JP2006510655A - 高脂肪環境への活性物質の制御放出 - Google Patents

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Abstract

高脂肪食後のヒトの消化管のような高脂肪使用環境に投与できる制御放出送達組成物。この送達組成物は、非対称ポリマー膜で囲まれたコアとしての態様をもつ。好ましい態様において、非対称ポリマー膜は酢酸セルロースである。

Description

本発明は、高脂肪食の摂取などにより生じる高脂肪環境への活性物質の制御放出、より具体的にはそのような制御放出に用いる組成物および送達デバイスに関する。
医薬文献には有用物質を投与するための多数の送達システムがある。そのような送達システムの多様なデザインは、たとえば目的とする吸収性、バイオアベイラビリティ、および有用物質(本明細書中では”医薬”または”有効”物質、または単に”薬物”とも言う)の投与経路の相異、ならびに患者によるアクセプタビリティーを高め、作用部位へ送達される活性物質の有効性を高め、かつたとえばピーク血中濃度を制限することにより副作用を最小限に抑える試みを反映している。
医薬および医療の当業者に自明のとおり、経口摂取は、他の投与経路、たとえば静脈内、皮下および筋肉内経路より患者にとって簡便かつ安価である傾向があるため、しばしば好まれる投与様式である。さらに、注射されるより飲み込む行動の方が大部分の患者にはるかに好まれる傾向があり、このため投与方式によるコンプライアンスがより保証されやすい。
持続放出(sustained-、extended-、またはprolonged-release)を可能にする剤形または経口薬物送達システムは、しばしば即時放出製剤より多量の有用物質を含有し、一般にそれから送達される有用物質をより均一に吸収するように設計される。そのような剤形を本明細書では”制御放出(controlled-release)”剤形と総称する。
そのような制御放出剤形は当技術分野で周知である。たとえば有用物質をコア粒子、ビーズ、または錠剤に取り込ませ、薬物放出速度を制御するポリマーでこれを被覆することができる。放出機序には、非孔質コーティングを通した薬物拡散、多孔質コーティングを通した薬物拡散、コーティングを通した水の流入により制御された薬物の浸透圧ポンプ作用、コア賦形剤の膨潤によるコーティング送達口を通したコア内容物押出し、基剤を通した侵食、またはこれらの機序の組合わせが含まれる。膜コーティングは多孔質でも非孔質でもよく、被覆操作中もしくは操作後に形成された、または使用環境で形成された、送達口を含むこともできる。制御放出送達システムの例は下記の米国特許に記載されている:
Figure 2006510655
速度制御膜で囲まれた薬物含有コアからなる制御放出剤形は、2つの広いカテゴリーに分類できる:拡散送達デバイスおよび浸透圧型送達デバイス。拡散送達デバイスについて、活性物質はポリマー膜を通したコア内部から周囲媒質への透過によりデバイスから放出される。主な透過推進力は、剤形の内部と外部の間の薬物濃度差である。放出速度は、膜厚、膜面積、膜透過性、剤形内部の薬物濃度および溶解度、ならびにデバイスの幾何額的形状に依存する。膜は緻密でも多孔質でもよい。浸透圧型送達デバイスについては、浸透圧型材料(水膨潤性親水性ポリマー、またはオスモゲン(osmogen)もしくはオスマゲント(osmagent))がデバイスコアに含有され、このコアが半透膜で被覆される。膜は、膜形成中、被覆操作後、またはその場で形成された1以上の送達口を含んでもよく、含まなくてもよい。送達口は直径0.1〜3mmの1個の大きな口から、多数の小さな送達口にまで及ぶことができ、後者はコーティング中の細孔からなっていてもよい。コア内部の浸透圧型剤が半透性コーティングを通してコア内へ水を引き寄せる。水膨潤性親水性ポリマーを含有するコアについては、コアがコーティングを通して水を吸収し、水膨潤性組成物を膨潤させ、コア内の圧力を高め、薬物含有組成物を流動化する。コーティングは無傷のままであるので、薬物含有組成物はコーティングの1以上の送達口または細孔を通して使用環境へ押し出される。オスモゲンを含有するコアについては、浸透圧により水がデバイス内へ引き込まれる。水の吸収により起きた体積増加が、コア内部の静水圧を上昇させる。この圧力は、薬物を含有する溶液または懸濁液がデバイスから膜の細孔または送達口を通して流出することにより緩和される。したがって、水膨潤性ポリマーまたはオスモゲンを含有するデバイスの体積−流出流速は、膜を通したコアへの水の流入速度に依存する。多孔質、非対称、対称、または相反転膜を用いて、浸透圧型制御放出デバイスの水の流入速度を制御し、これにより薬物放出速度を制御することができる。
そのような薬物放出組成物は、必然的に少なくとも数時間は消化管の流体内にあり、このように長期間そのような流体中に存在するため、適切に設計しない限りそのような流体およびその成分により影響を受ける可能性がある。
制御放出経口剤形が使用環境で、すなわち消化管の流体およびその流体の成分により早期に崩壊、溶解、または分解すると、有用物質が無制御に(目的より高速または低速で)放出される可能性がある。したがって、消化管の流体などの環境に長期間浸漬されても実質的にそれらの性能を維持する制御放出組成物を含む材料の開発に向けて、努力が続けられている。理想的には、薬物放出は消化管流体の組成の変動に無関係なものであろう。
先行技術には、コアからの活性物質の放出を制御するコーティングの形成に使用できる多様なポリマーが挙げられている。たとえば下記を参照されたい:
Figure 2006510655
慣用されるコーティング材料のひとつはエチルセルロースであり、ETHOCEL(登録商標)(Dow Chemical Co.)の名称で市販されている。エチルセルロースの使用は、たとえば下記に示されている:US 2,853,420;Isaac Ghebre-Sellassie, Uma Iyer, ”エチルセルロースで被覆した持続放出医薬マイクロペレット”, Neth. Appl., 10 pp (1991);D.S. Sheorey, Sesha M. Sai, A.K.Dorle, ”エチルセルロースを用いた水不溶性薬物封入のための新技術”, J.Microencapsulation, 8(3), 359-68 (1991);A.Kristl, M. Bogataj, A.Mrhar, F.Kozjek, ”バカンピシリンを含むエチルセルロースマイクロカプセルの製造と評価”, Drug Dev. Ind. Pharm., 17(8), 1109-30 (1991);Shun Por Li, Gunvant N. Mehta, John D. Buehler, Wayne M. Grim, Richard J. Harwood, ”エチルセルロース被覆したテオフィリン顆粒のインビトロ溶解放出速度に対するフィルムコーティング添加剤の影響”, Pharm. Technol., 14(3), 20,22-4 (1990);Pollock, D.K. and P.J.Sheskey, ”ミクロ化エチルセルロース:直接圧縮制御放出錠の好機”Pharm. Technol. Eur. 9(1), 26-36 (1997)。
制御放出組成物からの望ましくない無制御な活性物質放出は、実質的に、消化管内に存在する脂肪性食物の消化により形成される化合物が送達システムからの薬物放出を制御するためのコーティングを構成する材料に対する溶剤または可塑剤として作用する可能性があるという事実から起きることが分かった。特に、そのような物質は、慣用されるエチルセルロースなどのコーティング材料を膨潤または溶解し、これによりコーティングの統合性を撹乱して、剤形から許容できないほど低速の薬物放出または許容できないほど高速の薬物放出をもたらす可能性がある。場合により、使用環境の内容物が薬物放出速度を実質的に低下させ、これによりバイオアベイラビリティが有意に、不都合に低下する可能性がある。他の場合には、薬物放出速度が実質的に増大し、薬物の大量放出および患者による急激な吸収が起きて、不都合に高いピーク血中濃度になる可能性がある。そのように高い薬物濃度は、不都合な副作用または他の合併症を引き起こす可能性がある。
先行技術には、食事に伴って薬物送達が増加、減少し、または変化しない剤形が記載されている。Williamsらはラッカセイ油がセルロース被覆剤形に及ぼす影響を調べ(”フィルム被覆ビーズからの薬物放出に及ぼす食物の影響を調べるためのインビトロ法”, Williams, Sriwongjanya, and Liu, Pharmaceutical Development and Technology(1997))、コーティング剤形をインビトロ溶解試験前にラッカセイ油に浸漬すると、コーティングが薄くなるほど薬物放出が速くなり、コーティングが厚くなるほど薬物放出に変化がないことを見いだした。剤形をインビトロ試験前にラッカセイ油に浸漬する同じ手法をEl-Ariniらが採用し(”テオフィリン制御放出製剤と脂肪食:回転透析セル法を用いたインビトロ試験”, El-Arini, Shiu, and Skelly, Pharmaceutical Research (1990))、油は被覆ビーズに吸収されてコアの湿潤を阻止することにより薬物放出を停止させた可能性があると結論した。しかし、そのような作用を避けるためのポリマーを選択する方法についての指針は示されず、油消化物がコーティング材料に及ぼす大きな影響の可能性については示唆されていない。
このように、先行技術には活性物質の制御放出のための多数の剤形およびコーティング材料が記載されてはいるが、送達システムが高脂肪食後の消化管流体のような高脂肪環境にある状態で有用物質の放出を制御するのに特に有用な制御放出または送達システムの使用および方法は、全く教示されていない。これらの要望および当業者に自明になるであろう他の要望は、以下に概説および詳述する本発明により満たされる。
発明の概要:
後記に述べるもの以外、本発明の各種態様は、活性物質を使用環境、すなわち実質量(少なくとも約0.5重量%)の食事脂肪が含まれる使用環境へ制御放出する方法を提供する。
第1態様において本発明は、活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、非対称ポリマーコーティングの形成に使用するポリマーは、0.5重量%の食事脂肪を含む水溶液中に少なくとも16時間浸漬することにより試験した場合、増量が約15重量%未満のものであり;そして
b.該組成物を使用環境に投与する
ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法を提供する。
高脂肪環境で試験したポリマーに関して前記で用いた”重量%”は、浸漬前のポリマーの重量を基準とする重量%を意味する。使用環境における食事脂肪の量に関して用いた”重量%”は、環境を構成する成分の重量を基準とする重量%を意味する。
本明細書中で用いる”約”は一般に、それが修飾する数字または文字の±20%を意味する。
”非対称ポリマーコーティング”に関するという表現は、USP 5,612,059(本明細書に援用する)に開示されるタイプの非対称膜という表現と同義である。このタイプの膜またはコーティングは、部分被覆または全被覆のいずれのものであってもよい。
”送達組成物”は、本質的に”剤形”と同義である。送達組成物に用いる個々の放出機序、すなわち浸透圧、拡散、またはヒドロゲル推進式(hydrogel-driven)に応じて、送達組成物をビーズ、錠剤、またはカプセル剤として使用できる。ビーズが十分に小さく、通常0.05〜3mmであれば、当技術分野で知られるように、それらをカプセル充填用マルチ粒子として使用し、あるいは経口懸濁剤用粉末として使用できる。一般に送達組成物は非対称膜に囲まれた即時放出コア(または粉末の場合はマルチコア)からなり、それから、前記に説明しかつ後記に詳述する幾つかの機序のいずれかにより、制御された様式で活性物質が放出される。具体的な送達組成物および剤形が本明細書、ならびにUSP 5,612,059、5,698,220、6,068,859、および国際特許出願PCT/ IB 00/01920(WO 01/47500として公開)に記載されている;これらの明細書をすべて本明細書に援用する。
第2態様において本発明は、活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、50%の活性物質を組成物から使用環境へ放出する時間は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境へ組成物が50%の活性物質を放出するのに要する時間の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満であり;そして
b.該組成物を使用環境に投与する
ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法を提供する。
第3態様において本発明は、活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、組成物を使用環境へ導入した後2〜10時間目のいずれかの時点で組成物から放出される薬物量は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境へ2〜10時間目の同じ時点で組成物が放出する薬物量の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満であり;そして
b.該組成物を使用環境に投与する
ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法を提供する。
第4態様において本発明は、活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、使用環境へ導入した後2〜10時間目の組成物からの平均薬物放出速度は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える平均薬物放出速度の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満であり;そして
b.該組成物を使用環境に投与する
ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法を提供する。
第5態様において本発明は、活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、組成物は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える最大濃度の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満の活性物質最大濃度を使用環境で与え;そして
b.該組成物を使用環境に投与する
ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法を提供する。
第6態様において本発明は、活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、組成物は、使用環境への導入時点と使用環境への導入後約270分の間のいずれか少なくとも90分間について、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える活性物質濃度−対−時間曲線下面積(AUC)の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満のAUCを与え;そして
b.該組成物を使用環境に投与する
ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法を提供する。
第7態様において本発明は、活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、組成物は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える相対的なバイオアベイラビリティの少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満の相対的なバイオアベイラビリティを使用環境で与え;そして
b.該組成物を使用環境に投与する
ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法を提供する。
前記の7態様ノそれぞれにおいて、本発明の好ましい態様は、使用環境に少なくとも約2重量%の食事脂肪が含まれる場合に生じる。
前記の7態様のうち1以上を示す制御放出送達組成物(すなわち各態様のセクション(a)に述べたもの)は、本発明の範囲に含まれるものとする。
第8態様において本発明は、下記のものを含む治療用パッケージを提供する:容器、前記7態様のいずれかのセクション(a)に開示および記載した活性物質制御放出のための制御放出送達組成物、ならびに該パッケージに付随する、その剤形を食事(特に高脂肪食)と一緒に摂取できるか否かについての(これに限られない)文書。これに関して、本発明の制御放出送達組成物を貯蔵、輸送、および/または販売するために使用するパッケージに付随した文書は、その文書が規制情報もしくは規制外情報(たとえば広告)またはそのパッケージに付随する他の表現であっても、本発明の範囲において、パッケージに収容される剤形を食物と一緒に摂取してはならないと指示するものではあり得ない。したがって前記のパッケージは、たとえば規制により要求される警告、たとえば”食事の1時間以上前、食事の最大2時間後に投与しない”、または同じ警告を与えるこれに類する表現を含むパッケージ挿入物を入れた治療パッケージを除外する。
本明細書中で用いる用語”制御放出送達組成物”は、本質的に”制御放出剤形”と同義である。
前記の”対照”または”対照使用環境”という表現は、インビボまたはインビトロのいずれであっても、実質量の食事脂肪を含まない消化管を模擬した、または実質的に模擬した環境を意味する。”実質量の食事脂肪を含まない”とは、対照使用環境に食事脂肪が本質的に含まれないことを意味する。一般にこれは、対照使用環境に含まれる食事脂肪が約0.1重量%未満であることを意味する。
前記のいずれに記載した場合でも(すなわち最初の7態様の(a)セクションのそれぞれ)、”0.5ないし2.0倍”に関して、好ましい従属範囲は0.75ないし1.5倍である。より好ましい範囲は0.8ないし1.25倍である。
”薬物(drug)”、”治療剤(therapeutic agent)”、”活性物質(active substance)”、”活性薬剤(active pharmaceutical agent)”、および”有用剤(beneficial agent)”などの用語は、本明細書において互換性をもって用いられる。
本発明の各種態様は、それぞれ下記のうち1以上の利点を備えている。本発明方法は、活性物質による治療の必要がある患者の摂食状態/空腹(絶食)状態または患者が摂取した食物の性質に関係なく、使用環境への信頼性のある安全な活性物質制御放出を提供する。本発明はまた、ポリマーコーティングの溶解または可塑化による大量放出または不完全な薬物送達の可能性を最小限に抑え、高い血中濃度およびそれによる有害作用の可能性を最小限に抑える。
本明細書に開示する制御放出剤形は、前記のように、薬物含有コアを含み、これが剤形全体に目的とする制御放出特性を付与する非対称の律速ポリマー膜で囲まれている。すなわち、この律速ポリマーコーティングが無い場合、コアは非対称コーティングで被覆した場合より急速に活性物質を放出するであろう。本発明の剤形は、当技術分野で既知の追加成分を含むことができる。これらの成分は本発明の一部を形成する態様に寄与するものである。たとえば本発明の剤形はさらに、律速膜を囲むフィルムコーティングまたは味隠蔽コーティングを含むことができる。あるいは、場合により即時放出薬物のコーティングを律速膜の周囲に形成して、制御放出様式で放出される薬物のほかに、薬物を即時ボーラス供給することもできる。
発明の詳細な記述:
本発明は、活性物質を使用環境へ制御放出する方法を提供する。その際、その放出の実質部分において使用環境は実質量の食事脂肪を含み、活性物質は制御放出組成物により送達される。前記の背景に記載したように、使用環境に存在する脂肪性食物、特に食事脂肪の消化物がそのような制御放出組成物の速度制御コーティングを構成する材料に対する溶剤または可塑剤として作用する可能性があることを本発明者らは見いだした。したがって、本発明方法は、制御放出組成物を調製し、実質量(少なくとも0.5重量%)の食事脂肪を含む使用環境にその組成物を投与することを含み、これにより組成物からの活性物質放出速度は実質量の食事脂肪を含まない(すなわち0.1重量%未満)使用環境における組成物の放出速度とほぼ同じである。
使用環境:
本明細書中で用いる薬物の”放出”という表現は、送達組成物の内部からその外部へ薬物を輸送し、これにより薬物が使用環境の流体と接触することを意味する。”使用環境”という表現は、インビボ消化管流体またはインビトロ試験媒質のいずれであってもよい。使用環境への”投与”には、使用環境がインビボである場合は摂取または飲込み、あるいは使用環境がインビトロである場合は試験媒質中への装入によるものが含まれる。
薬物放出量(重量%で示す)は、放出された薬物の質量を組成物中に最初にあった薬物の全質量で割って100を掛けたものを表わす。本明細書および特許請求の範囲で用いる、ある期間の毎時平均薬物放出速度は、その期間中の放出薬物重量%をその期間の時間(時間)で割ったものとして定義される。
本明細書において用語”脂肪”は、技術分野で認められている一般的な生体物質の意味をもつものとして用いられ、主にトリグリセリドからなるが、副量のジ−およびモノ−グリセリドを含有してもよい。
本発明方法において活性物質は、制御放出送達組成物がその使用環境中に存在する時間の実質部分において、実質量の食事脂肪を含有する使用環境へ放出される。本明細書中で用いる用語”食事脂肪”は、状況に応じて、すなわち”食事脂肪”という表現が消化管内(インビボ)の食事脂肪について述べたもの、あるいは本発明のためにヒトの消化管の特性および放出挙動を模擬した人工的な高脂肪環境(インビトロ)または低脂肪対照環境(インビトロ)を作る目的で調製した人工的な食事脂肪について述べたもののいずれであるかに応じて、インビボまたはインビトロの意味をもつことができる。したがって食事脂肪は、脂肪消化物、すなわちヒト消化管内の酵素による代謝の産物を含めた脂肪を意味する可能性がある。”食事脂肪”は、本発明を定義する補助として使用するために本明細書に開示するインビトロ試験に用いるために(すなわちインビボの脂肪および脂肪消化物を模擬するために)人工的に調製した脂肪および脂肪加水分解物をも含む。
インビボ試験において、使用環境とは、一般にヒトの消化管を含めた動物の消化管を表わす。実質量の食事脂肪を含有するインビボ使用環境は、対象の消化管に送達組成物を投与する前約4時間以内、投与中、または投与後約2時間以内に、対象が食事脂肪を含有する食事を摂取することにより発生する。食事脂肪を含有する食事の適例は、標準”FDA高脂肪朝食”である。標準”FDA高脂肪朝食”は、バター焼き卵2個、ベーコン2切れ、バター付きトースト2枚、ハッシュブラウンポテト4オンス、全乳8オンス(すなわち約150タンパク質カロリー、250炭水化物カロリー、500〜600脂肪カロリー)からなる。同等の栄養含量をもつ他の食事も使用できる。高脂肪食は、約50〜60gの脂肪を含有する。したがって、摂取すると使用環境の脂肪濃度は朝食または食事の全重量および消化管内の流体の重量を基準として約0.5重量%以上のいずれかになる。したがって、”実質量”の食事脂肪とは、朝食または食事の全重量を基準として約0.5重量%を超える食事脂肪が使用環境に含まれることを意味する。
本明細書中で使用環境として消化管におけるインビボ測定と述べた場合、そのような測定は特に単位体積の血漿または血液当たりの活性物質濃度を分析することにより行われる。血液または血漿中の活性物質の濃度は、消化管における濃度に比例すると仮定される。実際のインビボデータを少なくとも1個、通常は数個またはさらに多数個のデータ点において収集する。これらはそれぞれ、こうして測定した、剤形を飲み込んだ時間と患者から血液または血漿を採取した時間の間の個々の時間間隔に対応する血液または血漿中の活性物質の濃度を反映する。そのようなデータ点を個別に使用できる(たとえば1回の測定が必要であるにすぎない請求項3を参照)。あるいは、そのようなデータ点を用いて、当技術分野で一般に知られているAUCを構築し(たとえば請求項6を参照)、または平均を計算する(たとえば請求項4を参照)ことができる。したがって本発明の組成物は、使用環境へ放出された活性物質の量を測定することにより、または血漿または血液中の活性物質濃度を測定することにより、測定できる。
インビトロ試験において、使用環境は、インビボ試験に存在する部分消化された食事脂肪を模擬したもの(脂肪および脂肪加水分解物)であることが好ましい。そのようなインビトロ使用環境のひとつは、”標準ブレンド朝食(standard blended breakfast)と酵素を含有する模擬腸液(simulated intestinal fluid)とを混合したもの”(”SBB/SIF”)である。SBB/SIF溶液は下記により調製される。まず6.8gの一塩基性リン酸カリウムを250mLの水に溶解する。次いで190mLの0.2N水酸化ナトリウムを400mLの水と混合し、リン酸カリウム溶液と混和する。次いで10gのパンクレアチンを添加し、得られた溶液のpHを0.2N水酸化ナトリウムで7.5±0.1に調整する。次いで水を添加して1000mLの最終体積にする。次いでこの溶液250mLに、前記で定義した標準”FDA高脂肪朝食”を添加する。次いでこの溶液を高速でブレンドして粒径を小さくし、SBB/SIF液を調製する。次いでこのSBB/SIF溶液を、インビトロ試験前、37℃に少なくとも10分間、60分を超えない期間、保持する。得られたSBB/SIF溶液は、溶液の重量を基準として少なくとも約0.5重量%の食事脂肪を含有する。
あるいは、実質量(すなわち少なくとも約0.5重量%)の食事脂肪を含有するインビトロ使用環境は、部分消化した食事脂肪を模擬して設計した、油および他の化合物の混合物を含有する水性懸濁液またはエマルションを調製することにより形成できる。そのような油混合物のひとつは”50%加水分解モデル油”である。”50%加水分解モデル油”とは、下記のものを含有する油混合物を意味する:38重量%のオリーブ油(Sigma Diagnostics, ミズーリ州セントルイス)、15重量%のモノオレイン酸グリセリル(Myverol(登録商標)18-99、Eastman Chemical Co.、テネシー州キングスポート)、23重量%のオレイン酸(Aldrich Chemical Co.、ワイオミング州ミルウォーキー)、9重量%のトリパルミチン(Sigma Diagnostics, ミズーリ州セントルイス)、4重量%のモノステアリン酸グリセリル(Imwitor(登録商標)191、HULS America Inc.、ニュージャージー州ピスカッタウェイ)、5重量%のパルミチン酸(Sigma)、3重量%のトリブチリン(Sigma)、2重量%の酪酸(Aldrich Chemical Co.)、および1重量%のレシチン(Sigma)。50%加水分解モデル油を適切な水溶液に添加して、実質量の食事脂肪を含有する使用環境を形成することができる。適切な水溶液のひとつは、0.01のHClを含む模擬胃緩衝液である。他の適切な水溶液は、リン酸緩衝食塩液(”PBS”)である:20mMのリン酸ナトリウム(NaHPO)、47mMのリン酸カリウム(KHPO)、87mMのNaCl、および0.2mMのKClを含有し、NaOHでpH6.5に調整したもの。他の適切な水溶液は、モデル空腹時十二指腸(Model Fasted Duodenal、”MFD”)液である:前記のPBS溶液を含み、これに7.3mMのタウロコール酸ナトリウムおよび1.4mMの1-パルミトイル-2-オレイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンを添加し、pH6.5に調整したもの。
50%加水分解モデル油を、インビボ試験における食事脂肪の濃度を模擬した濃度で適切な水溶液に添加すべきである。たとえば適切なインビトロ使用環境のひとつは、0.01のHClを含む模擬胃緩衝液中0.5重量%の50%加水分解モデル油からなる。
以下のインビトロ試験は、少なくとも0.5重量%の食事脂肪を含む高脂肪朝食を摂取したばかりのヒトにみられるであろうポリマー挙動を推定するものとして記載される。
インビトロ試験を用いて、本発明の剤形を評価することができる。好ましい方法においては、100mLの受容溶液(すなわち模擬使用環境、たとえばMFD、SBB/SIF、または50%加水分解モデル油を含有する水溶液)を入れた丸底フラスコに被験剤形を添加する。適切な受容溶液は、前記にインビトロ試験について記載した使用環境である。37℃に保持した回転ホイールに接続されたホルダーを丸底フラスコに取り付ける。試料を37℃で、好ましくは6時間回転させ、次いでコアの視覚検査により分析する。残留物分析を実施して、コアに残留する薬物量を測定し、差により薬物放出量を計算する。
他のインビトロ試験は直接試験であり、この場合、受容溶液を入れた撹拌式USPタイプII溶解フラスコに剤形試料を装入する。錠剤を金網製支持体に装入し、櫂の高さを調整し、dissoetteフラスコを50rpm、37℃で撹拌する。自動受容溶液交換式のVanKel VK8000自動サンプリングdissoetteを用いて、一定間隔で試料を採取する。定期的に受容溶液試料を採取するように自動サンプラーdissoette装置をプログラミングし、薬物濃度をHPLCにより分析する。
異なる剤形間の放出特性の比較を行ないたい場合、同じインビトロ脂肪含有溶解試験媒質を使用すべきであることを留意する。言い換えれば、第1剤形または組成物の試験をSBB/SIF溶液中で実施する場合、第2その他の比較試験剤形の試験を同じまたは同一のインビトロ脂肪含有試験溶液中で実施すべきである。そのような比較の対照部分、すなわち対照使用環境(すなわち脂肪を含有しない)における各種剤形の試験を実施する場合、いずれかの(脂肪を含有しない)試験媒質が本発明の目的に有用であろう。対照溶解プロフィールを評価するためには、統一性のために、単に脂肪含有溶解試験媒質として用いたものと同じ溶解媒質を用いることが好ましく、ただし対照媒質は脂肪を含有しない。
あるいは、インビボ試験を用いて本発明の剤形を評価することができる。しかしインビボ法は比較的複雑で経費がかかるため、最終使用環境は通常はヒトの消化管ではあるが、インビトロ法を用いて剤形を評価することが好ましい。インビボ試験においては、薬物剤形を動物、たとえばヒトまたはイヌのグループに投与し、(1)定期的に血液を採取して薬物の血清中濃度もしくは血漿中濃度を測定し、または尿の薬物濃度を測定する、あるいは(2)剤形が肛門から排出された後、剤形に残留する薬物量を測定する、あるいは(3)(1)と(2)の両方により、薬物放出および薬物吸収をモニターする。第2法においては、錠剤を被験者の肛門から排出した際に回収し、インビトロ残留試験に関して前記に述べたものと同じ方法で剤形中に残留する薬物量を測定することにより、残留薬物を測定する。元の剤形中の薬物量と残留薬物量の差は、口から肛門へ移動する期間に放出された薬物量の尺度である。対照は好ましくはクロスオーバーであり、すなわち同一グループの動物に少なくとも8時間絶食させた後に投薬し、投薬後、少なくとも4時間絶食を続ける。この試験は1薬物放出時点を提供するにすぎないので用途が限定されるが、インビトロ放出とインビボ放出の相関性を証明するのには有用である。前記のデータを用いて、インビボ使用環境へ放出された活性物質を測定する。
薬物の放出と吸収をモニターするインビボ法のひとつにおいては、横座標(x−軸)に沿った採取時間に対し縦座標(y−軸)に血清中または血漿中薬物濃度をプロットする。次いでいずれか一般的な分析法、たとえばワーグナー−ネルソン(Wagner-Nelson)またはルー−リーゲルマン(Loo-Riegelman)分析によりデータを判定して、薬物放出速度を分析できる。たとえば、Welling, ”薬物動態:方法と計算法”(ACS Monograph 185, Amer. Chem. Soc., ワシントンDC、1986)も参照されたい。こうしてデータを処理することにより、見掛けインビボ薬物放出プロフィールが得られる。
前記に開示したインビボ試験またはインビトロ試験のいずれかにおいて、いずれかの試験に合格する(すなわち、実験誤差内で、少なくとも特許請求の範囲で要求した結果を与える)剤形を本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
薬物:
薬物は実質的にいかなる有用治療物質であってもよく、コアの0.1〜90重量%を構成することができる。薬物は、結晶質または非晶質のいずれの形状であってもよい。薬物は固体分散液の形であってもよい。薬物は中性(たとえば遊離酸または遊離塩基)形、またはその医薬的に許容できる塩の形、ならびに無水物、水和物または溶媒和物の形、およびプロドラッグとして使用できる。
好ましいクラスの薬物には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:抗高血圧症薬、抗不安薬、抗凝固薬、抗痙攣薬、血糖低下薬、うっ血除去薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、抗新生物薬、ベータ遮断薬、抗炎症薬、抗統合失調症薬、認知増強薬、抗アテローム硬化症薬、コレステロール低下薬、抗肥満症薬、抗免疫障害薬、抗インポテンス薬、抗菌薬および抗真菌薬、催眠薬、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー病薬、抗生物質、抗うつ薬、抗ウイルス薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、ならびにコレステロールエステル輸送タンパク質阻害薬。
列記する各薬物には、ニュートラルまたはイオン化形の薬物、医薬的に許容できる塩類、およびプロドラッグが含まれると理解すべきである。抗高血圧症薬の具体例には、プラゾシン(prazosin)、ニフェジピン(nifedipine)、アモルジピンベシラート(amildipine besylate)、トリマゾシン(trimazosin)およびドキサゾシン(doxazosin)が含まれる;血糖低下薬の具体例は、グリピジド(glipizide)およびクロルプロパミド(chlorpropamide)である;抗インポテンス薬の具体例は、シルデナフィル(sildenafil)およびクエン酸シルデナフィルである;抗新生物薬の具体例には、クロラムブシル(clorambucil)、ロムスチン(lomustine)およびエキノマイシン(echinomycin)が含まれる;イミダゾールタイプの抗新生物薬の具体例はツブラゾール(tubulazole)である;高コレステロール血症薬の具体例は、アトルバスタチンカルシウム(atorvastatin calcium)である;抗不安薬の具体例には、塩酸ヒドロキシジン(hydroxyzine hydrochloride)および塩酸ドキセピン(doxepine hydrochloride)が含まれる;抗炎症薬の具体例には、ベタメタゾン(betamethasone)、プレドニソロン(prednisolone)、アスピリン、ピロキシカム(piroxicam)、バルデコキシブ(valdecoxib)、カルプロフェン(carprofen)、セレコキシブ(celecoxib)、フルビプロフェン(flurbiprofen)および(+)-N-{4-[3-(4-フルオロフェノキシ)フェノキシ]-2-シクロペンテン-1-イル}-N-ヒドロキシ尿素が含まれる;バルビツレートの具体例は、フェノバルビタールである;抗ウイルス薬の具体例には、アシクロビル(acyclovir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、およびビラゾール(virazole)が含まれる;ビタミン/栄養剤の具体例には、レチノールおよびビタミンEが含まれる;ベータ遮断薬の具体例には、チモロール(timolol)およびナドロール(nadolol)が含まれる;催吐薬の具体例は、アポモルフィンである;利尿薬の具体例には、クロルタリドン(chlorthalidone)およびスピロノラクトンが含まれる;抗凝固薬の具体例は、ジクマロール(dicumarol)である;強心薬の具体例には、ジゴキシンおよびジギトキシンが含まれる;アンドロゲンの具体例には、17-メチルテストステロンおよびテストステロンが含まれる;ミネラルコルチコイドの具体例は、デスオキシコルチコステロンである;ステロイド系催眠/麻酔薬の具体例は、アルファキサロン(alfaxalone)である;タンパク同化薬の具体例には、フルオキシメステロン(fluoxymesterone)およびメタンステノロン(mathanstenolone)が含まれる;抗うつ薬の具体例には、スルピリド(sulpiride)、[3,6-ジメチル-2-(2,4,6-トリメチル-フェノキシ)-ピリジン-4-イル]-(1-エチルプロピル)-アミン、3,5-ジメチル-4-(3'-ペントキシ)-2-(2',4',6'-トリメチルフェノキシ)ピリジン、ピロキシジン(pyroxidine)、フルオキセチン(fluoxetine)、ベンラファキシン(venlafaxine)およびセルトラリン(sertraline)が含まれる;抗生物質の具体例には、カルベニシリンインダニルナトリウム(carbenicillin indanylsodium)、塩酸バカムピシリン(bacampicillin hydrochloride)、トロレアンドマイシン(troleandomycin)、塩酸ドキシサイクリン半水和物(doxycycline hyclate)、アンピシリンおよびペニシリンGが含まれる;抗感染症薬の具体例には、塩化ベンザルコニウムおよびクロルヘキシジン(chlorhexidine)が含まれる;冠血管拡張薬の具体例には、ニトログリセリンおよびミオフラジン(mioflazine)が含まれる;催眠薬の具体例は、エトミデート(etomidate)である;カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬の具体例には、アセタゾラミド(acetazolamide)およびクロルゾラミド(chlorzolamide)が含まれる;抗真菌薬の具体例には、エコナゾール(econazole)、テルコナゾール(terconazole)、フルコナゾール(fluconazole)、ボリコナゾール(voriconazole)およびグリセオフルビン(griseofulvin)が含まれる;抗原虫薬の具体例は、メトロニダゾール(metronidazole)である;駆虫薬の具体例には、チアベンダゾール(thiabendazole)、オクスフェンダゾール(oxfendazole)およびモランテル(morantel)が含まれる;抗ヒスタミン薬の具体例には、アステミゾール(astemizole)、レボカバスチン(levocabastine)、セトリジン(cetrizine)、ロラタジン(loratadine)、デカルボエトキシロラタジン(decarboethoxy loratadine)およびシンナリジン(cinnarizine)が含まれる;抗統合失調症薬の具体例には、ジプラシドン(ziprasidone)、オランゼピン(olanzepine)、塩酸チオチキセン(thiothixene hydrochloride)、フルスピリレン(fluspirilene)、リスペリドン(risperidone)およびペンフルリドール(penfluridole)が含まれる;消化管薬の具体例には、ロペラミド(loperamide)およびソサプリド(cisapride)が含まれる;セロトニンアンタゴニストの具体例には、ケタンセリン(ketanserin)およびミアンセリン(mianserin)が含まれる;麻酔薬の具体例は、リドカインである;低血糖症薬の具体例は、アセトヘキサミド(acetohexamide)である;制吐薬の具体例は、ジメンヒドリナート(dimenhydrinate)である;抗菌薬の具体例は、コトリモキサゾール(cotrimoxazole)である;ドーパミン作動薬の具体例は、L-DOPAである;抗アルツハイマー病薬の具体例は、THAおよびドネペジル(donepezil)である;抗潰瘍薬/H2アンタゴニストの具体例は、ファモチジン(famotidine)である;鎮静/催眠薬の具体例には、クロルジアゼポキシド(chlordiazepoxide)およびトリアゾラム(triazolam)が含まれる;血管拡張薬の具体例は、アルプロスタジル(alprostadil)である;血小板阻害薬の具体例は、プロスタサイクリン(prostacyclin)である;ACE阻害薬/抗高血圧症薬の具体例には、エナラプリル酸(enalaprilic acid)およびリシノプリル(lisinopril)が含まれる;テトラサイクリン系抗生物質の具体例には、オキシテトラサイクリンおよびミノサイクリンが含まれる;マクロライド系抗生物質の具体例には、エリスロマイシン、クラリスロマイシンおよびスピロマイシンが含まれる;アザライド系抗生物質の具体例は、アジスロマイシン(azithromycin)である;グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬の具体例には、[R-(R*S*)]-5-クロロ-N-[2-ヒドロキシ-3-{メトキシメチルアミノ}-3-オキソ-1-(フェニルメチル)プロピル-1H-インドール-2-カルボキサミド]および5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-((3R,4S)-ジヒドロキシピロリジン-1-イル)-3-オキシプロピル]アミドが含まれる;コレステロールエステル輸送タンパク質阻害薬の具体例には、[2R,4S]-4-[3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステルおよび[2R,4S]-4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステルが含まれる。
薬物は固体、非晶質分散液の形で存在してもよい。固体、非晶質分散液とは、薬物の大部分が実質的に非晶質すなわち非結晶状態であって、薬物がポリマー中に分散していることを意味する。非結晶性はx線回折分析または示差走査熱量測定により証明できる。分散液は5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%の薬物を含有することができる。ポリマーは水性媒質に可溶性であり、かつ不活性である。固体、非晶質分散液の調製に適切なポリマーおよび方法は、同一出願人による2000年1月31日出願の米国特許出願09/495,061(1999年2月10日出願の仮特許出願60/119,406に基づく優先権を主張)に開示されており、その関連開示内容を本明細書に援用する。適切な分散ポリマーには、イオン化性および非イオン化性のセルロース系ポリマー、たとえばセルロースエステル、セルロースエーテル、およびセルロースエステル/エーテル;ならびにヒドロキシル、アルキルアシルオキシおよびサイクリックアミドよりなる群から選択される置換基をもつビニルポリマーおよびコポリマー、たとえばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルのコポリマーが含まれる。特に好ましいポリマーには、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、およびポリビニルピロリドン(PVP)が含まれる。最も好ましいものはHPMCAS、HPMCP、CAPおよびCATである。
コア:
本発明に使用する制御放出送達組成物は、即時放出性のコア粒子、ビーズまたは錠剤に取り込ませた薬物を含み、これが非対称の律速コーティングで被覆されている。この剤形は、放出機序が、非対称コーティングを通した拡散、非対称コーティングを通した水の流入により制御される薬物の浸透圧ポンプ作用、コア賦形剤の膨潤によるコーティングの送達口を通したコア内容物押出し、コアへの水の流入によるコーティングの浸透圧型破裂、またはこれらの機序の組合わせを伴うように加工することができる。前記に開示し、以下に詳述するように、本発明に用いるコーティングはいずれも非対称である。非対称膜コーティングは多孔質でも非孔質でもよく、あるいは被覆操作中もしくは操作後に形成された、または使用環境で形成された、送達口を含むこともできる。薬物、コアおよびコーティングの詳細を以下に述べる。
コアは一般に薬物、および目的とするタイプの送達機序に必要な他の賦形剤を含む。本発明は、以下に詳述する浸透圧型デバイス、ヒドロゲル推進式デバイス、および拡散デバイスについて使用するのに適切である。
浸透圧型デバイス:
1態様において、制御放出剤形は2成分を含む:(a)薬物を含有するコア;および(b)コアを囲む非溶解性かつ非侵食性の非対称コーティングであって、水性使用環境からコアへの水の流入を制御し、これによりコアの一部または全部を使用環境へ押し出すことにより薬物を放出する非対称コーティング。浸透圧型薬物送達デバイスは下記に記載されている:
Figure 2006510655
国際特許出願PCT/ IB 00/01920(WO 01/47500として公開)、および2000年1月31日出願の米国特許出願09/495,061(1999年2月10日出願の仮特許出願60/119,406に基づく優先権を主張)、それらの関連開示内容を本明細書に援用する。
薬物送達機序に関する用語”押出し”は、少なくとも1つの送達口を通してコアの一部または全部を圧出または駆出することを表わすものとする。”少なくとも1つの送達口”とは、薬物を剤形から放出しうる直径0.1〜3000μmのサイズの1個以上の穴、スリット、通路、チャネルまたは細孔を意味する。コア内で溶解が起きる範囲で、薬物を押出しにより、水中の固体懸濁液の形で、または主に薬物溶液として送達できる。
コアは、薬物のほか”浸透化剤(osmotic agent)”を含む。”浸透化剤”とは、使用環境からデバイスのコア内へ水を輸送する推進力を形成する物質を意味する。浸透化剤の具体例は、水膨潤性親水性ポリマーおよび浸透圧作用溶質である。たとえばコアは、しばしば”オスモポリマー”および”ヒドロゲル”と呼ばれる水膨潤性親水性ポリマー(イオン性および非イオン性いずれでも)を含有することができる。コア内に存在する水膨潤性親水性ポリマーの量は、約5〜約80重量%、好ましくは10〜50重量%であってよい。物質例には下記のものが含まれる:親水性のビニルポリマーおよびアクリルポリマー、多糖類、たとえばアルギン酸カルシウム、PEO、PEG、PPG、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、PVPおよび架橋PVP、PVA、PVA/PVPコポリマー、およびPVA/PVPと疎水性モノマー(たとえばメタクリル酸メチル、酢酸ビニル)のコポリマー、大きなPEOブロックを含有する親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラゲニン、HEC、HPC、HPMC、CMCおよびCEC、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル(polycarbophil)、ゼラチン、キサンタンガム、ならびにデンプングリコール酸ナトリウム。他の物質例には、相互交錯したポリマー網目構造を含むヒドロゲルが含まれ、これは付加重合または縮重合により形成でき、その成分は上記の親水性モノマーおよび疎水性モノマーを含むことができる。水膨潤性親水性ポリマーとして使用するのに好ましいポリマーには、PEO、PEG、PVP、クロスカルメロースナトリウム、HPMC、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリアクリル酸、およびその架橋形または混合物が含まれる。
”浸透圧作用溶質”とは、医薬技術分野で一般に”オスモゲン”または”オスマゲント”と呼ばれる水溶性化合物を意味する。コア内に存在するオスモゲンの量は、約2〜約70重量%、好ましくは10〜50重量%であってよい。代表的なクラスの適切なオスモゲンは、水を吸収することにより周囲コーティングのバリヤーを越えて浸透圧勾配を及ぼすことができる水溶性有機酸、塩類および糖類である。代表的な有用なオスモゲンには、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、マンニトール、キシリトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ラフィノース、ショ糖、グルコース、フルクトース、乳糖、クエン酸、コハク酸、酒石酸、およびその混合物が含まれる。特に好ましいオスモゲンは、グルコース、乳糖、ショ糖、マンニトール、キシリトールおよび塩化ナトリウムである。薬物が十分な水溶性をもつ場合、薬物自体がオスモゲンとして作用する可能性もある。
最後に、コアは、薬物の溶解性を高め、分散液の安定性、打錠性または加工性を向上させる多様な添加剤および賦形剤を含有することができる。そのような添加剤および賦形剤には、打錠助剤、界面活性剤、水溶性ポリマー、pH調整剤、充填剤、結合剤、色素、崩壊剤、酸化防止剤、滑沢剤および着香剤が含まれる。そのような成分の例は下記のものである:微結晶性セルロース;酸の金属塩、たとえばステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、およびステアリン酸亜鉛;脂肪酸、炭化水素および脂肪アルコール、たとえばステアリン酸、パルミチン酸、流動パラフィン、ステアリルアルコール、およびパルミトール;脂肪酸エステル、たとえばステアリン酸(モノ−およびジ−)グリセリル、トリグリセリド、(パルミチン酸ステアリン酸)グリセリルエステル、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸サッカロース、モノパルミチン酸サッカロース、およびステアリルフマル酸ナトリウム;アルキルスルフェート、たとえばラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸マグネシウム;ポリマー、たとえばポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、およびポリテトラフルオロエチレン;ならびに無機材料、たとえばタルク、リン酸二カルシウム、および二酸化ケイ素;糖類、たとえば乳糖およびキシリトール;ならびにグリコール酸デンプンナトリウム。
コアは、薬物の水溶性を増大させる溶解促進剤を含有してもよく、これは約5〜約50重量%の量で存在する。適切な溶解促進剤の例には、界面活性剤;pH調整剤、たとえば緩衝剤、有機酸および有機酸塩ならびに有機および無機塩基;グリセリド;部分グリセリド;グリセリド誘導体;ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシプロピレンエーテルならびにそれらのコポリマー;ソルビタンエステル;ポリオキシエチレンソルビタンエステル;炭酸塩;アルキルスルホナート;ならびにシクロデキストリンが含まれる。
具体的な浸透圧態様”均質コアデバイス”において、コアは、1種類以上の医薬活性物質、浸透圧誘発のための水溶性化合物、非膨潤性可溶化剤、非膨潤性(水溶性または水不溶性)ウィッキング剤(wicking agent)、膨潤性親水性ポリマー、結合剤および滑沢剤から構成することができる。そのようなデバイスはUSP 5,516,527および5,792,471に開示されており、これらを本明細書に援用する。
浸透圧作用(水溶性)剤は、一般に糖アルコール、たとえばマンニトール、または糖類と多糖類、たとえばデキストロースおよびマルトースの組合わせ、または他の成分と適合性の生理的に耐容できるイオン塩、たとえば塩化ナトリウムもしくはカリウム、または尿素である。浸透圧誘発のための水溶性化合物の例は、下記のものである:無機塩類、たとえば塩化マグネシウムもしくは硫酸マグネシウム、塩化リチウム、−ナトリウムもしくは−カリウム、リン酸水素−もしくはリン酸二水素−リチウム、−ナトリウムもしくは−カリウム、有機酸の塩類、たとえば酢酸ナトリウムもしくは−カリウム、コハク酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウム;炭化水素、たとえばソルビトールまたはマンニトール(ヘキシット)、アラビノース、デキストロース、リボースもしくはキシロース(ペントセン(pentosene))、グルコース、フルクトース、ガラクトースもしくはマンノース(ヘキソセン(hexosene))、ショ糖、マルトースもしくは乳糖(二糖類)またはラフィノース(三糖類);水溶性アミノ酸、たとえばグリシン、ロイシン、アラニンまたはメチオニン、尿素など、およびその混合物。これらの水溶性賦形剤は、剤形の全重量を基準として約0.01〜45重量%の量でコア中に存在することができる。
非膨潤性可溶化剤には、(a)医薬と複合体形成することにより医薬の結晶形成を阻止するか、または他の形で作用する物質;(b)高HLB(親水性−親油性バランス)ミセル形成界面活性剤、特に非イオン性および/またはアニオン性界面活性剤;(c)クエン酸エステル;ならびにその組合わせ、特に複合体形成剤とアニオン性界面活性剤の組合わせが含まれる。医薬と複合体形成することにより医薬の結晶形成を阻止するか、または他の形で作用する物質の例には、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール(特にPEG 8000)、シクロデキストリンおよび修飾シクロデキストリンが含まれる。高HLBミセル形成界面活性剤の例には、Tween 20、Tween 60、Tween 80、ポリオキシエチレン含有もしくはポリエチレン含有界面活性剤、または他の長鎖アニオン性界面活性剤、特にラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。好ましいクエン酸エステル誘導体の例には、アルキルエステル、特にクエン酸トリエチルが含まれる。これらの特に好ましい組合わせは、ポリビニルピロリドンとラウリル硫酸ナトリウム、およびポリエチレングリコールとラウリル硫酸ナトリウムである。
非膨潤性ウィッキング(湿潤)剤は、錠剤のコアにチャネルまたは細孔を形成するために用いられる。これは、物理吸着によりコアを通る水の流通を促進する。好ましいウィッキング剤は、認識できるほどには膨潤しない。これらの物質は水溶性または水不溶性物質であってよい。ウィッキング(湿潤)剤として作用するのに適切な水溶性物質には、下記のものが含まれる:界面活性化合物、すなわち界面活性剤、たとえばアルキルスルフェートタイプのアニオン性界面活性剤、たとえばラウリル硫酸−、n−テトラデシル硫酸−、n−ヘキサデシル硫酸−もしくはn−オクタデシル硫酸−ナトリウム、−カリウムもしくは−マグネシウム;またはアルキルエーテルスルフェートタイプのもの、たとえばn−ドデシルオキシエチル硫酸−、n−テトラデシルオキシエチル硫酸−、n−ヘキサデシルオキシエチル硫酸−もしくはn−オクタデシルオキシエチル硫酸−ナトリウム、−カリウムもしくは−マグネシウム;またはアルキルスルホナートタイプのもの、たとえばn−ドデカンスルホン酸−、n−テトラデカンスルホン酸−、n−ヘキサデカンスルホン酸−もしくはn−オクタデカンスルホン酸−ナトリウム、−カリウムもしくは−マグネシウム。他の適切な界面活性剤は、脂肪酸多価アルコールエステルタイプの非イオン性界面活性剤、たとえばモノラウリン酸ソルビタン、トリステアリン酸−もしくはトリオレイン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、たとえばステアリン酸ポリオキシエチル、ステアリン酸ポリエチレングリコール400、ステアリン酸ポリエチレングリコール2000、好ましくはPluronics(BWC)もしくはSynperionic(ICI)タイプのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、ポリグリセロール−脂肪酸エステルまたはグリセリル−脂肪酸エステルである。特に適切なものはラウリル硫酸ナトリウムである。これらの界面活性剤が存在する場合、これらの界面活性剤は好ましくは全コア重量を基準として約0.2〜2%で存在すべきである。他の可溶性ウィッキング(湿潤)剤には、低分子量ポリビニルピロリドンおよびn−ピロールが含まれる。
ウィッキング(湿潤)剤として作用するのに適切な不溶性物質には、コロイド二酸化ケイ素、カオリン、二酸化チタン、フュームド二酸化ケイ素、アルミナ、ナイアシンアミド、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエステル、ポリエチレンが含まれるが、これらに限定されない。特に適切な不溶性ウィッキング剤には、コロイド二酸化ケイ素が含まれる。
他の具体的な浸透圧態様”破裂性浸透圧型コアデバイス(bursting osmotic core devise)”において、有効治療物質は活性物質および1種類以上のオスマゲント(osmagent)を含有する錠剤コアまたはビーズコアに装入される。このタイプのデバイスは、一般にBakerのUSP 3,952,741に開示されており、これを本明細書に援用する。オスマゲントの例は、糖類、たとえばグルコース、ショ糖、マンニトール、乳糖など;ならびに塩類、たとえば塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウムなど;水溶性酸、たとえば酒石酸、フマル酸などである。このデバイスのコアは、半透膜、すなわち水に対しては透過性であるが治療剤に対しては実質的に不透過性である膜を形成するポリマーで被覆される。半透膜を生成する好ましいポリマーの例は、酢酸セルロースである。
前記の”破裂性浸透圧型コア”態様の被覆された錠剤またはビーズを水性使用環境に置くと、半透膜を通して水がコア内へ通過し、治療剤の一部を溶解して静水圧を発生させ、その結果、半透膜が破裂して治療剤が水性環境へ放出される。ビーズまたは錠剤のサイズおよび幾何学的形状、オスマゲントの種類および量、ならびに半透膜の厚さを選択することにより、水性使用環境への剤形の配置と内包物質の放出との遅れを選択できる。剤形の表面−対−体積比の増大およびオスマゲントの浸透圧作用の増大がこの遅れを短縮させ、一方でコーティングの厚さの増大が遅れを延長することは、当業者に自明であろう。破裂性浸透圧型コアの錠剤またはビーズは、約25〜95%の治療剤、約0〜60%の前記オスマゲント、および約5〜25%の他の医薬助剤、たとえば充填剤、結合剤および滑沢剤を含有しうる錠剤またはビーズを含む。錠剤上の半透膜コーティング、好ましくは酢酸セルロースコーティングは、錠剤コアの重量の約2〜約30%、好ましくは約3〜約10%を形成するのに相当する重量で存在する。ビーズ上の半透膜コーティング、好ましくは酢酸セルロースコーティングは、ビーズコアの重量の約2〜約80%、好ましくは約3〜約30%を形成するのに相当する重量で存在する。
他の態様”破裂性コート化膨潤性コア(bursting coated swelling core)”においては、オスマゲントのほかに、15〜70%の膨潤性物質、たとえば膨潤性コロイド(たとえばゼラチン)を含有する治療剤含有錠剤またはビーズを調製する;MilosovichのUSP 3,247,066に記載されており、これを本明細書に援用する。好ましい膨潤性コア材料はヒドロゲル、すなわち水を吸収して膨潤する親水性ポリマー、たとえばポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸誘導体、たとえばポリメタクリル酸メチル、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ-N-ビニル-2-ピロリドン、カルボキシメチルセルロース、デンプンなどである。この態様に好ましい膨潤性ヒドロゲルは、ポリエチレンオキシドおよびカルボキシメチルセルロースである。コロイド/ヒドロゲルを含有する治療剤含有コア錠剤またはビーズを、少なくとも部分的に半透膜で被覆する。
破裂性コート化膨潤性コアをもつ被覆した錠剤またはビーズを水性使用環境に置くと、半透膜を通して水がコア内へ通過し、コアを膨潤させて半透膜を破裂させ、治療剤を水性環境へ放出する。
ヒドロゲル推進式デバイス:
他の態様において、薬物含有コアは2成分を含む:薬物含有組成物および水膨潤性組成物。ヒドロゲル推進式デバイスは一般に浸透圧型デバイスと同様に作動し、主な相異はヒドロゲル推進式デバイスでは薬物含有組成物と水膨潤性組成物がコア内の別個の領域を占めることである。”別個の領域”とは、2成分が別個の体積を占め、したがって2つが実質的に互いに混合しないことを意味する。非対称コーティングはコアを囲み、水透過性、水不溶性であり、貫通する1以上の送達口を備えている。使用に際しては、コアが消化(”GI”)管のような使用環境からコーティングを通して水を吸収する。吸収された水が水膨潤性組成物を膨潤させ、これによりコア内の圧力を上昇させる。吸収された水は、薬物含有組成物の流動性も増大させる。コアと使用環境の圧力差が、流動性になった薬物含有組成物の放出を推進する。コーティングは無傷のままであるので、薬物含有組成物は送達口を通ってコアから使用環境へ押し出される。水膨潤性組成物は薬物を含有しないので、ほとんどすべての薬物が送達口を通って押し出され、残留薬物が残ることはほとんどない。このようなヒドロゲル推進式デバイスは、USP 5,718,700、4,783,337、4,765,989、4,865,598、5,273,752、および2000年12月20日出願の米国特許出願09/745,095に開示されており、それらの開示内容全体を本明細書に援用する。
薬物含有組成物は、薬物のほか、前記の浸透圧型デバイスについて記載した浸透圧型剤、打錠助剤、界面活性剤、水溶性ポリマー、pH調整剤、充填剤、結合剤、色素、崩壊剤、酸化防止剤、滑沢剤、着香剤、溶解促進剤を含むことができる。このほか、薬物含有組成物はさらに同伴剤(entraining agent)および/または流動化剤を含むことができる。同伴剤は、低溶解性薬物の送達に特に好ましい。それらは薬物を懸濁または同伴し、送達口を通して薬物を使用環境へ送達するのを補助する。薬物含有組成物中に存在する同伴剤の量は、薬物含有組成物の約20〜約98重量%であってよい。同伴剤は単一物質または物質混合物のいずれでもよい。そのような物質の例には、ポリオール、およびポリエーテルオリゴマー、たとえばエチレングリコールオリゴマーまたはプロピレングリコールオリゴマーが含まれる。さらに、多官能性有機酸とカチオン性物質、たとえばアミノ酸の混合物、または多価塩類、たとえばカルシウム塩を使用できる。特に有用なものは、ポリマー、たとえばポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルアルコール、PVP、セルロース系材料、たとえばヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、HPMC、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース(CEC)、ゼラチン、キサンタンガム、または上に挙げたポリマーのものと同様な粘度の水溶液を形成する他のいずれかの水溶性ポリマーである。特に好ましい同伴剤は、非架橋PEO、またはPEOと上に挙げた他の物質の混合物である。
薬物含有組成物は、さらに流動化剤を含むことができる。本明細書中で用いる”流動化剤”は、剤形を使用環境に導入した際に水を吸収して薬物含有組成物を速やかに流体にすることができる水溶性化合物である。流動化剤は本質的に、コア内へ水が吸収された際に速やかに薬物含有組成物の流動性を高めるいかなる水溶性化合物であってもよい。流動化剤の例は、糖類、有機酸、アミノ酸、ポリオール、塩類、および水溶性ポリマーの低分子量オリゴマーである。糖類の例は、グルコース、ショ糖、キシリトール、フルクトース、乳糖、マンニトール、ソルビトールなどである。有機酸の例は、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、およびコハク酸である。アミノ酸の例は、アラニンおよびグリシンである。ポリオールの例は、プロピレングリコールおよびソルビトールである。ポリマーの低分子量オリゴマーの例は、分子量10,000ダルトン以下のポリエチレングリコールである。特に好ましい流動化剤は、糖類および有機酸である。そのような流動化剤が好ましい理由は、それらが無機酸または低分子量ポリマーなど他の流動化剤と比較して、しばしば薬物含有組成物の打錠特性および圧縮特性を改善するからである。
コアは、さらに水膨潤性組成物を含む。水膨潤性組成物は、コーティングを通して使用環境から水を吸収するのに伴って、大幅に膨張する。水膨潤性組成物は、膨張に伴ってコア内の圧力を上昇させ、流動性になった薬物含有組成物を送達口から使用環境へ押し出す。水膨潤性組成物は、水膨潤性組成物の約30〜100重量%の量の膨潤剤を含む。膨潤剤は、一般に水の存在下で大幅に膨張する水膨潤性ポリマーである。
水膨潤性組成物に適切な膨潤剤は、一般に親水性ポリマーである。親水性ポリマーの例には、ポリオキソマー(polyoxomer)、たとえばPEO、セルロース系材料、たとえばHPMCおよびHEC、ならびにイオン性ポリマーが含まれる。一般に、膨潤剤として選択される水膨潤性ポリマーの分子量は同伴剤として用いられる類似のポリマー(前記参照)のものより高いので、薬物放出中の一定期間で、水を吸収した後の水膨潤性組成物は薬物含有組成物と比較してより粘稠、より低い流動性、より柔軟性になる。場合により、膨潤剤は実質的にまたはほとんど完全に水不溶性であり、したがって作動中に部分的に水膨潤した際、水膨潤した柔軟な粒子の塊を構成する可能性すらある。一般に膨潤剤は、作動中に、少なくとも大部分の薬物含有組成物を押し出すまでは、水膨潤性組成物が一般に薬物含有組成物と実質的に混和しないように選択される。
水膨潤性組成物は、所望により、剤形の安定性または加工適性を向上させる、前記と同じタイプの浸透圧作用溶質、打錠助剤、溶解促進剤または賦形剤を含有することができる。
拡散デバイス:
他の態様において、制御放出剤形は2成分を含む:(a)薬物を含有するコア;および(b)コアを囲む非対称、非溶解性および非侵食性コーティングであって、薬物がコアから使用環境へ拡散する速度を制御するコーティング。厚いコーティングまたは低い多孔度をもつコーティングほど、一般に低い放出速度をもつ。同様に、低い薬物透過性をもつコーティング(特に非孔質コーティング)ほど、一般に低い放出速度をもつ。拡散デバイスは下記の米国特許に記載されている:USP 4,186,184およびUSP 5,505,962。
コアは、薬物、ならびに他の賦形剤、たとえば前記の打錠助剤、界面活性剤、水溶性ポリマー、pH調整剤、充填剤、結合剤、色素、崩壊剤、酸化防止剤、滑沢剤、着香剤、および溶解促進剤を含む。
コーティング:
前記のすべての制御放出剤形が、薬物コアおよび非対称コーティングを含む。非対称コーティングは、水が使用環境からコアへ輸送されるのを制御することにより、または薬物がコアから使用環境へ拡散するのを制御することにより、薬物が使用環境へ放出される速度を制御する。本発明者らは、実質量の食事脂肪(または食事脂肪の消化物)を含有する使用環境における薬物放出速度が、実質量の食事脂肪を含有しない使用環境における薬物放出速度と比較して同じであるためには、非対称コーティングを作成するのに使用する材料を慎重に選択しなければならないことを見いだした。
非対称コーティングは、たとえばUSP 5,612,059(Cardinalら)に開示されるように当技術分野で知られている。そのようなコーティングは、きわめて薄い緻密なスキンがより厚い多孔質下部構造層で支持されたものからなる膜である。非対称膜を用いて作成できる送達デバイスには、錠剤、カプセル剤およびビーズが含まれる。そのような膜は、前記特許に開示される相反転法により作成できる。有利には、そこにも記載されるように、制御された様式で膜の多孔性を提供し、これにより多孔度(したがって放出速度)を調節することができる。放出速度を調節することにより、得られる送達組成物の放出プロフィールも制御および調節することができる。
本発明者らは、非対称ポリマー膜コーティングをもつ剤形からの薬物放出により下記のことが証明されるという所見を得た:ある種のコーティングポリマー(すべてではない)は、空腹条件下で投与された場合には望ましい放出特性を示すが、高脂肪食後に投与すると有意の薬物放出低下を示す可能性がある。
そのような剤形性能の変化は、高脂肪使用環境に存在する脂肪および脂肪消化物による非対称膜ポリマーの膨潤に起因する可能性があることが見いだされた。この特性により、ある剤形では急激な放出または大量放出が起きる可能性もある。
このような影響を避けるために、コアの周囲にコーティングを形成するのに用いる非対称膜は、加水分解した食事脂肪混合物の0.5重量%水溶液中に少なくとも16時間浸漬した際の膨潤度が約15重量%未満、好ましくは約5重量%未満でなければならないことが見いだされた。加水分解した食事脂肪混合物の適例は、前記の50%加水分解モデル油である。一般にこれより大きく膨潤する材料の水透過性は、実質量の食事脂肪(または食事脂肪の消化物)を含有する使用環境に置かれた場合に有意に変化し、コアからの薬物の制御放出速度が変化する。
剤形の非対称膜を作成するのに用いるポリマーのスクリーニングには、下記の方法を使用できる。緻密なポリマーフィルム(たとえば厚さ10〜200μm)は、たとえば候補ポリマーを適宜な溶剤に溶解し、このポリマー溶液をたとえばGardnerキャスチングナイフ(Gardner Labs, Inc.、メリーランド州ベテスダ)により、適宜な表面(たとえばガラス板)にキャスチングすることによって作成できる。スクリーニングするポリマーのいかなる揮発性溶剤および緻密フィルムを製造するいかなるキャスチング法も使用できる。フィルムを風乾して溶剤を蒸発させ、得られたフィルムをキャスチング表面から取り外すことができる。この緻密フィルムの小片(たとえば10〜20mg重量)をまず0.01 HCl溶液に入れ、50rpm、37℃で少なくとも3時間撹拌する。次いで緻密フィルムの各片を溶液から取り出し、吸取紙で軽く叩いて表面の水を除去して乾燥させ、秤量する。次いで0.01 HClを含む37℃の模擬胃緩衝液中0.5重量%の50%加水分解モデル油からなる使用環境に緻密フィルム片を入れ、50rpmで21〜48時間撹拌する。次いでフィルムを取り出し、吸取紙で軽く叩いて表面の水を除去して乾燥させ、秤量する。次いで、緻密フィルムに吸収された物質量を下記の方程式により計算する:
Figure 2006510655
適切なコーティング材料の例には、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリメタクリラート、ならびにその混合物およびブレンドが含まれる。好ましいコーティング材料は、酢酸セルロースである。”酢酸セルロース”とは、アセテート基がエステル結合によりセルロースポリマーのヒドロキシ基部分に結合したセルロースポリマー群を意味する。セルロースポリマーのアセテート置換度は、0.1〜3であってよい。”置換度”は、置換されたセルロース鎖上の糖反復単位当たりの3ヒドロキシの平均数を表わす。ポリマー性能を実質的に変化させない比較的少量の追加置換基が付加された酢酸セルロースも含まれる。酢酸セルロースの分子量は、高強度コーティングを与えるのに十分なほど高く、ただしコーティングプロセスでの材料の加工が容易であるのに十分なほど低くなければならない。好ましくは、酢酸セルロースは約10,000ダルトンより大きく、ただし約100,000ダルトンより小さい平均分子量をもつ。より好ましくは、酢酸セルロースは約25,000ダルトンより大きく、ただし約75,000ダルトンより小さい平均分子量をもつ。好ましいポリマーは、アセチル含量39.8%をもつ酢酸セルロース、特に平均分子量約40,000ダルトンをもつ、Eastman(テネシー州キングスポート)製のCA 398-10である。アセチル含量39.8%をもつ他の好ましいポリマーは、平均分子量50,000ダルトンをもつと報告されるCA 398-30(Eastman)である。
コーティングは一般的な方法で、ただしコーティングを非対称にする方法でコアに付与することができる。たとえば、まずコーティング溶液を調製し、それを浸漬、流動床コーティング、またはパンコーティングによりコアに被覆し、次いで特別な方法で溶液の相分離を誘発して、組織化した連続ポリマー相を生成させる。これを達成するために、コーティングポリマー(1以上)および溶剤を含むコーティング溶液を調製する。代表的な溶剤には、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ酢酸エチル、二塩化メチレン、二塩化エチレン、二塩化プロピレン、ニトロエタン、ニトロプロパン、テトラクロロエタン、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ググライム、およびその混合物が含まれる。特に好ましい溶剤はアセトンである。コーティング溶液は、一般に3〜15重量%、好ましくは5〜12重量%、最も好ましくは7〜12重量%のポリマーを含有する。コーティング溶液を送達デバイスのコア、たとえば錠剤コアに被覆し、次いで乾燥させると、コア上に組織化した膜が形成される。
一般に、非対称コーティングの外面は、コアに近いコーティングより高い密度をもつスキンである。前記のように、非対称コーティングは相反転法により形成できる。この方法では、コーティングの乾燥に伴って付与されたコーティング溶液に相反転が起きるように選択した溶剤と非溶剤の混合物にコーティングポリマーを溶解し、その結果、薄い緻密な外側領域をもつ多孔質固体が形成される。このタイプの膜は一般に、逆浸透圧工業に用いられるものと同様に、緻密な膜により得られるものより高い水浸透圧流束をもたらす。
コーティング溶液は、コーティングの形成に用いる条件でポリマーが実質的に溶質のままであり、高濃度の食事脂肪を含有する使用環境に置かれた場合にコーティングが透過性かつ非対称のままであり、かつ透過性が有意に変化しない限り、任意量の細孔形成剤、非溶剤、他のポリマーまたはポリマー混合物(後記に詳述)、または可塑剤をも含むことができる。本明細書中で用いる用語”細孔形成剤”は、コーティング溶液に添加される物質であって、溶剤と比較して低い揮発性をもつかまたは揮発性をもたず、したがってコーティングプロセス後にコーティングの一部として残るが、水性使用環境で水が通過できる水充填または水膨潤したチャネルまたは”細孔”を提供するのに十分なほど水膨潤性または水溶性であり、これによりコーティングの水透過性を高める物質を表わす。適切な細孔形成剤には、ポリエチレングリコール(PEG)、PVP、PEO、HEC、HPMC、および他の水溶性セルロース系材料、水溶性のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸、ならびにこれらの水溶性または水膨潤性ポリマーの各種コポリマーおよび混合物が含まれる。腸溶性ポリマー、たとえば酢酸フタル酸セルロース(CAP)およびHPMCASがこのクラスのポリマーに含まれる。細孔形成剤は、糖類、有機酸または塩類であってもよい。適切な糖類の例には、ショ糖および乳糖が含まれ;有機酸の例には、クエン酸およびコハク酸が含まれる;塩類の例には、塩化ナトリウムおよび酢酸ナトリウムが含まれる。そのような化合物の混合物も使用できる。
多孔質コーティングを形成するためには、コーティング溶液に非溶剤を添加することができる。”非溶剤”とは、コーティング溶液に添加される物質であって、コーティング溶液に実質的に溶解し、溶剤中のコーティングポリマー(1以上)の溶解度を低下させる物質を意味する。一般に非溶剤の機能は、得られるコーティングに多孔性を付与することである。好ましい非溶剤は、選択する溶剤およびコーティングポリマーに依存する。揮発性極性コーティング溶剤、たとえばアセトンまたはメチルエチルケトンを用いる場合、適切な非溶剤には水、グリセロール、エチレングリコールおよびその低分子量オリゴマー(たとえば約1,000ダルトン未満)、プロピレングリコールおよびその低分子量オリゴマー(たとえば約1,000ダルトン未満)、C−Cアルコール、たとえばメタノールまたはエタノール、酢酸エチル、アセトニトリルなどが含まれる。
コーティングは、所望により可塑剤を含有することができる。可塑剤は一般にコーティングポリマーを膨潤させてポリマーのガラス転移温度を低下させ、その柔軟性および靭性を増大させ、その透過性を変化させる。可塑剤が親水性のもの、たとえばポリエチレングリコールである場合、コーティングの水透過性は一般に増大する。可塑剤が疎水性のもの、たとえばフタル酸ジエチルまたはセバシン酸ジブチルである場合、コーティングの水透過性は一般に低下する。
コーティングは、所望により他のポリマーを含有することができる。たとえば水溶性ポリマーを細孔形成剤として含有できる。あるいは、コーティングの耐久性を高めるために高強度ポリマーを含有してもよい。
主に押出しにより薬物を放出する送達デバイスについて、非対称コーティングは、コーティングの内部と外部を連絡して薬物含有組成物を剤形の外部へ放出できる送達口も少なくとも1つ含まなければならない。送達口は、ほぼ薬物粒子のサイズ、したがって直径1〜100ミクロンであって細孔と呼べるものから、直径約5000ミクロンに及ぶサイズであってよい。送達口の形状は実質的に円形、スリット状、または作成および加工を容易にするのに好都合な他の形状であってよい。送達口は、機械的もしくは熱的手段で、または光線(たとえばレーザー)、粒子ビーム、もしくは他の高エネルギー源(たとえばUSP 5,783,793、5,658,474、5,399,828、5,376,771、および5,294,770を参照)により形成でき、あるいはその場でコーティングの小部分の破断により形成できる(たとえばUSP 5,736,159、5,558,879、および4,016,880を参照)。そのような破断は、比較的小さな弱い部分をコーティングに意図的に取り込ませることにより制御できる。送達口は、水溶性材料のプラグの侵食により、またはコアの窪みの上にある薄い部分の破断により、その場で形成することもできる。送達口は、1以上の小領域を被覆しないようにコアを被覆することにより形成することもできる。さらに送達口は、USP 5,612,059および5,698,220に開示されるタイプの多孔膜コーティングの場合のように、被覆に際して形成できる多数の穴または細孔であってもよい。送達路が細孔である場合、1μmから100μmを超えるサイズ範囲の多数のそのような細孔であってよい。消化管を通過する際に、作動中に発生する静水圧の作用下で1以上のそのような細孔が拡張する場合もある。送達口の数は、1〜10個またはそれ以上であってよい。別個の薬物層と膨潤層からなる送達デバイスコアについては、少なくとも1つの送達口を薬物含有組成物に隣接した側のコーティング上に形成しなければならない。これにより、薬物含有組成物は、水膨潤性組成物の膨潤作用により送達口から押し出されるであろう。送達口を形成するためのある方法は、水膨潤性組成物に隣接したコーティングにも穴または細孔を形成することは認識される。全体として、送達口により露出するコアの全表面積は5%未満、より一般的には1%未満である。
制御放出組成物(たとえば非対称律速膜で囲まれたコア)が形成されると、1以上の追加コーティングをさらに外側のコーティングとして、通常は律速膜上に、かつ通常はそれを取り囲んで付与することができる。追加コーティングは一般に使用環境に可溶性の材料を含み、この材料は前記のように使用環境における脂肪の存在により影響されてはならない。追加コーティング(1以上)を組成物に付与する場合、律速コーティングの水透過性または形態(たとえば多孔度、細孔サイズ)に影響を与えるべきではない。
そのようなコーティングは、下記を含めた当技術分野で周知の多様な目的に使用できる:(1)組成物の味や臭いを隠蔽する、(2)組成物に物理的および化学的保護を与える、ならびに(3)特殊な色や目立つプリントの使用により組成物の外観を改善する。たとえばThe Theory and Practice of Industrial Pharmacy; Lachman, Lieberman, and Kanig(第3版, 1986 ,Lea & Febiger, フィラデルフィア)を参照。
コアに存在する活性物質を即時放出するか、または第2活性物質を即時放出する追加コーティングを、組成物に付与することもできる。水性使用環境に投与されると、即時放出コーティングは組成物のコアから制御放出様式で放出される薬物のほかに、即時放出される薬物を供給する。
前記のように本発明組成物は、高脂肪食を摂取し、すなわちこれによりその消化管がインビボ高脂肪使用環境に変化したヒト患者または対象に投与できる。この目的で、また本発明の他の特色として、本発明は商業規模に適した、下記のものを含む治療用パッケージを提供する:容器、容器に収容された本発明によるコア/非対称膜制御放出送達組成物である経口剤形の治療剤、ならびに該パッケージに付随して、その剤形をいずれかのタイプの食事(特に高脂肪環境に影響を与える高脂肪食)と一緒に摂取できるか否かについての(これに限られない)文書(印刷物)。文書の性質を限定するつもりはないが、文書は一般に医師、薬剤師または患者に対する表示、すなわち情報および/または指示を含み、これには規制当局(たとえば米国食品医薬品局)がパッケージラベルまたは挿入物に含めることを指示または許可するタイプの表現が含まれる。文書は、その剤形を食事、高脂肪その他と一緒に摂取できるか否かに関しての記述を含まないことにより、すなわち言及しないことにより無制限であってもよい。あるいは文書は、その経口剤形は、患者が高脂肪食を摂取または飲用したか否かに関係なく患者が摂取し、または患者に投与できることを利用者(すなわち患者、薬剤師および/または医師)に確実に伝える1以上の記述(これに限られない)、すなわち”食物の種類や量に関係なく摂取できる”などの記述、またはこれに類する”食物中の脂肪の量に関係なく摂取できる”などの記述を含むことができる。記載された表現は、”この剤形は高脂肪食と一緒に摂取できない”、または”この剤形は食事の1時間以上前、食事の2時間以上後に投与すべきである”のような制限表現、またはこれと同じもしくは同様なメッセージを与えるこれに類する表現を含むことはできない。
容器は、医薬的に許容できる材料で作成した、当技術分野で既知の一般的ないかなる形状または形態のものであってもよい:たとえば紙もしくは厚紙の箱、ガラスもしくはプラスチック製のボトルもしくはジャー、再シール式バッグ(たとえば別の容器に移す”詰替え”錠剤を入れておくためのもの)、または治療計画に従ってパックから押し出すための個別投与量を入れたブリスターパック。用いる容器は当該剤形そのものに依存し、たとえば一般的な厚紙箱は液体懸濁剤を収容するのには一般に用いられない。単一剤形を販売するために1個以上の容器を一緒に1つのパッケージ内に用いてもよい。たとえば錠剤をボトルに入れ、これを箱に収容することができる。
治療剤形を入れて販売するパッケージに、印刷物その他の文書が付随する。”付随する”という用語は、当技術分野で一般に知られるように、前記の文書、たとえば指示書または情報物、すなわち表示を、医薬に添えることができるすべての様式を含むものとする。たとえば文書を下記により容器に付随させることができる:ある量の治療剤形を入れたボトルに貼付したラベル(たとえば調剤ラベルまたは別個のラベル)に記載する;箱またはボトルなどの容器の内部に、たとえば錠剤ボトルの容器を収容した箱の内部にパッケージ挿入文書として入れる;箱の壁に印刷するなど、容器に直接付与する;あるいは、たとえばボトルの首に紐、コードその他の線、ランヤード(lanyard)またはつなぎ具(tether)タイプの用具により、指示カードとして結び付けまたは留め付けなどにより取り付ける。文書は、箱またはブリスターパックもしくはブリスターカードに直接印刷することもできる。文書は、その剤形を高脂肪食と一緒に摂取できることを伝える表現(それを含む場合)のほかに、他の情報(通常は規制情報)を含むことができる(通常は含むであろう)。
本発明の他の特色および態様は、以下の実施例から明らかになるであろう。実施例は本発明の意図する範囲を限定するためではなく、本発明を説明するためのものである。実施例中、下記の定義を用いる:mgA−塩形とは関係なく遊離酸または遊離塩基として測定した分子量をもつ活性物質のmg;CFM−立法フィート/分;RPM−回転数/分;AUC−血液または血漿中において測定した濃度−対−時間曲線下面積;CA−酢酸セルロース;CAB−酢酸酪酸セルロース;CAB−酢酸フタル酸セルロース。
実施例:
本発明の多様な剤形に用いる非対称膜コーティング材料としてのポリマーの適性を判定する試験に用いるために、数種類のポリマーを高脂肪環境での使用に対するそれらの適性について試験した。0.01 HCl水溶液中に混合した0.5重量%の”50%加水分解モデル油”の混合物により、高脂肪食を摂取した後の消化管液を模擬した。ポリマーは市販フィルムとして得られ、あるいはポリマー溶液をGardnerナイフ(Gardner Labs, Inc.、メリーランド州ベテスダ)により、ガラス板にキャスチングすることによって緻密フィルムにした。表Iに、被験ポリマー、フィルムのキャスチングに用いたポリマー溶液の組成、および各タイプのポリマーの最終厚を挙げる。キャスチング後、周囲条件(22℃)で一夜溶剤を蒸発させた。次いでフィルムを水に30秒ないし5分間浸漬し、ガラス板から外し、次いで評価前に37℃のオーブン内で少なくとも16時間乾燥させて、コーティング溶剤をすべて除去した。
サイズ5〜30cmおよび重さ20〜70mgの各ポリマーフィルム片をまず秤量し、次いで19.9mLの0.01 HCl溶液に入れ、ガラスバイアル中、37℃で少なくとも3時間撹拌して、水溶液と平衡化した。次いで各フィルムを取り出し、吸取紙で軽く叩いて乾燥させ、秤量した。次いで各バイアル内で0.1gの50%加水分解モデル油を0.01 HCl溶液に添加し、フィルムを再び入れた。フィルムを溶液に入れたまま37℃で21〜48時間撹拌し、次いで取り出し、吸取紙で拭いて乾燥させ、秤量した。乾燥状態と0.01 HCl浸漬後の間、0.01 HClと0.5重量%”50%加水分解モデル油”の間について、3片ずつの各フィルムタイプについての平均重量増加を表IIに示す。これらの結果は、No.1〜11のポリマーからなるフィルムが”50%加水分解モデル油”との接触により15重量%以下の重量増加を示し、したがって本発明に用いるのに適切なポリマーであることを示す。ポリマー12〜14は”50%加水分解モデル油”との接触により34重量%を超える重量増加を示し、したがって本発明に用いるのに不適切である。
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本発明の多様な剤形において非対称膜を作成するためのコーティング材料として用いるポリマーを、実施例1の記載に従ってキャスチングしてフィルムにした。これらのフィルムを食事脂肪混合物の個々の成分、ならびに実質量の食事脂肪および/または食事脂肪消化物を含有する使用環境を模擬したモデル混合物に浸漬した。材料の緻密フィルムをアセトン溶液からキャスチングした。3銘柄のエチルセルロース(Ethocel(登録商標)S100、Ethocel M70およびEthocel M50)および1銘柄の酢酸セルロース(CA398-10)を試験した。ポリマーブレンド(Ethocel S100とCA398-10)も用いた。得られたフィルムの小片(乾燥重量10〜20mg)を、被験脂肪成分3重量%を含有する0.05%MFDに入れた。溶液を37℃で少なくとも20時間振とうした。フィルム片を取り出し、拭いて清浄にし、秤量した。
結果を下記の表IIIおよびIVにまとめる;混合物中に用いた配合物を表Vに挙げる。表IIIに示すように、3銘柄すべてのEthocelがカルボン酸、多くのモノグリセリド、およびトリグリセリド(たとえばトリブチリン)により膨潤した。Ethocel材料はこれらの化合物の混合物中においても有意の膨潤を示した。これらの材料は、膨潤すると一般に20重量%を超える重量増加を生じた。
表IIIのデータは、酢酸セルロース材料がすべての被験化合物中において重量増加または膨潤をほとんど示さないことを示す。これは、実質量の食事脂肪または食事脂肪消化物の存在下で変化しないコーティング材料として使用するために、酢酸セルロースが優れた選択であることを示唆する。
表IVのデータは、評価した脂肪成分に浸漬した際にポリマーブレンドもかなり膨潤したことを示す。
これらのデータは、Ethocelをベースとする材料の膨潤が脂肪の加水分解により産生された化合物、すなわち脂肪酸およびモノグリセリドにより主に起きることを示す。
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プソイドエフェドリンを含有し、エチルセルロースで被覆した制御放出錠を下記により製造した。まず75.4重量%の塩酸プソイドエフェドリン、3.4重量%のヒドロキシプロピルセルロースおよび21.2重量%の微結晶性セルロースを含有するブレンドを調製した。このブレンドをP−Kプロセッサーで湿式造粒し、乾燥させた。乾燥顆粒をFitzpatrickミルでミリングし、次いでV型ブレンダーで混合した。乾燥顆粒(59.8重量%)を微結晶性セルロース(40.2重量%)とブレンドし、Fitzpatrickミルでミリングし、再びブレンドした。0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを添加して混合することにより、最終ブレンドを調製した。このブレンドから回転式錠剤プレスにより7/16"のツールを用いて目標錠剤重量537mgで、240mgの塩酸プソイドエフェドリンを含有する錠剤を製造した。
次いでこのコアを、下記に従ってUSP 5,612,059および5,698,220に開示された相反転法により非対称エチルセルロース膜で被覆した。82.3重量%のアセトン、7.7重量%の水、3.4重量%のポリエチレングリコール3350および6.6重量%のエチルセルロース(Ethocelスタンダード100プレミアム)を含有する溶液を、溶液調製タンク内でのこれらの成分の混合により調製した。このコーティング溶液を有孔コーティングパン(HTC-60、Vector Corporation)内でスプレーガン1個、噴霧速度210mL/分、導入空気温度48℃、導入空気体積300CFM、およびパン速度15RPMにより錠剤コアに付与して、錠剤コア上に非対称コーティングを得た。コーティングに際して、99mgの目標重量増加が達成された。コーティング錠をトレードライヤーで乾燥させた。
次いでこれらの非対称エチルセルロースコーティング錠を第2薬物セチリジン(cetirizine)の即時放出層で被覆した。このセチリジンコーティングのために、2重量%の塩酸セチリジンおよび3.9重量%の透明なOpadry(登録商標)YS-5-19010 Clear(主成分にはヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる)(Colorcon、ペンシルベニア州ウェストポイント)の水溶液を調製し、2時間混合した。有孔コーティングパン(HTC-60、Vector Corporation)内でスプレーガン2個、溶液噴霧速度40g/分、導入空気温度74℃、導入空気体積280CFM、およびパン速度16RPMにより、セチリジン含有層をエチルセルロースコーティング錠に付与した。各錠剤に10mgAの薬物が付与されるまで、十分な溶液を噴霧した。
次いで即時放出セチリジン層を味隠蔽コーティングで被覆した。味隠蔽コーティング用として、10重量%のWhite Opadry(登録商標)YS-5-18011 White(主成分にはヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる)(Colorcon、ペンシルベニア州ウェストポイント)を水に添加し、2時間混合した。このコーティング溶液を有孔コーティングパン(HTC-60、Vector Corporation)内でスプレーガン1個、導入空気温度84℃、導入空気体積300CFM、溶液噴霧速度60g/分、およびパン速度16RPMにより錠剤に付与した。各錠剤に20mgのコーティングが噴霧されるまで、十分な溶液を付与した。
プソイドエフェドリンを含有し、非対称酢酸セルロースコーティングで被覆した制御放出錠を下記に従って製造した。まず75.4重量%の塩酸プソイドエフェドリン、3.4重量%のヒドロキシプロピルセルロースおよび21.2重量%の微結晶性セルロースを含有するブレンドを調製し、実施例3の記載に従って処理した。このブレンドから回転式錠剤プレスにより7/16"のツールを用いて目標錠剤重量543mgで、240mgの塩酸プソイドエフェドリンを含有する錠剤を製造した。
次いでこのコアを、下記によりUSP 5,612,059および5,698,220の開示に従って作成した多孔質非対称酢酸セルロース膜で被覆した。70.2重量%のアセトン、18重量%の水、2.6重量%のポリエチレングリコール3350および9.2重量%の酢酸セルロース398-10を含有する溶液を、溶液調製タンク内でのこれらの成分の混合により調製した。このコーティング溶液を有孔コーティングパン(HTC-60、Vector Corporation)内でスプレーガン1個、噴霧速度135mL/分、導入空気温度45℃、導入空気体積300CFM、およびパン速度14RPMにより錠剤コアに付与して、錠剤コア上に非対称コーティングを形成した。コーティングに際して、92mgの目標重量増加が達成された。コーティング錠をトレードライヤーで乾燥させた。
エチルセルロースで被覆したスネピトロン(Sunepitron)錠を下記により製造した。まず3.7重量%のスネピトロン、8.3重量%のフマル酸および87.5重量%の無水乳糖を含有するブレンドを高剪断ミキサー内で調製した。次いで0.25重量%のステアリン酸マグネシウムを添加し、ローラー圧縮機で乾燥顆粒を製造した。オシレイチング造粒機によりリボンをミリングし、V型ブレンダーでブレンドした。0.25重量%のステアリン酸マグネシウムを添加して混合することにより、最終ブレンドを調製した。このブレンドから回転式錠剤プレスにより11/32"標準円形凹面ツールを用いて目標錠剤重量300mgで、10mgのスネピトロンを含有する錠剤を製造した。
次いでこのコアを下記に従って多孔質非対称エチルセルロース膜で被覆した。53.2重量%のアセトン、10.9重量%のイソプロパノール、22.4重量%のエタノール、3.0重量%の水、4.5重量%のポリエチレングリコール3350および6.0重量%のエチルセルロース(Ethocelスタンダード100プレミアム)を含有する溶液を、ステンレス鋼製容器内でのこれらの成分の混合により調製した。このコーティング溶液を有孔コーティングパン(HTC-30、Vector Corporation)内でスプレーガン1個、溶液噴霧速度32g/分、排出空気温度25℃、および導入空気体積40CFM、およびパン速度25RPMにより錠剤コアに付与して、錠剤コア上に非対称コーティングを形成した。コーティングに際して、60mgの目標重量増加が達成された。コーティング錠をトレードライヤーで一夜乾燥させた。
非対称酢酸セルロース膜で被覆したスネピトロン錠を下記により製造した。まず3.7重量%のスネピトロン、8.3重量%のフマル酸および86.0重量%の無水乳糖を含有するブレンドを、実施例5に概説した方法で調製した。次いで1.0重量%のステアリン酸マグネシウムを添加し、ローラー圧縮機で乾燥顆粒を製造した。リボンをミリングし(Fitzpatrick JTミル)、V型ブレンダーでブレンドした。1.0重量%のステアリン酸マグネシウムを添加して混合することにより、最終ブレンドを調製した。このブレンドから回転式錠剤プレスにより11/32"超深形円形凹面ツールを用いて目標錠剤重量300mgで、10mgの薬物を含有する錠剤を製造した。
次いでこのコアを下記に従って多孔質非対称酢酸セルロース膜で被覆した。52.9重量%のアセトン、10.5重量%のイソプロパノール、22.0重量%のエタノール、2.6重量%の水、4.0重量%のグリセロールおよび8.0重量%の酢酸セルロース(398-10)を含有する溶液を、ステンレス鋼製容器内でのこれらの成分の混合により調製した。このコーティング溶液を有孔コーティングパン(HTC-30、Vector Corporation)内でスプレーガン1個、溶液噴霧速度32g/分、排出空気温度25℃、導入空気体積40CFM、およびパン速度25RPMにより錠剤コアに付与して、錠剤コア上に非対称コーティングを形成した。コーティングに際して、45mgの目標重量増加が達成された。コーティング錠をトレードライヤーで一夜乾燥させた。
実施例3および4のプソイドエフェドリン含有錠剤を下記に従って溶解試験した。錠剤を1000mLの脱イオン水(対照試験媒質)、または酵素を含有する模擬腸液と混合した標準ブレンド朝食(SBB/SIF)500mL中で試験した。SIFは下記により調製された。まず6.8gの一塩基性リン酸カリウムを250mLの水に溶解した。次いで190mLの0.2N水酸化ナトリウムを400mLの水と混合し、リン酸カリウム溶液と混和した。次いで10gのパンクレアチンを添加し、得られた溶液のpHを0.2N水酸化ナトリウムで7.5±0.1に調整した。水を添加して1000mLの最終体積にした。
SBB/SIFは下記により調製された。250mLのSIFに下記のものを添加した:
バター付きホワイトトースト2枚;
ベーコン2切れ;
ハッシュブラウンズ6オンス;
バター炒り卵2個;
全乳8オンスまたは約250mL;
追加バター8g。
この溶液を工業用単速ワーリングブレンダーで混合した。
脱イオン水を用いた溶解試験のために、脱イオン水受容溶液1000mL中のプソイドエフェドリン濃度を時間の関数として直接分析することにより、プソイドエフェドリン放出を測定した。標準櫂を備えた溶解装置(Hanson Dissoette(商標)自動サンプラー、Hanson Research Corporation、カリフォルニア州チャットワース)内の受容溶液を75rpmで撹拌し、37℃に保持した。SBB/SIFを用いた溶解試験のために、特定した時間、受容溶液中にあった錠剤の残留分析により、プソイドエフェドリン放出を測定した。標準櫂を備えた標準溶解装置(USP II型、VanKel、ノースカロライナ州ケアリー)内の受容溶液を75rpmで撹拌し、37℃に保持した。両方の場合とも、Zorbax Stablebond(登録商標)CNカラム、50%の0.1M KHPO、pH6.6/50%のメタノール(オクタンスルホン酸ナトリウム1g/Lを含有)の移動相、および214nmのUV検出器を用いるHPLC法により、プソイドエフェドリン濃度を測定した。
表VIにまとめたこれらの試験結果は、高脂肪使用環境(SBB/SIF溶液)中で試験した酢酸セルロースコーティング錠から、使用環境への導入後2〜6時間に放出されたプソイドエフェドリンの量は、実質量の食事脂肪を含有しない使用環境(蒸留水)で評価した同じ錠剤の1.0〜1.6倍であることを示す。しかし、Ethocelで被覆した錠剤はきわめて遅い放出を示し、高脂肪使用環境(SBB/SIF溶液)中で試験したEthocelコーティング錠から、使用環境への導入後2〜6時間に放出されたプソイドエフェドリンの量は、実質量の食事脂肪を含有しない使用環境(蒸留水)で評価した同じ錠剤の0.3〜0.04倍であった。
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前記試験のうち幾つかの錠剤をSBB/SIF浸漬後に視覚検査した。エチルセルロースコーティングをもつ錠剤は脂肪または脂肪消化物を表面に吸着し、コアは完全に乾燥しているか、または内部が部分的に湿潤しているにすぎないことが観察された。これに対し、酢酸セルロースコーティングをもつ錠剤のコアは中心まで湿潤し、コーティングは実験期間全体にわたって無変化のままであることが観察された。
実施例3のエチルセルロース被覆したプソイドエフェドリン錠を36人の被験者(男性18人および女性18人)に、開放、1回投与、ランダム化、2元クロスオーバー試験により、投与間に少なくとも7日間のウォッシュアウト期間をおいて投与した。空腹条件と摂食条件で錠剤を投与した。空腹被験者は、投与前10時間および投与後4時間、絶食した。摂食被験者には、下記よりなる高脂肪朝食を食べた5分後に投与した:
バター付きホワイトトースト2枚;
バター焼き卵2個;
ベーコン2切れ;
ハッシュブラウンポテト6オンス;
全乳8オンス。
各投与後72時間、定期的に血液を採取した。試料をHPLC法により分析し、その際、クリーンアップ操作の一部として血漿試料を水酸化ナトリウムで処理し、内標準フェニルプロパノールアミンを添加した。こうして処理した試料をエチルエーテルで抽出し、次いでプソイドエフェドリンおよび内標準を0.0085%リン酸水溶液中へ逆抽出した。次いで試料を、CN-相分析用カラム(Zorbax(登録商標)CN、DuPont Chromatography Products)、25%のアセトニトリルおよび75%の0.0025M一塩基性リン酸カリウムからなる無勾配移動相を用い、208nmでのUV検出(Krotos 783紫外線検出器)により定量した。下記の表VIIに示すように、空腹被験者では持続的なプソイドエフェドリン濃度がみられたが、摂食被験者では低いプソイドエフェドリン濃度がみられた。このデータは、摂取後3〜24時間のいずれの時点においても、血中プソイドエフェドリン濃度は摂食被験者について空腹被験者の約0.11倍未満であったことを示す。
結果をさらに表VIIIにまとめる。これは、48時間試験における血中最大濃度(Cmax)、血中最大濃度に達する時間(Tmax)、および血中濃度−対−時間曲線下面積(AUC)を示す。このデータは、摂食被験者のCmaxおよびAUCが摂食被験者のわずか0.06倍および0.09倍であり、一方Tmaxは摂食被験者のわずか0.06倍であったことを示す。
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実施例4の記載に従って製造した酢酸セルロース被覆プソイドエフェドリン錠を、開放、1回投与、ランダム化、3元クロスオーバー試験により、投与間に7日間のウォッシュアウト期間をおいてインビボ試験した。被験者を2グループの1つにランダムに配属させ、プソイドエフェドリン(240mg量)を2つの別個の機会に投与した:空腹条件下および摂食条件下。血漿中プソイドエフェドリンの測定のために各投与後72時間まで逐次血液試料を採取した。
血漿中プソイドエフェドリンを、実施例8に記載した確証済みHPLC/UV吸収により検定した。この検定は5.00〜500ng/mLにわたって直線的であった。すべての濃度の錠剤において定量下限(5.00ng/mL)未満の濃度を0.0ng/mLとして報告し、すべてのデータ分析について0.0ng/mLとする。
血漿中最大プソイドエフェドリン濃度(Cmax)および各被験者のCmaxが最初に生じた時間(Tmax)は、データの直接観察を基準とした。半減期(T1/2)は、2の自然対数(0.6931)を血漿からの薬物排出に関する速度定数(Kel)で割ったものとして計算された。直線台形法を用いて、時点0から最終測定濃度時点までの血漿中プソイドエフェドリン濃度−時間曲線下面積(AUC0−t)を推定した。Cest/Kelを加えることによりAUC0−tを無限大にまで外挿した(AUC0−∞);ここでCestは、終末対数期の回帰分析に基づく時点tの推定血漿中濃度である。すべての計算に公称時間を用いた。
各処置に関するプソイドエフェドリンの薬物動態パラメーターを表XIに示す。平均(±SD)Cmax値は、空腹時および摂食時薬物放出について、それぞれ329±59および299±58ng/mLであった。対応する平均Tmax値は、11.2±1.7および11.2±3.2時間であった。平均AUC0−∞値は空腹時および摂食時薬物放出について類似し、それぞれ7120±915および6780±1030ng−時/mLであり、同様に平均終末T1/2値は8.4±2.1および7.6±1.7時間であった。摂食条件下と空腹条件下の薬物放出を比較した相対的なプソイドエフェドリンバイオアベイラビリティ値を表XIIに示す。プソイドエフェドリンの平均相対バイオアベイラビリティは、摂食条件下で投与した錠剤について空腹条件下と対比して95±10%であった。個々の血漿中プソイドエフェドリン濃度を表XIIIおよびXIVに挙げる。酢酸セルロースコーティング錠を食物と一緒に投与しても、プソイドエフェドリンのCmax、Tmax、またはAUC0−∞に有意の影響はなかった。
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実施例5のエチルセルロース被覆スネピトロン錠を用い、USP II溶解装置により、高脂肪(表XV参照)溶解媒質400mL、37℃および櫂速度100RPMで溶解試験を実施した。より少ない溶解体積をより良好に撹拌するために、櫂高さを標準USP距離から0.5cm下方に調整した。各時点で放出されたスネピトロンの量を、錠剤中の薬物残量のHPLC検定により測定した。これら両方法に用いたHPLCシステムは、Hewlet Packard(HP)HP 1050(現在はAgilent Technologiesが所有、デラウェア州ワシントン)であった。カラムは、Waters Puresil C18 Reverse Phase、粒径5ミクロン、カラムサイズ150×3.9mm、パーツ番号WAT 044345(またはこれに匹敵するもの)であった。移動相は、pH4.6緩衝液(0.05M酢酸アンモニウム)/メタノール/アセトニトリル(91/3/6 v/v)であった。無勾配で、流速2mL/分を用い、238nmに設定したUV検出器により、検定を行った。
表XVIは、高脂肪媒質中および蒸留水中でのエチルセルロースコーティング錠の溶解プロフィールを示す(50RPMの櫂速度および900mL)。このデータは、高脂肪媒質中で試験した錠剤からの薬物放出速度が蒸留水中で試験した錠剤のものよりはるかに低かったことを示す。インビトロ溶解試験のためのHPLC検定には、Waters Novapak C18 Reverse Phase(7.5cm×3.9mm)、パーツ番号11670のカラムを用いた。移動相は、pH5緩衝液(0.1% v/vのトリエチルアミン(TEA)および0.2% v/vの氷酢酸からなる)/メタノール(75/25 v/v)であった。無勾配で、流速1mL/分、および238nmに設定したUV検出器により、検定を行った。
Figure 2006510655
USP SIF(模擬腸液)を下記に従って調製した:6.8gの一塩基性リン酸カリウムを250mLの水に溶解した;190mLの0.2N水酸化ナトリウムを400mLの水と混合し、リン酸カリウム溶液と混和した;10gのパンクレアチンを添加し、得られた溶液のpHを0.2N水酸化ナトリウムで7.5±0.1に調整した。水を添加して1000mLの最終体積にした。この高脂肪溶解媒質を工業用単速ワーリングブレンダーで混合し、2個の溶解容器を400mLの媒質で満たすのに十分な媒質を調製した。
Figure 2006510655
消化管移動に近似させるために、実施例5のエチルセルロースコーティング錠を、同様にペプシンを含有する模擬胃液(SGF)に1、2または4時間浸漬した(900mL、50rpm、37℃)後、前記の高脂肪溶解媒質へ移した。溶解データを表XVIIに示す。このデータは、この剤形が蒸留水中における初期放出プロフィール(表XVI参照)に匹敵する速度でスネピトロンをSGF中に送達したことを示す。高脂肪媒質中へ移した後、薬物放出速度が低下し、最終的にはすべての薬物が送達される前に停止した。
Figure 2006510655
エチルセルロースで被覆した錠剤(実施例5の錠剤)または酢酸セルロースで被覆した錠剤(実施例6の錠剤)から高脂肪媒質中へのスネピトロンの放出を比較した。データを表XVIIIに示す。高脂肪溶解媒質中におけるスネピトロン放出は、エチルセルロースコーティング錠より酢酸セルロースコーティング錠の方がはるかに速やかである。
Figure 2006510655
実施例5のエチルセルロースコーティング錠を、12人の被験者に、開放、1回投与、ランダム化、4元クロスオーバー試験により、処置間に少なくとも3日間おいて投与した。4つの条件下で被験者に錠剤を投与した:(1)被験者は、投与前少なくとも8時間および投与後4時間、絶食した(実施例11A);(2)朝食を食べる1時間前に投与を行った(実施例11B);(3)朝食の直後(朝食を出した20分後)に投与を行った(実施例11C);および(4)朝食を摂取した2時間後に投与を行った(実施例11D)。摂食被験者は、下記よりなる高脂肪朝食を食べた:
2塗のバター付きトースト2枚;
バター焼き卵2個;
ベーコン2切れ;
ハッシュブラウンポテト6オンス;
全乳8オンス。
各投与後24時間、定期的に血液を採取した。試料を予め確証済みのHPLC法により分析した。各投与グループの平均CmaxおよびAUC値を対照グループ(実施例11A)について得た数値で割った。これらの結果を下記の表XIXにまとめる。これは、高脂肪朝食の1時間前に投与された被験者についてのCmaxが対照グループ(実施例11A)の0.93倍であったことを示す。しかし、朝食を摂取した20分後または2時間後に投与した場合、摂食被験者のCmaxは空腹被験者(実施例11A)のわずか0.57〜0.29倍であった。すべての場合について、摂食被験者のAUCは空腹被験者の0.59倍未満であった。
Figure 2006510655
実施例6の酢酸セルロース被覆した制御放出スネピトロン10mg錠複数個(30mgまたは60mgの投与量となる)を、12人の男性被験者に、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照付き2元クロスオーバー試験により、投与間に1週間のウオッシュアウト期間をおいて投与した。空腹条件下と摂食条件下で錠剤を投与した。空腹被験者は、投与前8時間および投与後4時間、絶食を続けた。摂食被験者には、下記よりなる高脂肪朝食を食べた10分後に投与した:
バターおよびゼリー付きホワイトトースト2枚;
卵2個;
ベーコンとハム;
全乳8オンス。
各投与後48時間、定期的に血液を採取した。試料を予め確証済みのHPLC法により分析した。各投与グループの平均CmaxおよびAUC値を下記の表XXにまとめる。これは、30mgおよび60mg投与の両方について、摂食被験者のCmaxおよびAUCは空腹被験者の0.97〜1.08倍であったことを示す。
Figure 2006510655
実施例3のプソイドエフェドリン含有錠を下記に従って溶解試験した。50%加水分解モデル油(37重量%のオリーブ油、15重量%のMyverol(登録商標)18-99、23重量%のオレイン酸、9重量%のトリパルミチン、4重量%のImwitor(登録商標)191、5重量%のパルミチン酸、3重量%のトリブチリン、2重量%の酪酸、1重量%のモノブチリン、および1重量%のレシチン)の、酵素を含有しない模擬腸緩衝液(0.05M KHPO、0.2N NaOHでpH6.8に調整したもの)中における5重量%試料100mlを、37℃に温度制御したチャンバー内の垂直回転ホイールに取り付けたねじ蓋付きNalgene(登録商標)容器に入れた。実施例3の錠剤2個を容器に添加し、ホイールを6時間回転させた。
6時間後、錠剤を容器から取り出し、切り開いた。溶解媒質で湿潤したコア画分を推定した。6時間後に錠剤中に残るプソイドエフェドリンの量を、実施例7に記載した手法を用いる残量分析により測定した。錠剤中に残るプソイドエフェドリンの量を錠剤中に最初に存在した全プソイドエフェドリンから差し引くことにより、6時間後に放出されたプソイドエフェドリンの量を計算した。50%加水分解モデル油を含有しないSIN溶解溶液を用いて同様な試験を実施した。これらの試験の結果を表XXIに示す。
Figure 2006510655
表XXIのデータは、50%加水分解油を含有しないSIN中で試験した場合、実施例3の錠剤のコアの約60%のが6時間以内に湿潤したことを示す。さらに、試験した2個の錠剤から32%および40%のプソイドエフェドリンが放出された。しかし、50%加水分解油を含むSIN中で6時間試験した後、錠剤コーティングは触るとつるつるし、溶解し始めているように見えた。さらに、錠剤コアは湿潤しておらず、試験した2個の錠剤から7%および10%のプソイドエフェドリンが放出されたにすぎない。これらのデータは、実施例3の錠剤に用いたエチルセルロースコーティングが本発明に使用するのに適さないことを証明する。さらにこの例は、インビボで脂肪および脂肪消化物による性能変化を受けやすいコーティングを同定するためのインビトロ試験として、50%加水分解油を使用できることを証明する。
以上の明細書中に用いた用語および表現は限定ではなく、そのような用語および表現の使用において、明細書に提示および記載したものの均等物またはその一部を除外するものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義および限定されることを認識すべきである。

Claims (15)

  1. 活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
    a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、非対称ポリマーコーティングの形成に使用するポリマーは、0.5重量%の食事脂肪を含む水溶液中に少なくとも16時間浸漬することにより試験した場合、増量が約15重量%未満のものであり;そして
    b.該組成物を使用環境に投与する
    ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法。
  2. 活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
    a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、50%の活性物質を組成物から使用環境へ放出する時間は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境へ組成物が50%の活性物質を放出するのに要する時間の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満であり;そして
    b.該組成物を使用環境に投与する
    ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法。
  3. 活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
    a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、組成物を使用環境へ導入した後2〜10時間目のいずれかの時点で組成物から放出される薬物量は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境へ2〜10時間目の同じ時点で組成物が放出する薬物量の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満であり;そして
    b.該組成物を使用環境に投与する
    ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法。
  4. 活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
    a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、使用環境へ導入した後2〜10時間目の組成物からの平均薬物放出速度は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える平均薬物放出速度の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満であり;そして
    b.該組成物を使用環境に投与する
    ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法。
  5. 活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
    a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、組成物は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える最大濃度の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満の活性物質最大濃度を使用環境で与え;そして
    b.該組成物を使用環境に投与する
    ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法。
  6. 活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
    a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、組成物は、使用環境への導入時点と使用環境への導入後約270分の間のいずれか少なくとも90分間について、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える活性物質濃度−対−時間曲線下面積(AUC)の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満のAUCを与え;そして
    b.該組成物を使用環境に投与する
    ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法。
  7. 活性物質を使用環境へ制御放出する方法であって、
    a.活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む制御放出送達組成物を調製し、その際、組成物は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える相対的なバイオアベイラビリティの少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満の相対的なバイオアベイラビリティを使用環境で与え;そして
    b.該組成物を使用環境に投与する
    ことを含み、使用環境に少なくとも約0.5重量%の食事脂肪が含まれる方法。
  8. 下記のものを含む治療用パッケージ:
    容器、
    活性物質含有コアおよびコア上の非対称ポリマーコーティングを含む、活性物質を使用環境へ制御放出するための制御放出送達組成物であって、下記の条件(i)〜(vii)のうち1以上を満たす送達組成物:
    (i)ポリマーコーティングの形成に使用するポリマーは、0.5重量%の食事脂肪を含む水溶液中に少なくとも16時間浸漬することにより試験した場合、増量が約15重量%未満のものである;
    (ii)50%の活性物質を組成物から使用環境へ放出する時間は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境へ組成物が50%の活性物質を放出するのに要する時間の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満である;
    (iii)組成物を使用環境へ導入した後2〜10時間目のいずれかの時点で組成物から放出される薬物量は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境へ2〜10時間目の同じ時点で組成物が放出する薬物量の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満である;
    (iv)使用環境へ導入した後2〜10時間目の組成物からの平均薬物放出速度は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える平均薬物放出速度の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満である;
    (v)組成物は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える最大濃度の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満の活性物質最大濃度を使用環境で与える;
    (vi)組成物は、使用環境への導入時点と使用環境への導入後約270分の間のいずれか少なくとも90分間について、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える活性物質濃度−対−時間曲線下面積(AUC)の少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満のAUCを与える;または
    (vii)組成物は、約0.1%未満の食事脂肪を含む対照使用環境で組成物が与える相対的なバイオアベイラビリティの少なくとも0.5倍であるが、2.0倍未満の相対的なバイオアベイラビリティを使用環境で与える;
    および、該パッケージに付随する、その剤形を食事と一緒に摂取できるか否かについて等の文書。
  9. 制御放出送達組成物が浸透圧型剤形として具現化されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法、または請求項8に記載の治療用パッケージ。
  10. 浸透圧型剤形が均質コア、破裂性浸透圧型コア、または破裂性コート化膨潤性コアを含む、請求項9に記載の方法または治療用パッケージ。
  11. 制御放出送達組成物がヒドロゲル推進式デバイスとして具現化されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法、または請求項8に記載の治療用パッケージ。
  12. 制御放出送達組成物が拡散デバイスとして具現化されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法、または請求項8に記載の治療用パッケージ。
  13. 使用環境がインビトロである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法、または請求項8に記載の治療用パッケージ。
  14. 使用環境がインビボである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法、または請求項8に記載の治療用パッケージ。
  15. 非対称ポリマーコーティングが酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリメタクリラート、ならびにその混合物およびブレンドを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法、または請求項8に記載の治療用パッケージ。
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