率的な方法ではないが、一方で、今度は、滑らかな表面を有するダイアモンドをかなり容易に成長させることができる。これは、成長ダイアモンドの同位元素濃度をドーピングし変動させてダイアモンド層中のあらゆる格子不適合および格子歪みを排除することにより達成することができる。
前に検討したように、ホウ素(または他の格子膨張性不純物)によるドーピング法は、低転位(または転位なし)ダイアモンド結晶、基板、または構造を調製するために用いることができる。しかし、ドーピングは、層の光学特性の性能を低下させる、形成しようとするダイアモンド層中の格子歪みを増進させる傾向がある。ドーピング層に相応に適合させるため12C/13C同位元素濃度を変えることにより、転位なしおよび歪みなしのダイアモンド格子を成長させることができる。同様に、ドーピング層の12C/13C同位元素濃度は、非ドーピング層の格子構造に適合するように変えられて、転位なしおよび歪みなしのダイアモンド格子構造を造りだすことができる。
加えて、前述のように、この方法は成長ダイアモンド中への他の元素の組込みにより拡大することができるであろう。一つのこうした元素は、最も効果的な半導体レーザー材料でもあるネオジムであろう。その組込みにより、レーザーは、一段と高い出力可能性を有するものを開発することができるであろう。こうしたNdレーザーに対する将来用途には、おそらく、溶接、切削、レーザー兵器、LIDAR可視および紫外線レーザー励起光源、医療診断および軍事目標指定が挙げられよう。ドーピング用のものに類似の手順に従い、ダイアモンド格子構造の層中に他の元素を組み込むことにおいて、純粋ダイアモンド層に格子適合させるためにドーピング層の12C/13C同位元素濃度を変えることにより、歪みなし構造を造りだすことが再度可能であろう。
CVDダイアモンドに関する電気的用途には、電界効果トランジスタ(FETs)、高電圧(HV)スイッチ、およびp−n接合などの多様な半導体デバイスの製造を挙げることができる。能動電子素子のため、(1)絶縁領域、(2)pおよび/またはn型半導体材料、および(3)電気接点を有することは望ましい。非ドーピングCVDダイアモンドは、その高抵抗性のせいで良好な絶縁体を形成する。前述のように、CVDダイアモンドが有効な半導体デバイスであるために、それはドーピングすることが必要であり、その結果、絶縁体としてのその使用を半導体としてのものに変える。ほんの少量の不純物によるドーピングでさえ、CVDダイアモンドはそれらの電気特性を変えることができ、その大きなバンドギャップ(5.5eV)のせいで、それは1300Kの温度までその半導体特性をなお保持したままであることができる。
CVDダイアモンドを用いることに関して文献に記載されてきた一つの問題点は、それが通常多結晶ダイアモンドからなることである。このせいで、普通に、キャリヤの寿命および移動度を低下させる顆粒領域および他の欠陥を予期することができるであろう。前掲文献のp105を参照すること。しかし、前述のように、出願人は、同じドーピングレベルの多結晶ダイアモンドよりも有意に高い移動度を有する単結晶ホウ素ドーピングダイアモンドから作製されるCVDダイアモンドを製造した。
半導体デバイスを造りだすことにおいて、pおよび/またはn型層はホウ素および燐(または窒素、硫黄、またはリチウム)それぞれのドーピングにより造りだすことができる。p型半導体層は、一般に、ホウ素の高イオン注入により提供することができる。加えて、12C/13Cの同位元素濃度は、再度、純粋ダイアモンド基板の格子間隔に正確に適合するために各層で変更し、次には、III〜V半導体デバイスにおけるようにデバイス性能に必要とされるホウ素の過剰集中を有するが、しかし歪みを全く有さない構造を提供することができる。
他方、n型半導体層の生成は、一貫して提供するにはやや困難であった。前に検討したように、二つの主要ドーピング元素、燐および硫黄はホウ素よりも一段と大きく、これは、実際にドーピングすることができる量、次には、デバイスに与えるそれらの潜在的な電気効果を限定する。しかし、前に検討したように、12C/13Cの適切な同位元素濃度と混合する場合、燐または硫黄のより過剰な集中は、さらに望ましい半導体デバイスを造りだし、なお格子不適合を限定するかまたは排除さえ行うために利用することができる。一段と濃密にドーピングされた13C膜を利用して、担体を極めて純粋な通常のダイアモンド中に拡散し、また高移動度を有する正孔および電子の高担体濃度を得ることは可能である。こうした構造は、高性能半導体デバイスの設計および製造を可能とする。
CVDダイアモンドに関するオプトエレクトロニクス用途には、LEDsの製造を挙げることができる。LEDにおいて、n型領域からの電子がp型領域中の正孔と再結合する場合、それらは、LEDs中で熱および光両方の形態をとるエネルギーを放出する。光の波長は、発光材料のバンドギャップにより決定される。有効な放射再結合(すなわち、発光)は、基底および励起電子状態がバンドギャップ内に存在することを必要とする。ダイアモンドの広いバンドギャップ(5.5eV)は、それが一段と低い波長(すなわち、紫外線、青、緑)の光を放射する余裕があるので、LEDsおよび半導体レーザー用途におけるその使用において最も魅力的である。M.A.Prelas et al.,Handbook of Industrial Diamond and Diamond Films,Marcel Dekker,Inc.,p.228(1998)を参照すること。ここでもまた、12C/13Cの同位元素濃度は、再度、歪みのない格子適合半導体デバイスを造りだすために各層で変えることができる。
大きなバンドギャップを有することは有効であるが、一方で、CVDダイアモンドは、また、12C/13Cの同位元素濃度を調整することにより、なお、より小さなバンドギャップを有するように成長することができる。前述のように、12Cおよび13C同位元素は異なる質量を有し、従って、CVDダイアモンド中のそれらの濃度に関する変化は、バンドギャップ、ならびにデバイスの電気特性に影響を及ぼす。
CVDダイアモンドに関する検出器用途には、放射線および紫外線の両方に関連するものを挙げることができる。例えば、放射線検出器としてCVDダイアモンドを用いるために、ダイアモンド膜は、一般的に、金属−絶縁体−金属(MIM)構造に構成され、イオンビーム誘導電流(IBIC)信号を生成するために利用される。ダイアモンド膜は、検出器を活性化させるバイアス電圧を提供する外部増幅回路に接続される。次に、電荷は、続いて「電場の影響下で電子−正孔対の動きのせいでの誘導により」外部回路に発生する(David N.Jamieson,“Recent Applications of Nuclear Microprobe Analysis to Frontier Materials”,Fifth International Conference on Nuclear Microprobe Technology and Applications,Santa Fe,NM,p3,November 1996を参照すること)。ダイアモンドが放射線ビームを受ける場合、「光子はCVDダイアモンド中の不純物を活性化し、局部伝導度変化、次に、接触点間の局部電流変化を引き起こす」(Deming Shu et al.,“CVD Diamond−Based Position Photoconductive Detector for High−Flux X−Rays”,Advanced Photon Source,p.1,(1999)を参照すること)。発生電流量は、放射線ビームの誘導体である「光子束の関数である」。上記文献を参照すること。
この用途に伴う一つの問題は、多くの場合、ダイアモンドにおける欠陥から起こる。これらの欠陥は急速に電荷を捕え、それが早めに再結合することを可能とすることができ、その結果、さもなければ外部回路で利用可能である電荷を低下させる。例えば、ダイアモンド粒の中心は、粒界よりも電荷収集で約3倍効率的である(David N.Jamieson,“Recent Applications of Nuclear Microprobe Analysis to Frontier Materials”,Fifth International Conference on Nuclear Microprobe Technology and Applications,Santa Fe,NM,p.3,November 1996を参照すること)。このタイプの検出器における有意な改善は、極めて低い抵抗率の半導体接触層の塗布と次の接触層へのオーム接触によりなすことができる。ドーピングおよびこうした重度にドーピングした接触層に関連する歪みの限界は、それらの使用を限定してきた。ドーピングダイアモンドを形成する上で適切な13C/12C濃度を選択することにより、層は接触層に格子適合して、格子歪みを排除するかまたは低下させることができるであろう。次には改善されたデバイス性能をもたらす改善された接触性能を、達成することができるであろう。接触性能における同じ改善は、半導体デバイスに対する接触用に重度にドーピングしたnまたはp層を利用する、あらゆるダイアモンド半導体デバイス設計に適用することができる。
環境汚染および水質汚染は、二つの大きな地球的な問題である。ダイアモンド電極は、汚水および水を清浄化し、有機汚染物質を酸化することにより塩素を造りだすために用いようとして出発した。一般に、ダイアモンド電極の薄膜は、大面積ホットフィラメントCVDにより鋼板上に蒸着し、ホウ素濃縮物でドーピングされる。しかし、この時点まで、これらの電極は大部分多結晶CVDダイアモンドに限定されてきた。
前に開示したように、ホウ素ドーピングダイアモンドは、酸性または塩基性水溶液中で高度に耐性がある。また、多結晶ダイアモンド電極は、グラファイトまたはステンレス鋼などの従来の電極材料のそれの何倍にも当たる寿命を有する一方で、多結晶ダイアモンドは、その粒界での不純物の集積のせいで何時間かの運転で破局的な破壊を受ける。
既に教示したように、出願人は単結晶、ホウ素ドーピングCVDダイアモンド製の電極を製造した。これらの電極は粒界を有さず、多結晶ダイアモンドよりも有意に長い寿命を有し、均一な磨耗を示すが、破局的な破壊は示さない。さらに、単結晶ダイアモンド電極は、破局的な破壊または測定可能な腐食なしで、多結晶ダイアモンドができるよりも数桁高い電流に耐えることができる。このより大きな電流密度により、ダイアモンドは、大サイズ化され、重度にドーピングされる必要はない。加えて、ドーピング層中の12C/13Cの同位元素濃度を変えることにより、格子構造を歪みなしに作製し、デバイス性能をなお一層増強させることができる。
試験方法
本出願において示した種々のパラメータは、あらゆる適するやり方で決定することができる。本特許出願の目的のため、これらのパラメータは以下に示す方法により決定される。
熱伝導度
ダイアモンドの熱伝導度を測定するための方法は、文献にまとめられている(M.A.Prelas et al.,“Thermal Measurement Techniques”,Handbook of Industrial Diamond and Diamond Films,Marcel Dekker,Inc.,pp.193−226(1998)を参照すること)。測定技術には、熱を試料の一部にかけ、試料の残部上の温度分布を測定する定常状態加熱の使用が含まれる。試験構造が線形である場合、熱伝導度(k)は以下の等式から推論することができる:
Figure 2006512270
式中、k=熱伝導度、加熱出力=ダイアモンドを加熱するためにかけられる出力、σ=断面積、およびΔT/Δx=試料に沿っての測定熱勾配。
放射および代わりの伝導通路を含む他の熱損失機構を考慮するように注意を払わねばならない。ダイアモンドの熱伝導度は、また、熱波を発生するための周期的な加熱を用いて測定することができ、熱拡散係数が測定される。周期性熱源は、直接接触加熱器のパルス加熱を介してか、または試料の領域を加熱する光源(レーザーなど)のパルス操作により試料に適用される。熱波拡散は、熱電対または赤外線温度センサーを用いて測定され、これは熱拡散係数の決定を可能とする。熱拡散係数(D)は以下の等式を通して熱伝導度(k)に比例する:
Figure 2006512270
式中、k=熱伝導度、およびc=熱容量/単位体積。
窒素含量
ダイアモンド中の窒素含量を測定するために用いられる多くの方法があり、最も適切な技術は測定しようとするダイアモンド中に見出される窒素センターのタイプにより決定される。窒素はダイアモンドにおける多くの構造中に存在することができ、最も普通の構造は以下である:単一の置換型形態(ssf);単離窒素原子が格子中の一つの炭素原子を置換する、A−センター;1対の近接置換型窒素原子、B−センターおよび;格子空孔周りに群がる4個の置換型窒素原子に帰因するもの(C.D.Clark et al.,“Absorption and Luminescence Spectroscopy”,The Properties of Natural and Synthetic Diamond,J.E.Field,Academic Press(1992)を参照すること)。ダイアモンド中の窒素含量は、質量分析、光吸収、および電子スピン共鳴(esr)を用いて測定することができる。質量分析(二次イオン質量分析(SIMS)など)は、それがダイアモンド中のすべての形態の窒素を検出するために用いることができるので、特に好ましいが、しかし、それは試料の一部またはすべてを消耗する。分光学的測定技術は非破壊的であるが、しかし、それらはダイアモンド中の一部の形態のみの窒素に敏感である。赤外線吸収は、以下の校正因子を用いて種々の窒素形態の窒素濃度を測定するために用いることができる:
ssf:濃度=22at.ppm/1cm-1 1130cm-1での吸収
Aセンター濃度=17.5at.ppm/1cm-1 1130cm-1での吸収
Bセンター濃度=103.8at.ppm/1cm-1 1130cm-1での吸収
ssf形態(常磁性である)は、また、マイクロ波吸収を既知のスピン濃度を有する標準の吸収と比較することにより、esrを用いて測定することができる。CVDおよびHPHT成長ダイアモンドに対して、窒素はほぼ排他的にn、ssfを組み込むことが見出されてきた、そこで、窒素濃度は、赤外線吸収(ssf校正因子での)、esrのいずれかおよび/または質量分析を用いて測定される。
ホウ素含量
ダイアモンド中のホウ素含量は、また、質量分析を用いて、および光吸収を用いて、ならびに電気測定を通して測定することができる。3563nmでの吸収は、以下の等式を通して非補償ホウ素の濃度を与える:
Figure 2006512270
式中、Na=全体ホウ素濃度、およびNd=単一置換型形態における窒素濃度(上に与えた技術の一つを用いて測定することができる)。ホウ素濃度は、また、うまく確立された電気中性の等式を用いる温度の関数としての電気担体濃度を分析することにより測定することができる(J.S.Blakemore,Semiconductor Statistics,Dover Publications(1987)を参照すること)。
同位元素含量
ダイアモンドの同位元素含量は、質量分析、x線回折、およびラマン分光法を用いて測定することができる。ダイアモンドの同位元素含量を測定するための最も正確な方法は、SIMSまたはダイアモンドを燃焼することにより生成される燃焼生成物の分析などの質量分析技術を用いることによるものである。こうした技術は、0.01%レベルでの実証された分解能により同位元素含量の測定を可能とする(T.R.Anthony,et al.,“Thermal diffusivity of isotopically enriched 12C diamond”Physical Review B42,p.1105(1990)を参照すること)が、一方でSIMS測定は適切な測定技術が用いられる場合にパーツ・パー・ビリオンの分解能であることが知られており、標準試料は入手可能である(J.M.Anthony,“Ion Beam Characterization of Semiconductors”,Semiconductor Characterization;Present Status and Future Needs,W.M.Bullis,D.G.Seiler,and A.C.Diebold,AIP Press(1996)を参照すること)。しかし、質量分析技術が測定の間一部またはすべてのダイアモンドの破壊を必要とすることは、認識されねばならない。
X線回折およびラマン分光法の両方(以下に検討される)は、非破壊的やり方でダイアモンド中の同位元素含量を測定するために用いることができるが、しかし、測定の精度は用いられる装置およびダイアモンド品質により支配される。高分解能X線回折は格子定数を測定するために用いることができ、測定された格子定数は前に与えた等式を用いてダイアモンドの同位元素含量を決定するために用いることができる。X線分析を用いて原子%レベルで同位元素含量を測定するために、格子定数が0.00005オングストロームの分解能で決定されねばならないことは留意すべきである。これは超完全モノクロメータ結晶を有し試料回転を含む二結晶回折計などの高分解能X線回折装置の使用を必要とする。こうした測定法は、バーテルズ(Bartels)により記載されている(W.J.Bartels,Journal of Vacuum Science and Technology,B1,p.338(1983)を参照すること)。
1%未満の分解能で同位元素含量を測定するためには、測定精度のさらなる向上を必要とする。同位元素含量は、また、K.C.ハス(Hass)らにより記載されている同位元素依存性を有する第一次1フォノンラマンバンドのピーク値を測定することにより決定することができる(K.C.Hass,et al.,“Lattice dynamics and Raman spectra of isotopically mixed diamond”,Physical Review B45,pp.7171−7182(1992)を参照すること)。位置変化が同位元素含量にほぼ直線的に比例する、12C100%から13C100%までの同位元素変化に対して、ラマンバンドの位置が1332cm-1から1281cm-1に移動することは留意すること。従って、同位元素含量の1%変化を測定するべくラマン分光法を用いるために、ラマン線位置は<0.5cm-1である確実性をもって測定されねばならない。これは、測定が高分解能ラマン分光法を用いて行われることを必要とすると共に、<0.5cm-1であるラマン線幅を得るために十分高くあるダイアモンド品質を必要とする。1%未満の分解能により同位元素含量を測定するためには、測定精度のさらなる向上を必要とする。
特定のダイアモンドの同位元素含量を測定するために用いる適切な技術の選択は、すでに検討されたように、必要精度および消費できる試料の可用性に応じて決まる。以下の非限定実施例は、本発明を説明するために以下の第6表に示される。換言すれば、本実施例は本発明を実証するために提供されるが、一方で、それらは本発明をそういうものだけとして限定するために提供されるものではない。
実施例1〜25は、ホットフィラメント、マイクロ波プラズマ、DCプラズマ、rfプラズマ、アーク・ジェットおよびフレームを含む種々のタイプのCVDダイアモンド成長技術を用いる本発明の使用を説明する。実施例1、3、5、11、12、13、14、16、17、18、19および20は、天然、HPHT合成ダイアモンドおよびCVD合成ダイアモンド基板上の非ドーピング12Cダイアモンド単結晶の成長を説明する。実施例2および5は非ドーピング13C単結晶ダイアモンド層の成長を説明する。実施例4、8、10、24、および25は12Cダイアモンド基板上の単一および多ホウ素ドーピング層を説明する。実施例9は、それらのすべてが12Cダイアモンド基板上にあるホウ素ドーピングと非ドーピングダイアモンド間の多交互層の成長を説明する。実施例24は、臨界厚さ未満の厚さに成長する12Cダイアモンド上のホウ素ドーピング層を説明し、一方で、実施例25は臨界厚さを超える厚さに成長した同じ構造を説明する。実施例6、7、15、21、2、および23は、12Cダイアモンド基板上のホウ素ドーピング、燐ドーピング、硫黄ドーピングおよび窒素ドーピング13Cダイアモンド層の成長を説明する。
ガス相からダイアモンド中への不純物の組込み(分配係数と呼ばれる)が、正確な分配係数が結晶方向、ガス中の濃度、温度、圧力、他の存在不純物および他の因子に応じて決まるという点において不正確な科学であることは、成長ダイアモンドの技術分野のエキスパートには理解されるであろう。従って、ドーパントがダイアモンド構造中に、またはその上に成長する場合、ドーパントが工程に添加される時点での濃度は、多くの場合、実際に利用されて終りになる濃度よりも大きい。加えて、本実施例におけるガス組成物は、説明だけの目的によるものであり、かつ、幅広い実施例であることが意図されており、またしたがって、正確ではない、より低いかまたはより高い現実のドーパント濃度が格子適合を達成するために実際に必要とされてもよい。
Figure 2006512270
実施例1
ホットフィラメント法を用いるタイプIA天然ダイアモンド上での(100)方向化単結晶ダイアモンドの成長
天然タイプIAダイアモンド単結晶を、ダイアモンド含浸のこぎりを用いて薄く切って(100)方向の基板を得る。基板をオリービオイル中で懸濁したダイアモンドグリットにより研磨し、鋳鉄板中に注入して溝、擦り傷または穴のない表面を完成する。次に、この基板を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で950℃温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびメタン1%であるように、メタンガスをガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で24時間にわたり成長を保持して、24ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、単結晶種に付着した単結晶ダイアモンド膜が残る。
約24μmの厚さを有し、(100)方向を有する非ドーピング単結晶ダイアモンド板が得られる。
実施例2
ホットフィラメント法を用いるタイプIIA天然ダイアモンド上での(100)方向化単結晶ダイアモンドの成長
天然タイプIIAダイアモンド単結晶を、ダイアモンド含浸のこぎりを用いて薄く切って(100)方向の基板を得る。基板をオリービオイル中で懸濁したダイアモンドグリットにより研磨し、鋳鉄板中に注入して平らで、溝、擦り傷または穴のない表面を完成する。次に、この基板を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で950℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%および13Cメタン1%であるように、13C富化メタンガスをガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で24時間にわたり成長を保持して、24ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、単結晶種に付着した単結晶ダイアモンド膜が残る。
約24μmの厚さを有し、(100)方向を有する非ドーピング単結晶ダイアモンド板が得られる。
実施例3
ホットフィラメント法を用いるタイプIB高圧合成ダイアモンド上での(100)方向化単結晶ダイアモンドの成長
高圧合成タイプIbダイアモンド単結晶をひき、研磨して、(100)方向の基板を得る。次に、この基板を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で1000℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびアセトン1%であるようにアセトン蒸気をガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、アセトンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で48時間にわたり成長を保持して、48ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、アセトン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去する。洗浄後、基板およびダイアモンドを、ダイアモンドグリットにより含浸された銅刃を有するのこぎり中にはめ込み、種ダイアモンドを通してのこぎりで切って単結晶ダイアモンド膜を単結晶種から切り離す。
約48μmの厚さを有し、(100)方向を有する非ドーピング単結晶ダイアモンド板が得られる。
実施例4
ホットフィラメント法を用いるタイプIB高圧合成ダイアモンド上での(100)方向化ホウ素ドーピング単結晶ダイアモンドの成長
高圧合成タイプIbダイアモンド単結晶をひき、研磨して、(100)方向の基板を得る。次に、この基板を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で1000℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびメチル・ボレート1000ppmを含有するアセトン1%であるようにアセトン蒸気をガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、アセトンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で12分間にわたり成長を保持して、0.2ミクロン厚さのホウ素ドーピング単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、アセトン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去する。洗浄後、付着単結晶ホウ素ドーピング膜ダイアモンドを有する基板を、ファン・デル・ポー試験系中にはめ込んで、抵抗率および移動度を測定する。
約0.2μmの厚さを有し、(100)方向を有するダイアモンドのホウ素ドーピング単結晶膜が成長し、単結晶ダイアモンド基板に付着する。
実施例5
ホットフィラメント法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化13C単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向を有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で950℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%および13Cメタン1%であるように、13C富化メタンガスをガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で24時間にわたり成長を保持して、24ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、通常の同位元素ダイアモンド種に付着した単結晶13Cダイアモンド膜が残る。
約24μmの厚さを有し、(100)方向を有する非ドーピング13C単結晶ダイアモンド板が得られる。
実施例6
ホットフィラメント法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化ホウ素および13C共ドーピング単結晶ダイアモンド膜の成長
(100)方向を有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で950℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびジボラン100ppmを含有する13Cメタン1%であるように、13Cおよびジボラン富化メタンガスをガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で10分間にわたり成長を保持して、0.17ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、通常の同位元素単結晶ダイアモンド種に付着したホウ素ドーピング単結晶13Cダイアモンド膜が残る。
ホウ素および13Cドーピング単結晶ダイアモンド膜(低下歪みを有する)が、CVD単結晶ダイアモンド基板に付着して成長する。この膜は、(100)方向および約0.17μmの厚さを有する。
実施例7
ホットフィラメント法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化燐および13C共ドーピング単結晶ダイアモンド膜の成長
(100)方向を有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で950℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびホスフィン100ppmを含有する13Cメタン1%であるように、13Cおよびホスフィン富化メタンガスをガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で10分間にわたり成長を保持して、0.17ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、通常の同位元素単結晶ダイアモンド種に付着した燐ドーピング単結晶13Cダイアモンド膜が残る。
燐および13C共ドーピング単結晶ダイアモンド膜(低下歪みを有する)が、(100方向)を有するCVD単結晶ダイアモンド基板上に形成される。この膜はまた、(100)方向および約0.17μmの厚さを有する。
実施例8
ホットフィラメント法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上でのホウ素ドーピング単結晶ダイアモンド層その後に非ドーピング単結晶ダイアモンド層を有する構造の成長
(100)方向および75ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。基板が線条消失型光高温計による測定で950℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびジボラン100ppmを含有するメタン1%であるように、メタンガスおよびジボランをガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で15分間にわたり成長を保持して、0.25ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りにジボラン流を終了させ、メタン流はさらに75時間にわたり継続する。この時間帯の終りでメタン流を止め、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、150ミクロン厚さのダイアモンド結晶中に埋められたホウ素ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
75μm厚さの非ドーピングCVDダイアモンド、次に0.25μm厚さのホウ素ドーピング単結晶ダイアモンド層、次に75μm厚さのCVD単結晶ダイアモンド層を有する、(100)方向化単結晶ダイアモンド膜構造が形成される。
実施例9
ホットフィラメント法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上でのホウ素ドーピング単結晶ダイアモンドおよび非ドーピング単結晶ダイアモンド層の非ドーピング層の交互層を有する構造の成長
(100)方向および75ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で950℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびジボラン1000ppmを含有するメタン1%であるように、メタンガスおよびジボランをガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で1.2分間にわたり成長を保持して、0.02ミクロン厚さのホウ素ドーピング単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りにジボラン流を終了させ、メタン流はさらに1.2分間にわたり継続する。ホウ素ドーピングおよび非ドーピングの交互層の単結晶構造を作りだすために、1〜10回以上このサイクルを繰り返す。この時間帯の終りでメタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、ホウ素ドーピングおよび非ドーピング交互単結晶ダイアモンド層が残る。
個々に0.02μm厚さ、全体厚さで0.2μmになるホウ素ドーピングおよび非ドーピングダイアモンドの10の交互層からなる単結晶ダイアモンド構造が形成される。この構造はすべて、(100)方向を有する75μm厚さのCVD単結晶ダイアモンドの上部層である。
実施例10
マイクロ波プラズマ法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化ホウ素ドーピング単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向および75ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデン基板ホルダーを有するマイクロ波プラズマ反応器(MWCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマボールおよび線条消失型光高温計による測定で900℃の基板温度を達成するために、マイクロ波発生器に電力をかける。プラズマ電力および基板温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびジボラン1000ppmを含有するメタン1%であるように、メタンガスおよびジボランをガス流に添加する。水素の一部はプラズマ中の原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で250時間にわたり成長を保持して、250ミクロン厚さの単結晶ホウ素ドーピングダイアモンドを形成する。この時間帯の終りで、ジボラン流を終了させ、メタン流はさらに75時間にわたり継続する。この時間帯の終りに、メタン流を止め、マイクロ波電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、非ドーピング単結晶ダイアモンド種に付着した250ミクロン厚さのダイアモンド結晶のホウ素ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
約250μmの厚さを有し、(100)方向を有するホウ素ドーピング単結晶ダイアモンド板が得られる。
実施例11
アーク・ジェット法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向および75ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデン基板ホルダーを有するアーク・ジェットマイクロ波プラズマ反応器(MPCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、5000sccmの流量で100トールの圧力まで埋め戻す。
水素流中のアークおよび線条消失型光高温計による測定で900℃の基板温度を作りだすために、電力をかける。アーク電力および基板温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を5000sccmで保持しながら水素99%およびメタン1%であるように、メタンガスを室に添加する。水素の一部はガス流中の原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。10ミクロン/時間の速度で25時間にわたり成長を保持して、250ミクロン厚さの単結晶非ドーピングダイアモンドを形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、アーク電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、非ドーピング単結晶ダイアモンド種に付着した250ミクロン厚さのダイアモンド結晶の非ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
約250μmの厚さを有し、(100)方向を有する非ドーピング単結晶ダイアモンド板が得られる。
実施例12
燃焼法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向および75ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデン基板ホルダーを有し大気圧で運転する燃焼炎反応器(CFCVD)中に置く。線条消失型光高温計による測定で1000℃に基板を加熱するために、アセチレンと酸素のガス混合物を利用する。炎および基板温度を5分間にわたり安定化させた後、組成が炭素リッチとなり、ダイアモンド成長が始まるように、アセチレン濃度を上げる。水素の一部は炎中の原子水素に転換され、アセチレンおよび他の炭化水素は基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。20ミクロン/時間の速度で25時間にわたり成長を保持して、500ミクロン厚さの単結晶非ドーピングダイアモンドを形成する。この時間帯の終りで、アセチレンおよび酸素流を終了させ、膜を有する基板を室温に冷却する。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、非ドーピング短結晶ダイアモンド種に付着した500ミクロン厚さのダイアモンド結晶の非ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
約500μmの厚さを有し、(100)方向を有する非ドーピング単結晶ダイアモンド板が得られる。
実施例13
ホットフィラメント法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(110)方向化単結晶ダイアモンドの成長
天然タイプIAダイアモンド単結晶を、ダイアモンド含浸のこぎりを用いて薄く切って(110)方向の基板を得る。基板をオリービオイル中で懸濁したダイアモンドグリットにより研磨し、鋳鉄板中に注入して溝、擦り傷または穴のない表面を完成する。次に、この基板を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で950℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびメタン1%であるように、メタンガスをガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で24時間にわたり成長を保持して、24ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、単結晶種に付着した単結晶ダイアモンド膜が残る。
約24μmの厚さを有し、(110)方向を有する非ドーピング単結晶ダイアモンド板が得られる。
実施例14
ホットフィラメント法を用いる天然単結晶合成ダイアモンド上での(111)方向化単結晶ダイアモンドの成長
天然タイプIAダイアモンド単結晶を(111)面に沿って裂き、(100)方向の基板を得る。基板をオリービオイル中で懸濁したダイアモンドグリットにより研磨し、鋳鉄板中に注入して、溝、擦り傷または穴のない表面を完成する。次に、この基板を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で950℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびメタン1%であるように、メタンガスをガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で24時間にわたり成長を保持して、24ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、単結晶種に付着した単結晶ダイアモンド膜が残る。
実施例15
ホットフィラメント法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化ホウ素および13C共ドーピング単結晶ダイアモンド膜の成長
(100)方向を有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有すると共に、基板から約10mm離れたレニウムフィラメントを有するホットフィラメント化学蒸着反応器(HFCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
基板が線条消失型光高温計による測定で960℃の温度に達するまで電力を基板加熱器にかけるとすぐに、2100℃の温度を達成するために、レニウムフィラメントに電力をかける。フィラメントおよび基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、13Cおよびホウ素金属富化メタンガスをホットフィラメントからの原子水素の直接範囲内にある種側に沿って置く。これはいくらか高いレベルでガス流に添加されようとするホウ素水素化物をもたらす。最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%および>100ppmのホウ素を含有する13Cメタン1%含有ガスであるように、ホウ素をガス流に添加する。水素の一部はフィラメント表面上で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で10分間にわたり成長を保持して、0.17ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、通常の同位元素単結晶ダイアモンド種に付着したホウ素ドーピング単結晶13Cダイアモンド膜が残る。
ホウ素および13Cドーピング単結晶ダイアモンド膜(低下歪みを有する)が、CVD単結晶ダイアモンド基板に付着して成長する。この膜は、(100)方向および約0.17μmの厚さを有する。
実施例16
マイクロ波プラズマ法を用いる高圧成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化非ドーピング単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向および75ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデン基板ホルダーを有するマイクロ波プラズマ反応器(MWCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で100トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマボールおよび線条消失型光高温計による測定で950℃の基板温度を達成するために、マイクロ波発生器に電力をかける。プラズマ電力および基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が水素95%およびメタン5%であるようにメタンガスをガス流に添加する。水素の一部はプラズマ中で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で200時間にわたり成長を保持して、1000ミクロン厚さの単結晶ダイアモンドを形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、マイクロ波電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、非ドーピング単結晶ダイアモンド種に付着した1000ミクロン厚さのダイアモンド結晶の非ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
実施例17
マイクロ波プラズマ法を用いる高圧成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化非ドーピング単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向および75ミクロンの厚さを有する研磨高圧成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデン基板ホルダーを有するマイクロ波プラズマ反応器(MWCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で100トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマボールおよび線条消失型光高温計による測定で950℃の基板温度を達成するために、マイクロ波発生器に電力をかける。プラズマ電力および基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が水素88%およびメタン12%であるようにメタンガスをガス流に添加する。水素の一部はプラズマ中で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。30ミクロン/時間の速度で20時間にわたり成長を保持して、600ミクロン厚さの単結晶ダイアモンドを形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、マイクロ波電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、非ドーピング単結晶ダイアモンド種に付着した600ミクロン厚さのダイアモンド結晶の非ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
実施例18
DCプラズマ法を用いる高圧成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化非ドーピング単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向および75ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデン基板ホルダーを有するDCプラズマ反応器(MWCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で100トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマボールおよび線条消失型光高温計による測定で950℃の基板温度を達成するために、マイクロ波発生器に電力をかける。プラズマ電力および基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が水素95%およびメタン1%であるようにメタンガスをガス流に添加する。水素の一部はプラズマ中で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。5ミクロン/時間の速度で200時間にわたり成長を保持して、1000ミクロン厚さの単結晶ダイアモンドを形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、マイクロ波電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、非ドーピング単結晶ダイアモンド種に付着した1000ミクロン厚さのダイアモンド結晶の非ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
実施例19
DCプラズマ法を用いる高圧成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化非ドーピング単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向および75ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデン基板ホルダーを有するマイクロ波プラズマ反応器(MWCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で150トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマボールおよび線条消失型光高温計による測定で950℃の基板温度を達成するために、マイクロ波発生器に電力をかける。プラズマ電力および基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が水素95%およびメタン5%であるようにメタンガスをガス流に添加する。水素の一部はプラズマ中で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。5ミクロン/時間の速度で200時間にわたり成長を保持して、1000ミクロン厚さの単結晶ダイアモンドを形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、マイクロ波電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、非ドーピング単結晶ダイアモンド種に付着した1000ミクロン厚さのダイアモンド結晶の非ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
実施例20
RFプラズマ法を用いる高圧成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化非ドーピング単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向および75ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデン基板ホルダーを有するRFプラズマ反応器(MWCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で100トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマボールおよび線条消失型光高温計による測定で950℃の基板温度を達成するために、マイクロ波発生器に電力をかける。プラズマ電力および基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が水素95%およびメタン5%であるようにメタンガスをガス流に添加する。水素の一部はプラズマ中で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。5ミクロン/時間の速度で200時間にわたり成長を保持して、1000ミクロン厚さの単結晶ホウ素ドーピングダイアモンドを形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、マイクロ波電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、非ドーピング単結晶ダイアモンド種に付着した1000ミクロン厚さのダイアモンド結晶の非ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
実施例21
マイクロ波プラズマ法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化燐および13C共ドーピング単結晶ダイアモンド膜の成長
(100)方向を有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有するマイクロ波プラズマ蒸着反応器(MWPCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマに電力をかけ、基板が線条消失型光高温計による測定で960℃の温度に達するまで基板加熱器に電力をかける。基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、13Cおよびホスフィン富化メタンガスを室内に導入する。これは、燐がガス流に100ppmで添加される一方で最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%および13Cメタン1%であることをもたらす。水素の一部はプラズマ中で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で10分間にわたり成長を保持して、0.17ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、通常の同位元素単結晶ダイアモンド種に付着した燐ドーピング単結晶13Cダイアモンド膜が残る。
燐および13Cドーピング単結晶ダイアモンド膜がCVD単結晶ダイアモンド基板に付着して成長する(低下歪みを有する)。この膜は、(100)方向および約0.17μmの厚さを有する。
実施例22
マイクロ波プラズマ法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化硫黄および13C共ドーピング単結晶ダイアモンド膜の成長
(100)方向を有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有するマイクロ波プラズマ蒸着反応器(MWPCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマに電力をかけ、基板が線条消失型光高温計による測定で960℃の温度に達するまで基板加熱器に電力をかける。基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、13Cおよび硫化水素富化メタンガスを室内に導入する。これは、硫化水素がガス流に100ppmで添加される一方で最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%および13Cメタン1%であることをもたらす。水素の一部はプラズマ中で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で10分間にわたり成長を保持して、0.17ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、通常の同位元素単結晶ダイアモンド種に付着した硫黄ドーピング単結晶13Cダイアモンド膜が残る。
硫黄および13Cドーピング単結晶ダイアモンド膜がCVD単結晶ダイアモンド基板に付着して成長する(低下歪みを有する)。この膜は、(100)方向および約0.17μmの厚さを有する。
実施例23
マイクロ波プラズマ法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化窒素および13C共ドーピング単結晶ダイアモンド膜の成長
(100)方向を有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデンホルダー内に保持されたタングステンフィラメントからなる基板加熱器を有するマイクロ波プラズマ蒸着反応器(MWPCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマに電力をかけ、基板が線条消失型光高温計による測定で960℃の温度に達するまで基板加熱器に電力をかける。基板の温度を5分間にわたり安定化させた後、13Cおよび窒素富化メタンガスを室内に導入する。これは、窒素がガス流に100ppmで添加される一方で最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%および13Cメタン1%であることをもたらす。水素の一部はプラズマ中で原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で10分間にわたり成長を保持して、0.17ミクロン厚さの単結晶蒸着を形成する。この時間帯の終りで、メタン流を終了させ、フィラメント電力および基板電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、通常の同位元素単結晶ダイアモンド種に付着した窒素ドーピング単結晶13Cダイアモンド膜が残る。
窒素および13Cドーピング単結晶ダイアモンド膜がCVD単結晶ダイアモンド基板に付着して成長する(増大引張歪みを有する)。この膜は、(100)方向および約0.17μmの厚さを有する。
実施例24
マイクロ波プラズマ法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化ホウ素ドーピング単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向および1000ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデン基板ホルダーを有するマイクロ波プラズマ反応器(MWCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマボールおよび線条消失型光高温計による測定で900℃の基板温度を達成するために、マイクロ波発生器に電力をかける。プラズマ電力および基板温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびジボラン1000ppmを含有するメタン1%であるように、メタンガスおよびジボランをガス流に添加する。水素の一部はプラズマ中の原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で0.5時間にわたり成長を保持して、0.5ミクロン厚さの単結晶ホウ素ドーピングダイアモンドを形成する。この時間帯の終りで、ジボラン流を終了させ、メタン流を止め、マイクロ波電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ホウ素ドーピングダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、非ドーピング単結晶ダイアモンド種に付着した0.5ミクロン厚さのダイアモンド結晶のホウ素ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
(100)方向を有し、臨界厚さ未満の厚さを有するホウ素ドーピング単結晶ダイアモンド膜が、非ドーピング単結晶ダイアモンド板上に得られる。
実施例25
マイクロ波プラズマ法を用いるCVD成長単結晶合成ダイアモンド上での(100)方向化ホウ素ドーピング単結晶ダイアモンドの成長
(100)方向および1000ミクロンの厚さを有する研磨CVD成長ダイアモンド単結晶を、超音波洗浄器中で熱い洗剤により洗浄し、アセトン中ですすぎ洗いをし、乾燥する。洗浄後、基板を、モリブデン基板ホルダーを有するマイクロ波プラズマ反応器(MWCVD)中に置く。反応器を10ミリトール未満の圧力に真空引きし、次に、99.999%純度を有する水素により、100sccmの流量で40トールの圧力まで埋め戻す。
プラズマボールおよび線条消失型光高温計による測定で900℃の基板温度を達成するために、マイクロ波発生器に電力をかける。プラズマ電力および基板温度を5分間にわたり安定化させた後、最終混合物が全体ガス流量を100sccmで保持しながら水素99%およびジボラン1000ppmを含有するメタン1%であるように、メタンガスおよびジボランをガス流に添加する。水素の一部はプラズマ中の原子水素に転換され、メタンは基板表面上で原子水素の存在下で分解してダイアモンドのエピタキシャル層を形成する。1ミクロン/時間の速度で25時間にわたり成長を保持して、25ミクロン厚さの単結晶ホウ素ドーピングダイアモンドを形成する。この時間帯の終りで、ジボラン流、メタン流を終了させ、マイクロ波電力を止め、膜を有する基板を室温に冷却する。この時点で、反応器を真空引きしてすべての水素を除去し、次に室内空気で満たして大気圧とする。
付着ダイアモンド膜を有する単結晶ダイアモンド基板を取り出し、250℃の温度でクロム酸および硫酸の混合物中で洗浄してダイアモンド表面から残留非ダイアモンド炭素を除去すると、非ドーピング単結晶ダイアモンド種に付着した25ミクロン厚さのダイアモンド結晶のホウ素ドーピング単結晶ダイアモンド層が残る。
(100)方向を有し臨界厚さ板を超える厚さを有するホウ素ドーピング単結晶ダイアモンド膜が、非ドーピング単結晶ダイアモンド基板上に得られる。
本発明の一つの実施形態について、臨界厚さ対格子不適合歪みを示すグラフである。 本発明の異なる実施形態について、格子歪みゼロを達成するために必要な、不純物原子濃度対13C%を示すグラフである。

Claims (71)

  1. 合成単結晶ダイアモンドを形成する方法であって、下記の工程:
    a)1以上の不純物および1以上の同位炭素を組み込んだ第1合成ダイアモンド層を化学蒸着法により基板上に形成する工程、および
    b)対応レベルの格子歪みを有する所定の格子定数を有する第1合成ダイアモンド層を形成するために、前記第1合成ダイアモンド層の形成中に前記1以上の同位炭素および前記1以上の不純物の濃度を選択する工程
    を含む方法。
  2. 第1合成ダイアモンド層を形成する工程が、1以上の不純物を組込むことにより第1合成ダイアモンド層の原子間隔を拡張させ、かつ1以上の同位炭素を組み込むことにより第1合成ダイアモンド層の原子間隔を縮小させることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 1以上の不純物を組み込むことによる拡張効果で、形成される第1合成ダイアモンド層に格子歪みを導入する、請求項2に記載の方法。
  4. 1以上の同位炭素および1以上の不純物の濃度を選択する工程が、第1合成ダイアモンド層の形成中に第1合成ダイアモンド層に導入される格子歪みが特定レベルに調整されるかまたは実質的に排除されるかのいずれかであるように、第1合成ダイアモンド層の形成において、1以上の不純物を組み込むことによる拡張効果を1以上の同位炭素を組み込むことによる縮小効果により相殺することを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 格子歪みのレベルが、第1合成ダイアモンド層の格子定数が天然ダイアモンドの格子定数といかに異なるかの程度に対応する、請求項1に記載の方法。
  6. 純粋ダイアモンドの格子定数に対する第1合成ダイアモンド層の格子定数と純粋ダイアモンドの格子定数間の差からなる比率が、第1合成ダイアモンド層をその層の損傷を生じることなく形成することができる臨界厚さを決定することに用いられる、請求項5に記載の方法。
  7. 1以上の不純物の濃度がダイアモンド層中で増大するにつれて第1合成ダイアモンド層の臨界厚さが低下する、請求項6に記載の方法。
  8. 第1合成ダイアモンド層の臨界厚さが、それを超えると、ダイアモンド構造における転位とそれに続くダイアモンド構造の破損をもたらすレベルである、請求項6に記載の方法。
  9. 第1合成ダイアモンド層における転位の形成を、引張および圧縮状態を交互に発現する一連の合成ダイアモンド層を化学蒸着法によってさらに形成することにより、低減するかまたは排除することができる、請求項8に記載の方法。
  10. 1以上の第2合成ダイアモンド層が、化学蒸着法により第1合成ダイアモンド層上に成長でき、かつ実質的に歪みを有しないように、一連の交互合成ダイアモンド層で、交互合成ダイアモンド層の平面中に転位を再び方向づける、請求項9に記載の方法。
  11. 形成しようとする第1合成ダイアモンド層の格子定数を最初に決定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 形成しようとする第1合成ダイアモンド層の臨界厚さを最初に決定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 基板と第1合成ダイアモンド間の格子適合または不適合の制御されたレベルを有する単結晶合成ダイアモンドが形成される、請求項1に記載の方法。
  14. 格子適合の制御されたレベルが、実質的に揃えられた格子定数を有する各第1合成ダイアモンド層および基板を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 第1合成ダイアモンド層および基板のそれぞれが実質的に格子歪みを有さない、請求項14に記載の方法。
  16. 格子不適合の制御されたレベルが、基板の格子定数に揃えられない格子定数を有する第1合成ダイアモンド層を含む、請求項13に記載の方法。
  17. 第1合成ダイアモンド層があるレベルの格子歪みを有し、基板が実質的に格子歪みを有さない、請求項16に記載の方法。
  18. 第1合成ダイアモンド層が実質的に格子歪みを有さず、基板があるレベルの格子歪みを有する、請求項16に記載の方法。
  19. 第1合成ダイアモンド層および基板がそれぞれあるレベルの格子歪みを有し、但し、基板に対する第1合成ダイアモンド層の形成は、効果的ではあるが完全ではないダイアモンド層と基板の格子定数のアライメントをもたらす、請求項16に記載の方法。
  20. 第1合成ダイアモンド層が引張下にあり、基板が圧縮下にある、請求項19に記載の方法。
  21. 第1合成ダイアモンド層が圧縮下にあり、基板が引張下にある、請求項19に記載の方法。
  22. 効果的ではあるが完全ではない格子定数のアライメントが、第1合成ダイアモンド層および基板上で引張および圧縮力を相殺することにより達成される、請求項19に記載の方法。
  23. 1以上の不純物の組込みが、ダイアモンド形成過程の間に1以上の不純物を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
  24. 1以上の不純物の組込みが、ダイアモンド形成過程の後に1以上の不純物を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
  25. 基板が、12C同位元素約99%および13C同位元素約1%を有する純粋ダイアモンド層を含む、請求項1に記載の方法。
  26. 基板が、高圧、高温法により形成されたダイアモンド層を含む、請求項1に記載の方法。
  27. 基板が、化学蒸着法により形成されたダイアモンド層を含む、請求項1に記載の方法。
  28. ダイアモンド層が、12C同位元素約99%および13C同位元素約1%を有し、実質的に格子歪みを有さない純粋ダイアモンドに実質的に同じである、請求項27に記載の方法。
  29. 基板が、1以上の同位炭素を含む、請求項27に記載の方法。
  30. 基板が、1以上の同位炭素および1以上の不純物を含む、請求項27に記載の方法。
  31. 1以上の同位炭素が、13C同位元素を含む、請求項1に記載の方法。
  32. 1以上の同位炭素が、13C同位元素および12C同位元素両方の組合せを含む、請求項1に記載の方法。
  33. 原子間隔が、12C同位元素においてよりも13C同位元素において小さい、請求項32に記載の方法。
  34. 1以上の不純物が、1以上の同位炭素の原子サイズよりも大きい原子サイズを有する、請求項1に記載の方法。
  35. 第1合成ダイアモンド層が、1以上の不純物の使用なしで同様に調製されたダイアモンド層に比べて、1以上の不純物の使用を通して増強された電気的、機械的、または光学的特性を提供する、請求項1に記載の方法。
  36. 1以上の不純物が、ホウ素、窒素、リチウム、燐、および硫黄からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  37. 請求項1に記載の方法により形成された単結晶合成ダイアモンド。
  38. a)所定の操作用に保証される特定の電気パラメータを有する電気デバイスを設計し、
    b)特定の電気パラメータに基づく請求項37に記載の単結晶合成ダイアモンドを形成し、そして
    c)単結晶合成ダイアモンドにより電気デバイスを造りだす、
    工程を含む、電気デバイスを製造する方法。
  39. 特定の電気パラメータを有する電気デバイスを設計する工程が、抵抗率、絶縁破壊電圧、担体寿命、電子移動度、正孔移動度、電荷収集距離、バンドギャップ、および耐酸化度からなる群から電気パラメータを選択することを含む、請求項38に記載の方法。
  40. 請求項38に記載の方法により製造された電気デバイス。
  41. 電気デバイスが、半導体デバイス、電界効果トランジスタ、発光ダイオード、高電圧スイッチ、p−n接合、ショットキーダイオード、外科デバイス接触面、センサー、検出器、電極、フィルタ、および量子計算デバイスからなる群から選択される、請求項40に記載の電気デバイス。
  42. a)所定の操作用に保証される特定の光学パラメータを有する光学デバイスを設計し、
    b)特定の光学パラメータに基づく請求項37に記載の単結晶合成ダイアモンドを形成し、そして
    c)単結晶合成ダイアモンドにより光学デバイスを造りだす、
    工程を含む、光学デバイスを製造する方法。
  43. 特定の光学パラメータを有する光学デバイスを設計する工程が、屈折率、伝達効率、およびバンドギャップからなる群から光学パラメータを選択することを含む、請求項42に記載の方法。
  44. 請求項42に記載の方法により製造された光学デバイス。
  45. 光学デバイスが、導波路、ウィンドウ、宝石原石、金床、発光ダイオード、およびフィルタからなる群から選択される、請求項44に記載の光学デバイス。
  46. a)所定の操作用に保証される特定の機械パラメータを有する産業用デバイスを設計し、
    b)特定の機械パラメータに基づく請求項37に記載の単結晶合成ダイアモンドを形成し、そして
    c)単結晶合成ダイアモンドにより機械デバイスを造りだす、
    工程を含む、産業用デバイスを製造する方法。
  47. 特定の機械パラメータを有する産業用デバイスを設計する工程が、硬度、熱膨張、不活性度、耐磨耗性、摩擦、熱伝導度、および耐酸化度からなる群から機械パラメータを選択することを含む、請求項46に記載の方法。
  48. 請求項46に記載の方法により製造された産業用デバイス。
  49. 産業用デバイスが、刃具、当板、ベアリング、ワイヤーダイ、研磨材、ヒートスプレッダー、ワイヤーダイ、マイクロトーム、およびスペーサからなる群から選択される、請求項48に記載の産業用デバイス。
  50. a)1以上の不純物、および
    b)1以上の同位炭素、を含み、これらの1以上の同位炭素および1以上の不純物が、化学蒸着法により形成される第1合成ダイアモンド層が所定の格子定数を有するように選択された濃度にある、第1合成ダイアモンド層。
  51. 所定の格子定数を有する基板をさらに含み、前記第1合成ダイアモンド層は、化学蒸着法により基板上に形成され、基板および第1合成ダイアモンド層は一定レベルの格子歪みを有する第1合成ダイアモンド層を伴う合成単結晶ダイアモンドを形成する、請求項50に記載の第1合成ダイアモンド層。
  52. 単結晶合成ダイアモンドにおける第1合成ダイアモンド層および基板が、第1合成ダイアモンド層および基板用に実質的に揃えられた格子定数を提供するために格子適合される、請求項51に記載の第1合成ダイアモンド層。
  53. 単結晶合成ダイアモンドにおける第1合成ダイアモンド層および基板が、互いに関連して揃えられない第1合成ダイアモンド層および基板用に格子定数を提供するために格子不適合化される、請求項51に記載の第1合成ダイアモンド層。
  54. 1以上の同位炭素が、13C同位元素を含む、請求項50に記載の第1合成ダイアモンド層。
  55. 1以上の同位炭素が、13C同位元素および12C同位元素両方の組合せを含む、請求項50に記載の第1合成ダイアモンド層。
  56. 原子間隔が、12C同位元素においてよりも13C同位元素において小さい、請求項55に記載の第1合成ダイアモンド層。
  57. 1以上の不純物が、1以上の同位炭素の原子サイズよりも大きい原子サイズを有する、請求項50に記載の第1合成ダイアモンド層。
  58. 第1合成ダイアモンド層が、1以上の不純物の使用なしで同様に調製されるダイアモンド層に比べて、1以上の不純物の使用を通して増強された電気的、機械的、または光学的特性を提供する、請求項50に記載の第1合成ダイアモンド層。
  59. 1以上の不純物が、ホウ素、窒素、リチウム、燐、および硫黄からなる群から選択される、請求項50に記載の第1合成ダイアモンド層。
  60. 基板が、12C同位元素約99%および13C同位元素約1%を有する純粋ダイアモンド層を含む、請求項51に記載の方法。
  61. 基板が、高圧、高温法により形成されたダイアモンド層を含む、請求項51に記載の方法。
  62. 基板が、化学蒸着法により形成されたダイアモンド層を含む、請求項51に記載の方法。
  63. ダイアモンド層が、12C同位元素約99%および13C同位元素約1%を有し、実質的に格子歪みを有さない純粋ダイアモンドに実質的に同じである、請求項62に記載の方法。
  64. ダイアモンドの層が、1以上の同位炭素を含む、請求項62に記載の方法。
  65. ダイアモンドの層が、1以上の同位炭素および1以上の不純物を含む、請求項64に記載の方法。
  66. 基板が、第1合成ダイアモンド層における転位の形成を次にもたらす転位を包含する、請求項1に記載の方法。
  67. 基板が転位を包含し、かつ前記方法が、イオン注入された基板表面上に形成される第1合成ダイアモンド層内の転位の形成を低減するかまたは排除するために適合される圧縮層を形成するために、基板の表面中にイオンを注入する工程をさらに含む、請求項66に記載の方法。
  68. a)その上に形成される合成ダイアモンド層内の転位の形成を低減するかまたは排除するために適合される圧縮層を形成するために、基板表面中にイオンを注入し、そして
    b)化学蒸着法により基板の圧縮層上に第1合成ダイアモンド層を形成する、
    工程を含む合成単結晶ダイアモンドを形成する方法。
  69. イオン注入が、実質的に歪みを全く有さない第1合成ダイアモンド層が成長することができるように基板内の転位を再び方向づけする、請求項68に記載の方法。
  70. 第1合成ダイアモンド層内に1以上の不純物または1以上の同位炭素、または両方を組み込む工程をさらに含む、請求項68に記載の方法。
  71. 対応するレベルの格子歪みを有する所定の格子定数を有する第1合成ダイアモンド層を形成するために1以上の同位炭素および/または1以上の不純物それぞれの濃度を選択する工程をさらに含む、請求項70に記載の方法。
JP2004564000A 2002-12-24 2003-12-22 調整可能なcvdダイアモンド構造体 Pending JP2006512270A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/328,987 US6858080B2 (en) 1998-05-15 2002-12-24 Tunable CVD diamond structures
PCT/US2003/041089 WO2004059046A2 (en) 2002-12-24 2003-12-22 Tunable cvd diamond structures

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006512270A true JP2006512270A (ja) 2006-04-13
JP2006512270A5 JP2006512270A5 (ja) 2007-02-15

Family

ID=32680775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004564000A Pending JP2006512270A (ja) 2002-12-24 2003-12-22 調整可能なcvdダイアモンド構造体

Country Status (7)

Country Link
US (3) US6858080B2 (ja)
EP (1) EP1587970A2 (ja)
JP (1) JP2006512270A (ja)
AU (2) AU2003299852A1 (ja)
CA (1) CA2511670C (ja)
WO (1) WO2004059046A2 (ja)
ZA (1) ZA200505434B (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007147486A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Allied Material Corp 工具用ダイヤモンドの選別方法
JP2008543718A (ja) * 2005-06-22 2008-12-04 エレメント シックス リミテッド ハイカラーのダイヤモンド層
JP2009500695A (ja) * 2005-07-11 2009-01-08 アポロ ダイヤモンド,インク ダイヤモンドに形成された構造
US8192713B2 (en) 2003-12-12 2012-06-05 Daniel James Twitchen Method of incorporating a mark in CVD diamond
KR20140004641A (ko) * 2010-11-10 2014-01-13 로베르트 보쉬 게엠베하 대상의 에너지 순환을 제어하기 위한 방법
JP2014527709A (ja) * 2011-07-13 2014-10-16 ユーリー・ゲオルギヴィッチ・シュレター エピタキシャル半導体構造の成長基板からエピタキシャル膜又はエピタキシャル膜層をレーザ分離する方法
JP2014237890A (ja) * 2013-05-10 2014-12-18 国立大学法人電気通信大学 ダイヤモンドライクカーボン膜の成膜装置および形成方法
US8986645B2 (en) 2003-12-12 2015-03-24 Element Six Limited Diamond
JP2016213409A (ja) * 2015-05-13 2016-12-15 国立研究開発法人産業技術総合研究所 不純物ドープダイヤモンド及びその製造方法
JP2018502041A (ja) * 2015-01-14 2018-01-25 トゥーエイ テクノロジーズ プライベート リミテッド 電子デバイスグレード単結晶ダイヤモンド及びその製造方法

Families Citing this family (80)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6582513B1 (en) * 1998-05-15 2003-06-24 Apollo Diamond, Inc. System and method for producing synthetic diamond
US6858080B2 (en) * 1998-05-15 2005-02-22 Apollo Diamond, Inc. Tunable CVD diamond structures
US8591856B2 (en) * 1998-05-15 2013-11-26 SCIO Diamond Technology Corporation Single crystal diamond electrochemical electrode
US7132309B2 (en) * 2003-04-22 2006-11-07 Chien-Min Sung Semiconductor-on-diamond devices and methods of forming
GB2379743B (en) * 2001-07-04 2005-05-25 Amersham Pharm Biotech Uk Ltd A method, a measuring cell and a system for measuring very small heat changes in a sample
US7781850B2 (en) * 2002-09-20 2010-08-24 Qualcomm Mems Technologies, Inc. Controlling electromechanical behavior of structures within a microelectromechanical systems device
US20050181210A1 (en) * 2004-02-13 2005-08-18 Doering Patrick J. Diamond structure separation
US7309446B1 (en) 2004-02-25 2007-12-18 Metadigm Llc Methods of manufacturing diamond capsules
US7976893B2 (en) * 2004-05-21 2011-07-12 National Institute For Materials Science Superconductivity in boron-doped diamond thin film
US7554138B2 (en) * 2004-06-16 2009-06-30 Nxp B.V. Method of manufacturing a strained semiconductor layer, method of manufacturing a semiconductor device and semiconductor substrate suitable for use in such a method including having a thin delta profile layer of germanium close to the bottom of the strained layer
US20060017055A1 (en) * 2004-07-23 2006-01-26 Eastman Kodak Company Method for manufacturing a display device with low temperature diamond coatings
EP1779101A1 (en) * 2004-07-27 2007-05-02 Element Six Limited Diamond electrodes
WO2006027669A1 (en) * 2004-09-10 2006-03-16 Element Six Limited Switching device
CN101023028A (zh) * 2004-09-10 2007-08-22 华盛顿卡内基研究所 超硬cvd单晶金刚石及其三维生长
US7369296B2 (en) 2004-09-27 2008-05-06 Idc, Llc Device and method for modifying actuation voltage thresholds of a deformable membrane in an interferometric modulator
US7327510B2 (en) * 2004-09-27 2008-02-05 Idc, Llc Process for modifying offset voltage characteristics of an interferometric modulator
US7373026B2 (en) * 2004-09-27 2008-05-13 Idc, Llc MEMS device fabricated on a pre-patterned substrate
CA2549283A1 (en) * 2004-11-05 2006-05-11 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Single-crystal diamond
JP2006152424A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Osg Corp 硬質被膜および硬質被膜被覆加工工具
EP1670017A1 (en) * 2004-12-03 2006-06-14 Mbda Uk Limited Electron beam window, window assembly, and electron gun
US7829377B2 (en) * 2005-01-11 2010-11-09 Apollo Diamond, Inc Diamond medical devices
US20060163584A1 (en) * 2005-01-26 2006-07-27 Robert Linares Boron-doped diamond semiconductor
JP4784915B2 (ja) * 2005-02-03 2011-10-05 独立行政法人産業技術総合研究所 リン原子がドープされたn型(100)面方位ダイヤモンド半導体単結晶膜及びその製造方法
US8674405B1 (en) * 2005-04-13 2014-03-18 Element Six Technologies Us Corporation Gallium—nitride-on-diamond wafers and devices, and methods of manufacture
JP5002982B2 (ja) * 2005-04-15 2012-08-15 住友電気工業株式会社 単結晶ダイヤモンドの製造方法
EP2400530A3 (en) * 2005-06-20 2012-04-18 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Diamond semiconductor element and process for producing the same
EP2495212A3 (en) * 2005-07-22 2012-10-31 QUALCOMM MEMS Technologies, Inc. Mems devices having support structures and methods of fabricating the same
JP4103961B2 (ja) * 2005-09-28 2008-06-18 独立行政法人産業技術総合研究所 電子放出電圧を著しく低減した電子源及びその製造方法
EP1957689B1 (en) * 2005-12-09 2011-04-20 Element Six Technologies (PTY) LTD High crystalline quality synthetic diamond
US7652814B2 (en) * 2006-01-27 2010-01-26 Qualcomm Mems Technologies, Inc. MEMS device with integrated optical element
EP1996397A4 (en) * 2006-03-17 2010-03-17 Triumf Operating As A Joint Ve SELF-CONTAINING MULTILAYER FILM WITH DIAMONDIC CARBON LAYER
JP2007265924A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド電子源素子
US7643203B2 (en) * 2006-04-10 2010-01-05 Qualcomm Mems Technologies, Inc. Interferometric optical display system with broadband characteristics
US7417784B2 (en) * 2006-04-19 2008-08-26 Qualcomm Mems Technologies, Inc. Microelectromechanical device and method utilizing a porous surface
US7369292B2 (en) * 2006-05-03 2008-05-06 Qualcomm Mems Technologies, Inc. Electrode and interconnect materials for MEMS devices
JP5004072B2 (ja) * 2006-05-17 2012-08-22 学校法人慶應義塾 イオン照射効果評価方法、プロセスシミュレータ及びデバイスシミュレータ
US7710000B2 (en) * 2006-08-04 2010-05-04 Schlumberger Technology Corporation Erosion and wear resistant sonoelectrochemical probe
US20100093127A1 (en) * 2006-12-27 2010-04-15 Emcore Solar Power, Inc. Inverted Metamorphic Multijunction Solar Cell Mounted on Metallized Flexible Film
US20110041898A1 (en) * 2009-08-19 2011-02-24 Emcore Solar Power, Inc. Back Metal Layers in Inverted Metamorphic Multijunction Solar Cells
US7733552B2 (en) * 2007-03-21 2010-06-08 Qualcomm Mems Technologies, Inc MEMS cavity-coating layers and methods
JP2010525379A (ja) * 2007-04-04 2010-07-22 クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド 犠牲層における界面改変によるリリースエッチアタックの排除
US7719752B2 (en) 2007-05-11 2010-05-18 Qualcomm Mems Technologies, Inc. MEMS structures, methods of fabricating MEMS components on separate substrates and assembly of same
WO2009033076A1 (en) * 2007-09-05 2009-03-12 The Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Navy Transparent nanocrystalline diamond contacts to wide bandgap semiconductor devices
WO2009114130A2 (en) * 2008-03-13 2009-09-17 Michigan State University Process and apparatus for diamond synthesis
GB0813491D0 (en) * 2008-07-23 2008-08-27 Element Six Ltd Diamond Material
GB0813490D0 (en) 2008-07-23 2008-08-27 Element Six Ltd Solid state material
JP5463059B2 (ja) * 2009-03-23 2014-04-09 東洋炭素株式会社 ダイヤモンド薄膜を被覆した炭素材料及びその製造方法
US8986646B2 (en) * 2009-06-26 2015-03-24 Element Six Technologies Limited Diamond material
US9037430B1 (en) * 2009-07-07 2015-05-19 Us Synthetic Corporation Methods and systems for non-destructively testing a polycrystalline diamond element
US9061917B2 (en) 2010-08-11 2015-06-23 Unit Cell Diamond Llc Combinatorial synthesis of the diamond unit cell
US10258959B2 (en) * 2010-08-11 2019-04-16 Unit Cell Diamond Llc Methods of producing heterodiamond and apparatus therefor
US9783885B2 (en) 2010-08-11 2017-10-10 Unit Cell Diamond Llc Methods for producing diamond mass and apparatus therefor
US8778295B2 (en) 2010-08-11 2014-07-15 Daniel Hodes Combinatorial synthesis of diamond
GB201107764D0 (en) * 2011-05-10 2011-06-22 Element Six Production Pty Ltd Polycrystalline diamond structure
US9097111B2 (en) 2011-05-10 2015-08-04 Element Six Abrasives S.A. Pick tool
US9662769B2 (en) 2011-06-16 2017-05-30 National Oilwell Varco, L.P. Multi-layered PDC cutters
CN103764882B (zh) * 2011-09-02 2017-09-12 住友电气工业株式会社 单晶金刚石及其制造方法
TWI481752B (zh) * 2012-11-20 2015-04-21 Univ Nat Chiao Tung 鑽石磊晶成長方法
GB201301560D0 (en) 2013-01-29 2013-03-13 Element Six Ltd Synthetic Diamond Heat Spreaders
US9314854B2 (en) 2013-01-30 2016-04-19 Lam Research Corporation Ductile mode drilling methods for brittle components of plasma processing apparatuses
US8893702B2 (en) 2013-02-20 2014-11-25 Lam Research Corporation Ductile mode machining methods for hard and brittle components of plasma processing apparatuses
KR101480023B1 (ko) * 2014-05-29 2015-01-07 주식회사 아벡테크 다이아몬드 전극 및 그 제조 방법
EP2955323A1 (en) * 2014-06-11 2015-12-16 Services Petroliers Schlumberger Diamond window assembly for optical logging
US10287708B2 (en) * 2015-07-22 2019-05-14 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Single-crystal diamond material, single-crystal diamond chip, and perforated tool
US9966161B2 (en) * 2015-09-21 2018-05-08 Uchicago Argonne, Llc Mechanical design of thin-film diamond crystal mounting apparatus with optimized thermal contact and crystal strain for coherence preservation x-ray optics
KR102643918B1 (ko) * 2015-10-19 2024-03-05 스미토모덴키고교가부시키가이샤 단결정 다이아몬드, 이것을 이용한 공구 및 단결정 다이아몬드의 제조 방법
GB201610053D0 (en) * 2016-06-09 2016-07-27 Element Six Tech Ltd Synthetic diamond heat spreaders
EP3373052A1 (de) 2017-03-06 2018-09-12 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Halbzeug, verfahren zu dessen herstellung und damit hergestellte komponente
WO2018222504A2 (en) 2017-06-02 2018-12-06 Lawrence Livermore National Security, Llc Innovative solutions for improving laser damage performance of multi-layer dielectric gratings
US11835743B2 (en) 2017-06-02 2023-12-05 Lawrence Livermore National Security, Llc Innovative solutions to improve laser damage thresholds of optical structures
DE102018209549A1 (de) * 2018-06-14 2019-12-19 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. UV-Strahlungssensor auf Basis von Diamant
EP3851863A4 (en) * 2018-09-14 2022-08-24 Tokyo Institute of Technology INTEGRATED CIRCUIT AND SENSOR SYSTEM
US11476178B2 (en) 2019-07-22 2022-10-18 Raytheon Company Selectively-pliable chemical vapor deposition (CVD) diamond or other heat spreader
GB201912659D0 (en) 2019-09-03 2019-10-16 Univ Bristol Chemical vapor deposition process for producing diamond
CN111584382B (zh) * 2020-04-27 2023-02-24 哈尔滨工业大学 利用金刚石nv色心原位表征异质界面状态的方法
WO2022174245A1 (en) * 2021-02-10 2022-08-18 Lawrence Livermore National Security, Llc Innovative solutions to improve laser damage thresholds of optical structures
CN113257706A (zh) * 2021-07-15 2021-08-13 度亘激光技术(苏州)有限公司 一种外延片及其掺杂浓度的监控方法
WO2023072384A1 (en) 2021-10-27 2023-05-04 Universität Ulm Method of implanting atoms in a substrate and method of forming a quantum register
CN114232090B (zh) * 2021-12-21 2023-10-10 苏州贝莱克金刚石科技有限公司 一种金刚石、其光学性质改进方法及制造方法
CN115181957B (zh) * 2022-08-25 2023-03-17 北京爱克瑞特金刚石工具有限公司 一种功能性金刚石微纳米粉体及复合体的制备和应用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0497988A (ja) * 1990-08-09 1992-03-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 高熱伝導性ダイヤモンドの製造方法
JPH0513342A (ja) * 1991-06-20 1993-01-22 Kawasaki Steel Corp 半導体ダイヤモンド
JPH10100297A (ja) * 1996-09-27 1998-04-21 Japan Vilene Co Ltd 遮液シート用中間材及びこれを用いた遮液シート
WO1999034646A1 (fr) * 1997-12-29 1999-07-08 Tokyo Gas Co., Ltd. Dispositif emetteur de rayons ultraviolets a diamant par injection de courant

Family Cites Families (70)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3850591A (en) * 1970-01-02 1974-11-26 Gen Electric Process for preparation of high pressure apparatus reaction vessel construction
US3895313A (en) * 1973-09-17 1975-07-15 Entropy Conversion Laser systems with diamond optical elements
US4034066A (en) * 1973-11-02 1977-07-05 General Electric Company Method and high pressure reaction vessel for quality control of diamond growth on diamond seed
JPS63107898A (ja) * 1986-10-23 1988-05-12 Natl Inst For Res In Inorg Mater プラズマを用いるダイヤモンドの合成法
EP0281888B1 (de) * 1987-03-09 1992-10-07 Siemens Aktiengesellschaft Schaltungsanordnung für Teilnehmeranschlussschaltungen einer digitalen Zeitmultiplex-Fernmelde-Vermittlungsstelle
US5284709A (en) * 1987-03-30 1994-02-08 Crystallume Diamond materials with enhanced heat conductivity
US4819286A (en) * 1988-02-22 1989-04-11 Beauchamp David J Stiffener for dry flotation cushions used in wheelchairs
JPH02141494A (ja) * 1988-07-30 1990-05-30 Kobe Steel Ltd ダイヤモンド気相合成装置
JPH02217397A (ja) 1989-02-15 1990-08-30 Kobe Steel Ltd n型半導体ダイヤモンド薄膜の気相合成法
JP2730145B2 (ja) * 1989-03-07 1998-03-25 住友電気工業株式会社 単結晶ダイヤモンド層の形成法
US5127983A (en) * 1989-05-22 1992-07-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of producing single crystal of high-pressure phase material
US5133332A (en) * 1989-06-15 1992-07-28 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Diamond tool
US5110579A (en) * 1989-09-14 1992-05-05 General Electric Company Transparent diamond films and method for making
US5273731A (en) * 1989-09-14 1993-12-28 General Electric Company Substantially transparent free standing diamond films
NL8902323A (nl) * 1989-09-18 1991-04-16 Philips Nv Diamantgereedschap.
US5223721A (en) * 1989-11-22 1993-06-29 The Tokai University Juridical Foundation Diamond n-type semiconductor diamond p-n junction diode
AU634601B2 (en) * 1989-12-11 1993-02-25 General Electric Company Single-crystal diamond of very high thermal conductivity
US5540904A (en) * 1989-12-11 1996-07-30 General Electric Company Isotopically-pure carbon-12 or carbon-13 polycrystalline diamond possessing enhanced thermal conductivity
GB2243150B (en) * 1990-03-28 1994-06-29 Kobe Steel Ltd Method for synthesizing diamond by combustion
JP2961812B2 (ja) * 1990-05-17 1999-10-12 住友電気工業株式会社 半導体装置
US5360479A (en) * 1990-07-02 1994-11-01 General Electric Company Isotopically pure single crystal epitaxial diamond films and their preparation
US5704976A (en) * 1990-07-06 1998-01-06 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy High temperature, high rate, epitaxial synthesis of diamond in a laminar plasma
US6162412A (en) * 1990-08-03 2000-12-19 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Chemical vapor deposition method of high quality diamond
IE74163B1 (en) * 1991-03-14 1997-07-02 Sumitomo Electric Industries Infrared optical part and method of making the same
JPH04305096A (ja) 1991-04-01 1992-10-28 Sumitomo Electric Ind Ltd 高品質気相合成ダイヤモンドの低温形成法
EP0543392A3 (en) * 1991-11-21 1993-10-20 Canon Kk Diamond semiconductor device and method of producing the same
JPH05221791A (ja) * 1991-12-18 1993-08-31 Kobe Steel Ltd 燃焼法によるダイヤモンド合成法
US5543684A (en) * 1992-03-16 1996-08-06 Microelectronics And Computer Technology Corporation Flat panel display based on diamond thin films
US5290392A (en) * 1992-06-05 1994-03-01 Trw Inc. Single crystal diamond wafer fabrication
US5443032A (en) 1992-06-08 1995-08-22 Air Products And Chemicals, Inc. Method for the manufacture of large single crystals
US5614019A (en) * 1992-06-08 1997-03-25 Air Products And Chemicals, Inc. Method for the growth of industrial crystals
US5294814A (en) * 1992-06-09 1994-03-15 Kobe Steel Usa Vertical diamond field effect transistor
EP0582397A3 (en) 1992-08-05 1995-01-25 Crystallume CVD diamond material for radiation detector and method for manufacturing the same.
US5382809A (en) 1992-09-14 1995-01-17 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Semiconductor device including semiconductor diamond
US5474021A (en) * 1992-09-24 1995-12-12 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Epitaxial growth of diamond from vapor phase
US5314652A (en) * 1992-11-10 1994-05-24 Norton Company Method for making free-standing diamond film
US5300188A (en) * 1992-11-13 1994-04-05 Kobe Development Corp. Process for making substantially smooth diamond
CA2281972C (en) 1993-07-20 2000-10-17 Saint-Gobain/Norton Industrial Ceramics Corporation Cvd diamond radiation detector
JP3563093B2 (ja) * 1993-09-24 2004-09-08 住友電気工業株式会社 半導体装置
US5404835A (en) * 1993-09-29 1995-04-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Method of making large area single crystalline diamond films
US6342195B1 (en) * 1993-10-01 2002-01-29 The Penn State Research Foundation Method for synthesizing solids such as diamond and products produced thereby
US5399247A (en) * 1993-12-22 1995-03-21 Eastman Kodak Company Method of electrolysis employing a doped diamond anode to oxidize solutes in wastewater
US5488350A (en) * 1994-01-07 1996-01-30 Michigan State University Diamond film structures and methods related to same
JP3774904B2 (ja) * 1994-01-27 2006-05-17 住友電気工業株式会社 平坦なダイヤモンド膜の合成法とダイヤモンド自立膜及びダイヤモンド膜の研磨方法
US5587210A (en) * 1994-06-28 1996-12-24 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Growing and releasing diamonds
US5592053A (en) * 1994-12-06 1997-01-07 Kobe Steel Usa, Inc. Diamond target electron beam device
CH690464A5 (fr) * 1995-02-23 2000-09-15 Lem Liaisons Electron Mec Dispositif de mesure inductif pour la mesure de composantes de courant alternatif superposées à un courant fort continu.
FR2731233B1 (fr) * 1995-03-03 1997-04-25 Kodak Pathe Systeme multicouche comprenant une couche de diamant, une interphase et un support metallique et procede pour obtenir ces couches
US5628824A (en) * 1995-03-16 1997-05-13 The University Of Alabama At Birmingham Research Foundation High growth rate homoepitaxial diamond film deposition at high temperatures by microwave plasma-assisted chemical vapor deposition
US5635258A (en) * 1995-04-03 1997-06-03 National Science Council Method of forming a boron-doped diamond film by chemical vapor deposition
US5589231A (en) * 1995-04-04 1996-12-31 Rice University Halogen-activated chemical vapor deposition of diamond
US5656827A (en) * 1995-05-30 1997-08-12 Vanderbilt University Chemical sensor utilizing a chemically sensitive electrode in combination with thin diamond layers
US5803967A (en) * 1995-05-31 1998-09-08 Kobe Steel Usa Inc. Method of forming diamond devices having textured and highly oriented diamond layers therein
JP3501552B2 (ja) * 1995-06-29 2004-03-02 株式会社神戸製鋼所 ダイヤモンド電極
EP0904600B1 (en) * 1996-06-10 2003-05-07 De Beers Industrial Diamond Division (Pty) Limited Method of making a contact to a diamond
JP3051912B2 (ja) * 1996-09-03 2000-06-12 科学技術庁無機材質研究所長 リンドープダイヤモンドの合成法
JPH1081590A (ja) * 1996-09-05 1998-03-31 Sumitomo Electric Ind Ltd 炭素同位体を適当な原子数比率で含むダイヤモンド及びその製造方法
US6887144B2 (en) * 1996-11-12 2005-05-03 Diamond Innovations, Inc. Surface impurity-enriched diamond and method of making
US5713915A (en) * 1996-11-15 1998-02-03 Rhein Medical, Inc. Surgical knife blade
JP4032482B2 (ja) 1997-04-18 2008-01-16 住友電気工業株式会社 単結晶ダイヤモンドの製造方法
JP3125046B2 (ja) 1997-11-21 2001-01-15 工業技術院長 ダイヤモンド単結晶薄膜製造方法
DE19859905C2 (de) * 1998-01-27 2002-05-23 Gfd Ges Fuer Diamantprodukte M Diamantschneidwerkzeug
US6120597A (en) * 1998-02-17 2000-09-19 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Crystal ion-slicing of single-crystal films
US6858080B2 (en) * 1998-05-15 2005-02-22 Apollo Diamond, Inc. Tunable CVD diamond structures
US6582513B1 (en) * 1998-05-15 2003-06-24 Apollo Diamond, Inc. System and method for producing synthetic diamond
US8591856B2 (en) * 1998-05-15 2013-11-26 SCIO Diamond Technology Corporation Single crystal diamond electrochemical electrode
AU7436801A (en) 2000-06-15 2001-12-24 De Beers Ind Diamond Single crystal diamond prepared by cvd
JP4469552B2 (ja) 2000-06-15 2010-05-26 エレメント シックス (プロプライエタリイ)リミテッド 厚い単結晶ダイヤモンド層、それを造る方法及びその層から形成された宝石の原石
JP2004538230A (ja) * 2001-08-08 2004-12-24 アポロ ダイアモンド,インコーポレイティド 合成ダイヤモンドを生成するためのシステム及び方法
GB0203150D0 (en) * 2002-02-11 2002-03-27 Dyson Ltd A filter housing

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0497988A (ja) * 1990-08-09 1992-03-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 高熱伝導性ダイヤモンドの製造方法
JPH0513342A (ja) * 1991-06-20 1993-01-22 Kawasaki Steel Corp 半導体ダイヤモンド
JPH10100297A (ja) * 1996-09-27 1998-04-21 Japan Vilene Co Ltd 遮液シート用中間材及びこれを用いた遮液シート
WO1999034646A1 (fr) * 1997-12-29 1999-07-08 Tokyo Gas Co., Ltd. Dispositif emetteur de rayons ultraviolets a diamant par injection de courant

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8192713B2 (en) 2003-12-12 2012-06-05 Daniel James Twitchen Method of incorporating a mark in CVD diamond
US8986645B2 (en) 2003-12-12 2015-03-24 Element Six Limited Diamond
JP2008543718A (ja) * 2005-06-22 2008-12-04 エレメント シックス リミテッド ハイカラーのダイヤモンド層
JP2013189373A (ja) * 2005-06-22 2013-09-26 Element Six Ltd ハイカラーのダイヤモンド層
JP2009500695A (ja) * 2005-07-11 2009-01-08 アポロ ダイヤモンド,インク ダイヤモンドに形成された構造
JP2007147486A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Allied Material Corp 工具用ダイヤモンドの選別方法
KR20140004641A (ko) * 2010-11-10 2014-01-13 로베르트 보쉬 게엠베하 대상의 에너지 순환을 제어하기 위한 방법
KR101925273B1 (ko) 2010-11-10 2018-12-06 로베르트 보쉬 게엠베하 대상의 에너지 순환을 제어하기 위한 방법
JP2014527709A (ja) * 2011-07-13 2014-10-16 ユーリー・ゲオルギヴィッチ・シュレター エピタキシャル半導体構造の成長基板からエピタキシャル膜又はエピタキシャル膜層をレーザ分離する方法
JP2014237890A (ja) * 2013-05-10 2014-12-18 国立大学法人電気通信大学 ダイヤモンドライクカーボン膜の成膜装置および形成方法
JP2018502041A (ja) * 2015-01-14 2018-01-25 トゥーエイ テクノロジーズ プライベート リミテッド 電子デバイスグレード単結晶ダイヤモンド及びその製造方法
JP2016213409A (ja) * 2015-05-13 2016-12-15 国立研究開発法人産業技術総合研究所 不純物ドープダイヤモンド及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2004059046A3 (en) 2004-09-02
WO2004059046A2 (en) 2004-07-15
CA2511670C (en) 2011-11-29
US20050181131A1 (en) 2005-08-18
CA2511670A1 (en) 2004-07-15
EP1587970A2 (en) 2005-10-26
AU2010202331A1 (en) 2010-07-01
US20080157096A1 (en) 2008-07-03
US6858080B2 (en) 2005-02-22
ZA200505434B (en) 2012-12-27
AU2003299852A1 (en) 2004-07-22
US20030131787A1 (en) 2003-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006512270A (ja) 調整可能なcvdダイアモンド構造体
US7258741B2 (en) System and method for producing synthetic diamond
CA2456847C (en) System and method for producing synthetic diamond
AU2001281404A1 (en) System and method for producing synthetic diamond
EP2526220A1 (en) Cvd single crystal diamond material
Halsall et al. Raman scattering and absorption study of the high-pressure wurtzite to rocksalt phase transition of GaN
JP2012176889A (ja) 合成ダイヤモンドを生成するためのシステム及び方法
Aghdaei et al. Engineering visible light emitting point defects in Zr-implanted polycrystalline AlN films
Himics et al. Influence of microwave plasma parameters on light emission from SiV color centers in nanocrystalline diamond films
Agyekyan et al. Optical properties of bulk gallium nitride single crystals grown by chloride–hydride vapor-phase epitaxy

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061222

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100413

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100712

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100720

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110531

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110830

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120124