JP5105684B2 - 持続性医薬製剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、持続性に優れた医薬製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
薬理活性成分は、通常、これに賦形剤その他の成分を加えて打錠した錠剤の形態で使用され、経口投与される。しかしながら、錠剤は生体内で速やかに崩壊するため、短時間に大量の薬理活性成分が生体内に放出され、薬理活性成分の血中濃度が高くなり、その結果、種々の副作用をひき起こすおそれがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、持続性に優れた医薬製剤を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の製剤における上記問題点を解決し、薬理活性成分の効果を発揮するために必要な量だけを長時間にわたって持続的に放出することによって、薬理活性成分の最高血中濃度の上昇を抑えると共に、適度の血中濃度を維持し得る新しいタイプの製剤を開発すべく種々の研究を重ねてきた。その結果、薬理活性成分を特定の医薬製剤とすることにより、本発明の課題を解決できることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
【0005】
即ち、本発明は、薬理活性成分、親水性ハイドロゲル形成物質並びに完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質を含有する医薬製剤に係る。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の医薬製剤の実施態様を以下に示す。
1.薬理活性成分、親水性ハイドロゲル形成物質及びpH非依存型高分子物質を含有する医薬製剤。
2.薬理活性成分、親水性ハイドロゲル形成物質並びに完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質を含有する医薬製剤。
3.pH非依存型高分子物質が完全ケン化ポリビニルアルコールである上記1に記載の医薬製剤。
4.親水性ハイドロゲル形成物質がヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種である上記1〜3のいずかに記載の医薬製剤。
5.(A)薬理活性成分を含む内核部と、(B)薬理活性成分、pH非依存型高分子物質及び親水性ハイドロゲル形成物質を含有する外層部とから成る医薬製剤。
6.(A)薬理活性成分を含む内核部と、(B)薬理活性成分、pH非依存型高分子物質及び親水性ハイドロゲル形成物質を含有する外層部とから成る有核錠剤。
7.pH非依存型高分子物質が、完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質である上記6に記載の有核錠剤。
8.pH非依存型高分子物質が、完全ケン化ポリビニルアルコールである上記6に記載の有核錠剤。
9.親水性ハイドロゲル形成物質がヒドロキシプロピルメチルセルロースである上記6に記載の薬理活性成分有核錠剤。
10.pH非依存型高分子物質が、完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質である上記9に記載の有核錠剤。
11.pH非依存型高分子物質が、完全ケン化ポリビニルアルコールである上記6に記載の有核錠剤。
12.外層部には更に水易溶性物質が含有されている上記6〜8に記載の有核錠剤。
13.薬理活性成分がシロスタゾールである上記6〜12に記載の有核錠剤。
14.外層部中に完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質を2〜50重量%程度含有する上記7、10又は12に記載の有核錠剤。
15.外層部中にヒドロキシプロピルメチルセルロースを5〜35重量%程度含有する上記9、10又は12に記載の有核錠剤。
16.外層部中に完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質を2〜50重量%程度、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを5〜35重量%程度含有する上記10又は12に記載の有核錠剤。
17.水易溶性物質がD−マンニトールであり、外層部中にD−マンニトールを3〜20重量%程度含有する上記16に記載の有核錠剤。
18.20℃、2%水溶液でのヒドロキシプロピルメチルセルロースの粘度が200〜6000cps程度である上記9、10、12、14、15、16又は17に記載の有核錠剤。
19.20℃、2%水溶液でのヒドロキシプロピルメチルセルロースの粘度が200〜1000cps程度である上記18に記載の有核錠剤。
20.外層部中に完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質を5〜50重量%程度、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを5〜35重量%程度含有する上記19に記載の有核錠剤。
21.外層部中に完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質を8〜45重量%程度、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを10〜30重量%程度、D−マンニトールを3〜20重量%程度含有する上記19に記載の有核錠剤。
22.20℃、2%水溶液でのヒドロキシプロピルメチルセルロースの粘度が3000〜6000cps程度である上記18に記載の有核錠剤。
23.外層部中に完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質を2〜30重量%程度、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを5〜35重量%程度含有する上記22に記載の有核錠剤。
24.外層部中に完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質を5〜25重量%程度、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを10〜30重量%程度、D−マンニトールを3〜20重量%程度含有する上記22に記載の有核錠剤。
25.目開き約150μmの篩で篩過する完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質の割合が全pH非依存型高分子物質の約70重量%以下である上記7、10、14、16、17、20、21、23又は24に記載の有核錠剤。
26.目開き約75μmの篩で篩過する完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質の割合が全pH非依存型高分子物質の約60重量%以下である上記25に記載の有核錠剤。
27.内核錠が薬理活性成分、親水性ハイドロゲル形成物質、界面活性剤及び崩壊剤を含有する上記4〜26のいずれかに記載の有核錠剤。
28.有核錠剤からの薬理活性成分の溶出率が(a)日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるシンカーを使用する溶出試験において、2時間後に5〜25%程度、4時間後に10〜50%程度、10時間後に40%程度以上であり、且つ(b)日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるビーズを使用する溶出試験において、2時間後に10〜60%程度、4時間後に25%程度以上である上記4〜27のいずれかに記載の有核錠剤。
29.有核錠剤からの薬理活性成分の溶出率が(a)日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるシンカーを使用する溶出試験において、2時間後に5〜15%程度、4時間後に10〜40%程度、10時間後に40%程度以上であり、且つ(b)日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるビーズを使用する溶出試験において、2時間後に10〜40%程度、4時間後に25%程度以上である上記19〜21のいずれかに記載の有核錠剤。
30.有核錠剤からの薬理活性成分の溶出率が(a)日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるシンカーを使用する溶出試験において、2時間後に5〜25%程度、4時間後に20〜50%程度、10時間後に50%程度以上であり、且つ(b)日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるビーズを使用する溶出試験において、2時間後に20〜60%程度、4時間後に60%程度以上である上記22〜24のいずれかに記載の有核錠剤。
【0007】
本発明の医薬製剤は、薬理活性成分、親水性ハイドロゲル形成物質及びpH非依存型高分子物質を含有する医薬用錠剤であり、より長時間にわたる血中濃度の維持を目的とした場合、好ましくは内核部とそれを被覆する外層部とから構成される有核錠剤である。
【0008】
本発明の医薬製剤は、外層部に、薬理活性成分、親水性ハイドロゲル形成物質に加えて、更にpH非依存型高分子物質を含有する点に大きな特徴を有するものである。
【0009】
外層部に配合される薬理活性成分としては、公知のものを広く使用できる。このような薬理活性物質としては、例えば、呼吸器官用製剤、消化器官用製剤、循環器官用製剤、中枢神経用製剤、末梢神経用製剤、抗生物質製剤、化学療法剤、抗腫瘍剤、血小板凝集抑制剤、抗アレルギー剤、ビタミン剤等の各種製剤に配合される通常の薬理活性物質を挙げることができる。その具体例としては、例えば、テオフィリン、シロスタゾール、グレパフロキサシン、カルテオロール、プロカテロール、レバミピド、アリピプラゾール等が挙げられる。
【0010】
外層部に配合される親水性ハイドロゲル形成物質は、水と接触したときに膨潤しゲル状となる高分子量の物質であり、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、部分ケン化ポリビニルアルコール等を例示することができる。これらの中でも、HPMCが特に好適である。これらは1種又は2種以上混合して使用される。
【0011】
HPMCとしては、粘度の異なる種々のHPMC、例えば、20℃における2%水溶液の粘度が200〜1000cps程度の低粘度HPMCや20℃における2%水溶液の粘度が3000〜6000cps程度の高粘度HPMC等を用いることができる。一般に粘度の高いHPMCを用いると製剤からの活性成分(薬理活性成分)の放出速度は低下し、粘度の低いHPMCを用いるとその放出速度は増大する傾向がみられるから、上記粘度の異なるHPMCを適宜選び且つ適当に組合せることにより、外層部からの薬理活性成分の放出性を調節することができる。
【0012】
外層部に配合されるpH非依存型高分子物質は、薬学的に許容され薬理学的に不活性な物質であって、前記薬理活性成分及び親水性ハイドロゲル形成物質と共にpH非依存性のマトリックスを形成し、外層部に強度を与え、もって消化管のような機械的刺激の強い環境下で該外層部が徐々にかつ安定的に崩壊することを可能ならしめるものである。
【0013】
そのようなpH非依存型高分子物質の例としては、徐放性製剤の基剤やフィルムとして通常使用されるpH非依存性の特定の水不溶性高分子が挙げられ、好ましくは、水不溶性のメタクリレートコポリマー、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS(オイドラギットRSPO)、エチルセルロース、酢酸セルロース等の水不溶性セルロース、完全ケン化ポリビニルアルコール等を使用することができる。完全ケン化ポリビニルアルコールのケン化度は、通常約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは97%以上である。上記水不溶性高分子の4%水溶液における粘度は、通常3cps以上、好ましくは5cps以上、より好ましくは10cps以上、更に好ましくは15cps以上である。
【0014】
これらpH非依存型高分子物質の中でも、完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースが好ましく、完全ケン化ポリビニルアルコールが特に好ましい。
【0015】
これらpH非依存型高分子物質は1種又は2種以上混合して使用される。
【0016】
本発明では、pH非依存型高分子物質の中でも、目開き約150μmの篩で篩過するpH非依存型高分子物質の割合が全体の約70重量%以下であるpH非依存型高分子物質が好ましく、目開き約75μmの篩で篩過するpH非依存型高分子物質の割合が全体の約60重量%以下であるpH非依存型高分子物質が特に好ましい。このようなpH非依存型高分子物質を用いることにより、持続性に極めて優れた医薬製剤を得ることができる。
【0017】
本発明の医薬製剤は、食事による溶出の変動を受けにくく、薬理活性成分を持続的に放出できるものである。本発明の医薬製剤は、空腹時は勿論のこと、食後においても摂った食事や激しい消化管運動等の機械的刺激を受け難く、薬理活性成分の放出を大幅に抑制でき、薬理活性成分の血中濃度の上昇を抑制することができる。
【0018】
本発明では、外層部に更に水易溶性物質を配合することができる。外層部に配合される水易溶性物質としては、例えばD−マンニトール、D−ソルビトール、D−キシリトール、乳糖、白糖、ぶどう糖、無水マルトース、D−フルクトース、デキストラン等の糖類;ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子物質;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル等の界面活性剤;塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等の塩類;酒石酸、クエン酸等の有機酸;グリシン、β−アラニン、塩酸リジン等のアミノ酸;メグルミン等のアミノ糖類等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上混合して使用される。
【0019】
本発明において、外層部には、親水性ハイドロゲル形成物質を、外層部の重量を基準にして一般に5〜35重量%程度、好ましくは7〜33重量%程度、更に好ましくは10〜30重量%程度の範囲内で含有させることができる。
【0020】
また、本発明において、外層部には、pH非依存型高分子物質を、外層部の重量を基準にして一般に2〜50重量%程度、好ましくは5〜45重量%程度、更に好ましくは5〜40重量%程度の範囲内で含有させることができる。
【0021】
pH非依存型高分子物質の最適な使用量は、使用される親水性ハイドロゲル形成物質の種類等に応じて、異なる場合がある。
【0022】
例えば親水性ハイドロゲル形成物質として、20℃における2%水溶液の粘度が200〜1000cps程度の低粘度HPMCを用いる場合には、pH非依存型高分子物質(特に完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質)を、外層部の重量を基準にして、通常5〜50重量%程度、好ましくは10〜45重量%程度、より好ましくは15〜40重量%程度使用する。場合によっては、pH非依存型高分子物質(特に完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質)を、外層部の重量を基準にして、通常5〜50重量%程度、好ましくは8〜40重量%程度、より好ましくは10〜35重量%程度使用することもある。場合によっては、pH非依存型高分子物質(特に完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質)を、外層部の重量を基準にして、通常5〜50重量%程度、好ましくは8〜45重量%程度、より好ましくは10〜40重量%程度使用することもある。
【0023】
また、親水性ハイドロゲル形成物質として、20℃における2%水溶液の粘度が3000〜6000cps程度の高粘度HPMCを用いる場合には、pH非依存型高分子物質(特に完全ケン化ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS及びエチルセルロースからなる群より選ばれた少なくとも1種のpH非依存型高分子物質)を、外層部の重量を基準にして、通常2〜30重量%程度、好ましくは5〜25重量%程度、より好ましくは5〜20重量%程度使用する。
【0024】
本発明において、外層部には、水易溶性物質を、外層部の重量を基準にして一般に3〜20重量%程度、好ましくは5〜18重量%程度、更に好ましくは5〜〜15量%程度の範囲内で含有させることができる。
【0025】
更に、外層部には、薬理活性成分、親水性ハイドロゲル形成物質、pH非依存型高分子物質及び水易溶性物質に加えて、必要に応じて、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルファデンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン類、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機塩類、パラフィン、ワックス、高級脂肪酸等の油脂類、セルロース類等の賦形剤;デンプン類、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、架橋ポリビニルピロリドン等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク、合成ケイ酸アルミニウム等の滑沢剤;各種の食用色素等の着色剤等の溶解補助剤等を含ませることができる。
【0026】
本発明の外層部の最終的な組成は、該外層部と同一組成の錠剤からの薬理活性成分の溶出率が、(a) 日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるシンカーを使用する溶出試験(以下「シンカー法」という)において、2時間後5〜25%程度、4時間後に10〜50%程度、10時間後に40%程度以上であり、そして(b) 日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるビーズを使用する溶出試験(以下「ビーズ法」という)において、2時間後に10〜60%程度、4時間後に25%程度以上となるように調節することが望ましい。
【0027】
本発明の有核錠剤は、場合により、薬理活性成分の溶出率が、(a) 日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるシンカーを使用する溶出試験(以下「シンカー法」という)において、2時間後5〜15%程度、4時間後に10〜30%程度、10時間後に40%程度以上であり、そして(b) 日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるビーズを使用する溶出試験(以下「ビーズ法」という)において、2時間後に10〜25%程度、4時間後に25〜45%程度、10時間後に50%程度以上である。
【0028】
本発明の有核錠剤は、場合により、薬理活性成分の溶出率が、(a) 日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるシンカーを使用する溶出試験(以下「シンカー法」という)において、2時間後5〜15%程度、4時間後に10〜40%程度、10時間後に50%程度以上であり、そして(b) 日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるビーズを使用する溶出試験(以下「ビーズ法」という)において、2時間後に10〜40%程度、4時間後に30%程度以上である。
【0029】
本発明の有核錠剤は、場合により、薬理活性成分の溶出率が、(a) 日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるシンカーを使用する溶出試験(以下「シンカー法」という)において、2時間後5〜25%程度、4時間後に20〜50%程度、10時間後に50%程度以上であり、そして(b) 日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるビーズを使用する溶出試験(以下「ビーズ法」という)において、2時間後に20〜60%程度、4時間後に60%程度以上である。
【0030】
本発明の有核錠剤は、場合により、薬理活性成分の溶出率が、(a) 日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるシンカーを使用する溶出試験(以下「シンカー法」という)において、2時間後5〜15%程度、4時間後に10〜40%程度、10時間後に40〜95%程度であり、そして(b) 日本薬局方の溶出試験第2法(パドル法)によるビーズを使用する溶出試験(以下「ビーズ法」という)において、2時間後に10〜40%程度、4時間後に25%程度以上である。
【0031】
本明細書において、シンカー法及びビーズ法は、下記の条件下で実施されたものである。
【0032】
シンカー法:塩化ナトリウム5gを含む0.45%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液700mlを試験液とし、錠剤1錠をシンカーに入れて日局13 溶出試験法(第2法 パドル法)によりパドル回転数50rpmにて試験し、吸光度を測定して溶出率を求めた。
【0033】
ビーズ法:塩化ナトリウム5gを含む0.45%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液700mlを試験液とし、直径6mmのポリスチレンビーズ約1500個を入れた。錠剤1錠をパドルの回転方向前面に両面テープで固定し、日局13 溶出試験法(第2法 パドル法)によりパドル回転数50rpmにて試験した。吸光度を測定して溶出率を求めた。
【0034】
本発明の有核錠剤を構成する内核部は、薬理活性成分及び親水性ハイドロゲル形成物質を含有するのが好ましいが、特に限定されない。
【0035】
内核部に配合される薬理活性成分は、外層部に配合される薬理活性成分と同一のものであるが、内核部に配合される薬理活性成分と外層部に配合される薬理活性成分とが異なっていてもよい。内核部に配合される薬理活性成分としては、上記した外層部に配合される薬理活性成分と同様のものを使用できる。
【0036】
内核部に配合される親水性ハイドロゲル形成物質としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリエチレンオキサイド等の親水性高分子物質;カラギーナン、グアーガム、アラビアゴム等の高分子多糖類等が挙げられる。これらは1種又は2種以上混合して使用される。好ましい親水性ハイドロゲル形成物質は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリエチレンオキサイドであり、特に好ましい親水性ハイドロゲル形成物質はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0037】
内核部には、上記親水性ハイドロゲル形成物質を、内核部の重量を基準にして一般に5〜90重量%程度、好ましくは10〜80重量%程度、更に好ましくは10〜70重量%程度の範囲内で含有させることができる。
【0038】
また、内核部には、親水性ハイドロゲル形成物質の他に、界面活性剤や崩壊剤を含有させることができる。
【0039】
界面活性剤としては、この分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のアルキル硫酸塩;デカグリセリルモノラウレート、デカグリセリルモノミリステート等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレンヒマシ油及び硬化ヒマシ油;ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖バルミチン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上混合して使用される。
【0040】
崩壊剤としては、この分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、カルボキシメチルスターチナトリウム等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上混合して使用される。好ましい崩壊剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスカルメロースナトリウムであり、特に好ましい崩壊剤は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである。
【0041】
更に、内核部には、必要に応じて、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルファデンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン類、乳糖、白糖、ぶどう糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機塩類、パラフィン、ワックス、高級脂肪酸等の油脂類、セルロース類等の賦形剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク、合成ケイ酸アルミニウム等の滑沢剤;各種の食用色素等の着色剤等を含ませることができる。
【0042】
本発明の有核錠剤は、例えば、それ自体公知の方法で内核部となる内核錠を作成し、次いで、有核打錠機(プレスコーター)を用いて該内核錠を前述した組成の外層部で被覆することにより製造することができる。
【0043】
また、上記内核錠(内核部)は外層部で被覆するに先立ち、薄いフィルムコーティングを施してもよい。該フィルムコーティング基剤としては、例えば、HPC、HPMC、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系水溶性コーティング基剤や、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等のセルロース系腸溶性コーティング基剤、あるいはメタアクリル酸コポリマー、セラック等その他の腸溶性フィルムコーティング基剤等が挙げられる。
【0044】
更に、本発明の有核錠剤には少なくとも1層のフィルムコーティングを設けてもよい。そのようなフィルムコーティングとしては、例えばセルロース系水溶性コーティング等が挙げられる。該セルロース系水溶性コーティングとしては、造膜性の点でHPMCを用いるのが好適であり、20℃における2%水溶液の粘度が100cps程度以下、特に15cps程度以下のHPMCが特に好適である。これらのフィルムコーティング基剤には、必要に応じてポリエチレングリコール等の可塑剤を添加することができる。
【0045】
本発明の有核錠剤は薬理活性成分を1錠当たり一般に50〜300mg程度、好ましくは70〜250mg程度含有することができる。内核部と外層部における薬理活性成分の含有量の相対的割合は特に制限されるものではないが、内核部の薬理活性成分含有量/外層部の薬理活性成分含有量の重量比は一般に10/90〜95/5、好ましくは20/80〜90/10、より好ましくは30/70〜80/20の範囲内とすることができる。
【0046】
本発明の有核錠剤の外層は、内核錠の浸食を防止する観点から、厚みは片側1mm以上、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは1.5〜3mm程度であるのがよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明の医薬製剤は、以上に述べた構成を有するため、経口投与後、上部消化管において消化液や水分を吸収して外層部が侵食マトリックスを形成するが、その機械的強度により、消化管の運動によっても容易に崩壊することがなく、外側から確実に徐々にゲル状となり、時間の経過と共に表面から薬理活性成分を安定に放出し、次いで外層部のマトリックス層からの薬物放出が完了する頃、製剤は水分の少ない下部消化管に到達し、内核部からの薬物放出が開始する。
【0048】
従って、本発明の医薬製剤は、消化管の強い蠕動/機械的運動に対する安定性が改善され、1日1回の投与で薬理活性成分の有効血中濃度を維持するという優れた効果を奏する。
【0049】
本発明の医薬製剤は、薬理活性成分の効果を発揮するために必要な量だけを長時間にわたって持続的に放出することによって、薬理活性成分の最高血中濃度の上昇を抑えると共に、適度の血中濃度を維持し得る新しいタイプの製剤である。
【0050】
本発明の医薬製剤は、生体内で速やかに崩壊することはないために、短時間に大量の薬理活性成分が生体内に放出されて薬理活性成分の血中濃度が高くなることはなく、その結果、頭痛、頭重感、疼痛等の副作用をひき起こす可能性は低い。
【0051】
【実施例】
以下に実施例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
【0052】
実施例1
シロスタゾール1600g、ラウリル硫酸ナトリウム(界面活性剤、日光ケミカルズ社製)300g、ヒドロキシプロピルセルロース(LH−31、信越化学工業社製)400g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH400、信越化学工業社製)120g、結晶セルロース(アビセルPH301、旭化成社製)80g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)78g及び酸化マグネシウム(協和化学社製)10gを混合し、精製水を用いて造粒して打錠用顆粒を得た。これにステアリン酸Mg(太平化学社製)を添加して直径7mmの杵で重量130mgの内核錠を打錠した。
【0053】
これとは別に、シロスタゾール960g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH400、信越化学社製)800g、D−マンニトール(協和発酵社製)400g、エチルセルロース(エトセル 7cps スタンダード プレミアム、ダウ・ケミカル社製)1200g及び乳糖616gを混合し、精製水を用いて造粒して打錠用顆粒を得た。ステアリン酸Mgを添加し、先の内核錠を包含する直径11mm,630mgの有核錠剤を得た。
【0054】
実施例2
エチルセルロース(エトセル 7cps スタンダード プレミアム、ダウ・ケミカル社製)を800g及び乳糖を1016g用いる以外は、実施例1と同様にして打錠用顆粒を得た。更に実施例1と同様にして、直径11mm,630mgの有核錠剤を得た。
【0055】
実施例3
エチルセルロース(エトセル 7cps スタンダード プレミアム、ダウ・ケミカル社製)を400g及び乳糖を1416g用いる以外は、実施例1と同様にして打錠用顆粒を得た。更に実施例1と同様にして、直径11mm,630mgの有核錠剤を得た。
【0056】
実施例1〜実施例3の処方を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
実施例4〜6
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH400、信越化学社製)の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH4000、信越化学社製)を用いる以外は、実施例1と同様にして打錠用顆粒を得た。更に実施例1と同様にして、直径11mm,630mgの有核錠剤を得た。
【0059】
実施例4〜実施例6の処方を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
試験例1
シロスタゾール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH400、信越化学社製)及びエチルセルロース(目開き500μmの篩で篩過したもの、エトセル 7cps スタンダード プレミアム、ダウ・ケミカル社製)を所定量混合し、精製水を用いて造粒、乾燥し、目開き850μmの篩で整粒してステアリン酸Mgを添加した後、直径11mmの臼で打錠して重量500mgの錠剤を得た。この錠剤1錠には、シロスタゾールが120mg、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが100mg、エチルセルロースが277mg、ステアリン酸Mgが3mg含まれていた。
【0062】
この錠剤を用いて、シロスタゾールの溶出率を求める試験を行った。
【0063】
溶出試験には、シンカー法及びビーズ法を用いた。これらの試験方法については、上述した通りである。シンカー法及びビーズ法共に、試験開始から18時間経過するまで、1時間おきにシロスタゾールの溶出率を求めた。結果を図1に示す。
【0064】
実施例7
シロスタゾール1600g、ラウリル硫酸ナトリウム(界面活性剤、日光ケミカルズ社製)300g、ヒドロキシプロピルセルロース(LH−31、信越化学工業社製)400g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH400、信越化学工業社製)120g、結晶セルロース(アビセルPH301、旭化成社製)80g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)78g及び酸化マグネシウム(協和化学社製)10gを混合し、精製水を用いて造粒して打錠用顆粒を得た。これにステアリン酸Mg(太平化学社製)を添加して直径7mmの杵で重量130mgの内核錠を打錠した。
【0065】
これとは別に、シロスタゾール960g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH400、信越化学社製)800g、D−マンニトール(協和発酵社製)400g、完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA NH−20、ケン化率98.5〜99.4%、日本合成化工業社製)1200g及び乳糖616gを混合し、精製水を用いて造粒して打錠用顆粒を得た。ステアリン酸Mgを添加し、先の内核錠を包含する直径11mm,630mgの有核錠剤を得た。
【0066】
実施例8
シロスタゾール1600g、ラウリル硫酸ナトリウム(界面活性剤、日光ケミカルズ社製)300g、ヒドロキシプロピルセルロース(LH−31、信越化学工業社製)400g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH400、信越化学工業社製)120g、結晶セルロース(アビセルPH301、旭化成社製)80g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)78g及び酸化マグネシウム(協和化学社製)10gを混合し、精製水を用いて造粒して打錠用顆粒を得た。これにステアリン酸Mg(太平化学社製)を添加して直径7mmの杵で重量130mgの内核錠を打錠した。
【0067】
これとは別に、シロスタゾール960g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH400、信越化学社製)800g、D−マンニトール(協和発酵社製)400g、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS(オイドラギットRSPO、レーム社製)1200g及び乳糖616gを混合し、精製水を用いて造粒して打錠用顆粒を得た。ステアリン酸Mgを添加し、先の内核錠を包含する直径11mm,630mgの有核錠剤を得た。
【0068】
実施例9〜11
シロスタゾール50g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH400、信越化学工業社製)30g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH100、信越化学工業社製)80g及びマクロゴール6000(三洋化成社製)22.5gを混合し、約70℃に加熱しながら攪拌し、冷却した後に目開き850μmの篩で整粒した。
【0069】
この整粒物に、pH非依存型高分子物質40gを添加して混合した後に、ステアリン酸Mg(太平化学社製)1.5gを添加し、直径8.5mmの臼で打錠し、重量224mgの錠剤を得た。
【0070】
pH非依存型高分子物質として、次のものを用いた。
pH非依存型高分子物質A:完全ケン化ポリビニルアルコール(目開き500μmの篩で整粒したPVA、NH−20、ケン化率98.5〜99.4%、4%水溶液の粘度35〜43cps、日本合成工業社製)
pH非依存型高分子物質B:エチルセルロース(目開き710μmの篩で整粒したもの、7cpsスタンダードプレミアム、ダウ社製)
pH非依存型高分子物質C:アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS(オイドラギットRSPO、レーム社製)
比較例1
pH非依存型高分子物質の代わりに、部分ケン化ポリビニルアルコール(目開き500μmの篩で整粒したPVA、GH−20、ケン化率86.5〜89.0%、4%水溶液の粘度40〜46cps、日本合成工業社製)40gを添加する以外は、上記実施例9と同様にして、重量224mgの錠剤を得た。
【0071】
比較例2
実施例9で得られた整粒物に、ステアリン酸Mg(太平化学社製)1gを添加し、直径8.5mmの臼で打錠し、重量183.5mgの錠剤を得た。
【0072】
試験例2
実施例9〜11及び比較例1〜2で得られた各錠剤について、溶出試験を行った。試験例2におけるシンカー法及びビーズ法は、次の通りである。
【0073】
シンカー法:0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液600mlを試験液とし、錠剤1錠をシンカーに入れて日局13 溶出試験法(第2法 パドル法)によりパドル回転数50rpmにて試験し、吸光度を測定して溶出率を求めた。
【0074】
ビーズ法:0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液600mlを試験液とし、直径6mmのポリスチレンビーズ約2000個を入れた。錠剤1錠をパドルの回転方向前面に両面テープで固定し、日局13 溶出試験法(第2法 パドル法)によりパドル回転数50rpmにて試験した。吸光度を測定して溶出率を求めた。
【0075】
シンカー法での溶出試験結果を図2に、ビーズ法での溶出試験結果を図3に示す。
【0076】
図3から、ビーズ法においては、pH非依存型高分子物質を添加した場合にシロスタゾールの溶出を抑制すること及びpH非依存型高分子物質の中でも完全ケン化ポリビニルアルコールが特によい結果を与えることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、シンカー法及びビーズ法による溶出試験での時間とシロスタゾールの溶出率との関係を示すグラフである。
【図2】図2は、シンカー法による溶出試験での時間とシロスタゾールの溶出率との関係を示すグラフである。
【図3】図3は、ビーズ法による溶出試験での時間とシロスタゾールの溶出率との関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 薬理活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び完全ケン化ポリビニルアルコールを含有する有核錠剤。
- (A)薬理活性成分を含む内核部と、(B)薬理活性成分、完全ケン化ポリビニルアルコール及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する外層部とから成る、請求項1に記載の有核錠剤。
- 外層部には更に水易溶性物質が含有されている請求項2に記載の有核錠剤。
- 水易溶性物質がD−マンニトールである請求項3に記載の有核錠剤。
- 完全ケン化ポリビニルアルコールを2〜50重量%程度、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを5〜35重量%程度及びD−マンニトールを3〜20重量%程度含有する、請求項4に記載の有核錠剤。
- 薬理活性成分がシロスタゾールである請求項1〜5のいずれかに記載の有核錠剤。
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